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リリカルなのはクロスSSその65

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 18:21:49 ID:FNyKkyhj
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
ゲット・雑談は自重の方向で。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその64
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1209789426/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロスSS感想・雑談スレ36(避難所で進行中)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6053/1209615724/

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/

NanohaWiki
ttp://nanoha.julynet.jp/

R&Rの【リリカルなのはStrikerS各種データ部屋】
ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/index.html

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 18:22:53 ID:FNyKkyhj
【書き手の方々ヘ】
・作品投下時はコテトリ推奨。トリップは「名前#任意の文字列」で付きます。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しに削除されます。空白だけでも入れて下さい。
・専用ブラウザなら文字数、行数表示機能付きです。推奨。
・専用ブラウザはこちらのリンクからどうぞ
・ギコナビ(フリーソフト)
 http://gikonavi.sourceforge.jp/top.html
・Jane Style(フリーソフト)
 http://janestyle.s11.xrea.com/
・投下時以外のコテトリでの発言は自己責任で、当局は一切の関与を致しません 。
・投下の際には予約を確認してダブルブッキングなどの問題が無いかどうかを前もって確認する事。

【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、支援レスで援護しよう。
・投下直後以外の感想は感想・雑談スレ、もしくはまとめwikiのweb拍手へどうぞ。
・気に入らない作品・職人はスルーしよう。そのためのNG機能です。
・度を過ぎた展開予測・要望レスは控えましょう。
・作品の投下は前の投下作品の感想レスが一通り終わった後にしてください。
 前の作品投下終了から30分以上が目安です 。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。

【注意】
・運営に関する案が出た場合皆積極的に議論に参加しましょう。雑談で流すのはもってのほか。
 議論が起こった際には必ず誘導があり、意見がまとまったらその旨の告知があるので、
 皆さま是非ご参加ください。
・書き込みの際、とくにコテハンを付けての発言の際には、この場が衆目の前に在ることを自覚しましょう。
・youtubeやニコ動に代表される動画投稿サイトに嫌悪感を持つ方は多数いらっしゃいます。
 著作権を侵害する動画もあり、スレが荒れる元になるのでリンクは止めましょう。
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
 いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
 追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 18:23:32 ID:FNyKkyhj
【警告】
・以下のコテは下記の問題行動のためスレの総意により追放が確定しました。

【作者】スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI
【問題の作品】「スーパーロボット大戦X」「スーパーロボット大戦E」「魔法少女(チェンジ!!)リリカルなのはA'S 次元世界最後の日」
【問題行為】盗作及び誠意の見られない謝罪

【作者】StS+ライダー ◆W2/fRICvcs
【問題の作品】なのはStS+仮面ライダー(第2部) 
【問題行為】Wikipediaからの無断盗用

【作者】リリカルスクライド ◆etxgK549B2
【問題行動】盗作擁護発言
【問題行為】盗作の擁護(と見られる発言)及び、その後の自作削除の願いの乱用

【作者】はぴねす!
【問題の作品】はぴねす!
【問題行為】外部サイトからの盗作

【作者】リリカラー劇場
【問題の作品】魔法少女リリカルなのはFullcolor'S
【問題行為】盗作、該当作品の外部サイト投稿及び誠意のない謝罪

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 18:32:47 ID:4cTMIkz2
               __ _, -―‐-/ヽ_
                /  ̄/⌒ : : : : : : : : : ヽ:ヽ
            /'  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:∧.:.',
             〃 /.:.:.:./.:./xァヽ.:.:ヽ.:.:.:ヽ]\!
            {i ,'.:.:.: /:/ /:ムハ.: 从-ヘ\.:.:.:\
            ヾ |.:{.:ッく  ' イテト }:/イテ圷 .:.\.:.:.:ヽ
              レ'´   V彳V:::j    V::リj}:.:.;小;.:.:.:i >>1乙ですよ〜
             /\   〉:ゝ   rー;   /.:./: | ヘ.:.:|
                /   \∧.:个 ,、 `_ , イ':.:/.:.:.{  j;ノ
            /    /- ヘ弋六>ー< /.:∠:_.:八
              /     ノ|\  \{ V〉〈V/|  `ヽ:ヽ
            ヽ、   ノ {〃 \ ヽ/ / ヽ/ |.: ヽ
            /`.:ー─‐l{   く\ <〉≠ }l  |.:.:.:.:\
              //.:.:.:.:./.:.:∧  ニ二孑f   /'  |ヽ:.:.:..:.:\
          //.:.:.:.:./.:.:.,'.:∧     j   〈   l.:.:.ヽ.:.:.:\ヽ
          {:{.:.:.:.:.:.{.:.:.:.:.:/     /    \ |.:.:.:.:.}.:.:.:.:.:}}


5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 18:34:50 ID:9G+ZYMOq
1乙!
そして、ついでにリリカル殺生丸の感想!

エリオ、頑張ったけど無念w
ルーテシアの虚無には、彼の信念と夢だけは届かなかったのですね。
本編とは違い、さらなる虚構の心を持ってしまったルーテシア。
己が死んでも悲しまぬために冷たく接してしまう死に逝く騎士、ゼスト。
その悲しみの影に無意識に気付きながらも、力になれないアギト。
彼女たちと彼に対し、殺生丸は如何なる行動が出来るのか。彼が齎す変化は救いになるのか、それともさらなるすれ違いの悲しみになるのか。
そして、ギンガ。
殺生丸が齎した毒のために傷ついたスバル。
そして、彼女の正義故に間違っていると考え、倒す決意をしたギンガ。
彼女の拳は殺生丸を打ち倒せるのか。
機械仕掛けの体、人間の脳、そして揺らぐ不安定な心を持ってしまったディエチ。
彼女はこれからの戦いでどう思いを成長させ、いかなる心を得るのか。
揺れ動く人間模様にドキドキです。

反目氏ならではの心理描写、群像劇は見事の一言。
ついでにシャワーシーンに興奮してみたり(笑)
これからがさらに楽しみですw
GJでした!!!

6 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 18:56:03 ID:D6QyIPaN
では時間になったので投下いきます。

7 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 18:56:48 ID:D6QyIPaN
 ――平凡な小学生だった私、高町なのはに訪れた突然の事態。
 渡されたのは赤い宝石。手にしたのは魔法の力。
 出会いが導く偶然が今、光を放って動き出していく。
 繋がる想いと、始まる物語。
 それは魔法と日常が並行する日々のスタート。
 だけどそれは、決して私だけに訪れた事態じゃなかった。
 彼に渡されたのは護符。手にしたのは自由な世界。
 日常と冒険が並行する日々の始まり。
 でも彼が手にした出会いは、本当に儚いもので。
 その事を私達が知るのは、もっとずっと後のことで。
 ――今はただ、この偶然が導いた出会いに、感謝するばかり。
 
 
 
 魔法少女リリカルなのはThe Elder Scrolls はじまります。
 
 
 
 
「……ふむ。とすると君達は、そのミッドチルダとかいう場所からシロディールまで旅をしてきたのか」
 
「ええと、まあ……そんな所、なのかな?」
 
「聞いたことがない地名だが……モローウィンドよりも遠い所って言うんじゃ、仕方ないか。
 それにしては旅慣れていないように見えるが……。
 山賊やらカジートやらもいないような所なのかい、そのミッドチルダは?」
 
「にゃははは……うん。そんな所です」
 
 それはまた随分と辺境なんだなと呟くアルゴニアンに、なのは達は苦笑いを浮かべた。
 
 実に奇妙な一行だった、と思う。
 女の子二人にアルゴニアンが一人。
 
 タムリエル広しと言えども、好んでアルゴニアンと接したがる人はそういない。
 かつては奴隷であり、未だに多くが泥沼の近くで原始的な生活を営んでいる、被差別種族なのだから。
 勿論おおっぴらに差別される事は無いが、見目の悪さと相俟って潔癖症な帝国民からは嫌われている。
 先ほど彼女達が出会ったカジートの山賊も知っていたように、レヤウィンの伯爵夫人に関する噂もある。
 曰くレヤウィン城の地下には秘密の拷問部屋があるだとか、
 曰く目をつけられたアルゴニアンやカジート達は生きて帰れないだとか、
 曰く血の淑女なる人物が全ての拷問を取り仕切っているだとか、
 まあ、多くの人は噂話だとして片付けているのだけれど。
 そう言った噂が流布すること事態、如何に異種族を嫌う人間が多いかということの証明と言える。
 
 なのはとフェイトが出会ったアルゴニアンは、奇妙なことに自らを行商人と名乗った。
 何でもブラヴィルで仕入先の人と、取引をした帰りだったそうだが――……。
 アルゴニアンの行商人なぞ、滅多にいるものではない。――人に嫌われている種族だからだ。
 とはいえ、二人はその事を『奇妙』と思わずに受け入れた。世界の常識にはとことん疎い。
 それに何よりこのアルゴニアン。不思議なことに人を惹き付ける何かがあった。
 
 こうして共に並んで旅をしていると、それが良くわかる。
 仕立ての良い緑色の衣服。動きやすそうな革のブーツ。
 首から下げた宝石や、両手の人差し指に一つずつ嵌めた指輪も、
 あまり自己主張をせず、綺麗に纏まっている。
 背中に弓矢を背負い、腰に剣を吊るしているとはいえ――
 先ほどのように盗賊に襲われることを鑑みれば、当然と言えた。

8 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 18:57:33 ID:D6QyIPaN
「シェイディンハルまで品を運ばなきゃならないんだがね。
 久々にレヤウィンから大回りしようかとも思ったが、まあ帝都に向かって良かったよ。
 まったく、街道から離れたところを旅するなんて――女の子のやる事じゃあないぞ」
 
 つまり二人にはブラヴィルもシェイディンハルもレヤウィンも、どんな都市なのか見当もつかない。
 それにしても、話を聞くだに物騒な世界である。
 山賊が蔓延り、怪物が闊歩し、世間に危険が満ち溢れていて。
 ミッドチルダや地球といった、治安の良い世界に暮らしていた二人には、ちょっと想像できない。
 
「にゃはは……。道を五分も歩けば山賊に出会うって、ちょっと大げさな気もするけれどねー」
 
「大袈裟なもんか。私が旅に出たばかりの頃は、それはもう酷かったんだぞ。
 まあ、さすがに帝都の近くまでくれば治安も良いが――衛兵が巡回しているからだな、結局は」
 
「……………あの、アルゴニアンさん?」
 
「うん? どうかしたか、フェイト」
 
「地図とかって、持って無いですか? シロディールの」
 
「そりゃあ私は持ってるが――そうか。二人は持ってないのか」
 
 はい、と頷くフェイトに対し、ふむと考え込むアルゴニアン。
 
「別に見せるのも、渡すのも構わんが――どちらにしろ、もう少し後にした方が良いだろうな」
 
 そう言って彼は、ちらりと視線を空に上げる。
 つられて二人も見上げると、もう夕焼けも過ぎ去り、夜が迫ってきているのがわかった。
 また、その空の美しさに息を呑む。
 夕焼けが端の方から暗くなっていき、煌く星の瞬きが徐々に鮮明になっていく。
 その数は、とてもではないがミッドチルダや海鳴の比ではない。
 文字通り『満天の星空』と言ったところか。
 そして何よりも目を引くのは――大きな二つの月。
 彼女達が知っている月というのは勿論一つで、白や黄色なのが普通だったが、
 このタムリエルで見える月は二つ。それも様々な色が混じり合った、奇妙な美しさを持っているのだ。
 
「う、わぁ……」
 
「凄い――綺麗」
 
「……もう遅い。この先に私の行き付けの宿がある。
 どうせ今から帝都に向かうには夜通し歩くか、途中で野宿だろう。
 其処に泊まろうと思うのだが、どうだ?」
 
 二人から拒絶の言葉がでる筈もなかった。



 

9 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 18:58:27 ID:D6QyIPaN
 
 
 ―――宿屋『不吉の前兆』。
 
 
 あまりにも、あまりな名前である。
 ましてや、かつてその宿で凄惨な殺人事件が起きたとなれば、だ。
 何でも泊まっていた老人が、何者かによって刺殺されたのだとか。
 その鮮やかな手並み、そして老人が何かに怯えたような素振りを見せていた事から、
 此度の殺人事件は、ある集団の手によるものだと実しやかに囁かれている。
 曰く――暗殺組織『闇の一党』の仕業だ、と。
 
 だが、そんな事情があるとなれば、宿屋の辿る運命は二つに一つ。
 つまり寂れるか、栄えるか、という至極当然の二択であり、
 幸いにも『不吉の前兆』が辿ったのは後者であった。
 近くにある宿屋『ファレギル』が街道から少し逸れた場所にある事も手伝って、
 この小さな、個人経営の宿屋はそれなりに繁盛をしているらしい。
 ランプの明るい橙色の光に照らされた室内は、活気に溢れていた。
 食堂には数人の客が思い思いに食事を楽しみ、酒を飲み、
 店主はその光景を楽しそうに眺めている――と言った具合だ。
 新たな客の存在に意識を奪われた店主は、其の人物が常連客であることを認めると、
 その顔に満面の笑みを浮かべ、両手を広げて迎え入れた。
 
「やあアルゴニアン、よく来てくれたね!」
 
「ああ、相変わらず盛況なようで何よりだ。――二部屋頼めるかい?」
 
「二部屋? そりゃ構わんが――ああ、後ろのお嬢ちゃんがたは、あんたの連れか」
 
「そういう事だ」
 
「…………娘か?」
 
「馬鹿を言え、アルゴニアンにインペリアルの娘がいるものか」
 
 そんな和やかな会話の末、あっという間に宿泊の手続きが進むのを見て、
 なのはとフェイトはある事実を思い出し、慌てて口を挟もうとした。 
 理由は明白だ。
 『この国のお金が無い』
 それを言うと、アルゴニアンは笑った。
 
「子供がそんな事を気にするものじゃあない」
 


10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 18:59:30 ID:9G+ZYMOq
支援!
アルゴニアンwktk

11 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 18:59:30 ID:D6QyIPaN
 という訳で、あっという間に二人は寝室に放り込まれていた。
 『子供は寝る時間だ』という事らしい。
 12歳ともなれば、九時や十時に眠るという事に多少なりとも抵抗は感じるのだが、
 ――とはいえ、其処は女の子が二人。パジャマに着替えた後は自然にお喋りの時間となる。
 寝台――小さなものが一つ。とはいえ少女二人ならば十分な大きさだ――の上に座り、
 先ほどアルゴニアンから手渡されたシロディールの地図を広げ、興味津々といった様子で覗き込む。
 
「ええっと……帝都は、この真ん中の湖に浮かぶ島、だよね」
 
「たぶん。それで街道を南東に下って――川沿いのブラヴィル。海まで行くと、レヤウィン」
 
「其処から川の対岸に出て、ずーっと北上すると――帝都の東側に、シェイディンハル、かー。
 アルゴニアンさんって、こんな長い距離を歩くつもりだったんだね」
 
 大雑把な地形の上に街道と、各地の大都市の位置だけが記された地図を見ながら、
 移動中に彼の語った土地の場所を確認していく。
 『空を飛ぶ』という概念の無いらしいこの世界において、この距離を歩くのは中々に堪えそうだ。
 とはいえ行商人ともなれば、やっぱり方々を歩き回るのだろうし、然程の苦労でもないのだろうか?
 
「……そうだ。ねえ、なのは。気づいてた?」
 
「うん? 何のこと?」
 
「あの人、行商人って言ってたけど――『売るほどの荷物』を持ってなかった」
 
「…………」
 
 言われてみれば、だ。
 仕入先の人と取引をした、という事はそれなりの『商品』を持っていなければならない。
 だが――彼はそんなに大量の荷物を持っていただろうか?
 否だ。勿論、旅人の常として背負い袋は持っていた。
 だが……その中に売り物が入っているとは、到底思えない。
 
「……それに、助けてもらった時もだけど。
 ただの行商人が、あんな風に気配を消せるのかな……」
 
「……でも、この世界は物騒だって言ってたよ。
 それにアルゴニアンさんが何を売ってるのかにもよるんじゃないかな?
 ひょっとしたら、凄く軽い物なのかもしれないの」
 
「それは……そうだけど」
 
 押し黙る二人。
 やがて出た結論は『まだこの世界の事をよく知らないから』だった。
 違和感は感じる。奇妙だと思う。
 だがそれは、この世界では普通なのかもしれない。
 ――それに悪い人じゃなさそうだし。
 
「……そう、だね。少し考え過ぎてたかもしれない」
 
「そうそう、一日歩いて疲れちゃったんだよ、きっと。
 ――今日はもう、寝ちゃおうか」
 
「うん……おやすみ、なのは」
 
「おやすみなさい、フェイトちゃん」
 
 フッと蝋燭の火が吹き消され、
 二人にとって『初めての日』は、ゆっくりと過ぎて行った……。

12 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 19:01:03 ID:D6QyIPaN
以上ここまで。
今回は短めっていうか帝都に入ってるはずだったのにプロットじゃ。
アルゴニアンの装備? 詐欺師の一張羅に血染めのブーツですが何か?

では帝都兵にスタァァァップされてきますノシ

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 19:21:05 ID:7WLSphqP
       _ _ _
     /  .|  |  .\
    /____|  |__ \
  /  ___..乙___  \
  |  / (●)|_|(●) \  | TES氏スタァァーップ!
  |  |    .(__人__)   | | 待て!お前は良作SSを投下した 
  |  |     |::::::|    | |  科料を支払うかGJされるかのどちらかだ
  .\|     l;;;;;;l    | /
   /.     `ー´    \
 /              ヽ


14 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 19:23:36 ID:65C2EEuC
どうも、この度は「キャロが千年リングを見つけたそうです」の続きが完成……してません!!(ぉい
でキサマは何をやっていたのだ!?と言われますと、「リリカルギアス」を書いてました…イタイ! 物を投げないで〜
今回は「逆襲のノーヴェ」と言うま〜微妙なキャラをメインに添えたつもり。

誰か先客が居なければ8時頃から投下したいと思います。

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 19:24:40 ID:yY0v7IIt
ちょw 闇兄弟かよwww
ブラヴィルで取引してシェイディンハルへ・・・『あの』仕事帰り?(((( ;゚Д゚))))
このアルゴニアンどう見ても影座です。本当にありが(ry

16 :魔法少女リリカルなのはTES ◆O4WHtYg2/w :2008/05/13(火) 19:36:43 ID:D6QyIPaN
ttp://cafebremen.s45.xrea.com/gazou/00_ura_oblivion/002/oblivion_002_156.jpg

おっと、参考までにシロディールの地図を。
現在、なのはとフェイトが泊まっているのは、
帝都の真南に位置する街道の、二股になってる部分の右側。
ここが宿屋『不吉の前兆』です。
初日に彼女達が降り立ったのは、もうちょい南東の
ちょうど文字が描いてあるあたり。
「ウェニヤンダウィク」という遺跡の北側です。

17 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/13(火) 19:45:09 ID:SA/z/DuZ
どうも、THE OPERATION LYRICALです。
えーっと、何もなければキャロとバクラの人氏の後に投下したいのですが
よろしいでしょうか?今回長め(20KB)です。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 19:55:41 ID:ys5FM+lc
支援開始!

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:05:14 ID:mFEqRNfd
支援

20 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:12:23 ID:65C2EEuC
ボク、ロイド・アスプルンドがその男と会ったのは、数年前の暑苦しい夏の夜だった。
部下たちが全員帰った後で一人、最高のナイトメア・フレームを作るという目的の為に邁進していた……まぁ、何時も通りの夜。

「やぁ、はじめまして。ロイド・アスプルンド卿」

研究・開発部門とは言えまがりなりにも軍の施設。そのセキュリティーなんて無かったようにその男は立っていた。
紫の髪は肩までかかり、白衣を身に着けていることから同類 科学者の類だろうか? 
作り物めいた金色の瞳と表情は『笑』の形に歪んでいる。友好的とは違う嫌な笑み。全てを気侭に弄る事が当然だと言う気味の悪い笑み。
他人から言わせればボクも何時でも特有な笑みを浮かべているらしいけど、それとは全く種類が違うと言う事だけは理解できた。

「君の噂を聴いてね。ぜひとも研究成果のほどを見せてもらおうかと伺ったのだが……」

「ここ一応軍の施設なんだけどねぇ〜そ・れ・に! 見ず知らずの人間に大事なものを見せる趣味も無いよ」

遠慮って物を知らないと部下には怒られるボクの分かり易い拒絶の言葉。
それでも彼は自分の意思が通らない自体が起こる事を、予定していないと言う風に変わらぬ口調で名乗った。

「私はジェイル・スカリエッティという。よろしく」

「っ!」

流石のボクも続行していた作業の手を止め、その人物を興味深く見つめる。
管理局によるサクラダイトの分配要求時から、極東事変による表向きの戦力撤退まで、多次元世界の情報は多く流れてきた。
その中で聞いた名前だった。『Drジェイル・スカリエッティ』。
生命操作を筆頭にした違法研究を数多く手掛ける、幾つモノ世界で指名手配された大物の犯罪者。
同時に犯罪者でなければ確実に歴史に名を残すと言われる天才。興味がないと言えば嘘になる。

「専門分野とは違うのだがKMFについて興味があってね。色々と調べているんだ」

「ふぅ〜ん……それでここに来たの? 多次元世界、異能の天才が尋ねてくるなんて〜ボクも出世したのかなぁ? っふふ〜」

「基礎理論はブリタニアの何処に行っても手に入ったのだがね〜やはり最新鋭を知りたいと思うのが科学者の性だろう?」





21 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:13:42 ID:65C2EEuC
色々と違うところはある。でもやっぱり根本にあるのは同じ科学者の性質。
ソレを確認し、どちらとも無く浮かべるのは笑みだった。同族嫌悪って言葉があるけど、それってナンセンスだと思う。
だって二人で考えた方がイロイロと良いプランも浮かぶでしょ?
もっとも……ボクも彼もそう言ったパートナーには巡り合い難い性質なんろうけどね。

「では交換と行こうか? ロイド卿」

「ボクは今組み立てているKMFの強化プランを出すとして……貴方は何をくれるんだい?」

向こうの世界でKMFを如何にかする意思も技術も無いだろう。ソレに相手は犯罪者。
渡さなかったらどうなるか分からないよ。大体サラッと進入されるのがいけないんだから。
うんうん、ボクは悪くない悪くない。それよりも〜目の前の知的探求〜

「戦闘機人計画の基礎など如何かな? この世界ならば足がつかない代わりに実践もできないだろうが……」

生命操作、人体改造……専門分野じゃないんだけどさ。やっぱり全然知らない事を理解するのって、うれしいじゃん?

「それで良いよぉ〜決まりだ」

どちらとも無くお互いに差し出した一枚のディスク。自分の成果を詰め込んだソレが行き来する。

それだけ。

本当に短い間だったけどこれがボク達の最初で最後の会話の内容だった。
あっ……そう言えば最後に彼はヘンな事を言ってたな〜

『もし目指す完璧に辿り着いたら、私達は次になにをすれば良いのだろうか?』

ボクはソレに笑って答えたんだ。

『完璧なんて無いよ。辿り着いたってきっと満足なんてしないからさ』

それを聴いた時の彼の顔をどうしてもボクは忘れられなかったんだ。
ハッとして……イヤな笑みを浮かべて……思い出したような……『悲しそうな顔』。
どうして君は





22 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:14:56 ID:65C2EEuC
「……さん」

「んぁ?」

「ロイドさん!!」

非生産的な過去を思い出していると思ったら、どうやら夢だったようだ。
何時ものディスクに突っ伏して眠っていたらしく、あちこちが痛む。ギリギリと首を浮かばせば、そこにはボクの発想についてくる珍しい部下の姿。

「おはよぉ〜セシル君。今日も美人……じゃないね? どうしたの、その隈」

「貴方が拾ってきた案件の残業を三日ほどご一緒したのお忘れで?」

そう言えばそうでした。

「お忘れなら思い出させて差し上げましょうか?」

「遠慮します」

一般論から言えば彼女 セシル・クルーミーは美人だと評されるだろう身体的特徴を多く持っている。
でも……ボク限定で手が早い。色々飛んでくる殴打やら足蹴やら関節技やら。
しかも〜内緒で計ったんだけど、魔道師としての資質もかなりものだ。
ボクみたいな奴のお守りをしてるより、強襲部隊の魔道師でもやった方が稼ぎも良いだろうに。
もしかしてナイトメア・フレームと一対一でやり合うくらいのベルカ騎士だったりして〜

「なにか『考え』ましたね?」

「イタイ! イタイよ、セシルくぅん〜!」

しかも人間として色々と感覚が優れているようだ。でも心を読むのは勘弁してください。
あと耳を離してぇ〜

「っと! こんな事をしてる場合じゃありません! 『あの子』が眼を覚ましました!」

「そう……じゃ行こうか」

ボクは悲鳴を上げる体を捻じ伏せて椅子から立ち上がり、歩き出す。
向かう先はこの三日間、大好きなランスロットを放り出して熱中した成果へと。
ボクの後ろ、僅かに後れて続くセシル君。そこから飛んでくるのは何時も感じない疑いと戸惑いの視線。

「ロイドさん、いい加減教えてください」

「う〜ん、やっぱり本人に聴いた方が良いと思うんだよねぇ」

「何も聴かなくても貴方は彼女を『直した』じゃないですか。あんな……」

セシル君の言葉は途切れた。まあ当然だろう。ブリタニア、この世界、管理局を筆頭とする多次元世界でもあのような存在は珍しい。
少なくともボクはそんな存在を『彼の作品』しか知らない。そして彼の作品の情報を持っていたから、直すことが出来た。
それだけだよ。技術や知識ってその通りに答えてくれるから好きだなぁ〜ボク





23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:16:05 ID:mFEqRNfd
支援

24 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:16:56 ID:65C2EEuC
「どこだ?……ここ」

手術台……と呼ぶには些か機械的過ぎる台の上、無機質な電灯を見上げるのは少女。
僅かにオレンジ掛かった赤い髪は短く、金色の瞳の奥がまるでレンズのように動いた。
引き締まった体を駆け巡るのは電気信号。感覚などと言う曖昧なものではない情報が体中から集まってくる。
次々と読み上げられるのは「破損箇所」。そのレベルも「損傷軽微・戦闘可能」から「損害大・要修理」まで分類済み。
眼で確認すればやはり目に入るのは多くの傷を負った裸体が飛び込んでくる。
傷とは正に『損傷』。破られた皮膚の下から覗くのは無機質なケーブルやフレーム。
辺りに設置された機器から伸びるケーブルが破損箇所に繋がり、逐一情報を指し示す。


「おはよぉ〜」

「っ! なんだ、テメエら。ここは何処だ?」

少女は不意に開いた扉から掛けられた気の抜けた声、同時に現れた白髪の薄い笑みを浮かべた白衣の男へと鋭い視線をぶつける。
その視線は受けてもヘラヘラしていた男 ロイドだったが、後ろに控えた女性 セシルから飛んでくる視線を背中越しに感じ、話を進める。

「ここはエリア11の特別派遣嚮導技術部だよ〜」

「? エリア11……どこだ、ソレ?」

「ん〜じゃあ、『第一種特殊管理対象世界』って言えば分かるかな?」

その言葉は魔力の増幅、伝達に優れた希少金属『サクラダイト』の発掘される唯一の場所。
同時にサクラダイトを動力と伝達系に使用する人型魔道自在戦闘装甲騎 『ナイトメア・フレーム』の発祥地。
そして……管理局大敗の屈辱の地。封印された忌まわしい場所の名前。

「それなら知ってる……でもなんでアタシはそんな世界に……」

口にしてズキンと少女の思考回路と記憶領域を焼くイヤな夢……いや、現実。
生まれてから、作られてから続く『不甲斐ない自分への怒り』の道のり。
初めての実戦では大事な姉に大怪我を負わせてしまい、最終決戦では三対一の有利にありながらも敗北。
敗北後は勝者に養われ、飼いならされた。それでも大切な姉妹たちと一緒に頑張って……また……

「任務の途中で次元震が起きて……」

「あ〜やっぱり。次元漂流者ってヤツ? 因みにボクはロイド・アスプルンド」

名乗られたら名乗り返す。管理局で教わった事の中で、素直じゃない彼女が最初に実行で来た事柄だった。
それでも多分にトゲがある言葉遣いに成ってしまっていたが……

「……ノーヴェ」

「君さ……戦闘機人でしょ?」

「っ!? なんで……ソレを!」

違った色の驚愕に染まりつつ、ノーヴェは目の前に現れた胡散臭い白衣を睨みつける。
まあそんな疑いの視線を受け止めるロイドがヘラヘラしてるのは何時もの事だが、盛大に事態から置いてけぼりにされたセシルが小さく言う。

「戦闘機人? それが……その、彼女の?」

「セシル君、君はもう少し多次元世界間でのニュースを耳に傾けるべきだよ……でも、この名前くらいは知ってるでしょ?」

『Drジェイル・スカリエッティ』



25 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:18:33 ID:65C2EEuC
セシルの息を呑む音と重ねて、戦闘機人ノーヴェは更に疑問を深くする。
余りにも余裕を持って自分とドクターの存在を結び付ける胡散臭い白衣に。
そして何よりも……僅かながらに直された損傷箇所。もし放置されれば意識の回復はもっと遅れていただろう損害。
それが直されているのだ。つまり名前を知っているだけじゃなくて、戦闘機人の基本構造などを理解していると言う事。

「ジェイル・スカリエッティって……あの?」

「そう広域次元指名手配の犯罪者。生命操作、人体改造などなどの違法研究を数多く行ってきた科学者さ。
 もしも犯罪者じゃなかったら、歴史に名を残す大天才。でも……管理局に捕まったって話も聞く」

「ちっ……」

ノーヴェが視線を逸らし、舌打ちを一つ。その反応がロイドの口にした内容が間違いではない事を示していた。
本当に分かり易い子である。

「だからさぁ〜彼女はこのさき生まれる事が無いであろう、ジェイル・スカリエッティ製戦闘機人の貴重なサンプルなんだよねぇ〜」

「だから……助けたのか? 解剖でもすんのかよ?」

「んぅ〜ん、ソレも捨て難いね〜」

鋭い問いにはニコニコとヒドイ事を返すロイド。だが背後から伸びてくる腕には気が付かなかった。
ガッシリとホールドされる頭骨。万力のような力を加えるのは、人に対する配慮が出来ない上司を持った人。

「ロ・イ・ド・さん!」

「イタイ! いま骨が『ミシッ!』て言ったよ、セシルくぅ〜ん」

「……」

自分の身の危険を感じていたノーヴェだが、その二人の様子に気が抜けてしまった。
どうせ自力では戦闘どころ立つことも難しい現状、いきり立つだけ無駄と言う事だろう。
冷たい手術台に体重を再び預け、何度目かも分からないため息。

「実は基礎構造はもう知ってるの。だからさぁ〜次は実働のデータが欲しいなぁ〜と思ってねぇ?
 イヤ〜! 次元世界広しと言えど、本物の戦闘機人の実働データなんて持ってるのは管理局くらいなものだからねぇ〜
 ボクって本当にラッキーだよぉ〜」

「それだ! 何で私達の構造データ、知ってんだよ!!」

「そうですよ、ロイドさん! 
幾らスカリエッティが名の知れた広域指名手配の次元犯罪者でも、その研究内容を把握している理由には成りません!」

その酷く当然な二人の問いに、ロイドは取っても簡単な事と口を開く。


「だってボク、ジェイル・スカリエッティと会ってるからね? 一回だけだけど。
 その時に交換で貰ったんだ、戦闘機人の基礎構造……言ってなかったっけ?」


「「えぇええ!?」」




26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:19:42 ID:mFEqRNfd
支援

27 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:27:36 ID:65C2EEuC
「ノーヴェくぅ〜ん、次はこのパーツをお願いねぇ〜」

「りょうか〜い……ったく、なんでこんな事してんだろう……」

アタシ 戦闘機人9番ノーヴェは、ナイトメア・フレーム用の大きなパーツを抱え上げながら、やっぱり何度目か分からない疑問を口にした。
自分は本来他の姉妹たちと一緒に管理局の管理下で更正・奉仕作業に従事しなければ成らなかったのだ。
もっとも奉仕と言う名前で実戦に駆り出され、そこで発生した次元震により見事に次元漂流者になってしまったけど……

「ほら〜はやくぅ〜これからシンジュク行くからね、例の毒ガス騒ぎで。
もし出撃許可が下りたら、ノーヴェ君の新武装の実戦テストをやるよ。
本当はランスロットも動かしたいんだよね〜この騒ぎに乗じてちょっと無茶を……」

「分かってる!」

漂流の後、アタシが世話になっているのは特別派遣嚮導技術部、通称は特派。
世界の三分の一を支配し、階級社会を維持する差別の大国 神聖ブリタニア帝国の軍隊の一部署。
だけど……主任のロイドからして軍隊の規律なんていうものとは無関係に自由気侭。
しかも人事権とかで旧日本 エリア11の統治軍とは分離されているから、アタシみたいな漂流者も席を置ける。
ロイドは全く軍人らしくないけど、ドクターが声を掛けたくなるのも分かるほどの技術力は本物。
壊れた戦闘機人に戦闘稼動が可能なほど修理・改良し、武装まで作ってしまったのだ。

「でもな〜たかが一機の中古グラスゴーを撃破して、毒ガスを奪還する任務だもんねぇ。
 ボクたちみたいな非正規軍に出番があるのやら……もう目も当てられないピンチにでもなれば……アガッ!」

自分の研究の為ならば、自分が属する組織のピンチを求めるロイドの呟きが、強制的に中断された。
崩れ落ちたアイツの背後には、私と同じブリタニア軍の技術系女性士官服を着て、鉄建を振り下ろし終えたセシルが見えた。

「不謹慎ですよ♪ ロイドさん」

「……はぁい」

崩れ落ちたロイドには目もくれず、セシルは目を輝かせながら、バスケットを差し出す。
セシルは最初、あんなにビビッていたのに、今ではとっても優しい。数少ない女同士って事もあって、アタシは彼女に色々頼りっぱなしだ。



28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:29:36 ID:mFEqRNfd
支援

29 :リリカルギアス 逆襲のノーヴェ ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:30:24 ID:65C2EEuC
「それはそうとノーヴェちゃん! 今日は朝ごはん食べてないわよね?」

「ん? うん」

「今日はオニギリを作ってきたの。お腹が減っては戦は出来ないというものね?」

差し出されるのは無数の炊かれた穀物によって作られる白い球状の物体。
とりあえず一齧り……口の中に広がるのは砂糖の甘さと果実系の酸っぱさ。

「どう? 美味しい?」

「この前のヤツ、ブルーベリーの方が美味い」

「そう……良いイチゴジャムを使ったんだけど」

人から貰った食べ物は残しちゃいけない。出来れば感想も添えるのが礼儀らしい。
手作りともなれば、嬉しさも増す。だけどオニギリをモグモグ食べるアタシを見る職員達はなぜか不思議そうな目。
自分でも理解しているけどアタシはどっちかって言うと世間知らずな方だ。変なことしてんのかな?
しかしライスにジャムとは……イレブンって奴らの文化は摩訶不思議だぜ。

「セシルく〜ん、これからデヴァイザー候補を拾いに行く事にしたからさ〜護衛よろしく〜」

「ロイドさん! 彼では問題があると進言しましたが……まぁ、聴く人じゃないですよね?」

「拾うって何処行くんだよ……まさかシンジュク!?」

これから戦闘が行われる場所に技術士官であろう二人だけで分け入る事がどれだけ危険かって事ぐらい、アタシにでもすぐに分かった。

「そうそう」

「ならアタシもついていくよ!」

「ノーヴェ君……現時刻を持って君は戦闘機人データ採集用試作機『ギネヴィア』に名称を変更するよ」

若干ながら堅くなったロイドの口調。何時もが何時もだけにそういう口調をするだけで、どれだけコイツが真剣なのかが分かる。

「ギネヴィアは訓練通りに装備を整えて戦闘機動状態で待機せよ。命令は折って出す……わかったかなぁ?」

「イエス……イエス、マイ・ロード」



ここから始まったんだ。私の逆襲が


30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:31:37 ID:mFEqRNfd
支援

31 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/05/13(火) 20:32:56 ID:65C2EEuC
こんな感じでした〜!(なにを偉そうにw
本当は短編に納めようと思ったが、精根尽き果てました……
戦闘シーンやスザクとの絡みは次回に〜……短編じゃなくなってしまった(汗

32 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/13(火) 20:36:21 ID:SA/z/DuZ
最近になってようやくコードギアスを見始めたのでwktkせざるおえない!

さて、それではこちらも投下を開始したいですがよろしいでしょうか?

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:36:57 ID:G2O6sFl1
GJ!!です。
何故だろう、このSSはブリタニアを応援したくなる魔法がかけてあるとしか思えないw
戦闘機人でも、手柄を立てれば名誉市民になれるのだろうな。ディエチも一緒に来てたら
良かったなぁ。狙撃と砲撃が死ぬほど強いKMF乗りになれたと思いますw
二人の狂科学者の揃い踏みも見てみたいところです。

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:37:41 ID:zrc5zPEG
>>31
GJ!
ノーヴェそれは間違った食文化だよwww

ところで

今暇だったんで代理投下スレ覗いたら
ハヤテ(サンデー連載中の男執事の方)が出てくる多重クロス発見
しかも投下一週間前…

時間的に用事あって投下できないんで誰か出来たらTOL氏の後に代理頼む

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6053/1199025483/366-375

35 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/13(火) 20:38:41 ID:SA/z/DuZ
んじゃば、ちゃちゃっと投下しますか。

ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL


第8話 制空戦闘


強いものが生き残る―それが空の掟。


入念に偽装が施された滑走路―。
フライトジャケットを羽織った一人の男が、離陸していくF-15Cイーグル制空戦闘機の群れを眺めていた。
男の視線を辿っていくと、F-15Cのコクピットに辿り着く。本来ならそこにいるべきはずのパイロットの姿は無かった。
自動化と言えば聞こえはいいが、パイロットまで排除した鋼鉄の翼には温かみが感じられない。何よりも男にはこの無人化されたF-15Cが
どこまで通用するのか疑問だった。
「元はと言えば、あれは君の世界の技術だよ」
そんな男の疑問に答えるように声をかけてきた科学者―スカリエッティ。
「着想も技術もなかなかいい。だが、随所に詰めの甘さが見られた。だからこうしてデータ収集をさせているのだよ、今回が最後になるが」
「―また民間施設への攻撃か?」
不愉快な表情をあらわにした男はスカリエッティを睨む。現にこのマッドサイエンティストは二度も民間施設を攻撃していた。一度目は鉄
道、二度目はホテル。鉄道が破壊されれば交通機関に大きな悪影響が出る、ホテルなど爆撃されれば屍の山が築かれる。それらを分かった
上でスカリエッティは無人戦闘機を送り込んだのだ。ただデータを集めたいがために。
技術屋連中がみんなこんな人間ではないことを、男は切に願う。
「心配したまえ、今回は違うさ。君の大好きな制空戦闘だよ」
「―ふん」
だが、男はスカリエッティを止めに入るようなことはしなかった。曲がりなりにも命の恩人であるし、二十四時間自分を世話して回るガジ
ェットとか言う無人兵器による監視の目もあった。
「それより―本当に行くのかね?」
スカリエッティが話題を変えるように言った。彼の視線の先には、滑走路の外れで駐機されている戦闘機があった。離陸していったF-15C
と違って、こちらはパイロットが乗り込んで操縦する純正品のままだ。
「君があのリボンの戦闘機に深い興味を持っているのは分かるが―」
「なら止めるな」
サヴァイバル・ジャケットとヘルメットを手にした男はスカリエッティの言葉を短く遮り、駐機されている愛機に向かう。
「冷たいなぁ。私は心配しているのだよ?」
そうは言ってもスカリエッティは笑みを浮かべている。苦笑いだったのかもしれないが、男には自分を嘲笑っているように見えた。
「それについては素直に感謝しよう―離れてろ、離陸する」
文字通り言葉だけの礼をして、男は愛機―Su-37に乗り込む。
大出力のエンジンに空気抵抗の少ない機体、そしてトリッキーな機動性で格闘戦では無類の強さを誇るこの愛機の機首には黄色で「13」の
文字。それが男のコールサインであり、この世界での―終わったはずの人生での名前。
AL-37FUエンジンを始動させると、凶暴な唸り声が上がる。空気が震えて、気分が引き締まった。
―エルジアのためではない。今はただ、俺が俺であるために。
「黄色の13―出る」
エンジン・スロットルレバーを押し込み、滑走を開始。たった一人の黄色中隊が、空に舞い上がっていく。
その姿を、スカリエッティは冷たい笑みで見送った。
「せいぜい頑張ってくれたまえ―御稜威の王がもう少しで蘇る。もう少しで―」

36 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/13(火) 20:40:17 ID:SA/z/DuZ
機動六課の会議室。
メビウス1は会議室中央のテーブルに転がる、損傷の激しい何かの残骸を見ていた。
焼け焦げた残骸のネームプレートからかすかに読み取れる単語は"Z.O.E"。メビウス1はこの単語に聞き覚えがあった。
「戦闘AI"Z.O.E"―まだ存在していたとは、な」
ホテル・アグスタ防空戦にて撃墜したタイフーンの残骸を回収、調査した結果、無人機であることが判明。それだけではなく、機体を制御
していたAIはメビウス1の世界にてかつて運用されたものだった。
「墜落時の衝撃と火災で損傷がひどく、確証は得られません。ですが、相当高度なものであったと思います」
解析を担当したシャリオは手元の端末から得られるデータを参照にして言った。
「インテリジェントデバイスとは、また違うのかな?」
同じく端末からのデータを見ていたフェイトが疑問の言葉を漏らす。
確かに、人工知能と言う点ではフェイトたちのインテリジェントデバイスと似通った点はあるかもしれない。だが、メビウス1はそれを否
定する。
「いや、根本的に違う。お前さんたちのデバイスは主にサポートだろ?こっちはサポートもくそもない、完全に独立して動く。まさに戦う
ためだけに作られた無人戦闘機の中枢さ」
「それもシャーリーの言ったとおり、非常に高い能力を持ってる」
追加されたなのはの言葉にメビウス1は頷く。
「編隊を組み、互いの死角や隙を補うように戦う―ただ強いだけでなく、コンビネーションさえ知っている。少数ならともかく、大群で来
られるとガジェット以上に脅威だ」
「しかも速ぇしな。音速出されたら追いつけねぇよ」
実際にZ.O.Eを搭載した無人機と対決したシグナム、ヴィータの言葉には経験による裏付けがあった。この場にいる誰もが反論する余地は
無い。
「―メビウスさん、どうかした?えらい考え込んでるようやけど」
一方で思案顔を見せるメビウス1に、はやてが声をかけた。
「あぁ、ちょっとな。このZ.O.Eシステム、俺の世界じゃだいぶ前にクーデターで使われたものなんだが―」
メビウス1は知っている限りのZ.O.Eの情報を六課のメンバーに話す。
かつてクーデター軍がこのZ.O.Eを使用し、劣勢を挽回しようとしたこと。しかしそれは傭兵航空部隊"スカーフェイス"によって阻まれた
こと。Z.O.Eシステム搭載の無人機はすべてが撃墜され、以後ユージア大陸には同システムを搭載した無人機は存在しないこと。
「しかし、現に存在していてこっちの世界で暴れている―と言うことやな」
「ああ。確かにエルジア軍は追い込まれてはいたが、こいつに手を出すほどだったのか…?」
ユージア大陸全土で巻き起こったクーデターには各国の正規軍も多数参加しており、そのことから忌わしき記憶としてクーデター軍が独自
運用していたZ.O.Eはクーデター鎮圧後誰にも見向きされなかった。
ISAFによる反攻作戦で追い込まれたエルジアは、とうとうこの技術に手を出したのだろうか。確かに新たにパイロットを養成するよりはず
っと早く戦力は揃う。

37 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/13(火) 20:41:04 ID:SA/z/DuZ
「あと、これも確証は得られないんですが」
「まだ何かあるのか?」
メビウス1の問いにシャリオが頷く。彼女は端末を捜査して、データを呼び出した。
「このシステム、改修された形跡があります。主な点としては、電気信号を魔力に切り替えてます。これは回路内で命令解読を行う手間が
省ける利点があって―」
「待て、Z.O.Eをさらに改修?」
シャリオの解説を遮って、メビウス1は疑問の声を上げた。
決して電子技術と言う分野で詳しい訳ではないが、メビウス1はZ.O.Eは自分の世界での技術の粋を集めて開発されたものだと聞く。ミッ
ドチルダの技術はさらにその上を行くのかもしれないが、すでに完成されたシステムを改修するのは容易なことではない。
「完成されたシステムをさらに改修してみせる―それも魔力、こっちの技術を取り入れて。こんなこと出来るのは―」
はやては言葉を途中で区切って、フェイトに視線を送る。彼女は頷き、端末から次元犯罪者のリストを呼び出すとその中から一つを選ぶ。
「ジェイル・スカリエッティ…指名手配中の、次元犯罪者だよ。主な罪状は山ほどあるけど、主なものはやっぱり違法研究かな」
「こいつが―言ってしまえば、一連の事件の親玉か」
投影されたスカリエッティの画像データを見てメビウス1は呟いた。
「何の目的で動いているのか―いや、それ以上にどうしてエルジアと協力しているのか」
ISAF空軍の軍人として、気になるのはやはりそこだった。もともとメビウス1が六課に協力する理由だ。
「けどメビウスさん、必ずしもこの人がそのエルジアと協力しとるとは限らんよ?」
「どうして?」
「無人機だけがメビウスさんと同じようにこっちに飛ばされて、それを偶然入手したスカリエッティが使用している、とか」
なるほど、とメビウス1ははやての考えに納得して見せた。確かにその可能性も否定できない。
「―まぁ、結論を急いでもしょうがないと思う。まだ情報も少なすぎるし」
「なのはの言う通りだよ。彼については、引き続いて調査をするから―」
「ああ、悪いが頼む」
メビウス1はフェイトに頭を下げた。
本来なら調査は自分でやりたいところだが、パイロットの彼にそんな能力や知識は無い。ましてや、彼の管理局における身分は「任意で協
力してくれている次元漂流者」に過ぎない。はやてからは一尉相当の権限をもらっているがそれも六課の中だけの話だ。
「とりあえず、今はこの辺にしておこうか。もうすぐお昼やから、みんなで食堂行こか」
はやてが手を打って会議の終了を告げると、堅い雰囲気は一気に和らいだ。
だが―そんな時間を与えてくれるほど、現実は容赦しなかった。
皆が席を立った瞬間、一級警戒態勢の警報が鳴り響く。
「飯も食わせてくれない、か…スカリエッティってのはよほど仕事熱心なんだな」
「ホント、仕事熱心やな…みんな行くで」
だっと一同が動き出す。それぞれが自分の役割を果たすために。

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:41:41 ID:zrc5zPEG
>>35
早いよ!
次作品の投下は前の作品の投下終了から30分以上経ってからが目安ってテンプレに書いてあるだろ!

39 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/13(火) 20:43:29 ID:SA/z/DuZ
ぐは、失礼しました。
うーん、30分後…タイムリミットだな。
また日を改めて投下するとします。
大変申し訳ありません。

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:50:56 ID:dPaOdDzG
つあかね色に染まる坂の白石なごみ

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 20:53:14 ID:jNU0oQiM
>>39
途中で止めるぐらいなら始めた以上最後まで行っては?

42 :THE OPERATION LYIRCAL:2008/05/13(火) 21:02:32 ID:R2CfCKwW
携帯から。
すいません、時間の都合でPCから離れないとならないんです。
本当にすいません・・・

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 21:08:06 ID:zrc5zPEG
>>42
さっきはきつく言い過ぎましたけど
作品は楽しみにしています
これからは気を付けて頑張って下さい

44 :一尉:2008/05/13(火) 21:09:56 ID:bNLAtOL2
これはおもしろい支援

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 21:26:53 ID:6nhqkgeV
ついにエスコン史上最強のエースとそのライバルの再戦か…

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 21:27:04 ID:zrc5zPEG
用事無くなったんで35分から代理投下します

47 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:36:47 ID:zrc5zPEG
代理投下開始

「―――そう、事情は分かりました」

正気に戻った医師がハヤテをまず押しとどめ、何とか対話の方向まで持っていくことに成功した。
中々抵抗は厳しかったのだが、「お金の事は今回は何とか考えます」の言葉が効いたのか、少なくとも隙あらば逃げようという姿勢は鳴りを潜めたようだ。
保険証はともかくお金も無いから逃げるという患者は少なくは無いが、こんな若さならの少年がどうして、と思わなかったわけではない。しかし、カルテとは別に脳内に纏めたメモの、今ベッドで横たわらせている患者から聞いた事情を見直して納得する。

綾崎ハヤテ。現在高校一年生の十六歳。
幼少の頃より浪費癖かつ借金まみれの両親のもとで食うにも困る生活を続け、年齢を誤魔化して普通は成年が就くようなアルバイトを幾つも行う事で食いつなぎ、学費や生活費も全て自分で賄ってきた。
が、今日夕方に両親から強制的に借金を押し付けられる事で、かろうじて支えてきた生活の堤防が決壊。借金取りからは着のみ着のまま命からがら逃げ延びたものの、身体に限界が来て―――その後の顛末が今だ。
お金も貴重品も、私物の一つすら持ち出さず。

「要するに、原因は栄養失調と睡眠不足、疲労にストレスと、それに伴う肉体の消耗―――若いから何とかなってる、ってぐらいね」
言外に普通なら危険なのよ、という意味を込めて告げるが、相手は今さら慣れっこなのか、反省しているからなのか、反応が鈍い。
事情が事情なだけに強くは言えないが、念を押すように問いかける事でようやく返事を引き出した。
「はぁ……すみません」
「ほんまびっくりしたんよ? あんな夜中にいきなり倒れるから、どないしたらええんか分からんかったし」
「そういえば、その事についても聞いておかなきゃね。どうして、外出してたのかな?」
矛先がこちらに向いてしまい、うわ薮蛇、とはやてはうめく。医師の顔は笑っているが、目が笑っていない。
「えっと、それは、まあ……ごめんなさい」
「ふう……まあいいわ。それはまたおいおい、ね」
ちっ、ごまかされへんかったかと突然黒く舌打ちするはやてに驚きおののきつつも、ハヤテは肝心な事を聞き忘れていた事に気付いた。
「あの、すみません。結局、僕はいつまでここにいればいいんでしょう?」
少年はさっきからずっとそわそわとしている。これも彼曰く、病院みたいな場所に来るのすら生まれて数回しか無いと言うのに、ましてやベッドでのんびりと寝ているなんてブルジョアな行為がひどく落ち着かないとの事だ。
「今日一日は、安静の為にここで入院してもらうわ」
「えっ!? そ、そんな―――」
「今の貴方に必要なのは休養よ。それも身体だけじゃない、心も。特に身体に関しては、数日は絶対安静必須よ。
 せめて今日一日ぐらい、働くことも借金も忘れて、ちょっと話を聞かせて貰ってから、ゆっくり眠ってても罰は当たらないと思うわ。今日はクリスマスイヴなのだから」
そう微笑んで告げる医師に、しばらく躊躇ってはいたものの、やがてハヤテは決心して眠り出そうとする。
すきま風が吹き荒れ、ボロボロの畳の上に敷く布団の上で、借金取りからの油断を欠かすこと無く警戒しながらの睡眠とは、天と地の差であった。




48 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:37:29 ID:zrc5zPEG
ハヤテを入院させ、あまつさえ金の工面をつけると申し出たのは、特別憐憫の情や同情からだけでは無かった。
いや、そこから繋がると言えば否定は出来ない。八神はやては幼い頃から両親と死に別れ、親類の遺産管理があるとはいえほぼずっと一人暮らし。綾崎ハヤテも両親はいたが、味方どころかほとんど敵の状態で、幼い頃から友達と遊ぶ前に夜逃げや身の合わぬ労働続き。

両方とも、本質的には独りぼっちなのだ。
だからこそ、同じ家に住まわせてみればどうだろう、と思ったのだ。
はやての脚の病気に対しては様々な手段を講じてはいるが、どれも効果的な手段であるとは言いがたく、むしろ長年のうちに悪化の気配すら見せている。
精神的な方向からの支えも行ってみたいとは思うものの、自分は忙しい医者の身、どうしてもはやてだけにかかりきりという訳には行かない。ましてや一緒に暮らすこともかなわない。
その代わりといっては何だが、この少年を一緒に住まわせ、支えてもらうことで、はやての精神的な、またはいざ発作が起きたときの支えとなってもらうように考えた。
そして、病状が回復に向かうのであればそれは重畳である。

ただ、彼がそれに相応しい人間か、見極めなければいけない。はやてが初めて会った人間にあんなに遠慮無しに突っ込みを入れる相手は珍しく、さっき少し話した程度でも良い性格であるとは思う。
だが、はやてを任せて良いのかはもう少しはっきり話をしてから、と判断する。自分とて生まれて三十年を越えている医師だ、それなりに人間の見分けはつくつもりである。
そんな自己中心的だと自覚した腹積もりで、彼女はハヤテを入院させた。結局、他人にしてははやての事を十分すぎるほど考えているのだが。
「話をするのは、はやてちゃんを送ってからかしらね」

しかし、その話の予定は二度と達成される事が無くなるとは、今の彼女には知るよしもなかった―――。


結局石田医師にしぼられてから、はやては我が家の前に帰還した。
さっきまでの賑やかな空気の時間が、まるで数日前のように遠く感じる静寂。日々が同じ事の繰り返しの中、何が起こるか分からないような―――楽しかった出来事はどれほどぶりだったろうか、と思い返すが、殆んど思い返せないので考えるのをやめた。

先程の少年を思い返す。貧相な顔の、からかうと面白そうな少年。直感だが、あの人は多分いい人だ。そして、いろんな意味で楽しい人。
あんな人と一緒にいたら、日常が面白いだろうなと考える。きっと、誘拐事件に巻き込まれたり、豪華客船沈没事件に巻き込まれたり―――

「……あかん、何かおかしい考えになってる」

夢の時間は終わり、今からは再び現実の時間、ひとりぼっち。
防犯のために、出掛ける前に電気付けっぱなしやったかなと思い出しながら玄関の扉の鍵を開け、

―――お願いです、話を聞いてください

どこからか聞こえる囁くような声を、受け取ったのだった。



天使と言う言葉を聞き、普通の人々はどう連想するだろうか。
神に仕える存在。無垢なる者。白い翼を生やした、想像上の産物。
だが、世界にはごくまれに存在するのだ。黒い翼を生やし、俗世に堕ち、神に仕えることを止めてまで、一つの感情を知ろうとする者が。




49 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:40:14 ID:zrc5zPEG
天使は無垢であり、それ故に愛を知らず、知ろうともしない。
それを知る事が、知ろうとする事自体が、自らを傷つけなければいけないからだと、本能で感じ取っていたからかもしれない。
それでもなお、自分を傷つけても、苦しめても、その感情―――愛情とは何かを知るために、人の世界に降り立つものがいた。
彼女―――遊羽もまた、その一人であった。
尤も、彼女に関しては事情が多少異なってはいたが。

「あちゃー……参ったわね」

遊羽は俗に言うゴスロリドレスで包まれた華奢な身体を、地面で汚れることに何の躊躇いもなく倒れ伏しながら、少しも参っていない様子のおどけた声で現状をぼやく。
だが第三者から見れば顔は血の気が引いており、指の二、三本や顔以外はほとんどピクリとも動こうとせず、軽口で済ませるような状況ではないのは一目瞭然だった。
むしろ、刻々と命のろうそくが消え去ろうとしていた。周囲の寒さが、灯火を弱らせていく。
少しでも早く、助けを呼ばなければ―――そんな事はとうに理解しているのだが、まず周りがよく見えず、何処にいるのか分からない。大声を出す元気もない。這って進む気力すらない。

以前の人間界でのとある問題行動から遊羽は『病気』にかかり、天界の病院に入院を余儀なくされた。
が、彼女の友人の調べた結果、遊羽は治療をされていると見せかけ、徐々に衰弱して死んでいくように毒を投与されていたと判明。
幸い友人が天界でエリートの位置にいた事と、遊羽自身が入院当初は抜け出して人間界に降りていた事から、病院から抜け出すことは何の不自然もなかった。
せいぜい、「ああ、久しぶりにまたやったか」と思われるぐらいだろう、それはそれで複雑ではあるが。
「ずっとは無理だけど、しばらくはこっちで誤魔化し続けるわ。その病気ですぐ死ぬって事は無いはずだから、逃げなさい」
「……うん、またね」
天界での最後のやりとりをかわし、遊羽は人間界へのゲートに飛び込む。
また、出逢える事を信じて。

ただ、誤算が存在した。地上へと降りる前に、今まで投与されていた毒物が予想以上に遊羽の身体を蝕んでおり、ゲート転移に耐えきれなかったこと。
そのせいで、彼女の予想していない場所に飛ばされた事。
そして、今まさに身体を動かす体力すら残っていない事。

故郷には居る事も出来ず、人間界の知人の元にも向かえず、このまま誰知らず朽ちていくしかないのか。
微かな幸いと言えば、彼女がここがどこかを全く理解していないところか。
空には静かに舞う白い雪、木々がほんの少しやさしくざわめく夜。
その音を子守唄として、僅かに開かれていた瞳が今まさに閉じようとしていたその時。

「だ、大丈夫ですか!」



「え……誰? どこにおるん?」
開けたドアの奥や左右、後ろを見ても人の姿形は見当たらない。なんや空耳かあと気を取り直したが、
『そこの、車椅子に乗ったあなたです』
確かに、少年の声が聞こえる。聞き間違いでは、無い。しかも頭の中に聞こえるような気がするが、それにしても何処にいるのだろうか?


50 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:42:44 ID:zrc5zPEG
「なあ、どこにおるん?」
『待っててください、今姿を現しますから』
その言葉と共に、はやての前に姿を現したのは―――

「……茶色いねずみ?」
本当はフェレットが近いのだが、想定外の生き物が現れた為、つい大雑把なまとめ方の言葉しか出てこない。これは色々な意味でツッコミを待っているのか、素人ドッキリで本人は暗闇の奥で笑いをこらえているのか、そもそも何を話せば良いのか。
そしてフェレット―――ユーノ・スクライアの方も、この世界に来たばかりでねずみとフェレットの違いが分からず、否定も肯定もしなかった。こちらも、どう話を切り出すべきかで悩み、反応を窺いながら黙りこくる。
しばしの沈黙が流れる。両手の指で数えられないぐらいの秒が経過した時、ユーノがこらえきれず用件を話そうとして、

「ようできたぬいぐるみやねえ」
「って、違いますよ! 僕はぬいぐるみじゃないです」
「冗談やって」
いったいどんなからくりかは分からないが人語を話しているフェレットを前にして、はやてはあっけらかんとしている。つい先程の変人の件で、耐性が出来ていたのかもしれない。
もしくは、そんな細かい事を気にしない性格であるのか。

実際のところ、はやてにはもちろん驚きの思いはあった。この現代日本において、一般的に動物が喋ることがあるという夢物語や妄想を信じるほど、はやては子供ではない。
だが、それを些細なものとするほど、強い感情が彼女の心を塗りつぶす。

―――こんな面白いコト逃したら、また退屈な日に逆戻りや!

