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【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚82人目】

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 11:10:31 ID:nXoI4189
携帯でご覧の方は携帯ビューアのorz もしくは携帯用2chブラウザiMona をご利用ください
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     _      ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」のクロスSSスレよ。
    〃  `ヽ     他にも避難所にしか掲載されてないSSとかもあるから一度見てみなさい 
    l lf小从} l /    投下中は空気読んで支援しなさいよ 荒らしはスルーだかんね
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/     職人さんは荒らし防止にトリップを付けてよね
  ((/} )犬({つ'      次スレは900か950を踏んだ人が立てること
   / '"/_jl〉` j      480KBを超えた場合も立てるのよ。 わかった?
   ヽ_/ィヘ_)〜′

【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚81人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1210336417/

●まとめサイト                               ,〜'´  ̄ヽ
http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1.html         ミハ^^ヽヽ(  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●避難所.                           ____. -' ヽル::::д)ζ <批判は避難所だ!君の意見を聞こうッ!
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9292/     =='、 ̄ニ|::... . . . . ...::::: :: ::〉:::.:ヽ     |_________________
●ジョジョの奇妙なAA集               ' ´   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`!:::::::::::.. :i
ttp://jojoaa.web.fc2.com/                         `y::::::. ::ト、
●ジョジョスレUPローダ                            〉::::::::. .::`ヽ
ttp://vblave.hp.infoseek.co.jp/                        ハ:::::::: ..:λ:i
●アニメAA保管庫 ゼロの使い魔ページ                /:::::::::: .:/::::i´
ttp://aa.tamanegi.org/anime/zero-tsukaima/
*******************************************************
*スレ運営について意見のある方は運営議論スレへどうぞ    . *
*http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9292/1184936505/ *
*******************************************************


2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 11:11:08 ID:nXoI4189
第一部+第二部
ジョナサン 卿 ブラフォード シュトロハイム シーザー スケコマシーザー
究極生命体カーズ様 ワムウ様 スト様 石仮面+ブルりん+吸血馬

第三部
承太郎 法皇花京院 一巡花京院+平賀才人 メロン花京院
ジョセフ アブドゥル ポルナレフ イギー 
DIO様 ンドゥール ペットショップ ヴァニラ・アイス ホル・ホース
ダービー兄 ミドラー デーボ エンヤ婆 アヌビス神 ボインゴ 

第四部
東方仗助 仗助+トニオさん 広瀬康一 アンリエッタの康一 虹村億泰 ミキタカ+etc 間田
シンデレラ カトレアのトニオさん 岸辺露伴 静(アクトン・ベイビー)+露伴
デッドマン吉良 猫草 キラー・クイーン 猫→猫草

第五部
ブチャラティ ポルナレフ+ココ・ジャンボ(亀ナレフ) アバ茶 ナラ・アバ・ブチャ組
ルイズトリッシュ マルコトリッシュ ナンテコッタ・フーゴ アバ+才人 ジョルノ  ミスタ
ディアボロとドッピオ プロシュートの兄貴 リゾット ローリングストーン 偉大兄貴
ギアッチョ メローネ 俺TUEEEディアボロ ペッシ ホルマジオ スクアーロ
暗殺チーム全員 紫煙+緑日 ブラック・サバス セッコ 亀ナレフ+ジョルノ イルーゾォ
サーレー

第六部
引力徐倫 星を見た徐倫 F・F アナスイ ウェザー エルメェス エンポリオ ヘビー・ウェザー
プッチ神父 帽子 ホワイトスネイク 白蛇ホワイトスネイク リキエル

SBR
ジャイロ+才人 ジョニィ マイク・O
リンゴォ マウンテン・ティム Dio

バオー+その他
橋沢育郎 バオー犬 味見コンビ(露伴+ブチャ) 決闘ギーシュ タバサの奇妙なダンジョン ジョナサン+才

人 銃は杖よりも強し(ホル・ホース) 蓮見琢馬(小説・『The Book』より)


3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 11:11:27 ID:nXoI4189
・行数は最大で60行。 一行につき全角で128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しにザ・ハンドされます。 空白だけでも入れて下さい。

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 11:36:12 ID:cf/egn5O
>>1

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 12:01:57 ID:S1gBKPVk
>>1乙!