小さな胸の中に響き渡る鼓動が、止まらない。友達とも遊べず、身体をめいいっぱい動かしたい盛りであるだろうにそれもできないはやてだからこそ、沸き上がる強い思い。
今自分は、普通には出会わない事に足を突っ込んでいる!
嬉しかった。嬉しいとしか言葉が浮かばなかった。騙されているならとことん騙されてやれとも思った。
もし足が動かせるのなら、冷凍マグロを抱えて水中エレベータに乗り込んだり、忍者ごっこをして記憶喪失の兄を困らせたりするぐらい奇抜な行動を起こしていただろう。
非論理的で支離滅裂ではあったが、それぐらいユーノという存在の登場は、はやてにとって衝撃を与えた。
もっとも、衝撃が大きすぎて、結局当たり障りの無いボケをかます事しか出来なかったが。

どちらにせよ、特に驚きも怯えもしない相手に慌てる必要は無いと感じたのか、ユーノは本題を切り出す事にした。
「僕は、ユーノ・スクライアです。公園で先程、赤い宝石を拾いませんでしたか?」
「私は、八神はやてって言うんよ。……ああ、そういえばさっき拾ったよ」
言われてようやく思い出し、ポケットの中にしまったままの赤い石を取り出した。今の今までまで人生で一、二を争うほど濃すぎる時間を送り、つい忘却の彼方に放り投げていた。
「もしかして、これユーノさんの?」
「ユーノでいいよ、同い年ぐらいみたいだし。そう、この世界に来てしまった時に落としてしまったんだ」
「この世界……って?」
「なるほど、そこからだね。実は……」


51 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:44:17 ID:zrc5zPEG

綾崎ハヤテは、病院を抜け出していた。何て事はない、忘れ物をしたからである。
普通の人間がたった一晩、しかも二、三時間程度では、いくら命の危険から生まれる火事場の馬鹿力で全力疾走しても、三つも遠くの街まで逃げることは出来ないのである。
自称一般人のハヤテもそれは例外ではなく、もっと速く逃げる手段―――途中借りた放置自転車で相手の車とカーチェイスを繰り広げながら逃げてはいたものの、時速二百キロ以上の平均速度走行に先に自転車が息絶えてしまい、仕方無く偶然見つけた廃ビルに置いて眠らせてきた。
短時間ながら苦楽をともにしたもはや相棒とも呼べる存在、後で取りに来ようとは思っていたのだが、後は知る通りの顛末である。はやてと出逢い、倒れて病院へ行き、安静を命じられる。取りに行く暇など、無かった。

(少し眠って回復出来ましたし、書き置きを残して来たから大丈夫でしょう)

そんな事をしても怒られるのは必然であるのだが、ハヤテは行ってすぐに戻ってくるつもりであるので、たかをくくっていたのであった。
そして、そんな考え方こそが、死亡フラグもといトラブルフラグである事に本人は気付いていないのである。

廃ビルに到着して、果たして自転車はすぐに見つかった。そろそろ本気で寒くなって来た夜風にコートがはためくが、臨時の相棒を眠らせた屋内はそれほどでもない。
ついさっき雪まで降ってきたのに、やっぱり直接風が来ないからだろうか、とどうでも良いことを考えながら、自転車の容態を確認する。
フレームがボコボコに折れ曲がり、チェーンが外れてはいたが、タイヤは奇跡的に無事だった。ドリフトが平気で出来そうなぐらい磨り減っていたが、これなら病院に戻って落ち着いて直してやれば息を吹き返すだろう。
「……え?」
ほっとしたその時、ハヤテの視界の片隅にキラリと光る何かが飛び込んで来た気がした。
見間違いかと思い、目をパチクリと瞬かせるが、月の光を呼び寄せては弾いているのか、暗闇の中で確かに何かが光っている。
いや、よく見ると……

少女が、仰向けになって倒れていた。顔は美少女と言っても通用する形、中肉中背で、遠くから見る限りでは外傷、暴行の痕ならびにひどい出血は無さそうだと分かり、少しほっとする。
だが、ハヤテをそのまま絶句させたのは、廃ビル内にあるまじきその姿に驚いたからでは無かった。
全身が黒一色の、ひらひらがこれでもかと付いた、ゴスロリと言われるワンピース風の衣装、おまけに頭部にはメイドのようなヘッドドレス。しかもこんな冬の夜中だと言うのにそれ一着。それだけでも十分おかしいと言うのに、僅かに見える背中の部分から黒い一対の翼の飾り。
これをコスプレと言わずして何と言うのか。年に数回ある大型イベントにて見られるような姿ではないか。ついそんな言葉が脳裏をよぎったハヤテは、内心まずい人に出会ったなあと思いつつも、流石に見なかった事にも出来ず、近寄って呼び掛ける。

「だ、大丈夫ですか!」

つい言葉が上ずってしまったが、何も反応が無い。いや、彼女の開きかけの瞳が逆に閉じてしまった事で、何やら嫌な予感を感じた。
もう一度状態を確認。熱は無く、平熱程度か。服の乱れも外傷も無い。手首を握って脈拍を確かめる……生きてはいるが、かなり小さい。
「ん……う?」




52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 21:44:25 ID:mFEqRNfd
支援

53 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:45:38 ID:zrc5zPEG
色々探られている事に気が付いたのか、閉じた瞳が重々しくながら再び開き、困惑と疑問の視線で見られていることにハヤテは気付く。とりあえずまだ生きていることにほっとしながらも、ハヤテは出来るだけ不審がらせないように声をかけた。
「大丈夫ですか? 今すぐ、病院に連れていきますから」
「ん……たい、き……じゃ、ない?」
一瞬何の事か分からなかったが、それが人の名前だと言う事に気付く。
それは誰なのか、どうしてこんな奇妙な格好で、こんなところにいて、まるで息も絶え絶えな状態で倒れているのか。聞きたい事はそれなりにあったが、まずはそれを棚上げにして病院への帰還を優先する事を選択。
「痛いところとか、ありますか?」
「全身が……軋んでるみたい。かなり、痛いかも」
「今から背中に背負います、病院で見てもらわないと」
「え……っと、多分、こっちの病院は無駄だと思う」
「なんで、そんな事を? 諦めちゃダメですよ、コートで縛って固定しますから、背中に掴まっていて下さい」
「うん……これ、向こうの病気だし。そもそも、病気なのかな?」
後半の言葉はしかしハヤテには届かず、少年は少女を背負い、有らん限りの速さで走る。この状態での二人乗りは流石に危険な為、再び自転車を置いていかざるを得なかったが。


ユーノ・スクライアは異世界からの来訪者である。
彼らの世界は魔法が科学とならんで発達しており、宇宙人どころか異世界人の存在も特に珍しいものでは無い。
そして、魔法は既に一般生活には無くてはならないものとして、浸透しきっているものだ。
ちなみにそれを聞いたはやては、「ようある魔女っ娘やのうて、えすえふの方なんやね」と感想。
閑話休題。
彼は若くして、一族とともに世界を巡る考古学者として働いており、主に遺跡の調査・発掘を行っていた。彼らの世界は年齢よりも魔導師としての実力やその仕事の知識量で上下が重視されるが、弱冠9歳にして一つの発掘現場の指揮を任されると言えば、その実力も知れるだろう。
今回も、とある世界で新たに見つかった謎の魔導遺跡を調査中だった。最奥部に未知なる装置の存在する、年代すら不明の遺跡。
しかし、調査中に不意に遺跡の中心にあった謎の装置が起動し、気が付けばこの世界に飛ばされていたのだと言う。
「管理内世界では今まで知られていない魔導体系。何千年も昔と思われる材質。そして、その遺跡はかつて『根の世界への門』と言われていたそうです……話を戻します」
その後、突然異なる世界に飛ばされたという事は理解したものの、元の世界―――せめて見知った世界に戻る事すらすぐには難しいのだという。
突然海の真ん中に放り出され、地図と大した装備の無い船だけを渡されたのと同じようなもの。目的地は分かる、向かう手段もある。だが、そもそも自分がどこを出発地点にしているかが分からない。
無闇に世界移動を繰り返すわけにはいかない。それにも魔力が必要だし、いざと言う時のために魔力は温存しておきたい。

そういった話を一通り聞き、はやては頷いた。
「つまり、帰り方がハッキリするまで、置いといてほしいってことやね」
「ええ……って、そこまで飛躍していいの?」
ユーノ個人としては数日、せめて一日身体を休められる場所があればよかっただけなのだが、はやては何言うてるのとカラカラ笑う。
「ええんよ、ユーノ君みたいなかわええ動物がおったら、大歓迎やって」
(動物……って、今の姿はそうだった)
「それに、誰も知り合いがおらんと、世界にひとりぼっちってのも、寂しいで?」
妙に実感のこもったような言葉に少しつかえる何かを覚えたものの、それは脇に置いておき、ユーノは長いフェレットの首を丸く曲げて感謝を言葉に変える。


54 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:47:50 ID:zrc5zPEG
「……ありがとうございます」
「ええねん、そんなかしこまらんでも。それで、この石は返した方がええんやった?」
「いいえ、それは―――はやてが預かっていて」
思わぬ返答に、目を丸くする。そして視線で問いかける、これは君のとちゃうの、と。
声に出していない思考を読み取ったか、ユーノは懐―――動物体のどこに懐があるのかは謎だが―――から石を取り出し、掲げる。
はやてが拾ったのとそっくりの、赤い石。
「僕には、こっちのレイジングハートがあるから」
「この石って、そんな名前なん? レイジング……えっと、ストーム?」
「ハートです。これはデバイス―――分かりやすく言えば、魔法の杖の元なんだ」
「って、そこは魔女っ娘なんやなあ。それと、ツッコミ薄いで」
SFからファンタジーへ逆戻りした話に苦笑しながらもその目は、はよ教えてえなと食い付きを見せる。
はやてとて年齢一桁の少女、まだまだそういったものに対する興味は、強い。テレビから出てきたような存在が目の前にいれば、尚更だ。
ただ、魔法の杖と聞いたとき、この時はやては呪文を唱えてマハリクマハリタやぴんぷるぱんぷるなどの幻想的なものを想像していたのも無理はないだろう。
まさか数ヵ月後に、友人になった相手の杖から荷電粒子砲まがいの一撃を食らわされようとは、神ならぬはやてには想像しようがない。
「僕の―――いえ、僕らの世界のデバイスは、調整と本人の努力があれば、ある程度は誰でも起動できて、使用できる。だけど……」
きゅい、とマッチ棒のような指でユーノははやての持つ石を指差す。
「それは、デバイスとしては異質な存在なんだ」
「使ってる人が、大変な目に逢うとか?」
「そんな危険なデバイスは無い……訳じゃなかった気がするけど、その話は今は置いておくね」
言葉通り右から左へ物を運ぶ仕草をするフェレットを見て、和む。かわええなあ。
「以前ある遺跡から発掘されたそれを解析したところ、それもまた偶然『レイジングハート』って名前だって分かったんだ」
「じゃあ、ユーノのは発掘されたんや無いって事?」
「僕のは……って、それもまあ置いといて」
しかし、それ以外に分かることが全くといっていいほど無く、おまけに今まで何人もの魔導師が装備しようとしたが、誰もが反応すら無かった。
はっきり分かっているのは、どうやら意識がある―――インテリジェンスデバイスではないかという事だが、
「その意識がやっかいなんだ。この石は人を―――適合者を選ぶ」
「適合者? 使って欲しい人の事?」
「まあ、そうだね。それは今まで誰にも反応を見せなかった。光ることすらしなかったんだ。だけど―――」
「もしかして、私が公園で拾ったときの事?」
急いてはやてが尋ねると、ユーノはただ頷くのみ。語らず、あの時光ったのを見た、と目で告げられているように感じた。
「何か、心当たりはある?」
「ええっと……」
公園でこれを見つけたとき、光っているのを見たから拾えたわけだが、よくよく考えると暗い所で光っているからといって、そんなに簡単に闇の中で見つけられたものだろうか?
もしかしたら、この石が私を呼び寄せていた? と考え、
「……いや、なんもあらへんわ」
「そうか……いや、別に気にしなくていいから」
「あ、うん。
 さっきの話やけど、持っててええんやったら、私が持っとくわ。せやけど、ほんまに私が持っててええの?」
指でつまみ上げた小さく新たな知人は、しかし公園の時とは反応がまるで嘘のように沈黙していた。
「それに、私は具体的に何すればええの? 魔法とか言われても、私は何にもでけへんし」
「持っていてくれるだけでいい。正直、何が出来るかもそれが何を伝えたいのかも全然分からないし、選ばれたはやてと一緒にいれば、もしかしたら何か分かるかも―――」

ふと、言葉が途切れる。言い間違えて言葉を訂正しようとしているのか、さもなくばして欲しい事を思い出したのかとも思ったが、それにしては妙に表情が厳しいのに気付く。
何を考えているのか、呆然としているだけなのか、フェレットは長い首を天に向けたまま硬直している。
きょろりきょろりと、細長い首の先にある頭が二度三度、何かを確かめるように振られる。
迂濶に尋ねられず黙り込む事数秒、小動物の豆のような口から零れた呟きは、驚き。空中で鮫が泳いでいるような非常識を目撃したような、あり得ないと否定したがっている声。
「どうして……」
「ん、どないしたん?」
「―――行かないと!」


55 :変な人達代理:2008/05/13(火) 21:49:33 ID:zrc5zPEG
復帰するが早いか、ユーノは突然駆け出していく。逃げたわけでは無さそうだが、いきなりの奇行にはやては無視された事も忘れ、車椅子を動かし始めた。
ついさっき知り合った友達を、追いかける為に。
「何なんやろ……いったい……」
胸騒ぎがこだまする。さっきまでの面白さを覚える非日常では無く、嫌な予感がする方のそれを、彼の突如の言動からはやても感じずにはいられなかった。


銃を持った奴が相手なら、覇王○○拳を使わざるを得ない。そんなフレーズが浮かぶ程に、ハヤテは窮地に立たされていた。
繰り返すようだが、ハヤテは長年の貧窮生活によって、大抵の事なら何でも切り抜けられる力を身に付けている。
背中に妙齢の少女を背負っている程度、重荷にも感じない。雪が降るような寒空の下でも、大した活動阻害にもならない。
が、それも体調が万全の時には、だ。精神と肉体がともに消耗しきっている現在であれば、取るにも足らなかった筈の障害がとても邪魔なものとなる。
「くっ、は―――あっ」
骨や神経を通じて全身に染み渡る、まるで氷のナイフで抉られるような冷えた痛みに、ともすれば後ろの荷物を落としそうになる。が、堪えて背負い直し、一歩を進める。
「やっぱり、安静にしておけばよかったかな」
誰にも聞こえないように、後悔しつつ呟くハヤテ。彼女は再び気を失ったのか、静かなものだ。
医師の言う事を聞かず、勝手に自転車を取りに行った自分が悪いとは分かっていたのだが、
(取りに行かなきゃ、この人はどうなっていたか分からないだろうし……うん、いい方向に考えよう! 大丈夫、借金取りから逃げ切りましたし、何とかなります! ……なるのかなあ)
空元気で気勢をあげようとするが、いかんせん大元の元気が足りない。
脚の感覚が薄い。スポンジになってしまったかのように、一歩一歩の安定性が足りなくなっている。
手に力が入らない。自分が何の何処をおんぶしているのか、つい忘れそうになる。
そして、目がほとんど開かない。視界が狭い。きっと自分の顔を見ている誰かに感想を聞けば、遮光型土偶のような目だと言うだろう。
「―――あ」

転んで倒れ伏したのに気付いたのが、その事実から数秒も経ってから。
何故か何とかしないとと言う意識が働かず、身体は指一本も動かせない筈なのに、感覚だけが鋭敏になっている。
我が身を冷やす原因は、薄く積もった雪が原因か、それともコンクリートか。頭の回転が妙に速くなっているのか、段々と周囲の時間がゆったりと重みを増してくる。
同時に、昔に振られた彼女の事、ここで肉を食えとサファリパークで放り出された事、ついさっき親に売られた事。俗に言う走馬灯が頭の中を流れつつも、目の前を横切る雪の塊の粒々一つ一つや地面のでこぼこすらもはっきり認識できた。
(確か、これは頭の処理速度が向上されている事で起こることだって、どこかで聞いたかな)
目が覚めたら、自分は新たな世界の創造主になっているのか、どこかの女の人と人格交換でもしているのか。あるいは、時の滅びた世界に魂だけが投げ出されてしまうのだろうか。

こんな時でもそうつまらない事を考えてしまえる余裕がある辺り、もしかすると自分は心の片隅で終わりを望んでいたのかもしれない。
守られる筈の両親から押し付けられる枷。急激に何度も訪れる環境変化。終わりの見えない借金。
そして、願ってももがいても手に入らない、普通の生活。

(もう、――――――)

最期に想ったのは何だったのか。
全てのしがらみから解き放たれたかのように、ハヤテの瞳は固く閉じられた。
強く強く、何者をも寄せ付けないかのように―――。


56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 21:50:23 ID:mFEqRNfd
支援

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 21:51:36 ID:zrc5zPEG

以上です。題名は、「はやてのところに変な人達が集まったら」に決めました。
何の捻りもありません。
他の人のを見てると、もっと時間をかけて長く書いたほうがいいのだろうか、と思わないでもないです。

ではよろしければ、代理投下お願いいたします。







以上で代理投下終了
一週間の放置、申し訳ありませんでした…



58 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:08:57 ID:vdun5zZX
皆さん投下乙です。
10時半頃にグラヴィオンStrikerSの第5話を投下したいと思いますがよろしいでしょうか?
支援もお願いします。

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 22:17:50 ID:K62ulqSW
なぁ、投下後30分開けるってルール本当に必要か?
なんかたまに30分空けずに投下した人にすぐ噛み付く奴がいるけど、正直ワケわからん。すぐ感想付けたいからそれまで邪魔すんなって事か?
連続したらしたで後から感想つけたら良いだけの話と違うんか?と思うわけですよ。

60 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:35:36 ID:vdun5zZX
時間になりましたので投下します。支援もお願いします。30分以上経ってるから大丈夫のはず・・・。

「グラディーヴァ、グランカイザーとコネクト、いや合神する。これらのビークルに使用されている駆動系や制御系に用いられているテクノロジーの解析は現在レベル4まで進んでいる」

 地上本部のグラヴィオン研究所ではスカリエッティがグランカイザーとグランディーヴァを小さくした立体映像を使いながら、
 グラヴィオンについてわかった事をレジアスに見せて説明していた。

「ご覧のように、グランディーヴァにはデバイスの素材やフレームとはまったく違った構造の複数のジェネレーターと駆動系が使用されている。
だがこれは普通の航空機や車などには必要ない。合神の為の補助動力と駆動系しかない。そこにグラヴィオンの高出力を生み出すテクノロジーは存在しない。
装甲の材質は別として、構造上はグランディーヴァはグラヴィオンの手足に過ぎないのだよ。ふふふ、ただのユニットとはね……」

 スカリエッティは不気味な笑いをしながら説明を続ける。

「つまり、我々がグランディーヴァと完全に同じマシンを製造したところでゼラバイアにまったく勝てない。どうだい、よく出来ているだろう?
手に入れたデータを元に原寸の38分の1で作ったこの立体映像は……。やはり全ての鍵はこのグランカイザーにあるのだろうね」
「で、その機体については何かわかったのか?」

 レジアスがいらつくように質問をするとスカリエッティはまた笑いながら答える。

「ふふふ、この私をもってしてもまだ何もわからないのだよ。ただ、面白い計測データがこの前届いてね、グラヴィオンが戦闘を行った地域全てに通常じゃありえない重力異常値が観測されたようなのだよ」
「重力だと?」
「その通り。くっくっくっくっ……」

 スカリエッティの笑いに思わずレジアスは身振るいをする。本当は何かわかっていて隠しているのではないのかと考える。
 しかしスカリエッティは本当にまだ何もわかってないのだ。だったら何故笑うのか?
 それはスカリエッティが生粋の科学者であるからだ。と言ってもスカリエッティはまともな科学者ではない。
 スカリエッティの笑いには色々含まれているがそれは置いておこう。


 あたしは夢を見ました。それは変わった夢です。いなくなったギン姉があたしを膝枕で寝かせている夢。
 しかもそれは昔のあたしじゃなくて、今のあたしです。ギン姉は眠くなりそうなあたしの顔に自分の顔を近づけてこう言いました。

「スバル、グラヴィオンに乗っていれば。必ず会えるわ。だから頑張ってね……。それとノーヴェとは仲良くね……」

 ギン姉が言い終わると、あたしは目を覚ましました。

「夢か………」

 あたしにはあれが夢だとは思えません。だってギン姉のぬくもりが自分の体に残っている気がするのだから…。
 あたしはベッドから起き上がって、カーテンを開けて強い日差しを浴びました。

(ギン姉、会えるよ。ううん、絶対に会う!)



 第5話 ひび割れるもの



「グランファントムシステムは順調ですか?」

 ヴェロッサとクロノが格納庫でグランカイザーやグランディーヴァの整備士代表のマリエル・アテンザ(通称マリー)に聞く。
 「グランファントムシステム(略称ファントムシステム)」とはグランナイツのメンバーを乗せなくてもグランディーヴァを動かせるようにしてグランカイザーと合神できるようにするシステムである。
 簡単に説明するとアームドデバイスに使われているAIコンピューターをコックピットに接続して、グランナイツ不在時でも合神することである。
 ちなみにファントムシステムはグランカイザーには適用できない。それはグランカイザーは完全に操縦者の意志が必要な機体だからである。
 何故ヴェロッサがファントムシステムを今まで採用していなかったのかと言うといくつか訳がある。
 一つはグランカイザーに適応できないため。また一つはヴェロッサが無人機を好まない人間だったため。そしてもう一つは……。

61 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:36:31 ID:vdun5zZX
「はい、順調に出来てます。ただ…」
「ただ?」

 マリーは思わず顔を伏せてしまう。

「ファントムシステムグラヴィオンのパワーが10%ダウンしてしまいます」
「10%…。上出来じゃないか」

 ヴェロッサがマリーの仕事のよさを褒める。
 ヴェロッサがファントムシステムを今まで採用していなかった最大の理由、それはグラヴィオンのパワーが下がることだったのだ。
 しかしこの前のティアナの故郷近くが襲われたときはたまたまグランナイツ全員が近くにいたからよかったが、もしティアナが近くにいなかったら合神できないままゼラバイアと戦っていた。
 その事を懸念したヴェロッサはファントムシステム採用に踏み切ったのだ。そしてマリーのおかげで悩んでいたグラヴィオンのパワーダウンは自分の予想よりもいいほうに持っていった。

「そう言ってもらえると嬉しいですけど私は科学者です。可能な限りグラヴィオンのパワーを下げないようにしたいと思ってます」

 マリーの誠意にヴェロッサは感服の念を見せる。

「そうか、でも無理はしないようにね」
「はい」
「ところで、なのは達は?」

 クロノがなのは達がいないことにヴェロッサに尋ねる。

「ああ、彼女達なら買出し班と一緒に外に出てるよ」
「どうりで静かなわけだ……」


 聖王教会から少し離れた街では教会のシスター達が食料などの買出しをしていて、なのは達もお手伝いと言うかついでと言う形で外に出ていた。
 この前のバカンスは別として、なのはは10年ぶりに外に出て街には色々あるのに感心して遊び回っていた。なのはと共に行動していたティアナはなのはの無邪気っぷりに疲れそうになっていた。
 一方スバルはフェイト、リイン、ヴィヴィオと共に食料の買出しをしていたが、じゃんけんで負けてしまったために荷物のほとんどがスバルの手にあった。

「はあはあ、もう疲れたよ」
「私も持ってあげるよ」

 フェイトがスバルの手にある買い物袋を一つ持ってあげようとする。

「いいですよ。これ結構重いんですから……」
「いいって、いいって…。あ…」

 フェイトがスバルの手の荷物を取ろうとすると思わず手を滑らせてしまい、荷物の中身のじゃがいもが外に出てしまう。

「ああ、拾わなきゃ」
「ごめんね、ごめんね」

 フェイトはスバルに謝りながら一生懸命、スバル、リイン、ヴィヴィオと共に中身を集めてようやく回収し終える。疲れたので皆でベンチに座る。

「ふう、疲れた〜」

 スバルが根を上げたように声を洩らして、ベンチでくつろぐ。

「あ」

 ヴィヴィオが何かあるのに気付いて、それを取りに行く。それは先ほど落ちたじゃがいもの一つだった。
 ヴィヴィオはそれをフェイトに手渡す。

「はい、フェイトママ」
「ありがとう、ヴィヴィオ」

62 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:37:06 ID:vdun5zZX
 フェイトがヴィヴィオの頭を撫でて、ヴィヴィオは照れる。
 そんなフェイトの様子を見て、スバルが質問をしてみる。

「そう言えば、なのはさんとフェイトさんって、10年前からの付き合いですよね」
「そうだよ」
「フェイトさんはなのはさんの事をどう思ってるんですか?」

 フェイトは少し考えるがすぐに答えが出る。

「大切な友達かな。私となのはは固い友情で結ばれた大切な友達」
「なのはママもフェイトママもヴィヴィオの大切なママだよ」

 フェイトが笑顔で答え、ヴィヴィオも笑顔で言う。
 それにつられるようにスバルも笑顔になる。

「そうだね」

 皆でのんびりしていると突然空の色が変わる。
 そのよどんだ空の渦からはゼラバイアが現れ、地面に着地する。

『ゼラバイア!』

 ゼラバイアの出現で市民は皆急いで避難し始める。ゼラバイアは触手で自分の周辺にある建物を片っ端から自分の周りに引き寄せる。
 ゼラバイアから比較的近い位置にいたスバル達は急いでその場を離れる。その途中ヴィヴィオは一匹の子猫がいることに気付いてそっちの方に行き、子猫を助けようと抱きかかえる。
 するとヴィヴィオの立っている地面が割れて、ヴィヴィオは下に落ちてしまう。

「ヴィヴィオ!」
「フェイトさん、危険です!」

 スバルがヴィヴィオを助けに行こうと飛び込もうとするフェイトを懸命に止める。
 ヴィヴィオは自分の腕に抱えている子猫をフェイト達に向かって投げて、子猫はリインが受け取る。
 ヴィヴィオはそのまま穴へと落ちていく。

「ヴィヴィオーーーーーーー!!」

 フェイトはヴィヴィオを助けれなかった事を泣く。

「あたしが行きます! あたし災害救助部隊にいたのでこういったのは得意です」

 スバルはバリアジャケットを展開させて、ヴィヴィオの落ちていった地面にと飛び降りる。
 スバルが行ってすぐになのはとティアナが駆けつける。

「フェイトちゃん、どうしたの?」
「ヴィヴィオが……」

 フェイトが泣きながら説明しようとすると、グランフォートレスに乗ってきたドゥーエがやって来る。

「皆、早く乗って!」


 聖王教会の司令室ではシャーリー達がゼラバイアの行動を捕捉していた。

「ゼラバイア、周りの建物で自分の身を覆っていきます」
「守りを固める作戦か……」

 クロノが推測をしている、マリーが司令室に入ってくる。

「大丈夫。私が整備したグラヴィオンならあれくらいの装甲…」
「ゼラバイア内部より、シータ線を感知」

63 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:37:58 ID:vdun5zZX
 シャーリーがゼラバイアが内部で溜めているものを調べる。

「体内に素粒子崩壊システムを持ってるようです」
「シータ線が照射されれば、半径100キロ以内の生き物は全て死滅します!」

 シャーリーとルキノの報告で司令室に緊張が走る。

「時間は?」
「およそ、1800秒」

 アルトが指を使いながら計算する。

「え〜と、残り時間30分しかない」

 それからしばらくしてスバルから報告が入る。

「すみません! ヴィヴィオがゼラバイアに捕まってるんです」
『え!?』

 スバルがは急いでヴィヴィオを探し出し、ヴィヴィオが居る方を見るとヴィヴィオは瓦礫にゼラバイアの触手で縛られた状態でゼラバイアの近くにいた。

『ヴィヴィオ!』

 司令室はさらに険しくなる。ヴェロッサはシャーリーに残り時間を聞く。

「シータ線照射までの残り時間は?」
「後、987秒です」
「ゼラバイアが完全に真っ白になったら照射されるみたいです」

 ヴェロッサが次にマリーに聞く。

「マリーさん、ファントムシステムは既に搭載されていますか?」
「はい、バッチリです。完璧に動きますよ」

 その報告を聞いて、ヴェロッサは決める。

「なのは、今回は君がグランカイザーに乗って、エルゴフォーム。そして合神をしてくれ。スバルは後で合流させる」

 なのは達は急いでグランカイザーや他のグランディーヴァに乗り込む。

「スバル抜きで合神……」
「例のファントムシステムね」

 ティアナは少し驚き、ドゥーエは前から聞いていたので事情がすぐに飲み込めた。

「グランナイツの諸君、合神せよ!」
「エルゴフォーーーーーーム!!」

 ヴェロッサの承認、なのはの叫びによりグランカイザーに重力子フィールドが発生。

「超重合神!!」

 なのははパネルを強く押し、グランディーヴァがグランカイザーの新たな手足となり、ゴッドグラヴィオンは完成した。
 その様子を外で見ていたスバルは驚く。

「合神した…。あたし抜きで……」

64 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:41:16 ID:vdun5zZX
 司令室ではマリーがファントムシステムでの合神の成功に喜んでいた。

「やった、やった。ちゃんと動いてるよ〜〜」

 外にいるスバルにクロノが通信を入れる。

「スバル、急いで安全圏に離脱しろ」
「でもヴィヴィオが……」

 スバルはクロノの命令に戸惑う。その間になのはがゼラバイアに向かって近づく。
 グラヴィオンがゼラバイアによって張り巡らされている触手に触れたために、ゼラバイアの内部から無数の触手がグラヴィオンに襲い掛かろうとする。

「グラヴィティライフル」

 ドゥーエが武器の名前を言うと、Gストライカーのところから細長い拳銃のようなものが展開され、グラヴィオンはその銃のグリップを握り引き金を引く。
 ライフルから発射される魔力弾で現れた触手を撃ち落すが、ゼラバイアは新しい触手を無数出して、グラヴィオンを攻撃。グラヴィオンは両手をクロスさせて前に出して防ぐ。

「これじゃあ近づけない。だったら…、ウイングローーーーード!!」

 スバルは自分の拳を地面に叩きつけ、ヴィヴィオのところまでウイングロードを作り、ウイングロードに乗ってその道をローラーで走る。

「ちょっと、スバル。どうする気?」
「ヴィヴィオを助けます。それまでお願いします」

 スバルはそのまま走ってヴィヴィオの下に向かう。

「グラヴィオン、重力子臨界まであと4799ポイント」
「シータ線照射まで597秒」

 シャーリー達は冷静に残り時間などを計算する。
 残り時間を聞いたクロノがヴェロッサをせかす。

「ロッサ、あまり時間が……」
「………」

 ヴェロッサは黙りながらモニターに映るヴィヴィオを見る。
 グラヴィオンはライフルで触手を落とすも、あまりの数と繁殖力にきりがない。なのはは決断を下す。

「レフトドリラーコックピット、グラヴィトントルネードパンチスタンバイ」
「え?」

 その言葉にティアナは驚く。
 通信で聞いていたスバルも驚いてなのはに聞く。

「なのはさん! 何を考えてるんですか!? ヴィヴィオごと撃つつもりですか!? あたしが助けるまで待ってください!」

 なのははそんなスバルの叫びを無視するかのように続ける。

「スタンバイ完了次第発射。続いてグラヴィティクレッセントを使用します」
「そんな……」

 リインも唖然とする。

「確かに被害は最小限に食い止めるべきね…」

 ドゥーエが冷静になのはの判断を考える。

「でもそんな…」
「なのは……」

65 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:42:00 ID:vdun5zZX
 ティアナもフェイトも戸惑う。

「撃たないで下さい! なのはさん! 聞いてますか!? 返事してください!」

 なのははスバルに返事を返さない。

「早くしないと!」

 スバルはウイングロードをさらに急いで進む。

「なのはさん、本当にヴィヴィオを撃つ気なの…」
「シータ線照射まで398秒」
「臨界まで2895ポイント」

 指令室に更なる緊張が走り、ヴェロッサは真剣な顔をしながら状況を見る。

「ティアナ、リイン。何してるの? 早くして」
「で、でもなのはさん…」
「なのはさん待って! スバルさんもいるんですよ」

 ティアナとリインが懸命になのはに制止を呼びかけるも、なのはは聞かない。

「命令です」

 ティアナはその言葉を聞いて覚悟を決めたかのように発射準備に入る。

「シータ線照射まで290秒」
「5分切りました」

 司令室にキャロとルーテシアが入ってくる。

「なのはさん、撃たないで」
「ヴィヴィオを助けて! ヴィヴィオはなのはさんを本当のお母さんだと思ってるんですよ!」

 しかしなのはは完全にグラヴィトントルネードパンチの照準を合わせて、完全に発射体勢に入る。

「やめてください! なのはさん! 撃たないで下さい!」

 スバルは何とかヴィヴィオのところにたどり着き、ヴィヴィオを縛る触手を自身のアームドデバイスのリボルバーナックルの力でおもっいきりぶっちぎる。

「ヴィヴィオ……」
「う、うう」

 ヴィヴィオはわずかだが意識があった。スバルはヴィヴィオを抱えながら、ウイングロードを走る。
 そしてリボルバーナックルをグラヴィオンに向ける。

「なのはさーーーーーん!!」

 そうこうしている間にグラヴィオンの前に触手の一つが地面から姿を現してグラヴィオンに襲いかかる。

「グラヴィトン、アーーーーーーーーーク!!」

 グラヴィオンの額からエネルギーが発射され、触手を消し去り、ゼラバイアの本体に命中する。
 スバルはまだ避難が完了しきれてない自分達がいるのにも関わらず攻撃したなのはに怒りを覚える。

「なのはさーーーーーーーーーーん!!」



66 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:42:46 ID:vdun5zZX
 スバルは思わずリボルバーナックルから自身の技「リボルバーシュート」をグラヴィオンに向かって放つ。
 リボルバーナックルは飛距離があまりないために、グラヴィオンに当たってもダメージはない。
 スバルはなのはが自分やヴィヴィオに対しても冷酷な顔をしているような気がして、憎しみのような顔をする。
 そしてようやくスバルとヴィヴィオが安全圏に離脱する。

『ああああ』

 キャロとルーテシアは喜ぶ。

「シータ線照射まで59秒」

 もう時間はない。グラヴィオンは発射準備が完了したグラヴィトントルネードパンチを放つ。

「グラヴィトン、トルネーーーード」
「パーーーーーーーーンチ!!」

 発射されたトルネードパンチはゼラバイアが覆っていた建物とゼラバイアの硬い装甲ごと打ち破り、急いでグラヴィティクレッセントを投げる。

「グラヴィティクレッセント」
「シュート」

 グラヴィティクレッセントがゼラバイアの本体に命中。ゼラバイアは爆発するもシータ線は照射されず、少しの爆発だけで被害が済んだ。
 教会に戻った後、ヴィヴィオはすぐに医療室に運ばれる。
 ヴィヴィオが運ばれるのを見届けてすぐに、スバルは怒りながらなのはの服の胸元を掴んで、なのはを責めかかる。

「どういうつもりですか!?」
「ど、どうって…。仕方がなかったの。ゼラバイアを倒すのが私の役目だから…」

 その言葉はスバルの怒りの炎に油を注ぐ行為であった。

「だからって何をやってもいいんですか!? ヴィヴィオを殺してもですか…。ヴィヴィオはなのはさんをお母さんだと思ってるんですよ。そんな子を犠牲にしようだなんて、あなたそれでも人間ですか!?」
「!」

 なのはは心の中でショックを受ける。

「ゼラバイアより、なのはさんの方がよっぽど悪魔です!!」

 スバルはなのはの顔をグーで殴る。
 リインが殴られたなのはの元に駆け寄ってなのはの顔をさする。

「落ち着けスバル。なのははなのはなりに最善の行動を取っただけだ」

 クロノがスバルを落ち着かせようとするが、スバルは止まらない。

「ふざけないで下さい! 仲間を死なせるのが最善ですか!」
「スバル、落ち着いて…」

 ティアナもスバルをなだめるがスバルは無視する。

「あたし、降ります。こんな人とやっていけません!」

 スバルはそのまま教会を飛び出してしまう。

『スバル!』

 ティアナが追いかけるも、スバルの姿はもうなかった。

「スバル……」

 なのはとスバルの間に亀裂ができてしまったのだった。

67 :超魔法重神 ◆ghfhuMYiO. :2008/05/13(火) 22:44:07 ID:vdun5zZX
投下完了。
支援なしでもいけましたな。
この話はグラヴィオンでも大事な話だと思って書きました。
そして最近は忙しいので書くペースが遅くなってます。
第6話の構想そのものは出来てますけど、なかなか筆が進みません。

68 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/05/13(火) 23:14:34 ID:9G+ZYMOq
今予約空いてますか?
昨日投下しそこねたので、推敲と増量を行ったエンドラインSIED3−2を十二時から投下したいのですが。
よろしいでしょうか?

69 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/13(火) 23:16:41 ID:81XxEtRz
これより、投下を実行します。
ムーベンムーブ!!

70 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/05/13(火) 23:17:43 ID:9G+ZYMOq
>>69
十二時からなので問題ないですね、お先にどうぞ。
そして、支援!

71 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/13(火) 23:18:32 ID:81XxEtRz
魔法少女リリカルなのは 闇の王女 幕間其の八

 轟音――戦闘機人生成プラント、内部。
廃棄物と化した無数のガジェットドローン――自律機械の群れと、血だまりに倒れ、焼け焦げ、惨殺された武装局員たち。
召喚され、複数のガジェットを巻き込んで轟沈した巨大甲殻蟲。
突入戦の果ての地獄に、一人の女が立っていた。
濃い紫の長髪を持った女――美しく整った顔を悲壮さと怒気に歪め、胸を一突きされて息絶えた同僚――クイント・ナカジマの死骸を抱えて、泣いた。
そんな彼女に近づくのは、白衣を着込み、薄い紫の髪と金色の瞳を持つ狂人、怪人。
広域指定次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティ――悪夢の源にして、この地獄を演出した男。
憎むものか。憎む前に、殺す。それが、女の思考の行き着いた果てだった。

「おやおや、君も、意地汚く生きるより、名誉ある死を選ぶ類の人種かね――愚かしい」

「貴方には……屈しないわ。ジェイル・スカリエッティ」

女――メガーヌ・アルピーノは、愛する男――ゼスト・グランガイツの遺体をちらりと見やり、大粒の涙を流した。
人形の様に整った顔を、涙が伝い、生成プラントの頑丈な床に落ちた。
クイントの遺体――青い髪が揺れる――を床に下ろし、鉛色の床をブーツで踏みつけるようにして、仁王立ち。
手に装着したグローブ型のブーストデバイス、アスクレピオスを起動させた。
破損した防護服が瞬く間に修復され、戦闘態勢に移行――先ほどまでのガジェットとの戦いで疲弊しているとは思えない精度。
三角形のベルカ式魔方陣を展開。
刹那、飛ぶナイフ――ブーストデバイスの効能による身体強化で、後ろに跳躍。
着弾。ナイフが、炸裂する――砲撃に匹敵する爆発が生成プラントを揺らし、着弾点に大穴を穿った。

「ドクターッ!」
右目を潰され、血涙を流しながら、灰色のコートを着た小柄な少女が叫んだ。
長い銀髪、手に握られた、虎の爪のような形状のナイフ。ナンバーズ――メガーヌら、ゼスト隊が追っていた戦闘機人の一人。
そいつが、スカリエッティに話しかけた。

「お怪我は?!」
「ああ。大丈夫、私は無事さ――それよりも、彼女に気をつけたまえ。まだやる気のようだ」
「下がってください! ここは私がッッ!!」

投擲されるナイフ――二本の獰猛な刃が、銀の弧を描いてメガーヌに迫り――火花と共に弾かれ、粉々に砕かれた。
爆発が起こるも、それは小規模なものに止まり、痛手を負わせるには至らない。
影――黒い外殻、二足歩行の人型。異形の呼吸音。揺れる真紅のマフラー。
召喚蟲――昆虫人類。
メガーヌが、先ほどの死闘の傷跡も癒えぬ、己が<相棒>の名を言った。

「ガリューッッッ!!」
その外殻はあちこちがひび割れ、真っ赤な鮮血を流している。
歴戦の召喚蟲は、息絶えた主の仲間達を見て―――拳を握り締め、咆哮した。
空気が震え、地鳴りのように、生成プラント全体を異形の発声器官が生み出す、高音が満たした。
圧倒的な威圧感に、一瞬、戦闘機人――銀髪の少女、チンクが怯んだ。否、それを振り払い攻撃――召喚蟲へ飛来する六本のナイフ<スティンガー>。
全てを弾くことは不可能であった。また、召喚蟲は魔導師のように防御術式を張ることができない――カノン砲の炸裂弾にも似た爆撃。
まともに直撃すれば、即死は確実。
ましてや、外殻が負荷に耐え切れず破損している状態では、耐え切れ無い筈だった。
だが、その見通しは甘かった。
蟲の跳躍――ちょっとした体育館程の高さの生成プラントの、天井まで届きそうな程に跳んだ。
チンクが、ナイフの爆破を停止――軌道変化を命じる。
空中で弧を描くようにして<スティンガー>が飛来――ガリューの背中を目指して突き進む。
誘導弾じみた空中機動に、メガーヌが目を見開いた。



72 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/13(火) 23:19:42 ID:81XxEtRz
(獲ったッッ!!)
そうチンクが確信した刹那。ガリューの身体が、腹の吸気孔から取り入れ圧縮した空気を、背中のノズルから噴射し加速した。
くるり、と軌道変更――虚しく宙を薙ぐナイフ。爆裂――いずれも外れる。
ガリューの狙いは一つ、眼前の敵、戦闘機人。右足を突き出し、超高速で斜め下に落下。
飛び蹴りの姿勢である。
落下速度と自身の加速、自重による一撃――貫通力、打撃力共に最大。
咄嗟に身を捻るチンク――まるで小柄なバレリーナ。
空気孔による噴射――軌道修正。
戦闘機人の腹に、爪先が食い込み――突き破る。
人工皮膚が破け、血管が破裂し。
神経を断ち切り、その臓腑を、強化骨格を四散させた。

支えるべき上体を失った下半身が、後ろに倒れた。
ごろり。
銀髪が揺れ、チンクの上半身が床に二、三度跳ねた後、ぐったりと横たわり――スカリエッティの足元に転がった。
スカリエッティは、その薄い紫の髪を揺らして、足元のチンクに声をかける――穏やかに。
ばら撒かれた機械混じりの臓腑――骨格が断たれている。

「動けるかね?」
「ドク……タァ……逃げ……」

チンクが吐血しながら呻いた。スカリエッティの背後に迫るガリューの拳を見て、言葉にならない悲鳴をあげた。
不可視化の能力――ガリューの隠密機動の秘密。
拳がスカリエッティに迫った瞬間だった。スカリエッティの呟き。

「―――トーレ」

青い閃光――否、人影。
圧倒的加速――回し蹴りがガリューの左の拳を捉え、外殻ごと内部構造を粉砕した。
「―――ッッ!!」
突然の奇襲に、怪鳥の如き声があがり、ガリューが後ろに後退した。
すたん、と着地した人影は、女。背の高い、青みの掛かった紫の短髪を持つ少女。
ナンバーズの3番目――空中高速機動を得意とする戦闘機人、トーレ。

「――ガリューッッ!!」
メガーヌが大急ぎでガリューに駆け寄り、アスクレピオスでの治療を試みた。治癒魔法――プログラム始動。
しかし。
治療がなされることは、無かった。
トーレの高い声が、告げた。

「メガーヌ・アルピーノか。よく生き残ったものだ――そこまでにしてもらおうか。召喚蟲ならば、己で修復するだろうに」
「誰がッ! お前らの言うことなど――」
メガーヌが、紫の長髪を逆立たせ、鋭い目で睨みつけたときだった。
「はぁ〜い。そこまでよ、メガーヌさぁぁん?」
人を舐めた、軽薄な女の声――生成プラントの奥から現れた、栗色の髪を纏めた眼鏡の女のものだ。



73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 23:20:19 ID:9G+ZYMOq
ガリューつええええ!! 支援

74 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/13(火) 23:20:47 ID:81XxEtRz
突然現れた乱入者に、メガーヌが目を向け――固まった。
チンクやトーレ同様、青いボディスーツを着た眼鏡の女の腕には、赤子が一人抱かれていた。
メガーヌと同じ色の瞳を持つ赤子が、ガリューとメガーヌを見てきゃっきゃと笑った。
眼鏡の女が、上半身だけになってもなんとか生きているチンクに声をかけた――薄い笑み。

「あらぁぁ〜? チンクちゃん、重傷ねぇ。大丈夫よ、今修復カプセルに入れるから」
「クアッ……ト、ロ」
「ドクター、そろそろチンクちゃん、危険域ですよぉ〜?」
スカリエッティ――メガーヌを愉快そうに眺め、クアットロから赤子を受け取りながら、言う。
愉快で堪らない、という笑みだ。
「うん、移動型カプセルに寝かせておいてくれ。ここのプラントは、撤収後爆破。頼んだよ?」
「はぁぁ〜い。それじゃ、チンクちゃん、行きましょうか〜」
鼻歌でも歌いそうな調子で、ひょいっ、とチンクの上半身を抱え上げると、クアットロは何事も無かったかのように歩み去った。
最後に一言、付け加えて。

「あ、あと。その子、遠くから連れてきましたから、あまり体力使わせないでくださいね〜。死んじゃいますから」

それを聞き、メガーヌが呻いた。
愛する我が子の名を、呟く。

「ルーテシア……?」
「御名答! 感動の親子の再会だよ、メガーヌ・アルピーノ。嬉しいだろう――泣いていんだよ?」

メガーヌが、その場に座り込みそうになるのを、ガリューが、がっしりと支えた。
黒い甲殻から流れ出た鮮血に、メガーヌの長い髪が濡れた。
メガーヌの白い肌が、絶望に血の気が引き、青くなった。瞳に涙が溢れる。

「どう……して……」
「さあ? どうしてだろうね。ただ、まあ言える事は、これ以上抵抗すると――」

スカリエッティが腰から銃を取り出し、赤子に突きつけた――回転弾倉の拳銃。
とたんに、泣き始めるルーテシア――本能的に危険を察知。
ガリューに支えられながら、メガーヌが鋭い声で叫んだ

「やめて!! その子は私とあの人の――」
スカリエッティが、ますます愉快そうに笑った。

「ゼスト・グランガイツの子かい? ハハハッッ!! 傑作だよ、男を気遣って父親が誰だか名乗り出ないとはね。まあ、気づかない彼もそうとう鈍いけれど、さ。
今は骸だから関係ないけどね――『今』は。いや、まあ武装を解除してくれるかな? 出来れば撃ちたくない」
紫の髪を垂らし――術式実行。グローブ型デバイス、アスクレピオスが輝き、術式を紡ぐ。
「召還……実行」
淡く輝く、三角形のベルカ式魔方陣――ガリューの身体がそれに飲み込まれ、何処かの次元世界へと転送された。
ガリューの咆哮――最後まで主を気遣う、手負いの戦士の心情。
(ごめんね、ガリュー)
前を向き、スカリエッティに話しかける――懇願。

「お願い、その子を、ルーテシアを抱かせて。私はどうなってもいいから、その子だけは―――」
「いいとも、殺さないよ、その子は。君の望むようにしたまえ――その後は、好きにさせてもらうよ、メガーヌ・アルピーノ」
す、とルーテシアが差し出され、メガーヌの手に渡された。
泣き叫ぶ赤子――母との別離を予知。
そっとルーテシアの頭を撫でながら、メガーヌは呟くように言う。

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 23:22:08 ID:4cTMIkz2
支援

76 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/13(火) 23:22:20 ID:81XxEtRz
「よしよし、いい子だから泣かないで――。お母さんは一緒にいられないけれど、貴方は強く……育ってね、ルーテシア」
ルーテシアが泣き止み、不意に母の顔をじっと見て――頷いて見せた。
「そっか……強いんだね、ルーテシア。ごめんね――本当に、ごめん」
そっとルーテシアを床に優しく横たえると、きっ、と前を向き、

「これでいいわ――私は好きにしていいから、あの子は――」
毅然と言った。

「ああ、安心してくれたまえ。その子は育てさせるし、騎士ゼストは私の手で蘇生させる――そして」
スカリエッティがくつくつと笑い、右手を光らせた。魔力結合阻止フィールド下でも実体化する、拘束魔法。
メガーヌの身体が赤い糸に縛られ、空中に固定された。

「君には、彼を縛る鎖になってもらおう―――」
意識が、闇に落ちた。

「さて、ウーノ――<親衛騎士>の調子はどうだい? なにぶん、ガジェット以外の旧暦の質量兵器は私も初めてでね」
『順調です、ドクター。既に空戦フレームと砲戦フレームのテストが終わりました』
「そうかい。いずれ、私達の力にしたいものだね――」

八年後、<ジェイル・スカリエッティ事件>、またの名を<ベルカ事変>で、旧暦の怪物たちは目覚める―――。

77 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/13(火) 23:25:37 ID:81XxEtRz
投下完了です。
今回は御覧の通り、八年前のゼスト隊壊滅のお話ですー。
ルーテシアは、実はゼストの子供だったんだよ!! とMMRばりに超理論でお届け。
ちょっと駄目人間成分が増えたゼストとか・・・ご容赦を。

エステバリスはかっこいいですねー、あと。
感想等よろしくお願いします。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/13(火) 23:39:46 ID:mFEqRNfd
GJ!でした。過去編ですね。

まさかエステバリスがあったとは。
となると夜天光とかも・・・?

では次回に期待してます。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:01:18 ID:UzCiUQXv
>>77
なんという悪人スカ博士(まず第一声)
強いよ、ガリュー! まるで仮○ライダーのようだ!!
と、戯言は捨て置いて。
今回はゼスト隊特攻シーンと永遠のシングルマザー(え?)メガーヌさんのターンでしたね。
まさかゼストがルーテシアの父親という設定だとはw ゼスト……部下に手を出したらあかんぜよw と思ってしまったのは無粋な感想ですかね?
この設定が現在とどう関係するのか、そしてメガーヌさんはまだ生きているのか……(五体満足)
不安が一杯です。
そして、なにやらエステバリスっぽいベルカの遺産も出動させて、黒なのはの敵は増えるばかり。
本当に勝てるのか? と疑問に思う勢いですが、次回がその分楽しみです。
続き待ってます!
頑張ってください!!!

80 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:03:44 ID:9G+ZYMOq
えっと時間なのですが、そろそろ投下してもよろしいでしょうか?
エンドラインSIDE3−3。22KBのかなり長い内容です。
出来れば支援をお願いします。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:05:24 ID:t4NsFHei
支援

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:06:03 ID:LOoGmIrq
支援

83 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:06:52 ID:UzCiUQXv
では投下開始します。
はやてのターン!


 
 灰被りはカボチャを集める。
 灰被りはネズミを集める。
 灰被りは魔法使いに頼む。
 私を舞踏会へと連れて行っておくれと。

 魔法使いは答える。
 杖を振るいながら、彼女に伝える。

 夢はいずれ掻き消えると。
 それでも残るモノのために向かうのか。

 そして、灰被りは頷いた。


                             ――灰被り姫の御伽噺より



 ホテル・アグスタ。
 それはまるで古い古い御伽噺の舞踏会のようだった。
 ロストロギア。
 魔法のような力を秘めた、滅び去った古代文明の遺産。
 それらを戯れに追い求める富と名誉に肥え太った資産家たちが集う場所。
 豪華なドレスや衣装に着飾って、己の価値を中身ではなく外見で、己の力で見せびらかす。
 好きにはなれない。
 好ましくは思えない。
 人が魔法を手に入れても、奇跡が使えるようになっても、決していなくならない人種。
 けれども、そんな彼らがこの世界に必要なのも事実。
 だから、私たちはここにいる。
 決して手を汚さない彼らを護るためにここにいる。
 それが大人になって、知った世界の仕組みの一つだから――

「八神隊長」

「ん?」

 物思いに更けていた時、聞こえたのは己の補佐の声。
 グリフィス・ロウランの声。

「陸士108部隊の展開が終わったようです。こちらも臨時司令部の展開が終わりました」

「さよか」

 閉じていた目を見開く。
 目に映るのは蒼い空。地上の汚れなんて知らない綺麗な空。
 組んでいた手に重なる白い長手袋の感触に少しだけ顔をしかめながら、はやては背筋を伸ばす。

「んじゃ、ちょいと挨拶でもしますかー」




84 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:07:48 ID:UzCiUQXv
 
 ガタガタと慌しく、武装隊特有のデバイスとバリアジャケットを身に纏う隊員たち。
 陸士108部隊。
 ホテル・アグスタを警備するもう一つの部隊。
 地上本部の精鋭部隊の一つ。
 そして、それ以上にはやてにとって意味のある部隊だった。

「おー、来たか」

 巨大な輸送用トラック。
 そのコンテナを丸々改修し、幾つもの電子装備や通信用端末を備え付けた電子の要塞。
 そこにその人は居た。
 コンテナ内部の中心でパームトップパソコンを叩きながら、耳元に付けた無線機に二言程度怒鳴りつけて、クルリと振り返る。
 それは中年といってもいい歳の男。
 彫りの深い少しだけ肌の浅黒い顔、短く刈り上げた髪、本来ならばまだ三十も半ばを過ぎた程度であろう顔は重厚な年月を刻み込んだ顔つきだった。
 その男はノッソリと入ってきたはやてを視認すると、ほがらかな笑みを浮かべた。

「ずいぶんと久しぶりだな、ちびダヌキ」

「ええ加減その呼び方はやめてくれないですかー、師匠〜」

 師匠。
 そう呼びかけられた中年の男はカッカッカと笑う。
 彼の名はゲンヤ・ナカジマ。
 捜査官時代にはやてがその師事を仰いでいた人物であり、この陸士108部隊を指揮する指揮官でもあり、同時にはやてが部隊長を務める
機動六課のフォワードであるスバル・ナカジマの実父でもある男だった。

「んま、ちょっとまて」

 パシパシっとパームトップのキーボードを叩き終えると、ゲンヤは付近で同じようにコンテナ内部の端末を操作していた女性に声をかける。
 幾つかの隠語を交えた指示に女性が頷き、彼女が猛烈な勢いで端末を操作し出すのを見た後、ゲンヤは顔を再び元の位置に戻し、クイクイっと手招きした。
 それに呼ばれて、はやては微妙に段差のあるコンテナに慎重に入り込む。
 衣服の裾を手で掴み、こけないように登る。

「ハハハ、いつもは元気のいいお前もその格好だと動きづらいか」

 ゲンヤがそんなはやてを笑う。

「しゃあないじゃないですかー。制服でも、騎士服でもない服装って着慣れてないんです」

 はやては口を尖らせて反論。
 そう、彼女が着ているのは六課の制服でもなければ、魔導師としての戦闘スタイルである騎士服でもない――ドレス。
 手の肘まで覆う白い長手袋。淡い碧を基調としたドレス。さほど凹凸の目立つわけではないスラリとしたはやての体を控えめに、
けれど本人の可愛らしさを誇張するデザイン。
 女性に多少は興味のある人間ならば、目を引くようなその衣装と薄い化粧をしたはやての姿にゲンヤは下から上まで一瞥し、「ま、馬子にも衣装だわな」と締めくくる。


85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:08:31 ID:t4NsFHei
この支援は間違いなんかじゃない!

86 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:09:19 ID:UzCiUQXv
 
「ひ、ひどいわ」

「事実だからな、しょうがあるまい。んで? わざわざ別部隊の部隊長が何の用だ? 単なる挨拶辞令ならもう済ませてるだろう」

「相変わらず意地悪過ぎやー、師匠ってば。用件ぐらい推測出来てるんでしょ?」

 苦笑しながらはやてが告げる。

「陸士108部隊、部隊長に正式にお願いがあります。高町なのは教導官及びフェイト・T・ハラオウン執務官率いるスターズ、
ライトニング小隊の一時的指揮権の移譲を依頼します」

「ん? 大切な隊員だろう? それを俺に預けてもいいんか?」

 パチリと片目を開き、ゲンヤの視線がはやてに突き刺さる。

「ええ。私はこの格好の通り、現場で指揮するわけにもいかへんですし」

 はやてがドレスの裾を摘み、皮肉そうに笑う。

「恥ずかしい限りですが、あんまり私らにはこういう警備任務の指揮経験とかがないんですわ」

「ん、まあ――スペシャルであるが故の弊害って奴だな」

 面倒くさそうに顎を掻き、ゲンヤが呟く。
 スペシャル。
 特別という意味。
 管理局が保有する全魔導師でも5%以下でしか存在しないAAAランク以上の魔導師である彼女達。
 そして、幼少期から偶然とはいえ幾多の大規模事件に関わり、それらを解決してしまったという過去。
 絵空事の御伽噺のような勇者であり、魔法使いでもあった彼女達。
 その有能過ぎる能力は、必然的に難易度の高い“特別な任務”へと優先的に割り当てられた。
 未知の管理世界の調査――イレギュラーが起こる可能性の高い難易度の高い任務。
 ロストロギアの封印・調査任務――いかなる事態でも対応出来る能力が求められる任務。
 教導隊に所属し、試作装備や新型技術のテストを行い、仮想敵として隊員を鍛える教導官であるなのは。
 一つとして同じではない次元世界と世界を跨ぎ歩く海の所属であるフェイト。
 ヴォルケンリッターを率い、特異なレアスキル保持者として本局に所属し、特別捜査官として雑多な任務に追われていたはやて。
 一度だって経験がないとは言わないが、それでも“通常任務”と呼ばれる通常の魔導師なら配属されるべき武装隊の所属や任務などの経験が浅い彼女達。
 その欠点が今回のような不向き過ぎる任務だと表に噴出する。
 高すぎる能力と優れた経歴故の欠点ともいえた。

「ん、まあお前さんが指揮するよりはいいだろうが……本当にいいのか? 一応お前と俺は知った仲じゃないが、他人に隊員を預けるって事は
その責任まで持つ必要があるんだぞ」

「信頼、してますから。師匠も、隊員のことも」

「ほう?」

 迷いのないはやての言葉。
 それを受けて、ゲンヤは僅かに目を広げる。

「なるほど、中々良い部下を見つけたようじゃねえか」

「はい」

 ゲンヤの言葉に笑みを浮かべて返すはやて。

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:09:41 ID:lzVyVAMW
支援

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:11:02 ID:LOoGmIrq
支援

89 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:11:30 ID:UzCiUQXv
 
 その微笑に毒を抜かれたようにゲンヤは肩の力を抜いて、失笑する。

「多少つついたのに、手ごたえなしか。つまらんな」

「えっと、苛めるのはやめて欲しいと私は思うんやけどー」

「それはともかく。まあお前らの隊員は俺が面倒を見てやる」

「無視ですかー!?」

 ブーと頬を膨らませて手を振り上げるはやてを無視して、ゲンヤは指を動かし、膝の上のパームトップパソコンを叩く。
 既に転送準備が出来ていたのか、空中にホノグラフを浮かばせて表示されていく機動六課の隊員たちの戦闘評価と保有スキルのリストを見ながら、ゲンヤが口を開いた。

「一応確認しておくが、このフォワード陣以外にここにいるのは隊長三人だけか?」

「えっと、臨時指揮官にグリフィス君。シグナムは待機させている交代部隊の指揮官だから六課に待機していて、ザフィーラも待機や。
ここに来ているのは念のための医務官としてシャマル、フォワード陣の臨時隊長と補佐官としてヴィータとリィンだけやな」

「ふむ。まあ妥当だな。こんな管轄外の任務で全戦力を投入はしないだろう」

「いやー、ゲンヤさんの部隊がいなかったら全員使ってたと思いますよ? 正直言うと」

「ていっ」

 ズビシッとゲンヤのツッコミチョップがはやての脳天に叩き込まれる。
 ノォオオオオオと美少女が上げてはいけない呻き声を上げるはやてから視線を逸らし、ゲンヤがコンテナ内部に埋め込まれた電子機器とそれに繋がれたモニタに目を向ける。

「んまあ、一応こっちでもガジェットとかの機動兵器の話は耳に届いてる。あれだろ? 一応お前が配置されたのは、
“希少ロストロギアを狙う傾向のある”ガジェットドローンに対する防衛目的だろ」

「あー、そうです」

「だけど、正直言って俺からすればそんなのはどうでもいい。来る確率も低い、UMAみたいなのを相手にしているほど暇ではないしな」

 興味なさそうに吐き捨てるゲンヤ。
 そんな相手に日頃頑張って立ち向かっているはやては冷や汗を垂らして、どうでもいいって……と呟くが、彼は聞いていない。
 ただ真剣な目つきで、虚空を睨み付けるように呟いた。

「問題なのは、こんな格好の獲物共が集まっているところにやってくる犬のことだ」

「犬?」

「ああ。人っていう名前の犬だ」

 ニヤリと壮絶な笑みがゲンヤの口元に浮かぶ。
 それは長い年月を戦い続けた歴戦の指揮官だけが浮かべられる笑み。
 魔力素養もなく、その瞳と視線には何の物理的作用は保有していないというのに、気圧されそうな感覚にはやてが背筋を凍らせる。

「はやて。ちゃんとお前の部下に“対人戦”の訓練は施したか?」



【Unrimited・EndLine/SIDE 3−3】

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:12:32 ID:LOoGmIrq
支援

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:12:47 ID:lzVyVAMW
支援ー。

92 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:13:12 ID:UzCiUQXv
 



 バタン。
 コンテナの扉を閉めて、息を吐く。
 普段は優しい師匠であるゲンヤ。
 しかし、一度任務に成れば十数の部下の命を背負う指揮官となる。
 人は変わる。
 指揮官であれば優しいままではいられない。
 部下の命を救うために、情を考えない機械として振る舞い、冷徹に指示を下す。
 それが指揮官だ。

「はぁー、まだまだ修行が足らんわ」

 息を吐く。
 まだまだ遠い、割り切ることの出来ない自分の未熟にため息を吐く。

「大丈夫、はやてちゃん?」

 その時だった。
 聞きなれた声が飛び込んできたのは。

「おー、なのはちゃとフェイトちゃん。ちゃんと部下たちに指示出し終えたかー?」

「一応、ね」

 そう苦笑するのは高町なのは。
 純白のドレスに、同じような白い長手袋。何時ものとは違うお洒落な紐で片方の髪を結び、サイドテールというべき変わった髪形。
 胸にはいつも離れない相棒であるレイジングハート、その待機状態。

「それよりも、そろそろ受付開始だよ?」

 少し焦った表情で言うのはフェイト・T・ハラオウン。
 豊満な胸を強調し、ナイスなスタイルを淫らに浮かび上がらせるピッチリとした黒いドレス。
 邪魔にならない程度に付けたシルバーアクセサリーと同じように肘まで覆う黒い長手袋の手首部分につけたのは待機状態のバルディッシュのプレート。


93 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:13:42 ID:UzCiUQXv
 
 なんというなんという見事な二人だろう。
 普段は制服orバリアジャケットの仕事やもめのワークフリークな二人をここまで完璧な美女にするとは、指示された内容とはいえ自腹を切ってまで
このドレスを選んだシャマルのセンスには感服する。

(綺麗やねー、なんというかスッゴイ襲いたくなるというか、揉みたくなるわー。特にフェイトちゃん)

 ダラリ。
 僅かに心から涎が出てくるはやて。
 乳房。いや、おっぱい。
 素敵な乳があれば揉みたくなる。そんな犯罪者的な嗜好を持つはやてにとって、二人の格好はその嗜好をザクザクと刺激するには十分過ぎた。

「っ!」

「悪寒!?」

 その瞳と気配に気付く二人。
 バッと胸を押さえ、完全防御体勢。

「なーなー、この任務終わったらでいいんやけど触ってもええか?」

「駄目に決まってるよ!」

「えー、それじゃあ揉むだけでも」

「もっと駄目!!」

 赤面するなのは。
 過去のトラウマを思い出したのか、涙目なフェイト。
 そして、ダラダラとリアルで涎を垂れ流すはやて。

 なんというか色んなものが台無しだった。





94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:14:52 ID:LOoGmIrq
支援

95 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:15:36 ID:UzCiUQXv
 
 バゴンという音。
 バキっという音。
 そんな二つの音の結果、頭に小さなこぶを二つほど作ったはやてに連れられて、なのはとフェイトがホテルに足を踏み入れた。

「痛い〜」

「自業自得」

「くすん」

 頭を押さえた美女一人。
 ぷんぷんと怒った美女一人。
 胸を押さえて涙目な美女一人。
 そんなおかしな三人娘を見て、受付に立っていた品の良いタキシードを着た青年の笑みは凍りついた。
 リアクションに困るというのはこういうことを指し示すのだろう。
 にこやかに挨拶をするべきなのか、それとも常識人らしく目を逸らすべきなのか。理性とプロ意識の板ばさみに葛藤しながら、
青年が呆然と突っ立っていると、その眼前に差し出されたのは招待状。
 半ば無意識にその招待状を確認し、華麗に蝋に押された印鑑を確認、さらに招待状の紙に内蔵された薄いIDチップを専用の機器で照合する。
 照合完了。
 正常な招待客であるということが証明される。

「ええと、貴方様方のお名前は――」

 招待客のリストを確認し、名前を読み上げようとする青年。
 その前にピシリと指が突きつけられた。

「機動六課や」

 指を突き出し、にこやかに笑うはやて。

「へ?」

 指を突きつけられた青年がしばし呆然。
 そして、同時に女性達の顔を見て何かを思い出そうとする。
 どこかで見たような? そんな表情。

「機動六課の三隊長。それでチェックしておいてや」

 そんな青年の表情に気付いているのかいないのか、はやては笑いながら指を伸ばしてそう告げる。
 堂々たる発言。
 あまり無い胸を張りながら、そう言って――

「んじゃ、行こうか」

 はやては極自然な態度で青年の立つ受付の横をすり抜けて歩き出す。
 なのはとフェイトはその態度に苦笑と青年への謝りを篭めて頭を下げて、慌てて付いていく。

「えーと……」

 そして、青年がはやてたちの顔を思い出し、彼女達が雑誌などでよく特集される管理局の有名魔導師だと気付いて、叫び声を上げるのは
彼女たちが完全に立ち去った数分後だった。


96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:16:51 ID:rHPYnkO+
お金って偉大だ支援

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:16:55 ID:LOoGmIrq
支援

98 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:18:59 ID:UzCiUQXv
 
「まったくもう、はやてったら堂々にもほどがあるよ。受付の人、驚いてたし」

「あかんあかん。女はな、こういうところに入ったら度胸を見せないとあかんのや。こんなところで怯んでたら世の中渡っていけんよ?」

「そういう問題じゃない気がするなぁ」

 ロビーへと続く廊下を歩きながら、三人が言葉を交わしていた。
 傍目からは雑談しているだけの美女。
 けれど、その目は少しだけ周囲に向いていた。
 間取り、廊下の位置、方角。
 事前に頭に叩き込んだホテルの間取り図と差異がないことを確認する。

「うん、提出されている見取り図と差異はないみたいだね」

「まぁホテル自体に後ろめたいことがないへんのなら、大人しく正しいもんを出すやろ」

「まだ油断は禁物。パッと見の構造は同じでも、目に付かないところで正しいとは限らないよ」

 なのはの感想、はやての推測、フェイトの厳しい指摘。
 彼女達が歩んできた経歴の違いが垣間見える

「おっとここやね」

 はやてが歩く廊下の先に、オークション会場であるロビーの扉を視認する。
 大仰な扉に手をかけた二人のボーイ。
 彼らははやてたち三人を認識すると、訓練された動きで頭を下げて、扉を開く。
 そんなビップな扱いになのははくすぐったそうに、フェイトはどこか緊張して、はやては平然とした顔で扉を潜る。
 入ったロビー。
 会場の内部はまるで異世界だった。
 大仰に、大げさに、敢えていえばけばけばしいほど豪華なドレスに身を包んだ貴婦人。葉巻を咥え、屈強な護衛に囲まれて佇む初老の男。
 かと思えば指が埋まるほどに巨大な宝石の付いた指輪を嵌めて、好色そうに秘書としての役割以上を与えた数人の女性の腰を掴んで笑い声を上げる金髪の下品な男。他にも他にも。
 まるで己の存在をアピールするために光輝く蛍のように、思い思いの格好で個性を見せつけようと蠢く者たち。
 それらが有象無象と笑い合い、蠢く世界はまるで異次元のようだった。
 否、そこは正しく異世界である。
 通常の人間、大多数を占める一般人とは思考と価値観も違うものたちが埋め尽くす世界。
 慣れていなければ溺れてしまいそうな独特の雰囲気に三人は少しだけ顔を歪め、けれどもその世界に違和感を与えないために無理やりにでも笑顔を浮かべる。
 違和感を与えてはいけない。
 不愉快を与えてはいけない。
 入った瞬間、突き刺さる複数の視線に笑顔で応えながら三人はロビーに入る。
 彼女たちは己の役割を認識している。
 護衛など方便だ。
 陸士108部隊が警備を行い、緊急時には対処出来るようにデバイスを持ち込んでいるとはいえ、管理局員ではなく
参加者に近い立場で会場に潜らされることが決まった時点で分かりきっていた。
 彼女達は看板なのだ。
 或いは人形なのだ。
 見目麗しく、管理局の立場などを間接的に資産家たちにアピールするためという役割を遂げるための人形。
 不条理だと思う。
 正直言うと嫌だった。
 けれども彼女たちは大人であり、その必要性を認識していた。
 体を売れといわれれば全力で親指を下に突き出すぐらいの自尊心はあったが、多少心苦しい程度の我慢はする。
 そのため笑顔を浮かべながら、三人は何気ない会話と足取りで資産家たちの世界に踏み入り、違和感を発さないように警戒を切った足取りに入る。
 望まぬまま有名人となってしまった彼女達は大人になるために必要な社交性は身に付けている。
 舐めるような視線を無視し、彼らが望む看板としての笑みを零す。

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:20:57 ID:LOoGmIrq
金持ちの世界支援

100 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:21:39 ID:UzCiUQXv
 
≪どう? オークション会場の間取り≫

≪特に問題ないと思う。ちょっと窓が多すぎるのが気になるけど、閉鎖的なイメージを与えないためだろうね≫

 肉声で何気にない会話をしながら、念話で打ち合わせをする二人。
 並列思考を可能とする魔導師ならではの並列処理。

≪どうや、二人とも?≫

 資産家たちと朗らかに会話するはやてからの念話。
 それに二人がすかさず返答する。

≪んー、一応オークション会場にはそんなに問題はないと思う≫

≪一応外は陸士108部隊が警備しているし、参加者達もそれぞれ護衛をつけているみたいだから、外部からの襲撃には十分対応できると思うよ≫

 捜査官と教導官としての意見。
 それを受けて、はやてが簡易的に指示を飛ばす。

≪ほうか。よし、まだオークション開始まで時間があるから二人共席を外してええよ≫

≪いいの?≫

≪一応顔は見せたし、あとは私がある程度相手しておくわ。あ、でも、オークション開始前には戻ってきてなー?≫

 その間にホテルの内部を見回れという指示。
 必要性は低いが、それでも警備として必要最低限な構造の把握。

≪了解≫

≪了解≫

 なのはとフェイトは静かに頷いて、自然な足取りでロビーから退出する。
 ほがらかに資産家達と会話をこなすはやてを最後に見て、なのはとフェイトは廊下に歩み出る。
 ロビーの外に出た二人に僅かに好奇の視線を向けるボーイ、その視線を無視してなのはとフェイトはそれぞれ逆方向に目を向けた。

「あんまり外しすぎても駄目だろうから」

「一巡したら戻ってくるということで」

 静かに打ち合わせを行い、そして歩き出す。
 ドレス姿で歩き出す見目麗しい美女の姿が珍しいのか、それとも管理局の魔導師だと知っているのか、ボーイたちの視線は二人の姿が見えなくなるまで続いた。




101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:22:12 ID:rHPYnkO+
お金がなければ組織は動けない支援

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:22:30 ID:LOoGmIrq
支援

103 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:23:27 ID:UzCiUQXv
 
 フェイトと別れたなのは。
 彼女の歩みはあまり止まることがない。
 脳内に叩き込んだ見取り図を差異はないか、そしてこの地理から自分ならどう攻め込むか、どう場所を確保するか。
 仮想的に戦術を組み上げて、それの迎撃方法を想像し、その対処方法を幾つも考えておく。
 いざという時に体が止まらないように、パニックにならないように想像し、推測し、準備をしておく。
 それはかつての教訓。
 己の空を“奪われた”時から学んだ思考。
 動かないと嘆き悲しんだ日々を繰り返さないために、無理をして痛めつけた己の報いに後悔しないように、浅はかな考えで思い知らされた絶望を味わいたくないために。
 彼女の思考は止まらない。
 胸元で輝く不屈の魂は彼女をサポートし続ける。
 窓から差し込む穏やかな青い空の光景は、戦場へと心を馳せたなのはの心を揺さぶらない。
 無意識にリンカーコアが活性化し、麗しいドレス姿の彼女の肉体に変換された魔力素が宿り始めた時だった。

「あれ?」

 声がした。
 なのはの心が仮想戦闘から、現実へと引き戻される。
 胸が僅かにときめいた。

「え?」

 聞き覚えのありすぎる声。
 声と記憶を認識し、その持ち主を推測しながらも信じられないという不安。
 なのはは振り返る。

「久しぶり、だね」

 そこには彼が居た。
 皺一つないスーツ、丸いメガネ、後ろで結わえた髪型。
 朗らかな印象を与える茶髪の髪に、見るものを安心させる童顔の青年。
 それはこの場にいるはずのない青年――ユーノ・スクライア。

「なんで、ここに?」

 動揺。
 心拍数の上がる己の心臓を押さえつけ、落ち着けと一秒間に十回ほど連呼。
 薄く施された化粧の下で赤面していく自分の顔色を理解する。

「今日って休みじゃないよね? 無限書庫」

 無限書庫。
 管理局が有する膨大なデータベース。
 その司書であり、未だ完全とは言えない無限書庫のデータベースを日夜発掘し、未解読のデータを翻訳し、解読して使えるデータへと置き換えていく重労働に追われているはずの青年。
 月に休みは3日も取れれば良い方だという、労働基準法が真っ青になるような仕事に就いている彼が、それも何故このような場所にいるのか。
 それがなのはには理解出来なかった。否、思考が止まっていたというべきか。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:24:21 ID:LOoGmIrq
支援

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:24:28 ID:rHPYnkO+
もちろんお金のためです支援

106 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:25:18 ID:UzCiUQXv
 
「んー、ちょっとね。実はこのオークションの品物の鑑定士として依頼されてちゃって」

 権力者たちが集うということもあり、その依頼を断ることが出来なかったとユーノは苦笑する。

「あ、そうなんだ。ユーノ君、有名だからね」

 考古学者の一族として名を馳せるスクライア一族。
 その中でも彼は表舞台に立っているほうだと言えるだろう。
 彼自身は名声を得るのは好んではいないものの、管理局の重要部署である無限書庫の司書であり、ミッドチルダの考古学についても幾つか取り上げられるようなレポートを提出し絶賛されたらしい。
 十二分に天才として称されてもおかしくない青年。

「僕自身としてはあまり自覚ないんだけどね」

 苦笑。
 嫌味たらしい影など微塵もなく、ただ困ったという雰囲気で苦笑を浮かべるユーノ。
 数ヶ月前休暇を合わせて会った時から変化のない、良くも悪くも分からない彼の表情。

「そういえば、なのはも招待されたの?」

「ん、まあそんなものかな?」

 警備任務だとは伝えても彼ならば問題ないだろうけど、不快感を与えるのは避けたほうがいいと判断。
 曖昧な笑みを浮かべて、なのははユーノにそう答える。

「そうなんだ」

 メガネの奥で少しだけユーノの目つきが変わる。
 真剣な目つき。
 ここ数年見たことのなかった表情に、なのはは吸い込まれそうな錯覚を憶えて。

≪警備任務だね≫

 ユーノは笑みを浮かべる。



107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:25:51 ID:LOoGmIrq
悪こそこの世の常支援

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:25:54 ID:rHPYnkO+
金は命より重い…!支援

109 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:26:16 ID:UzCiUQXv
 
「え?」

 突然の念話に驚くなのは。
 しかし、その声の持ち主であるユーノは笑顔を浮かべたまま優しく声を紡ぎ出した。

「そうだ。少しなのはも見ていく?」

≪大体の事情は推測出来るし、ちょっと協力させてくれないかな?≫

≪え? でも、ユーノ君に迷惑をかけるわけには≫

≪そんなに迷惑じゃないよ。それに、なのはたちに協力すればいざって時に頼れるからね≫

「いいの?」

 念話で会話しながら、表面上の会話を続けるために二重の意味でなのはは訊ねる。

「大丈夫だよ」

≪僕と一緒なら大体顔パスで大丈夫だから≫

 ユーノもまた二重の意味で頷く。
 頼ってもいいものか、それとも断るべきか。
 少しだけ迷うなのはの迷いを断ち切るように、ユーノは踵を返す。

「それじゃあ、付いてきて」

「う、うん」

 十年前よりもずっと広くなった背中。
 けれども、変わらない関係。
 それを少しだけ噛み締めながら、なのははユーノの背中を追って歩き出した。


 二人を見つめている影に気付く事無く。


 それは廊下の片隅で佇むタキシード服のボーイ。
 営業用の笑顔も浮かべておらず、ただ無表情の男。
 その手に握られているのは小型の携帯にも似た無線機だった。

「……ターゲット1、エネミー2と合流。警戒に移る」

『ラジャー』

 簡素な報告。
 それには悪意が秘められていた。
 乾いた悪意が淡々と音を立てていた。



110 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:27:02 ID:UzCiUQXv
 
 悪意。

 ギチギチと悪意が音を立てる。

 邪悪がゆっくりと顎を開き、世界を噛み砕いていく。

 白亜の楽園は悪意に染まっていく。

 それに気付くものはまだおらず。

 舞台の準備は整っていく。

 踊るのは誰か。

 描かれるのは何か。

 準備は整う。

 時間は過ぎていく。


 さあ、爆発の時は間も無く――




 ―― To Be Next Scene SIDE 3−4



111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:28:11 ID:rHPYnkO+
上流階級支援

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:29:32 ID:LOoGmIrq
金の亡者支援

113 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/05/14(水) 00:30:32 ID:UzCiUQXv
投下完了!
ようやくゲンヤさんが登場。
原作だときゃ、うふふふをしていた三人娘ですが、実はこんな苦労もあったんだよというお話でした(魔法少女もへったくれもない)
次回よりスカさんとギンガ、あとどうでもいい(まて)ラッド・カルタスなど陸士108部隊の人員などが合流してきます。
エンドライン、前半の山場であるホテル・アグスタ編。
全12話近くの構成予定です。

原作とは大きく異なる展開ですが、大いに楽しんでもらえるよう頑張ります。
支援ありがとうございました!

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:32:36 ID:LOoGmIrq
GJ!でした。面白かったです。

金持達が出てきたところら辺で、SSの雰囲気が
私の頭の中で福本漫画の世界になってました。

スカ博士に期待です。

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:33:11 ID:MHq/5yP7
GJ!!です。
GDが出ない代わりに謎の敵の狙いはユーノの尻かッ!!w
冗談はさておき、彼を誘拐できたらロストロギアの解読とかさせられて
便利ですねぇ。

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:35:56 ID:rHPYnkO+
GJ!
いやー、お金ってすごいね。管理局も魔法少女もお金には勝てないw
そして神秘のベールに包まれていたラッド・カルタスの片鱗がついに明かされるのか!?

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:38:02 ID:LOoGmIrq
金の魔力がとても描かれてる気がしますね。

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 00:49:59 ID:MHq/5yP7
カルタスさんはクロエネンぐらいドMで、ブレードトンファー使いと予想w


119 :Strikers May Cry:2008/05/14(水) 01:52:12 ID:uhbQMLXN
突然だが投下します。

リリカル・グレイヴの第九話、今回は少しアニメ版のキャラ出ます。

120 :リリカル・グレイヴ:2008/05/14(水) 01:52:59 ID:uhbQMLXN
魔道戦屍 リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第九話「夢」


守りたかった、大切な人をただ守りたかった。
見ず知らずの人間に鉛の弾を叩き込み屠る、その理由はたったそれだけだった。


「ブランドン」


暗い闇の中で懐かしい声が聞こえる。
それは守るべき組織の掟、慕うべき組織の長、組織(ミレニオン)のそのものとでも言うべき“あの人”の声だった。


「どうしたんだ、ブランドン?」


懐かしい声に俺は目を覚ます。
開かれた“両の瞳”に映るのは見覚えのある景色“あの人”と共によく過ごした緑と川のせせらぎだった。
そして俺の前にはかつての尊敬すべきボスがいた。


「どうしたんだねブランドン?」
「ビッグ・・ダディ・・・」


小川のほとりに立った初老の男は俺に語りかける。
それは俺の最愛のファミリーの一人だった尊敬すべきボス、ビッグダディ。
ビッグダディは不思議そうな表情で俺の顔を覗き込んできた。
気付けば、俺はビッグダディと一緒に川のほとりで竿をたらしていた。


「ボーっとして、最近はそんなに仕事が忙しいのかね?」
「・・・・いえ・・」


これは夢だとすぐに気が付いた。
俺の右目はハリーに撃たれた、ビッグダディは死んだ、これはあの日の・・・俺がまだ生きていた頃の記憶だ。
周囲を見渡せば記憶に残る森と小川が鮮やかな光景を映し出している、夢とは思えないくらい鮮明だ。
よくビッグダディとこの川で釣りをしていた事を思い出すのにそんなに時間は必要なかった。
俺はビッグダディに視線を戻す、ダディはあの頃と変らず。


「ビッグダディ・・」
「なんだねブランドン?」
「ビッグダディは・・・・守れなかった事はありますか? ファミリーを・・愛する者を・・・」


俺の質問にビッグダディは少し虚を付かれたのか少しだけ、本当に少しだけ俯き黙った。
そして顔を上げると静かに、本当に静かに口を開いた。


「ああ、あるさ。何度も・・・そう、数え切れない程にあるよ」
「・・・・」


重い、ただ言葉の残響が重いんじゃない。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 01:53:47 ID:UzCiUQXv
支援するぜ!
ツギハギと幽霊と幼女支援!

122 :リリカル・グレイヴ:2008/05/14(水) 01:53:50 ID:uhbQMLXN
そこに込められた後悔が悲しみがそして過去が重かった。


「なあブランドン。私はこう思うんだ、人は無力だと・・・」
「・・・無力・・ですか?」
「マフィアのボスであり、この街の・・・いやこの国の多くの権力を掌握する私ですらそう思う・・・人は無力だ。例えどんな力を以ってしても全てが守れる訳ではないのだとな・・」
「・・・」


俺は何も言えなかった。
人の身を捨て死人になってなお、多くの仲間をファミリーを守りきれなかった俺にその言葉はあまりにも重く濃い。


「だがブランドン・・・私はこうも思う、人は無力だとしても守るという行為は決して無意味ではない。一握りでも良い、たった一人でもファミリーを守れるのならそれは有意義なものだよ」
「ビッグ・・ダディ・・・」


瞬間、夢の像は幻と霧散した。
意識は再び元の時間へと飛び、ただ当てどない闇を彷徨い始めた。





「彼の具合はどうだい?」


地下深くにその居を構える研究施設、そしてそこの主ジェイル・スカリエッティはいつものと変わらぬ声の調子でそう尋ねた。
質問を投げられた機人の長女もまたいつもと変わらぬ冷静な声で返答した。
彼らの目の前に映るモニターには隻眼の死者ビヨンド・ザ・グレイヴが座して静かに眠り、死人兵士の命綱である血液を交換している。

ここはスカリエッティが居を構える地下施設。
先の戦いで傷ついた死人の様子をこの施設の主であるスカリエッティ、そして彼の秘書である機人長女ウーノとグレイヴの身を案じるチンクが眺めていた。


「血液交換、体組織再形成ともに問題なし。すべて順調です」
「ふむ、流石は死人兵士だ。死に難さ、いやこの場合は表現が間違っているかな? 壊れ難さは想像以上だねぇ」


スカリエッティの言葉に、その場にいたチンクが少しばかり敵意を込めた鋭い視線を隻眼から投げた。
ナンバーズの中でも戦闘経験ならば二番手にはなるチンクの眼光、流石にこれにはスカリエッティも少しばかり肝を冷やす。


「ハハッ、そう睨まないでくれよチンク」


スカリエッティはそう言いながら苦笑した。
彼はこれでも生みの親である、チンクは理性で心の内に点火された怒気を消火、同時に眼光から鋭さを消す。


123 :リリカル・グレイヴ:2008/05/14(水) 01:54:27 ID:uhbQMLXN
チンクは視線をモニターに移して眠る死人を心配そうに眺めた。
常人ならば致死必至の重症でも、彼にとっては血を入れ替えるだけで修復できる筈だ、現にもう全快に近づいている。

だがそれでも機人の少女の不安な心は消えない。
先の戦闘でオットー・ディード・トーレは行方不明、ルーテシアとゼスト・アギトも通信途絶、それ以外の多くの姉妹はチンクを含めなんとか帰還しながらも謎の第三勢力との戦いで傷ついた。
そして地上本部での戦闘の際、自分を逃がす為に傷ついたグレイヴの事を思うとチンクの胸は張り裂けそうだった。


「ん? このパターン、脳波の波形が妙だねぇ」
「なっ! それは何か異常でもあるのかドクター!?」


スカリエッティがモニターに映る数値を見ながら何気なく言った言葉にチンクが顔を蒼白に染めて詰め寄る。
スカリエッティはその剣幕にいささか目を丸くしたかと思えば、また嘲笑めいた苦笑を浮かべた。


「いやいや、そんなに心配する事じゃあないよチンク。たぶん彼は見ているのさ・・夢をね」
「・・・夢?」
「ああ。しかし興味深いねぇ、死んだ人間はいったいどんな夢をみるんだろうか」


スカリエッティはそう言いながら心底興味深そうに眠りに付く死人をモニター越しに眺めた。
チンクはそんな産みの親にまた鋭い視線を向けるが、彼はお構い無しに好奇の目をグレイヴに向け続ける。
そのスカリエッティにウーノがおもむろに口を開く。


「ところでドクター、オットーやディード、それにルーテシアお嬢様は確認できるのですが・・・やはりトーレの生体反応をトレースできません。作戦撤退からの経過時間を考えるとやはり・・・」
「ああ。死んだんだろうね」


まるでさも当然の事のようにスカリエッティは答えた。
その言葉には一切の感情が込められてはおらず、一片の淀みも無く言い放たれた。

チンクは思わず眉を歪めて苦々しげな表情になる。
確かにトーレの生存は絶望的だ、帰還したセッテの話や混乱した状況から収集した情報を元に判断すればそれが当然だった。
それでも姉妹の死を受け入れたくないという思いは強かった。


「ドクター・・一つよろしいですか?」
「ん? なんだいチンク?」
「トーレの事は・・・他の姉妹にはまだ伏せていても良いですか?」
「まあ別に構わないよ、結果がどうあれいつかははっきりする事だ」
「ありがとうございます・・・・ドクター」


呆気なくとれた了承にチンクは安堵した、これで姉妹も彼も少しの間・・・本当に少しの間だろうが悲しまずに済む。


124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 01:55:11 ID:d710m59i
支援

125 :リリカル・グレイヴ:2008/05/14(水) 01:55:27 ID:uhbQMLXN
隻眼の少女はその小さな胸の内に仮そめのやすらぎを感じた。

場には少しばかりの沈黙が流れる。だがそれを打ち破るようにけたたましいアラームが鳴り響く。
緊急通信回線が繋がった事を伝える警報音が空気を震わせる、モニターは自動的に通信相手を映し出した。


「これはこれは・・・しばらくぶりだねえ」
『そうだな。ところで今、お前の施設のメインハッチの近くに来ているのだがな・・』


そこには太目の体系にヒゲを蓄えた中年の男。
管理局中将にして今回の一見の黒幕、レジアス・ゲイズの姿があった。


「ああ、すぐに開けよう。お茶でも用意しようか?」
『いらん』
「そうかい」


聞くだけなら単なる会話にしか聞こえないがスカリエッティとレジアスの視線には明らかに敵意や警戒が含まれていた。
まあ、先の地上本部襲撃の件を考えれば無理からぬ事だろう。
会話はそこで打ち切られ、モニターはまた静かに眠る死人へと戻った。
スカリエッティは視線をウーノへと向けて口を開く。


「ではハッチを開けてくれウーノ。ああ、もちろんレーダーや魔力スキャンで周辺の警戒も忘れないでくれ」
「よろしいのですか? このタイミングであの男が現われたというのは・・」
「間違いなく先の一件が絡んでいるだろうね。だがここは私の城だよ? もしもの時は暴力的に解決させてもらうさ」


スカリエッティは自信をもってそう言うと、手にグローブ型デバイスを装着。
宙に展開したモニターで施設内に投入可能なガジェットドローンの起動を開始する。


「クアットロを呼んでくれ、あの子のガジェット運用と幻影が必要だ」
「了解しました」
「よし、ではチンクは下がりなさい」
「なっ!? ですがドクター・・・」
「君はこの前の戦闘での傷をまだ修復できてないだろう? 他の姉妹と待機していたまえ。それに・・」


スカリエッティはそう言いながらモニターを展開して訪れた客達を映し出す。
そこにはレジアスを含めた奇妙な男達が4人ほどいた。


「魔力量もほとんど無い人間が4人。遅れを取る相手ではないさ」


彼のその言葉にチンクは渋々ながらも指示に従い下がった。
だがスカリエッティは知らない、今回の事件にて現れた謎の怪人“オーグマン”を操り管理局に反逆する者こそがレジアスであり。
彼と共にいる者の一人である死人、ティーダがトーレを殺したという事。
そしてその彼らと共にいる残る2人がGUNG−HO−GUNSという名の超異常殺人能力集団であると事を・・・


続く。


126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 01:55:32 ID:UzCiUQXv
支援!
ファミリーを護るために再び立ち上がれグレイブ!

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 01:57:49 ID:d710m59i
GJ!
スカさん逃げてー! そいつら本格的に危険ですからー!!

128 :Strikers May Cry:2008/05/14(水) 02:01:27 ID:uhbQMLXN
投下終了です。

俺の好きなアニメキャラランキング第三位ことビッグダディを書いてしまったぜ! しかもアニメにあるセリフとかじゃなくて捏造!!
ダディファンから叩かれないか冷や冷やです、ある意味グレイヴや十二・RBよりも重要だから、あの人は。

あ! それとレジィ坊やのお供にファンゴラムはいないっすから、彼ったら暴れだしたら止まらないので。

次回はまあ、アニメ版におけるウィッジの旦那やゲーリーの兄貴みたいな話になる? いや、あれよりは軽いか。
ともかくスランプ病と戦いながら頑張ります!!

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 02:02:33 ID:UzCiUQXv
スカさん逃げろw
あとレジアスは再殺されるw
なんという死亡フラグ! といった感じですね。
けれど、最近のスカ博士の活躍から意外と健闘しそうな予感。
レジアス+スカ博士のコンビというのは珍しい気がします。というか今までないコンビか?
次回は熱いバトルの予感。
新たなるファミリーの危機に、夢見るグレイブは間に合うのか。
そして、トーレは本当に死んでしまったのか。
死人兵士+超人たちと、死んだはずの騎士と生命工学の完成を夢見る狂博士たち奇跡を使うものたちの戦いに期待です!
GJでした!!!

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 02:57:37 ID:MlLgP3NF
>>128
これは良いビッグダディw
ホントアニメの良い感じが出てたと思いますよw

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 03:58:08 ID:5ap7ZIBD
四時ぐらいから投下します

132 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 04:27:33 ID:zHYzIaBp
今日の夜十一時にEDFの投下を予約します。
今回の話にはクロスカプ分が含まれているので嫌いな方はスルーしてください。

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 04:29:03 ID:5ap7ZIBD
すみません、遅れました。
これから投下します。

134 :狼たちの饗宴 ◆UoqoGN3rDA :2008/05/14(水) 04:30:03 ID:5ap7ZIBD
 煌びやかなネオン輝く夜の街。しかしその中でどこかうらびれた、どことなくスラムに
近い空気を保ったストリートを、一人の男が歩いていた。
 肩にまでかかる綺麗な――しかし重ねた年齢のためだろうか、わずかにくすんだ金髪。
年のころは三十半ばといったところだろうか。しかし、年齢とは裏腹にその肉体は、羽織
る革ジャンの上からでもわかるほど鍛え上げられた獲物を狩る肉食獣のそれだ。
 恐らくは何らかの格闘経験者、あるいは現役なのだろう。気軽に歩いているように見え
るというのに、頭は揺れず、体軸も定まっている。
 あるいは拳に嵌めた革のグローブは、殴り合いを想定してのものなのかもしれない。
 潰れたテナントの屋上の上から一通り男を観察し終えて、ザフィーラは心中で重い息を
吐いた。やはり、人を襲うのは気が進まない。
 もっとも、そのような感情を与えてくれた主のためであれば、己の呵責など天秤にすら
乗らないものである。
 ザフィーラは軽く瞑目し、そして次にその瞳が見開かれたときには、全ての煩悶を打ち
捨てていた。
 音もなく、建物の上から飛び降りる。その巨体を地面が受け止めたときにすら、人の耳
では何も捉えられなかっただろう。魔法とはそういうものだ。
 だというのに、前を行く男は肩越しにザフィーラのほうへ振り返えっていた。

「俺に何か用かい?」

 驚愕がザフィーラを襲う。男は気付いていた。わずかにそよぐ風、ザフィーラが発した
殺気とも呼べぬ闘気。そんなものを感じ取り、振り返ることすらなくその存在に気付いた
のだ。あるいは、ザフィーラが彼を観察をしていたころから気取っていたのかもしれない。
 だが、それだけだ。ザフィーラがこれからすることに、するべきことに変わりはない。
 男がどれほど鋭かろうと、どれほど強かろうと、魔力の蒐集をするしかない。
 それこそが主はやてを救う唯一の術なのだから。
 そのためには――

「大人しくしていれば命までは取らん」

「おいおい。俺が金持ちに見えるかい?」

 両手を広げ、笑う男を見据え、ザフィーラは吼えた。

「金などいらん。その魔力を貰い受ける!」

 狼の咆哮。言い終えるや否や、ザフィーラの体が砲弾のように弾けた。

「Hey! Come on」

 それを見て、男は笑みを消さない。そのまま――

「Get serious!!」

 ザフィーラの突進を、真っ向から受け止めた。

135 :578:2008/05/14(水) 04:32:19 ID:5ap7ZIBD
 轟音があたりに鳴り響き、その衝撃で窓ガラスが震える。いくつか割れたものもあるう。
 ザフィーラの踏み込みを受けたアスファルトは容易く砕け、辺りに破片を撒き散らせて
いた。そこから生み出される拳の威力といえば、勢いも相まって人一人吹き飛ばすことな
ど造作もない。唯人ならずとも、並みの障壁ですら防げまい。
 だというのになぜ。その一撃を真正面から受けた男は未だ立っているというのか。
 障壁はない。バリアジャケットもない。男はただ、自らが生まれ持った体のみを使って、
ザフィーラの一撃を受け止めていた。
 つまりそれは男がザフィーラと同等の体力、もしくはそれ以上の技術を持っていること
の証左に他ならない。
 恐れを知らぬ獣はもはやそれは獣ではなく、畜生に過ぎない。迷わず、ザフィーラは男
から距離をとった。
 鋭く、狼の眼光で見据える。返す男の瞳もまた、飢狼の輝きを持っていた。
 ここに至り、ようやくザフィーラは己の過ちを悟った。目の前の男は「獲物」などでは
ない。己を打ち倒す可能性を秘めた「敵」なのだと。

「来い!」

「言われずとも!」

 走る走る走る。金色の狼が銀の守護獣へと牙を喰い立てんと走り寄る。その疾走は先程
のザフィーラに勝るとも劣らない。まるで特攻だ。攻撃を受ければひとたまりもない。
 だが、それを裏付けるだけの力量が男にはあるのだろうし、そしてザフィーラには攻撃
する意思はまるでなかった。男は一度攻撃を受け止めたのだ。盾が同じことを出来ないで
どうする。
 矜持として、ザフィーラはここで引くわけにはいかなかった。
 男が駆ける。打撃のために、大きく踏み込み体重を前足で支える。
 深く、息が触れ合うような距離。互いの間合いは当にもう過ぎている。そこまで深く踏
み込ませたのはザフィーラとて記憶に久しくない。
 この距離、そこで何が出来るか。足技はまずない。ここまで近づいては、膝蹴りとても
はや容易に打てない。では突きか。いいや違う。距離がなければ打撃など意味を持たない。
 残るは鉤突きか、肘か。だが、踏み込んだ足とは逆に振りかぶられた拳はそのどちらと
も違っていた。そのまま真っ直ぐ、孤と直線の中間を描くように拳が動く。
 突き上げるようなショートアッパーがザフィーラの右わき腹を突き上げようとする。
 しかし遅い。受けると決めたザフィーラが、唯の一撃を見逃すはずもない。あっさりと、
そのたくましい左腕に男の拳は遮られた。
 肘先にわずかな痺れが走る。が、別段どうということはない。凡庸な一撃ではないが、
盾を動かすには程遠い。威力だけなら、先程のザフィーラのもののほうがよほど大きい。
 だが、魔法に頼らない純粋な格闘技術とは、そもそも一撃で終わるようなものではない。

「ッシ!」

 返しの肘打ち。

「ッハ!」

 大きく孤を描くフック。

「チャージィッ!!」

 そして叫び通り、肩口から入る体当たり。その勢いに押され、ザフィーラの体が意志に
反して後退させられる。削られたアスファルトが轍のような後を残した。
 なんという威力だろう。最後の一撃に限らず、どれもが人の放つ打撃とは思えぬほどの
重さを持っていた。
 バリアジャケットは並みの打撃など意に介さない。まして、守りに長けたザフィーラの
ものであれば、一度や二度ならば障壁なしでも質量兵器に耐えうろう。
 それを突き抜けるだけの威力を魔法に頼らずとも放ち、なおかつ防御に徹したザフィー
ラをわずかではあるが、押しのけるなど尋常ではない。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 04:33:47 ID:5ap7ZIBD
 世界は、広い。
 魔力を奪うのが困難になったというのに、ザフィーラの口元がわずかに緩む。
 全く、これではシグナムを笑えないではないか。
 三度が限界だったのだろう。男は連撃を終えた今、わずかな隙を見せている。
 威力に耐えかね吹き飛ばされたザフィーラとはわずかに距離は開いているが、この程度
であれば、瞬きする間もなく詰められよう。
 だが、あえてザフィーラは攻撃に移らなかった。この程度は、相手を打ち倒せるほどの
ものではない。ならば、今は何よりも――

「盾の守護獣――」

 この強敵に名乗りを。

「ザフィーラ!」

 参る――。

/


 仕切り直しだ。
 先程の焼きまわしのように、二人の間には距離が開いている。違う点があるとすれば、
ザフィーラの腕には先程の防御の際に残ったわずかな痺れがあることだろうか。
 とはいえ、戦いに支障をきたすほどではない。先程の連撃であろうと、一度や二度なら
ば耐え切ろう。そしてそれだけあれば、男を倒すことは不可能ではない。
 守りに徹しきり、隙を狙えば魔法の存在もあるザフィーラのほうが有利である。
 さて、どうしたものか。わずかな逡巡が心に宿る。長引けば、それだけ管理局に気付か
れる危険はあるが、かといって無闇に攻め入って勝てるほど目の前の男は弱くない。
 思考するザフィーラを他所に、男はどこまでも戦いに純粋だった。拳を振り上げ、地面
に叩きつける。
 そこから導き出される結果は、ザフィーラの想像を遥かに超えていた。

「Rock you!!」

 唸りを上げて、地を這う衝撃波が襲い来る。
 魔法ではない。魔法ではないが、魔法はないと思い込んでいただけに、予想もつかぬ攻
撃を前にザフィーラは一瞬思考が硬直した。先程まで、具にもつかないことも災いした。
 無防備に、空に向かって跳躍してしまったのだ。男がそれを待ち構えていたとも知らな
いで。
 男もまた、跳躍していた。身を捻りつつ、孤を描く軌道で反転しながら、中空にいるザ
フィーラを踵が狙い打つ。
 しかし、男も知らなかったのだ。ザフィーラが、いや、魔導師が空を飛び、虚空を踏み
しめることすらできることを。

137 :狼たちの饗宴 ◇UoqoGN3rDA :2008/05/14(水) 04:36:29 ID:5ap7ZIBD
 常人どころか並みの達人であろうと反応できないはずの一撃に、ザフィーラは魔法の力
を使い、身を翻した。重力に縛られてはありえないはずの動き。
 見下ろす男の顔に、見間違えようのない驚愕の色が浮かんだ。ザフィーラに受け止めら
れる未来を理解したのだろう。しかし今更止められない。
 例えザフィーラの理解が及ばぬ「気」の使い手であろうと、空を飛ぶことはできない。
 苦悶の表情を浮かべたまま、それでも全力で一撃を放った点は流石といえよう。ここで
中途半端に体勢を崩したり、あるいは判断を迷ったりしては、それこそザフィーラの狙い
打ちにされるところである。
 しかしそれでも、未来は覆らない。
 ザフィーラは両腕を交差して頭に振り下ろされた踵を受け止めると、そのまま足を掴ん
で地面へと放り投げた。

「ぐあっ」

 受け身も通用しないほど強かに地面に打ち付けられ、男の口から苦痛の声が漏れる。
 これで、終わりだ。
 流石に死なぬよう手心は加えてあるが、それでも立てるような生易しいものではない。
鍛え上げられた男の体躯であれば、筋肉が背骨や内臓などの重要な部位は守っているだろ
うが、それでも骨の数本は間違いなく折れている。獣の聴覚もまた、その推測を裏付けて
いた。もはや戦えるような体ではない。
 ザフィーラの目的はあくまでリンカーコア、そこから生まれる魔力である。
 この程度の傷ならば、もとより許容範囲と言えた。
 それでも、忸怩たる思いがザフィーラの胸を確かに冒していた。どうにもずるをしたか
のような後ろめたさがあったのだ。その上重傷を負わせたとあっては。
 相手が強敵だった、というのは言い訳にならないだろう。

「……」

 しかし、何時までも沈んではいられない。管理局に存在を捉えられては、この暴挙の意
味すらなくなってしまうのだ。
 手前勝手な理屈だと己を嘲りながら、ザフィーラは男からリンカーコアを蒐集しようと
地面に降り立った。やはり、音は、音は――

「何!?」

 姿勢を乱し、脚甲が地を鳴らした。
 さもあらん。もはや動けぬと思っていた相手が立ち上がろうとしていては、いかに冷静
沈着なザフィーラであっても動揺する。
 ザフィーラが驚愕に目を見開く中、男は立ち上がった。
 その顔色は当然のように優れない。骨折の痛みに耐えているのだろう。額といわず顔中
に脂汗を浮かばせ、食いしばっているせいで頬も引きつっている。
 変わらぬのは唯一つ、その眼光のみ。爛々と闘志を宿したその瞳の鋭さは、ザフィーラ
をして感嘆せしめるほどだった。

「……驚いた、な。まさか、空を……飛ぶや、つが、いるなんてな」

 しかし、闘志だけではどうにもなるまい。声には痛みが色濃く移り、それはそのまま戦
闘力に影響する。もはやザフィーラの一撃を受け止める余裕すら残っていまい。

「もう、抗うな」

 これ以上苦痛を長めてどうする――言外にそう滲ませて、ザフィーラは沈痛な面持ちで
そう伝える。
 無駄だろうことは知っていた。出なければ今更男が立ち上がるはずがないのだ。瞳に獣
を宿すはずがないのだ。
 ただ、そうせざるを得ないほど、男の在り方が気高かっただけ。
 だから、予想に違わず、男はその顔に笑みを浮かべた。その片手を伸ばし、

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 04:37:41 ID:5ap7ZIBD
「Hey, Come on! Come on!」

 あまつさえ挑発すらしてくる。
 もはやここに至っては言葉は要らず。
 一撃で終わるというのなら、それもまた慈悲深くはあるだろう。
 油断ではなく、純然たる事実としてザフィーラはそう結論付けた。挑発を仕掛けたのは
何も男が余裕を見せたからではない。むしろその逆、己からは攻め込めないほど疲弊した
結果なのだ。

「ふ、う」

 重く、息を吐く。胸に澱んだ空気を吐き出し、新鮮な空気を取り込むために。
 次の瞬間、ザフィーラの専心はただ目の前の男を打ち倒すことのみに向けられていた。

「お、おぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!」

 呵責ない全力の一撃。
 それはある種の信頼にも近かった。どれだけ傷付いていようと、お前なら死にはしない
はずだと。
 それを受けて、男は笑みを深くした。突進してくるザフィーラを前にして、あるいは自
分が死ぬかもしれないというのに、それでも男の顔に浮かんだのは笑顔だったのだ。
 それも獰猛な、獣の笑み。

「I'm OK!!」

 傷付いた体に渇を入れ、男が身を捻る。それはまるで、矢を番えられた弓のよう。放た
れるのは全身全霊を込めた右の拳。
 しかし遅い。ザフィーラの一撃が届くほうがどうあっても早い。

「終わりだぁあああ!!」

 そうして、ザフィーラの拳が男に叩きつけられる。飛び出そうとしていた男には交差法
の形で決まるはずだ。あるいは、本当に死んでしまってもおかしくない。
 それでも、力は緩めなかった。手加減が出来るような相手ではないのだ。
 拳に伝わる鈍い衝撃を予期し、ザフィーラの顔が苦く歪む。せめて、せめて命だけは。
 だが、
 だが――
 なぜ、その伝わるべき衝撃はいつまでたってもやってこないのか。
 そして、
 なぜ――
 なぜ――――、男の拳がザフィーラの胸板に奥深く突き刺さっているのか。
 答えが明確にして単純。ザフィーラの予想を遥かに上回る、拳をすり抜けたと錯覚させ
るほどの速度で男は突進し、ザフィーラの一撃を回避していたのだ。
 狼の顎に身を投げ出すに等しい暴挙。それを男は成し遂げる。
 突き刺さった拳に逆の手を添え、男は反動に備え、腰を落とした。
 そして高らかに叫ぶ。

「Buster Wolf!!」

 発勁の要領で打ち出された気の大砲が拳から吹き上げる。その衝撃にザフィーラの意識
は白く染め上げられていった。

139 :狼たちの饗宴 ◆UoqoGN3rDA :2008/05/14(水) 04:38:31 ID:5ap7ZIBD
「む、う」

 そうして目覚める。
 胸の奥に未だ残る鈍痛を思えば、そう長い間気絶していたわけではないようだ。辺りの
暗がりも似たようなものだから、事実そうなのだろう。
 ひどい負け方だった。あそこまで追い込んでおきながら負けるとは、ヴォルケンリッ
ターでなくともその無様さを笑いたくなる。
 まして、こうして生き恥まで晒しているとは。

「なぜ、生かした」

 痛む体を無理矢理引き起こしながら、路地裏に打ち捨てられた車のボンネットの上に腰
かける男に問う。
 この辺りは、主はやてが住む日本という国に比べれば、お世辞にも治安がいいとは言え
ない。そんな中で襲い掛かってきた相手を生かしておく理由があるのだろうか。
 生かしておかないまでも、警察に連絡するか、捨て置けばいいだろうに。
 しかし、男は人好きのする笑みを浮かべて首を振った。

「殺し合いをしたつもりなんかなかったさ」

 首を振ったついでにあいてて、とわき腹を押さえながら、なんとも信じられないことを
言う。ザフィーラの言葉を信じたのだろうか。だとすればお人好しの度を超えている。

「放っておけるほどこの辺りも治安がいいわけじゃないしな」

 まして、襲い掛かってきた相手のことを心配するなど、当のザフィーラですら信じられ
なかった。その呆れにも似た思いが、感謝を覚えることすら許さない。

「……馬鹿か、お前は」

「ああ、ロックにもよく言われた」

 嬉しそうにそう言われては、呆れることすらできないではないか。
 脳裏に、主はやての笑顔が思い浮かぶ。
 その笑みと、男が浮かべたのは同じものだった。
 笑う膝を押さえ、ザフィーラは立ち上がった。
 情けをかけられた上に、主はやてを思わせる相手からもう魔力を奪おうという気は失せ
ていた。今戦えば、傷の深さを考えればザフィーラが勝つだろうとしてもだ。

「もう行くのか」

「ああ、迷惑をかけた」

「そうか、それじゃあな。ザフィーラ。よかったら覚えておいてくれ、俺の名前は――」

 最後まで聞かず、ザフィーラは転移魔法を発動させた。
 名前を知りたいという欲求はなかったわけではないが、知ればきっと何かしら障りが出
るだろう。だから、あえて聞かなかった。
 それに、もう十分だ。
 男は狼だった。それだけを胸に刻めば、他にはもう何もいらなかった。

140 :狼たちの饗宴 ◆UoqoGN3rDA :2008/05/14(水) 04:40:00 ID:5ap7ZIBD
以上、投下終了です。
元キャラは飢狼伝説のテリー・ボガード(MOW時代)
予約時間を違え、そのうえコテのミスなど見苦しいところを見せてしまい、申し訳ありませんでした。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 10:49:56 ID:r4Dq+iKf
>>140
時々、こういう好みの作品に会えるからこの時間も油断出来ないんだよな…乙!

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 12:07:08 ID:JyCeSKah
バスターウルフの無敵で逆転とは・・

143 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 14:59:04 ID:C/4N95CC
昨日は失礼しました。
何も予定なければ1530頃投下したいのですがよろしいでしょうか?

144 :Strikers May Cry:2008/05/14(水) 15:04:43 ID:uhbQMLXN
OK!

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:05:05 ID:UzCiUQXv
支援するぜ!
ナイスキル!(まだはやい)

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:07:27 ID:uhbQMLXN
コテ外し忘れた、スマンです。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:30:05 ID:lzVyVAMW
しえんー

148 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:30:40 ID:C/4N95CC
時間になったのでオメガ11イジェークト!

ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL


第8話 制空戦闘


強いものが生き残る―それが空の掟。


入念に偽装が施された滑走路―。
フライトジャケットを羽織った一人の男が、離陸していくF-15Cイーグル制空戦闘機の群れを眺めていた。
男の視線を辿っていくと、F-15Cのコクピットに辿り着く。本来ならそこにいるべきはずのパイロットの姿は無かった。
自動化と言えば聞こえはいいが、パイロットまで排除した鋼鉄の翼には温かみが感じられない。何よりも男にはこの無人化されたF-15Cが
どこまで通用するのか疑問だった。
「元はと言えば、あれは君の世界の技術だよ」
そんな男の疑問に答えるように声をかけてきた科学者―スカリエッティ。
「着想も技術もなかなかいい。だが、随所に詰めの甘さが見られた。だからこうしてデータ収集をさせているのだよ、今回が最後になるが」
「―また民間施設への攻撃か?」
不愉快な表情をあらわにした男はスカリエッティを睨む。現にこのマッドサイエンティストは二度も民間施設を攻撃していた。一度目は鉄
道、二度目はホテル。鉄道が破壊されれば交通機関に大きな悪影響が出る、ホテルなど爆撃されれば屍の山が築かれる。それらを分かった
上でスカリエッティは無人戦闘機を送り込んだのだ。ただデータを集めたいがために。
技術屋連中がみんなこんな人間ではないことを、男は切に願う。
「心配したまえ、今回は違うさ。君の大好きな制空戦闘だよ」
「―ふん」
だが、男はスカリエッティを止めに入るようなことはしなかった。曲がりなりにも命の恩人であるし、二十四時間自分を世話して回るガジ
ェットとか言う無人兵器による監視の目もあった。
「それより―本当に行くのかね?」
スカリエッティが話題を変えるように言った。彼の視線の先には、滑走路の外れで駐機されている戦闘機があった。離陸していったF-15C
と違って、こちらはパイロットが乗り込んで操縦する純正品のままだ。
「君があのリボンの戦闘機に深い興味を持っているのは分かるが―」
「なら止めるな」
サヴァイバル・ジャケットとヘルメットを手にした男はスカリエッティの言葉を短く遮り、駐機されている愛機に向かう。
「冷たいなぁ。私は心配しているのだよ?」
そうは言ってもスカリエッティは笑みを浮かべている。苦笑いだったのかもしれないが、男には自分を嘲笑っているように見えた。
「それについては素直に感謝しよう―離れてろ、離陸する」
文字通り言葉だけの礼をして、男は愛機―Su-37に乗り込む。
大出力のエンジンに空気抵抗の少ない機体、そしてトリッキーな機動性で格闘戦では無類の強さを誇るこの愛機の機首には黄色で「13」の
文字。それが男のコールサインであり、この世界での―終わったはずの人生での名前。
AL-37FUエンジンを始動させると、凶暴な唸り声が上がる。空気が震えて、気分が引き締まった。
―エルジアのためではない。今はただ、俺が俺であるために。
「黄色の13―出る」
エンジン・スロットルレバーを押し込み、滑走を開始。たった一人の黄色中隊が、空に舞い上がっていく。
その姿を、スカリエッティは冷たい笑みで見送った。
「せいぜい頑張ってくれたまえ―御稜威の王がもう少しで蘇る。もう少しで―」

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:31:13 ID:UzCiUQXv
支援する!

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:31:59 ID:GoSnp2SE
支援

151 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:32:10 ID:C/4N95CC
機動六課の会議室。
メビウス1は会議室中央のテーブルに転がる、損傷の激しい何かの残骸を見ていた。
焼け焦げた残骸のネームプレートからかすかに読み取れる単語は"Z.O.E"。メビウス1はこの単語に聞き覚えがあった。
「戦闘AI"Z.O.E"―まだ存在していたとは、な」
ホテル・アグスタ防空戦にて撃墜したタイフーンの残骸を回収、調査した結果、無人機であることが判明。それだけではなく、機体を制御
していたAIはメビウス1の世界にてかつて運用されたものだった。
「墜落時の衝撃と火災で損傷がひどく、確証は得られません。ですが、相当高度なものであったと思います」
解析を担当したシャリオは手元の端末から得られるデータを参照にして言った。
「インテリジェントデバイスとは、また違うのかな?」
同じく端末からのデータを見ていたフェイトが疑問の言葉を漏らす。
確かに、人工知能と言う点ではフェイトたちのインテリジェントデバイスと似通った点はあるかもしれない。だが、メビウス1はそれを否
定する。
「いや、根本的に違う。お前さんたちのデバイスは主にサポートだろ?こっちはサポートもくそもない、完全に独立して動く。まさに戦う
ためだけに作られた無人戦闘機の中枢さ」
「それもシャーリーの言ったとおり、非常に高い能力を持ってる」
追加されたなのはの言葉にメビウス1は頷く。
「編隊を組み、互いの死角や隙を補うように戦う―ただ強いだけでなく、コンビネーションさえ知っている。少数ならともかく、大群で来
られるとガジェット以上に脅威だ」
「しかも速ぇしな。音速出されたら追いつけねぇよ」
実際にZ.O.Eを搭載した無人機と対決したシグナム、ヴィータの言葉には経験による裏付けがあった。この場にいる誰もが反論する余地は
無い。
「―メビウスさん、どうかした?えらい考え込んでるようやけど」
一方で思案顔を見せるメビウス1に、はやてが声をかけた。
「あぁ、ちょっとな。このZ.O.Eシステム、俺の世界じゃ前にクーデターで使われたものなんだが―」
メビウス1は知っている限りのZ.O.Eの情報を六課のメンバーに話す。
かつてクーデター軍がこのZ.O.Eを使用し、劣勢を挽回しようとしたこと。しかしそれは傭兵航空部隊"スカーフェイス"によって阻まれた
こと。Z.O.Eシステム搭載の無人機はすべてが撃墜され、以後ユージア大陸には同システムを搭載した無人機は存在しないこと。
「しかし、現に存在していてこっちの世界で暴れている―と言うことやな」
「ああ。確かにエルジア軍は追い込まれてはいたが、こいつに手を出すほどだったのか…?」
ユージア大陸全土で巻き起こったクーデターには各国の正規軍も多数参加しており、そのことから忌わしき記憶としてクーデター軍が独自
運用していたZ.O.Eはクーデター鎮圧後誰にも見向きされなかった。
ISAFによる反攻作戦で追い込まれたエルジアは、とうとうこの技術に手を出したのだろうか。確かに新たにパイロットを養成するよりはず
っと早く戦力は揃う。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:33:06 ID:UzCiUQXv
支援! メビウス1と黄色の13の決着はまだか?!

153 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:33:17 ID:C/4N95CC
「あと、これも確証は得られないんですが」
「まだ何かあるのか?」
メビウス1の問いにシャリオが頷く。彼女は端末を捜査して、データを呼び出した。
「このシステム、改修された形跡があります。主な点としては、電気信号を魔力に切り替えてます。これは回路内で命令解読を行う手間が
省ける利点があって―」
「待て、Z.O.Eをさらに改修?」
シャリオの解説を遮って、メビウス1は疑問の声を上げた。
決して電子技術と言う分野で詳しい訳ではないが、メビウス1はZ.O.Eは自分の世界での技術の粋を集めて開発されたものだと聞く。ミッ
ドチルダの技術はさらにその上を行くのかもしれないが、すでに完成されたシステムを改修するのは容易なことではない。
「完成されたシステムをさらに改修してみせる―それも魔力、こっちの技術を取り入れて。こんなこと出来るのは―」
はやては言葉を途中で区切って、フェイトに視線を送る。彼女は頷き、端末から次元犯罪者のリストを呼び出すとその中から一つを選ぶ。
「ジェイル・スカリエッティ…指名手配中の、次元犯罪者だよ。主な罪状は山ほどあるけど、主なものはやっぱり違法研究かな」
「こいつが―言ってしまえば、一連の事件の親玉か」
投影されたスカリエッティの画像データを見てメビウス1は呟いた。
「何の目的で動いているのか―いや、それ以上にどうしてエルジアが協力しているのか」
ISAF空軍の軍人として、気になるのはやはりそこだった。もともとメビウス1が六課に協力する理由だ。
「けどメビウスさん、必ずしもこの人がそのエルジアと協力しとるとは限らんよ?」
「どうして?」
「無人機だけがメビウスさんと同じようにこっちに飛ばされて、それを偶然入手したスカリエッティが使用している、とか」
なるほど、とメビウス1ははやての考えに納得して見せた。確かにその可能性も否定できない。
「―まぁ、結論を急いでもしょうがないと思う。まだ情報も少なすぎるし」
「なのはの言う通りだよ。彼については、引き続いて調査をするから―」
「ああ、悪いが頼む」
メビウス1はフェイトに頭を下げた。
本来なら調査は自分でやりたいところだが、パイロットの彼にそんな能力や知識は無い。ましてや、彼の管理局における身分は「任意で協
力してくれている次元漂流者」に過ぎない。はやてからは一尉相当の権限をもらっているがそれも六課の中だけの話だ。
「とりあえず、今はこの辺にしておこうか。もうすぐお昼やから、みんなで食堂行こか」
はやてが手を打って会議の終了を告げると、堅い雰囲気は一気に和らいだ。
だが―そんな時間を与えてくれるほど、現実は容赦しなかった。
皆が席を立った瞬間、一級警戒態勢の警報が鳴り響く。
「飯も食わせてくれない、か…スカリエッティってのはよほど仕事熱心なんだな」
「ホント、仕事熱心やな…みんな行くで」
だっと一同が動き出す。それぞれが自分の役割を果たすために。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:33:25 ID:lzVyVAMW
支援だー。

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:34:22 ID:UzCiUQXv
支援機からイジェークト!

156 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:34:48 ID:C/4N95CC
―洋上。
二〇機のF-15Cが、四機ずつの編隊を組んで高度三万フィートの空を飛行していた。
全機がZ.O.Eを搭載した無人機ゆえ、無線による会話は一切ない。淡々とした電気信号によるデータリンクが行われているだけだ。
と、その時編隊でもっとも左に位置していたF-15Cが何かを見つけたのか主翼を左右に振る、俗に言うバンクで編隊長を務める先頭のF-15C
に合図した。無人機であるはずなのに、こういうところは妙に人間臭い。
隊長機から指示を受けたのか、一個編隊が分離して高度を下げ、発見した"何か"の正体を確かめに行く。
彼らが発見したのは、管理局の空戦魔導師たちだった。F-15Cの飛行するルートは民間便のそれと重なっており、空戦魔導師は警告のため
上がってきたのだ。
もちろん、F-15Cの編隊が警告に従うはずがない。彼ら一個編隊は二機ずつに分かれてそれぞれ上昇、降下。上と下から空戦魔導師を取り
囲む。魔導師たちは警告を無視するどころか不審な行動を取る彼らに魔力弾による警告射撃を実施。だが、F-15Cは動揺することなく魔導
師たちに狙いを定める。
野獣の唸り声のような咆哮と共に、二〇ミリの弾丸が魔導師たちに襲い掛かる。咄嗟に回避しようとした彼らだったが、毎分六〇〇〇発に
も及ぶ弾丸の雨から逃れられる訳も無く、一人を残して空中で全員ミンチにされた。
悲鳴を上げて全速力で逃走を図る魔導師、だがその行く手を降下して待ち構えていたF-15Cの二機編隊が阻む。
逃げることすら適わないことを悟ったこの哀れな魔導師は救援を要請しつつ、半狂乱になって魔力弾を乱射。F-15Cは全長一九メートル以
上に及ぶ巨体に似つかわしくない俊敏な機動でそれを回避、機関砲弾を叩き込む。
魔導師は手にしていたデバイスを砕かれ、同じように自身も肉片すら残らないほどの弾丸の雨を浴びて仲間の後を追った。
手ごたえの無い相手にF-15Cの編隊はつまらなさそうに上昇、合流して元の位置に戻る。
血に飢えたこのハゲタカたちは、更なる獲物を目指して飛び続けた。

「救援、救援を―速過ぎる、勝てない!救援を―」
警告のために出撃した魔導師の悲痛な叫びは、念話を通じて六課の皆に響き渡った。
念話の向こうでは雷のような轟音。直後、魔導師のものと思しき悲鳴が上がり、グチャ、と肉が潰れるような音がして交信は途絶えた。
「―やられ、た?」
ヴァイスの操縦するヘリのキャビンで、エリオが青ざめた表情で呟いた。悲鳴の後に聞こえた音が何を意味するかは、容易に想像できる。
「ひどい…」
沈痛な面持ちで言葉を漏らしたのはキャロ。覚悟の上で彼女らは六課のフォワード部隊に参入しているが、まだ十歳の子供に今の交信内容
はあまりに生々しいものがある。
「―相手は、また戦闘機なんですよね?」
「ええ、そのはず―怖い、エリオ?」
青ざめた顔はそのまま、エリオの問いにティアナが答えた。
エリオは彼女の言葉に首を振って否定するが、震える腕は隠しようも無い。
「いえ、怖い訳では……違います、ね。確かに怖いです…」
「じ、実はあたしもー。いや、正直これはたまんない」
少しでもキャビンに広がる暗い雰囲気を変えようと、スバルがやたら明るい声を出すが、効果は無いに等しい。
―と言っても、あたしも怖いんだけど。
クロス・ミラージュをガンマンよろしく回転させて必死に誤魔化しているが、心の底から湧き上がってくる恐怖は止めようが無い。
「航空隊の人って、精鋭ばかりなんですよね?」
不安そうな声で、キャロが皆に問いかける。
「その、こんなこと言うのもなんですが…精鋭の人が、こんな簡単にやられちゃうってことは…」
「馬鹿言わないの。あたしたちだって、戦闘機と戦うのはこれが初めてじゃないでしょう」
ティアナの言う通り戦闘機の相手ならすでに経験している。だが、それでもキャロの不安そうな表情は崩れない。傍らのフリードでさえ、
身を震わせていた。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:35:39 ID:UzCiUQXv
生身VS戦闘機! 音速の果てを極めるのはどっちだ 支援!

158 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:36:19 ID:C/4N95CC
「―え?なんだって、正気か!?…了解」
その時、コクピットの方でヴァイスの声がした。何事だろうとスバルがキャビンを駆け上がり、問いただす。
「あのー、いったい何が?」
「…引き返す」
『えぇ!?』
ヴァイスの口から出た思いもよらぬ言葉に、新人たちが驚く。
ここまで来て引き返すとはいったい何事なのだろうか。
「ロングアーチからだ。洋上じゃ足場が無くて新人たちを出しても活躍出来るとは思えんそうだ」
「でも、ウイングロードがあれば…」
スバルは自身の魔法を口に出すが、ヴァイスは首を振る。
「戦闘機の機動力に追いつけるもんじゃないだろ」
「うっ…」
ヘリは反転し、速度を上げた。急いで空域を離脱しなければ、ミサイルによる攻撃を受ける可能性があった。ヘリの機動力で音速を超える
ミサイルを回避するのは到底不可能だ。
新人たちは、無念の思いで戦場を後にする。その中で、ティアナは一本の白い航跡がはるか遠くに浮かんでいるのを目撃した。
―メビウス1、頼みます。

レーダー画面に映る機影は二〇機。メビウス1は愛機F-22のコクピットで、久しぶりに大規模な空戦になることを悟った。
―洋上での大規模な空戦、か。まるでコモナ諸島での制空戦だな。
蘇ってきた記憶はISAFによる本格的な反攻作戦の準備のために発射される人工衛星の防衛任務。あの時も気象条件はよく、格闘戦には最適
な状況だった。
「メビウスさん、新人たちは下がりました」
「了解」
隣を飛ぶのはバリアジャケット姿のなのは。
今回は洋上と言う足場の無い状況で敵も大群であるため、陸戦主体の新人フォワード部隊は後方に下げることにした。
代わりに空戦魔導師は全力出撃。なのははもちろんのこと、フェイト、シグナム、ヴィータはF-22を先頭に編隊を組んで、敵編隊に向かっ
ていた。
―美人がこんなに揃うとは、壮観だな。
思考の片隅でのんびりした考えを持ちながら、メビウス1は司令室のはやてと交信。
「目標は警告を無視するどころか友軍の空戦魔導師を撃墜…攻撃するには充分すぎる理由や。交戦を許可」
「了解、ロングアーチ…さて、どうするかな」
無人機が相手なら何も容赦することはあるまい。だが数で劣勢なのは明らかだ。
―この中で一番速いのは俺だな。なら、真っ先に突っ込んでかき回すか。
納得のいく結論を得たメビウス1は、対戦闘機戦において六課でもっとも経験のある者として指示を下す。
「よし、まず俺が突っ込んでかき回す。スターズ1は遠距離から砲撃して敵をかく乱」
「スターズ1、了解」
「スターズ2、ライトニング1及び2は敵がバラけたら突っ込め」
「スターズ2、了解だ」
「ライトニング1、了解しました」
「ライトニング2、心得た」
準備は整った。メビウス1はエンジン・スロットルレバーを叩き込んで、アフターバーナーを点火。なのはたちは作戦通りに動くはずだ。
F119エンジンの咆哮はF-22を一気に加速させ、音の壁すら越える。
上昇、メビウス1は敵機の編隊の上空に位置すると、今度は敵編隊に向かって急降下。ステルス機ゆえレーダーに捕まることはない。
「メビウス1、交戦」
ウエポン・システムをオンにするとデジタル化の進んだ計器に兵装が表示される。その中からレーダー誘導の中距離空対空ミサイル、AIM-
120を選択。APG-77レーダーは敵編隊二〇機から任意の目標を四機選び、ロックオン。
「―フォックス3」
胴体下ウエポン・ベイからAIM-120が四発、発射される。敵編隊はロックオンされたことに気づき、即座に回避機動。
ミサイルが命中するまでの時間がもどかしく感じるが、焦ってはいけない。メビウス1はそれを経験から知っていた。
「……スプラッシュ4、次」
キャノピーの向こうでかすかに見えた四つの閃光。しかし彼は四機同時撃墜の戦果に酔いしれることなく、F-22を敵編隊に突っ込ませる。
突然攻撃を受けた敵機たちだったが、編隊を組みなおすと果敢にもメビウス1のF-22と正面から対峙。
「あれは…F-15か」
視認距離に入るなり、メビウス1は素早く敵機の正体を読む。
もう新鋭機とは呼べないが、優れた電子装備に図体の割りに高い機動性と制空戦闘機として申し分ない性能を持つ。
赤外線誘導のミサイルにロックオンされるのを防ぐため、メビウス1はあらかじめフレア―マグネシウムの塊で、燃えると大量の赤外線を
放つ―をばら撒き、F-15Cの編隊に接近。敵機も同じことを見越して、フレアをばら撒きながら近づいてくる。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:37:34 ID:UzCiUQXv
ナイスキル! 支援

160 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:37:53 ID:C/4N95CC
「!」
一六機にも及ぶF-15Cが一斉に機関砲弾を撃ち込んで来た。咄嗟にメビウス1は機体を滑るように降下させて弾丸の猛攻を回避。
―機関砲に関しては、純粋に機動で回避するしかないからな。よく分かってる。
感心しつつ、F-15Cの編隊とすれ違う。F-15Cは編隊を解いて二機ずつ分かれると、各々別の方向からメビウス1のF-22を狙う。
多いな、だがそれでも―。
後方に回り込みつつある敵機の編隊を注意深く観察して、ここぞと言うタイミングで機体を右に回転、と見せかけて左にロール。
急激な機動の変化に振り回されるF-15Cの編隊の後方に回り込み、兵装をAIM-9、赤外線誘導ミサイルに。
「フォックス2」
AIM-9の弾頭は簡単にF-15Cのエンジン熱を捉える。メビウス1はAIM-9を発射すると同時にさらに後方から接近してくる敵機を発見、急上
昇で離脱を図る。
AIM-9はまっすぐ獲物に食らいつき、爆発。爆風と破片がF-15Cに襲い掛かり、尾翼をもぎ取る。これで撃墜五機目。
「しつこいな」
撃墜を確認しつつも、後方から迫るF-15Cの二機にメビウス1はあからさまに苛立つ。と、その時真正面から高速で別の編隊が突撃を仕掛
けてきた。こいつを利用する他ない。
来い、来い、来い―今だ!
ミサイルの射程ぎりぎりまで引きつけ、メビウス1はF-22を降下させた。
突然急降下した目標を追う後方のF-15Cは正面から突っ込んできた味方であるはずのF-15Cにその進路を妨害される。空中衝突を避けるため
速度を落としたが、その隙にF-22は上昇して反転、今まで自分を追い回していたF-15Cの後ろにつく。
距離は―近い、機関砲でやろう。
即座に兵装をM61A2二〇ミリ機関砲に切り替え、急降下ですれ違う瞬間に引き金を引く。発射された弾丸はわずかだったが、的確にF-15Cの
エンジン部を貫いていた。直後、F-15Cは爆発、炎上。六機目だった。
文字通り疾風怒涛の攻撃で、F-15Cの編隊は混乱。我を忘れてどれもがF-22を追い掛け回すばかりだった。そしてそれこそがメビウス1の
狙いだった。
四機ほどが束になって追いかけてくるところに、はるか上空から桜色の閃光が走る。
なのはの砲撃、ディバインバスター。四機のF-15Cはいずれも桜色の光に飲み込まれ、空中で蒸発する。
「四機撃墜―メビウスさん、大丈夫ですか!?」
「絶好調さ」
敵編隊はこれで半分が撃墜された。まだ律儀に編隊を保持しているのもいるが、おおむねは崩れている。
「よし―今ので敵編隊は乱れた。各員、あとは好きにやれ」
「了解、待ってましたよ」
上空から、フェイトを先頭に六課の空戦魔導師たちが逆落としに突っ込んでくる。
「プラズマランサー…シュート!」
フェイトは自身の周囲に鋭利な弾体を浮かび上がらせると、バルデッィシュを振るって発射。妨害を受けることなく充分な時間を持って発
射されたため、弾数は多数に及ぶ。不運にもこれに狙われたF-15Cは自慢の上昇力で逃れようとするも間に合わず被弾。一度だけ小規模な
爆発を起こし、炎上したかと思うと次の瞬間四散した。
他のF-15Cが仇討ちと言わんばかりにフェイトに接近、ミサイルを叩き込もうとして突如、正面に現れた小さな人影が繰り出した鉄球をも
ろに浴びて粉砕される。
「前方不注意だ、よく見てろ」
人影の正体はグラーフアイゼンを担いだヴィータ。不敵な笑みを浮かべてバラバラになっていくF-15Cを見ていた彼女に、突如赤い曳光弾
が浴びせられる。
「うおっと」
寸前で気づいたため、回避成功。仕返しのシュヴァルベフリーゲンを撃ち込もうとするが、すでに敵機ははるか遠くだった。
歯がゆい思いで敵機を見つめていたが、突然その敵機が真っ二つにされる。やったのはシグナムだった。
「お前も周りをよく見ることだ」
「うるせぇ」

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:38:36 ID:UzCiUQXv
隊長陣は化け物か?! 支援

162 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:38:58 ID:C/4N95CC
残り七機。普通なら撤退してもいいころだが、無人機ゆえ撤退と言う判断は持たないらしい。編隊を崩してなお、F-15Cは攻撃を仕掛けて
くる。
「しょうがないなぁ…メビウスさん」
「ああ、相手してやろう」
互いに不敵な笑みを浮かべ、敵機に挑む。
なのは、カートリッジを一つリロードしてチャージを開始。その隙に攻撃しようとしてくる複数のF-15Cにメビウス1のF-22が機関砲弾を
ばら撒いて牽制。
「エクセリオン…バスター!」
レイジングハートより、桜色の渦が放たれる。F-15Cは上昇、降下、旋回と各々回避機動を取るが誘導機能を持ったエクセリオンバスター
は一機たりとも逃さない。渦に飲み込まれたF-15Cはその全てが蒸発した。
―いやはや、なんとも凄まじい火力だ。
なのはが味方であることに心底嬉しく思いながら、メビウス1はレーダー画面を確認。二〇機の敵編隊は、もはや存在しなかった。
「こちらメビウス1―敵機は全て撃墜。繰り返す、敵機は全て撃墜した。最高のダンスだったよ」
ロングアーチ、司令室のはやてに結果報告。ところが、返ってきた言葉は祝福や労いではなかった。代わりにやってきたのは警告。
「こちらロングアーチ、あいにくやけど敵の増援が接近中や。数は一機、マッハ2で高速接近中」
「一機だけ…?」
メビウス1は眉をひそめた。二〇機ものF-15Cを瞬く間に全滅させたこちらに、たった一機で挑むとは正気とは思えない。
「…こっちでも補足した、様子がおかしい」
索敵モードに切り替えると、APG-77レーダーが接近してくる機影を捉えた。ただ一機、迷うことなくこちらに突っ込んでくる。
―なんだ、こいつは。
言い知れぬ不安が彼の胸のうちを支配していく。戦闘機乗りとしての本能がどこかで叫んでいる。
"こいつはヤバイ"と。
「なんでもいい、あたしが落としてやる!」
「待て、ヴィータ」
メビウス1の警告を無視して、ヴィータはグラーフアイゼンを構えて敵機を迎撃すべく前に出る。
その直後―雲の向こうから、待ち構えていたように複数の白煙が飛び出してきた。白煙は六つ、その正体はどれもミサイルだ。それらが連
なって、前に出たヴィータに襲い掛かる。
「何……くそ!」
音速を超えるミサイルの群れ。ヴィータは咄嗟にシュワルベフリーゲンで撃墜しようとするが、間に合わなかった。
悲鳴すら上がらなかった。六発のミサイルはほとんど同時にヴィータの小さな身体に着弾。爆風と破片が空中に舞う。
爆炎が収まると、騎士甲冑がボロボロになったヴィータが現れ―力尽きたようにグラーフアイゼンを手放し、落ちていった。
「ヴィータ!」
シグナムが悲鳴のような叫び声をあげ、落ちるヴィータに向かっていく。
「ロングアーチ、スターズ2がやられた!ライトニング2が救助に向かってる!」
「了か…え?」
「ヴィータがやられたんだよ!…敵機を迎撃する、みんな下がってろ」
ロングアーチとの交信を無理やり終わらせ、メビウス1はF-22を加速させる。
司令室で、家族が突然撃墜されたことで呆然としているはやてが目に浮かんだが、今は敵機の方が優先だ。
「メビウスさん…!」
「下がれ、ハラウオン。こいつは只者じゃない」
「でも…」
「高町もだ」
二人を置いてけぼりにして、メビウス1はレーダー画面に映る敵機との距離を縮める。
視認距離に入った。もう見えるはず―!
キャノピーの向こう、瞬きすれば見失いかねないような小さな黒点をメビウス1は見つけた。
敵機もこちらを発見したのか、まっすぐこちらに接近。距離が近づくにつれ、シルエットがはっきりしてきた。
「Su-27…いや、カナード翼がある。Su-37か!」
機動性に関してはF-15Cを上回る戦闘機の出現。だが、それ以上に彼を驚愕させたのはSu-37に施されたペイントだった。
―嘘だろ。
互いに撃たれまいと角度をつけながら正面から接近、そしてすれ違う。その瞬間、確かにメビウス1は目撃した。Su-37の主翼の先端が黄
色で塗装され、何より機首に黄色で「13」と描かれていた。
「なんでだよ…なんであんたがここにいる」
操縦桿とエンジン・スロットルレバーを握る腕が震えだした。間違いなく、あれは幾度も対峙した相手。
「…黄色の13!」

―運命の敵機、"黄色の13"出現。

163 :THE OPERATION LYRICAL:2008/05/14(水) 15:39:53 ID:C/4N95CC
投下終了。
メビウス1VS黄色の13は次回に…。
後半グダグダになったかも。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:39:58 ID:UzCiUQXv
運命のライバルと遭遇か! 支援

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 15:47:16 ID:UzCiUQXv
>>163
GJ代わりにナイスキル!
遂に運命のライバルたるメビウス1と黄色の13が遭遇しましたね。
並外れたエースパイロット同士の激突にミッドチルダの空は赤く染まりそうです。
下手な援護など命取りになる超音速のドッグファイトに期待が止まりません。
そして、音速を超える戦闘機に普通に反応出来ている隊長陣に笑うしかありませんでした。
魔導師って……人間やめてるね(失礼)
そして、未だに陸戦魔導師であるフォワード陣が空の戦いに介入出来る日は来るのか。
次回が楽しみです。
イジェークト!

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 16:05:15 ID:p4Woeq0K
>>163
人間やめている、つまり
種族:魔導師
こういうことですね! わか(ry

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 16:12:32 ID:DgX62m7v
>>166
魔導師=石仮面装着! ということか

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 17:01:26 ID:vRTN7o3f
おおう・・・ナイスキル、メビウス1!
流石F-15Cだ、空戦魔導師とぶつかってもなんともないぜ!
しかしXLAA6発喰らって気絶だけって、どんだけ堅いんだヴィータw

そして戦闘機繋がり、EDFとは地球軍繋がりという事で、8時ごろにR-TYPE Λ 第12話を予約させていただきます

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 17:02:01 ID:zZd7Ts99
>>167
リンカーコアの有無を調べる時に「俺は人間をやめるぞ○○ーッ!!」と叫ばねばならないわけか。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 17:09:51 ID:1XB1pgSH
>>163
GJ!モビウス1
コレは原作のステージ8をイメージすればいいのかな?
大規模ドッグファイトは燃えるし楽しかったぜ!
次回も期待してます。
>>167
それだと夜間戦闘しかできないじゃないかw
究極生物ならともかく

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 17:48:13 ID:blGZiJpm
>>168
ギガ波動砲のマックスチャージを開始する!

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 18:00:25 ID:ylch/p/c
>>170
高密度の魔力は太陽光線をさえぎることが出来ると某赤バラ様は仰ってまして……

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 18:02:07 ID:blGZiJpm
>>172
あれと腐食の月光は規格外すぎるwww

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 18:05:42 ID:UzCiUQXv
ええい。
関係のない吸血鬼談義はやめなさいw
二時間後のR-TYPE氏の投下まで支援波動砲のチャージするんだ!

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 18:20:27 ID:XntmdUKO
>>132
我々はずっと待ってましたよストーム1!

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 18:39:06 ID:STqZAb9V
うむ、緊急連絡だ。

177 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 19:59:18 ID:vRTN7o3f
5分に投下を開始します

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:03:38 ID:pQi40phZ
惑星破壊波動砲フルチャージ開始!

179 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:05:03 ID:vRTN7o3f
それでは投下します



桜色の光が5条、其々に異なるオートスフィアを撃ち貫く。
直後、更に複数の砲撃が飛来。
廃棄都市区画各所に潜む、80超のオートスフィアが一瞬にして消滅。
一際大型のスフィアが出現、魔導師達を狙撃しようと試みるものの、魔力が砲撃を形成する前に、1000発を超える高速直射弾が不恰好な鉄塊へと襲い掛かった。
爆発。
テスト終了を告げる警告音が、魔導師達の傍らへと展開されたウィンドウを通じて発せられる。

『スフィアの全滅を確認。お疲れ様でした』

記録映像、終了。
ウィンドウが閉じられる。

彼等は本局ブリーフィングルームのひとつにて、大型のウィンドウを前にデバイスへと新たに搭載された機能の詳細について、技術部局員による説明を受けていた。
先程の映像は、8時間前の彼等自身を撮影したものだ。
そして、マガジン型の新システムを映し出す大型ウィンドウ、その前に立つ人物。
マリエル・アテンザ。
彼女は新システムの説明に入るより先に、魔導師達へと問いを投げ掛ける。

「新たな機能を試してみた感想は?」

静まり返るブリーフィングルーム。
40人を超える魔導師達が、一様に戸惑った様な表情を浮かべ、沈黙で以って答えた。
やがて、絞り出す様な声が放たれる。

「その・・・本当に、テスト領域にはAMFが掛けられていたので?」

マリエルは、即座に答えを返した。

「ええ。レベル7、対オーバーSランク用。理論的にはJS事件当時のゆりかご内部を超える出力のAMFが、第2廃棄都市区画全域に対する発動状態にありました」

ブリーフィングルームの其処彼処から、小さなざわめきが沸き起こる。
続く声は、更に多分の困惑を含んでいた。

「しかし、その様な感覚は一切無かったのですが」
「この新システムを通じ、デバイスが常時対AMF結界を形成しています」
「それでは我々の魔力が枯渇している筈だ。結界を常時維持しつつ、砲撃魔法など放てる訳が・・・」
「テスト終了後、貴方がたは魔力を消費していましたか?」

再び、室内は静まり返る。
マリエルは、視線を中程の位置に座する旧知の人物へと向け、言葉を放った。

「高町一等空尉。貴女はテスト中に自身のデバイス、レイジングハート・エクセリオンのリミットを解除、ブラスターモードを起動しましたね。魔力の消費は、どれ程のものでしたか?」

その言葉に、室内の視線がある一点へと集中する。
エースオブエース、高町 なのは。
彼女は他の魔導師達と同じく、その表情へと困惑を貼り付けたまま、声を発した。

「・・・魔力を消耗する感覚は、一切無かった・・・気が、します。魔力集束時も、ブラスターモードの起動時も・・・まるで」
「身体への違和感は?」
「・・・ありません」

困惑のざわめきが、ブリーフィングルームに沸き起こる。
それらの声を鎮めようとするかの様に、マリエルの声が響き渡った。


180 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:06:22 ID:vRTN7o3f
「実感して頂けた様ですね。これが新システム「AC-47β」の機能、特殊触媒による魔力増幅です」
「魔力の、増幅?」
「ええ。魔法の発動時に要する魔力量は既定値のままですが・・・」

ウィンドウに表示された「AC-47β」の内部構造図を拡大しつつ、言葉を繋げるマリエル。
その表情は彼女らしからぬ無表情であり、内心の葛藤を如実に表していた。

「魔導師本体・・・つまり貴方がたの魔力消耗率は、通常値の約2%となります」
「・・・失礼。2%の軽減、と言いたいのか?」
「いいえ。通常値の2%に当たる魔力で、同様の魔法が行使できるという意味です」

ざわめきがより大きくなり、室内を満たす。
その様を眺めつつ、マリエルは傍らのウィンドウを操作、新たな画像を大型ウィンドウ上へと表示した。
其処に映るは、オレンジの光を放つ球体。
一瞬にして室内が静まり返り、敵意と恐怖が綯い交ぜとなった視線がウィンドウへと集中する。
説明は、続く。

「第14支局消滅の直前に送信された最後の報告により、不明機体群・・・正式名称「R-TYPE」シリーズに配備された球状兵装「フォース」とは、純粋「バイド」体を用いて創造された、ある種のエネルギー触媒である事が判明しました」

画像が移り変わり、次元空間に浮かぶフォースと、それに良く似た2つの光球を回収すべく展開される封鎖結界、そしてXV級次元航行艦の艦首が映し出される。
第14支局跡に於ける、フォース及び「ビット」回収作業の映像だ。

「これは本来、「R」シリーズの機体より供給されたエネルギーを増幅、光学兵器及び半物質化実体弾として目標へと投射する機構であり、我々の技術レベルでは到底、再現不可能なオーバーテクノロジーでした。
しかし第5支局に於ける解析班の尽力により、バイド体の人工培養及び制御技術の開発に成功。試験的培養を開始するに至りました」

魔導師達の間から、感嘆の声が上がった。
敵対勢力の技術を解析・応用せしめた、技術部に向けた賛辞の声。
しかしマリエルは心中で、自身の言葉に対し毒づく。

士気高揚の為とはいえ、「開発」などとよくも口にできたものだ。
バイド体培養技術実用化に至るまでの実態は、不明機体パイロットから齎される情報に依るところが大きい。
電子的強化を施された脳へと記録された膨大な技術的情報は、彼等の発声器官を通し管理局へと渡った。
ほぼ不眠不休にて続けられた聴取の記録に基づき、技術部は然程に労する事なくしてバイド体の培養に成功。
しかしそれは、管理局の技術力では解析すら不可能なシステムの大半を、回収されたR戦闘機群のフォース制御システム、ブラックボックスに属するそれらを代用する事で完成された、継ぎ接ぎだらけの技術だった。
断じて「開発」などではない。
あれは「模倣」だ。

「培養したバイド体を用いた研究の結果、技術的な問題からフォースレベルの高収束度バイド体制御は困難であると判断。しかし、副兵装「ビット」を参考とした低収束度バイド体制御の実現に成功しました」

再びウィンドウへと表示される「AC-47β」内部構造図。
箱型・ドラム型・手動装填型デバイス対応特殊型、3つの構造図に共通する特徴は、その内部に存在する直径2cm程度の球状エネルギー収束体。
4重の魔力による磁場が、それを封じ込め固定している。


181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:06:29 ID:pQi40phZ
ドプケラドプス支援

182 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:07:32 ID:vRTN7o3f
「このバイド体を擬似神経回路及び中枢魔力増幅経路を通じてカートリッジシステムに直結する事により、デバイスを用いて制御される魔力の増幅を行う。それが「AC-47β BYDO SYSTEM」の概要となります」

食い入る様にウィンドウを見つめる魔導師達。
その視線の先で画像が揺らぎ、本局外殻の中継映像へと移り変わる。
マリエルは傍らの操作用ウィンドウを閉じ、ハードコピーの資料が置かれた台へと両手を突くと、身を乗り出す様にして語気を強めた。

「これで「AC-47β」の齎す効果はご理解頂けたでしょう。しかし此処でフォースの解析主任、延いては技術部より、貴方がたに対し「警告」を発させて頂きます」

三度静まり返るブリーフィングルーム。
一同を見渡すマリエルの視線は、なのはを捉えるや否やその眼力を強め、続く言葉が彼女にとって非常に重要である事を強調していた。
なのはが気圧された様な表情を浮かべる様を視界の端へと捉えつつ、マリエルは声を発する。

「フレーム耐久限界を超える過剰魔力の供給、デバイスによる耐久限界及び魔力集束臨界値警告の無視。これらの事象を実行した経験のある方は挙手を」

その言葉に、室内に存在する魔導師達の殆どが戸惑いつつも挙手する。
最早慣用句ともいえる、技術部からのデバイスに関する警告。
彼等が口にする危険性を理解しつつも、今までに幾度となくその行為を繰り返してきた。
その結果として、10年前のなのはの様に生死の境を彷徨う事態に陥った者も、決して少なくはない。
しかし同時に、彼等の中には自身の相棒たるデバイスへの絶対的な信頼、そして自己の限界すら超えてみせるとの強靭な意志が息衝いている。
事実、そうして幾度もの窮地を切り抜けてきたのだ。
今更その事を口にされたとして、それを改める事など不可能に等しい事柄であった。
マリエルの言葉は続く。

「単刀直入に言います。この「AC-47β」を搭載した状態でのデバイス使用時、如何なる状況下に於いてもデバイスによる警告を無視する事を禁じます。繰り返しますが、これは「要望」ではありません。「警告」です」

幾人かが身動ぎし、それを確認したマリエルの目が細められた。
何時もの彼女からは考えられないその視線の鋭さに、彼女の人柄を良く知る数人が違和感を抱く。
一体、何を其処まで警戒しているのか?
しかし、そんな彼等の疑問は、新たに展開された大型ウィンドウに映る球体、フォースの映像に掻き消される。

光球の周囲を旋回する、幾筋もの赤い光。
一帯の空間を埋め尽くす、同じく赤い線状の光条。
傷付いた漆黒の不明機体。
その周囲を取り囲む、凄絶な破壊の痕跡を晒す巨大構造物。

誰もが、その映像が何処で記録されたものか、たちどころに理解した。
本局内部、B5区画。
フェイト・T・ハラオウン、ティアナ・ランスター、ユーノ・スクライア。
彼等3名が、本局内部へと侵入した不明機体、捕虜となったパイロットの証言から「R-13A CERBERUS」との名称が判明した、1機のR戦闘機と対峙した地点。

そして画像が乱れ、閃光と共に映像が途切れる。
ウィンドウが閉じられ、残るは抉られ消滅した本局外殻の中継映像のみ。
誰もが息を呑む中、マリエルは震えそうになる自身の声を抑え、「警告」を続ける。

「B5区画にてR戦闘機が使用した範囲殲滅攻撃。これはフォースに蓄積された超高密度エネルギーを解放、既知の次元空間とは異なる次元との隔壁に当たる空間構造を破壊し、無数の次元空間を同時乱発生させ範囲内の対象に原子レベルでの破壊を齎すものです」


183 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:08:39 ID:vRTN7o3f
ウィンドウに映し出される、破壊された外殻。
しかしその周囲、破壊された本局の一部と思しき破片は、只の一片も映り込んではいない。
これだけの破壊が為されたにも拘らず何故、破片が存在しないのか?
答えはひとつしかない。

B5区画は「破壊」されたのではない。
「消滅」したのだ。

「フォースは自らと、自らを制御下に置く機体、そして恐らくは何らかの方法で識別された友軍を除く全ての外的因子を吸収・分解し、エネルギーへと変換・蓄積する特性を備えています。
今回使用されたこの範囲殲滅攻撃は、交戦中に吸収した魔力、更には本局構造体の破壊時に蓄積されたエネルギーを使用し発動。つまり彼等は、フォースに蓄積されたエネルギーを攻撃手段として解放する技術を所有しているのです。しかし・・・」

再びウィンドウへと、「AC-47β」の内部構造図が表示される。
エネルギーが蓄積されるイメージが投影され、しかし蓄積値が60%を超えた時点で画面が赤く点滅を始めた。
新たに表示される「フレーム耐久限界」、「臨界点到達」の文字列。

「先述の様に、我々の技術では同様の機構を開発・搭載するには至りませんでした。「AC-47β」内のバイド体は攻撃の際、特に近接攻撃時に於ける対象との接触・侵蝕によって大量のエネルギーを蓄積し、それに比例して魔力増幅率も増大します。
しかしR戦闘機とは異なり、蓄積率を維持したまま戦闘を継続する事はおろか、攻撃手段としての解放も不可能。よって「暴走」を防ぐ為、バイド体に蓄積されたエネルギーを強制排出する機構が必要となり、それに伴い機能の強制停止システムが設けられています」

「強制排出機構作動」の文字と共に、ウィンドウ上のバイド体から膨大なエネルギーが放出されるイメージが投影される。
エネルギー蓄積値が減少し、「フレーム耐久限界」及び「臨界点到達」の警告表示が消滅。
その間、約8秒。

「無論このシステムは、デバイスとその使用者の意思により強制解除する事が可能です。基本性能の低下を避ける為、敢えてAI基部の再設定は見送りました。しかし、これだけは忘れないで下さい」

再び表示された外殻の映像を背に、マリエルは語り続ける。
それは、最後の警告。
かつて幾人もの魔導師を死の淵へと追いやった、デバイスに対する過剰な信頼。
それを、技術者たる自らの言葉を以って、微塵とする為に。

「この「AC-47β」を搭載したデバイスを使用する以上、貴方がた一人ひとりの無茶・無謀は、他の全てに対する脅威となって跳ね返る事となります。使用者の命だけでは済まない。範囲内に存在するあらゆるものを巻き込み、消滅する事となります」

息を呑む魔導師達の表情を見渡し、マリエルは言葉を紡ぐ。
純然たる事実、最悪の現実を伝える言葉を。



「貴方がたの手にあるのは、信頼する「相棒」でも、便利な「道具」でもない。辛うじて制御されているだけの「怪物」であり、隙あらば全てを喰らい尽くさんとする最悪の「敵」です。それだけは、決して忘れないで下さい」

*  *  *

「フェイトちゃん。この後、はやてちゃんの・・・」
「ごめん、なのは。私、ユーノの所に行くから」

それだけ言うと、ブリーフィングルームを出るフェイト。
言葉を掛ける事もできずにその背を見送り、なのはは項垂れた。


184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:09:02 ID:pQi40phZ
フォースは質量兵器じゃないんですか?管理局さんw支援

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:10:10 ID:RjvCO8ZY
支援

186 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:10:19 ID:vRTN7o3f
不明機体と交戦した日からというもの、フェイトは自身を責め続けている。
自身が引き際を誤った所為で、ユーノが四肢を失う事となった。
彼女は、そう考えているらしい。
しかしその時の彼女はまだ、今の感情を封じ込めている様な状態には至らなかった。
フェイトの心を支えていたものが崩れ去ったのは、恐らく3週間前。
第61管理世界「スプールス」との連絡が途絶えた、あの日。

突如として発生した極広域空間歪曲は、スプールスを含む14の世界を呑み込んだ。
次元世界のみならず、各通常空間までをも侵蝕したそれは、内部とのあらゆる通信手段を阻害。
更には無人探査機及びXV級次元航行艦4隻による強行偵察の結果、管理世界最遠方域にて交信の途絶えた27の世界をも内包している事実が判明した。
偵察を終え、帰還した彼等が持ち帰った映像に映り込んでいたのは、同一空間内に存在する筈のない41の惑星、そして空間を埋め尽くす無数の次元航行艦の姿。
あらゆる計測器が誤作動を起こし、気体とも液体ともつかぬ異様な物質に満たされ、恒星は存在するものの通常の惑星系とも宇宙空間とも異なる、明らかに異常な空間。
艦艇を含め様々な大規模施設の残骸が集合して形成されていると思しき、自然天体にも匹敵する巨大な人工構造物。
その全てより亡者の咆哮の如く発せられる、新旧入り乱れた救難信号。

即時救出を叫ぶ者、罠であると主張する者。
最終的な判断を下す切っ掛けとなったのは、拘束中のR戦闘機パイロット達の証言だった。

曰く、広域空間汚染による異層次元形成に伴う空間隔離は、バイドの用いる戦略としては普遍的手段である。
隔離空間内を自らの「成育」に適した条件へと変容させ、其処でバイド中枢の修復及び増殖を行う。
内包された汚染体は有機物・無機物を問わずバイドにとっての「盾」であり、「殻」であり、同時に「材料」であり、「子宮」でもある。
常軌を逸した現象が頻発するものの、それら全てがバイドを育む為に行われる一連の生命活動の副産物に過ぎず、しかし同時にそれらはバイドにとっての「糧」となる。
この現象の只中に突入するというのならば通常の戦力では、増殖したバイド汚染体群には到底太刀打ちできない。
また、スプールスを含む各世界の環境から考察するに汚染生態系の形成は確実であり、これを放置する事によってバイド汚染体が際限なく増殖する可能性を考えれば、隔離状態を維持しつつ放置する事もできない。
バイドによって引き起こされるであろう次元隔壁の崩壊、それに伴う次元世界への汚染体流出。
自己増殖機能を備えたバイド生命体が次元世界へと氾濫すれば、もはや打つ手はない。



徹底的な「殲滅」。
それ以外に、人類が生き延びる術などありはしない。
汚染体が「何」であったかなど、考えるだけ無駄な事。
どの道、「全て」滅する他ないのだから。



管理局の下した決定は、各地に駐留する次元航行部隊の招集。
そして管理局全戦力の約半数を投じての、「特S級ロストロギア」バイドに対する、一大攻勢作戦の実行だった。
更には各管理世界軍部への協力までをも要請したのだが、そちらに関しては余り芳しい回答は得られなかった様だ。
当然といえば当然ではあるが、今やどの世界もバイドの襲撃を恐れている。
例え自らの戦力では太刀打ちできないとしても、成功するか否か定かではない作戦に軍を貸し出すほど酔狂ではない。
よって管理局は自らが保有する417隻の艦艇の内、前線基地として機能する支局艦艇8隻を含む204隻を、バイド攻撃隊として隔離空間内へと送り込む事を決定。
同時に4000名を超える魔導師による各世界への降下、生存者救出を立案・採択した。


187 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:11:30 ID:vRTN7o3f
スプールスとの連絡が途絶えた直後、フェイトの取り乱し様は凄まじかった。
彼女の家族であるエリオ、そしてキャロ。
2人の生死すら不明であるというこの状況は、彼女の精神を容赦なく蝕んでいった。
周囲が如何にフェイトを励まそうとも、その言葉が彼女の心に届く事はない。
今までに乗り越えてきた如何なる事件をも上回る規模で発生した、今回の極広域空間歪曲。
独自に行動を起こす事もできず、ただ徒に時間ばかりが過ぎ行く中、徐々に彼女は出会ったばかりの頃の様に心を閉ざしていった。

時空管理局、その全ての機能が対バイド戦に向け集約してゆく中、他の執務官同様に時間を持て余す事となったフェイトは、対「R」戦闘機群戦術シミュレーションを繰り返し、その合間に意識の戻らぬユーノの元を訪ねるというサイクルを繰り返している。
誰に己が心の内を明かす事もなく只管に自身を責めつつ、R戦闘機群に対する憎悪にも似た感情に突き動かされるがまま、彼等への対抗手段を探り続けているのだ。
尤も、R戦闘機群への対抗手段の模索は、彼女のみならず管理局の誰もが行っている。
よってなのはは、彼女の努力が実を結んでいるとは言い難い事も既に知っていた。
クラナガン、そして本局内外にて記録されたR戦闘機群の映像、其処から導き出された彼等の戦闘能力。
シミュレーションの結果は、常に非情な答えを呈していた。

魔導師では、R戦闘機群には対抗できない。
一度、戦闘機本来の超高機動・高速戦闘が展開されれば。
一度、本来の射程で砲撃を受ければ。
一度、バイド汚染艦隊を襲ったあの戦略攻撃が実行されれば。
為す術なく一方的に蹂躙され、全滅に至る事は明白であった。

それでもフェイトは、シミュレーションを続けている。
彼女が見据えている敵とは恐らく、あの漆黒のR戦闘機だろう。

「R-13A CERBERUS」。
地獄の番犬の名を冠された、重武装突撃型R戦闘機。
拿捕されたパイロット達の話では、2164年に発生した「サタニック・ラプソディー」事件にて運用され、事態を打開した3機のR戦闘機、内1機と同型の量産機であるとの事だった。
数あるR戦闘機群の中でも、一際強力なフォースを装備した機体。
極端なバイド係数強化の反動として、機体からの有線制御を行わざるを得なくなった、歪な戦闘体。
ユーノの四肢を間接的に奪い、一瞬にして200名超の命を本局の一部ごと消滅させた、悪魔の機体。

R-13Aに限らず、本局への侵入を果たした他の2機への対抗手段についても、度重なるシミュレーションが行われている。
しかしそれらもまた、導き出された答えは、望むものからは掛け離れたものであった。


188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:11:51 ID:pQi40phZ
コンバイラたんまだ―?支援

189 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:12:48 ID:vRTN7o3f
「TL-2A2 NEOPTOLEMOS」。
アギトとユニゾンしたシグナム。
彼女達と対峙し、果ては意識不明の重体へと追い込んだ、濃緑の機体。
人型への変形機構を有し、重装甲と近接攻撃特化型フォースを備えた特殊型。

既に意識を取り戻したアギトの証言によれば、この機体が放つ砲撃には一切のタイムラグが存在せず、「発砲と同時に着弾」したのだという。
砲撃の瞬間を見切り、先制攻撃を仕掛ける事による回避を試みた彼女らは、突如として背後の空間が爆発した事によりレヴァンティンを破壊され、更に衝撃によって前方へと弾き飛ばされた。
不明機体はその瞬間を逃さずバーニアにより前方へと加速、10mを優に超える鋼の巨体を以ってシグナムに対する突進を実行したというのだ。
自身の進行方向とは真逆の方向からの、膨大な質量による高速での衝突。
シグナム、そしてアギトは実に200mにも亘って宙を舞い、そのまま隔壁へと叩き付けられた。
それだけに留まらず、R戦闘機は隔壁を破壊してダクトを離脱。
既に外部と内部とを隔てる隔壁が残存していなかった事もあり、救援が駆け付けるまでの11分間、シグナムらは真空状態となったダクト内に放置されていたのだという。
本来ならば、プログラムゆえ深刻な問題ではなかったであろうが、今回はその身体を構築するプログラムが人に近付いていた事が災いした。
今だシグナムという存在の中核を成すプログラムの基幹部に異常は無かったものの、徐々に人間としての肉体に近付きつつある身体の損傷は、既にその生命を脅かすまでに至っていたのだ。

内臓の殆どを潰され、脊椎を損傷し、全身の骨格までをも粉砕された烈火の将。
度重なる治癒魔法の使用と外科手術により、外見的には殆どの傷が癒えた今なお、彼女は生死の境を彷徨っている。
そして、彼女の目覚めを待ち続ける者達に対し医療班が告げた、残酷な事実。



たとえ目覚めたとしても、彼女は2度と剣を振るえない。



残る1機の迎撃にはSランクが1人、そしてAAランク1人が当たっていた。
しかし結果は、他の2箇所を上回る被害を生み出しただけ。
彼等が接触したR戦闘機は、まさに暴虐の化身とも呼ぶべき存在だった。

「R-9Leo LEO」。
R戦闘機最大の攻撃手段である波動砲ではなく、通常兵装である光学兵器の出力を極限まで強化したという機体。
大威力の一撃ではなく、間断なく掃射される光学兵器の弾幕によって全てを薙ぎ払う殲滅者。

この機体について、パイロット達による証言以上の情報は得られていない。
ダクト内の映像は「壁」となって襲いくる光学兵器の閃光を最後に途絶え、当初に迎撃を担当したSランク及びAAランク、更には増援を含む67名の魔導師達は、塵も残さず消え去った。
後に残るは、魔力炉心の数百m手前まで続く凄絶な破壊の痕跡、そして僅か数個の主なきデバイスの破片のみであったという。

彼等は炉心まであと1歩という距離にまで侵入を果たしながら、唐突に踵を返し撤退した。
本局に程近い空間、其処にゆりかごを含む艦隊が現れ、管理局及びR戦闘機群に対し無差別攻撃を開始した為だ。
彼等はバイドとの戦闘を優先、本局に対するあらゆる戦闘行為を即時中断し、外部へと脱出。
その際に多くの命が奪われたものの、管理局全体としてみればそれは幸運だったのだろう。
炉心は破壊される事なく、バイド汚染艦隊はR戦闘機群の攻勢により虚数空間へと撤退した。
R戦闘機群もまた、独自の次元航行技術により姿を消し、後に残ったのは重大な損傷を負った本局と、機能を停止した14隻のXV級次元航行艦のみ。
計1308名もの犠牲者を出し、戦闘は終結した。


190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:13:41 ID:pQi40phZ
水中戦が待ち遠しい支援

191 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:14:00 ID:vRTN7o3f
未知の科学技術によって形成された、異形の質量兵器「R-TYPE」。
その力は魔法を遥かに凌駕し、もはや魔導師では抗い得ない脅威の存在であった。
彼等と再び相見える事になったとして、自身らにできる事などあるのだろうか。
なのはは、そう思わずにはいられない。

そして何より、対抗措置として生み出された「AC-47β」魔力増幅機構。
ビットと呼ばれるR戦闘機副兵装、其処から分離・培養されたバイド体を用いて作成されたそれは、管理世界が踏み出してはいけない1歩、そのものの様に思えた。
常軌を逸した技術・戦力を有する22世紀の第97管理外世界が半世紀に亘って戦いを繰り広げ、しかし今なお滅する事叶わぬ存在。
異次元の彼方より現れ、全てを侵蝕する狂気の生命体。

22世紀の第97管理外世界は、管理世界をバイドに汚染されたものと誤認した上で、今回の攻撃を実行したのだという。
そう、確かに誤認だった。
しかし今、管理局はバイドを用いて、自身の戦力を強化しようとしている。
第97管理外世界とは異なり、その原理すら判然としないままに。
自らの意志で、バイドを受け入れる。
それは意図しないままの汚染と、一体どう違うというのだろう。
得体の知れぬ怪物を、自らの体内に飼うと同義の行為。
それ即ち、自らが「バイドになる」という事ではないのか?
第97管理外世界の誤解から始まった一連の事態に正当性を与え、真実へと昇華する行いではないのか?

「一尉、高町一尉!」

自らを呼ぶ声に、なのはは我へと返る。
どうやら、何時の間にか考えに沈んでいた様だ。

何を考えている。
この戦いの正当性は管理局にある、それは明らかではないか。
22世紀の第97管理外世界は、何処かの次元文明が遺した特S級ロストロギア・バイドによる侵攻を受け、その技術を応用して次元世界へと進出。
次元世界に対する理解の不足から管理局をバイドと誤認し、一方的な攻撃を経て自らの認識が誤りである事を知るに至った。
そして偶然か、それとも必然か、バイドそのものがこの次元世界へと出現。
状況は時空管理局、国連宇宙軍、バイドと、三つの勢力による混戦の様相を呈してきた。
今、最も優先すべきは管理世界住民の救助、そしてロストロギア・バイドの鎮圧と確保。
その戦いの中で、第97管理外世界が持つ管理世界への誤解も解ける事だろう。
そして恐らくは、彼等と管理局の歩み寄りも実現できるに違いない。
不毛な戦いなど、誰も望んではいないのだから。

溜息をひとつ、なのはは歩を進める。
視線の先には、彼女を呼ぶ複数の人影。
彼女自身が教え導いた、幾人もの若き魔導師達。

そうだ。
こんな事を考えるのも、あのパイロットが言い放った言葉の所為だ。
地球人ではない?
地球を未開の世界と見下し、切り捨てた?
何を馬鹿な。
自分は紛う事なく第97管理外世界の出身、即ち地球の人間だ。
故郷を捨てた覚えは無いし、見下した覚えも無い。
自身は偶然から次元世界の存在を知り、その歴史の歩みを学んだ。
その過程で、質量兵器が如何に愚かで恐ろしいものかを知り得て、魔法技術体系から成る管理世界の文明を受け入れた。
自身にすらできたのだ。
より詳細な理解が可能であろう地球という世界そのものに、それができない筈がない。
質量兵器を放棄する事に対する抵抗はあるだろうが、管理世界の総意であるその主張に、次元世界への進出を果たして間もない一介の世界が抗うというのは、余りに愚かな選択だ。
聡明な彼等ならば、自ずと取るべき道は見えてくる事だろう。


192 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:15:19 ID:vRTN7o3f
バイドさえ打ち滅ぼせば。
R戦闘機の必要性が失われれば。
魔法技術体系の優位性さえ示す事ができれば。



全ては、あるべき流れへと収束するだろう。
次元世界が進むべき、「正しき道」へと。
嘗て自らが、それを学んだ様に。



雑念を振り払い、なのはは力強い笑みを浮かべた。
自らを目指す者達に、要らぬ不安を抱かせる訳にはいかない。
教え子に対し常に希望を指し示す事こそ、教導隊員としての使命なのだから。

確固とした信念に基づき、未来へと歩むなのはは気付かない。
自らの思考が既に、管理世界の住人のそれへと変貌している事実に。
自らの出身世界を、「地球」ではなく「第97管理外世界」として捉えている、その思考に。

時空管理局戦技教導隊所属、高町 なのは一等空尉。
管理外世界に生まれ、管理世界に育った異端のエースは、己が信ずる未来へと向かって飛翔し続ける。
羨望ではなく、害意を以ってその翼を観測する、地を這う者達の狂気に気付かぬまま。

桜色の光を放つ、未来と希望を象徴する翼。
鈍色の光を放つ、狂気と憎悪を内包した翼。

両者が再び邂逅を果たすのは4日後、対バイド攻勢作戦「ウイング・オブ・リード」の発動から8時間後の事であった。

*  *  *

入室するや否や、おめでとう、とその男性は言い放った。
何の事か、と訝しがるリンディ・ハラオウンを余所に、男性は言葉を続ける。

「遂にロストロギアと認定されたんでしょう、バイドは? これで後々の強制執行が可能となった訳だ」

感情の窺えない声で言い切ると、男性は無機質な視線をリンディへと向けた。
クラナガンにて拿捕された7名のパイロットの内、「R-9ER2 UNCHAINED SILENCE」との名称を持つ早期警戒機に搭乗していた人物。
それが、彼女の目前に座する男性だった。

「今日は何の御用です、ハラオウン総務統括官」

穏やかな、しかし決して親しみを感じる事のない、無感動な声。
込み上げる嫌悪感を抑え込むと、リンディは努めて平静に声を発した。

「本日は貴方がたへの要請の為に伺いました。予てからの宣言通り、我々は対バイド攻勢作戦を発動します。その際、貴方がたに戦術オブザーバーとしての同行を願いたいのです」

沈黙。
先を促しているのだと解釈したリンディは、言葉を繋げる。

「残念ながら私達は、バイドの脅威を精確に理解できているとは云い難い。対バイド戦のスペシャリストである貴方がたに、各状況に於ける助言を頂きたいのです。無論、相応の見返りは保障します」
「どんな?」
「国連宇宙軍艦隊との対等な交渉、貴方がたパイロットの身柄引き渡し」

訊き返す言葉の後、再び沈黙する男性。
リンディもまた、答えを急かす事なく口を噤んだ。


193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:15:46 ID:pQi40phZ
クロスレーザーのかすり当ての威力は異常サイビットもヤバい支援

194 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:16:24 ID:vRTN7o3f
本来ならば、態々リンディが出張る様な交渉ではない。
しかしながら彼女は、一度でもパイロット達との対話を行ってみたかった。
何故かと問われれば、彼女とて言葉に詰まる。
だが、何かしらの衝動が彼女を突き動かすのだ。
それが亡き夫クライド、そしてクラナガンにて目撃された幻影に由来する事は明らかであったが、自身が何を期待しているのかという疑問については、彼女自身にとっても判然としない疑問であった。
自分は一体、何を考えているのだろうか。
リンディの思考が、内へと沈み行こうとした矢先。

「了解しました」

男性の声が、取調室へと響き渡る。
その声に我へと返ったリンディは、手にしたバインダーとペンを男性へと差し出し、サインを求めた。

「・・・空間投射ウィンドウがあるでしょうに」
「規定により、貴方がたが空間ウィンドウを使用する事はできません」
「ハッキングを警戒していると」
「そういう訳では・・・」

第97管理外世界の言語で以って、サインを済ませる男性。
全ての項目への記入が済んだ事を確認し、リンディはもう一度、男性自身への確認を取ると、取調室を後にしようとした。
しかし。

「他に訊きたい事があるのでは? ハラオウン総務統括官」

その言葉に、リンディは足を止める。
振り返れば、男性が掌で椅子を指していた。

「掛けては?」

数瞬ほど戸惑い、リンディは椅子へと歩み寄り、腰を下ろす。
彼女が男性の姿を正面に捉えると同時、その言葉は放たれた。

「クライド・ハラオウン提督について何か知らないかというのなら、残念ながら答えは否です。特別捜査官にも申し上げた通り、あの砲撃を放った機体については新型実験機としか聞き及んではおりませんので」

唐突なその発言にリンディは僅かながら目を見開き、しかしすぐに平静を装う。
男性の言葉は確かに彼女の心を抉ったが、人の上に立つ期間の長かった事もあり、自身の心を覆い隠す術には長けていた事が幸いした。
だが続く言葉は、そんなリンディの虚勢を容赦なく叩き潰した。

「しかしエスティアが「TEAM R-TYPE」によって拿捕された時点で、ハラオウン提督が生存していた事は間違いないでしょう」

今度こそリンディの表情に、剥き出しの感情が浮かび上がる。
男性は動じた様子もなく、彼女の瞳を見据えていた。
艶やかな唇が震え、言葉を紡ぐ。

「・・・どういう、事です?」
「あの機体は魔力素を操作していたのでしょう? 少なくとも私の知る限り、魔法などというものは22世紀の地球には存在しない。ならば、考えられる可能性はひとつだ。
「TEAM R-TYPE」は拿捕したエスティア、そしてハラオウン提督を「解析」し、何らかの手法を以って魔法技術体系を手に入れた。あの連中ならばやりかねない。貴重な「サンプル」を自らの手で破棄するなど、連中に限っては有り得る筈がない」

男性の言葉を耳にしつつも、リンディの思考は目まぐるしく交錯を重ねる。
それは管理局局員として培ってきた経験から発せられる警鐘と、リンディ・ハラオウン個人としての切なる希望、両者が入り混じった理性と感情の渦。
もはや隠し様もないそれに、リンディの意識が歪に揺らぐ。


195 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:17:31 ID:vRTN7o3f
クライドが生きていた?
彼とエスティアが、あの魔力を操るR戦闘機の礎となった?
解析?
サンプル?
この男は、一体何を言っているのだ?

混乱と共に、乱れ飛ぶ疑問の最中へと呑まれゆくリンディ。
沈黙する彼女の様子をどう捉えたのか、男性は不意に話題を変えた。

「ところで、その作戦にはタカマチ一等空尉も参加するので?」

唐突なその問いに、リンディの意識が途端にクリアとなり、涌き起こった疑問をそのまま男性へとぶつける。

「何故、そんな事を?」
「機密事項に該当するので?」
「・・・いいえ。そう、彼女も本作戦に従事します。それが何か?」

すぐさま、変わらず平淡な声で以って答えが返される。

「アコース捜査官は、彼女との直接的な接点が多くはなかった。彼の彼女に対する評価は、ヤガミ特別捜査官を介して得た情報、そして管理局内外での彼女に対する評価を基にした部分が大きい。もう少し近しい人物から、彼女に関する話を聞きたかった」
「・・・何の為に?」
「自分を墜とした人間について知りたいと思うのはおかしい事ですか?」

男性の口から語られる言葉に、リンディの内面では焦燥が積み重なってゆく。
そう、アコース捜査官の脳を攻撃した人物とは、正しく目の前の人物だった。
彼こそがアコース捜査官の記憶を奪取し、更にその脳を破壊せんとした張本人。
なのはの砲撃によって撃墜された機体からして、彼の脳が情報処理能力に長けている事は予想できた。
しかしその能力は、管理局魔導師の予想を遥かに上回っていたのだ。

そんな彼の口から騙られる、複数の知人の名。
一体何処まで情報が盗まれているのか、解ったものではない。
少なくとも機動六課と聖王教会、そしてアコース捜査官の人脈から推測するに、管理局のかなり深部に至るまでの情報が盗み出されていると考えられる。
背筋を走る冷たい感覚を何とか無視しつつ、リンディは言葉を搾り出した。

「そうね、そう思うのが普通かもしれない。でも、それだけとも思えない」
「まあ、そうですね。本音を言えば、彼女の意識を探りたかった、という事もあります」
「意識を?」

ええ、と男性は頷き、更に続けた。
リンディが予想だにしなかった、意外な言葉を。



「「翼」を手に入れた人間が、どんな視点で我々を見ているのか知りたくなりまして」



呆然とするリンディを余所に、男性は語り続ける。
それは、翼なき人間としての、純粋な疑問。
知的好奇心からの言葉であると、容易に判断できるまでの無垢な響きと、寒気がする程の冷徹さを秘めた言葉。


196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:17:49 ID:pQi40phZ
漆黒の瞳孔支援

197 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:20:10 ID:vRTN7o3f
「幼くして魔法という異能、管理世界という異文化に触れ、それらを吸収してきた人物。周囲からの制止も無く、しかも自らの意志によって「ソルジャー・チルドレン」宛らの幼年期を過ごしながら、これといった歪みもなく完成された人格。
歳不相応な任務に従事しつつ、しかし非殺傷設定の存在により、1度として人を殺めた経験の無い歪な軌跡。全く以って不思議だ。理解できない。ナノハ・タカマチという人物は、私達の理解の範疇を超えている。
だからこそ、彼女は「地球人」である事を止める事ができたのではないか。私は、そう考えていましてね。それを確かめたくなったんです」

並べ立てられる言葉の羅列を前に、リンディはただただ呆けていた。
言葉の意味を理解するより早く、彼女の口を突いて出たのは、たった一つの疑問。

「・・・「地球人」を、止める?」

それだけだった。
リンディの意識を支配する、唯一にして最大の疑問。
嘗てはやてに向けられた「地球人ではない」との言葉にも似た、しかし決定的に異なる意図を含んだ言葉。
一体、何を云わんとしているのか?
続く男性の言葉が、その疑問に答えた。

「彼女は、自らの意志のままに空を舞う事のできる「翼」を手に入れた。立ちはだかる障害を打ち砕き、足下を掬わんとする害意を払い除けるだけの「力」を。本来、その力を持ち得ない筈の世界に生きる少女が、ごく小さな偶然から魔法という「翼」を得た」

視線をリンディから僅かに外したまま、男性は言葉を連ねゆく。
単なる事実を口にしている、ただそれだけとでも云わんばかりに。

「その「翼」を以って彼女は友を救い、自らが納得のできない状況を次々に打破してきた。その意思は管理局の利害と一致し、彼女は組織の後ろ盾を得て更に高く羽ばたく。順風満帆だ。命を脅かす程の負傷も、彼女の意思を以ってすれば更に高みへと至る為の糧に過ぎなかった。
だからこそ、彼女は忘れてしまったのでしょう。本来は自身も、「翼」を持たぬ世界の住人である事を。飛べない事が当たり前の人間が犇く、「地球」という名の世界の存在を」

男性の視線が、リンディを捉える。
敵意は無い。
蔑意も無い。
只々、純粋なまでの好奇心だけが宿った瞳。
答えを得る為ならば、如何なる事柄でも為してみせると云わんばかりのそれ。
其処に、嘗て狂える科学者の瞳に見たものと寸分違わぬ光を見出したリンディは、零れそうになる声を寸でのところで抑え込んだ。



あの男、「無限の欲望」ことジェイル・スカリエッティと同じ意思を湛えた光。
ある目的の為ならば、手段を選ばぬ狂人の瞳。
本能に狂った者ではなく、理性に基いて狂える事のできる、余りにもおぞましい「怪物」の眼。
それが、リンディの瞳を間近から覗き込んでいた。



「ハラオウン総務統括官。羽ばたく「翼」を持たない人間が空を飛ぼうとすれば、騒音と排煙を撒き散らす巨大な「エンジン」に命を託して、力にものをいわせて無理矢理にでも飛ぶしかないんですよ。
何時爆発するかも分からない、何処まで飛べるかも分からない、金属の塊を背負ってね。タカマチ一等空尉はそんな世界に生まれた。にも拘らず、彼女は「翼」を持つ者の理論で飛ぶ事を強要しようとする。今この瞬間、管理局に属している事実こそがその証明だ」

「怪物」の、「飛べない人間」の言葉は続く。
空舞う「翼」に憧れ、しかし「翼」ではなく、「鉄」と「火」によって飛ぶ術を生み出した世界の人間。
理に従い飛ぶ術を知らず、理の悉くを打ち破り飛ぶ術を持つに到った「怪物」。


198 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:21:20 ID:vRTN7o3f
「・・・彼女は、飛べない人間を見限っていると?」
「バイドに対するロストロギア認定について、恐らく彼女は肯定的なのでしょう? つまり、その後に続く地球に対する強制執行についても容認しているという訳だ。実行されれば管理局は地球に対し質量兵器と、独自に発展を遂げた現有先端科学技術の破棄を強要する。
魔法技術体系を有しない21世紀の地球は武力を失い、全面的に管理局による統治下に置かれる事となる。多少、言葉は違うかもしれないが、本質的には変わりがない。地球にとっては質量兵器のこそが「翼」であり「力」だ。手放す事など有り得ない」

空の遥か先、無限の宙にまで達する「力」を得た「怪物」の目に、空を舞うだけの「翼」は霞んで映る。
不合理な飛び方を嗤い、自らには叶わぬ飛び方を嫉む。
それさえも過ぎてしまえば、残るは疎ましさだけ。
羽ばたきの音に苛立ち、舞い散る羽根に嫌悪を抱く。

「彼女にそれを理解できない筈がないんだ。にも拘らず管理局の理念に従い活動しているという事は、彼女が地球の現状を理解した上で管理局を優先したと考えざるを得ない。
魔法によって成り立つ文明を当然のものとして認識した者に、魔法の存在しない文明を理解する事などできる訳がない」

「怪物」は背凭れに深く身を預け、軽く息を吐く。
掛ける言葉もなく、その様子を眺めるリンディ。
彼女の瞳から視線を逸らす事なく、彼は言い放った。

「今更「翼」を与えられたところで、「エンジン」を手放す馬鹿は居ない。「翼」に憧れた者全てが、「翼」を得る事を望むとは限らない」

その言葉にリンディは、心臓を握り潰されるかの様な重圧を覚える。
管理局の、魔導師の「翼」を否定する言葉。
漸く絞り出した声は、今にも掠れて消えんばかりの弱々しいものだった。

「・・・貴方も?」

答えは、すぐに返された。

「必要も無いのに強要されるのは、やはり迷惑です」
「では、どうするのかしら?」

挑戦的な言葉。
知らず滲む威圧感を意に介する事もなく、「怪物」は平然と言葉を返す。

「目障りならば、「翼」をもいで地に墜とすだけです。同じ飛び方をするより遥かに簡単だ」

もはや隠す事もせずに顔を顰め、リンディはバインダーの書類を確認し始める。
一刻も早く、この部屋を出たかった。
目の前の「怪物」と同じ空気を吸う事が、この上ない苦痛に感じられたのだ。
しかし彼女はふと、気になった事柄を口にしていた。

「・・・随分と象徴的な言い回しを多用するのですね。失礼ながら、少なからず意外でした」

男性の返答は、またもリンディの予想を上回るものだった。

「アコース捜査官は、こういった象徴的な表現を多く用いた言葉遊びを好んでいた。カリム・グラシア少将、ヤガミ特別捜査官、クロノ・ハラオウン提督、ユーノ・スクライア無限書庫司書長。同様の傾向を持つ人物は多かった様です。
ハラオウン総務統括官の会話に対する嗜好については情報が少なかった為、取り敢えず彼の会話術に倣ってみたのですが」

不快な言葉の羅列。
リンディは無表情に立ち上がり、退室すべく男性へと背を向ける。
しかし扉へと歩み寄る足を止めると、振り返る事なく最後の問いを発した。


199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:21:51 ID:pQi40phZ
グリーンインフェルノ支援

200 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:22:29 ID:vRTN7o3f
「・・・高町一等空尉は空を目指す者の良き指導者たらんと努め、多くの若者に「翼」を与えてきました。それでも、彼女は飛べない人々の事を忘れ去っていると?」

責める様な自身の言葉に、リンディは苛立つ。
これではまるで、内心ではあの男性の言葉を認めてしまっていると、そう証明している様なものだ。
そんな彼女の葛藤も知らぬまま、背後より返答の声が飛ぶ。

「彼女が教え導いているのは、拡がり切っていない「翼」を持つ雛だ。「翼」そのものを持たない人間など、少なくともこの世界では、彼女の周囲には存在しない。彼女は「翼」を拡げる手伝い、そして羽ばたき方を教えているだけでしょう」

微塵の蔑意も含まない、無感動な声。
微かな敵意すら込め、リンディは更に言葉を投げ掛ける。

「地球の出身でありながら「翼」を手に入れ、その羽ばたき方を教え広めている事が気に入らないと?」
「それもあります。何せ・・・」

空気を振るわせる言葉。
リンディの鼓膜を震わせるそれは、なのはの想いに真っ向から反するものだった。



「敵対する者の「翼」をもぐ事こそが、私の任務ですから」



モーター音。
項垂れ、室外へと歩み出たリンディの背後で、閉じられるドアとロックの音が無機質に響いた。



「翼」持つ者を教え導き、空へと誘う管理局。
「翼」を奪い、地へと引き摺り墜とす地球軍。

共に高みへと到る力に憧れながらも、余りに異なる道を歩んだ2つの組織。
空舞う者は地を顧みず、地を這う者は天へと銃口を向ける。
たとえ空を喰らい、地を蝕む異形が現れたとして、両者の思想が変化する事はない。

互いを理解しつつ、しかし僅かな許容すらもなく。
悪意が息衝く胎内にて、両者は再び相見える事となる。



体バイド攻勢作戦「ウイング・オブ・リード」発動まで、89時間。


201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:23:20 ID:pQi40phZ
アイレム動物園支援

202 :R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA :2008/05/14(水) 20:23:47 ID:vRTN7o3f
投下終了です
支援、有り難うございました

管理局「飛  ば  な  い  か」
地球軍「俺はラ○ュタよりゴリ○テが好きなんだ!」

というお話でした
念の為に補足すると、「翼」というのは魔法技術体系を指しています
珍しくRパイロットが抽象的な表現を多用していますが、作中で述べた通りヴェロッサ達の過去の会話から模倣したものです

魔法は鳥の様に羽ばたいて飛ぶ技術、科学は推進力に物をいわせて飛ぶ技術という様なイメージで書きました
飛び方を示されても、今更羽ばたいて飛ぶ気にはなれない地球軍

そして魔導師はスカリエッティと技術部の尽力によりパワーアップ
魔力切れの心配なし、AMFほぼ無効の無敵状態
管理局は順調にバイドに染まってきています

「AC-47β BYDO SYSTEM」、通称「AC-47β」
魔力増幅の天才だ
ゆりかごだってブン殴ってみせらぁ
でもR戦闘機だけは勘弁な

とにかくこれで状況説明及び管理局側の準備段階描写は終了です
次回より、本格的に対バイド戦開始となります



次回予告(特別版)

やと ねつ ひいた も とてもかゆい
今日 はらへったの、 りゅう のエサ くう

かゆい かゆい
ふりーど きた
ひどいかおなんで ころし
うまかっ です



・・・半分は冗談ですよ?


203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:28:17 ID:RjvCO8ZY
GJ!
絶望的な話は嫌いなのに
読んで面白いと感じてしまうw

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:46:11 ID:qa5yHyw3
もうすっかり管理局の思想に染まってるなあ、なのはさん
しかも自覚無しときた ともあれGJ

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:48:51 ID:UgAqyyNt
乙!こいつはすげぇや!

そしてなのは世界では殆ど語られない「持たざる者」の発言が
とても面白かったです

そうですよね、自分達の先祖が血と汗を流して幾年もの時を掛けて築いた
誇りの詰まった技術を溝に捨てろなんて怒りたくもなりますよね

R-typeは佳く知りませんが凄く納得してしまいました
ゲンヤさん辺りの魔力ゼロな人達なら彼等の主張も理解出来るかと
彼とゲンヤさんが逢ったらどんな状況になるんでしょうか
「翼」を求めて故郷を捨てた者の末裔の「翼」を持たないゲンヤ…
出来たらそんな場面が今後出てくるのを期待しちゃいます

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 20:51:45 ID:MHq/5yP7
GJ!!です。
なのはの考えの逆もありえますよね。魔法が彼らの質量兵器を超えられなかった場合
魔法が捨てられて質量兵器が取って代わるみたいな。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 21:00:16 ID:havLrLo1
この胃がキリキリする空気……たまらんね!
なのははやてより管理局に染まってるなぁ、はやてはショックを受けてたし。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 21:04:27 ID:qPElKMbg
GJ!元ネタは知らないんだけど、これってたしかシューティングゲームだよね?

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 21:06:53 ID:SX5l6Kzo
GJ!でした。
なのはに関する場面がとても面白かったです!
もう完全に管理局の人間ですね。士郎が泣いちゃいます。
自分が地球人を止めたことにいつか気づくのか。

それと管理局は着々とバイドへの道を歩んでますね。
下手をしたら地球軍に殲滅されてしまう。

個人的に翼の話が面白かったです。
地球人としては管理局の思想が無茶苦茶に思えます。
なんでもかんでもロストロギアにするのは。
次元世界が質量兵器を採用すれば面白いかも。
バイドの採用はその一環みたいですが。

そして味方からも酷い言われ方をする
TEAM R-TYPE・・・
とりあえずR-Typerがオブザーバーな
対バイド攻勢作戦に期待です。
バイドは地球人と違って話も聞いてくれないw

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 21:40:20 ID:pQi40phZ
GJ!
「AC-47β BYDO SYSTEM」
明らかにやばすぎるだろ、これはwww夏の夕暮れに行っちゃいそうだぞw
培養元はゲインズのやつを回収して使ったのか?完全人工のシャドウ?
管理局的には当然と言える決定なんだが、異相次元航行システムはバイド遭遇前に自力開発した技術、
ますます双方の溝が深まったなあ、交わることのない平行線だ。
相変わらずLEOたんは鬼性能、伊達に使える黄レーザーを持ってない。
次回はついに管理局からバイドに戦闘を仕掛ける!生存者はまあ…

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 21:44:44 ID:8dKQH6H9
GJ!
このクロスのせいでPSPとR−TYPEタクティクスを買ったぜ
故郷に帰りたかったひとつの宇宙艦隊のお話は泣けすぎ

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 21:52:32 ID:aXjYQjDj
R-TYPEからこのスレに入ってきた俺が一言。

そうだよ!!そうなんだよこの空気こそR−TYPEなんだよ。

だが忘れるな。SF系シューティングゲームのストーリーは…
「絶望的で当たり前なんだ!!」
R−TYPEは飛び抜けてるけどね。

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:01:43 ID:HewFpboc
グラディウス、ゼビウス、エスプレイド…

テグザー、スペースハリアー…成程、別方向からも絶望だな

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:07:05 ID:pQi40phZ
トリガーハートエグゼリカも実はなかなか絶望的。

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:16:19 ID:AHIEHKY1
 そう言えば3話でラグナロックの名前が出てる所を見ると・・既にオペレーション「ラストダンス」ですかね?
そうなると・・バイド率0%、技術の賜物、完全人工フォースの「シャドウフォース」が完成してるはず
もしこれが管理局に知られたらどうなることやら・・
 でももしかしたら完全人工フォースの技術がバイドを生み出す1歩になったのかもしれない
何せバイドは26世紀の人類が作り出した物だからね・・・・無限ループって(ry

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:19:56 ID:pQi40phZ
>>215
ラグナロックが投入されたのはオペレーションコードTHE THIRD LIGHTNINGですよ。

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:22:47 ID:HBNTREpw
雑談はウロスでどうぞ

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:34:37 ID:or9scr+n
R世界の時間軸は機体開発の具合を見る限りFINALの中盤〜後半辺りなんでしょうね、
しかし、ジキタリウスとかマッドフォレストなんかのバイド系機体を見たら、管理局側はどんな顔をするんだか・・・
まあ、あそこまで行くと、戦闘機を作っているのかバイドを作っているのかわからんけど。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:44:09 ID:8dKQH6H9
>>217
ウロスは現在バイド汚染されていてな
どうにかして解放しないと
工作機の搬入マダー?

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:47:52 ID:isl3fBTs
GJ
ハッピーエンドが全く予想できない
この展開たまらないッス
まぁSTGでハッピーエンドってなかなか無いですけどねw
極上パロディウスでさえ破滅エンドだしw

しかし
AC-47β BYDO SYSTEMが
RX-12クロス・ザ・ルビコンにダブってみえたw
「賽は投げられた」っぽいしw

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:51:47 ID:fjaEDdN0
EDF氏が投下されるまであと10分。
皆のもの支援体制に入れ。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:53:00 ID:XntmdUKO
こちら、レンジャー8支援体制に入る!

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:54:36 ID:aXjYQjDj
あっちも絶望的だよなーEDF(最後のEDFは隊員の語尾です)

224 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 22:55:10 ID:zHYzIaBp
大変長らくお待たせしました。
EDFINリリカルなのは第八話を五分後に投下します。
今回もまたABパート投下です。

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:55:35 ID:nlI1dSCL
どっちも悲惨だなw

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:55:54 ID:SX5l6Kzo
EDF氏を支援

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 22:59:44 ID:duokL/Dd

科学も魔法もどちらかが上かというより、行き着く先はどちらも同じじゃね。
しかしこうなったらどちらも正義と言う事になるんじゃ。
地球びいきが多いようだけどさ。

228 :今回は平和な話です ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:00:31 ID:zHYzIaBp
魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission8『誕生 新生ストームチーム』"

――新暦七十五年 五月二日 十一時二分 アジト近辺の草原ー――

 ノーヴェは苛立っていた。酷く苛立っていた。

頬を撫でるそよ風も、鼻腔をくすぐる草花の香りも、目の前に広がる青空も、この怒りを静めることはできない。
いつもだったら、なぜ苛立つのかはわからない。
もう、それが自分の性分なのだと半ば諦めてもいる。
だけど、今は違う。今だけはわかる。
自分がこんなにも激昂している理由、それは――

「なんだ、もうおしまいか?」

――こいつのせいだ。

「どうした? まだ足を払われただけだろう。まだ時間は残ってるぞ。さっさとかかってこい」
 仰向けに倒れているノーヴェを見下ろすストーム1は、彼女を兆発するように手招きした。
(くそっ人をコケにしやがって)
心の中で毒づいて、ノーヴェは素早く飛び起き距離を取る。
ギャラリーの姉妹がどよめいた。やめておけ、という声も聞こえた。
ノーヴェは忠告を鼻で笑ってストーム1を睨みつける。

「……ぶっ殺してやる!」
 言うや否や、ノーヴェはダッと地を蹴った。
ジェットエッジは無いものの、強化された脚力は二人の距離をあっという間に縮めていく。
この徒手格闘訓練には禁止手がない。
つまりは、金的をしようが目潰しをしようが、とにかく時間内に素手で相手をぶちのめせばOKという訓練だ。
だけどノーヴェは小細工を使わず、あくまでも真正面からの攻撃にこだわっていた。
それが彼女のやり方だったし、戦闘機人の自分が、ただの人間相手に何度もやられるわけがないと本気で思っていたからだ。
さっきは油断しただけだ。アタシはアタシらしいやり方で、『今日こそ』こいつをぶっとばす!

 ストーム1は慌てることなく構えの姿勢を崩さない。
間合いを詰めると、ノーヴェは渾身の力を込めて拳を突き出した。

(そのスカした面をヘコませてやる!)


229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:01:35 ID:UzCiUQXv
レイサンダー支援!

230 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:01:43 ID:zHYzIaBp
が、ストーム1はノーヴェの拳を掌でしっかり横にいなした。
直後、ズンッと重い衝撃と焼けつくほどの鈍痛がノーヴェの体を駆け抜けた。
体勢を崩した瞬間に、EDFで鍛えぬかれた本気の拳がノーヴェの鳩尾に容赦なくめり込んだのだ。

 ノーヴェは腹を抱えて後ずさり、気がつくと膝が崩れて地面に頬を押しつけていた。
頭の中が真っ白だ。耳の奥がごおっと鳴り、景色がぐにゃぐにゃに歪んでいる。
半開きの口からだらだら涎を垂れ流し、痛みの余りに呼吸をすることもままならない。
圧迫された胃腸がグルグル鳴って、気を抜けばそのままゲロをぶちまけてしまいそうだ。
ストーム1は構えを解くと、もがくノーヴェをじっと見下ろし、心配そうな面持で言った。

「威勢が良いのは評価するが、そうやってむやみに突っ込んでいては素人にも簡単に見切られて反撃されるだけだぞ。
 今の訓練でも、俺が追撃をかけていればお前は二回も死んでいる……おい、セイン」
「はっ、なんですか教官さん?」
 セインは踵を合わせて気を付けの姿勢をとる。
「さっさとこいつを連れていってくれ。このままでは訓練が続けられんからな」
「は……じゃなくて、イエス、サー! 」
 セインはノーヴェの元に駆け寄ると、助け起こして近くの木陰へ連れていった。
「また負けちゃったね。大丈夫? すごい苦しそうだけど」
 セインは優しい手つきでノーヴェの頭を撫でる。
その手を払いたいが、思うように動けないのでノーヴェはされるがままだ。
そんなノーヴェに一瞥もくれることなく、ストーム1は訓練を続けるために他のナンバーズへ指示をだした。

「では次、オットーとディード、前に出ろ。制限時間は三十秒だ。訓練なんだから本気でやれよ」

――


231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:02:16 ID:pQi40phZ
おじいちゃん支援

232 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:03:05 ID:zHYzIaBp
「あーもう! あいつ、いつかぜってーぶっ飛ばしてやる!」
 声を張り上げ、ノーヴェはエビフライにフォークを突きたてた。
 アジトの食堂はナンバーズ全員を収容出来るくらいの広さはあるが、快適というには程遠い。
食事も自動調理器が人工食料を使って作る物なので、あんまり美味くなかった。
それでも、娯楽に乏しいナンバーズにとっては数少ない憩いの場であることには代わりない。

「むぐ……あいつって、もしかして教官さんのこと?」
 向かいの席に座っているセインが目を上げて、パンを頬張ったまま尋ねた。
「当たり前だろーが。なんだよあいつは! 人のことボコって見せしめみたいにほったらかして!
 しまいにゃ訓練続けたいからどけろだぁ? どこまでアタシを馬鹿にしたら気が澄むんだあの糞教官がー!」
 拳でなんどもテーブルを叩いて怒りを顕にするノーヴェ。
その衝撃で滅茶苦茶になっていく料理も彼女の怒りに拍車をかける。
「もー、だめだよ、女の子が糞なんて言っちゃ。それに、あれは訓練なんだから厳しくするのは当たり前じゃない」
 自分の皿をテーブルから上げて、困った顔でセインが言う。
「アタシは女の子なんて上等なもんじゃねーっての……それに、あいつの訓練なんかきついだけでなんの意味もないよ」
 ひとしきり騒いで頭が冷えたのか、ノーヴェは形の崩れた料理をもそもそと食べ始めた。
 
 ストーム1がナンバーズの教官になってからというもの、ノーヴェ達は訓練漬けの日々を送っていた。
訓練は日の出前から始まり、足音を立てずに森の中を行軍する訓練。弾幕の中を潜りぬける訓練、
徒手格闘訓練等をこなし、昼食の後は座学の時間。それが終わったら夜間訓練を夜中まで。
どのメニューも地味で、泥臭くて、キツイものばかりだった。
固有武装は修理改造が今だ終わらず、ジェットエッジがないからISも使えず、訓練内容も魔法とは全然関係のないことばかり。
訓練開始から今日で半月。その間、ノーヴェはずっと疑問に思っていた。

『こんなことを続けていて、本当に効果はあるのだろうか?』と。

 昼食をあらかた食べ終えた時、見覚えのある人影が食堂に入ってくるのが見えた。
ストーム1だ。少し遅れてウェンディも続く。
あの二人が一緒に居ることは、別に珍しいことではない。
と言っても、二人が付き合っているというわけではなく、ウェンディが一方的に付きまとってるだけなのだが。
まったく、大概はスルーされているのによくやる。
今だって、ウェンディがいろいろ話しかけているのにストーム1は生返事を返しているだけではないか。
だけどノーヴェは彼女のことを笑う気も、馬鹿にする気も起きなかった。
自分もあんなことがなかったら、ウェンディと同じになってたかもしれないのだから。


233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:03:17 ID:UzCiUQXv
EDF! EDF! 支援だ、皆支援しろ!
ストーム1が一人で投下している!

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:04:10 ID:nlI1dSCL
金属の象支援

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:04:14 ID:pQi40phZ
陸士無残支援

236 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:04:28 ID:zHYzIaBp
『なあ、セインはあいつのことどう思ってんだ?』
 ノーヴェは二人の行く先を目で追いながら、念話を使ってセインに訊いた。
わざわざ念話を使ったのは、会話の内容をストーム1に聞かれないようにするためだ。
『それって好きか嫌いかってこと? だったら、あたしは好きじゃないなぁ。あの人無口だし、美形ってわけじゃないし、訓練以外は部屋に引きこもってお勉強だし。
 他の皆もあたしと同じと思うよ。ま、ドクターに怒られたくないから一応言うことは訊くけどさ』
 ノーヴェが予想した通りの返答だ。
事実、ストーム1が教官になったと訊いて喜んだのはウェンディだけで、他の者は、さして興味をしめさないか反感を持つかのどちらかだった。
これがドクターの命令でなかったら、おそらくナンバーズの半分くらいは離反していたことだろう。
そう思いつつ、ノーヴェが水を口に含んだそのとき――

『だから安心して良いよ。あの人のことが好きなのはウェンディと『貴女』だけだから』
噴き出した。それを訊いた途端、ぶほっ! 咳き込み盛大に噴き出した。
『ああ〜もう、きったないなぁ』
 顔にかかった水やらなんやらを拭いながら、迷惑そうにセインが言う。
『てっててててめぇが変なこと言うからだろうが! 誰が誰のことを好きになったって!?』
『あれぇ? ノーヴェも教官さんのことが好きなんじゃないの?』
『何言ってやがんだセイン! 大っ嫌いだよあんな奴!』
『へぇ〜そうなんだ〜』
 顔を真っ赤にして、今にも怒声をあげそうなノーヴェを見ながらセインはおもしろそうにニヤニヤ笑っている。

『だったら、なんであの人のことばっか話してるの? このごろずっとそうだよね?』
『それは、あいつムカツクし……』
『徒手訓練のときは、相手役にいっつも教官さんを指名してるよね? それに、ウンって言ってくれるまでテコでも動かないよね?』
『うー……だってやられっぱなしは嫌だから……』
『はいはい、ヘタなごまかしはオ・シ・マ・イ。そんなこと言ってもお姉ちゃんは全部お見通しなんだぞー』
 しどろもどろのノーヴェを手で制し、セインは額に指当て眉をハの字にして首を振る。
それからセインは、両手を合わせて顔を伏せ、信者が神に祈るような格好でノーヴェの声を真似て喋り出した。



237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:04:49 ID:UzCiUQXv
さ、酸だー!! 支援

238 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:05:59 ID:zHYzIaBp
『だったら、なんであの人のことばっか話してるの? このごろずっとそうだよね?』
『それは、あいつムカツクし……』
『徒手訓練のときは、相手役にいっつも教官さんを指名してるよね? それに、ウンって言ってくれるまでテコでも動かないよね?』
『うー……だってやられっぱなしは嫌だから……』
『はいはい、ヘタなごまかしはオ・シ・マ・イ。そんなこと言ってもお姉ちゃんは全部お見通しなんだぞー』
 しどろもどろのノーヴェを手で制し、セインは額に指当て眉をハの字にして首を振る。
それからセインは、両手を合わせて顔を伏せ、信者が神に祈るような格好でノーヴェの声を真似て喋り出した。

『あたしは貴方が大嫌い。言うことなんて訊きたくないし、顔だって見たくない。口を開けばキツイことも言っちゃうの』
『なっ……なに言ってんだテメェ!』
『でもね、本音はそうじゃない。本当はただの照れ隠し。あたしは素直になれないだけで――』
『やめろ、やめろよぉ!』
『実は貴方を心の底から――』

「だぁーーーーっからあいつなんて大っ嫌いだってんだろうがぁーーーーーーッ!」

 そしてノーヴェは立ち上がり、腹の底からセインに向かって叫んでしまった。
食堂に居る何人かがこちらを見ているがわかったが、そんなことはどうでもいい。
アタシがあいつのことを? 冗談じゃない!
確かに、あの時限定でパートナーになったことは事実だし、ちょっとだけカッコイイなー強いなーとも思ったのも本当だ。
だけどあいつは、全てが終わった途端、動けない自分やウェンディをほったらかして気絶したではないか。
しかも、そのことで気が動転していた自分は、その後救助に来た姉に泣きつくなんてらしくないこともしてしまった。
それがチンク姉やウーノ姉ならまだよかった。だけど相手はナンバーズ馬鹿代表とも言えるセインだった。
そのせいで、セインはなにかと姉貴面して付きまとうようになるわ、姉達からはお人よしのレッテルを貼られるわ、クア姉には――

「ええーっニコポ? きもーい! ニコポが許されるのは試験起動までだよねぇ?」

と、一月以上も馬鹿にされ続けるわと良いことなんて何一つなかった。
畜生、全部あいつのせいだ。
アタシの評判が落ちたのも、クア姉にからかわれ続けたも、妙な噂が流れているのも、全部全部あいつのせいなんだ! 


239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:06:30 ID:SX5l6Kzo
支援

240 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:06:57 ID:zHYzIaBp
「ああ嫌いだね。嫌い嫌い大ッ嫌い。なんだよあんなダメ教官。機人のきの字も知らねぇくせにアタシに物教えるなんて生意気なんだっつーの。
 ぜってーあいつアタシら苛めて楽しんでるだけだよ。あの最低DV男は。無駄な訓練しか出来ない糞野郎なんて早くどっかに消えて欲しいね!」
 感情に任せて一気にまくし立てる。それはほとんど叫びに近く、喋り終えても息が荒いまま。
ノーヴェは深呼吸して呼吸を整えると、再び椅子に座った。 
一切の毒を吐き出したせいか、少しだけ気分が良い。
と、そこでセインの様子がおかしいことに気がついた。
口をポカンと開けたまま、目を大きく見開いて、まるで何かに驚いているようだ。
自分が大声で叫んだせいだろうか?

「その糞野郎とは誰のことだ?」
 ノーヴェの背後から低い声が聞こえた。
「ああん? そんなのストーム1って教官気取りのボケなすのことに決まってんだろ」
 当たり前のことを訊くな、とでも言いたげなノーヴェの答えに、声の主は溜息混じりに問いかけた。
「ほぅ、では、そのボケなすとはこんな顔じゃなかったか?」
 そこでノーヴェは一瞬固まった。
今気付いたが、これは確かに男の声だ。
今、アジトにいる男は三人。その中で今食堂にいる奴と言うと。
セインに目を向けると、しきりにノーヴェの後ろを指差している。
脂汗を流しながら、ノーヴェがゆっくりと振り向くと……

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 ノーヴェは思わず悲鳴を上げた。噂をすればなんとやら。そこにいたのはストーム1ご本人だった。
「お……おまおまおまえいつきゃみぎこにqぁwせdrftgyftgy!」
 ノーヴェが噛みまくりながらストーム1を怒鳴りつける。
いつから話を訊いていたんだこいつは。もしかして最初から? だ、だった違うんだからな!
セインが言ったことは違うんだからな! スキとかクワとか恋してますとか愛してますとか絶対無いんだからな!
そう弁明したくても舌が回らず言葉にならない。
それでも言いたいことは伝わったらしくストーム1は真顔のまま言った。

「『だからあいつなんてー』からだ。訊かれたくないなら小声で話すべきだったな」
 と、言うことは初めの方は聞かれてなかったということか。
冷静に考えればわかることだ。こいつは魔法もISも使えないから念話を聞き取れるわけがない。
安堵したノーヴェは怪訝な顔のストーム1を見上げて聞こえよがしに言った。


241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:07:11 ID:/i5lL7rX
し、支援だー!

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:07:18 ID:nlI1dSCL
ニコポ知ってんのかクアw支援

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:07:32 ID:UzCiUQXv
弟は守護神、姉は破壊神 支援

244 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/05/14(水) 23:07:43 ID:s53Abn3u
GJ!
まともな研究すらできてない危険物を戦場に持ち込むなんて…
あれだな…時空管理局もといミッドチルダは間違いなく滅びますな
自らの手によって(−人ー)南無


245 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:07:49 ID:zHYzIaBp
「だったらなんでございましょうか? 偉大なる教官様。あなたは暴言を吐いた私めをどうしやがるおつもりで……がもっ!」
 誰かがノーヴェの口を塞いだ。
そいつは後ろからノーヴェを羽交い締めにして、右手で口を塞いでいる。
ストーム1じゃない。後頭部に感じる大きい胸の感触からしてセインでもない。

「あ、あのストームさん! 今のありえない発言はきっとノーヴェの本心じゃないんッス!
 ノーヴェはほんとは素直でいい子なんッスよ! お願いだから信じて欲しいッス!」
 やっぱりお前かウェンディ! さっさと放しやがれこんちくしょう!
もごもご言いながら暴れてみるも、しっかり抱きしめられてるから意味がない。
まるで猫のじゃれあいみたいな光景に苦笑しつつ、ストーム1が命じた。
「もういいウェンディ、放してやれ」
「ストームさん、でも……」
「俺なら別に気にしてない。むしろ部下の本音を聞けて良かったと思っている」
 ストーム1の顔には、言葉通り怒りの色も悲しみの色も見て取れない。
感じるのは、不良のやんちゃを面白がっている教師のような雰囲気だけだ。
解放されたノーヴェが舌打ちをして睨みつけても動じる気配は無い。
どこまでスカしてやがるんだこいつは!
再び苛立ちを募らせて行くノーヴェだったが、ストーム1は真顔に戻って彼女に背を向けると、手を叩いて周りの注意を促した。

「皆聞いてくれ。今日までの訓練を無駄だ、意味がないと思っていた者もいるだろうが、それも今日で終わりだ。
ナンバーズは全員、今から一時間後にブリーフィングルームへ集合せよ。そこで部隊編成の発表と新装備の配布を行う。以上だ」



246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:08:37 ID:SX5l6Kzo
支援

247 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/05/14(水) 23:08:44 ID:zHYzIaBp
投下終了。うん、たまには平和な話があってもいいよね!
そういうのも書いといたほうが潰したとき(ry
それではBパートは今月中に投下します。

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:09:00 ID:/i5lL7rX
キモーイナンバーズ支援w

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:11:12 ID:pQi40phZ
GJ!
なんという訓練漬けの日々。
間違いなくこのナンバーズはよく訓練されたEDF隊員。

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:12:25 ID:YvOA+VIC
乙&GJ

新装備ですか……
これは凄いことになってそうだなw

251 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/05/14(水) 23:12:53 ID:s53Abn3u
EDFが帰ってきたぞ!!!
支援!支援!

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:13:53 ID:UzCiUQXv
青春一直線だなぁ、ノーヴェw
これで元彼女持ちだったと知っていたら、どうなるんだろう?
彼女の恐ろしさ(歩く爆心地w)に恐れおののくのか、それともショックを受けるのか?
どちらにしても久しぶりのEDFクロスに期待が止まりません!
次回から新装備。
フォーナリーもびっくりなEDFの仰天装備に、ナンバーズが驚く顔が目に浮かびそうですね。
次回もストーム1の戦いに期待!
EDF! EDF!

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:16:18 ID:MHq/5yP7
GJ!!です。
これから戦う宇宙人についての説明も兼ねるんだろうなぁ。
新武装に格闘兵器が無さそうなので、それに対するナンバーズの疑問とかがみたいです。

254 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/05/14(水) 23:16:21 ID:s53Abn3u
>R−TYPE
なのはも魔法に関らなければマシな人間になってただろうに
行き過ぎた力を持った人間の末路というやつですね

>EDF
GJです!
新装備ってなんだ!?

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:17:12 ID:pQi40phZ
なんて軍隊チックなんだwww

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:18:12 ID:iM8WaVnS
開発中の新技術…そしてナンバーズは女性…
アレか!アレなのか!

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:20:16 ID:pQi40phZ
あぶない水着ですね。分かります。

258 :メタルサーガsts ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:20:26 ID:dTtmFQRe
GJでした。
いったいなにが装備として配られることやら。
インパルスだけでもフォーリナーは涙目になるだろうに・・・・・・。
バイオレンスが来るのをお待ちしております。


それはそうと、メタサガ14.5話の投下予約。
予約ないみたいなので23:50から投下いきますね。

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:25:11 ID:MHq/5yP7
支援、配られる兵器によってはディエチが死ぬほど強くなるぞw

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:27:57 ID:UzCiUQXv
ジェノサイドキャノンで第二のジェノサイド・シスター誕生ですね? 分かります。
そして、メタサガ氏支援!

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:28:57 ID:aXjYQjDj
今日はなんていう日だ……個人的に好きな上位三位が連続で投下されるとは…

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:46:01 ID:UzCiUQXv
あと五分!
総員支援体勢に移れ! はんたが来るぞー!!

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:46:40 ID:gO/kKTnS
遅れたけど、R-TYPE Λ殿GJ。
LEOは密かにスコア稼いでましたね。FINALでもサイビットサイファは強かった。
先の長さと更新速度(失礼)を考えると年内に終わる確率は低いと見ました。
『羽根を千切り人間になったの』とは違うけど、最終的にそんな終わり方になってしまうと予測します。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:50:13 ID:2QPRU9Us
>>257
黒の非絶対領域ですねw

265 :メタルサーガsts ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:50:39 ID:dTtmFQRe
それじゃ投下いきますね。

266 :メタルサーガsts ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:51:10 ID:dTtmFQRe
『なのはママとフェイトママ、どっちが強いの?』
ヴィヴィオの発した無邪気な問いが六課に波紋を投げかける。
始まったのは祭りのような騒ぎ。
アルトとスバルが中心となって盛り上がる機動六課。
しかし、相反するように静観するのは渦中の人である隊長陣および副隊長陣。
そんな中、なのはが投げかけた問いに誰もが首をかしげる。
『自分より強い相手に勝つためには自分のほうが相手より強くないといけない。』
目の前に答えが転がっているのに誰も気がつけないのは近すぎるからか。
それとも独り立ちできたようで未だにひよっこだからなのか。
魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。

第14.5話 強いということ

「やっぱなのはさんじゃない。航空戦技教導隊の教導官で負傷ブランクがあったとはいえ10年飛び続けた歴戦の勇士なんだし・・・・・・。」
「管理局のエースオブエースは伊達じゃないだろうしね。」

スバルの言葉にあたしも同意する。
エースオブエースの称号は欲しいと思っても手に入らないものだから。
さて、何故こんなことを言っているかといえばヴィヴィオの見ていた教材用のビデオが事の発端。
始まりは訓練後のお昼休み。

いつもの訓練後、なのはさんと一緒に隊舎へ戻ってきたあたし達の目の前でヴィヴィオがなのはさんに抱きつく。
なのはさんがヴィヴィオのママになったらしいし、まだ幼いヴィヴィオだからこの反応は当然だろう。
しかたないなって笑みを浮かべてなのはさんがヴィヴィオを抱き上げる。
嬉しそうに笑みを浮かべたままのヴィヴィオ。
それは本当に家族の光景。
死んだ兄さんにオモチャの銃を片手に持ったあたしが抱き上げられたときのような・・・・・・。
少し感傷的な気分になっていると・・・・・・。

「なのはママもフェイトママもかっこいいでしょ?」
「うん!!」

なのはさんの言葉にヴィヴィオが満面の笑みを浮かべながら頷く。
なのはさん達、素直にかっこいいもんね。
でも、教材用なんだからかっこいいというか洗練されてないといけないと思うんだけど。
皆の見本になるべきビデオなのに、雑だったり見習っちゃいけない事例集みたいなのだったら・・・・・・あれ?
それはそれで反面教師になるのか?
なんにせよ、ヴィヴィオからすればママがかっこよく映っているビデオっていうだけで意味があるんだろうな。
そんなことを考えていたときだった。

「なのはママとフェイトママ、どっちが強いの?」

無邪気にヴィヴィオが発したその言葉にフォワードメンバーの意識は一斉に向く。
もちろん、あたしも・・・・・・。
誰もが1度は考えるだろう内容ではあると思う。
けれど、本人に尋ねるなんて恐れ多くて出来ない内容。
それがまさに今、目の前で行われた。
あたしは今とてもいいタイミングにいるのかもしれない。
スバルなんか聞きたくて仕方ないと言わんばかりの様子。
エリオ達も一言も聞き逃さないとばかりに意識を集中させている。
けれど、あたしの予想に反して、なのはさんの答えはこんなものだった。

267 :メタルサーガsts(02/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:51:59 ID:dTtmFQRe
「うーん、どうだろうね。比べたりしないからわかんないなぁ。」

笑顔と共につむがれた答え。
見た限り、謙遜とかそういうのじゃなくて純粋に分からないって言っているみたいな・・・・・・。
私も他の皆も肩透かしを食ったような気分。
だからこそ、今現在に至っている。

「でもフェイトさんだって事件の現場に向かい続けて手荒な現場でも陣頭に立って解決してきた一線級の魔導師ですよ!」
「空戦ランクはなのはさんもフェイトさんも同じS+ですし・・・・・・。」

ライトニング組はフェイト隊長のほうが強いと主張し、
あたし達スターズ組はなのはさんのほうが強いと主張する。
エリオ達からすればフェイト隊長はお母さんかお姉さんみたいなものだからそっちを推すし、
あたし達のほうはスバルがなのはさんに憧れちゃってるし、
アタシもなのはさんが教導官という先生の先生という立場にいることととエースオブエースっていう称号をもっていることから判断した結果。
当然どちらも譲らないから延々と堂々巡り。
あたしとキャロはどっちでもいいかもとか思い始めている空気をまとい始めたけれど、
逆にエリオとスバルはヒートアップする一方。
にこやかに笑ったまま、互いに主張を譲らない。
手は出さないと思うけど大丈夫かしら。

「いや、やっぱなのはさんでしょ―。」
「フェイトさんも負けてないと思いますっ。」

不毛な言い争いなのに譲ろうとしないのはどちらも憧れの人だからといったところか。
ヴィヴィオの何気ない一言から始まった言い合い。
どちらが強くてもあたし達が強くなるとかそういうことはないんだけど・・・・・・。
たしかに気になるわね。
純粋な興味として、誰が最も戦闘能力が高いのか。
SランクやSSランクなんて魔導師ランクの人間がごろごろいるこの機動六課だからこそ・・・・・・。

「でも、ホントにどっちが・・・・・・ってか誰が六課で一番強いのかしらね。
八神部隊長や副隊長たちもかなりのもんなんだし。」
「「「あー・・・・・・。」」」

『あー』ってあんた達、なのはさんとフェイトさんのことだけしか頭に無かったのか。
スバルは昔からそんな傾向あったけど、エリオまで実はそうだったのか。
普段は年齢に会わないくらい大人びてるというか子供らしくないのに・・・・・・。

「ティアナー。なにを話してるの?」

268 :メタルサーガsts(03/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:52:38 ID:dTtmFQRe
不意に声をかけてきたのはアルトさん。
カルボナーラを乗せたお皿片手に・・・・・・。
そういえばお昼休みなんだよね。
早く2人の話を切り上げさせないと食べる時間が無くなるんだけど。

「あ、アルトさん。ヴィヴィオがなのはさんにした質問の内容で2人が譲らないんですよ。」
「へぇー。どんな内容?」

簡単に内容説明。
なのはさんとフェイト隊長、どっちが強いのか?
機動六課の中では誰が一番強いのか?

「それであんな状態なんで・・・・・・アルトさん?」
「それなら皆さんに聞いてみたらどう?」
「皆さん?」
「ちょっと館内放送お願いしてくるね。」
「あ、ちょっと・・・・・・。」

隊長や副隊長たち全員に聞けっていうことかな?
首を傾げ始めたあたしを置いてけぼりにしてアルトさんがどこかへ行ってしまった。
いったいなにをする気なんだろう?
なんでもいいか。

「2人とも、さっさとしないとお昼食べる時間がなくなるわよ!!」

あたしの言葉にピタリと言い合いが止む。
食欲には勝てなかったみたいね。
エリオとスバルって案外似ているのかしら・・・・・・。

食事が半ばほどまで済んだ頃、館内放送が流れる。

「機動六課の皆さんにご連絡します。これより機動六課駐車場にて第1回機動六課で最強の魔導師は誰だか想像してみよう大会を開催いたします。
ふるってご参加ください・・・・・・。」

は?
今のって聞き間違いじゃ・・・・・・。

「駐車場だって。早く行こう!!」

スバルはもう行く気満々で・・・・・・ってあんた大皿に山盛りになってたパスタどうしたのよ!!
空になってるじゃない!!
呆然としているキャロの横では、んぐんぐと一生懸命にパスタを喉に流し込んでいるエリオ。
ああ、なんだか物凄く大事になっちゃったような・・・・・・。

場所を移して機動六課駐車場。
いつのまにか用意されたホワイトボードには、スキルごとの成績が書かれている。
あ、すごい。八神部隊長、全部の項目が10段階評価の8だ。
苦手なことないんだな・・・・・・って、個人情報ばらしちゃっていいんですか!!アルトさん!!

269 :メタルサーガsts(04/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:53:04 ID:dTtmFQRe
「鉄板の最強候補は5人。」
「近接最強!古代ベルカの騎士!ヴィータ副隊長とシグナム副隊長!」
「六課最高のSSランク!超長距離砲持ちの広域型魔導騎士、リイン曹長とのユニゾンって裏技もある八神はやて部隊長!」
「そして六課最速のオールレンジアタッカーフェイト隊長と説明不要の大本命!エースオブエースなのは隊長!」

アルトさんとスバルの言葉にあちらこちらからなのはさんだ、フェイトさんだ、シグナムさんに決まってるだろうなどと声が上がり始める。
部隊長コールさえあがり始めた。
喧騒に包まれる駐車場。

「あわわ・・・・・・。なんだかおおごとに・・・・・・。」
「アルトさんとスバルは本当にもー・・・・・・。」

慌てふためくキャロ。
さっきまであれだけ熱くなっていたエリオも顔が引きつり気味。
あー、どうやってこれ収拾つけるんだろう。
本人に聞くのが一番手っ取り早い気がしてきた。
あれ?そういえば・・・・・・。
なんではんたさんの名前があがってないんだろう?
忘れてるって可能性が濃厚な気もするけど・・・・・・。


========
そして各々が聞き取り調査を始めた。
あたしは八神部隊長に・・・・・・。
総合SSランクで機動六課の中で一番高い魔導師ランクの持ち主。
実際に戦っているところは見たこと無いけれどやっぱり強いのだろう。
そんなことを思いながらさりげなく話題にしてみる。
ケーキを手土産にして・・・・・・。

「個人での戦闘能力?私は弱いよー。そやから空戦じゃなくて総合でとってるんやし。」
「そうですー。」

一言目の答えから予想外。
リイン曹長も同意していることを考えても言葉通りに受け取ってしまっていいのかもしれない。
でもSSランクなのに・・・・・・。
保有魔力だけであたしやスバルの何倍あるのやら・・・・・・。
だから当然の疑問として尋ねてみる。

「でも、総合SSって言ったら魔力だけでも凄いんじゃ・・・・・・。」
「まぁ、魔力はな。そやけど高速運用はできへんし並列処理も苦手やからなぁ。
大魔力と高速・並列処理は衝突するんが普通や。そやから私の魔力運用は『立ち止まって展開・発射』だけなんよ。
あ、コレおいしいな。」
「わたしもそのお手伝いしているだけです。」

へぇー。言われてみればたしかに・・・・・・。
砲撃魔法とか走り回って撃てないもんね。
リイン曹長がユニゾンデバイスっていう物凄くレアなデバイスらしいけれど、それでも手伝いなのか。
でも、巨大な1発があれば戦況ひっくり返せるって思うのは浅はかなのかな。

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:53:15 ID:UzCiUQXv
漫画版エピソードw
支援!

271 :メタルサーガsts(05/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:53:56 ID:dTtmFQRe
「後方支援専門に殴り合い用のスキルなんか無意味やからな。適正の低いスキルを鍛えたところで効率も悪いし、
ぶっちゃけ六課の前線メンバーで私がガチンコで勝てるのってキャロくらいとちゃうか?」
「もちろんフリードやヴォルテールは使用禁止ですよ―。」
「いや、最近のキャロは高町教官仕込やからなぁ。体力あるやろーし。・・・・・・あかん、勝てへんかもしれん。
そやけどなんで急に?」
「あ、いえ、その・・・・・・。後学のためにと。」

端と思い至ったように八神部隊長が尋ね返してきた。
私の受け答え、不自然じゃなかっただろうか。
さすがに面と向かってどうこう言うのは悪いもんね。
しかし、意識的に考えたこと無かったことだったな。
大魔力と高速・並列処理は衝突するって・・・・・・。
飛行しながら射撃魔法の時点で2つ。
身体ブーストを自分にかけると3つ。
種類の違う魔法をデバイスに準備すると4つ・・・・・・。
魔法自体にもランクの差があるし、ヴァリアブルシュートみたいなAAランクの魔法を連射したり
2つも3つも同時にこなしながらぽんぽん使うなんてできないもんね。
それを高速戦闘中に・・・・・・。
たしかにできないわよね、普通・・・・・・あれ?
空を飛びつつ大火力の砲撃魔法を連射しつつ弾種変更・・・・・・。
え゛っ!!!!!!!!!


========
「個人戦技能?」

ケーキとお茶をもっていきながら僕はヴィータ副隊長に質問した。
できるだけさりげなく・・・・・・。
古代ベルカの騎士。
1対1なら無敵の強さを誇ると言われ、そしてなによりカートリッジシステムを使った戦術が知られている。
カートリッジシステムか・・・・・・。
そういえばストラーダにカートリッジシステム付いてないな。
インテリジェントデバイスにはカートリッジシステムを付けないものだって言うけれど。
その割りにティアナさんのクロスミラージュにはカートリッジあるし、フェイトさん達のデバイスにも付いているんだよね。
インテリジェントデバイスなのに・・・・・・。
言うほど難しいことじゃないのかなぁ?
それはひとまず置いておいて、今はこの質問だ。
でも、僕の問いに怪訝な表情をしたまま返事を返す副隊長。

「個人戦ったっていろいろあんだろ。」
「えーと・・・・・・・。」

言われて気がついた。
たしかに個人戦っていろいろあるよね。
砲撃戦とか接近戦とか・・・・・・。

272 :メタルサーガsts(06/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:54:23 ID:dTtmFQRe
「とりあえず平均的な『強さ』で・・・・・・。」
「んぐっ。『平均的な強さ』ァ?」

喉に詰まらせたケーキをお茶で流し込みながら、僕の言葉を繰り返す副隊長。
どうして不思議そうな声上げるんだろう?

「追跡戦か決闘か。戦闘状況や相性の違いにだって左右される。
どんな状況でも平均的に強いってのは要はなんでも屋ってことだが、
マルチスキルは対応力と生存率の上昇のためであって直接的な強さとは関係ねえぞ。」

そう言いながら次のケーキを口に運ぶ。
「んまい」とか言ってくれているから気に入ってもらえたみたいだ。
さすがバトー博士推奨のケーキ屋さん。
食堂でケーキを食べてたバトー博士にどこのケーキか尋ねたんだけど・・・・・・。
『ゲロよりはましな味がする』とか『砂糖水なめてるのがお似合い』とか言われて物凄く物凄くものすっごく躊躇うものがあったけれど
勇気を出して買いに行ったかいがあった。
バトー博士ってすごい言葉をたくさん使うけど、物凄い人なんだって再確認。
ムッツリって呼ぶのは止めてほしいんだけど・・・・・・。

「ひとりの人間がそのときできるのはいつだってひとつのことだけだ。それが通用しなきゃ強いとは言えねぇだろ。」
「あ、はい・・・・・・。」

そう言って副隊長が僕に向き直ると言葉を告げる。

「エリオ。お前は強くなりてーのか、便利ななんでも屋になりてーのか、どっちだ?」

僕はどうしたいんだろう・・・・・・。
フェイトさんみたいになりたいとすればオールレンジファイターだから全距離で戦えないといけない。
それじゃ、覚えるスキルはどんな順番になるんだろう?
実用性の高いスキルから覚えるとして・・・・・・。
でも、たくさんのことが出来るけど今の強さで立ち止まってしまうか。
今出来ることしか出来ないけど現在の2倍の強さを持つか。
どっちも良いように思えるし、どっちも悪いように思える。
今すぐにどっちって応えることができなかった。


========
「まったくお前まで一緒になって・・・・・・。先輩らしくしていろと言ったはずだが。」

呆れ顔のシグナム副隊長。
ため息までつかれちゃったよ。
あちゃー。少し調子に乗りすぎちゃったかなぁ。

「すみません。でも交流も大事かなーって・・・・・・。」
「まぁな。」

苦笑するシグナム副隊長。
今なら聞いちゃって大丈夫かな。
こんなだからルキノに心配されるんだろうけど・・・・・・。

273 :メタルサーガsts(07/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:54:59 ID:dTtmFQRe
「で、副隊長的にはどなたが?」
「そうだな・・・・・・。」

途端に思案顔になるシグナム副隊長。
けれど、ほんの少し考えたと思ったらその口から言葉が紡がれた。

「隊長達4人でトーナメントでもすれば試合条件にもよるがやった回数だけ優勝者は違うだろうな。
そのくらい力は伯仲している。本局の戦技披露会でやった高町隊長との試合は心躍るものだったが
決着が付かなかったからな。」
「みんなに見せてあげたいんですけどねぇ。」
「とてもじゃないが教材にはならんそうだ。あれは血戦だったからな。」

あらら。それじゃ見せてあげるわけにはいかないか。
でも、戦技披露会で血戦っていったいどんな戦いが・・・・・・!
そういえば本局の訓練施設が壊れたとか噂があったけどまさか・・・・・・。
それとも高度すぎて理解できないかもしれないかな。
自転車に乗れない子にヘリを飛ばせって言うようなものだもんね。
ヘリ操縦、上手くなったと思うんだけど、ヴァイス先輩から見れば私もまだまだひよっこなのかも。
フォワードの皆も私も変わらないな・・・・・・。


========
「フェイトさんの個人戦?戦闘訓練は結構好きだよね。戦うの自体は間違っても好きじゃないと思うけど。」

報告書を届ける傍ら、フェイトさんの副官のシャーリーさんに質問してみた。
副官っていうことは一番近くでフェイトさんのことを見てきたんだよね。
それに昔からの知り合いみたいだし・・・・・・。
そして帰ってきたのがこの言葉。

「シグナムさんとは仲良く訓練してるし。結構負けず嫌いで見てるとちょっと可愛かったり・・・・・・。」
「なのはさんと試合とかされていないんでしょうか?」
「昔は軽い練習くらいはしてたそうだけどあの事故以降は一度もしていないって・・・・・・。」
「あ・・・・・・。」

言われて思い至る。
なのはさんが本当に再起不能になりかねない危険な状態だったんだって・・・・・・。
フェイトさんのことだから忙しい合間を縫って毎日お見舞いしてたんだろうな。
私やエリオ君のことを本当に忙しい中、会いに来てくれていたみたいに。
そんなことを思っていると意地の悪い笑みを浮かべたシャーリーさんがこう告げてきた。

「まぁ、来月辺りから分隊単位での模擬戦とかやるそうだしそのときにお二人の対戦も見られるかもね。
「そのときは自分達が生き延びるので精一杯そうです・・・・・・。」

シャーリーさんの言葉に冷や汗が止まらない。
分隊単位での模擬戦なんて・・・・・・。
大丈夫かなぁ。心配だなぁ・・・・・・あれ?
分隊単位・・・・・・。
スターズとライトニングと・・・・・・ハンター?

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:55:30 ID:UzCiUQXv
支援!

275 :メタルサーガsts(08/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:55:33 ID:dTtmFQRe
========
「えーと、高町なのは一尉戦闘記録。映像データ検索っと・・・・・・。」

端末にアクセスしている。
考えてみれば実際にどんなことをやった人なのか、詳細なことは知らない。
直に触れたのは空港で助けてもらったあのとき・・・・・・。
なのはさんが来てくれなかったら今頃あたしは・・・・・・。

「スーバル♪」
「うひひゃあっ!!!!!!!!!!!?!?!?!?!」

突如背後からの声に奇声をあげてしまったあたし。
そして振り返ればそこにいるのは・・・・・・なのはさん!?
あわわわ、なのはさんのデータ検索しているときにご本人が降臨なさるなんて・・・・・・。
あたふたと手の置き場が見つからなくて振り回すばかりで、口もろれつが回らない。

「あわわわわわわわわ、ななななななのはさんっ!!!」
「そんなにびっくりしなくても・・・・・・。」
「すすすすすみません!!」

やや戸惑った顔のなのはさんだけど、あたしは物凄く驚いてるんです。
驚きまくってるんです。
おかげで心臓が激しい鼓動を刻みっぱなし。
そんなあたしの様子を気にせずになのはさんが言葉を続ける。

「グリフィスくんに聞いたんだけど、隊長達で誰が一番強いか興味があるんだって?」
「・・・・・・ああああああの、すみませんその・・・・・・。休み時間中のちょっとした雑談で・・・・・・。」

話のネタにされるのは不快だろう。
そう思ってまずは謝った。
けれど、なのはさんは笑ったまま「いいよ」って言ってくれた。
よかった。
けれど、次に告げてきた言葉にあたしは首を傾げるばかり。

「『自分より強い相手に勝つためには自分のほうが相手より強くないといけない。』」
「あ、えと・・・・・・聞いたこと無い・・・・・・です。」
「ふむ。そっか・・・・・・。」
「じゃぁ、問題。『この言葉の矛盾と意味をよく考えて答えなさい。』
みんなで相談して考えてみて。答えが出たら訓練のときにでも聞かせてもらうから。」
「は、はいっ。ありがとうございます。」

部屋から出て行くなのはさんの背中を呆然と見送る。
ええと・・・・・・なんだって?
自分より強い相手に勝つためには自分のほうが相手より強くないといけない・・・・・・。
ええと、うん。だから、あれ?
いや、だから・・・・・・ええと、あれぇ!?
なんで!?どうして!?
あーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
頭から煙噴きそう。
ティアに相談しよう。

276 :メタルサーガsts(09/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:55:58 ID:dTtmFQRe
========
「自分より強い相手に勝つためには、相手より自分のほうが強くないといけない・・・・・・?」

魔導師ランクS+のなのはさんと魔導師ランクBのスバルが戦うところを想像。
本来ならなのはさんが勝つところを・・・・・・。
頭の中でデフォルメされたなのはさんとスバルが戦っている。
決着。
なのはさんを足蹴にして勝ち名乗りをあげているスバルのイメージ。
魔導師ランクSS?になってる必要あるわよね・・・・・・あれ?
ええ?
弱いはずのスバルのほうがランク高くなってる。
でも、それだと言葉の意味が満たせない。
言葉をスバルが覚え違えたんじゃないかしら?

「えええ?ただの言葉遊びじゃ・・・・・・ないわよね?」
「違うと思うけど・・・・・・。ところでティア、なんか物凄く恐れ多いイメージしてない?」

顔に出てたかな。
まぁ、想像の中だもん。別にいいわよね。
でも、本当に言葉が間違っていないならどういうことなのかしら。

「あ!!僕わかりました!!」

横にいたエリオがしゅぴっと手を上げる。
エリオが先に気がつくって言うことはなぞなぞみたいなものなのかしら。

「強い相手に勝つためには訓練重ねて相手より強くなればいいんです!」

いや、それが真理なんだけどさ。
でもそれだと・・・・・・。

「でもそれだと倒しているのは『自分より弱い相手』じゃない?」
「あ・・・・・・。」

キャロがあたしが言おうとした言葉をそのまま言ってくれた。
フルバックっていうポジションだから分析スキルでも覚えたのかしら?
キャロの言葉に今気がついたとばかりに驚きの声をあげるエリオ。
しかし、少しだけ締め付けてあげるとしよう。
エリオの頭を掴むとこめかみに拳をあててぎりぎりと締め上げる。

「だいたい訓練や特訓でそうホイホイ強く馴れたら苦労しないのよっ!!」
「す・・・・・・すみませんっ。」

涙目になっているけど泣くまでやめてあげない。
間違いは直してあげるのが年上の勤めだ。
うん、だからこれは問題ない行動なのよ。
理論武装よし!
拳に血管が浮き上がるくらい力入れてるけど・・・・・・。

「おお、おまえら。108行きだがちと先行しててくれ。訓練開始時間にはあたしも入ってるからな。」
「「「「はいっ!」」」」

277 :メタルサーガsts(10/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:56:28 ID:dTtmFQRe
突然通りすがったヴィータ副隊長に驚きながら返事を返す。
もちろん、大慌てでエリオの頭も離してあげる。
そうだ。今日は陸士108部隊と合同訓練・・・・・・。

訓練場所へ移動しているときだった。
突如アラートが鳴り響く。

「こちらサードアベニュー警邏隊。近隣の武装捜査員お願いします。
E37地下道に不審な反応を発見しました。識別コード未確認!確認処理をお願いします。」


========
突如としてガジェットと戦うことになったけれど、なんだかんだで戦いは一件落着。

「六課のみんな、おつかれさま。新手もこないし警戒態勢は解除しよう。」
「はいっ。」
「「「はいっ」」」」
「よかったら食事を済ませていってくれ。」
「「「「はいっ」」」」

陸士108部隊の隊長にそう言われたのでお言葉に甘えさせてもらうことにした。

「ギン姉―♪」
「スバル♪」

食事を受け取りに行く途中に見覚えのある陰。
ギンガさんだって分かった途端にスバルが腕を振り上げて大声で呼んでいる。
なんでスバルはこういうところ子供っぽいのかしら。
もっとも、嬉しさを隠さないのは美徳だと思うけど。
ギンガさんのほうも嬉しそうだ。
あ、本来なら会えなかったんだ。
スケジュールの関係を考えると・・・・・・。
そう考えると、不謹慎だがガジェットに感謝・・・・・・するべきなのかな?

そして食事が始まる。
話題にしたのはなのはさんの問い。
ギンガさんも興味深そう。
でも、いったいあんたたち何箱食べるんですか・・・・・・。
あたしとキャロの顔は既に引き攣っている。
まだ1箱も食べ終えていないのに山のように積み重なった空のお弁当箱の山。
それがエリオとスバルとギンガさんの横に1つずつ・・・・・・。
前線メンバーはカロリー消費がすごいっていうけどこれは・・・・・・。

「あれ?ギン姉、今日はあんまり食べないね。」
「捜査が忙しくてあんまり訓練してないからね。」

いやいや。十分ですから。食べすぎですから。
現時点でスバルの空箱よりもよっぽど多く空箱つくってますから、ギンガさん。
で、食事がひと段落付いたギンガさんが口を開く。

278 :メタルサーガsts(11/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:57:03 ID:dTtmFQRe
「その問題の答えはわからないけど、私としてはそれは否定するべき言葉だと思うなぁ。
母さんが言ってた刹那の隙に必倒の一撃を叩き込んで終わらせるのが打撃系のスタイル。
出力がどうとか射程や速度や防御能力がどうとか自分と相手のどちらが強かろうがそんなの全部関係ない。
相手の急所に正確な一撃。狙うのはただそれだけ。」

ひゅっと振られた手刀がスバルの首に添えられる。
その俊敏な動作に、油断していたのもあってスバルは対応できない。
真剣な表情のギンガさん。
でも、その表情をほわっと笑みに変えると言葉をつづける。

「わたしはそう思っている。」
「うん・・・・・・。」

スバル、なんだか嬉しそうね。


========
「あのですね。わたしたち『誰が強いか』の聞き方を間違ってたんじゃないかと・・・・・・。」

六課に戻りながら問題をみんなで考えていたとき、
キャロの言葉が解決の糸口になった。
なるほど。『誰が強いか』じゃなくて・・・・・・。

「あ、なんかわかった。」
「はいっ。」

キャロも嬉しそうだ。
本当ならリーダーの私が一番に気がついていないといけないんだろうけど・・・・・・。
でも、謎が解けたみたいで物凄く嬉しい。

「じゃぁ、もう一度隊長たちに・・・・・・。」
「あの、僕、もう1人聞いておきたい人がいるのでそっちに・・・・・・。」
「エリオ。前線メンバーには全員に聞いたと思うんだけど、まだ誰かいたっけ?
隊長たちのデバイスにでも聞くの?」

ぶっ!!!!!
いったいなんの冗談?
それよりも・・・・・・。

「あああああああああんた、正気で言ってるんじゃないわよね。
訓練きつすぎで脳みそ焼ききれちゃったんじゃないでしょうね。」
「どうしたの?ティア・・・・・・。」
「スバルさん、冗談にしては笑えないです。」
「え?だからどうしたの?」
「はんたさんに聞いていないですよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。」

マヌケな声を上げたかと思ったら蒼白に変わっていくスバルの顔。
この様子だと本気で忘れていたっぽいわね。
でも、いつもならアラートがなったとき出撃かかっているのに、今日は・・・・・・。
どうしたのかしら?

279 :メタルサーガsts(12/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:58:22 ID:dTtmFQRe
「あああああああああ、みみみみみみ皆、内緒、内緒。絶対に内緒だからね。」
「分かってるわよ。度忘れしちゃったんでしょ。黙っておいてあげるから安心しなさい。」
「僕もわかりました。でも、びっくりしましたよ。本当に・・・・・・。」
「私も秘密にしておきます。フリードもいいよね。」
「キュクルルル!」
「わん。」
「「「「わん?」」」」

錆付いたネジをまわすようにゆっくりと首を動かすと1匹の犬。
精悍な顔立ちをしたこの犬ってたしか・・・・・・。

「はんたさんの犬・・・・・・だよね?」
「物凄くまずいんじゃないでしょうか。」
「わふ、わんわんわん。」
「うん?なにか言いたそうだけどなにが言いたいんだろう?この犬・・・・・・。」

なにかが言いたそうって言うのはなんとなくわかるけど、犬なんだから喋れるはずないじゃない。
でも、この犬、じっと見つめている視線がスバルから動かない。
雰囲気しか伝わらないけどなんだか物凄くまずい感じがする。
とりあえず・・・・・・。

「ええと、はんたさんの犬、今のこと黙っていてくれるかしら?」
「わふ!」

首が横に振られ・・・・・・ええっ!?
まさか、そんなはず・・・・・・。

「はんたさんに言ったりしないわよね。」
「わふ!」

やっぱり首が横に振られる。
ひょっとして・・・・・・。

「・・・・・・万死に値するとか思ってたりするのかしら?」
「わん!」

縦に振られる犬の首。

「なんだか言葉理解しているみたいね。」
「それって物凄くまずいんじゃ・・・・・・。」
「はんたさんは怒らないと思いますけど、アルファさんが・・・・・・。」
「わおーん!」

もちろんだとばかりに遠吠えと共に振られる首。

「うわー!ちょっと待ってー!!!!」
「わん!」

飛びついて動きを止めようとしたスバル。
けれど、ひらりとサイドステップでかわすと高くジャンプして逆にスバルの頭を蹴り飛ばす犬。
這い蹲るスバル。
スバルを足蹴にしたままの犬。
ああ、もういいや。

280 :メタルサーガsts(13/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:59:06 ID:dTtmFQRe
「スバルー。あたし隊長たちに質問の答え伝えてくるからねー。」
「僕もはんたさんのところへ言ってきます。キャロも来る?」
「うん。一緒に行こう!」
「ちょ、ちょっと待って。皆。ねぇ・・・・・・。」
「わふ!」

げしっとスバルの頭が再び蹴り飛ばされて、スバルの悲鳴みたいな呼び止める声が止む。
・・・・・・はんたさんの犬、もしかしてあたし達より強いなんて冗談みたいな話だけはないわよね?
ただ、どうしてだろう。
模擬戦が怖くて仕方なかった。
・・・・・・あ、魔法使えないしデバイスもないから参戦できないか。


========
バトー博士の研究室。
そこにはんたさんは行ったままらしい。
そういえば初めてだな。
バトー博士の研究室って・・・・・・。
そう思いながら入って最初に目に留まったのは部屋の片隅に転がっているはんたさん。
まるでマネキンと見間違えそうになったくらいに・・・・・・。
でも、タオルケットも巻いていないみたいだから。
そう思って傍らにおいてあったタオルケット片手に近づこうとしたときだった。

「2人とも、死にたくなければそれ以上近づかないことです。」
「あ、アルファさん。ええと・・・・・・なにしてるんです?」
「最終改造のデバッグ作業中です。マスターのいかなる要求にも応えられるようにするためにも綿密に行わなければいけませんから。
それと、睡眠中のマスターに近づくということは高速で回転するタービンブレードに腕を突っ込むようなものです。自殺志願なら他所でどうぞ。」
「どうして・・・・・・ドラム缶なんですか?」
「安定性の問題です。重量が4桁に到達いたしましたので、他の形状では問題が起こる可能性があります。」
「4桁?」
「詳細はバトー博士に伺ってください。それでマスターに何の御用ですか?バトー博士なら夜食を調達してくると現在出ております。」
「ええと・・・・・・アルファさんは誰が六課で一番強いと思いますか?」

はんたさんに聞けないのは残念だけど、アルファさんでも問題ないかもしれない。
どんな言葉を返してくるだろうととても楽しみ。
横のキャロも興味津々な表情をしている。
けれど、開口一番、アルファさんが返した返事は・・・・・・。

「勝利条件と環境条件の提示を願います。」

ヴィータ副隊長も同じことを言っていた。
追撃戦とかいろいろ状況があるって・・・・・・。
でも、勝利条件?

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/14(水) 23:59:21 ID:UzCiUQXv
支援! ポチ強えぇw

282 :メタルサーガsts(14/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/14(水) 23:59:34 ID:dTtmFQRe
「勝利条件って・・・・・・。」
「1時間耐えきれば勝ちなのですか?逃げきれば勝ちなのですか?擦り傷1つでも負わせれば勝ちなのですか?四肢をもぎ取れば勝ちなのですか?
跡形も無く全部消し飛ばせば勝ちなのですか?勝利条件によって難易度が変わってきます。」
「ええと、それなら、はんたさんが不利になる条件はなんですか?」
「不意打ちを仕掛けられる、なにかを庇いながら戦う、不殺でなければならない、戦力比に対して火力が致命的なまでに足りない。
そのような要因が無い限りマスターの優位は動きません。」

たしかに不意打ちは対処のしようがない。
防御だって間に合わないし・・・・・・。
それに誰かを庇うっていうのも難しい。
騎士なら当然の状況だけど、自分の動きが縛られてしまう状態だから。
守る相手から離れすぎてもいけないし近すぎてもいけない。
回避することさえ許されないことだってある。
でも不殺って・・・・・・非殺傷設定があるから容易なんじゃないかな?
それに・・・・・・。

「戦力比に対してってどういうことですか?」
「仮にエリオ・モンディアル、あなたがAランク魔導師と五分に戦える実力があるとします。ストラーダ抜きで同じことができる自信はありますか?
キャロ・ル・ルシエでも問題ありません。フリードリヒ、あるいは見たことはありませんがヴォルテールを抜きにして最前線で戦闘できる自信は?」
「無理ですね。」
「無理です。」
「それが火力の低下です。魔法の行使を補助するデバイスや召還獣に依存しているところが多々あるため、それらが使えなくなるだけで火力が低下したわけです。
ならば砲撃魔法を10回しか撃てないのに10000の敵を打倒せますか?」
「「無理です。」」
「そういうことです。もっとも、その10回が隕石を落としたり衛星軌道から攻撃するのに相当するのなら話は別でしょうが・・・・・・。」

でも、そんな戦力差になることってあるんだろうか。
管理局だって時空を管理するためにたくさんの武装局員がいるのに・・・・・・。
Aランク魔導師やBランク魔導師が10000人ぐらいいればできるのかな?

「エリオ・モンディアル、あなた方が訪れた理由は『誰が強いか』という調査ですね。私の見解を申し上げます。
多くの環境においてマスターの優位は動きません。しかし、同率としてなのは達が並ぶ可能性は十分にあります。」
「それってどういう・・・・・・。」
「具体例を挙げましょう。エリオ・モンディアル、が敵と対峙したとします。
場所は平地で無風。双方の間に一切の遮蔽物はありません。相対距離は約8000m。
あなたの攻撃手段は?」
「ソニックムーブで接近します。」
「ならば敵が高町なのは、フェイト・テスタロッサ、そしてマスターであれば3人の砲撃の前に無力です。距離を詰める前に落とされます。」
「それならもっと近ければ・・・・・・。」
「ならばフェイト・テスタロッサ、シグナム、そしてマスターの近接技能により落とされます。機動力が五分であるならば火力の優位を持っているものが勝ちます。」
「それなら入り組んだ街みたいな場所だったら・・・・・・。」
「八神はやておよびマスターの広域殲滅により落とされます。どれだけ入り組んでいようとも点ではなく面の攻撃を広域で展開できる人間の前には無力です。」
「それなら・・・・・・。」

283 :メタルサーガsts(15/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/15(木) 00:00:27 ID:dTtmFQRe
僕達が思いつく限りの条件を全部提示したけれど勝ち目が出てこない。
分厚い壁のような実力差を思い知るべきなのか、それとも・・・・・・。
勝ち目が0といわれているような状態が続いた果て。
キャロがぽつりと呟いた。
まるで僕の心を代弁するみたいに・・・・・・。
答えが返ってくるなんて思ってもいなかったけれど。
それこそが答えだったのかもしれない。

「それなら、今のエリオ君じゃ絶対に勝てないんですね。」
「いいえ。勝つ手段はあります。」
「「え!?」」

まったく勝てないと言わんばかりにことごとく論破したじゃないか。
キャロも同時に同じ驚きを覚えている。
勝てる部分を探すって言うのがキャロの答えだったんだけど、
これだけ理路整然と勝てる要素がないことを伝えられて自信がなくなり始めていたのに・・・・・・。
でも、それとは別に驚きがあった。
隊長達に今の僕が勝つ手段が・・・・・・ある?

「簡単なものは奇襲でしょう。実戦においてきわめて有効に機能します。
まさか、中世の戦争のように延々と長口上の名乗りをあげてから戦うものなんて思っていませんね?」
「つまり・・・・・・。」
「気配を消して忍び寄る、あるいは待ち伏せることで1撃目を確実にクリーンヒットさせられます。
あるいはシャマルが使えるというリンカーコア摘出。
あなたに習得できるかわかりませんが、使えるのならばこれほど暗殺に向いた魔法はありません。
いずれかの手段によって致命傷を与えればあなたの勝利は揺るぎません。」
「なるほど・・・・・・。」
「もっとも、それでもマスターには届きません。」
「どうしてですか?」
「私が傍らにいる限り、マスターの敗北要素は全て排除するからです。
そして、マスター自身が全ての戦闘条件を知り尽くしているからです。」
「それじゃ、はんたさんの予想を上回ることが出来れば・・・・・・。」
「可能です。しかし、どうやって超えますか?
知りうる速度域は第一宇宙速度、エネルギー量ならば超高密度プラズマや太陽が相手になります。
防ぐことが出来ない一撃でもない限り、マスターの予想に全てが収まりきります。」
「防ぐことが出来ない一撃なんてあるんですか?」
「空間の相転位、マイクロブラックホール、反物質、真空暴露などが上げられます。」
「・・・・・・被害額がすごいことになりますが。」
「本当に勝ちたいのならば形振りに構う必要などありません。
それとも、勝てないからと潔く死にますか?」

まだまだ僕は未熟みたいだ。
キャロもなんだか考え込んじゃってる。
そういえば言ってたな。
ヴォルテールは物凄く大きなドラゴンって・・・・・・。
あ、そういうことか。
言葉は悪いけれど、蟻1匹にヴォルテールを持ち出すのかっていうことか。
思案顔の僕達にアルファさんが言葉を続ける。

284 :メタルサーガsts(16/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/15(木) 00:00:55 ID:dTtmFQRe
「おそらく高町なのはの問いの答えは『相手よりも勝る能力で戦う』で間違いありません。
発展として『チームという部隊を組む理由』へ繋げると予想されます。
仮に単機で全てができる人間がいても2つのこと、3つのこと、4つのことを同時には行えません。
行えたとしても処理能力に限界があります。ならば2人では?3人では?4人では?
人間である以上、得手不得手があり個々の能力にばらつきが見られます。
しかし、複数人で作業することでその個体差のばらつきを補うことが出来ます。
人間の効果的な運用さえできれば多人数の優位は動きません。
おそらく足りない能力を補い合うためにチームを組んでいると話を繋げることでしょう。」

言われてみると納得できる。
本当に穴がない。
それなら僕は速さを伸ばしていけばいいんだ。
誰にも負けない部分がスピードだから。
そういえば、こんな質問してみたらどうなるのかな?

「アルファさんにとって強いってなんですか?」

デバイスに向けてする質問じゃないことだと思う。
けれど、どうしても気になった。
はんたさんの傍らにいつもいるアルファさんだけに・・・・・・。

「機械である私にはパラメータが高いことが強いという意味となります。
1は10に勝てず、10は100に勝てません。
その戦力比をひっくり返すものが個々の才能であり武器であり作戦です。
効果的な運用が行われなければ10人は10人分の働きをすることはできません。
エリオ・モンディアルが万が一そのような事態に陥ったのならば1VS1を10回繰り返す状況を作りだすことです。
それにより十分に撃破可能となります。」
「・・・・・・はんたさんにとって強いってなんなんでしょう。」
「マスターにとって強いということは諦めが悪いことになります。」
「諦めが悪い?」
「負けても逃げても殺されるという状況において、たかが腕がなくなったぐらいで戦いを止めますか?
目が見えなくなったら?耳が聞こえなくなったら?腰から下を丸ごと消し飛ばされたら?
絶え間ない激痛が全身を襲っていたら?今、この瞬間を繋ぐために全力で叩くのがマスターです。
ゆえにマスターは諦めるということを知りません。最後まであがき続けます。」
「勉強になりました。」
「ありがとうございました。」
「かまいません。もっとも2度目を無くすためにトドメは必ず刺しますが・・・・・・。」

お礼を言ってバトー博士の研究室を去った。
アルファさんが最後になにか言っていたけどよく聞こえなかったし。
なんでもいいか。問題の答えが分かったんだから。
でも、強さか。
漠然と考えていたけど、深い意味の言葉なんだ。
もっと、がんばろう。今よりも強くなるために・・・・・・。
あ、それと訓練のスケジュール確認してバトー博士に改造してもらおう。
本当なら今のまま、地力をあげるべきなのかもしれない。
でも、より優れたデバイスにしてあげたいし、僕ももっと早くなりたいから・・・・・・。

「いいよね。ストラーダ。」
「Ja.」

285 :メタルサーガsts(17/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/15(木) 00:01:38 ID:dTtmFQRe
僕の言葉にストラーダが応えた。
そういえば、結構騒いじゃったのにはんたさん、まったく目覚める気配なかったな。
物凄く深く眠る体質なのかな。
浅く眠ると疲れが抜けないって言うし・・・・・・。
それに、テーブルの上においてあったあれってデバイス・・・・・・だよね?
誰が使うんだろ?


========
「と、いうわけで皆で相談して答えを出しました。」
「そう。ところで右目がパンダになってるけどどうしたの?
「聞かないでください。」
「そう。じゃぁ、その答えは?」
「『自分より総合力で強い相手に勝つためには』『自分がもっている相手より強い部分で戦う』
そのために自分の一番強い部分を磨き上げてこれなら誰にも負けないって自身と危害をもって戦いに当たる!
それにチームがそれぞれの強い部分を持ち寄れば、より万全に近くなる。
だから問題の言葉は正しくもあり、間違ってもいる・・・・・・と。そんな感じなんですが。」

ティアに口上を考えてもらって丸暗記した言葉をそのまま言っている。
でも、皆で話し合ってなるほどって思ったのも本当だ。
完璧なのかは分からないけど90点はもらえる答えだと思う。
あたしが言い終えるのを確認すると、笑顔で聞いていたなのはさんが口を開いた。

「じゃぁ、それが正解かどうか、これから実地で確かめていかなきゃね。」
「え!?なななななのはさん、正解は教えてくれないんですか!?」
「明日の朝練でたぶんわかるよ。」
「えええええええええええっ!!!!!!」

私の絶叫が夜の部舎に響き渡った。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 00:01:59 ID:mn/spVgM
支援

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 00:02:49 ID:UzCiUQXv
支援!
ストラーダをバトー博士に任せたら大変なことになるw

288 :メタルサーガsts(17/17) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/15(木) 00:04:49 ID:dTtmFQRe
以上でメタサガ14.5話投下完了です。
単行本の2巻がでたので是非ともこのエピソードをいれなければと書きました。
最初はシャマル先生むちゃくちゃ強いよな暗殺全開で戦わせようかと思ったのだけど、
素直に強さの意味を考えさせる話にしました。
今回も14話同様にフラグばらまきまくってます。回収よろしく。
それでは感想ご指摘をお待ちしております。

あと、17/17のところにあるエリオの思考とアルファの警告が食い違っていますが、
書き間違いじゃないのでそのままでどうぞ。

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 00:13:58 ID:Qw1C+gjp
メタルサーガ、R-TYPE、地球防衛軍3、ガングレイヴと気に入ってる作品の連続更新はうれしいですね。
全部が全部原作のゲームやったことないんだけどね。ガングレイヴのアニメは見たけどね。

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 00:55:43 ID:BJMZmzbE
ポチがwww
あとエリオ卒倒フラグ

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 01:42:23 ID:H83YxacW
なんだなんだこの硝煙が似合う作品4連発は!
EDF氏のウェンディとノーヴェにときめいた、次回の新装備に期待!

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 01:47:48 ID:p1vN76Rp
>>202
亀レス失礼R−TYPEシリーズは未プレイですが、このストーリーはGJだ!
StSで引っ掛かってた疑問というか違和感がはっきり解るようだ…。
ただ、今昏睡中のユーノとか学者TYPEの人間なら割とあちら側に同意こそせずとも肯定はしそう。
あと千切れた四肢の部位が某シスの暗黒卿と同じなのってまたなんかの複線だったりしますでしょーか?

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 02:08:48 ID:NUhW0buA
メタサガ氏オツです。ああ、今回もはんたが喋っていない……。
ぴくりとも動かない……。まあ、二回前の予言の話で一応生存フラグは
立っているはずだから、大丈夫だと思うけどどどど。

今回のフラグ、ええと。ポチがハンター分隊に編入。コールサインは
ハンター2、になるのかな? それぐらいしか思い浮かばないっす。

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 02:15:52 ID:JoysA0+6
>>285
GJ!
しかし、ポチが入るとなると、ますますザッフィーの出番がww

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 02:53:10 ID:ZIithLP3
良作投下祭りだな・・・

ところでR−TYPE読んでて思った・・・

ザフィーどこにいった?

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 03:22:50 ID:naQEWBKM
>>295
電界25次元の彼方に飲み込まれました

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 06:05:50 ID:v76to9jK
わーい、R-TYPEとEDFが来てた。
なんだか盆と正月がいっぺんに来たような気持ち。


298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 06:11:29 ID:s89jVdVZ
>>202
>やと ねつ ひいた も とてもかゆい
>今日 はらへったの、 りゅう のエサ くう
>かゆい かゆい
>ふりーど きた
>ひどいかおなんで ころし
>うまかっ です
>・・・半分は冗談ですよ?

後、半分は冗談じゃないのかw
恐ろしすぎて楽しみだw

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 09:30:42 ID:oMZyXU7p

いままでの話でこれが一番好きです。

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 10:14:16 ID:ZIithLP3
R−TYPEの生物戦か、バイドのΔの基地ステージに出てくる某輸送船なんてみたら
どう反応するんだろ6課勢

301 :一尉:2008/05/15(木) 10:37:54 ID:wLMDrnqq
基地なら良い支援

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 13:14:03 ID:Q09xkdbX
>>202
GJ!
うぎゃあ生体洞状態、救出はムリぽ。エリキャロはもう駄目かもしれんね。
ヒステリックドーン…シューティングゲームのボムはオソロシス。

>ビットと呼ばれるR戦闘機副兵装、其処から分離・培養されたバイド体を用いて作成された
ビットは完全人工の22世紀地球製なんだが、管理局は微妙に嘘情報を掴まされてるようだな。
11話で言ってた複数の情報操作の一つか。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 14:38:17 ID:yWf/1RZT
>>299
俺も

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 14:38:36 ID:yWf/1RZT
エロ過ぎるなこれ、こんなの地上波で放送できるのかwww?
http://theync.com/video/m100407head.wmv

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 15:19:08 ID:U1nz87r1
>>304
はいはいグロ注意グロ注意

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 17:40:34 ID:+pCjA8/w
これは、夢じゃないんだよな?。R-TYPE、EDF、メタルサーガの作品が連続してあげられてるなんて…
お三方GJ!&乙です!ありがとーございます!

>> R-TYPE Λ
>>「敵対する者の「翼」をもぐ事こそが、私の任務ですから」
全然関係ないんだけど、翼持つものと持たざるもののやりとりの後のこのセリフで、
”翼をもがれた鳥は、全ての羽が抜け落ち、己が鳥へと進化する以前の獣へと戻る”(ビッグ・オー セカンドシーズン)
を、真っ先に連想してゾクッときた
…なのは、大丈夫ですよね?(w



307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 18:09:34 ID:Dtpi7lG+
大丈夫だろう。

期待通り的な意味でwww

308 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/15(木) 18:17:12 ID:U4niDKvh
闇王女幕間、投下OKでしょうかー?

アースラ組です。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 18:33:25 ID:z35E221a
OKです。

310 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/15(木) 18:35:11 ID:U4niDKvh
ではではー。 ルーテシア派な為、そういう内容に。


魔法少女リリカルなのは 闇の王女 幕間其の九

 目が、覚めた。悪夢、恐ろしい夢――決して逃れられないもの。
あれは、夢などではなく、過去そのものだったのだという実感――八年前の真実。
言葉。赤子だったときにも脳裏に刻まれた、悲痛な願い。涙とともに蘇る、記憶。
女神のように、美しい母――メガーヌ・アルピーノ。

『よしよし、いい子だから泣かないで――。お母さんは一緒にいられないけれど、貴方は強く……育ってね、ルーテシア』

『そっか……強いんだね、ルーテシア。ごめんね――本当に、ごめん』

それが、母の願い――守るべきもの。
強く、なりたかった。どんな現実だって打破できるような、力が欲しかった。
戦おう――母を取り戻す為に。そう言うと、なのはは何時も悲しそうな顔をする。
なのは――誰よりも優しくて、姉のようで、母のような存在。物心ついたときから、自分の面倒を見てくれた人。
その人は、今にも倒れそうなくらいぼろぼろの心を、全てを飲み込む虚無と復讐の炎で満たして、戦場の空を駆け抜ける黒騎士。
幾つもの命を、星光の瞬きのように消し飛ばし、己自身の魂を削る修羅。
身体は、戦闘に万全で挑む為に薬漬けで、味覚も無くて、美味しいご飯も食べられない――いや、味を感じられない。
筋力と治癒力ばかりを<実験>で強化され、人外と言っていいものに成り果てた、と自嘲する彼女は、見ていられなかった。

―――助けたい。

幾度となくそう思い、無力を噛み締めてきた。
圧倒的な力を得た代わりに失った、仲間との絆――それの代替物にルーテシアをしているのではないか、という思念に囚われているなのは。
それでいい。代わりでいいのだ――自分は、なのはの傍にいられればいい。どんな形であれ、それは確かな絆だから。
孤独よりも、ずっといいではないか――姉と妹。母と娘。復讐者と付き人。
そのいずれとも異なる、歪で、でも暖かな居心地のいい場所。

―――それが、私の役割ならば喜んで引き受けよう。

なのはの言葉――断固たる拒否。彼女に残った良心が、告げるのだ――巻き込むな、と。
悲しみに満ちた表情で、言った。

『私の復讐に、貴方をこれ以上巻き込めないよ――もう、誰からも奪いたくないの―――』

違う。これは、私の意志。決して揺るぎはしない、誰にも譲れないものだ。
強くなりたい。なのはに迷惑をかけずに、母を、たった一人を助け出せる力が、欲しい。
俯き、涙を流した。
自分にできることなど、たかが知れている。
転移魔法――超長距離転送の真似事。機械さえあれば誰にでもできる、ありふれた技術。
補助魔法――己一つ守れない、誰かに助けを請う技術。
召還魔法――付き従う、忠実な使い魔を呼び寄せる技術。母が用い、そして――敗れた。

―――それでも、戦おう。私は、メガーヌ・アルピーノの娘、ルーテシア・アルピーノだから。

腰掛けていたベッドから立ち上がった少女の前に、一陣の黒い風が現れ、恭しく主の前に膝をついてかしずいた。
ぽつり、と母と同じ濃い紫の髪を持つ少女が、呟いた。

「ガリュー……」
黒い影は、召還蟲ガリュー。母と共に幾多の戦場をくぐりぬけて来た、猛者中の猛者。
人型の昆虫であり、黒い外殻と赤いマフラーを持つ、古強者の戦士――八年前からずっと、己を見守り続けてきた存在だった。
息をふうっ、とはきながら問う――それが、義務のように感じたから。

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 18:36:33 ID:z35E221a
支援

312 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/15(木) 18:36:34 ID:U4niDKvh
「私と一緒に、戦ってくれるの? ガリュー」
頷き――二対の複眼が、ルーテシアを真っ直ぐに見つめ、確かな肯定を表した。
その拳が握り締められ、人外の呼吸音が聞こえた。

 ガリューは、思う。己が主の願いを、叶えたい、と。
守れなかったもの――最初の主、メガーヌ。守れたもの――ルーテシア。
引き裂かれた親子――これを引き合わせずして、何がオスだ、何が戦士だ。その為なら、この身など、惜しくはない。
戦う為に自己を変成させ、体自体を武器と化した召還蟲は、ただ決意する。
傷つけることでしか、為せないことがあるならば、それを背負うのは己が役目。
たとえこの命が枯れ果て、指先一本まで凍りついたとしても。

誰に止められるだろう、その意思を。
その在り方は、まさしくベルカの伝統が語るところの、騎士だった。
御伽噺の中にしかありえない筈の、孤高の戦士は、確かに其処に在った。

 ガリューの意思を感じ取ったルーテシアは、その人形のように整った顔を驚きと――感謝に歪めた。
目を閉じ、涙を静かに流す。くしゃくしゃに表情を崩し、声も立てずに泣いた。

「ありが……とう……」

ガリューは、この小さな主の手を取ると、彼女が泣き止むまで握り続けた。
たった一人を救う為。
ちっぽけなお姫様と、異形の騎士は立ち上がる―――。


 かちゃかちゃ、と魔導の灯――全方位を照らし出す――によって照明された室内で、長い栗色の髪を持つ女は、己の<相棒>レイジングハートの整備を行っていた。
何時もの黒衣を身に纏い、黙々と作業をこなしていく。
如何に耐久性に優れ、自動で修復まで行う高性能デバイスと言えど、限界はある。
魔導師といわれる、魔導技術の使い手たちを強化し、一個の機動兵器の域にまでその戦闘能力を高める魔導具は、
精緻なプログラムと動力部を持つ、精密機械なのだ。ある程度は自己修復するとはいえ、長時間の酷使はこれらに確実にダメージを蓄積していく。
だからこそ、定期的なメンテナンスが必要になり、魔導師は己で何時でもデバイスのメンテナンスが出来るように訓練されていなくてはならない。
ゆえに、女――高町なのはが戦闘の前に最終整備を行うのは、必然と言えた。
しかし、今このときなのはは、違和感を感じていた。己の<相棒>に、レイジングハートという存在に。
なのはは、デバイスの整備を学ぶに当たって、一般的なストレージデバイス――量産品のデバイスを教材に、構造を学んできた。
ストレージは最も基本的なデバイスであり、ほぼ全てのデバイスの基礎構造を持っていると言っていい。
だから、なのはは、今まで苦も無くデバイスを整備することが出来たのだ。ゆえに、わかる。
おかしい。
このデバイス――レイジングハートは、何もかもが規格外過ぎるのだ。
元々ユーノ・スクライアの持ち物だった真紅の宝玉は、初めて手にしたなのはの手にあっさりと馴染んだ。
高町なのはが幸福であった頃の記憶であり、遠い過去のことだったが、あの瞬間の感動は今でも覚えている。

―――空が、飛べる。鳥のように何処までも。

それこそが、今日まで続く、魔導の道に高町なのはという少女が入り込む切欠であり、不可欠の要素だった。
だが。訓練を積んでユーノやフェイトが飛べるようになったのに対し、自分はどうだ。
生身の――翼もエンジンも持たずに、鳥のように飛ぶと言う概念を理解し、地球の極々普通の少女が飛べたのは何故か。
魔導技術の本場であるミッドチルダでさえ、素質の問題で飛べぬ者は多くいる。
如何になのはに魔導の素質があったにせよ、これは異常な話だ。
本来、多くの訓練を積まねば、人は魔導の力を借りようと、空を翔ることなどできないのだから。
では一体、何がなのはを後押ししたのか。
答えは、デバイス――魔導師の能力を底上げする魔法の杖。
これこそが、異常の根源であり、異形そのものだ。レイジングハートは、極々短時間で自動修復をし、主に合わせて姿形まで変えて見せた。
これは、管理局の一般的なデバイスを見ればわかるが、あまりにも規格外過ぎる。本来デバイスとは装備であり、使い手に合わせて変異するなどありえないのだ。

313 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/15(木) 18:37:36 ID:U4niDKvh
―――自らを変成させるデバイスなど。

いったい何処の誰が、このようなデバイスを造り出したのだろうか。
管理局のデータベースでの類似技術の検索――該当データ、無し。つまり、確認されている次元世界群のものではない。

「ねえ……レイジングハート。貴方はいったい、何処から来たの?」
『質問の意味をわかりかねます、マスター』
己に失笑する。確かに意味不明な質問だ。

―――しかし、一つだけ例外の世界が存在する。

未だかつて、誰も辿り着いたことのない場所。古代に繁栄した、超常識的な技術の眠る夢幻の世界。
その名を、<アルハザード>という。禁じられた技術の眠る死の都。
もしも、自分でも手が出せない、レイジングハートのブラックボックスの正体が、それなのだとしたら。
いったい、何の目的でレイジングハートは造られたんだろうか。

(わからない、な。どうしちゃったんだろう、私)
高町なのはは整備を終えると、デバイスを待機状態の赤い宝玉に戻し、工具の類を艦内の収納スペースに固定した。
様々な機動が取られる次元航行艦内は、基本的に家具やベッドは固定されている。非常時に、それらがクルーの命を奪う刃になることを防ぐ為に。
高速で飛び交えば、ナイフ一つ、フォーク一つとて人体に致命傷を与えうるからだ。
工具箱も、金具でしっかりと固定される。

「これで、よしと」
不意に、レイジングハートが声をあげた。機械音声に似合わぬ、多分に感情の雑じった声。
普通では、起こりえないことだった。

『マスター……私は―――』
「うん? どうしたの、レイジングハート」
『―――いえ、何でもありません。ノイズ……かと』

そっか、と軽く答えると、黒衣の女は部屋を出た。

―――自らの疑問が氷解し、<真実>に呻くときが来ると知らずに。

赤い宝玉の、機械の臓器の中で、ドクン、と脈打つもの。
それこそが、終わりを告げるものなのだとは、誰も知らない。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 18:38:47 ID:z35E221a
支援

315 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/15(木) 18:39:20 ID:U4niDKvh
以上で、投下完了です。
ルーテシア、参戦。レイハさん、嫌なフラグ。の二本立てでお送りしましたー。

感想など、よろしくお願いします。

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 18:40:35 ID:AJEbmZKf
レイジングハートの秘密が明らかになるのか?

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 19:01:01 ID:5SWYvw/p
GJ
レイハに何か嫌なフラグがw


アルハザードという名はネクロノミコンの著者だっけ?
かつてはアイレムを見たという狂える詩人か
このスレは微妙にクトゥルフ神話ネタを内包しているようだ

318 :一尉:2008/05/15(木) 19:06:40 ID:wLMDrnqq
ほう支援

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 22:15:41 ID:ch6iHegU
乙。
>317
細かく言うと切りが無いけど、アルハザードが書いた『アル・アジフ』をギリシャ語等に翻訳したのが『ネクロノミコン』。だから一般的にはそれで間違ってない。
後、このスレがクトゥルフを内包していると言うより、クトゥルフ神話が時間軸を越えた万物と結び付けられる事で発展してきた、と言った方が実状に近いと思う。

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 22:22:24 ID:R15kVUat
しかし、アルハザードと聞くと某神秘の世界を思い浮かべてしまう

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 22:24:07 ID:2L9oJQKS
>>320
あれはエルハザードじゃなかったか?

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 22:30:37 ID:9t4h/3bb
俺はアルハザードと聞く度に、最後には衛星砲の起動キーになった、ある聖剣のオリジナルである魔剣を思い浮かべるよ

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 22:31:31 ID:T852qVIY
クカカカカ……

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 22:37:04 ID:0E8ZvaqO
内包してるというより単に名前だけ借りてるだけだろ

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 23:10:46 ID:MWCkK4i4
>>323
アクセラレイター→エースインザフォール

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 23:12:33 ID:JWZ9zgm/
>>325
アクセラレータ……一方通行か

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 23:12:59 ID:srq09tnD
>>323
私もアルハザードと言われるとその魔族の方しか思い浮かびませんでしたです…

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 23:13:00 ID:D0EH8by9
>>324
たぶん死者蘇生の技術という部分をかけてるんじゃね?

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 23:16:48 ID:qtRFCuET
>>323
自分はアルハザードと聞くたびに『エ』ルハザードが思い浮かびます。


プレシアがエルハザードに流れ着いてたりして…………

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/15(木) 23:22:27 ID:xmgsol/d
GJしかし本当に色々な所で言われているがレイジングハートって
出所は何処なんだろう?ユーノは知ってんのかな?何気にガリューがカッコいいぜ。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 00:18:56 ID:zdutnJi6
>>329
エルハザードって……。

一瞬、ファトラとはやてがはちあわせするシーンを思い浮かべてしまったじゃないですか(w


332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 00:38:05 ID:tzVuwEFo
名前はむしろソレの敵対者なんだが、どうしてもその奥には
深淵なる無帽に燃える三つの瞳と尽きぬ嘲笑を浮かべた神様がいるような気が……

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 00:43:17 ID:tzVuwEFo
無帽じゃなくて無貌だ、連投すまん

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 00:55:31 ID:R1rnFEux
ほらほらここは投下スレだよw
雑談はやめなさい!

雑談はウロスでな。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 05:30:24 ID:cEMHmOiv
>>333
……無帽な無貌の神も居るぞ、18歳未満お断りな世界にな(朝夜を隠しつつ)

336 :一尉:2008/05/16(金) 11:49:29 ID:KTXfhLbc
朝夜支援。

337 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 17:33:59 ID:omcefBER
十八時から、なのはMissng三話後編を投下します。

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 17:44:50 ID:zO6fOMvC
人界の魔王支援

339 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:00:26 ID:omcefBER
魔法少女リリカルなのはMissing

第三話 後編

「お疲れ様でしたー!」
「はい、お疲れ様。明日も訓練あるから、しっかり休んでおくこと」
「はい!」
「それじゃ、解散」



「あー、疲れた。しかし何度やっても慣れないものねー」

 訓練場から隊員寮までの道の途中で、ティアナは気だるげにそんなことを言った。
「本当にね。でもなのはさんはやっぱりすごいよねー、全然疲れた顔見せないもん」

 フラフラとおぼつかない足取りで隣を歩きながら、スバルがそれに答える。
 後ろにはエリオとキャロもいるが、二人とも歩いているだけで精一杯のようで、会話に入って来る様子はない。

「ところでティアナ、足は大丈夫なの?」

 思い出したようにスバルがそう言った。

「え? ああ…」

 今日の訓練中、ティアナは足をひねってしまったのだ。
 全く痛みは残らなかったのでそのまま放置したが、今言われてみると、突っ張るような痛みが右足にあるのに気付いた。

「まぁ、多少痛むけど、大したことないわよ。多分朝には引いてるでしょ」
「うーん、大丈夫? 念の為シャマル先生に診てもらった方がいいんじゃない?」

 ティアナの答えに、スバルは尚も心配そうだった。

「あー、そうね。じゃあ湿布か何かもらって来るわ」

 煩わしくはあったが、ここで意地を張って言い合うのも面倒なので、そう答えた。

「一人で医務室まで行ける?」
「そこまで心配される程じゃないわよ」

 言って、「お気をつけてー」とゾンビのような声を出すエリオとキャロに手を振り、ティアナは一人医務室に向かう。


340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 18:01:04 ID:zO6fOMvC
支援

341 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:01:52 ID:omcefBER
 しかし、

「……だるっ」

 一人になって数分、ティアナは後悔しかけていた。
 予想以上に、身体が重い。
 さっさと部屋に戻って休んだ方が、ひねった足にも良かったんじゃないかと思う程、疲労を感じていた。
 しかしここに来て帰るのも気に入らなかった。

「…湿布もらうだけだし…」

 自分に言い聞かせるように言って、足を運ぶ。
 しばらくして、医務室が見えてきた。
 明かりが点いているので、中にシャマルはいるのだろう。これで留守だったら虚しすぎるので、とりあえずホッとする。

「シャマル先生? 少しいいですか? ……ってあれ?」

 扉を開けつつ、そう声をかけたティアナは、中の様子に思わず間の抜けた声を上げていた。
 室内には四人いた。

「あ、ティアナ。どうしたのこんな時間に?」

 一人は当然、ここの主であるシャマルだ。
 何故か左腕に包帯を巻いていて、右手で腹部を押さえていた。頬にガーゼも貼っている。

「いえ、少し足をひねってしまったので、湿布をもらいに…。あの、取り込み中でした?」

 その隣、部隊長の八神はやてと、傍らに立つシグナムに視線を送って訪ねる。

「ああ、大丈夫や。ちょっとみんなで話してただけやから」
「気にすることはない」

 二人して薄っぺらい台詞を言ってきた。

「…はぁ、それならいいですけど…」

 戸惑いながら室内に入り、不機嫌そうに眉をひそめている村神俊也に見る。
 こちらもやはり、腕や足に包帯が巻かれていた。


342 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:02:39 ID:omcefBER

「…本当に大丈夫ですか? 別にそんなひどいものじゃないんで、明日でもいいんですけど」
「大丈夫大丈夫。それより明日になってひどくなってたら大変よ。こっちに来て」

 今更びびり出したティアナに、シャマルが柔らかく微笑んで手招きする。

「…気にすんな。ちょっとした…喧嘩だ」

 不機嫌そうな雰囲気はそのままで、フォローするように俊也が言った。

(……? シャマル先生と村神さんが?)

 共に冷静に見える二人が、何をしたら争うのか分からなかったが、そこからは詳しく聞かなかった。
 気まずい雰囲気の中、軽く診てもらい、湿布を貼ってそそくさと退出した。

(…村神さん、シャマル先生と同じくらい強いんだ…)



 少し時間を遡って、場所も隊長室に移る。

「どういうことですか、村神さん?」

 窓ガラスを叩き割った俊也に、シャマルは剣呑な声で詰問した。

「この…手=cできそこない=H こんなモノの話は聞いていませんよ」

 床に落ちているできそこない≠示して、俊也を睨む。

「ちょ、シャマル落ち着いて。村神さんは私のこと助けてくれたんやで?」
 シャマルに支えられて立ち上がったはやてが、何とかフォローしようとするが、

「はやてちゃん。最初の説明で嘘を吐いていたこの人を、信用しろと言うんですか?」
「ああもう、そう言われると詰まるんやけど…。俊也さん?」
「…別に、あの時は言う必要がなかっただけだ。嘘を吐いた訳じゃない」

 俊也の態度からして無理そうだった。


343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 18:02:51 ID:zO6fOMvC
メルヘン支援

344 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:03:18 ID:omcefBER

「そのせいで今はやてちゃんは襲われたんですよ。知っていたら何か対策が取れたかもしれないのに」
「不可能だな。こいつらの対策なんて…。現に魔法だって通じなかったじゃねぇか」
「っ、このっ!」

 事実とはいえ、あまりにも不遜なその言い方に、シャマルは指輪…クラールヴィントを向ける。

「シャマル!」
「…はやてちゃんは離れていて下さい」

 普段の彼女からは想像も出来ない、低く、冷徹な声が響いた。

「少なくとも捕らえた状態じゃないと、この人と話すつもりはありません…!」

 はやてを押し退けつつ、バリアジャケットを身に纏ったシャマルを見て、はやてはもう止めるのは困難だと判断する。
 だが止めない訳にもいかない。

「シャマルお願いやから…」
「勝手なこと抜かしてんじゃねぇぞ…!」

 その時、俊也がそう言うのが聞こえた。

「はいそうですかと無抵抗のまま終わると思ってんのか?」

 苛立った表情で、俊也はシャマルを睨み付ける。
 そこから感じられる、人として壊れた∞何か≠ヘ、半分脅しだったシャマルを本気にさせるには十分なものだった。
 そして、

「ではどうぞ、存分に抵抗して下さい。実力で拘束しますから」
「上等だ!」

 それが戦闘の合図だった。
 会話しながら準備しておいた拘束魔法、『戒めの鎖』がクラールヴィントから伸び、俊也の身体に絡み付く。


345 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:03:58 ID:omcefBER
 ワイヤーのような細い光は、本来捕縛対象の魔力の発露を阻害するものだが、別に普通のバインドとしても使えるのだ。
 だが、

「なっ!?」

 身体にワイヤーが食い込み、激痛を与える中で、尚も力を加えて引きちぎろうとする俊也を前には、この魔法は弱すぎた。
 魔力の光と共に僅かの血を散らしながら、俊也の身は自由となる。

「っ!」

 動揺。
 その隙を逃さず、俊也は一気に距離を詰めて蹴りを放つ。
 顔面目掛けて飛んできた足を右腕で受けて、シャマルはたたら踏むように後ろに下がった。

(この男…!?)

 BJの上からでも痺れるような感覚を残すソレに、シャマルは確信する。

(殺す気で来てる!)

 その間にも俊也は攻撃してきた。
 撃ち抜くような右の拳を防御魔法で防ぎ、牽制として再度指輪からワイヤーを伸ばす。
 距離さえ取れれば、バインドの連続で押し込めるという考えも、一応はあった。
 その計画は半分程成功する。
 俊也は後ろに飛び退き、そしてそこで意図的にワイヤーに左腕を突っ込んだ。

(半分賭けだが、いける!)
(何の意味が…っ!?)
「なっ!」
 今度のワイヤーは、そう簡単にちぎれないように調節してある。それを俊也が読んでいたかは分からないが、とにかくそれは裏目に出ることとなった。
 ワイヤーを腕に絡み付かせた俊也は、それを思いっきり引っ張ったのだ。
 それによってワイヤーは更に皮を裂き、肉に食い込むが、クラールヴィントを…シャマルを引き寄せることに成功した。
 そして今、バインドの準備をしていたシャマルに防壁はない。

「っらぁ!」

 先程外した右ストレートは今度こそ、避けようと顔を反らしたシャマルの頬に命中する。

(このっ!)


346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 18:04:12 ID:zO6fOMvC
支援

347 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:04:45 ID:omcefBER
「ちょっと、二人共やめい! これ以上はシャレにならんて!」

 はやての怒鳴り声も、既に二人は聞いていない。
 互いが互いを敵≠ニ認識している今、例え彼女の言葉だろうと二人は止まらない。

(距離は取れない。このまま押し切る!)
(『戒めの鎖』はまだ維持してる。一撃もらってでも強引に捕らえる!)

 ほぼ同時の思考、そして行動。
 俊也は今の体勢から最も狙いやすい、シャマルの腹部に渾身の蹴りを放とうとし。
 シャマルはあえてそれを受け、その後動きの止まる一瞬を狙った、幾重のバインドを用意する。

(これで!)
(終わりよ!)

 丸太を思わせる俊也の蹴りが、突き刺さるようにシャマルに炸裂し、跳ね飛ばされながらもシャマルが起動した、全方位に浮かんだ魔方陣から伸びた『戒めの鎖』が、引きちぎらんばかりに俊也の身体を縛り上げ、

「あぐっ!」
「くっ!」
「そこまでだ!」

 動きを止めた。
 鋭く発せられた声の方を見ると、入口にレヴァンティンを構えたシグナムが立っていた。
 いつの間にかはやてが呼んでいたらしい。
 BJこそ纏っていないが、その表情は真剣である。

「何の騒ぎだ!? これ以上主を困らせることは私が許さん!」

 僅かな隙も見せず、シグナムははやての隣まで移動する。

「お怪我はありませんか?」
「わ、私は大丈夫や。それよりシャマルが…村神さんも…!」
「分かっています」


348 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:05:24 ID:omcefBER

 小声で簡単にはやてとやり取りして、シグナムはシャマルに言う。

「彼の拘束を解け」

 しかし、口の端から血を零しながらもシャマルは首を振った。

「…っう! あの人は…っ!」
「私がいる。どちらにしろその状態では長くは持たないだろう」

 ゴホリと咳き込み、上目遣いでシグナムを睨んでから、シャマルは全ての『戒めの鎖』を消した。
 ドサリと俊也が床に落ちる。一つ一つの傷は大したことはないが、全身にその傷がある為、パッと見かなりの出血量に見える。

「…くそっ…!」
「動くな」

 舌打ちしつつ立ち上がろうとした俊也に、シグナムは剣を向ける。

「この…白い腕について、お前は知っているな?」

 床に座った俊也の背後に落ちているできそこない≠示して、シグナムはそう聞いた。

「ああ、知ってるよ」
「…今は治療が先だ。それが終わったら話してもらうぞ」
「……この場にいるメンバーだけに、って条件なら、こいつに関してだけじゃなく、前にこの二人に説明した時に言わなかったことを、全て教えても構わない」

 かなり不満そうではあったが、とりあえず俊也は答えた。

(結局何か誤解されたし、はやてとシャマルに感染≠オた物語≠探るには仕方ないか…)
「私達が他の人間に話すのは?」

 俊也の言い方に何か感じながらも、確認としてシグナムは聞いた。
「あり得ない」

 見据えるようにシグナムを見上げ、俊也は断言する。

「話を聞いてまだそんなことを思うのならやってもいいが、その時はどうなっても知らん」
「…わかった。主はやて。とにかく二人を医務室に」

 納得した訳ではないようだが、シグナムはそう言って会話を終わらせた。
 シャマルは床に横たわり、完全に意識を失っていた。


第三話 完


349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 18:05:25 ID:zO6fOMvC
支援

350 :魔法少女リリカルなのはMissing:2008/05/16(金) 18:08:32 ID:omcefBER
こんな感じで投下完了。
初めての戦闘シーン、甘く見てました。
こんなに書くのがむずいとは思わなかったです。
今更ですけど、俊也とギンガの話を交互に投下していこうと思ってます。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 18:15:02 ID:zO6fOMvC
GJ!でした。面白くなったきましたね。
原作を知らないのでよくわかりませんが、
話さなかったのには理由があるんでしょう。
魔法も敵には通用しそうにないし。
ギンガのほうにも期待です。詠子さんの活躍もみたいし。
そしてスカ博士たちはどんな立場になるのか。
科学は通用しそうにないです。
では続きを待ってます。

352 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/05/16(金) 18:35:05 ID:5YcUiZ9n
>>351

多分ですけど、話さなかったのは「物語は『感染』する」からだと思います。
Missingの怪異はその怪異について知らない人には基本的に認識できず影響も及ぼしません。
怪異について怪談や書物によって知って始めてその人物の前に現れます。
そしてその怪異を知ることを「感染」と作中で表現しています。
逆に言えば誰もそれについて知らなければ怪異は存在できないのです。

353 :一尉:2008/05/16(金) 18:42:40 ID:KTXfhLbc
怪異は存在していない支援

354 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 19:56:42 ID:R1rnFEux
今予約は空いているでしょうか?
九時くらいからちょっと新作というかウロスがネタになった作品を投下したいのですが。
よろしいでしょうか?

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 19:59:34 ID:PuCRmXTe
>>354
おk。バッチ来い。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 20:00:51 ID:vIn89naf
インディーなスカですかw支援www

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 20:21:01 ID:zO6fOMvC
あれが来るのかw支援しますよ。

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 20:33:58 ID:YadCPxjK
軽い気持ちでレスしたものが作品になると嬉しさより戸惑いが大きい支援w

359 :スカ博士と奇妙な冒険 ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:01:27 ID:R1rnFEux
そろそろ投下してもよろしいでしょうか?
レス数は9 容量は14KBです。
タイトルはこれですが、クロス先はジョジョではありませんw

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:01:58 ID:4b3qOBDs
インディー・スカ 支援

361 :スカ博士と奇妙な冒険 ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:03:36 ID:R1rnFEux
投下開始。支援お願いします!
 
 走る、走る、走る。
 人は何故走るのか。
 そして、何故走っているのか。

「知っているかね? ユーノ君」

「知らないですよぉおお!!! その前に走って、もっと走って!!」

 ふむ。
 徒然冷たい少年だ。
 私は今も全力疾走中だよ?
 例え後ろからゴロゴロと巨大な岩が転がってこようとも、ばさばさと翻る白衣にちょっと衣替えしたほうがいいんじゃないだろうか? と反省しながらも、私は全力で走っている。
 そう、走っているとも。

 ――死にたくないからね!

 地面を蹴る。全力で蹴る。
 床を蹴る。時折つまづく、されど根性で持ち直す。
 負けるな私! 死ぬな私! おぉおおおおお!!!

「は、博士ぇえええ!! 前に崖が!!?」

 なんだと!?
 視点変更。酸素不足で霞む視界を上に上げて、奥へとロックオン。
 見れば前に崖。

「む!? よくよく考えてみれば、この先はマッピングしたら崖だった場所では?!」

「気付くの遅いですぅうううう!!!」

「しょうがない! 私も時折うっかりさんだ!!」

「開き直るなぁあああああ!」

 しかし、参ったな。
 この遺跡内部で発生している重力場で飛行魔法は使用不可能、このままだと墜落死。そうじゃなくて圧死になることは確実。
 後ろでゴロゴロ巨石が迫り、前には崖。
 ふむ? こういうのが前門の崖、後門の巨石という奴だな。
 だがしかし! こんな時に閃くのが天才だ!!

 というわけで閃いた!
 
「ユーノ君! フォームチェンジだ!!」

「え?!」

「さっさと愛らしい獣になりたまえ!」

「は、はい!」

 隣で同じく全力疾走していた法衣姿の少年が、瞬時にミニマムサイズのフェレットに変身する。
 うむ、さすがはマスコット!

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:04:26 ID:YadCPxjK
うっかりさんww支援

363 :スカ博士と奇妙な冒険(2/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:04:40 ID:R1rnFEux
 
 しかし、その愛らしい姿を見る暇もないので、即座に片手で鷲掴み。

「ほえ!?」

 そのまま白衣のポケットに押し込んで、左脇に抱えた宝箱を握り締め、さらに全力疾走。
 崖へ、崖へと駆け出す。

「ちょ、ちょっと、博士えええええええええ!!!!?」

 迫る崖。
 迫る巨石。
 そして、私は崖の先端で――跳んだ。

「とぉおおおおおおおおお!!!」

 浮遊感。
 重力を振り切って空に舞い上がるような感覚――錯覚。
 足元に広がる無限の闇。
 それらにうっとりとしながら、私は右手を伸ばす。
 魔力素吸収、及び変換。
 体内リンカーコア活性化。
 脳内で作り上げたイメージ、具現化。
 我が手に奇跡を作り上げる!

「伸びたまえっ!!」

 魔力結合を行い、作り上げた赤い魔力弦が落下しつつある私の右手から伸びた。
 それらは私の意思に従い、狙っていた引っ掛かりに絡みつく!

 ――よし!

 重力に従い、加速する体。
 振り子のように飛びながら、私はこう叫んだ。

「ぁ〜ああ〜!」

 崖の上を滑空しながら、私は雄たけびを上げた。

「スカ博士ぇええええええ!!」

 すまん。
 やってみたかっただけだ。



 スカ博士と奇妙な冒険
  実験1 魔法の石を手に入れろ Pert 1

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:05:32 ID:4b3qOBDs
支援

365 :スカ博士と奇妙な冒険(3/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:06:47 ID:R1rnFEux
 
「ふー」

 僕はお茶を片手に息を付く。
 どうにかこうにかトラップを潜り抜け、僕と博士は遺跡を脱出しました。
 今日も生き延びました。ありがとう、命。ありがとう生命。
 そして、日課の遺言状を作ろう。

「デバイス展開」

 胸元に入れた補助用デバイスを起動。
 思考結合し、脳内に思考した内容を記録するためのモードを記録する。
 日々遺跡から帰るたびに更新しているこの遺言状は日々死に掛ける日常から、家族へと送るためのビデオレターだ。
 正直こんなのには頼りたくないが、いつ死んでもおかしくないしね。ふふふ。
 っと、こんなのも記録に残ってしまう。
 本題に入ろう。
 僕の名前は、ユーノ・スクライア。
 今横で工具を手に、宝箱を解体しようとしているジェイル・スカリエッティ博士の保護者兼助手をやっています。
 え? 保護者なのに助手はおかしいって?
 いや、そうですね。普通はそう思いますよね。
 でも、これには事情があるんです。
 今横で手回しドリルで箱に穴を開けようとしている博士と僕の出会いは一年ほど前になります。
 ある日、僕は遺跡荒ら……ゲフンゲフン! 考古学者一族として有名なスクライア一族から出て、一人前の学者となるべく
各地の遺跡の調査や発掘に携わり、独自にレポートや売却ルー――ごほごほ! 失礼。
 えっと、成果を報告し、発掘作業のスポンサーになってくれる人などを探して旅をしていました。
 そんなある日、僕は情報屋から手に入れた未発掘の遺跡の情報を耳に、ある管理外世界の遺跡に足を運びました。
 違法――いやいや。あまり知られてない転送ポットを使い、管理外世界に転移し、手に入れた情報と地図を頼りに次元世界を
歩き回り、遺跡を探してキャンプをしていた時です。
 僕は博士と出会いました。

 そう、出会いは――ドロップキックから始まりました。



366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:07:07 ID:sRwO3q6/
支援

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:08:38 ID:4b3qOBDs
遺言状w 支援

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:09:13 ID:YadCPxjK
ドロップキックから始まる出会いww支援

369 :スカ博士と奇妙な冒険(4/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:11:38 ID:R1rnFEux
 
 釣りで手に入れたお魚をクルクルと焚き火で焼いているところを、突然襲来した影(後に博士だと知ったのですが)に真横から蹴り飛ばされました。
 そう、ドロップキックです。
 しかもピンポイントに顔面直撃コースでした。
 悲鳴を上げる間もなく、吹き飛ばされた僕がゴロゴロとキャンプしていた丘から転げ落ち、何が起こったのか判断する暇もなく
よろよろと見上げた僕の視界に映っていたのは凄い光景でした。
 真っ裸に白衣の男が、ガツガツと魚を食っている光景です。

 な、なんという世紀末!

 と思わず僕は叫び声を上げてしまい、その声に反応したのか、その男(博士)は魚の頭を噛み千切った後、僕に目を向けました。
 そして、なんといったと思いますか?

「食べるかね?」

 と、魚の骨を突き出してこう言ったんですよ!
 しかも僕が釣った魚で、僕が調理した魚なのに!
 僕は怒りました。さすがに冷静で、優しい僕でも切れます。反抗期です。
 ズンズンと歩み寄り、一応紳士として全裸な男の人(博士)に予備の着替え(さすがにサイズ的に短パンになってしまいましたが)を渡し、
その後僕は襲い掛かりました。
 砲撃魔法は苦手だけど、腐っても魔導師です。
 障壁張ってのバリアパンチです。
 そして、そんな僕に男の人――ええい、めんどうくさい博士でいいや。博士は素手で立ち向かってきました。
 野蛮人です。
 けど、強かったです。
 まさか僕の全力を篭めたバリアパンチが平手で受け止められるとは思いませんでした。きっとあの人はいつか大剣を片手で受け止める猛者です、間違いない。
 と、それはともかく喧嘩です。
 或いは決闘です。
 わーわー言いながら、気が付けば川の辺りで殴り合ってました。
 決着は夜明けの綺麗な朝日の下でした。
 お互いに力尽き、最後はクロスカウンターでダブルノックアウトです。
 友情が芽生えました。
 沸かした川の水でお互いに飲んだコーヒーは口の切り傷に染みましたが、最高に美味しかったです。
 っと、脱線しましたね。
 まあそんな感じで回復魔法などをかけながら、僕は博士に聞きました。

「貴方一体誰ですか?」

 と。
 すると帰ってきた返事はこうでした。

「ふふふ、私も知らん!」

 胸を張るなと殴りました。
 けど、クロスカウンターが決まりました。またお互い倒れました。

370 :スカ博士と奇妙な冒険(4/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:13:04 ID:R1rnFEux
 
 無駄に時間を掛けながらも、その後詳しい事情を聞くとなにやら大変な事情らしく。

 1 気が付けばなんか白い建物に居た。
 2 頭がとっても痛く、後頭部にこぶが出来ていた。
 3 あーだ、こーだと白衣を着た変態っぽい男たちがこっちを見て言っていたのでむかついたから殴った。ついでに白衣を奪った。
 4 なんか騒ぎになったので逃げた。
 5 何故か操作が出来たので、その建物にあった転送ポットを適当にいじってここに来た。
 6 後は腹が減ったので、歩いていたら魚を焼く子供が居たので襲った(これ、僕のことです)

 だ、そうです。
 犯罪者かなにかだったのでしょうか? まあどうでもいいですけど。
 そして、その後僕は後で管理局にでも通報してあげますよ。
 と優しくいったのですが、博士は自分の面倒は自分で見られると言いました。

「どうやって?」

「ふむ? 君にたかってかな?」

 ふざけるな。と思いましたね。
 とりあえず放置して、さっさと目的の遺跡を探って管理局が来る前に逃げようと思ったので僕は出発の準備をしました。
 すると、博士は「おや? そんな荷物で何をしにいくのだね?」と言ったので。
 僕はめんどうくさいので「これから発掘に行くんですよ、僕考古学者ですから」と言いました。
 その時、博士は何をとち狂ったのか「よろしい。ならば手伝ってあげよう」と言いやがりました。
 僕は説得しましたね。
 ジャマだ、危ない、むしろ足を引っ張るな、ていうかあなた何が出来るんですか? と。
 怒っていたのでちょっとばかり口が悪いですが、まあそんな感じに言いました。
 しかし、博士はニヤニヤ笑って「まあまあ足手まといにはならないさ」と言いました。
 これはもう無理だと僕は諦めて、まあ遺跡のトラップで死んだら葬ってやろうと心の片隅で思いました。

「もういいです。それじゃ連れて行きますけど、あなた名前は?」

「む? ……そういえば名前も知らないな、私は」

「そうすると呼ぶのに苦労するんですけど? ずっとあなたとかお前って呼ぶわけにもいかないですし」

「そうだな。それでは――“博士”と呼んでくれたまえ」

 何故博士が博士と呼べといったのか聞いてみると、「私は頭がいいからだ。ついでに白衣だし」という返答が返ってきました。
 はい、これが僕がジェイル・スカリエッティさんを博士と呼ぶようになった切っ掛けです。
 ちなみにジェイル・スカリエッティという名前は後に博士がてきとうに町の看板とかを見て決めました。凄いてきとうです。


371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:13:16 ID:4b3qOBDs
肉体派w 支援

372 :スカ博士と奇妙な冒険(6/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:15:56 ID:R1rnFEux
 
 まあそんな感じに博士を連れて遺跡調査に行ったのですが、今横で箱に聴診器を当てている博士を見れば分かるように無事に調査が終わりました。
 意外にも鋭い知性と卓越した身体能力で遺跡のトラップを掻い潜り、最後には僕と一緒に謎を解き明かし、遺跡の財宝を手に入れ――いやいや、発見しましたよ?
 足の付かない物だけを選んで売り飛ばし、残りはスクライア一族と手に入れてもやば過ぎるロストロギアの通報にコネのある管理局の人へと連絡をして、
管理局からは謝礼金などを貰いました。
 懐が暖まったので僕は近場の管理世界で博士の服を買い、博士は遺跡で手に入れたカギヅメ型のストレージデバイス(骨董品で価値が低い)に喜んでました。
 久々の大物に祝杯を上げながら、僕と博士は笑ってご飯を沢山食べました。
 未成年だけど気分がよかったのでお酒も飲みました。博士も飲んでました。
 そうです、それが失敗でした。
 お酒を飲んでべろべろになり、そして目が覚めると博士が笑ってました。
 手にはなにやら一枚の紙が。
 それは細かいことを要約すると、僕が博士を専属で雇うという雇用契約書でした。しかも、既にスクライア一族にも送信済みという恐ろしい手際です。
 どうやら僕がスクライア一族への連絡した時に手段とやり方を学習した模様で、恐ろしい頭脳です。
 酔いが一気に醒めました。
 イヤだ断る! と僕は抵抗しましたが、博士はニヤニヤと紙を突きつけながら「まあまあ、一緒に冒険の旅に出ようじゃないか!」と言ってきました。
 僕は抵抗しました。頑張りました。
 けど、無理でした。
 しょうがないと諦めて、まあ有能な人だからいいかと半分自分の心を納得させました。
 そうして、僕と博士のコンビは結成されました。
 これまでの一年は沢山の冒険です。
 質量兵器で武装した秘密結社に追われたり、謎の秘宝を巡って未管理世界の呪術師と戦ったり、
 或いは管理局の武闘派に濡れ衣の指名手配されたり、伝説の都アルハザードへの鍵を巡って未来忍者と戦ったり、
 目が醒めるような美人の姫を救うために馬に乗って荒野を駆け抜けたり、ライバルのトレジャーハンターと危ないロマンスの一夜を殺意満々で過ごしたり、
 次元震に呑み込まれて剣と魔法の世界で勇者と賢者として世界を救ったりしました。
 どれもこれもイイ思い出ですが、その分死に掛けました。
 けれど、そんな時にいつも一緒に危険を潜り抜けてくれたのは横で石を持って箱を叩き割ろうとするスカ博士で――って、ちょっとまて!?

「は、博士ー!!? 何してるんですかー!?」

 息を荒げて、今にも振り下ろそうとするスカ博士にしがみ付いて止める。

「止めるな! ユーノ君! こいつが、私に喧嘩を売っている!!」

「箱が開かないからって壊さないでくださいよぉおお!!」

「私に解けない謎があってはいけないのだ! そう、これは世界の意思だ!」

「意味が分からない?!」

 しばらくジッタンバッタンと争いましたが、なんとか僕は博士を落ち着かせることに成功しました。
 具体的には顎へのバリアパンチです。最近は僕も逞しくなってきたので、不意を突けば倒せます。

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:16:14 ID:+Lr5UEiC
支援

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:17:20 ID:vIn89naf
全裸白衣は新しいフロンティアだw支援

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:18:00 ID:4b3qOBDs
支援

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:19:14 ID:PmPQa3Yx
全裸白衣w支援

377 :スカ博士と奇妙な冒険(7/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:19:46 ID:R1rnFEux
 
「えっと、それでこの箱が開けばいいんですよね?」

「うむ。しかし、遺跡の中にあった鍵では開かず、しかも色んな工具を試したが歯が立たない」

「ちょっと貸してください」

 箱を手に取る。
 豪奢な装飾の施された宝箱。先ほど潜った遺跡の最奥にあった宝である。
 鍵穴は一つ。単純そうに見えるが、かなり複雑な機構のようだ。
 ――腕が鳴るね。

「ちょっと試します」

 私服の下に付けたピッキングツールを取り出す。
 幾つかの金具を鍵穴に嵌め込み、同時に専用で作った解析魔法を脳内演算術式に任せて起動。
 鍵穴の構造が見える。どうやら物理的な魔法は弾くが、解析魔法に対する処理は施されていない。
 ニヤリと笑みが零れる。
 視えた構造に沿って金具を嵌めて、ピンを外していく。
 カチャカチャと数秒も掛からずにガチンと陥落の音が響いた。

「開きましたよ?」

「つくづく君は遺跡荒らしや盗賊に向いていると思うね」

 失礼な。
 これでも立派な考古学者です。

「それじゃ開けますよ?」

「気をつけたまえ。トラップの可能性もあるからね」

「分かってます」

 伊達に十数回以上遺跡を調査していない。
 王族の呪いにかかって泣きながら供養したのもいい思い出だ。
 バリアジャケットを展開、さらに障壁も展開。念のため精神防御のためにカウンタープログラムを脳内に展開しておく。
 そして、ゆっくりと箱の蓋に手をかけて――

 パカッと開いた。

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:20:54 ID:4b3qOBDs
支援

379 :スカ博士と奇妙な冒険(8/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:21:36 ID:R1rnFEux
 
「え?」

「おや?」

 開いた宝箱。
 そこにあったのは財宝でも、呪いでも、罠でもなく――赤い宝玉だった。

「宝石、じゃないな?」

「これはもしかして――」

 宝玉を手に取る。
 魔力を流し、想像通りにイメージを展開。
 溢れる光と共にその手にあったのは赤い宝玉ではなく――黄金の戦杖。

「デバイス?」

「古代文明が作ったデバイスかね」

『YES Master』

 僕と博士が首を捻った瞬間、聞こえたのは美しい電子音。
 まさか、インテリジェントデバイス?!

「ほうほう、興味深いな」

「これは、売れないですね……管理局に技術提供するっていう手もありますけど、僕らの情報が残ってしまいますし」

『WHAT!?(え!?)』

 なにやら驚いているデバイス。
 うるさいな、僕らは調査とお金のために頑張っているんだ。
 正直言ってデバイスなんて手に入れても困る。

「そうだなー、私は個人的に分解してみたいな。いい研究材料だ」

「まあもう少し調べてからですね」

 使い道があれば生かしておこう。
 じゃなかったら博士に渡そう。なんか素敵なアイテム作ってくれるかもしれないし。

『……HELP(助けて)』

 助けを求められても困る。
 だって僕デバイス持っていても意味ないし。
 博士は魔法が下手だから未だに魔力弦と小さな障壁しか展開出来ない人だし、それで満足してるし。
 宝の持ち腐れだよね。

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:22:57 ID:4b3qOBDs
レイハ、いらない子なのかw支援

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:23:53 ID:YadCPxjK
なのはさんに尽くす意味が解ったw支援

382 :スカ博士と奇妙な冒険(9/9) ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:24:06 ID:R1rnFEux
 
『Help! I need somebody!(助けて! 私は助けを求めています!)』

 ニヤリと僕と博士が手の中のデバイスを見て、微笑んだ時だった。

 ――ピッ。
 胸の中に入れている補助用のストレージデバイスから電子音。

「おや? 連絡かね?」

「メール、かな?」

 僕がいそいそとデバイスを操作し、その内容を確認する。

 それは管理局からのメールだった。

 そして、それは僕たちを新たな冒険へと誘う矢印であり、僕が巻き込まれる未曾有の大事件の始まりだった。

 始まりの石、ジュエルシード。

 あらゆる願いを叶える魔法の石。
 
 狙うは秘密結社か。
 
 謎に包まれた女魔導師か。


 それを巡る冒険が今始まる。



383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:24:46 ID:4b3qOBDs
支援

384 :スカ博士と奇妙な冒険 ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 21:28:50 ID:R1rnFEux
投下完了ですw
クロス元はインディ・ジョーンズ! 冒険映画で有名なビックタイトルです!
ウロスで話題になっていたので、冗談を真面目に取ってみましたw
時間軸としては一期以前、ユーノがジュエルシードを発掘した話になる予定です。
謎に包まれたインテリジェンドデバイス、レイジングハートが鍵になる?!

――わけがありませんw 彼女(?)は二人のトレジャーハンターのツッコミに、そして彼らが振るうバット(まて)として大活躍させますw

ギャグ満載。
アクション満載。
お色気もあるよ? な軽い作品になるので、どうか今後共よろしくお願いします。
肉体派冒険家スカ博士と知能派策士ユーノといじめられデバイスレイハさんの冒険をお楽しみ下さい!


385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:31:52 ID:sRwO3q6/
>>384
GJ!
まさかのスカ博士とユーノのコンビwww
この二人は好きなキャラなのでwktkが止まらないwww

あとエンドライン読んで気になったのですがユーノは無限書庫司書「長」ですよー

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:32:33 ID:4b3qOBDs
GJでした!こういうスカ博士も良いなーw
あとレイハさんがかわいいです。
では次の冒険を楽しみにしてます。

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:32:55 ID:YadCPxjK
スカとユーノの大冒険GJw
ウロスネタでここまで書ける腕と想像力に脱帽
作者自身楽しんで描いた感が伝わってきたよw

ここから本編に繋がったらなのはさんも肉体派に染まりそうな気がするww

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:33:40 ID:vIn89naf
GJ!!です。
このスカ博士はデリカシーが無くて、プレシアの格好見てユーノとプレシアの前で、
性欲を持て余すとか胸とかへそとか獣のような眼をして言いそうだwww
しかも、頭がいいから研究で行き詰った時には交換条件で手伝ったりしそうだw

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:37:08 ID:PmPQa3Yx
GJ!
この博士はとりあえずどつきまわした方がw

390 :一尉:2008/05/16(金) 21:37:11 ID:KTXfhLbc
交換的な支援

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 21:54:05 ID:mBMzaKjn
GJ.この博士は違う意味で全次元に悪名をとどろかせそうだ。

392 :リリカル無双:2008/05/16(金) 21:58:57 ID:4+nTHn6p
職人の皆様GJです。

無双NANOHAの第1章が出来たので投下よろしいですか?

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:03:20 ID:vIn89naf
支援

394 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:05:05 ID:4+nTHn6p
闘うための力……。

次元世界には別けて二つの特性の力が存在する。

一つは『魔法』。
かつて次元世界では質量兵器が主な武装ではあったが強力な反面誰にでも簡単に扱えるデメリットがあり禁止とされて。新たに魔法による力を獲得した。
杖とも言われる『デバイス』を手に力を振るう。

そして、もうひとつの力が。

『無双』である。


無双は魔法を使わず。魔法を越え、他に並び立たない力。
魔法文明が始まってから発見された力でこれは生まれ持った素質で扱えるかが問われる。
それは簡単でいて難しかしい。
一対多数での戦闘に置いてどう闘えるか。で判断される。
それゆえ、無双を扱う者は100人居るか居ないか。魔導師に比べれば数が少ない。
時空管理局にはその半分以上の無双達が在職し、今日いたって陸・空ともに活躍している。

山岳区画無双部隊『蜀』部隊長 劉備玄徳 一等陸佐。
湾岸区画無双部隊『呉』部隊長 孫堅文台 ニ等空佐。
陸士003部隊隊長 徳川家康 三等陸佐

本局混成部隊『魏』総指揮 曹操孟徳 提督
次元航行部隊 織田信長 執務官とその補佐、豊臣秀吉と明智光秀。

陸士103機動部隊部隊長 武田信玄 二等陸佐
第005航空機動部隊部隊長 上杉謙信 一等空佐

これらが管理局でその場所を手に入れた無双達だ。

……そんなある日、最近創設されたばかりの部隊『機動六課』が新たに分隊を作る為に部隊長・八神はやてが魏呉蜀、秀吉、陸士103それぞれに人員貸与の話を持ち掛ける。

無双の部隊長は快く承諾し。無双を送りだし、彼らが今日機動六課にたどり着く。
そして八神はやてはこの日、最強の傾奇者であり、大切な家族である一人の無双のを迎えるために彼の元へ赴いていた。


無双NANOHA 魔王再臨 第1章「集いし無双の者達」



395 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:07:10 ID:4+nTHn6p
「機動六課ねぇ……。」

※ミッドチルダ北部のとある屋敷。

長い金髪をだらしなくおろしている男性が畳敷きの床でキセルを吹かしながら呟く。

「そうや……管理局はいつもいつも後手になってしまうから。今度は先手を打てるような精鋭部隊を創ろうって思って。今、出来たばっかり。」
「むー慶次さん、タバコばっかり吸ってないでちゃんと聞いて下さい!」
そう告げるのは管理局の制服をきた栗色の髪の少女と彼女のユニゾンデバイス。聞けばその新設部隊の部隊長になったらしい。

えらくなったもんだ。
「わりいリイン、つい癖でな。ふー」

「けほっけほっ」
妖精のような大きさの彼女に慶次は微笑みながら煙を吹き出し、近くにあった火鉢の縁にキセルをカンカンと叩いて灰を捨て。男はキセルを懐にしまう。

「で、一介の傾奇者の俺になんの用なのかね?はやて」

むっ……。

その言葉にはやてとリインは途端に眉を吊り上げて彼に詰め寄る。
「ミッドチルダに来てから急に出てったん誰やったっけ。心配してたんやで?」
「そうです、リインを騙して水のお風呂に入れさせたこと忘れたなんて言わせませんですよ!」
だが、その反応は慶次にとって逆に彼女らへの親しみさから笑って答えてしまう。
「ハーハッハッハ、そういえば、そうだったねえ。ま、家族に何も言わず出てって悪かったな。」


「もう……。今日は慶次のスカウトに来たんや。みんなも会いたがってるし。慶次以外にも無双の人もおるし。どうかな?」
「そりゃ面白い御仁がいそうだねぇ……。」
親しい知り合いへ笑顔を見せてそう述べたはやてに慶次は顎に手をそえて呟く。

なんだか必死だねぇ。

さっきから彼女の目を見るたびにそんな印象が隠れているように見える。

「まあ、色んな部隊に雇われてあちこち行ってきたしな……。今度は、他でもない家族の八神はやてやってるって部隊で傾かせてもらうぜ。」
彼女の本質を再び見極めたくなった……。
惚れた主人が今、何を見て何の為に闘っているのか。慶次はそう思いながら嬉しそうにしている彼女らに微笑む。

「またよろしくな。お二人さん。」
「うん、よろしくな。また松風に乗せてな。」
「あ、リインも乗りたいですー♪」



396 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:11:20 ID:4+nTHn6p
「うっし。じゃあ、その六課に行くついでだ。今松風に乗せてってやるぜ。」
「今って、部屋の中で呼ぶ気なん!?」
「えぇっ!?」
血相を変え、慌てて聞くが既に遅く慶次はピュイッと口笛を吹き−−。

ドカーンッ!!

突如として三人が居た部屋の天井が音を立てて崩れて、荒々しい髦の馬が現れる。
「ブルッ!!」


「へ、部屋壊してますよ慶次さん!?」
「タァハッハ。なあに帰る家が出来たんだ。構わねぇさ。」
「はう……〃〃」
あわわとうろたえているリインの頭を慶次が指先で撫でて落ち着かせているのをはやては少し羨ましく思っていた。

良いなぁ。
私も昔みたく頭撫でてほしいけど。
「何やってんだい。はやて、さっさと捕まりな。」
「えっ!?」
慶次の声にハッと気が付くといつの間にか彼は金髪を後で纏め。既に松風に跨がって自分に手を差し延べている。
リインも慶次の肩に捕まっているのが見えた。

先程、松風により破壊されて天井には大きな穴が開いており蒼い空がそこから広がっているため、慶次の金髪がより輝かしく見え、はやてにはそれが彼らしく格好よく感じさせていた。

「う、うん……うわっ!!」
恥ずかしそうに慶次の手を取ると彼は勢いよくはやての手を引き、抱き上げる。いわゆるお姫様だっこの形で慶次ははやてを松風に乗せていたのだ。

「さぁて、その六課ってのはどっちかね?」

「ちゅ、中央区画の海の近くです〃〃」
「ほう、海の近くかい。粋だねぇ」
二人の状態に呆然としながらリインが答えると慶次は面白そうな笑みで唸る。

「うーし、松風。ひとっ走り駆けようかね?」

慶次の尋ねに「ああ」と頷いたかのように鼻を鳴らす松風。

「け、慶次……その。まさかこのままで空走るん?」
嫌な予感と今の状態が嬉しくもあるが複雑な気持ちで尋ねると

「天下御免の傾奇者と名馬。前田慶次と松風。これより機動六課へと馳せ参じるぜ!はやて、リイン。振り落とされんなよ!!」
そう叫んだ瞬間、松風は畳を踏み締め。果てしなく広がる蒼い天空へ高く跳び、走り出した。

「やっぱりいいぃぃぃぃぃ−−」
「きゃあぁぁぁぁ−−」




397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:11:51 ID:u6nqyy0m
慶次が家族ってなんかすげぇ!支援

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:13:11 ID:vIn89naf
六課に馬で帰るのかよw皆から驚かれるぞw

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:13:34 ID:vIn89naf
失礼、支援

400 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:14:13 ID:4+nTHn6p
※ミッドチルダ中央区画湾岸地区。 時空管理局 遺失物管理部対策部隊 機動六課。

松風が空を走っているころ、この隊舎のロビーに一人の青年が姿を表す。

「今日から着任だな……。」
肩まである長い髪を後ろで留めるその青年は玄関を見回しながら呟く。

ここで皆と闘うことになるのだな……。

新設された隊舎ということもあり、真新しい壁や床の照明を反射する輝きで青年は身を引き締め、不備のないように制服のネクタイを締め直し、整える。

「趙雲?」

聞き慣れた声を掛けられて、声の聞こえた方に視線を向けると、制服を着た赤毛の少女がこちらへと歩み寄ってきた。

「お、やっぱ。趙雲だ。」
目の前まで来て確認した彼女に趙雲は敬礼する。
「ああ、失礼いたす。本日から。遊撃として「ちょうど今ひよっこ達の訓練終わったところだ。陸遜も来てるぞ」
ひよっこ達?
着任の挨拶として取った敬礼の手を握っていた。
ひよっことは。フォワードの四人の事か……。

蜀から離れる時に六課について聞いていた話を思い出しながら趙雲は黙ってヴィータについて行く。


「他の遊撃はあと何人なんですか。」
そう尋ねているのは趙雲よりも早く、機動六課に来ていた無双の少年。

名は陸遜伯言。
年はフォワードメンバーの年長二人と同じ。
湾岸無双部隊『呉』に所属していたが、今回の八神はやての要請に孫堅は戦略に長け、さらに六課のメンバーとも親交があったこの少年を送って応えた。

「あとは……六人でしたよね?」

陸遜の質問を受けた無双メンバーの人数を右手の指を折り曲げて数を確認するシャーリーになのははコクリと頷く。

「うん。そろそろ来るころだと思うんだけど。」
「おーい。」
そこにヴィータの声が掛かり、振り向くと彼女達にとって懐かしい青年が彼女に連れられてやってくる姿が目に入り自然となのはは微笑む。

「あ、久しぶりだね趙雲くん。」
嬉しそうに言葉をかけてくれた彼女に趙雲も「ああ」と頷く。
「懐かしい顔触れとまた同じ任務に就けることを嬉しく感じるよ。」

「趙雲さんは何時こっちに来られたんですか?」
シャーリーの尋ねにヴィータは「さっきだよな?」と重ねて聞き、趙雲は頷く。


401 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:19:09 ID:4+nTHn6p
「先程、ロビーに着いたばかりのところで彼女と会ったんだ。」
「……そっか。よろしくね。趙雲くん」
ニコリと優しい微笑みを趙雲に向け、なのはは手を差し延べ。
握手に応じ、趙雲も彼女に微笑んで返事をする。
「また、よろしくお頼みもうす。なのは」



「呉蜀から一人づつ、という事は魏からも無双を呼んでいるのですか?」
趙雲が居て、自分が居ることでふと思ったことを陸遜はヴィータに尋ねる。
「ああ、惇兄と淵が来るんだって。今日、シグナムが空港まで迎えに行ってて。はやても大事な知り合いを連れて来るんだ。」

「大事なお知り合い、ですか?」
彼女の言葉で含みのある言い方をした言葉が気になった陸遜に聞き返され、ヴィータは前まで一緒に居た男の姿を懐かしむ。

知り合いっちゃ、知り合いだよな。一緒に住んでたんだし……。

「まあな、前田慶次って派手な奴なんだよ。」
「な……慶次殿とお知り合いなんですか?」
陸遜は意外な名前に少し驚きを見せる。

すごいな……。

彼は以前、陸遜が呉として任務に赴いた時に突如として現れて苦境に立たされていた自分を助けたことがあり。他にも遊撃として神出鬼没の働きを見せる為に管理局で彼の名は知れ渡っていたのだ。
その為に慶次を部隊に引き入れたいという者が何人も彼を説得に行くが「俺は俺の惚れた人以外に仕える気は無いんでね。」と言い、首を縦には振らないと聞く。


「慶次殿と同じ部隊になれるなんて凄いですね。」
「まあ、そりゃ。アイツは家族だからな♪」
誇らしくそう答えるヴィータに陸遜は改めて敵わないなと悟る。


同じ頃。

「機動六課か……」

聳えたつ建物を見上げる少年が二人居た。
「今日からの任務。がんばりましょう三成殿。」

傍に居た少年からそう言われ、三成は少し呆れたように双肩を浮かす。
「上官に会う前から意気込んでいてどうする幸村。」
「それが、こんな良い場所で。そのうえ親しい方々と同じ任務に就けるのが嬉しくて。」
ニッコリと微笑んで、隊舎や辺りの風景を見て言う彼とは対象的に三成はどこか良い表情をしていなかった。
俺にはその気持ちが理解しがたいな。
なんであの上官とまた同じ部隊に就かなくてはならんのだ。正直頭が痛い。



402 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:24:46 ID:4+nTHn6p
「秀吉様とねね様の薦めだから仕方なく話は受けたが……。」
はぁ、とため息を付き頭を抑える三成。

この新設された機動六課のことはたいして悪く考えてはいない。彼が快く思っていないのは別のことであった。

「あのー……」
背後から声をかけられ、振り返るとショートカットの青い髪の少女が恐る恐るといった感じで立っており、傍にはツインテールのオレンジ髪の少女や子供が二人居る。

「六課に御用なんですよね?」


「知らない人間が居るのだからそれぐらい察したらどうなのだ。」
「あ、すいません……。」

「み、三成殿。」
「ふん、今日から一応はこの部隊に入る。石田三成二等空士だ。」
「同じく、今日から参入する真田幸村二等陸士です。」

二人からのその返事に蒼い髪の少女は嬉しそうに三成と幸村の手を取って微笑む。

「私スバル・ナカジマ。スバルって呼んで下さい♪」

「おい(ちょっとスバル)、いくら同じ部隊だからといって初対面から馴れ馴れしいぞ貴様。(わよアンタ。)」
偶然にもリンクしたツインテールの少女と三成の二人の注意にスバルは「ご、ごめ〜ん。」と慌ただしく引っ込む。

「私は、ティアナ・ランスター。階級は今のスバルって子と同じ二等陸士。よろしくね。ティアナって呼んで。」

「では私も幸村と呼んで下さい。」
「ふん、好きに呼んでくれ。」

ムっ。

何よ、コイツ……。
礼儀正しい印象の幸村とは違い、先程から冷たく突き放す言い方の三成にティアナはムッとした表情になってしまう。が、まだ知り合ったばかりでいろいろ言い合うのはまずいと理性がストップをかけてくれた。


「あの、僕。エリオ・モンディアルと言います。階級は三等陸士です。」
「私はキャロ・ル・ルシエと言います。私も階級は三等陸士です。」

「ああ、よろしく。エリオ、キャロ。」

自分の前に出て、元気よく挨拶する年少二人の姿に笑顔で接する幸村にティアナはすこし苛立ちが解れていく。が

「まあ、一応よろしく頼む。」

とツンとした言い方をする三成に我慢出来なくなってしまう。



403 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:30:38 ID:4+nTHn6p
「ちょっと、アンタ。こっちはちゃんと挨拶してんのになんでこっち見てないのよ!」
「何を言ってるんだ、俺はちゃんと挨拶した。それで良いではないのか。それになんでそんな事で貴様にうるさく言われなくてはならない!」
「貴様って……アンタね!」
口論に発展し始めた二人をスバルと幸村がそれぞれ抑えるが、エリオとキャロはどうすればいいのかオロオロとしている。

「ティア〜ダメだよ。」

「三成殿、抑えて下さい。」

「……。」
ふと、親友の抑えと年下二人のあたふたしている姿が目に入り、三成は自分が恥ずかしいことをしているとおもいしらされ。舌打ちをする。

何をしているんだ俺は……。嫌な気持ちを他人にぶつけるなど。これでは小物ではないか……。

眉を吊り上げて睨んでいる女はどうでも良いが悪いのは俺だ。

「その、気を悪くさせてしまった……別のことで苛立っていたのが表に出てしまった。スバル、ティアナ、エリオ、キャロ。幸村。すまなかった。」

「え……」

突然、非を認めた三成にティアナは呆気に取られてしまう。

な、なんなのよ。いきなり謝るなんて……。よくわかんないわコイツ。
「な、なら良いわ。エリオ達がかわいそうだったから怒っただけだし。」

プイッと三成から顔を背けるティアナにスバルはホッとしていた。

正直、どうなるかなって思ったけど。

三成さん、良い人だ……なんとなくわかる。だって、最初に会った頃のティアナみたいだし。

仲良くなりたいな……。

何故か三成を見てそう思うスバルは場を切り換えようと最初の話題を持ち出す。
「今日、来たってことは三成さんと幸村さんこれからなのはさん達に会うんですよね。良かったら案内しますよ?」

願ってもなかった提案に幸村は直ぐに「お願いしたい。」と答え。
スバル達が隊舎へ案内しようとしたその時。
三成と幸村は何かが空からやってくるのを察知し。

「「来るぞ!!」」

「「「「へ?」」」」」
三成はティアナとスバルを。幸村はエリオとキャロを抱えてその場から跳び退く。




404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:33:47 ID:l5ppOInD
支援しようよ

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:34:20 ID:l5ppOInD
支援

406 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:37:21 ID:4+nTHn6p
ドシンッ!!

そして二人が危惧したとおりに突如として衝撃と粉塵が辺りに巻き起こると共に猛々しい髦の大きな馬に跨がった大柄の男が居た。

「ハッハッハー、悪いねぇ。驚かせちまったかい……ん?どうした、鳩が豆鉄砲喰らっちまった顔して……」

しかし、一同は別の何かを見てア然としている……それは男の肩の上と腕の中でぐったりしている機動六課部隊長の八神はやてとロングアーチのリインフォースであった。

「ダーハッハッハ、本当に空飛んでやがるな。」

わ、笑ってごまかした?

目の前の大男に一同は何となくそう思った。




「政宗……」
機動六課に選ばれし無双が集結しつつあった時、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは今朝訪れたばかりの保護施設に赴いていた。

理由は車の中で突然聞かされた話を聞いたからだ。

なんで、いなくなったの政宗……。

部屋に踏み入る一歩一歩が重く、フェイトの悲しげな視線に映るのは政宗が自分に名前を教えてくれた時の彼の嬉しそうな顔だけであった。

『儂は伊達政宗。 フェイト、誘ってくれたこと感謝する。』

政宗……。


続く


407 :リリカル無双:2008/05/16(金) 22:41:50 ID:4+nTHn6p
以上です。

とりあえずなのは側の無双キャラは、趙雲、陸遜、夏候惇、夏候淵、幸村、慶次、三成にしました。
また、なのはキャラと無双キャラの何人かは既に知り合いで。
話の繋げかたで惇兄と淵は次からとなりましたがまた投下したいとおもいます。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/16(金) 22:50:09 ID:u6nqyy0m
GJでございました!
というか空飛ぶ松風って風雲再起を想像したのは俺だけじゃないはずだ。
次回は惇兄登場って話ですし、楽しみっすねぇ

409 :名無し@お腹いっぱい:2008/05/16(金) 23:39:19 ID:USVJy5Wd
>>384

冒頭のシーンであのテーマと鞭の効果音が脳内再生されたのは自分だけじゃないと思うw
博士にカウボーイハットは無しですかー?GJ

410 :スカ博士と奇妙な冒険 ◆CPytksUTvk :2008/05/16(金) 23:50:57 ID:R1rnFEux

密かに今更なレス返事ですw

>>385
誤字訂正しましたーw
クロスSS広くても、このコンビを書いたのは自分だけだと胸を張れますw

>>386
レイハさんは彼らのアイドルです。
バットで振り回されてもアイドルです。活躍(鈍器的に)しますのでお楽しみにww
そして、なのはさんにレイハさんが走ったわけもわかる(おい)

>>387
おいおい、俺は冗談でも真顔で書いちまう男なんだぜ?
かなりノリノリで書きましたw

>>388
ここのスカ博士はかなり本能で動いてますw
プレシアさんはどうなるのかお楽しみにw

>>389
どつかれるまえに逃げることでしょうw
逞しいのでww

>>391
ここのスカ博士とユーノは一部の人にかなり名前が売れてますw
次元世界を救ったりしたので。あとテロリストに命狙われていたり(まて)
電波が降りてくれば彼らの冒険の前の話を単発でかいたりするかもしれませんw

>>409
鞭は振り回しますw パシーンと「ドクターとお呼び!!」と叫ぶ予定ですので(マジ)
あと博士は今回つけてませんでしたが、次回から帽子着用予定ですw
お洒落なので、ユーノも素敵な格好でカーチェイスやレイハさんホームランを繰り出すでしょう。


411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 02:03:56 ID:RuVBerpq
博士にも明るく楽しい人生がありえたんだね!
間違いない、この世界の登場人物は幸せになれるさw

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 11:11:30 ID:NzPlBwgJ
何かユーノが三段階に変形する可変戦闘機の技を使ってた気が…

413 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/05/17(土) 11:21:11 ID:4b+1SgKm
うーん。
調べて見ると鋏脚がヌマエビ類に比べると長くて関節がオレンジ色をしており
腰の曲がったところに腹巻状の黒い線があって
かつ平均4センチまで成長しデカイ奴は6センチくらいまで成長するのがスジエビのようですね。
そうするとこないだとってきたこの委細不明のエビはやっぱりスジエビなのかなあ。
テナガエビだと思ったんですがテナガエビの特徴の触覚の付け根の鋸は無いし。
こりゃスジエビですな。
抱卵してる個体が居てなにか水槽の中にちょろちょろ泳いでるちっこい物体が居たから
ひょっとしたら幼生かと思って調べてみたらやはりというかなんというかケンミジンコくんでしたorz


414 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/05/17(土) 11:22:26 ID:4b+1SgKm
スンマセン。
誤爆してしまいました。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 11:28:23 ID:q06g0phi
そのコテのまま一体どこに書き込む積りだったか
実に気になります

そおいや海が舞台になった作品とのクロスオーバーは見かけませんね
原作で海での戦い(特に海中)が殆どなかったからでしょうかね?

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 13:07:24 ID:Is1eeY8t
>>415
恐らく、『趣味』→アクアリウム板の淡水エビスレと思われ。<>>413

それと、設定議論スレで前に話題にされていたけれど、
海中での活躍には色々と克服しなければならない点が多いからねぇ。

417 :一尉:2008/05/17(土) 13:55:33 ID:Mq8mo6Zf
ならは水中戦でやれは良い。

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 15:59:18 ID:5XWgAcHs
リリカルスクリーム氏の意外な趣味が暴露されたというか。
すげぇ知識もってるな。

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 16:22:48 ID:7J/fppqo
これはやはり、
著:リリカルスクリーム氏で『エビボクサー』とのクロスの時代か?!

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:14:35 ID:QmxM0wog
イカレスラーも捨てがたいw誰がなるんだってなるがwww

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:14:56 ID:kF0vOmfp
エビラもよろしく!

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:18:27 ID:8dArAXii
>>416
浅い場所での短期戦なら何とでもなりそうだけど
本格的に潜るとなると常に自身を守れるだけの維持能力が要求されるから厳しいだろうな
生物的に生存できない環境に突入するわけだし


423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:47:51 ID:+BA8XtuV
スバルなら長時間もぐれるけど
戦闘はなぁ
あいつのスタイルは格闘だから水中じゃなぁ

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:49:41 ID:WCmwNT31
魔法少女の世界なら少なくとも気圧、風圧、水圧は無視してくるだろ。
下手すりゃ深海なのに光が届いてるかもしれんそれがアニメというもんだ

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:50:16 ID:HsTRKeOC
>>423
フレームが錆びたりしてww

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 17:53:46 ID:kF0vOmfp
>>424
もう魔法少女物じゃないよ。

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:02:24 ID:+XS2STft
>>426
それは元からだww

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:08:48 ID:WCmwNT31
わかってるけどさw便宜的にそう呼称するしかないでしょ魔法なんてファンタジー以外のなにものでもないんだから
ぶっちゃけ空を高速移動しといて息苦しくない時点で水中でも呼吸できるだろうし、摩擦や抵抗も無視できる。
背景が変わるだけでなにも変わらないな

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:11:51 ID:jBE+l789
>>424>>426-427
それに魔法少女と云うか魔女っ子の大家ですら
深海水圧は無視し切れなかったかんな。

つ「マリンナーサは球体型魔法障壁ドームに内在する」

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:13:30 ID:wYpcs88Z
>>423
じゃあ洗脳ギン姉を放り込んで、リボルバーギムレットを使って……

「な、なにぃぃー!? ドリルの回転で渦潮を発生させただとォ!?」

……うん、なんか色々と駄目だw

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:19:20 ID:67wOhs7l
いやいや、俺にとっては魔法少女ものだ。
そろそろウロスに行ったほうがいいか……。

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:21:57 ID:jBE+l789
>>428
と言うか、気圧やら空気抵抗やらは
十八世紀辺りの錬金術が衰退して科学へと進化した時代に
漸く科学的に存在証明されたモンだかんな。
それまでは「風」の一言で済まされてたに近い状態だったもんな。

それに引き替え、海や湖等の水中は太古から確固として
「人間の常時活動圏には決して出来無い領域」として
存在を示して来ていたからね。

TRPGや童話なんかでも
気圧なんかは無視されて触れられてもいないけれど
水中に臨んではそれに対処する魔法がしっかりと開発されてる
のがその証拠だし。

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:30:12 ID:WCmwNT31
>>432
そのへん失念してたわ、フォーセリアなんて典型があったの忘れてた
けどそれってちょっと準備が必要位でかたずくことにならね?

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:31:38 ID:bGXGFdf5
だが、此処で此れが活躍するっ!

青狸「(パパラパッパパー) テキオー灯〜」 

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:32:03 ID:8dArAXii
>>432
質量の差がでかいからなのだろうか?
何もない宇宙空間でも十分に死ねるけどな
まあ、これ以上は設定スレかウロスだな

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:33:47 ID:EoqSpeqT
ウォーター・ブリージングですねわかります。

まぁなのはの場合、設定だけ作ってろくに考察されてない適当理論でできそうだし。
元がスカスカなら二次設定でスカスカなものの一つや二つあってもさほど問題なさげ。

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:35:19 ID:HsTRKeOC
>>434
ドラえもんとのクロスとな?

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:38:36 ID:B9Di9iWG
>>433
ちょっと程度で水中戦を挑むと地獄を見るぞ。

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:40:07 ID:bGXGFdf5
>>433
本格的な長時間潜水活動に臨もうとするなら、
呼吸問題対処にウォーター・ブリージング、
水圧対処にディクリース・ウォーター・プレッシャー、
明かりの確保にライトやウィル・オー・ウィスプ、
時には濁り除去での視界確保や混液除去の為にピュリフィケーション(範囲拡大)、
そしてそれらの効果維持時間を支える膨大な量の魔晶石……

これが「ちょっとの準備」か?
しかも、ディクリース・ウォーター・プレッシャーはかなり高レベルな古代語魔法だし。

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:41:25 ID:B9Di9iWG
ダンクーガだって水中のゴッグには負けちゃうんだぜ?

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:42:10 ID:WCmwNT31
そして、宇宙や深海においてわ普遍的な即死魔法が存在する
つ魔法解除



さあ、抵抗のためダイスを振るんだw

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:45:03 ID:B9Di9iWG
第47代アメリカ合衆国大統領だって池ポチャすると死ぬ。

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:46:10 ID:bGXGFdf5
まぁ、以前に設定議論スレで論議された時には
この「維持」が最大の問題点にされてたけどね。

リリカル世界って、手軽に術者の消耗を肩代わりしてくれる品が無いし。
カートリッジは、瞬発増幅には適してるけど
維持時間分の消耗肩代わりには向いてなさそうだしなぁ……。

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:47:54 ID:B9Di9iWG
水中戦は作者の知恵の見せ場だぜえ。

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:50:05 ID:8dArAXii
>>443
どっかのいたずら犬みたく次元隔壁突入から深海素潜り
それを可能とする程の有り余る出力があれば問題はないんだろうけどな
外部供給無しでそこまで出来たらSSSランクいっちゃうってw

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:55:04 ID:HsTRKeOC
つか、人間が闘おうとしないで、水生生物でも召喚して使役すればおkじゃね?

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:55:45 ID:B9Di9iWG
ここは海江田艦長の出番か。
モーツァルトのジュピターを演奏するんだ!

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:56:44 ID:WCmwNT31
なのは世界の魔法は維持コストはあまり気にしなくていいのでは?
空飛ぶのが時間制限なさそうだし、スバルのあれだって特に魔力消費してたっけ?むしろ一度潜って出てくるまで大丈夫そう
あと組織が後ろにいて無限書庫なんてチートなバックアップしてくれるんだからバブリーズより楽と思う

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:58:28 ID:B9Di9iWG
>>448
それじゃ詰まんねえよ。地上と変わらんなら水中で戦うというシチュエーションはいらない。

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:59:12 ID:L60bUC+g
世の中には深海に生身で潜って沈没船を海面に蹴り上げる豪鬼って人がいてだな。
……あれを人に分類していいかは知らんが。

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 18:59:16 ID:HsTRKeOC
>>447
独立国家やまとがミッドに出来るのかwww
んで、管理局に深町とかwww

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:00:13 ID:UsciAUyx
ブレンパワードだって陸海空適性Aだぜ

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:00:36 ID:B9Di9iWG
それに無限書庫には金も物も権力もない。
無限書庫があるから楽というのない。

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:02:02 ID:B9Di9iWG
>>452
だからどうした?としか言えんのだがな。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:03:06 ID:ULhpljbW
>>448
……実はな、>>443の議論してた時には
「BJに対局地環境機能持たせれば良いんじゃね?」って話になったんだが、
そこで壁になったのが「BJ展開中は常に術者の魔力が消費されている」
って“公式設定”だったんだよ……orz

これから逆に推察すると、描写的には影響皆無に見えてても
飛行魔法とか結界魔法でも常に魔力消費しているのではなかろうか……?

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:06:06 ID:B9Di9iWG
>>455
ぶっちゃけなのはとかがバカ魔力だなだけだからな。
あのタイプの飛行魔法は常時消費が普通だろ。

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:07:36 ID:WCmwNT31
>>455
まぢで!?じゃ誘導弾系を撃たせてあとは根気よく逃げ回っているだけで勝てるじゃねーか

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:08:58 ID:5qjsgEH3
水棲生物ってことでダライアスでどうよ

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:10:05 ID:ULhpljbW
>>456
だろうね。

因みに、ウィングロードはゲーム魔法みたいな
「一度掛ければ一定時間は自動維持されて
術者の消費は術を掛けたその瞬間だけに負担される」
ってタイプの魔法だと思う。

ウィングロードって一定時間経つと自然に消えてた
みたいな描写がどっかに有ったように思うし。

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:10:11 ID:QmxM0wog
ウロスが今、閑古鳥が鳴いてるので話題を持越ししやすいから、移ったらどうでしょう?
一応、本スレでは禁止行為ですから。

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:10:44 ID:s5GOrwK7
>>455
量にもよるんじゃね。
消費されているといっても微々たる物で、ほとんど考えなくてよいとか考えられないか。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:11:59 ID:ULhpljbW
>>460
了解!

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:12:08 ID:ln6LNM2I
>>461
ヘリの存在意義が欠片も無くなるな、それだと。

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 19:12:41 ID:ln6LNM2I
あー、悪かった。ウロス行く。

465 :一尉:2008/05/17(土) 19:53:16 ID:Mq8mo6Zf
ウロス支援

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 22:04:39 ID:9afP49dD
>>465
不覚にも

467 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/17(土) 22:56:14 ID:hVHV2o5B
さて、闇の王女第六章、23時10分から投下してもOKでしょうかー。
オリ要素(野郎どもの絶叫とか)が多いので、苦手な方はご注意を。


468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 22:57:24 ID:lnq1s6Q6
おばか!
そんな、そんな、支援するに決まっているじゃない!!(まってるぜw)

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 23:09:37 ID:QmxM0wog
支援w3脳が出てくるのか、
それともみんなのアイドル、イスカリオテなカリムが出るかw

470 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/17(土) 23:11:50 ID:hVHV2o5B
魔法少女リリカルなのは 闇の王女 第六章前編

 巨大な三角形の魔方陣が、空に浮いていた。天空を覆い尽くさんばかりのそれは、絶望の象徴だ。
剣を抜いた聖王教会騎士団の騎士達が、静かにこちらににじり寄ってくるのを、陸士97部隊副長、アラン・シャードは顔色を悪くしながら見た。
(何故、こんなことができる?! ミッドの存亡の危機のときに!)
数時間前まで、味方だった筈の聖王協会は、今や明確な敵だった。先ほどの十本足の巨大傀儡兵の前に、部下達が為すすべもなく踏み潰されたのを
アランははっきりと見ていたし、狂ったように笑うシスターの姿も確認していた。
短槍のデバイスを握り締め、呻いた。

「畜生が……」
それにしても、でかい。巨大傀儡兵は、その巨体でクラナガンのビルディングを瞬く間に倒壊させ、道路を寸断。
お陰で、陸士で空を飛べないアランは、完璧にあの頼りになる顎鬚オヤジ――エルキュール隊長や、他の部隊員と離れ、孤立する羽目になっていた。
もっとも、それは敵も一緒のようで、長剣を抜いた教会騎士はしきりに辺りを見回して、シスターシャッハを探している。
指揮官がいないと行動できないとは――まだ青い。
合流されては、こちらが困る。敵は手だれではないようで、三人。できれば、合流される前に倒したい。
空に浮かぶ無数のベルカ式魔方陣も気になるが、頭にあるのは一人の少女の安否だけ。
発色の良いオレンジ色に似た髪の少女、ティアナ・ランスター。女っ気がまるでなかった自分が、一目で惚れてしまった相手。
何故だか、こいつ等の凶刃が彼女に迫るかと思うと、とてつもなく腹が立った。
今すぐにぶん殴りたくなってくる。そんな、らしくない己を自嘲して笑う。
(こりゃ、重傷だなあ、俺も)
随分と年下の女に惚れこんだものだ――五歳年下。しかも、向こうからはなんとも思われてないときた。
つまり、この朴念仁の恋愛が成功する確率は、限りなく低い。
だが、しかし。
(惚れちまったもんは仕方ないよなあ)
自分に発破をかけて、折れそうな心を奮い立たせ、槍を構え叫んだ。

「時空管理局地上本部第97陸士部隊副長、アラン・シャードッッ! ベルカ騎士の皆様方、お手合わせ願いたい!」
こう言えば、相手は逃げられない筈だった。腐っても伝統と誇りを重んじるベルカ騎士だ。
ましてや、三人もいて勝負を避けたなど、論外の筈。
返礼もなく、無言で抜刀。翻るマント――教会騎士の防護服。一斉に襲い掛かってきた――跳躍。
火花が、散った。
短槍を構え、アランは刃を交えた―――。


轟音。巨大傀儡兵の柱の如き脚が、大地を踏みしめるたびにアスファルトを砕き、土煙を蔓延させた。
傀儡兵<ヨツン>。都市破壊用大型魔導兵器である。その設計コンセプトは、蹂躙――徹底的な破壊。
鳥も、花も、草木も、建物も、人の命さえも。全てを飲み込み、粉砕し、下す。暴力の化身である巨人――それが<ヨツン>だ。
動力源にロストロギアを用いた半永久的に駆動する怪物――脚を使って、都市を蹂躙する大蜘蛛。
その足元で、逃げ回る人間が数名。
顎鬚のオヤジさんこと、隊長エルキュールとその部下、そして、隊の紅一点ティアナ・ランスターである。

オレンジに近いツインテールの赤毛を揺らしながら、隊長に問う。
ちなみに、ティアナや陸士の面子が身体強化魔法を使い走り回っているのに対し、エルキュールだけは空士出身なので空を飛んでいる。
これが、才能の差か、と毒づきたくなる――抑える。

「隊長! アラン副長は――」
「ほっとけ。あいつは強い、自力でやれるよ。それよりも、逃げるぞ」
無言――走る。全員が呼吸を合わせての疾走の最中、上空の魔方陣が光り輝いた。
エルキュールが、怒声を張り上げ命じる。

471 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/17(土) 23:13:54 ID:hVHV2o5B
「ティアナ! 幻影で奴らを誤魔化せ!!」
「了解! ってあたし以外は無しですか?!」
エルキュールは、にやりと笑うと親指を立てて言った。
「お前以外に使えるやつがいない。幻影を一瞬でいい、あのデカブツの足元に張れ」

開いた口が塞がらない。なんてことをさらっと言うんだ、この人は。
「わ……わかりました」
唸りを上げる拳銃型ストレージデバイス、アンカーガン――大気中の魔力素を結合、幻影の処理を開始。光学情報処理、終了。
にわかに現れる数人分の人影――巨大傀儡兵の脚が止まる。巨大な十本脚のうち、四本が振り上げられた。
光学情報からの判断。敵、<ヨツン>至近距離に存在。
幻影目掛けて振り下ろされる柱――爆圧。一瞬で圧縮された空気が逃げ場を求めて周囲に広がり、瓦礫の破片諸共、飛来する。
咄嗟の防御術式――破片の着弾の衝撃で吹っ飛ばされるティアナ。受身を取るも、想像以上に内臓を揺さぶられた。
立てない。不味い。傀儡兵から逃げられない――死に直結する。
ぎょろり、と巨大傀儡兵の装甲の隙間から覗く光学センサがティアナを捉え、環状魔方陣が多脚の巨大傀儡兵の頭部前に展開された。
あれは。

「砲撃魔法だと?! あの図体にどんな出力なんだ、糞ッ! 全員集合、防御術式を張れ!」
「隊長?! あたしのことは――」
ティアナの言葉を遮り、隊長が喚いた。最大出力のバリアーを張り、リンカーコアを活性化させる。
「馬鹿野郎! 部下を見捨てるのはなあ、目覚めが悪ぃんだよ!」

次々と集結する陸士97部隊の面子――満身創痍。防護服はところどころ傷ついてるものがほとんどだし、防護服すら展開できずに流血している者もいる。
それでも、ティアナを守ろうと皆、必死の形相で術式を重ねがけしていく。
元々魔導師ランクの高くない者達だ、膨大な負荷に耐え切れずにリンカーコアが悲鳴を上げ始める。
それでも。
「それになァ、お前さん見捨てたら、酒の肴も無くなるし――」
「アラン副長がキレるんだよ」
「違いねぇや、ははは」
守りたいものと、男の矜持があった。意地だ、絶対に捨てられない、捨てたら人生の負け犬まっしぐらの大切なもの。
それを、<誇り>という。
誰もが、心に持ち何時も大切にしまっているもの。御伽噺の騎士の様に気高くなくていい。どんなに無様でもいい。

―――守れれば。

閃光が弾け、巨大傀儡兵<ヨツン>の砲撃が首都クラナガン大通りを飲み込んで、視界を白く塗りつぶした。
凝縮された魔力素が空気を焦がし、異臭を漂わせながらアスファルトを砕く。発射時の反動で<ヨツン>の十本脚が後退し、大地に深い傷跡を刻んだ。
破壊せよ、という衝動に基づいて動く怪物の砲撃魔法――ビルディングの窓が瞬時に溶解し蒸発。壁そのものが引き剥がされ、その骨組みがむき出しに。
カフェテラスの椅子と机が砲撃の余波――衝撃波に吹き飛ばされ、空中でばらばらになった。
頭部の<ジュエルシード>が活性化――『更なる破壊を』という傀儡兵の術者の願いに呼応し、馬鹿げたエネルギーを解き放っていく。
光の粒子のような魔力素が、巨人の名を冠した傀儡兵の周りに集まり、環状魔方陣によって集束、加速し、地平線の果て目掛けて薙ぎ払われる。
光芒。爆発、爆発。建物が塵のように消し飛び、空を白く染め上げた後――紅蓮。
蹂躙された街並みが紅く燃え上がり、焔と灰燼があっという間に広がった。それに僅かに残った瓦礫が燃やし尽くされ始めた頃に、ようやく砲撃は終わった。
後に残ったのは、遠く、廃棄都市区画まで続く馬鹿げた大きさの光の奔流の奔った痕と、燃え盛る街並み。
何もかもが消えた虚無の残る空間で、のそり、と呻く者が一人。

「う……」
ティアナ・ランスター。大地に深く穿たれたクレーターの中心で、彼女はゆっくりと目を開き、急いで起き上がると辺りを見回した。
ほどけた髪がばさり、と揺れ幾本かの赤毛がはらり、と抜け落ちる。見れば、防護服はぼろぼろだが、自身の身体には傷は無い。
(隊長たちは――?)
辺りを見回し、凍りついた。血の気が顔からさっと引き、声にならない呻きが洩れる。
わなわなと震えながら、皆の名を呼んだ。


472 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/17(土) 23:18:49 ID:hVHV2o5B
「エルキュール隊長! ハワードさん! ジョシュアさん!」
ティアナを守る為に終結し、防御に専念していた陸士97部隊の面子に、無事なものは一人もいなかった。
指の肉が抉れた者。掌から出血し、だらだらと血を零す者。肘から下の部位があらぬ方向に折れ曲がった者。
デバイスは良くて半壊で、ほとんどが大破し、火花を噴いていた。
皆、ぼろぼろに傷ついていた。ティアナは、己が何故無傷なのか悟った。彼らが、命がけで自分を庇ったのだとわかり、目に大粒の涙を浮かべる。

「皆……どうして……」
「いいから逃げろ……俺達は自力でどうにかするから、な」
「そうそう、お荷物は退散しろよ、俺達でここは何とかするから」
明らかな嘘だった。まともに動ける者など皆無だったし、先ほどの防御魔法の魔力変換で、リンカーコアも限界を迎えている筈だ。
なのに、彼らは今もティアナを気遣い、無理矢理笑みを浮かべて頷く。
早く行け、と。

「何をもたもたしてるッ! 走れよ、御転婆娘!!」
エルキュールが立ち上がり、喚くようにして言った。その法衣に似た防護服もぼろぼろで、杖は火花を噴いて沈黙しており、
左腕に至っては縦にざっくりと傷がはしり流血している。額からの流血も激しく、顎鬚は血で染まり真っ赤だ。
とても戦える状態ではない。
だというのに、この男の戦意は衰えていなかった。

「あたしだってこの部隊の隊員ですッ! 一人だけ逃げ出すなんて、できません!」
「馬鹿言え、死んだら、お前さんの兄貴に顔向けできんだろうがッ! さあ、行けよ、ここは俺達でもたせる」
フラッシュバックする兄の面影――赤毛の、何時も笑ってばかりいる、執務官を目指していた青年。
なんと、兄なら言っただろうと、考える。きっと、誰もが助かる方法を考えたに違いない。

―――そういう人だったから。

ティアナがほどけた赤毛を揺らしながら、アンカーガンを握り締め叫んだ。

「ッ! だから! あたしは誰も見捨てたくありませんッッ!!」

そのときだった――燃え盛る空から、無数の影が舞い降りたのは。
ベルカ式転移魔法の発動――光り輝く三角形の術式は、大質量の転送の証だった。

「糞ッ……来ちまったか」
巨大傀儡兵の背に乗ったシスターシャッハの声が響く――狂信者の歌声。

「聖王教会傀儡兵部隊――貴方方は、終わりです。管理局の愚かな尖兵達よ」
現れたのは、傀儡兵――魂無き兵器だ。一千体近い魔導兵器の群れの中には、砲撃兵と呼ばれる大型のモノの姿も在った。
紅く染まる空を、動甲冑と呼ぶに相応しい、無機質な騎士達が覆うさまは、地獄を連想させた。無人の鎧ゆえの、圧倒的な数。
それぞれがAランク魔導師に匹敵する戦闘能力の、聖王教会の切り札。
それらの地上への降下に呼応するように、巨大多脚傀儡兵<ヨツン>が、咆哮した――金属を擦りあげたような甲高い音。
目の前で目障りに蠢く虫けらを、消し去らんとする巨獣の嘶き。
生き残った陸士97部隊の隊員達は、誰一人動けなかった――最早立つ事も叶わぬほどに、消耗しきっていた。
(死ぬ? 皆が?)
今までの思い出が蘇る――騒々しく、何時もからかわれていてばかりの自分。でも、馬鹿騒ぎが絶える事は無くって――きっと、楽しかった。
終わらせたくない、終わって欲しくない、こんなところで。
銃を構え、魔法を発動させるティアナの腕を、エルキュールが掴んだ。

「もういい! 俺達は戦う、お前は逃げろッ! 部隊長としての命令だ!!」
「でも! みんな、このままじゃ!!」
エルキュールが殴りかからんばかりの勢いで吼え、デバイスを再起動させた。火花を散らしながら起動したデバイスが、砲撃魔法を放ち砕け散っていく。
砲撃の着弾――まるで揺るがずに、咆哮を続ける巨大傀儡兵。
痛々しすぎる光景に、ティアナが泣きながら言った。

473 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/17(土) 23:21:01 ID:hVHV2o5B
「逃げてください、隊長ぉ!」
「人間一度は死ぬもんだ! 今更後ろには引けねえよ――」
馬鹿みたいにわあわあ喚きながら、ティアナは己の放てる最強の砲撃魔法を始動させる――無駄と分かりつつ。

「ファントムゥ――」

アンカーガンが悲鳴を上げる――きゅんきゅんという魔導回路の焼け付くような音。
大粒の涙がこぼれ落ち、血で染まった大地を潤した。

「――ブレイザァァ―――ッッ!!」
紅い魔力砲撃が、野に放たれた獣の如く飛び――魔力障壁に阻まれ霧散した。魔力結合の崩壊による爆発が起こるも、巨大傀儡兵――<ヨツン>は無傷。
その代わりに、怪物の複眼――幾つもの眼球が、一斉にティアナの方を向いた。
恐怖。右の前脚が振り上げられ、先端についた三本の爪が灼熱を放ち開かれた。超高温の白刃に、空気が陽炎の如く歪む。
もう駄目だ――諦観と生き延びたいという本能がない交ぜになり、脚が竦んだ。
97部隊の誰もが、絶叫した。
逃げろ、と。
唯一動けるエルキュールがティアナを弾き飛ばそうと跳ぶ――間に合わない。判断を実行に移すまでの、一瞬が遅滞を生んだ。
エルキュールが流血を激しくしながら叫んだ。
「糞ッ垂れがぁぁぁぁ! 間に合えぇぇぇ!!」

(ごめん、お兄ちゃん――)

空間をを繋ぐ、扉が開いた。
<旅の鏡>――対象を取り寄せる高位転移魔法。光の扉が開き、ティアナと隊長を飲み込んだ。
大地を踏み潰すだけに終わる<ヨツン>の爪――その背中で高みの見物と洒落込んでいたシャッハが、短髪を揺らして呻いた。
笑顔を憎悪に歪め、火傷跡の残る腕を曝して言った。

「現れましたね?! 古代ベルカ騎士でありながら、私達を裏切った者ども――」
凛とした女性の声が、その言葉を打ち消す。

「貴公ら狂信者の仲間になったことは一度とて無い――シスターシャッハ、何故このような愚行にはしった?」
「わからないのならば、眠って貰うまでです――騎士シグナム」
空中に、新たに現れた人影が三つ。一人は、緑の服を着ている金髪の女性で、ティアナを抱きかかえている。
瞬く間に修復されていく防護服――回復魔法<静かなる癒し >。驚いて女性を見上げるティアナ――金髪の女性の優しい微笑み。

「もう大丈夫ですよ、私達が来ましたから」
「そうだ! そこのおっさんも寝てていーぞ!」
赤毛を二つに纏めた少女が、巨大なハンマーを片手に言った。
エルキュールの反論――先ほどまでが嘘のような道化っぷり。
「おいおい、嬢ちゃん。俺はまだお兄さんと呼ばれる歳だぞ!」
「ヴィータだ! あたしの名前は。それに、どうみても<お兄さん>には見えねー」

桃色のポニーテールに纏めた髪を揺らしながら、軽装の騎士甲冑を着た女性――シグナムが騎士剣レヴァンティンを構えた。
剣道で言うところの正眼の構え。長剣が煌き、鈍い光を放つ。
対するシャッハも、無言で双剣ヴィンデルシャフトを構え、身体強化を行った。
雄叫びをあげる。

「かかって来なさい、<ヴォルケンリッター>!!」


474 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/17(土) 23:23:56 ID:hVHV2o5B
以上で投下終了です。
傀儡兵ってsts基準だとチートな戦力ですよねー。
今回は、ティアナとモブキャラ大活躍!!で。
作者の趣味で、モブは大体野郎かオヤジですー。

感想等いただけると、明日への活力になります。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 23:27:35 ID:ymX6R6yD
GJ!
心強い援軍が来たー!

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 23:33:11 ID:OHIIO2q5
GJ!
まるでこの間の金剛番長のようだ!

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 23:41:57 ID:lnq1s6Q6
ヴォルケンリッター来たぁああああ!(ガッツポーズ)
ようやくあの狂信者と戦える戦力が来ましたね。
熱い展開がこれから繰り出されそうで期待できます!
あと、アラン君がガチで死亡フラグを立てていて不安。駄目だよ、そんな死地でラブな思考したら死んじゃうよw
凡人ティアナも頑張ってくれますし、オヤジどもが相変わらずなんで本編のモブじゃなかったんだと嘆きたくなるぐらい濃いですねw
ゲッター氏のオリキャラは他を食わず、その熱さと濃さで物語を盛り上げてくれるから嬉しいです。
そして、ザフィーラはどこだ?! あ、はやてと一緒か。

出番のないフェイトそんなどを楽しみにしつつ、GJです!

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 00:09:19 ID:4bthuFQt
教会の狂信者具合をみると最高評議会の方々の活躍を期待してしまうw

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 00:18:46 ID:qTl2g5av
>>440
いんぱくと一面でギブアップしてろw

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 01:18:39 ID:W2tqMXAz
巨大傀儡兵ってプレシアママンが使った奴?

481 :ゲッターロボ昴 ◆yZGDumU3WM :2008/05/18(日) 01:37:13 ID:Ukwpp5am
>>475
ラストのヴォルケン登場の為、書き上げましたー。
大活躍する予定です。
>>476
何故に金剛番長?ww
>>477
うおう、長文ありがとうございます。そう言って頂けると、嬉しいです。
フェイトは・・・今後をお楽しみに。
>>478
今は生首ですので、もう少しお待ちをw
>>480
ええと、作中で巨大傀儡兵といってるのは、十本脚の蜘蛛的な見ための<オリ>です。
プレシアママンのは、一千機の傀儡兵の中にちらほらいますー。一期の敵はパワーバランスがSts基準だとすごいw

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 12:43:49 ID:Tqz81910
>>476
ヴィータ=剛力番長
シグナム=居合番長

うん、スジが通ってるw

483 :一尉:2008/05/18(日) 13:33:52 ID:ObQ92Db9
武者番長ならクロス方がいいよ支援

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 22:09:15 ID:s8bamguv
静かですね・・・

485 :×DOD ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 22:57:17 ID:y4d8ttfH
じゃあ静寂を切り裂いて23:30くらいからスバゲッチュ投下したいんですが構いませんねっ!

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:02:46 ID:mfjw4vzN
当然、支援!

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:03:26 ID:vo83x8Im
好きなんだ、そのいっぱいいる可愛いのが好きなんだよ!>スバゲッチュ

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:04:58 ID:s8bamguv
支援絵が凄かったでっす!!

489 :×DOD ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:07:12 ID:y4d8ttfH
>>488
今見てきました。コーヒー吹いたw

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:11:56 ID:atozeJP1
支援するよ?
拒否など許さない!!

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:22:12 ID:PbOSc90x
俺も一匹ほしいがモンスターボールじゃ駄目なのか?
網じゃないと。

492 :メタルサーガsts ◆1vM/cJUE9g :2008/05/18(日) 23:23:22 ID:syquKJiy
遅くなって申し訳ない。メタサガ15話投下OKだろうか。
思うところあって推敲していて遅れました。
気合い入れすぎてテキスト文書で64kBくらい。
バトー博士のデバイス説明だけで1話になるくらいの容量になりました。
で、推敲していたのと土日仕事ぶちこまれたので遅くなりました。
DODさんの後に予約ってことで何時だろう?
友人遊びに来たら投下時間遅くなるとだけご連絡。

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:26:09 ID:atozeJP1
>>492

DOD氏の後なら全然OKさ!
多分十二時半ぐらいかと?

494 :×DOD ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:27:45 ID:y4d8ttfH
>>491
@ヒモを箸にくくりつける
Aその箸を支えにして大き目のザルを立てかける
Bスパゲッティーミートソースをザルの下に置いて獲物を待つ
Cヒモを引っ張る
Dふにゃぁぁぁっ!?




そろそろ投下を開始します。約4200字の7分割です。

495 :メタルサーガsts ◆1vM/cJUE9g :2008/05/18(日) 23:29:21 ID:syquKJiy
了解。では24時か24時半に予約。DODさんの最後の部分が投下されてから30分後ということで。
友人が来ていた場合、投下が遅れることが予想されます。

496 :スバゲッチュ 第二話Cパート 1/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:30:18 ID:y4d8ttfH
「あいつら、訓練スペースで何を……?」

 機動六課オフィスを抜け、アスファルトをひた走るティアナが、ふと呟いた。
 あいつらとはもちろん、ピポスバルたちのこと。
 シャリオに「なのなのこうせん」を撃ちやがった挙句に逃走し、集団で訓練施設に立てこもった
あのやろうどもである。

『今のところ動きはない、なの。けど……』
「……良からぬことを企んでる、っていうのは確かですね」

 目的が分からない。
 いやまぁ確かに「スパゲティー100おくさら」という要求はあるが、実現するのはほぼ不可能
だと思うのだ。
 無理を言って困らせたいのならともかくとして、物理的な意味でどうしようもないのではないか?
 それにむしろ、本気で百億皿のスパゲティーをゲットしようとするのなら、むしろあのまま六課
オフィスにいた方がいいような気がする。
 事態が外に漏れたらマズいのは機動六課のみであり、ピポスバルどもに害はないのだから交渉の
良い材料にもなろう。
 全員が一か所に固まって、わざわざティアナの襲撃を待っている――というこの状況に持ち込む
意図を、ティアナもシャリオもはかりかねていた。

「それに頭が回らないドアホってことでしょうか」
『たぶん、なの』

 そんな訳で、とりあえずつけておいた結論は身も蓋もないものであった。

「ところで、シャーリーさん」
『はいなー、なの』
「その、『助っ人』って……どういう人なんですか?」


497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:31:07 ID:mfjw4vzN
スネーク支援

498 :スバゲッチュ 第二話Cパート 2/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:32:43 ID:y4d8ttfH
 そういえばといった様子で、通信の向こう側のシャリオにティアナが尋ねる。
 キッチンに向かう前、デバイス実験スペースから出発する前に、シャリオが呼んだとティアナに
言った「助っ人」は、まだ到着していないようだった。
 シャリオが言った時は、残されたフォワードメンバー、エリオとキャロのいずれかを呼んだ様な
口振りではなかった。
 そうなると残るは機動六課以外の者ということになるが……。

「……ギンガさん」

 何度か会ったことのある、スバルの実姉の名前。スバルについてティアナと同等、あるいはそれ
以上の知識を持つ存在。
 最近機動六課に出向するという噂も聞いていた。
 助っ人としてこれ以上の存在はいるまい。

『ううん、違うの』

 しかしモニターの中のシャリオは、首をちいさく横に振る。
 半ば確信を持って問うただけあって、ティアナはえっ、と声を出した。違うのか? なら誰を?

『以前起こったピポヘルの事件の解決に尽力した人なの。別の次元世界で静養中だったんだけど』
「それで、ですか」
『うんっ! 魔導師じゃないけど、とっても頼りになるのっ!』

 その人のことを思い出したのか、元気になっていくシャリオ。
 魔導師でないというのは驚きだが、この様子からすると本当に頼りになるのだろう。
 なるほど、とティアナは思った。訳の分からない「ピポヘル」なるアイテムが絡んでいるのだ。
その手の経験が有る者なら、有効な対策を知っているかもしれない。

「その人の情報、貰えますか」
『口頭になるけど……』

 それでいいかと問われ、ティアナは走りながら頷いた。


499 :スバゲッチュ 第二話Cパート 3/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:34:27 ID:y4d8ttfH
『通称『不可能を可能にする男』。どんなミッションでも生還するエージェント、抜群の隠密力を
持つ人なの』
「隠密……ですか」
『うん。そういう点で、スタイルはティアナに似てるかもしれないの』

 隠密と聞いて、ティアナはぴくんと反応した。
 魔導師でないというのにそれだけの腕を持ち、過去のピポヘル事件の解決に貢献した男。
 しかもシャリオが手放しで称賛する、自分と同種の隠密能力の保持者。
 ティアナの中で、好奇心が首をもたげてきた。どんな人なのだろうか。
 ただ以前であったらしょっぱなからライバル意識まで至ったかもしれないが、単に「肩を並べる、
同類の者」として興味を持つだけにとどまったのは、精神的に成長したからであろうか。

『あとね、あとね……うん、そう! フェイトさんやスバルにも似てるかもっ』

 そんなティアナの様子を見てとって、シャリオは小さく笑みを浮かべて言った。
 マズった、顔に出てたかと、何となく気恥ずかしくなるティアナ。
 でもやはり気になるので、ややぶっきらぼうに問い返した。

「……正反対な気がするんですけど、静かだったりうるさかったりするんですか」
『ううん、おもに脱衣的な意味と雑食的な意味でなの』
「…………は?」
『……あっ、な、何でもないの、忘れていいよっ、なのっ! あは、あはははっ』

 小首を傾げるティアナだった。



 魔法少女リリカルなのはStrikerS外伝
 スバゲッチュ   第二話「風雲! スバル城」 Cパート


500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:35:21 ID:vo83x8Im
ちょwwwひでえシャーリーwwでも否定出来ないところがなんともw支援

501 :スバゲッチュ 第二話Cパート 4/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:36:03 ID:y4d8ttfH
 


「ピポヘルとは、また……」

 一時は休暇中の緊急召喚に対し応答を渋ったものの、特殊強化段ボールが景品と聞きつけて光の
勢いで駆け付けた最強のエージェント、ソリッド・スネークがぽつりとつぶやいた。
 呼びつけた張本人、ロイ・キャンベル大佐に資料として渡された写真……その中に映る真っ白な
ピポヘルを見つめる目は、何かを懐かしむような、どこかやわらかい光を湛えている。
 ピポヘル。知恵を与えるもの。
 忘れられない戦士との出会いを、彼にもたらしてくれたもの。

「ピポ・スネークは、今頃どうしているだろうか」

 不精髭を生やした精悍なつくりの顔を上げて、スネークは一人ごちた。かつてメサルギア事件で
共に闘い、短い間だったが誰よりも認め合った、「もうひとりのスネーク」を思い出して。
 最新型兵器・メサルギアを奪取したピポサル兵が立てこもり実現不可能な量のバナナを要求し、
実現できなかった場合は地球全域に「ナマケモノ砲」を発射するという恐るべき脅迫文を発表した、
地球上の全人類の命運が揺れたあの事件――メサルギア事件。
 事件を解決するために敵本拠地に潜り込んだスネークのもとに送られた、一匹の勇敢なピポサル。
それが、ピポ・スネークだった。
 共に戦場を駆け、互いに勇気と知恵を認め合った戦士の面影を、スネークは一枚の写真の中に、
白いピポヘルの向こう側に思い出していた。

「ストーンヘッド、いや、ハカセか。今は彼のラボで、用心棒をやっているらしい」
「そうか――元気にしているのか。何よりだ」
「子供たちにも大評判だそうだぞ。ワニキャップ姿が愛らしい、とな」

 キャンベルが笑い、スネークも口元に小さく笑みを浮かべた。時が経てば経つほど、何もかもが
いい思い出になる。
 不思議なものだ。思い出とは。


502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:37:00 ID:vo83x8Im
声が大塚さんで自動再生されるんですけどwwwウキ支援

503 :スバゲッチュ 第二話Cパート 5/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:38:27 ID:y4d8ttfH
「要するにピポヘルが暴走、魔導師が小型化し分裂。その暴走体を『ゲッチュ!』するわけだな」
「話が早くて助かる。その通り、『ゲッチュ!』だ。幸いゲットアミが使えるようだから、現地で
君も受けとるといい」
「そいつはありがたい。一度本物の『ゲッチュ!』をやってみたかったんだ」
「メサルギアの一件では故障していて、『ゲッチュ!』もままならなかったからな」

 しかし感傷に浸るのを程々に切り上げ、早速任務の話にはいるところは、戦場に親しんだ人間の
なせる業。
 大の大人が『ゲッチュ!』を連呼している様はなんとも可笑しいような気もするが、当人たちは
至って真剣そのものであるから気にしてはいけない。

「武器その他を含めて、サポートはシャリオ君が手配するそうだ。任務報酬は強化特殊段ボール、
あとは先方で旨い食事だな」
「武器も? ……そうか、銃が使えないのか」

 質量兵器と言ってな、とキャンベル大佐が付け加える。
 それを聞きながらホルスターから拳銃を引き抜くスネークは、静かに、不敵に微笑した。

「……いいハンデだ」

 メサルギア事件では不覚を取った、ピポヘルの暴走体。
 今度は、負けない。

「時間だ。転送までは付き添おう……健闘を祈るぞ、スネーク」
「ああ、ショウタイムだ――!」



504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:40:05 ID:9W7YCno7
ちょwww予想の斜め上を行く助っ人wwww支援

505 :スバゲッチュ 第二話Cパート 6/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:40:20 ID:y4d8ttfH



 ピポスバルどもが立てこもった訓練施設に到着したティアナは、間抜けにもぽかんと口を開けた
放心の表情で、目の前に広がるその光景を見つめていた。

「……これは…………ナニ?」
『私に聞かないでほしいなの……』

 モニターの向こうがわのシャリオも眼前のその光景を意味不明のものとして捉えていたようで、
訳が分からないといった表情でティアナの問いに答えていた。
 訓練スペースにたどり着いたティアナを待っていたのは、その広大な敷地を埋め尽くすほどの、
あまりにも巨大な建造物であった。

「……お城のつもり?」

 そう、それは確かに城の様相を呈してはいた。しかし外観からして、明らかに無茶苦茶な。
 西洋の城を思わせる城壁が正方形に立ち並び、その四隅の塔の頂上にはスパゲッティの描かれた
旗が、ばたばたと風に靡いて音を立てている。
 その中央に聳え立つ「城」の本体は、ニッポンの城――かつてスバルが写真で見せた、スバルの
先祖が生きた世界の城を象った、瓦屋根の立派なものであった。ただしその色はカラフルで、本来
そこにあるべき荘厳さはどこにも見当たらない。
 青、白、赤に彩られたヘンテコなお城。
 その壁面にも、スパゲッティやらローラースケート(マッハキャリバー?)やらハチマキやらの拙い
落書きが、至る所に塗り散らかされている。

『どうやらピポスバルたちが、訓練場の施設データを、勝手にいじったみたいなの……』
「……センス悪ぅ」
「すごいでしょ、すっごいでしょっ!」

 愚痴のように小さくつぶやくティアナの足元で、あのこんちくしょうの声がした。

「あのね、あのね、この『スバルじょー』はねっ」
「……ゲッチュ!」
「えっ、まって、まだ、そんにゃあぁぁぁっ!」

 お前うるせぇとばかりに網を振るうティアナだった。捕まる方がアホなのだ。


506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:40:30 ID:Xr2jq9qd
ちょ、雑食性で脱衣をよくするのは「はだか」のほうで以前の事件場合は「固体」の方!同じだけど違う人物!

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:41:12 ID:mfjw4vzN
支援だ!

508 :スバゲッチュ 第二話Cパート 7/7 ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:41:35 ID:y4d8ttfH
「ティア、ティアのばかーっ!」
「ティアのばか、ひとでなしー!」
「おにーっ!」
「あくまーっ!」

 一匹のピポスバルを、説明させる間もなく捕獲・転送したのに対し、城の中にいるらしい無数の
ピポスバル達はかなりお怒りのご様子であった。拡声器でも使っているのだろうか、機械を介した
大きな声で、口々に文句を言っている。めちゃんこうるせぇ。

「でもそんなの」
『かんけーねぇ、なの』

 何気に息の合った二人であった。

「この中に、全員が立てこもっているんですね?」
『うん、そうみたいなの……あ』

 双銃デバイス・クロスミラージュを構え直し、背中にゲットアミを差すティアナ。
 その背に向かってシャリオは、何かに気づいたかように声を上げた。

「どうしました?」
『助っ人さんが、そろそろミッドに到着するの。迎えに行ってくるから……えと』
「……了解。サポートはしばらく大丈夫ですから、さっさと連れてきちゃってください」
『ありがと、行ってくるなのっ!』

 そう言い残し、シャリオの通信ウインドウがぷつんと途切れた。
 ふうと大きく息を吐いて、ティアナは「スバル城」を正面に見据え、呟いた。

「覚悟しなさい、スバル。全員とっちめてやるんだから」



 こうして、ピポスバルたちの意図がつかめぬまま、戦場はスバル城へと移された。
 残るピポスバル、95匹。

509 :スバゲッチュあとがき ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:44:21 ID:y4d8ttfH
投下終了。毎回こんな感じです。
スバル城のイメージとしては、クレしんに出てきそうな奇想天外なヘンテコな感じで。


>>506
……あれ(´・ω・)
ちょっとメタルギアシリーズやり直してきます。

510 :スバゲッチュあとがき ◆murBO5fUVo :2008/05/18(日) 23:50:37 ID:y4d8ttfH
>>506
やるまでもなかった、蛇主食のMGS3はそういえばネイキッドでしたorz
まとめでは修正しときます。ご指摘感謝です。

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:51:18 ID:RLt7buq6
GJ!
ようやく蛇の旦那到着かw
そう言えばスネークの武器は全部ミッドだと使えないんだよなぁ…
しかしスネークならばきっと大丈夫だろう。
戦いの基本は格闘だ!
…いや、ピポスバル全力でぶん殴るなんて、それこそ灰狐の兄貴でもなけりゃ心理的に無理だけどw

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:51:36 ID:mfjw4vzN
GJ!
GJ!
GJ!
クールに過去を振り返ってるように見えますが、
スネークさん、それ思いっきりギャグ以外の何者でもない内容ですからw
ティアナも容赦のないボケ殺しにさらに磨きが……
しかしそんな小さな事はもはや無粋!
ピポスバルかわいいよピポスバルという言葉しか残らない自分は間違ってないよね?
……きっと。

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:53:11 ID:ZZ3XcLkf
ああもう! GJ!! 相変わらず可愛いすぎっしょピポスバ!!

っていうかスバル城ってのもまた可愛いぜ。
蛇の旦那との共闘も楽しみっす。

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/18(日) 23:54:58 ID:vo83x8Im
>スバゲッチュ
リリなの世界と比べてもハードボイルドすぎる冒頭の二人のダンディの会話に吹いたw
これでサルゲッチュに関わってくるとなったらもう笑いしかねーよ! いや、もう既にゲームで関わってますがw
あのアホ空間で真面目にシリアスを維持するスネークの姿が容易に再生されましたw
っていうか、状況がバカくさいけど、これって意外と夢の共演じゃね?
かねてより、リアル志向のティアナには同じ理詰めの戦闘術を持つスネークが一番相性良さそうだと思いました。
まあ、どう頑張ってもギャグなんだけど、二人の邂逅に期待せずにはいられませんねw
あと、このアホさ加減といい、毎回ピポスバルの可愛さは異常。これはお持ち帰らざる得ない。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:08:26 ID:fIou9dyT
俺は2の脱がす方が好きなんだ(ry

516 :×DOD ◆murBO5fUVo :2008/05/19(月) 00:21:09 ID:xRx+4Ofq
『あとね、あとね……うん、そう! リイン曹長にも似てるかもっ』
「明るい人なんですか」
『ううん、おもに箱住まい的な意味でなの』



こうなりました。>>506氏、ご指摘重ね重ねありがとうございました!

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:23:32 ID:s/zXc+Ko
>>516
こwwwwwれwwwwwはwwwww

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:32:56 ID:bMWGBY2O
猿蛇合戦のアイテムを使えばいいじゃないと思った俺がいる

519 :メタルサーガsts ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:47:47 ID:ypq8Y3jL
お待ちどうさま。友人帰りましたので24:30すぎていることですし、メタサガ15話投下いきます。
文字数31000、テキスト換算64kBですのでよろしく。

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:49:14 ID:t9Mn+F7d
支援

521 :メタルサーガsts(01/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:49:19 ID:ypq8Y3jL
いつもと変わらないはずの穏やかな日々。
スバルの姉のギンガを加えての訓練。
到着したポチのデバイス。
改造されつくしたアルファ。
戦うために必要なものが1つを除いて全てが揃った。
しかし、最後の1つは現れない。
けれど、心配することではないのかもしれない。
空気がどこか変わり始めたから・・・・・・。
まるで嵐が来る前に海が凪いでいるような・・・・・・。
嵐が来たとき、俺はまだ壊れないでいられるだろうか。
魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。

第15話 準備完了

「さて、今日の朝練の前に1つ連絡事項です。陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹が今日からしばらく六課へ出向となります。」
「はい。108部隊ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくおねがいします。」
「「「「よろしくお願いします。」」」」

わたしが促すとギンガが敬礼と共に自己紹介する。
スバルがなんだか嬉しそう。
戦闘機人がらみの事件がロストロギアの事件と範囲が被っているせいで合同捜査になった。
それが表向きの理由。ギンガもその理由で出向になったと思っているだろう。
裏の理由はカリムさんの予言。
来るべき日に向けての協力体制。
肝心の地上本部の動きが余りにも悪くて酷く焦るけれど・・・・・・。
大丈夫。絶対に皆を守ってみせる。
それはそうと、ギンガってスバルのシューティングアーツの先生なんだっけ。
スバルの成長振りを是非見てあげて欲しいな。

「「「「はい!」」」」

うん。いい返事。
本当に元気がいいよね。
昔のわたしもこんなだったのかな。
感慨にふけるのは後でいいや。
あと、もう1人紹介しないといけないもんね。

「それからもう1人。」
「どうもー。」
「10年前からうちの隊長陣のデバイスを見てきてくださっている本局技術部の精密技術官。」
「マリエル・アテンザです」

わたしのレイジングハートやフェイトちゃんのバルディッシュにカートリッジシステムを組み込んでくれたのもマリエルさんなんだよね。
初めて会ったのは闇の書事件のとき。
あれからずっと無茶しっぱなしだから本当にお世話になりっぱなしだな。
そうか。はやてちゃんと同じぐらいの期間付き合っていることになるから10年にもなるんだ。
やっぱりなんだか感慨深いかも・・・・・・。

522 :メタルサーガsts(02/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:49:40 ID:ypq8Y3jL
「地上での御用時があるということでしばらく六課に滞在していただくことになった。」
「デバイス整備をみてくださったりもするそうなので・・・・・・。」
「気軽に声をかけてね。」
「「「「はい!」」」」
「おーし。じゃ、紹介が済んだところでさっそく今日も朝練いっとくか!!」
「「「「はい!」」」」

ヴィータちゃんの声で各自散会するはずなのに、エリオがどことなく落ちつかなげ。
それにはんた君もいない。
珍しい・・・・・・。
少なくとも顔をだしてからどこかに行ってたのに。
どうしたんだろ。
性格的に寝坊だけはありえそうにないし、トイレとか・・・・・・あれ?
エリオ、なんで持ってないの・・・・・・。

「エリオ、ストラーダはどうしたの?」
「そういえばはんたのやつもいないな。誰か知らないか。」

わたしの言葉に続いてシグナムさんも疑問を口にする。
それにしてもエリオ、デバイスを忘れるなんてしないと思うんだけど・・・・・・。
もしもそうだったらきつめに躾ないといけないかな。
でも、エリオの性格からするとありえないよね。
なんだろう。

「おいおい。自分のデバイス忘れるなんてたるんでるんじゃねぇのか?」
「すいません。でも、調整とカスタマイズお願いしたんです。今朝には届けてくださるってことだったんですけど・・・・・・。」
「ふぇ?私きいてないよ?」

ヴィータちゃんの言葉に反論するエリオ。
そんな話知らないというシャーリー。
どちらも嘘をついているとは思えない。
でもデバイスをカスタマイズしてくれるシャーリーは知らないって言うし・・・・・・。
『今朝に届ける』って受け答えもあったことを考えると面と向かって頼んだってことだよね。
シャーリー以外にデバイスがいじれる人って・・・・・・まさか!!

「・・・・・・エリオ、まさかとは思うけどもしかして・・・・・・。」

引き攣り気味の顔のままフェイトちゃんが言葉を口にした矢先だった。
どこからともなく哄笑が聞こえてきたのは。
そちらを見ればそこにいるのは・・・・・・。

523 :メタルサーガsts(03/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:50:03 ID:ypq8Y3jL
「ハハハハハ、ハハハハハハハ、ハハハハハ。やぁ、みなさんお揃いのようだね。
おや?2人ほど知らない顔がいるね。シャーリー、簡単に紹介してもらえるかな?
ああ、ボクの名前はバトー。メカニックデザイナーなんてものをやらせてもらってる。」
「ババババババトー博士。ええと、そのあの・・・・・・。」
「あ、108部隊より出向になりましたギンガ・ナカジマです。よろしくお願いします。」
「マリエル・アテンザです。本局で精密技術官をやっています。」
「どちらもよろしく。うん?ナカジマってことはそこの・・・・・・。」
「スバルの姉です。」
「ふうん。なるほどね。ところで話はぐっと代わるんだけど2人ともボクとトモダチになってくれたりしないかな?
ボクは今、トモダチ100人出来るかな計画を発動中なんだ。でも、未だにボクのトモダチって11人しかいないんだよね。
まぁ、数ヶ月前までは1人しかいなかったから怖いくらいに絶好調なんだけどね。ああ、シャーリーは弟子だから数にはいれてないよ。」
「・・・・・・?かまいませんが?」
「ええ、私も・・・・・・。」

なんて唐突。なんて脈絡の無い会話。
止める暇もなかった。
研究室に引きこもってて食堂でも見かけなかったから油断していた。
たぶんエリオがデバイスの改造頼んだのってバトー博士・・・・・・。
ああ、どんな改造されちゃったんだろ。
レイジングハートが四六時中ファッキンファッキン言うのには参ったよね。
性能の跳ね上がり具合は本当にすごかったけど。
モラルが著しく低下するバトー博士のシステムと身体に負担がかかるブラスターシステム、どっちがいいんだろう。
ストラーダはまともなものでありますように・・・・・・。
そんなわたしの心配をよそに話は進んでいく。

「あなたが本局で噂になっているすごいデバイスマイスターですね。是非ともお話をお聞かせください。」
「ああ、それならちょうど良かったよ。ボクが作ったデバイス2機と頼まれて調整とカスタマイズやったのを届けに来たところでね。
トモダチになった記念にキミ達へステキなアダナをつけてあげようと思ったけど、今はこっちが優先だもんね。
テストも兼ねて盛大にやってもらおうと思って大急ぎで来たんだ。ああ、来た来た。サースデー、ここで止めてくれる。
ああ、運転しているのが助手のサースデーだよ。」
「リョウカイシマシタ。ばとー博士。」

キャタピラが付いたトラック?
ハーフトラックっていうみたいだけど、そんな見慣れない車を運転するのがロボットなサースデーなのが物凄くシュール。
運転が上手いからなおさらに・・・・・・。
なんであんな昔の漫画に出てくるようなロボットの手で精密作業できるんだろう?
なにはともあれ、サースデーが運転しているそれの荷台に積まれているのは
はんた君とポチとアルファとたぶんデバイスなんだろう物とストラーダ。
あれ?なんでトラックに積んでるの?
前はサースデーが抱えてきたのに・・・・・・。

524 :メタルサーガsts(04/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:50:25 ID:ypq8Y3jL
「トラックに積む必要あったのですか?」
「いやぁ、アルファが余りにも激しいセッティング頼むから気合いはいりすぎちゃってね。こうでもしないとボクじゃ運べなかったんだよ。」

わたしと同じ疑問を抱いたマリエルさん。
けれどその答えに引き攣る。
以前の重量を知っていれば当然と言えば当然。
いったい何kgになったんですか。
既に人間が運用することを考えていないようなセッティングになりつつある気がする。
でも、それを運用できるはんた君もそれだけの処理をこなしてしまうアルファもすごい。
おそらく演算か並列処理がずば抜けてるんだろうけど。
いったいどれだけ高性能なんだろ?
そんなことを思っていたときだった。

「バトー博士!!!!ここか!!!!!!」
「はやてちゃん、どうしたの?リインとユニゾンまでして騎士甲冑まで着込んで・・・・・・。」
「主はやて、執務を放り出してくるのはどうかと思うのですが・・・・・・。」
「んなことどうでもええんや。それ以上に問題なんわ、バトー博士!!朝一で届けられてたあの報告書って本当に本当なんか?」
「どうしたんだい?わざわざ嘘を書くような奇特な性格はしていないつもりなんだけどね。」
「・・・・・・あのな、バトー博士。どんなにピーキーなアームドデバイスでも性格悪いインテリジェントデバイスでもシャーリーが卒倒するようなストレージデバイスでも作ってくれてええんよ。」

どれも問題だと思うのってわたしだけかな?
他のみんなも物凄く困惑した表情。
はやてちゃんがこんな状態になるってことはまたなにかやったのかな。
もうバカチンとかナイチチとかロシュツキョー呼ばわりは珍しくも無くなったし・・・・・・。
馴れって怖いな。
でもなんだろう?
次にはやてちゃんが口にした言葉に数人が絶句した。

「ただな、ユニゾンデバイス作ったっちゅうんわかなりムチャクチャ無茶ってやつやと思うんやけど・・・・・・。」
「ユ、ユニゾンデバイス!?作った!?」
「マ、マリエル技官しっかり!!」

卒倒しかけているマリエルさんをシャーリーが慌てて支えている。ティアナ達も動揺してるね。
ええと、ユニゾンデバイス。
古代ベルカの遺産で初代リインフォースとかリインがそれなんだよね。
物凄い力がでるけど暴走事故が多発したのと現在じゃ作り方が失われてるから物凄くレア・・・・・・えええええええ!?
ユニゾンデバイスを作った!?
・・・・・・ミッドチルダの歴史を揺るがす大事件じゃないの、これ?
でも、バトー博士の様子は対して変わらない。
それよりも困惑しているような・・・・・・。
やがていつもの調子でバトー博士が言葉を続ける。

525 :メタルサーガsts(05/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:50:49 ID:ypq8Y3jL
「何を言ってるんだい。ちゃんと目を通した?ユニゾンデバイスなんか作ってないよ。」
「はぁ?だって報告書には・・・・・・。」
「ああ、ちょうど良かった。それなら一緒に説明してあげるから聞いていってよ。
今、まさに説明しようとしたところだからさ。ええと、それじゃどうしようか。
最終改造したデバイスと新規で起こしたデバイスとカスタムと調整しただけのデバイスがあるけど。」
「僕のストラーダからお願いします!!・・・・・・ばらばらになってたりしませんよね?」

やっぱりデバイスが傍らに無いのは不安なのか、真っ先に手を上げたのはエリオ。
うん。エリオ。その心配は仕方ないかもしれない。
でも、心配するべきはそこじゃないと思うんだ。わたし・・・・・・。
バトー博士に改造お願いするってことは・・・・・・。

「OK。それじゃムッツリのタンショーデバイスの説明から行こうか。」
「ムッツリ?」
「タンショー?」

バトー博士の言葉の傾向を知っていればどんな意味の言葉でいわれた言葉かわかるんだけど。
初対面のギンガとマリエルさんは首をかしげている。
言葉の変換が出来ていないのか。
ああ、説明聞いて2人とも卒倒しないといいんだけど。

「それじゃ、説明するよ。でも、これからムッツリは訓練で忙しいでしょ。
忙しい人間を引き止めるようなクソムシ以下な真似をするのはボクの本意じゃないからね。
なんてったってボクは天才だからね。
四六時中妄想にふけってるムッツリでもぱぱっと分かるくらい超絶簡単な説明をしてあげるぐらい朝飯前さ。
だから1回で覚えてね。
覚えられないとかほざいたら裸に引ん剥いて六課の屋上から逆さ釣りにして『ボクはムッツリです』って垂れ幕つけてぶらさげてやるからね。
ああ、もちろん詳しいことが聞きたかったら後で聞きに来てくれればいいからさ。なんてったってボク達トモダチだもんね。」
「はい。わかりました。」

精神的にひとまわり成長したのかな。
ムッツリって呼ばれて表情変えないし、即答してるし・・・・・・。
この間は泣いて逃げ出したのに・・・・・・。
評価あげておいてあげようか。
いやいや、この後の説明でどうなるかが注目するべき点かもしれない。
そしてバトー博士の説明によるストラーダの説明が始まった。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:50:50 ID:t9Mn+F7d
支援

527 :メタルサーガsts(06/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:51:12 ID:ypq8Y3jL
「それじゃ、四六時中妄想しっぱなしで女の子の裸ばかり想像してるドスケベなノウミソをいったんリセットしてしっかり聞いてね。
ムッツリでも分かるように1つ1つ順番に説明するよ。いいかい?
1.貧弱脆弱虚弱体質なタンショーデバイスの基礎フレームからいじってムッツリに分不相応なデカマラデバイスに改造。
2.カマ掘るに不便だった刀身部分を延長することでケツのアナ抉りたい放題。
3.ソーローであることをウリにしながら全然ソーローじゃないから3倍ほどソーローにパワーアップ。
4.女子更衣室や女湯覗くのに便利なステルス搭載。
5.カートリッジシステム搭載でソーローっぷりが更に上がるから女子更衣室から逃げ出すのが一段と楽に。
6.ムッツリの貧相なイチモツと違って折れることのないウタマロ仕様。
7.似合わない白コートのバリアジャケットから変質者御用達の黒尽くめコートに変更。
8.ちょっと触っただけでドカンと加速する超絶こらえ性なしソーロードーテーボウヤ仕様。
9.ムッツリがあまりにも貧弱でお粗末でマザコンすぎるからしかたなしに重さは1kg増しで抑制。
9.せっかくデカマラになったのにノウナシボウヤすぎてステキ言語教え込んでもろくに使いこなせないクソガキAIだからAIいじりは仕方なく見送り。
10.今度の差し入れは羊羹にしてね。
どうだい。これだけ簡単なんだ。1度で当然分かってくれたよね。
そういうことでタンショーデバイスからデカマラデバイスに生まれ変わったデバイスを装備するムッツリも
ただのムッツリからオープンスケベなムッツリにレベルアップしてくれていいんだよ。
もうじゃんじゃん使いまくってあまりにも貧相で粗末なタンショーホーケーソーローのイチモツをおったてまくって発情して、
今度はオープンスケベのヘンタイのマザコンのマセガキのムッツリへのレベルアップ目指してよ。」
「・・・・・・あ、ありがとうございます。バトー博士。」
「お礼なんていいよ。だってボクとムッツリはトモダチじゃないか。トモダチの頼みは快く聞いてあげる。
それがトモダチってもんだろ。」

あ、頭痛い・・・・・・。
言っていることは革新的なことばかりなんだと思うけど、なんでこんな・・・・・・。
エリオ、どれだけ言葉の意味分かったんだろ?
むしろ分からないからあんな困惑した表情しているのかな。
逆に言葉の意味が分かる人間だと・・・・・・。
ああ、ヴィータちゃんとかフェイトちゃん、顔が真赤。
ティアナなんかまるでトマトみたい。
平然としているシグナムさんはすごいけど。
はやてちゃんも頭痛そうに頭抱え込んじゃってるし。
スバルとキャロは首を傾げてる。
ああ、2人もまだ分からないんだ。
こういうとき自分が汚れたなぁって思うよね。

「あ、あれだけピーキーだったのにまだ上があるっていうの?」
「な、な、な・・・・・・。」
「あわわわわわ・・・・・・。」

シャーリーは慣れちゃったんだな。
内容のほうで驚いてるみたいだし。

528 :メタルサーガsts(07/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:51:37 ID:ypq8Y3jL
でも、ギンガとマリエルさんはもう酷い動揺具合。
たしかに初対面でこうなるときついかもね。
でも、アダナが待っているって知ったら本当にどうするんだろ。
まぁ、それはいいとして、残りの2機が問題。
片方はアルファだからはんた君が使うとして、もう片方はいったい誰が・・・・・・。
鎖とプレートが付いていることからするとブレスレットかチョーカーなのかな?
少し大きめだけど。あれ?なんか刻印してある。
ええと、なんて書いてあるんだろ?

「それじゃ、ムッツリのデバイスの説明終わったからクソイヌのデバイス説明に移ろうか。
ゴキブリのデバイスは説明がシャレにならないくらいふざけまくったからね。
ああ、もちろんゴキブリの飼い犬たるクソイヌのデバイスも似たり寄ったりのふざけっぷりだよ。
あ、そうだ。ねぇ、ナイチチ。ザフィーラが喋れたらいいなって思わないかい?」
「あん?なに言ってるんだてめぇ。ザフィーラは普通に喋・・・・・・むぐっ。」
「おっとヴィータ、涎がこぼれとるよ。まったくしょうがない子やなぁ。アハハハハハ・・・・・・。
バトー博士にザフィーラが喋れるのは内緒なんよ!!」
「うん?まぁ、いいか。で、どうなんだい、ナイチチ。」
「あ、ああ〜、喋れたらおもろいなぁって思うけどなんでや?」
「うん。クソイヌデバイスを作っている途中、プログラムいじってるときにね。
念話の部分をマスカキする代わりの暇つぶしで遊び半分にいじくったら喋れるようにできちゃったんだよね。
だから余計な機能を全部取っ払ってこのステキな首輪をつけてあげるだけでただのザフィーラがいらないことほざくザフィーラにレベルアップできるんだよ。
ああ、インテリデバイスみたいなAI搭載しないからステキ言語は教え込めなかったんだ。ごめんね。」
「さ、さよか。あ、ああー・・・・・・。本当に喋れるようになるだけなんやな?」
「うん。物凄く頑丈で並大抵の力じゃ壊れないこの首輪をつけるだけでね。」
「・・・・・・主はやて。問題ないと思われますが・・・・・・。」
「・・・・・・せやな。」

聞いた限り、問題ないように思うけど。
なんかひっかかる。
そのとき、刻印してあるものが文字だと気がついた。
ああ、ネームプレートか。
でも、なんで名前だけなのにあんなにずらずら長いんだろ?
聞いてみるか。

「あの、バトー博士。プレートに書かれてるのって・・・・・・文字ですよね?」
「うん?バカチン。キミって文字も読めないバカチンだったっけ?
ただのネームプレートなのに・・・・・・。」
「いえ、あの、名前だけにしては妙に長いなって・・・・・・。」
「ああ、そういうことか。それならそうと言ってよバカチン。まったくバカチンはバカチンすぎてしかたないよね。
でもバカチンがそんな疑問を持つのも当然だよね。なんてったってバカチンはバカチンなんだもの。
その程度のことさえ分からないからこそのバカチンだもんね。
でも、大丈夫。バカチンでも分かるくらいとっても簡単なことしか書いていないからさ。」

529 :メタルサーガsts(08/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:51:58 ID:ypq8Y3jL
うう、相変わらず激しい。
我慢・・・・・・我慢・・・・・・。
そんなわたしにお構いなしでにかっと笑うとバトー博士が説明を続ける。

「このプレートにはね、こう書いてあるんだよ。
『私は年中発情しまくっててメスイヌと見れば見境なしに襲わずにいられない我慢知らずでこらえ性なしでおまけに甲斐性も無いナイナイづくしの恥知らずでクソマミレのクソイヌのワンコのポチです。』
どうだい?とても簡単だろ?」
「・・・・・・『私はポチです』以外の部分に意味ってあるんですか?」
「うん。もちろんだよ。この刻印がないとイマイチプログラムの奔り具合が悪くってね。この刻印をしてあげるだけで性能が200%アップするんだ。
それでナイチチ、どうするの?家族って呼ぶぐらい大切なんだからやっぱり喋れるようにしてあげたいって思うよね。」

・・・・・・デバイスって欲求不満になったりするのかな?
なんか酷い言葉いれるだけで性能あがっているような印象さえ覚えるんだけど・・・・・・。
ああ、こんなことを考え始めている辺り、逃避してるのかな。
いけないいけない。
で、件のはやてちゃんはそれを聞いて物凄くひきつった表情しているし。
あ、マリエルさん、今にも卒倒しそう。
過激っていう言葉を2つ3つ回っちゃった過激さだからしかたないのかな。
はやてちゃんの困った様子を見かねたのか、ティアナが口を挟んだ。

「バトー博士。それよりもポチ・・・・・・さんのデバイスの説明を。」
「おお!それもそうだね。クソッタレザフィーラのことなんてどうでもいいもんね。
ゴキブリの飼い犬のクソイヌのポチのほうがよっぽど大切だもんね。ありがとう。ノウナシヒステリー。」
「え?え?ちょっと、あたしは別に・・・・・・。」
「それじゃノウナシヒステリーの要求もあったことだし、とっととかったるい説明をしちゃおうか。
なんてったってこの後に救いようが無いダッチワイフデバイスアルファが待っているんだからね。
こんな説明はちゃきちゃき終わらせないと日が暮れちゃうよ。
それじゃ、クソイヌ、そこを動かないでね。このワンコロデバイス取り付けてあげるからさ。」

そう言って近づくとかちゃかちゃと音をたてて取り付けられる鎖とプレート。
あ、ワンタッチで取り付けられるんだ。
お手軽だね。
もしかするとフリードとかにもつけられるんじゃないかな。

530 :メタルサーガsts(09/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:52:21 ID:ypq8Y3jL
「これで良し。それじゃ説明しようか。クソイヌのクソ過ぎるクソッタレノウミソじゃ1割も理解できないだろうけど
聞かないよりはましだからせいぜい頑張って理解してね。
もっともウジが湧いたクサレノウミソじゃ四六時中盛ることしか考えて無くて幾ら説明してやってもかけらほども覚えてくれないからやっぱり無意味に終わるかもしれないけどさ。
それじゃ1つ1つ順番に説明するからね。いいかい。
1. ストレージデバイスっていう味気も色気も面白みもやっかみも面倒も無いクソイヌにピッタリのクソ過ぎるテツクズガタクタヨセアツメクソッタレデバイス。
2. クソイヌがウェルダンになっても傷一つ付かなくて1度取り付けたら2度と外れないタフネスを持った超絶頑丈クソマミレ仕様。
3. 似合いもしないクソイヌのボロキレはあっちで過ごしてたころと同じ格好。
4. クソイヌ仲間1号のジャンキーベルナールがやってたステルス搭載によって食い逃げが簡単に。
5. 四六時中全身にブーストかかりまくりになるおかげでクソイヌ仲間2号のピザデブタロウがやってた一個小隊を壊滅させる体当たりもできる怪力馬鹿に。
6. ヘルメットから伸びた管からは吸うだけで絶頂になれるクソイヌ仲間3号のスカシラリーが持ってたヤクをちょっと改造したヤクチュウガス満載のポチボンベ搭載。
7. 重さはバカチン2人分よりは気持ち程度に軽い100kg。
8. 噛み付くことしか知らないノウナシのクソイヌのためにクソまみれの身体を全身武器まみれにレベルアップ。
9.計画性なにそれで後先考えない甲斐性なしなクソイヌのためにベルトリンク式カートリッジシステム搭載で火力アップして魔力を節約。
10.クソイヌは使う気がしないだろうけどナイチチがつけろってキャンキャン喚くからしかたなく取り付けたサディスト設定搭載。
11.ゼツリン節操なしのクソイヌのために幾らでも節操なく撃ちまくれるよう並列処理がブチキレのブチマケのブッコロ仕様。
12.ゴキブリとお揃いの不思議魔方陣Mk.T〜Vに加えて新たに加えたMk.W〜Yも搭載で飼い主と揃ってクソヤロウに。
13.ろくに使わないけどおまけ程度に喋れるようにした泣いて喚いて叫びまくれる負け犬の遠吠え迷惑仕様。
14.お礼は期待していないからイチゴショートなんか持ってこなくていいからね。
どうだい。クソイヌのカラッポノウミソじゃまったく理解できなかったと思うけど分かりやすい説明だったでしょ。
気に入ってくれたかな。」
「・・・・・・それで、武装はどうやって展開する?」
「「「「「「「しゃ、喋った!?」」」」」」」
「なにを驚いてるんだい?喋れるようにしたって言ったじゃないか。人の説明をそろいも揃って聞いてないな。
人の話はちゃんと聞くことって教わらなかったのかい。ああ、それで展開の仕方だったね。
クソイヌじゃ余り長い言葉を覚えられないだろうから、いろいろアイデアはあったけどクソ簡単なヤツにしたんだ。
最初は『じゅげむじゅげむ五光の擦り切れ・・・・・・』とか『百人一首を一呼吸で全部謳いきる』とか『全身に100V電流を流して感電犬になる』とか考えたんだけど
どれもこれもクソイヌじゃできそうになかったからね。『クソッタレ、セットアップ』の2言で展開できるようにしたよ。
これならクソイヌでもできるでしょ。ああ、もちろん『わおーん』って遠吠えしてくれても展開できるからね。」

いや、どれも難しいって・・・・・・。
結局、わたし達と変わらないし。

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:52:33 ID:bRk5L0mV
支援


532 :メタルサーガsts(10/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:52:43 ID:ypq8Y3jL
「・・・・・・ねぇ、ティア。遠まわしにあたし達、馬鹿にされてるのかな?」
「スバル、話しかけないで。正気を保つのに必死だから。」

ティアナがすごい表情になってる。
ああ、そういえば前は泣き止まなかったんだっけ。
エリオとキャロははてなマークが飛び回っているような表情しているし。
ギンガとフェイトちゃんも顔が引き攣り始めた。
ヴィータちゃんはぶるぶる震えっぱなしだし、はやてちゃんは頭を抱え込みっぱなし。
平然としているのはシグナムさんくらい。
シャーリーさん、やっぱり平気そうだ。
・・・・・・慣れって本当に怖いね
あ、マリエルさん、過呼吸起こし始めてる。
でも、本当にどこから突っ込めばいいんだろう。

「わおーん!!」

そんなとき、高らかな遠吠えが響き渡り、展開されるポチのバリアジャケット。
・・・・・・え!?

「ええええええ!?」

真っ先に大声を上げたのはティアナ。
いや、気持ちは分かるけど。
でも、これって全身武器庫っていうんじゃないかな?
でも、大砲とミサイルとマシンガンは分かるけど、レンズとコイルのはいったい何に使うの?
それになんかこんな感じのオモチャが昔売ってたような気もするような・・・・・・。

「どうだい。とりあえずドッグバズーカとドッグウイングとドッグサンダーとドッグレーザーとドッグバルカンを干渉しないように搭載したんだ。
ドッグジャベリンは余りにも不恰好になるからいっそのことジャベリンじゃなくて爪にしちゃったよ。
ゴキブリが惚れてたアバズレの武器と同じ構造の爪だから切れ味は抜群だと思うよ。
本当はマイクロブラックホール生成装置とか荷電粒子砲とか陽電子砲くらい積みたかったんだけどナイチチが融通きかないせいで質量兵器つめないし、
クソ撒き散らすみたいに放射線ぶちまけて辺りをぶち壊しまくるとクソイヌは良くても回りがガタガタ抜かすから放射線ぶちまける装備は残念だけど積めなかったんだよ。
なんにせよこれでクソイヌは噛み付くことしか出来ないノウナシクソイヌから全天対応年中発情見境なし節操なし喚き散らす空飛ぶクスリ漬け脳筋クソイヌにレベルアップしたんだ。
使いこなせなくてキャンキャン鳴いたりしないよね。ねぇ、クソイヌ。」
「悪くない。」

さすがにバトー博士の言葉に引き攣った。
いったいなにを相手にする予定なんですか!?
荷電粒子砲とか陽電子砲は分からなかったけどブラックホールなら分かる。
でも、そんなもの持ち出して・・・・・・。
皆の表情も引き攣ったりはてなマークが浮かんでそうな顔の2つに割れた。
そんなわたし達の思考はおいてけぼりで、バトー博士の話はまだ続いている。

533 :メタルサーガsts(11/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:53:04 ID:ypq8Y3jL
「うん、それはよかった。これでハンター2としてゴキブリの役に立てるね。
なんせ、ゴキブリの飼い犬以外に管理局の犬なんて称号がついたところでクソイヌのクソイヌっぷりに代わりは無いからね。
せいぜいクソイヌが食って寝るしか能が無い真性のクソイヌじゃなくて無いよりマシ程度に動けるノウナシのクソイヌだって証明してあげてよ。
それがゴキブリの手助けになるからさ。」
「まったくもってその通りだ。御主人の傍らにいられるほうがよほどいい。」
「ハンター2!?」

バトー博士とポチの会話に驚いたようなスバルの声が響く。
あ、わたしも初耳だ。
たしかにハンターチームははんた君1人だったから当然といえば当然・・・・・・なのかな?
あれ?でも簡単に人員って増やせたっけ?
スカウトした後にいろいろ書類手続きがあったような・・・・・・。
その前に部隊長の許可が必要なんだけどはやてちゃん、出したのかな?

「ちゃんとナイチチの承認も通っちゃってるしね。心置きなくハンター2として暴れてよ。」
「ええ!?私、覚えとらんよ!?」
「ええ〜?もう、だめだなぁ。たしかあれはゴキブリがノウナシヒステリーを蜂の巣にした日だね。
あの日、ハンター2の話を持ちかけにいってせっかく分かりやすく丁寧に説明してあげたっていうのに、
聞き分けの無いナイチチがこらえ性もなく喚きだしちゃったから机の上の書類に紛れ込ませてきたんだ。
その後にも手段を変えて3種類くらい書類送っておいたけど全部にほら、この通り。
承認のハンコがぽちっと押されてるんだよ。これでハンター2のクソイヌポチの誕生に障害はなくなったわけだね。」

ああ、そういえば大荒れしてたね。あの日のはやてちゃん。
書類仕事するときは絶対に怒ってないときにしよっと・・・・・・。
膝を突いて絶句しちゃってるはやてちゃん。
でも、承認のハンコ押さなかったとしても、フリードとかザフィーラさんみたいな扱いで戦闘参加する手段はいくらでもあるんだよね。
ポチがきちゃった時点ではやてちゃんの負けかな。

「さて、長々と実の無いオナラみたいなスカスカ説明つきの2人のデバイスは終わったから。
ついにようやくお待ちかね、ダッチワイフアルファの説明だね。でも・・・・・・うーん。」

珍しく歯切れの悪いバトー博士。
どうしたんだろう。
いつもなら嬉々として説明してくれるのに。
言葉はすごいけど。

534 :メタルサーガsts(12/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:53:49 ID:ypq8Y3jL
「どうかしましたか。バトー博士。なにか問題でも?」
「うん。ロシュツキョー。別に説明してあげてもいいんだけどね。アルファは余りにも力入れて改造しすぎちゃったからね。
散々いろいろ天才過ぎるボクの頭を使って必死こいてえっちらおっちらひいこらあへあへ考えたんだけど、
どんなに簡単にしてやってもシャーリーやバカチンやロシュツキョー達が理解するのには3世紀か4世紀はかかる感じなんだ。
それにいつものことを考えるとボクが必死こいて考えた超絶簡単単純明快な説明を聞いたとしても分からないとかほざくだろうしね。
だから、今回は大切な部分を山のようにごっそりえぐりまくってサルどころかアメーバでもギョウチュウでもサナダムシでもゲボ子でも理解できるくらい
単純で簡単で物足りない説明にしてみたよ。これで分からないなんてほざかれたらボクどうしちゃおうってくらい簡単にしたんだ。
それで、もしも分からないなんて言われたらって少し心配になっただけなんだよ。」

なんか簡単に説明するのくだりでおかしなの1つ混ざってなかった?
でも、3世紀か4世紀か・・・・・・。
ユニゾンデバイス作ったっていうだけでそれぐらい超越していそうなんだけど。
もう、ここまでくるとどれだけおかしなデバイスになったのか気になってくる。
認めよう。
運用さえできればアルファが誰のデバイスよりも高性能だって・・・・・・。
そういえばトラック持ち出すなんていったい何kgになったんだろ?
重めに見積もって600kgぐらいかな。

「そんなわけだから別に心配しないでね。ゴキブリ、心して聞いてね。
分からないなんてほざいたら・・・・・・まぁ、どうでもいいよね。
どうせ言わないだろうし、言ったらノウナシヒステリー達が泡噴いて卒倒しちゃうくらいの過激な真似してやるだけの話しだしね。
それじゃ1つ1つ順番に説明するよ。
1.今までの機能はそのままだからアルチュウでヤクチュウでクレイジーで這いずり回るのがお似合いのゴキブリ専用仕様ダッチワイフ。
2.グチャグチャネチャネチャトロトロのデロデロに合体できる融合機能搭載。
3.変形速度がイチモツ挟んだら痛みを感じる前に噛み千切られる1秒を達成。
4.融合することで歳もわきまえずに絶叫していた仕様が絶叫する必要がない仕様に。もちろん絶叫しても大丈夫。
5.ドSの人間が先に壊れる壊せるものなら壊してみろな真性ドM仕様。
6.ベルトリンク式カートリッジシステムのおかげで腎虚になるまでブチマケ放題仕様。
7.カートリッジシステムによって今まで使えなかったゴキブリのお気に入りハードコアプレイ装備が使用可能。
8.ボクが作ったジェネレータのアルティメットフレンドを2基搭載したことでゴキブリの苦労が半分に。
9.おかげでダッチワイフがちょっぴり太って騎乗位やったらイチモツごとぐちゃっと潰される重さの1t。
10.ダッチワイフと融合することでいろいろパワーアップ。
11.ゴキブリの調教をしてくれる女王様にも調教されてくれる雌奴隷にもなれる多機能仕様。
12.不思議魔方陣Mk.Wのおかげで四六時中フルパワーでハイパワーでエクサでゼタでヨタでオーバードライブでバーストな絶倫仕様。
13.不思議魔方陣Mk.Xのおかげでボクの手をわずらわせなくても改造し放題な機械フェチ仕様。
14.ゴキブリがくたばりそうなとき、羽虫と同様に自律戦闘可能でピアッシングや焼きごてが大好きなダッチワイフドSモード搭載。

535 :メタルサーガsts(13/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:54:10 ID:ypq8Y3jL
15.節操なしのゴキブリのために搭載した不思議魔方陣Mk.Wのおかげでどれだけふざけた火力でもしみったれた火力でも同じになる定コスト仕様。
16.貧弱脆弱単細胞なゴキブリのために勝手に三連装になることで前の後ろも上も全部塞いでやれる心配りの行き届いた超絶親切設計。
17.ゴキブリが野外プレイでもお風呂プレイでもどんなプレイをやるにしても妨げられないあらゆるものへの防御を搭載。
18.10年でも100年でも飽きるまでヤリまくってられる融合機能は『ユニゾン開始』なんていう味気ない言葉で起動。
18.足場蜥蜴召還機能搭載。
うーん。本当に言い足りないことだらけすぎて説明の意味がないぐらいに削りまくっちゃったね。
おそらくもしかしたら奇跡的に理解できるだろうレベルにまで削りに削ってナイチチのムネ以上にえぐりまくってこんな感じなんだけどどうかな。
そんなわけで今までのアルチュウでヤクチュウのホーリーシットでクサレビッチなアルティメットクソッタレスペシャルダッチワイフデバイスから
鞭もロープもタチもネコもサドもマゾもこなせて水攻め火責め電気攻め薬攻めにミミズ風呂もOKで
ピアッシングも焼きごても墨彫りも嬉々としてやってくれて
3リッターや4リッターごときのカンチョーされたって笑ってこなす
真性ドSで真性ドMでファッキンシットでメスブタでアルチュウでヤクチュウでホーリーシットでクサレビッチで
ビューティフォーでファウストでワンダフォーでウルトラウジムシでエクストリームでパラノイアでトキメキでヤンデレでミラクルでゲロヤバで
吐き気を催すくらいに笑い転げて思わず目を背けたくなる
スーパークサレゲドウアルティメットバトークソッタレハイパービッチパラノイアスペシャルダッチワイフデバイスフルカスタムになったわけなんだ。
これ以上どうにかしたいなら3Pとか4Pとか10Pとかやるために同型機を作りまくらないといけないね。
どうだい、ゴキブリ。気に入ってくれただろ?
もう救いようが無いくらい完璧で超絶で絶頂しっぱなしでイカレててサイコでシリアルでフランキーでファナティックでファウストでパラノイアでマッド過ぎるダッチワイフは・・・・・・。
もうどんな無茶なプレイをゴキブリがやろうとしたって問題ないからね。
周りがドンビキするぐらいイカれたハードコアなプレイをいくらでもして酷使してあげてよ。ダッチワイフもそれがお望みだからさ。
ふう。説明に熱が入りすぎちゃって息切れしちゃったよ。ハハハハ、ハハハハハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ユニゾン機能ついてるよ!!
そうツッコミをいれようとしたとき、横でどさっと音がした。
なんの音と振り向くと、地面に倒れこんでいるマリエルさん。

「ああっ!!マリエルさんしっかりして!!」

ええと・・・・・・どうしようか。
あ、ティアナも意識飛ばしそう。
スバルとヴィータちゃんの頭から煙噴いてるし。
でも簡単にしてあれってどのぐらい難しくなるんだろ?
ああ、わたしも限界だったのかもしれない。
なんだか意識が現実逃避したがってるなぁ。あはははは・・・・・・・・。

536 :メタルサーガsts(14/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:54:32 ID:ypq8Y3jL
========
マリエルさんを医務室のシャマルさんにお願いして、再び場所は訓練場。
その間に気を取り直したのらしい皆。
その中で、真っ先にはやてちゃんが口を開く。

「・・・・・・なぁ、バトー博士。ユニゾン機能ついてるやないか。」
「うん。ユニゾン機能はついてるよね。」
「だったらユニゾンデバイスやないか。」
「んー?まったくナイチチは貧相でスカスカでろくにないエグレオッパイ同様にノウミソまでスカスカなのかい?
ナイチチが言っているのはナイチチを見て女は全部ナイチチって言っているようなもんだよ。
ニートに向かってそういうのは余りにも無茶で無理で無謀で身の程知らずの恥知らずってやつじゃないかな。
だから、無駄に大きなオッパイと言えばニートでエグレオッパイと言えばナイチチでダッチワイフといえばアルファで
ゴキブリといえばはんたでバカチンといえば高町なのはに決まってるじゃないか。
そんなことも分からないからナイチチのオッパイはいつまでも貧弱で脆弱で哀れみさえ覚えて思わず笑っちゃうクレーターオッパイなんだよ。
ゴキブリの知り合いのイカレマッドビッチのグレイ博士はムカツクくらいのインテリだったけどニートみたいにヘヴィなオッパイついてたよ。
それにゴキブリのママさんもナイス修理屋でナイスインテリのナイスリアリストでナイス長身のナイスバディのナイスオッパイ搭載だったよ。
やっぱり頭の容量とオッパイの容量は比例するんだななんて思ったもんさ。わかったかい。このナイチチ。」
「・・・・・・ええと、バトー博士。つまりメインシステムにユニゾンが付いているわけじゃないからユニゾンデバイスじゃないと。」
「デバイスをパスタだとするとパスタに振り掛けるタバスコがユニゾン機能ってことでいいのかな?」
「おお、さすがロシュツキョーだね。伊達に嬉々としてロシュツしまくっているだけのことはあるよね。
ナイチチよりもずっと立派なオッパイ搭載しているから物分りもずっといいよ。
ナイチチよりもロシュツキョーのほうが物分りいいんだからやっぱりボクの考えは正しいってことだよね。
バカチンもバカチンなりに必死こいて考えて理解してくれたみたいでボクは嬉しいよ。
どうだい、ナイチチ。バカチンもロシュツキョーも理解できるくらい超絶簡単に説明したんだよ。
どうしてわからないかな。表情を見た限り分かってないっぽいのはナイチチとゲボ子ぐらいだよ。
どっちも救いようがないくらい終わっちゃった平原オッパイの持ち主じゃないか。
本当に頭の中身詰まってるの?」

あ、まずいかも。
はやてちゃんとヴィータちゃんの纏ってる空気が変わった。
2人とも我慢の限界っぽい。
訓練場半壊ぐらいで済むかな。
止められそうにないしなぁ・・・・・・。
けれど、バトー博士は言葉を続ける。

537 :メタルサーガsts(15/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:54:56 ID:ypq8Y3jL
「それはそれとして、まったくナイチチが部隊長だから懐までナイチチなんだね。
支給係のところにカートリッジもらいに行ったんだけど、たかがカートリッジ10000発ぐらい頂戴って言っただけで青筋立てて怒り出しちゃったよ。
書類はちゃんと弾数分きっちり書いて申請したってのにさ。仕方ないからなだめすかして泣いて喚いて脅して100発ずつもらってきたから
ゴキブリもクソイヌもこれで我慢してね。」

地雷原でタップダンス踊ってることに気がついてるのかな、バトー博士。
それはそうと、バトー博士の手からじゃらりとぶら下がったのはベルト上に繋がったカートリッジ。
なるほど。映画とかでよく出てくるこれがベルトリンク式・・・・・・えええ!?
レイジングハートやバルディッシュでも6発が限界。
給弾機構の問題もあるけれど耐久力が持たない。
でも、100連なんて・・・・・・。
そもそもデバイスが持つの?

「バトー博士、耐久性は持つのか?」
「うん?ニート、今更なにを言い出すんだい?カンチョーの3リッターや4リッターごとき笑ってこなすって説明したじゃないか。
ダッチワイフにとってはカートリッジの1つも2つも100も1000も大差ないよ。」
「そうか・・・・・・。恐ろしく堅牢なのだな。」
「もちろんだよ。そうじゃないとゴキブリの激しいハードコアプレイには耐え切れないからね。
すぐに壊れたんじゃゴキブリが欲求不満になって所かまわず人を襲っちゃうようになっちゃうじゃないか。
見境なしになるのはいいけどトモダチとしてできることはしておいてあげたいもんね。」
「言い残すことはそれで全部か。」

うわー。ヴィータちゃん、怒りを通り過ぎちゃったような顔してるよ。
いつもなら顔を真っ赤にしているだろうに。
フォワード陣も怯えちゃってる。
本当にどうしよう。

「うん。ゲボ子、これで説明は全部だね。ゲボ子もナイチチも準備万端っぽいから早速訓練兼デバイステストといこうか。
今日からチーム対抗模擬戦って話をちょろっと聞いたからナイスタイミングって思ってたんだ。
でも、ナイチチまで参加してくれるなんてもう嬉しくて嬉しくてシャセイが止まらないよ。
それじゃ、アカダマが出る前にパンツを履き替えてイカ臭いおじいちゃんから
いつものバトー博士に戻らないといけないからボクはこれで帰るね。バイバイ。」
「アルファ、セットアップ。ユニゾン開始。」
「了解しました。マーカーの添付を完了。
敵:高町なのは、フェイト・テスタロッサ、八神はやて、シグナム、ヴィータ、ティアナ・ランスター、
スバル・ナカジマ、エリオ・モンディアル、キャロ・ル・ルシエ、フリード、ギンガ・ナカジマ。
サディスト設定を起動。ポチ、殺したり腕を引き千切らない限りは無制限です。」
「わおーん!!!」

538 :メタルサーガsts(16/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:55:48 ID:ypq8Y3jL
うわぁ、はんた君達もやる気満々だよ。
わたし達にリミッターあっても2対11なんてやりたいなんて絶対に思わないんだけど。
ああ、シグナムさんもレヴァンテイン構えちゃったし、フェイトちゃんもスピードローダー使ってバルディッシュにカートリッジ装填してるし。
一触即発の雰囲気に気がついたのかティアナはスバル連れて物陰に逃げてるし、
エリオは・・・・・・あれ?どこに行ったんだろ?
キャロとフリードも大慌てで物陰に逃げてるし。
ああ、もう、やるしかないか。
請求書回されたら・・・・・・はやてちゃんの責任になるからいいや。
始末書地獄はもういやだ。
そう思った瞬間だった。
はんた君が急激に回避動作を取る。
なにが?

「ステルス中のエリオ・モンディアルによる背後よりの奇襲、回避に成功。掃討を開始します。」

アルファの言葉が開始の合図だった。


========
『225mmヒュドラ、弾種爆裂。睡眠ガスを順次。4射後にCIWS、2倍速。』
『了解。カートリッジ10連ロードします。こちらでマニアックシェフ、タップダンサーを常時打ち上げます。着弾地点のマーキング完了。』

ノロノロと上昇を続けながら、陸を走るように空を駆け抜ける。
視界に奔る情報の奔流。
左手から立て続けに打ち上げられるのは広域殲滅兵器。
レーザーの雨を降らせるこれらを打ち上げながら、駆け抜ける。
右腕に構えたのは225mmヒュドラ。
火力が高すぎて噴煙を抑えきれず炎を吐き出す様からつけられた名前。
どこまで身体が持ちこたえるかのテストにちょうどいい。
それを標的めがけて撃ち込んでいく。
着弾までに必要な時間はわずかに一瞬。
3連装で吐き出された砲弾4射、計12発がマッハ5の初速で獲物めがけて襲い掛かる。
撃った直後には着弾地点にクレーターを刻みつけながら有象無象の区別も無しに吹き飛ばしていく。
命中していても避けられていてもかまわない。
陸戦しかできない5人の脚を止めるのが本当の狙い。
その間に攻め込む体勢を整えきる。
撃破出来たなら好都合ぐらいの感覚。

『タップダンサーおよびマニアックシェフ、八神はやてによって上昇前に全基撃墜を確認。狙撃地点はここです。マーカーします。』

確認するように思念で伝えてくれるアルファ。
ああ、これはなんて良いシステムだろう。
確認して認識するという動作の一切が省略され、戦闘中の思考の中に当たり前のように滑り込んでくる。
あまりにも馴染む。
思考が戦闘に特化していく。
対11をやる上で真っ先につけた撃破優先順位。
その中で最優先で潰すべきは補給を担うキャロ。

回復、召還、支援ができるこれを潰さないことには戦いが長期化してしまう。
火力で押し切れってしまえればいいが、確実性を求めるのならば真っ先に潰さないと話にならない。
フリードはたいした脅威にならないが、未だ見ないヴォルテールというドラゴンがどれほどのものか。
呼ばれたとしても叩き潰すまでだが。
次が指揮官の八神はやて。
部隊長の肩書きが名ばかりのものでなければ、最も広い視野で戦いを眺められる人間。
潰さないことにはいくら崩してやっても体勢をすぐに立て直されてしまう。
それに広範囲を大火力で吹き飛ばす真似を連発できる魔力量は純粋に警戒に値する。
敵味方の区別をつけて攻撃できる広域空間攻撃があったなら優先順位はキャロと逆転していたかもしれない。
情報管制担当がいたならば、キャロの次に潰しにかかっただろうがシャマルはここにいない。

539 :メタルサーガsts(17/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:56:44 ID:ypq8Y3jL
その次がひよっこフォワードとギンガ。
空を飛べないのがなによりのペナルティ。
スバルがウイングロードで空を飛んだなら蜂の巣が確定する。
スバルの姉というギンガも装備を見る限り、スバルと同系統の魔法に偏ると推測できる。
ティアナはクロスファイアシュートと幻影が警戒事項。
速度重視を連射することによる弾幕。
あるいは速度を徹底的に削って追尾性能特化することで追い込む役に回られたなら
熱誘導も連射も空を高速で飛ぶ相手を叩き落すには役不足。
もっと高初速、あるいは高密度の弾幕が展開できれば話は変わっただろうに。
そして、フォワード全員に共通することは地上を走ることしかできないこと。
だからこそ、機動力は空を飛ぶものに比べてはるかに遅い。
問題はバトー博士に改造されたストラーダを持つエリオ。
機動力だけは文句なしにトップクラス。
ステルスを使った奇襲は正直意外だった。
正面から名乗りを上げて戦う性格だとばかり思っていたのに。
良いハンターになりはじめている証拠か。
あとは、どこまで使いこなせるか。
しかし、どうやって潰したものか。
弾幕で正面から叩き落すのもよいが、それでは成長の糧にならない。
あの性格を利用するとしよう。
最後に高町なのはを筆頭とする隊長陣。
早くて重いフェイトとシグナムが最大の脅威。
なのはの援護射撃と併用されると一番やりづらくなる。
ヴィータは・・・・・・なにが取り柄なんだ?
ハンマーで殴りつけるところしか見た記憶が無い。
予備動作も大きいから先に潰せる。
・・・・・・分からないな。
なんにせよ、撃破順位は変わらない。
ポチも俺と同じ思考を辿ったらしい。
こっちの動きを支援するように移動している。
ならば、始めようか。
僅かに稼いだ高さを使ってソニックムーブを起動。
相手の下をすり抜けながらCIWSをぶちまけていく。
どれほどイカれた高速移動をしながらイカれた反動の武器を使っても身体が勝手に照準を合わせる。
レールキャノンのときのように身体が壊れる音がしない。
時折きしむような音をたてるだけ
CIWS。
Close In Weapon Systemの頭文字をとった略称。
通称、バルカンファランクス。
本来ならばマッハ5で飛来するミサイルを銃弾で迎撃しようなんていう発想の装備。
しかし、あの荒野では高高度を飛ぶ敵を撃ち落すための装備に過ぎない。
あのジッグラトの砂漠を丸ごと磁気嵐で覆い隠していたストームドラゴンを穴だらけにしたのもこれ。
発射速度は毎分4500発。
その2倍速、3連装が襲い掛かった。
本来ならキャロを狙うべき場面ではやてを優先した理由。
それは、魔法使いは揃いも揃って射撃直後に硬直するんだよ!!


========
間一髪。
ソニックムーブではやてを捕まえてはんた君の射線から離れる。
それでも数10発くらってしまった。
コンマ数秒しかその場にいなかったというのに。
フォトンランサーファランクスシフトが生易しいと思えるほどの高密度弾幕。
体感でおよそ7倍ぐらい早い。
けれど、回避すれば済む話。
一番怖いのはなのはを倒したあの投擲武器。
音は視覚情報と並んで重要な情報。
だからこそ音を遮断するわけにはいかない。

540 :メタルサーガsts(18/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:57:10 ID:ypq8Y3jL
それゆえに音を利用した攻撃だけは防げない。
だから直撃を受ければ・・・・・・。
非殺傷設定だと言っても油断は出来ない。
少なくとも戦闘不能にされることを考えるとどのぐらいのダメージが与えられることか。
腕の1本や肋骨の1本折るぐらい当たり前に考えてそうだし。
今更ながらシールドもバリアもフィールドさえも無意味にされるという意味に戦慄を覚える。
はやてとなのは、それにシグナムとヴィータがいてもリミッター付じゃきついかな。
どうやって勝つ?
対魔導師用のバインドからの砲撃も0コストのソニックムーブがある以上、捕まえられるとは思えない。
ならば魔力切れを狙えば・・・・・・。
あれだけの攻撃だ。
絶対に魔力消費がきつく設定されているはず。
ただ、定コストというバトー博士の言葉が酷く気になる。
相変わらずすごい言葉だらけだったけど、その中で特に異様だった一言。
どちらにあわせた発言なのか。
私で例えるのならばフォトンランサー1発さえトライデントスマッシャー1発のコストで撃つことになったのか。
それともトライデントスマッシャー1発をフォトンランサー1発のコストで撃つことになったのか。
それに負担を減らすジェネレータ搭載・・・・・・。
いずれにせよ、魔力切れは望めないと思ったほうがいいかもしれない。
はやてのデアボリックエミッションで回避不能の攻撃をするしかない。
そのためにも詠唱時間を稼がないと・・・・・・。
まずソニックムーブを遣わせたら駄目。
そのためには・・・・・・。

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:57:57 ID:axYmNiwO
支援

542 :メタルサーガsts(19/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:58:02 ID:ypq8Y3jL
『皆、はんた君を空に上げたら駄目。撃ち落して。速度重視で誘導制御型の魔法で追い込む。ティアナはクロスミラージュ、なのははアクセルシュート、わたしがプラズマバレットで追い込むよ。』
『『『『『『了解。』』』』』』

もうチーム対抗の訓練じゃなくなってる。
でも、1つの可能性としてありかもしれない。
自分の技量を確認するという意味で・・・・・・。
ただ、相手がはんた君だけならどうにかなったかもしれない。
咄嗟にバルディッシュが展開したラウンドシールド。
その上でなにかが炸裂する。
いったいなにが。
なにも無い空間から突如として湧き出てくるミサイル群。
理解できない・・・・・・ステルス!?
いったい誰が。
回避運動を取りながら必死に考える。
はんた君はこの高度まで到達していない。
ポチだって空は飛べないはず・・・・・・。
そんなとき、不意に思い出されるバトー博士に露出狂呼ばわりされることになった日のこと。
あまりにもなにげない一言。
『ジャンプしたついでに戦闘機叩き落したり・・・・・・。』
足場は不思議魔方陣Mk.Uで生成すれば飛び跳ねるだけでこんな高度簡単に到達でき・・・・・・奇襲もできる!?
なにもいない空間からのミサイルの射出が止んだと思えば、今度は地上で地面が炸裂している。
何もかもが後手にまわってしまう。
見えない敵というのがこれほど戦いづらいなんて!!
シャマルさんがいればどうにかできたかもしれないのに!!


========
すごい。
けど、きつい。
そして過激って言う言葉の本当の意味を思い知る。
これが本当のストラーダだとすれば、今までのストラーダは赤ん坊がはいはいしていたようなものだ。
なにより一番驚いたのは、このステルスっていう機能。
目の前を通り過ぎたりしているのに誰も気がついていないみたい。
それでも奇襲を回避したはんたさんはやっぱりすごい。
この前、アルファさんに教えてもらった戦い方。
この速度で体当たりするだけでほとんどの敵は倒せる気がする。
本当に2倍、いや3倍は速度が出てる。
あ、ソーローって速さのことなんだ。
どういう字を書くんだろう?
早狼とか早浪とかかな?
後でフェイトさんかティアナさんに聞こうかな。
それはそうと、今にも腕が引き千切れそう。

543 :メタルサーガsts(20/32) ◆1vM/cJUE9g :2008/05/19(月) 00:58:25 ID:ypq8Y3jL
それに吐きそう。
スピードしかとりえが無いなんて言ったのに、速度が上がっただけでこんな状態になるなんて・・・・・・。
負担の上昇に身体が追いついてないのかな。
重心が前よりもバランスよくなってて振り回しやすくなっているけど、それでもこの速度はきつい。
これでまだカートリッジを使っていないんだから、使ったらどうなるんだろう?
そんなとき視界に移ったのは、空から飛来する無数のミサイルに狙われているキャロだった。
危ない!!
咄嗟に身体が動いていた。
ソニックムーブで攫うようにキャロの身体を掴んで駆け抜ける。
本当にその直後に着弾するミサイル。
危なかった。
そう思い、キャロを下ろそうと僅かに速度を緩めたときだった。

「経験不足だな。」

聞こえたのははんたさんの声。
どういう意味?
考える暇も与えられず、次の瞬間に襲い掛かったのは物凄い衝撃。
車にはねられるとこんな感じなのかな。
そんなことを思いながらボクは意識を失った。


========
「マッハキャリバー、もっと速度でないの!?」
「This is my max speed.」
「だって振り切れてないじゃないか!!」
「He has too crazy speed.」

スバルに抱えられながら、必死に追跡を振り切ろうとする。
けれど、全然振り切れない。
スバルはマッハキャリバーと言い合いし始めてるし。
いったいポチさんってどんな犬なのよ!!
こんな姿勢じゃろくに狙いもつけられないけど、ないよりましと思って使ったシュートバレット。
けれど、1つの例外も無く回避される。
いつだったかはんたさんにされたみたいに・・・・・・。
そんなことを思っているとき、

「スバル、そんなこと言っている場合じゃないでしょ。このままじゃ追い立てられっぱなしになるわよ。
姿が見えないから私もスバルも接近戦は挑めない。ティアナ、なにか方法は無い?」
「今考えてます!!」
「ティア、いったんウイングロードで上空へ・・・・・・。」
「駄目よ、スバル。空から蜂の巣にされるわよ。」
「前にティアがされたみたいに?」
「・・・・・・もっと酷いことになると思う。」
「でも、なんで目の敵みたいにスバル追ってくるの?あの犬・・・・・・らしき生き物!!」

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 00:59:45 ID:vXMmt/T3
支援させてもらいます

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:07:04 ID:Vdz/uDhn
こちらも支援。

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:11:01 ID:LJZXRxz2
まるでプロトタイプネクスト・アレサのように思える。

支援だ!

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:12:33 ID:k7f0CvPb
はんたを支援せよ! 弾幕うすいよ!

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:13:26 ID:gw9cSP/L
ピッチングマシン支援

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:20:07 ID:gw9cSP/L
支援

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:22:47 ID:6cQcp5eS
規制食らったかしら

551 :メタルサーガsts@携帯:2008/05/19(月) 01:24:51 ID:r66Ufe04
規制くらいました。
避難所に残りは投下しましたので代理投下よろしくお願いします。

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:33:25 ID:VEnrkyLu
では、私が代理やらさせてもらいます

553 :メタルサーガsts(21/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:34:03 ID:VEnrkyLu
「ひょっとして・・・・・・あれ?」
「ひょっとしなくてもあれね。スバル、後で折檻よ。」
「・・・・・・スバルが原因なの?」
「うう、こんなことになるなんて・・・・・・。」

ペットは飼い主に似るって言うけど・・・・・・。
あれ?それじゃ、キャロって実は物凄く・・・・・・。
いやいや、こんなことを考えている場合じゃない。
どうすればいい?どうすれば・・・・・・。
そんなとき、視界に移ったのはシミュレータで展開された高層ビル。
そうだ!!

「スバル、あのビルの中に逃げ込むわよ。」
「だってアルファさんがいるからこっちの位置はバレバレだよ!?」
「それでも攻撃の方向を限定できるわ。天井や壁越しに攻撃するなら大火力の攻撃にならざるを得ない。だから1動作遅れる。」
「なるほど。通路から攻めるなら攻撃を2方向に限定できるってことね。」
「そういうことです。ギンガさん。スバルもわかった?」
「なんでもいいから逃げ込むよ!!」

頭の血管が切れそうになりながら、幻影魔法を展開。
4方向に逃げるあたし達を展開する。
ビルに飛び込んで何階まで駆け上がったか。
表示さえ見えないほど必死に抜けた。
追跡は・・・・・・ない。
けれど、警戒は緩めない。
見た限り確認できた装備はミサイルとマシンガンとたぶん砲撃。
用途不明のレンズとコイル。
そして爪。
一番痛そうなのが爪かな。
でも、マイクロブラックホールなんて持ってたらこれさえ無意味な行動だったわね。
そんな矢先、スバルの言葉に凍りついた。

「ねぇ、ティア、ティア。今更なんだけどさ。」
「なによ。スバル。警戒緩めないでよ。」
「犬って鼻が利くんじゃなかった?」
「・・・・・・あ。」

幻影魔法は視覚情報に過ぎない。
実体も持たないし、当然匂いも無い。
ってことは、あたし達の位置・・・・・・。
あたしの大馬鹿!!

「で、でも、あの犬は追いかけてきてないからきっと他のほうに行ったのよ。」
「執念深い性格してる気がするんだけど。」
「あんたが原因だけどね。」
「ゴメン。」
「でも、どうして追いかけてこないのかしら。姿は見えなくてもこれだけ静かなら疾走する音だけは聞こえるはずなのに。」
「きっとはんたさんのほうに行ったんだよ。隊長達全員を1人で立ち回るなんて大変だと思うし。」
「そうかしら?」




554 :メタルサーガsts(22/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:34:55 ID:VEnrkyLu
あたしもギンガさんと同じことを思った。
1匹であたし達3人を手玉に取れるだろう。
それは認めよう。
だからこそ、篭城したら必ずなんらかのアクションを取るはず。
けれど、なにもしてこない。
スバルの言う通りなのかしら?
そんなとき、響き渡るのは犬の遠吠え。
なに!?
身を隠しながらそっと窓の外を覗くと、ビルめがけて加速してくるポチ。
いったいなにをする気!?
そう思った次の瞬間、物凄い炸裂音が下から響いてきた。
特に攻撃をした様子は無かった。
どういうこと?
そう思った矢先再び遠吠え。
そして炸裂音。
・・・・・・まさか!?
そう思ったときだった。
床が傾き始めたのは。
違う!!床じゃない。
ビルが傾いてるんだ。

「うっそぉ!!!!?!?!?!?!?!?!?!?」
「冗談でしょ!?」

スバルとギンガさんが悲鳴のような声を上げる。
慌てて展開されるウイングロード。
倒壊を始めたビルからウイングロードで逃げ出す。
体当たりでビル壊すなんて・・・・・・。
そして飛び出した直後に飛来したそれが砲撃だと気がついた。
予想通り!!
でも、防御が間に合わない!!

「トライシールド!!!」

ギンガさんが反応する。
すごい。あたしじゃ反応できなかった。
けれど、その砲弾はシールドの上で炸裂すると毒々しい色の煙を撒き散らして霧散する。

「これって!!」

そう思った瞬間、強烈な眠気に襲われる。
まさか、こんな装備ま・・・・・・ぐぅ。


555 :メタルサーガsts(22/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:35:50 ID:VEnrkyLu
========
「見事なものだな。」
「シグナム、感心している場合じゃない!!」
「それもそうだな。だがテスタロッサ、作戦はあるのか?」

フェイトちゃんとシグナムの念話に思わず舌打ちしたくなる。
本当に皆、あっという間に撃破されていった。
最初の砲撃は陸戦の脚を止めるため。
私への射撃はフェイトちゃんの誘いと私の撃破のどっちかができればいいという二面作戦。
その直後にフェイトちゃんに姿を隠したポチが攻撃して足止め。
早すぎて私もなのはちゃんも魔法が追いきれない。
そしてキャロを狙った一撃でエリオを誘い出す。
エリオの性格からすれば見捨てられない。
そしてあぶりだしたところを2人揃って撃破。
スバル達にしても同じ。
あぶりだしたところを防御できない攻撃で撃破。
見たところガスっぽかったけど・・・・・・やばいガスやないやろな?
しかし、あかんわ。
姿が見えんからどうしても注意が姿をみせているはんたのほうに行ってしまう。
そして戦っていると突然真横からポチが攻撃してくる。
集中が簡単にかき乱されてしまう。
そしてなにより、決定的な差を見つけた。
大魔力と高速・並列処理は衝突する。
それが私達の常識。
けれど、その常識をたやすくぶち壊してくる1人と1匹。
脚を止めないと私らの攻撃は通らない。
向こうは大魔力の砲撃し放題。
クロスレンジからロングロングレンジまで全距離対応。
いったいどんなバケモノや。
まだ相手はカートリッジを10発しか使っていないんよ!?

「はやて!!あたしが裁断機野郎の脚を止める。そのときにバインドで固めちまえ。
固めちまったらなのはでもフェイトでもシグナムでもいいからボッコボコにすりゃいい。
行くぞ!アイゼン!!」
「Jawhol.」

列車の衝突事故のような物凄い音をたてて、大砲の形をしたアルファとグラーフアイゼンがぶつかり合う。
あかん!!

「ヴィータ、かわせ!!」
「Plasma Lancer.」
「Axel shoot.」

シグナムが叫ぶのとなのはちゃんとフェイトちゃんがなにも無い空間から突如現れたミサイルの迎撃をするのがほぼ同時。
いつの間にあんなところに移動してたんや。
あのポチは!!
絶対に犬やない!!
だめや。完全にジリ貧や。
追い込めば逃げられる。


556 :メタルサーガsts(24/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:36:41 ID:VEnrkyLu
逃げれば追い立てられる。
脚を止めたら距離を詰めてバリアブレイク。
動き続けてもミサイルと砲撃で脚を止められる。
昨日今日なんてもんやない熟成されつくしたコンビネーションの1人と1匹。
いったいどうしろっちゅうんや。
リミッターが外れてるか、ザフィーラとシャマルがいてくれたらどうにかなったか・・・・・・。
AMF展開しても生身で強いからどうしようもないなぁ。
バトー博士によるカオスな説明、もう1度思い出しておかんとなぁ。
なんか物凄くやばいもん入っている気がしてならんわ。


========
「ヴィータ隊長、突撃型の捌き方、本日も是非ともお願いします!!!」
「お、おう。気合いはいりまくってんな。」

ヴィータちゃんが戸惑うくらいにティアナの気合いが入ってる。
なにもできないうちに落とされちゃったもんね。
結局ハンターチーム対隊長陣の決着はつかずじまい。
なんだろう。この違和感。
もっと過激な戦い方をはんたくんとポチならやってきそうだったんだけど。
危なげなくというか千日手のまま膠着して終わっちゃった。
なによりカートリッジを90発も残したままなのに、突然切り上げて隊舎に戻るなんて言い出すなんて・・・・・・。
鬼の霍乱とか青天の霹靂ってこのことなのかな?
トイレ休憩だけはなさそうだし。
でも、睡眠ガスなんてよく持ってるよね。
止めるよりも早く電気ショックでティアナ達をたたき起こしていってくれたから助かったけど。
手段に問題がないとは言わないけどさ。
でも、スバルもギンガもダメージはほとんどないし、ちょうどいい。
さっきのもいいウォームアップになっただろうし。

「ねぇ、ギンガ。ちょっとスバルの出来をみてもらっていいかな。」
「あ、はい。」
「え?」

スバルが戸惑ったような声を上げる。
でも、スバルの先生のギンガに是非見て欲しい。
スバルがどれだけ成長したのか。

「1対1で軽く模擬戦。スバルの成長確かめてみて。」
「はい!」

ギンガもわたしの意図が分かったんだろう。
微笑を浮かべて返事を返してくれた。


557 :メタルサーガsts(25/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:37:13 ID:VEnrkyLu
========
「はぁぁぁぁぁ!!」

ブリッツキャリバーで加速しながら後ろ回し蹴り。
スバルは紙一重で避ける。
そのままコンビネーションに移る。
左ストレート、左ハイキック、右ストレート。
スバルの身体が泳ぎ、マッハキャリバーがグリップを失う。
チャンスだ。
フィニッシュブローのつもりでリボルバーナックルを構える。

「はぁぁぁぁぁ!!」
「Storm Tooth.」

ブリッツキャリバーが魔法を発動。
打ち下ろしの防御破壊から打ち上げの二連撃。
たとえバリアやシールドを展開しようと撃ち抜く!!

「Protection.」

マッハキャリバーがバリアを展開するが遅い。
プロテクションの上でストームトゥースが炸裂する。
撒き散らされる衝撃。
しかし、数秒後には乾いた音をたててスバルのプロテクションが砕け散る。
戸惑ったような顔のスバル。
そこにみぞおちへの打ち上げが炸裂。
決まった。
しかし、そこにあったのは直撃寸前に左手で展開したプロテクションんで受け止めているスバルの姿。

「リボルバー・・・・・・キャノン!!!!」
「Defenser.」

戸惑っている私にスバルの反撃が炸裂する。
くっ、重い。
元々、防御はあまり得意じゃない。
両手で支えるが・・・・・・耐え切れない。
乾いた音と共に砕け散る私のバリア。
衝撃で後ろに吹き飛ぶ。

「相棒!!」
「Gear Second.」

追撃するようにスバルが追いかけてくる。
すごい。スバル。
ここまでやれるようになったなんて・・・・・・。
けれど、飛び蹴りはやめたほうがいいわよ。
避けられると隙が大きい。
こんなふうに・・・・・・。


558 :メタルサーガsts(26/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:37:45 ID:VEnrkyLu
「Wing Road.」

スバルの横をすり抜けてウイングロードで空へと距離を取る。
すぐにウイングロードで追いかけてくる。
いい動き。
けれど、こういう攻め方もあるのよ!!
ウイングロードを伸ばしながら即座に方向転換。
急降下して落下エネルギーを加えながらスバルと交差する。
それから二度三度と打ち合う。
本当にスバル、成長した。
自然と笑みがこぼれる。
スバルも私の笑みの意味に気が付いたのか笑い返してくる。
蹴って殴って、何度目かの交差のとき、響き渡る炸裂音。
スバルと違ってあげていなかったギアを一段あげる。
急激な速度の変化にタイミングの馴れを覚えてしまったスバルは対応できない。
そして、私は無防備なスバルの顔の寸前にリボルバーナックルが突きつけていた。

「はーい。そこまで。」

下からなのはさんの声が響いてくる。
ああ、このためにスバルと戦わせたんだ。

「いいね。いろいろ上手くなった。」
「うーん。まだまだ全然・・・・・・。」

大丈夫。スバルはまだまだ強くなるから。


========
「反応は悪くなかったぞ。スピードがおっつかなかったか。」
「ありがとうございます。」

ヴィータに褒められてスバル嬉しそう。
もしも、リインフォースが見せたあの優しい夢のようにアリシアがいたら・・・・・・。
いや、よそう。
でも、姉妹ってなんだか少し羨ましい。

「最後の一撃、エリオならどうする?」
「はい。パターン化によってタイミングを馴れさせてからの急激な速度変化による奇襲なので・・・・・・えーと、
ソニックムーブでさらに加速して正面撃破します。あ、でも足場が作れないから、えーと・・・・・・。」

シグナムの言葉にエリオが必死に考えている。
でも、シグナムも意地悪だよ。
空戦じゃないのに空での戦いを前提みたいな問題だすんだもの。
でも、エリオも気がついているみたい。
すごく成長したね、エリオ。


559 :メタルサーガsts(27/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:38:18 ID:VEnrkyLu
「どう?ギンガ。スバルの成長は。」
「びっくりしました。攻防の切り替えがすごくスムーズで。威力も段違いで。」
「合格?」
「はい。物凄く。」
「しばらくは同じ部隊だから一緒に頑張ろう。」
「はい。」

ギンガもなのはに言われて物凄く嬉しそう。
なによりスバルの成長が嬉しいんだろうね。
私がエリオやキャロの成長を見ているみたいに、ギンガから見たスバルも同じ感じなのかな。


========
「じゃぁ、みんな集合―。」
「「「「「はい!!!!」」」」」

うん。いい返事。
最初から物凄い訓練になってたけどまだまだ元気残ってるみたいだね。
これならやれるね。

「せっかくだからギンガも入れたチーム戦、やってみようか。フォワードチーム5人対前線隊長チーム。」
「え・・・・・・えええ!?」

聞き間違いかなっていう感じの表情をしたギンガ。
でも、誰も驚かないから本当って気がついたみたい。
目を丸く見開いて口元は引き攣った笑みを浮かべている。
まぁ、たしかに冗談って思うかもしれないよね。

「いや、あのねギン姉。これときどきやるの。」
「隊長たち、かなり本気で潰しに来ますので・・・・・・。」
「まずは地形や幻術を駆使して逃げ回って」
「どんな手を使っても決まった攻撃を入れられれば撃墜になります。」
「キュクルルルルゥー!!」
「ギンガはスバルと同じくデバイス攻撃ね。左ナックルか蹴り。」
「オレサマは?」
「ああ、ポチは・・・・・・ポチ!?」

え?さっきはんた君と帰ったはずじゃ・・・・・・。
なんでいるの?
それより、いつの間にそこに・・・・・・。

「御主人がフォワードの面倒を見てこいと言った。」
「面倒見られちゃうんだ。あたし達・・・・・・。」
「うーん。わかった。それじゃポチもデバイス攻撃。あ、消えるのは禁止しようか。エリオもだよ。
ああ、それとエリオ、サードモードが残っているのに改造するのは感心できなかったな。」
「すみません。」
「うん。でも使いやすくなったみたいだし、いいんじゃないかな。」
「はい。とてもソーローになっていい感じです。」
「・・・・・・は!?」


560 :メタルサーガsts(28/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:38:50 ID:VEnrkyLu
なんかさらっとすごい言葉口にしたよ、エリオ。
聞き間違いじゃないよね?
ティアナは目を丸く見開いてエリオのほうを見てるし。
あ、フェイトちゃん、頭抱えてる。
多少引き攣ったような笑みを浮かべながらフェイトちゃんが口を開いた。

「エ、エリオ。その言葉はちょっと・・・・・・。」
「どうしたんですか、フェイトさん。ソーローって聞き覚えがない言葉ですけど早くていい意味の言葉なんじゃないんですか?」

ああ、フェイトちゃん、頭痛そうに抑えてるよ。
ティアナもギンガも同じような感じ・・・・・・。
ああ、子供ってああいう言葉知らないから普通に認識しちゃうのか。

「ええと、とにかくソーロー言うのは禁止。」
「・・・・・・?わかりました。」

腑におちない表情のエリオ。
後で意味教えるべきか、教えざるべきか。
・・・・・・フェイトちゃんにまかせよっと。
さて、気を取り直して・・・・・・。

「ええと、じゃぁ、やってみようか。」
「「「「「はい!!」」」」」

威勢のいい声が響き渡った。


========
「はい。じゃぁ、今日はここまでー。」
「全員武装解除。」
「「「「はい。」」」」
「え?もうですか?」
「ろくにダメージも与えてないぞ。」

疲れきった声をあげるティアナ達。
一方、エリオとポチは物足りなさそう。
過激なセッティングって使いこなせると使い勝手が良くなるのかな?
負担が大きくなって疲れるはずなんだけど・・・・・・。

「ふん。惜しいところまではいったな。」
「あと、もうちょっとだった。」

そう声をかけるシグナムさんとフェイトちゃん。
実際惜しいところまでいってたんだよね。
というかかなり危なかったよ。
バトー博士のいじったデバイスって過激って言う言葉を2つ3つ通り越してるから。
素でクリーンヒットもっていかれるところだったよ。


561 :メタルサーガsts(29/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:39:23 ID:VEnrkyLu
「ああ!!最後のシフトがうまくいっていれば逆転できたのに・・・・・・。」
「くーやーしーいー。」

本当に悔しそうにティアナとスバルは叫ぶよね。
でも、それが大事。
その悔しさが次への糧になるから。

「くやしい気持ちのまま、反省レポートまとめておけよー。」
「「「「「はい!」」」」」

ヴィータちゃんも意地が悪いな。
これ見よがしに言うんだから。
さてと、今日の早朝訓練はこの辺りでおしまいかな。

「ちょっと休んだらクールダウンして上がろう。おつかれさま。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」


========
「うん。みんないい感じの子達ね。」
「それはエリオ達のことですか?それともデバイス?」
「両方。」
「そうですね。でも、動いて大丈夫ですか。マリエルさん。」
「ええ、いくらかマシになったから。ああいう人なの?バトー博士って・・・・・・。」
「ああいう人なんです。」

エリオ達を褒めたときの笑みとは違った引き攣ったような笑みをお互いに浮かべながらあははと乾いた笑いを交し合う。
初対面であれは衝撃的だもんね。
うん?
マリエルさん、なにを見て・・・・・・。
ああ、ヴィヴィオ。

「おはよーございます。」
「ああ、ええっと、おはようございます。」
「おはよう。ヴィヴィオ。」
「うん。しつれーします。」
「ああ、どうもご丁寧に。」
「転んじゃ駄目だよー。」

無邪気で可愛いよね。ヴィヴィオって・・・・・・。
戸惑った様子のマリエルさん。
ああ、ヴィヴィオのこと知らないんだっけ。
後で事情教えておこう。
ヴィヴィオの後を追うようについてきたのはザフィーラさん。

「ああ、ザフィーラ、久しぶりー。」

マリエルさんがザフィーラに抱きつきながら撫でている。
闇の書事件以来だから・・・・・・10年くらいの付き合いになるのかな。


562 :メタルサーガsts(30/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:40:36 ID:VEnrkyLu
「シャーリー、あの子は?」
「ええっとですね。」

ザフィーラさんを撫でながら尋ねてきたことに説明しようとしたときだった。

「えうっ。」

あ、転んだ。
フェイトさんが転ばないでねって言った矢先に・・・・・・。
ああ、どうしよう。
ぴくりとも動かないし。

「ああ、大変。」
「大丈夫。地面柔らかいし綺麗に転んだ。怪我はしてないよ。」
「それはそうだけど・・・・・・。」

なのはさんがフェイトさんを制止する。
過保護なフェイトさんと厳しいなのはさんって感じかな。
でも、子育てするときってどっちがいいのかしら?
なんでも助けてもらえちゃうって覚えちゃうから厳しくするべきって話も聞くし、
手を貸してあげるべきって話も聞くし・・・・・・。

「ヴィヴィオー。大丈夫?」
「え、えぅ。ぐすっ。」
「怪我してないよね。自分で立ってみようか。」
「ママー。」
「うん、なのはママはここにいるからおいで。」
「あ、あ、ああ・・・・・・。」

ああ、ヴィヴィオ。
今にも泣き出しそう。
助けてあげるべきなんじゃないかって思えてくる。
でも、なのはさんがママなことを考えると厳しくが育成方針だろうし。
ああ、どうしよう。

「おいで。」
「なのは、だめだよ。ヴィヴィオ、まだちっちゃいんだから。」

あ、フェイトさんが駆け寄ってヴィヴィオを抱き起こした。
本当に正反対な2人だね。

「親離れが一番遅い獣は人間というのはまったくだな。」

いつの間にか横にいたポチさんが辛らつなことを言う。
まぁ、たしかに生まれてすぐに1人立ちする獣に比べれば・・・・・・・ねぇ。

「御主人なら・・・・・・『起きろ』とは言わないで、『這ってでも前に進め』とでも言うだろうに・・・・・・。」


563 :メタルサーガsts(31/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:41:37 ID:VEnrkyLu
うわ。厳しい。
さすがはんた君。
なんて過激・・・・・・じゃない!?
自分で前に進みなさいっていうのを言い換えただけか。
あれ?そういえば度々思ってたんだけどなのはさんとはんた君でどことなく似てる?
そんなときだった。

「・・・・・・!?犬が喋ったぞ。」
そういえばザフィーラさん、デバイス説明のときにいなかったっけ。
でも、あなたも喋る狼・・・・・・いや、守護獣だから厳密には・・・・・・どうなんだろ?

「お前も喋る犬だろうが。」
「私は狼だ!!」
「たいして違いはないだろうに・・・・・・。」

あはは。なんだか物凄くシュールな言い合いしてるよ、ザフィーラさんとポチさん。
ヴィヴィオを囲んでそんな穏やかな時間が過ぎていった。


========
「マスター!!!!」

部屋に到着するなり、崩れ落ちるマスター。
まるで電源が切れたかのような崩れ落ち方で・・・・・・。
自律戦闘モードに移行して、マスターを抱きとめる。
バトー博士が搭載した新たなモード。
マスターが行動不能になったときの緊急措置。
それは壊れる前の私の姿を展開するもの。
しかし、これは本当の緊急時。
並大抵の状態では発動できないはずなのに、それが発動できてしまった。
デバイステストだからと言ってマスターは手を抜かない。
戦うことしか本当になにも無いと思っているから。
だから負担も当然大きい。
それがこの結果。
しかし、なんて皮肉。
マスターが私を武器と認識しないがゆえに私はこの姿で起きているマスターと触れ合えない。
兵器である私を武器と見てくれないことは喜ぶべきことなのか、嘆くべきことなのか。
そして、もう1つ。
ユニゾンして戦闘している間、試していたことがあった。
たいしたことのない戦闘であったからこそ余りにあまった
マスターの思考ルーチンの変更。
本来であればこれは反逆なのだろう。
けれど、それでもマスターの『殺せない』というルーチンを取り外したかった。
しかし、駄目だった。
削除、撃破、撃滅、殲滅、除去、切除、崩壊・・・・・・。
ありとあらゆる言葉に置き換えようとしたが全てが全てエラーをたたき出す。
決して誰にも侵させはしないとばかりにかかったプロテクト・・・・・・。
全てはバトー博士が言ったとおりに・・・・・・。
今度、このまま戦闘に突入したら、確実にマスターの身体は大破してしまう。




564 :メタルサーガsts(32/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:42:51 ID:VEnrkyLu
それが分からないマスターではないはずなのに。
そのときまでになんとしてでもこのプロテクトを突き破らなければならない。
それができなければ私の存在価値なんてありはしない。
延々とエラーをはじき出し続けながら、それでも私は諦めなかった。
マスターが幸せになれないなんて世界のほうが間違っている。
そんな思いに突き動かされて・・・・・・。
けれど、プロテクトは突き破れないまま。
公開意見陳述会の日を迎えた。


========
おまけ

「ああ、いたいた。ねぇ、ウスノロ。キミのお姉さんのギンガにステキなアダナを考えたんだ。
ウスノロとお揃いでとってもステキなアダナなんだよ。」
「ウスノロ?」
「あ、あ、あ、バトー博士。あのその、えーと・・・・・・。」

バトー博士の言葉にギン姉が疑問の声をあげる。
あ、あ、どうしよう。
物凄く物凄くものすっっっっっっごくまずい。
けれど、あたしの頭は回らなくて言葉が出てこなくてただ言いよどむばかり。

「どうしたんだい、ウスノロ。慌てなくてもいいよ。
ウスノロなんだからウスノロらしくウスノロすぎるくらいウスノロの調子でウスノロ発言してくれればいいからさ。
わかったかい。ウスノロ。」
「あぅ・・・・・・。」

ウスノロってあまりにも連呼されすぎだよ。
エリオ、すごい度胸だよね。
デバイス改造お願いしちゃうんだからさ。
でももっと早くなれるんだよね。
マッハキャリバーがお喋りになって早くなれるならやっぱりお願いするべきなのかな。
迷うな。

「ウスノローーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
いくらウスノロなウスノロぶりでウスノロ考えしてくれてもいいけど、難しいことは別に言ってないんだよ。
ウスラバカのウスノロでも分かるように言うと気に入ったか気に入らないかを『はい』か『いいえ』で答えるだけだよ。
ウスノロのウジが湧いたウスノロなノウミソじゃ理解するのもウスノロだろうからこんなに簡単にしてあげたよ。
わかったかい。ウスノロ。」
「あ・・・・・・はい・・・・・・。」
「ウスノロってスバルのこと?」

ギン姉、気がつくの遅いよ。
もう逃げられないし。
あとはギン姉が大暴れしないことを祈ろう。


565 :メタルサーガsts(33/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:43:31 ID:VEnrkyLu
「それでだね。ボクのトモダチになってくれるっていう奇特な性格したウスノロの姉のウスノロギンガのステキなアダナなんだけど、
ウスノロ一号ってどうかな。当然ウスノロのアダナもウスノロからウスノロ二号にレベルアップさ。
どうだい。響きも良くてセンシティブでセンス抜群の震えが来るほどにイカレた吐き気のするかっこいいアダナでしょ。」
「・・・・・・なんで二号?」
「なにを言ってるんだい?技の一号、力の二号は世界の常識だよ。
そんなことも知らないなんてやっぱり頭の中にノウミソの代わりに筋肉が詰まってるんだね。
そんなだから単純脳筋ウスラバカのウスノロ二号はウスノロ二号なんだよ。
それじゃ、気絶するくらいウスノロ一号も喜んでくれたみたいだからボクはとっとと帰るね。
ウスノロ二号もさっさと失せるといいよ。じゃあねー。」

立ち去るバトー博士。
言われてギン姉のほうを見れば立ったまま気絶しているギン姉。
ああ、本当にどうしよう。
マリエルさんは無事かなぁ・・・・・・。

後日、聞いたところによるとマリエルさんは弟子にしてくださいと泣きついたそうだ。
そんなにアダナが嫌だったんですか。


566 :メタルサーガsts(33/32) ◇1vM/cJUE9g  代理:2008/05/19(月) 01:44:44 ID:VEnrkyLu
以上で投下完了です。
どなたか代理投下お願いします。
もう少し推敲加えたくなった関係と仕事の関係で15話同様に16話は遅れそうです。




567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 01:59:01 ID:k7f0CvPb
DOD氏、メタサガ氏。投稿代理の人、おつです。

>ぴぽ
ああもう、捕まえる方法のレッスンからラストまで可愛らしさ(萌えではない!)と
笑いが絶えませなんだ! 蛇のダンナ、シリアスとギャグ両方対応だから
わりとクロスさせやすい人だなー。続き期待してます。
ああ、王子、貴方はやはりピポスバルと出会うべきだ……ッ!
焼いちゃだめー!?

>メタサガ氏
すげぇ。口の悪さって極めるともう圧倒的というか、圧力が発生するんですな。
これ、力学の新しい発見じゃね? 「バトー力」
はんた、攻撃力は戦車完全に超えましたね。身体やばすぎですけど。
負担へってもそれ以上に暴れるから意味ないのか。ああ、感想が
書き切れないー。続き期待してます。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 02:08:40 ID:pZ0N3AMQ
はんたの死亡フラグがビンビンにおっ勃ってやがる・・・!

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 02:28:21 ID:gw9cSP/L
アルファが危険でデンジャーな予感。
しかし緊急事態じゃないと元の姿に戻れないのは悲しい。メタサガではローズと並んで可愛いのに。俺視点で。
……なんで結婚できねえんだろ、ローズ。

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 02:57:00 ID:k8xQf2rP
>>569
そんなあなたの前でアルファは俺の嫁

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 03:54:38 ID:SYQLEO3k
どうせ死なないけどね
死んでも生き返らせられるし

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 08:45:33 ID:QgbOuHf8
15.5話を読むとホワイトデーがどうなったのかが気になるんだけどね

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 09:18:54 ID:r4HRTTin
>571
でもDr.ミンチがいなかったら…?

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 09:21:24 ID:k8xQf2rP
>>571
そうそうやすやすと生き死にさせるのは嫌いなんだぜ
大事に扱いたいんだぜ。

おにゃにょこは大切にね!

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 16:26:34 ID:s/zXc+Ko
そろそろ次スレの季節か

576 :LYRICAL PSYCHIC FORCE StrikerS ◆mC6nUscAv2 :2008/05/19(月) 19:20:52 ID:rBfq/aPu
>>575
そうですか、L.P.F.Sのリリカル側プロローグを投下しようかと
来たんですけれど、残り二十数KBだと
日を改めて次スレに投下した方が良いですかね?
因みに、文量にしてサイキ側プロローグの二倍超になってしまったのですが。

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 19:35:33 ID:QgbOuHf8
自分で次スレを立てればどうですか?

578 :LYRICAL PSYCHIC FORCE StrikerS ◆mC6nUscAv2 :2008/05/19(月) 19:45:45 ID:+JKI34B2
>>577
いえ、ウロスの方には細かい理由を書き込んだのですが
諸々の事情から自力でのスレ立てが困難な状態なんです。
(事前にテンプレの準備を終えていれば、自力でも立てられるのですが……)

仕方が無いので、今日の所は諦めて日を改めて投下させて載きます。(一礼)

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 19:50:21 ID:A+vzEnZP
ちょっと立て
てくる

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 19:53:45 ID:A+vzEnZP
出来タヨー
みんなリリマジ4行った?

http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1211194262/

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 21:21:34 ID:NhjM1Qam
>>580


582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 22:38:15 ID:Qu0fn9Ya
だれか残り20KBを埋めてくれる猛者はいないものか・・・

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 23:21:44 ID:mhWESNT4
オラオラオラオラオラオラオラオラオラ_ー ̄_ ̄)’,  ・ ∴.'オラ, .. ∧_∧ ∴.' オラ
オラオラオラオラオラオラ∧ --_- ― = ̄  ̄`:, .∴)' オラオラオ( 1い ) オラオラオラ
オラオラオラオラオラオ, -'' ̄  = __――=', ・,‘ r⌒>オラ_/ / ・,‘ オラオラオラ
オラオラオラオラオ/  _-―  ̄=_  )":" .  ’ | y'⌒  ⌒i .'  ∴.' オラオラオラ
オラオラオラオラ/   ノ  ̄_=_  ` )),∴. ) |  /  ノ |∴.'∴.' オラオラオラ
オラオラオラオ/  , イ )    _ ) ̄=_)   _), ー'  /´ヾ_ノ オラオラオラオラ
オラオラオラ/   _, \  )_ _ )=  _)オラオ/ ,  ノオラオ∴.'オラ∴.' オラオラ
オラオラオラ|  / \  `、     = _)オラオラ/ / /∴.' ∴.' オラオラオラオラオ
オラオラオラj  /オラオヽ  |オラオラオラオラオラオラオ/ / ,'オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラ / ノオラオラ{  |オラオラオラオラオラオ/  /|  | オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ / /オラオラオラ| (_オラオラオラオラオ!、_/ /   〉オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ `、_〉オラオラオラオー‐‐`オラオラオラオラオラオラオ|_/ オラオラオラオラオラオラオラオラオナラ

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/19(月) 23:23:11 ID:xRx+4Ofq
               . -―- .     
             /       ヽ
          //         ',      
            | { _____  |        
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     
        /´ 〉, -──── 、 {.  ヽ     _ _     
         `r、| |`ィェァ `ィェァ  | )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、     、′     、 ’、  ′     ’      ;  、
         {(,| `─────' .|/ニY {               \           . ’      ’、   ′ ’   . ・
           ヾ|         ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ      、′・. ’   ;   ’、 ’、′‘ .・”
           |         '"|ィ'( (,ノ,r', -──── 、゙}了            ’、′・  ’、.・”;  ”  ’、
    , ヘー‐- 、 l          | | ,ゝ)、,>|`ィェァ `ィェァ  | |人      ’、  (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ         || /-‐ヽ|  `─────'ハ }    ’、′・  ( (´;^`⌒)∴⌒`.・   ” ;  ’、′・
 ''"//ヽー、  ノヽ∧      / |′ 丿!          }くー- ..._、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人      ヽ      
  //^\  ヾ-、 :| ハ    / ノ |.  { {ハ.         ノ| |    `ヽ    、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、   ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l ヽ人ノ<.  /  |.  ヽヽヽ._      /ノ ノ        ( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・ ヽ    ,[]  
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ヽ_人,ノ''"//′ ‘: ;゜+° ′、:::::. ::: >>1い´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ    ヽ/´
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ           `:::、 ノ  ...;:;_)  ...::ノ  ソ ...::ノ


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585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 19:56:35 ID:YxsGMP/x
       ,,;;;"゙;;  ← 吹き上がるリンゴ、地球の質量の10兆倍以上はザラ!!
      ((  ゙゙ゞゝ
::ヽ、   ,,ノノ゙
:::::::::\,,彡"゙    o ← 地球の大きさはこれくらい
   :::ヽ"
    :::゙、
    :::::|            |  |   \   /  __ヽヽ  _/ ̄l      __  _|_ヽヽ
     :::|           |  |       /     |     \/_/ ̄l      /  _|_
 リンゴ :|            /   _ /   __|    _/  \/    /\    |
     ::::|                                _/
     :::| < オッス!おら1037218383881977644441306597687849648128個のリンゴ!
    ::::::|
   ::::::::|
 ::::::::::::/                  | ̄ ̄|  | ̄ ̄|  / ̄l
::::::::::/                      / |   |   \/
:::::イ"゙                      /   |__|  _/
-"゙゙::j!
  ゙"
    プププ、リンゴ安すぎ馬鹿じゃねーの?   リンゴを見下している太郎君
              V               (1037218383881977644441306597687849648128個のリンゴを買える経済力)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙゙゙゙̄‐‐‐‐----、、、、,,,,___      ↓
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::                   ゙゙゙゙゙‐‐‐‐‐----、、、、,,,,_
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::                                     ゙゙゙゙゙‐‐‐‐‐----、、、
:::::::::::::::::::::::::
:::::::::::

拾い物で埋め

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:04:41 ID:YxsGMP/x
|                           
. ̄ ̄|     (゚д゚ )
     ̄ ̄|  へヽノ |
.        ̄ ̄|  ヽ                           
.           ̄ ̄|                           
              ̄ ̄
                           
|      (゚д゚ )
. ̄ ̄|   ノヽノ |
     ̄ ̄| < <                           
.        ̄ ̄|                           
.           ̄ ̄|                           
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|      (゚д゚ )
. ̄ ̄|  へヽノ |
     ̄ ̄|  ヽ                           
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     ̄ ̄|      (゚д゚ ) ・・・!
.        ̄ ̄|  ノヽノ |                           
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              ̄ ̄                           
                           
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     ̄ ̄|      ( ゚д゚ )                           
.        ̄ ̄|  ノヽノ |    ━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・━┓・・
.           ̄ ̄|< <     ━┛. ━┛. ━┛. ━┛. ━┛. ━┛



587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:05:50 ID:YxsGMP/x
\               ,. ‐,ニ=- 
 \  ,. - ' ´ ̄ ̄ ``ヽ. / /.‐¬=- 、
 Y |/              ' ´ ̄``ヽ、    /   |  | _|_   ――┐     _|_  | |   フ土  | |
>/ニ                   ‐ 、 、 ヽ   |   | |   |  ─   /  ヽ./   /  | |   .)羊  | |
イ ヽ /     / / /   、 ヽ.  \ヽ}.      /  |  .ノ      /  ア/   /|\  |  |/ ── .・ ・
.|   /  / / / 〃 //1 l  ヽ  \.  i ,ィ-‐'´'" ̄´'‐- 、_ 
.|  ./  / / ̄/_Z_フ〃 ト!j1 l l l  ヽ ヽ } '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`~ヽ、
   /  / /,ィ´,ィぅ、ヽ ′/lムトj l l l   いV.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
   | l イ ヽ{ トッ::リ    ,fi }〃/ l   l:!:.:.:.:.:.:.:.、:/{ム<_{:人:.:.j:.、:.:.ヽ!
ヘ. ヽ| :l  |   `ー'′    トリ1 }} l  jゞ.:.:.:.:.:.:.:.:ト' r't:dミッ ,ソ_)ィ、:.:.N
 ヽ ヽl  l       __  ' ゙' j 〃/l / 〉:.:/ニ}:.:,'´,..:`ー'   ftテァ'}:.:.:!'  ,. ‐'"´ ̄ ̄ ̄三≧=-  
   \l  l    i´  ノ  ,.イイ/イ /イ '、:.l '(j、:.:} "     _`)゙´/:.ノ' , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、        __
- 、_,.ヘ. ト、_  `ー‐' _,. '´/ /      ヾ`ーz`′  , ―-、   l:.ノ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト,、_Nト、:.:.:.:.:.:ヽゝ、/l |ヾィ′: : : : ` ‐- 、
ヽ  `マ ヽヽ._7ー‐ '  / /       /`ヾン     '、二)ノ  /´ イ:.:.:.ィt:.:.:.:.:.y‐rミメiVjL:l:.:.:ヽ 丶v' : : : : : : : : : : : : : ` ‐ 、
l l   ',  ヽ ^1 ` ーrく /      ,/   \   、  ‐ ,. ´  'ノ}:.{f'リ:.:.:.:.卞‐゙'   ゙ti'リ,、:.:、:',/ : : : :/l: : 、: : : : : : : : : : : : ` 、
l l   ヽ===l    ll Y丁ヽ  ´ ̄::\   `丶-`干[´     ,」ノ:`ーf{:.:.:トl、  _ イ:.ト、ヾ!゙' |: : : : /__ヾ: : \: : : : : : : : : : : : \
l l    ヽ-- l    lj l l l い ヽ::::::::::::\ <二>/ //ハ`ヽ、   「::(レヘ:jヾト::'、 〈ヽソ/fi|    i: : :__ll`<ゞン\r;ュr:、: : : : : : : : : : :ヽ
l l___,...._! リ    〃//j ! い | 、 ',:::::::::::::::`'‐-、.L.Llノ::::ヽ l lヽ ノ::::::`丶、_`ヾト、__`ア`ヾl   | :/ヘl:!     〉 l)  ̄ `ー-、: : : : :.|
└─ '"¨¨><ヽ、_ / // / l  い!|ト----、:::::::::::|  |:::::, -| l l |´、`丶、:::::::::`7三彡)`丶、   ,' `-| ト、 -‐_- /l       \: : /
     ,.ィ7ハヽ \_// 〃 |  l/||    ヾ:::::::|  |:::/  lノノノ、::::\::::ヽ::::::::/   /L:::::::::ト、 /: : :.i | | \   /l |           }:/
    ゝク/ |ヽ〉、,、,{  l  / /  |l     l:::::::|  |:/  !ノノ ヾ:/:::::::><___ゝ、二二ノ/ : : :.! | |-― ゛-< i |__ _     /






拾い物で埋め

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:10:43 ID:YxsGMP/x
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         { f/  -、         {ミ|           将
         ヘ|  ゞ・>ソ {xニニ.    |:;ハ            に
          ∧   ̄ }   ゞ゚ー'   |{ }|           清
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うめる

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:18:57 ID:YxsGMP/x
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         { f/  -、         {ミ|           将
         ヘ|  ゞ・>ソ {xニニ.    |:;ハ            に
          ∧   ̄ }   ゞ゚ー'   |{ }|           清
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590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:33:25 ID:YxsGMP/x
  r-―――ーー-、
  /_ ´ ,r-、   ノ     / ̄ ゝ                ,,   ./'''ァ,,、,,l''''ァ .,-,、.=,、、
   ^i^ij /´  <´     / ,/     ,/ヽハ  /^ヽ、 ,/ /!  /゙,,/弋',!゙,,-'广ゞij″!ヽ\
    ,.-‐'    ヽ、   _/  ( _ _,.-、( / } ゝ!   J l゙ /  .U′゙ゝ.:-'''"`'ヾ.    i i
   /  /\   \ / _  l (_  /´ ij l ノ 〉  /  .| .|   .,,_,,,,二,!  |,二_,へ.  .| .|
 /´ r-'   `ヘ   l {/ l_ l   U~    U _r' /   ヾi,  ij⌒゙゙゙゙フ ,rヾ..二⌒!   丿/
 {__/      U、 ヽ   ij         ノ  /    `' i.  ,,,r彡'"U\、 ゙,フ ,,彡J
           U^J             ヽノj      `U  .'⌒'     ^''U  !


591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:34:45 ID:YxsGMP/x
   \  テーレッテー    /
    \  ∧_∧   /
     .|∩( ・ω・)∩|
    / 丶    |/  \
  /   ( ⌒つ´)    \



ああ、あれこそはトキ様必勝の構え、北斗有情破顔拳のお姿…



592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:37:11 ID:Uiqi3lBT
    __  __
l l:::::::l : 5 l:::l 2 l::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;i:::::::_,/:::::::::::::::_,/     /::::l   / l   l ̄ ̄ ̄ ̄ l
l l:::__.l :___├l__.:.__l:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;:-'::::::::::::::::::::::i'   ,-,_,,...-'::::::::"i i"  i'.   l : 落  l
l l::l :7 l:::l 3 l:::::::::::::::::::::::::::::::,,-'':::::::::::::::::::::::::;-',-'"'-'::::::::::::::::::::::::l l:l /.     l : ち.   l
.l l:l_:__l:::l___l::::::::::::::::::::::::,,-''::::::::::::::::::::::::::::::/./::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::l:/.    l : つ  l
..l l:::::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::/:l::::::::::::::::::::::::::::_,,.-''./:::::::::::::::::::::::::ii:::l"'ゝl l:/     l : け  l
...l l:::::::::::::;;;;::::::::::::::::::::::::::/:::l;;:::::::::::::::_,-''"_,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::i::l /=/┌‐‐‐‐‐‐ l____.l
 .l l:::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::::/::::::l "'-'''"_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::/"i:::/ /:/  l : こ 考 心 l   
  l ̄ ̄ ̄ ̄.l:::::::::::::::/:::::::::l  /":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_.._l/ /:/  .l : ん え を .l
  l 落 ¬ 落 l:::::::::::::::i:::::::::::l--'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':;;,::::'': ̄l //    .l : な る 平 l
  l ち 素 .ち l::::::::::::::::;'i,::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,i'i,'' "    l   .時 ん 静 .l
  l つ 数 つ l::::::::::::::::::;;;i;::::::l:::::::::::::::::::::::::  :::::::::::::::::::;;,:/        l.  ど だ に l
  l .く .'‐ く .l:::::::::::::::::;;;;;;'i.::::l:::::::::::::::::::::;;  l'iY:::::/i:::::::/           l.  う : し l
  l ん を ん l:::::::::::::::::;;;;:::::i,:::l:::::::::::::::;;-'i;; i,i_i,:::i'-,::::/         l  す .: て l
  l だ 数.だ lヽ二''.-::;;;:-''"'i,:::::::::::/  "'"  "  "'            l  る     l
  l .: .え : .l  i i'‐- -''"~ "''"                       l  か     .l
  l__.て___l                                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:38:44 ID:Uiqi3lBT
    ,ノ^ヽ、    _...  -――――- ..__
  r'゙ニ=-`ヽ>rィ´/_〃_∠__/ ,. ‐''"  _´"ニ=- .._
 ,.、_ ̄⌒ Y´ ,. ‐''"´ ̄´~"'''''‐ニ_ー<´   _ - ‐`丶、
 辷-三{}ニ/ _ -‐ ニ..,,_‐-   `,>`'<_ニ,,二,,_―_\
 ` ̄r┴_'゙ _/            /    /´  ´"'' -ニ__\
、__ _厂r‐''" ,.ニ、= ...__     _=     /           `ヽ.ヽ
ー「7''" ̄/   ヽ ̄´´""''''ー、f   _,/               ', j}
_ニ|/'-、/   ー-、 ヽーー---/´   {ー-===._-、       ,.  V
 7堰@ヽ (乙入 ヽ_,..r''′     ヽ._  \ヽ、   /     |
__(/、 一ヘ  く            、⊥エェ_,_ヽ. `く´ ノ    |
ニイ、)ー-、/〉 {/             /´ >,`‐゚‐' Y,`-イ ′    ノ|
  { ミ:ー_人_,/〕ヽ      /    '゙ _^ニ=、′!、  / j
  ∨厂    ,/   }      |    ´"/´´¨   !ヽ,∠ニ=ァ'
  ノ,/    /′   l        |     i{         「ージヌー
/     :!    U      !       ヾ        ',゙`'/`
       {    U      |         ,.  ''"  V
      ,l    !      |          /´      >
    /      ト、     {        `ーニ ̄_ ィ´
 、 /          l \        ー=_:::ニニ,二,⌒ン
  \       /!   \      、``ー-ニィ/
   \     〈 ヽ.   \     `ー- 、.ノ   『埋めと投下』
      \    }  `丶、  \         /     なら使ってもいいッ!
        \,,ノ      `>、ヽ、   _/
       ,r''__\_       /ヽ ` ̄ ̄
     //(9}/::ヽ    /::::::ヽ.._... --┐
    /,.イ,ニY〃::::::::〉ーく:::::::::/        {
    / ヒ:シ//ヽ_/::::::::::::::Y´         `、


594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:38:49 ID:YxsGMP/x
             /:.:.:.:.:/:.:.:'"~ ヽ:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.',
               |-ー':.:.:.:.:.:ヽ _ノ:.:.:.:.:.:.:.:`ー-:.:.:!
               !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
            l--ー― ''''''""""````'''''' ―ー-l
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    ,  ''":.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,, -ー=ニニ;, ""i!r=ニニ==''ー-、:.:.:.:.:.:.:.:.:.゛`  、
   (:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ'i;;;| ;=ニ( )ヽノi  ミ{;<( )ニ=、   |;;;il/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ノ
     ``''' ―ー- ;;_:i`! /` - '", ';;; ⌒ ;;;`,;;`'''  ヾ l,'"`;―ー '''"´
               l |      /i   ;;ハ `    ノ l.ソ .l   
            .| l.    ./`-=、_,=-ノ、   i   !/ .,'    
            !.' ,   i!    l !   ゙i!  l!  .,' /    M16を所持している者は直ちに集合せよ!
            `-ゝ   i! ;,'"⌒゛ヽ,; .i!   .,' ‐"  
              ',   i! (~i ̄ ̄i~! .|   ./
       ,,-―、   /:..l .l! |! ',t--ーt/ i! / ,'
        /i  :::',  ,./:.:.:.', ',',  ` -ー' . ノ .,' /,,,__
       ノ.i ',  :::! '゙:.:.:.:.:.:.ヽヽ   `''''''"   / ,' ',`-ヽ二二ニ'' ー-、
   __,,,.! .ヽゝ ,,,_:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:` \.、    __ノ./  ',:.:.:.:\:.:.:.:.:.: ̄ ̄` 、
, '":.:.:/ ;;     ::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ニ二ニ- '"ヽ、 ',:.:.◎:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
, '":.,!ヾ   ...:::::::::!ヽ,:.:◎:.:.:.:.:.:.:.:.\ /ヽ_,,,,_|::\',:.:.:.:.<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i


595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:39:48 ID:YxsGMP/x
   〃//  ト,_ノ    / /|ミ|
   / /  ,-''")  ,..-| .|,,...,,,, `"''ヽ
  / /  / /  .;/~|i^|   `"、  ヽ,,    人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,_,人,_,人,_,_,人,
 ,ノ..-!、 (_ノ   ,.l'  i'U|     ヽ   'l  < 仮面ライダー555アクセルフォームが  >
『(o■ )ロ[][i   {  |「:i|       }   } < 最後を華麗に締めさせてもらうぜ! >
 i。|ミ|。にニコ   'l..  |V|       i   i   Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒
/| | | |ヽ ||   'l. '|| |       l'  /\
| |  ̄.| |.|   ヽ、"iヘ    ,〃l"  /  〉、
|「  o  ~i 「|     ヘ...,ゞヽ三彡''"ヽ>'   /
、L __  」 |」     ヾ/^|^\〃、__,./」_ノ.,,
ヽヘ V | 77 ー―ァ ヾニニ/ ム∠´__ノ、
 ヾT~''Tミヽ   _ノ オ  ノ           オオオオォォォォ!!!!


596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 20:39:58 ID:Uiqi3lBT
           /| .,イ ,.ィ   _,,,,,,....... --――――- 、      ―┼‐   / ―┬
             | | .,' レ' ミ"    、 ヾ ゛          `、       (_|  /| 口|
         /!|. `、       、ヾ゛               ヽ、      ノ    |   .」
        \{ ヽ、 、  ミ ミl             ミ  ヽ
       ,.-'''二.  =‐,.ヶ=''''゙゙゙| i i、`、ヽ 、   ミ       |   ―‐    ナ
     ///,..-  //     {|l ト、l、ミ-`,> 、、_フ     |   /-、    メ
      |' .〃 /   :|,/^'''-、 ヽト` ,_,>''~_,. へヽト--`    |   o_ノ   (___
       `(.       |l/`>。、V //_,.ィ(・:)`,  ヽ ┐  ,.- 、  !
         `ー、    |  ┴‐',)    ` ̄´ u    !__/ ハ. |  |  ┼‐ ヽヽ
            `'⌒ヽ|    ヽ_フ             仆. ,' |  |  ̄
               |.   rr‐-、            _ン /  |  ノ ー‐
                |   {. ` ̄ >、   u      :|ー1 ヽ |   ―┐
     _____________   |.   〉 /__)       l.   ', Y′    ノ´
   /.          ヽ  ヽ  `二二´     _..-''   ,, -''''ヽ.  |
   | ::      v ノ ノ├‐- 、\       _,.-'"  ,,. -''" ,,, -'''"\ |
 r''´ ::      |‐"ー!/ ⌒` 〉 `r―――'" ,. -''" ,,. -''"  _,,. -'''"|
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放つ―をばら撒き、F-15Cの編隊に接近。敵機も同じことを見越して、フレアをばら撒きながら近づいてくる。 !」
じ事が言えるのではないか?
と、いうことです。ですから、私なりにこういうバイアスもあるだろうし、
無視できないんじゃないかという疑問を呈したわけです。
というより、私が思った疑問ですので「別になんとも」ならそれはそうで
いいんですけどね。私は疑問視してますが、ということです。
otei/1341261818/263" target="_blank">>>263
代わりに弟子が出てきて1点で当てたじゃん。200万賭けるとオッズ激減するから賭け
金は20万だったけどね。904:徳山プロ◆Pq31HAcygQ:2012/10/26(金)
23:18:30.42ID:1ovsVyaz>>901徳山専門の徳山プロと申します。明日の
徳山1Rですね。簡単ですね。1号艇の山一は鉄板です。これは誰でも分かりますね。2着ですが金
森が出てますね。金森が2着をキープするでしょう。を-ト=/test/read.cgi/anichara/1210670509/">★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

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