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 13:43:07 ID:wiL/V8hO
>>1乙砂嵐

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 14:03:41 ID:18QULNGu
            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\
         //')      に二) (ヽ   新スレを立てやがったなッ!
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  よく立ててくれたよなぁぁぁぁぁぁ
         i!   ● / /●  ヾヽヽ,!      >>1骨!……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi   …じゃなくて>>1卒!
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/


          ,-―-- ―‐-―-、     r-、      , -―――― - 、
      __ノ           ヽ、  ` ノ!     {   r―-、    \
     /          /       ̄ ̄´ノ      `ー―"   〉     i
     //  /    //    ヽ  ヽ ーニ―-、    , '  ̄ ̄ ̄    ノ
    // /    〈 ヽ      \ `ー‐    }   /   , -―――‐' "
   /. /    /,-十- `ヽ、 "⌒ヽノ      |  リ  ヽ、 ノ
    l 〈      // /    `7  /`〉    { / / ̄}
    { ヽ   イー"       ノ/  // //j/  `ー '
    \ 〉W\ ヽ  ○       ○  ん イ
   rァ ヽ{ 7ヽハゝ , , ,      , , , |、_〉      …は違うしなあ。
   ヽニ´\_,                ',        うーむ、>>1六……じゃないし…
     ̄{ イ  ヽ    / ̄  ̄ ̄l  /        >>1乙津でもなくて…なんだっけ?
      ヽ{\_, >、 _/      |,/- 、
   ___/     |`ー――r '     ヽr―‐ 、
 /::::::::::/     /      ヽ       \:::::::ヽ
/:::::::::::/         |  ―ゝ '‐  \      \::::::!
|:::::::/           |         \      \|


8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 14:56:36 ID:ns+Xpi7q
            _. -=ニ::_Z ̄ニ=-  .._
        / (:_: ;r'": :/:: ̄:7''ヽ:,r': ̄`ヽ、
        /: : : : : :ヽ、:_(_: : : (:: : : :\,r=‐':"⌒ヽ._
      / : : : : : ; ': : : : : : ̄::ヽ、__/: : : : : l: : :/ミノ
     ' : : : : : / : : : : : : :__:ヽ_: /:: :l: :l: : : : l : ゙‐'ヽ
     l: : : : : :;' : : : : : : (((//゙ハ、 : l: :l : : : l: : : l : ',
.    l: : : : : :l: : : : : : : : : : : :`Vノ : l: :l: : : ,' : : ;': l:ll   >>7
    l: : : : : :l: : : : : : : : : : : l: :/:l :l: :l: :l:: :/ /::/: :;リ|    乙か?
    l: : : : : :l : : : : : : : : : : l: :l::ノ: }: :} l / /::/レj:/::|  
.     l: : : : : l: : : : : : : : : : :l: :|/_;イ_;イ_;リ、// .ノ/:|  
     '; : : : : l: : : : : : : : : ::l: :|ニニ ‐--ミ`' } ,ィチj゙ :|   
    /´ヽ: : : :l; : : : : : : : : :l: :|z't'ツ"_>`` '" {^~ |: :|   
  / ¶′\: :ll : : : : : : : : l: :| `~¨´ (::"′   ',ノl: :j    
,r‐{   , \ll : : : : : : : :l: :| :.           ∨ノ:|
  ! ¶′',  r、\: : : : :::::l: :| :.      .._ /´): :l
 ¶′   \ ヾ>、\: : : ll: :|  :.       __-了:/::;'
エエエュ┬r 、\ `ヾ>、\:ll: :|   :   ‐.._'´¨´ノ:/::/
―‐ - 、 ̄`<〉、 ヽ、._`^‐-\ト 、 :      ̄「V/
 ¶′   \ `<〉、 \` ー==┬''^ヽ、 ...__ ノ
   ¶′  \ `〈>、 ヽ`:r'"||  ,タ ¶ }
¶′    ¶′ヽ  `〈>、ヽ i || ,タ  /


9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 14:57:13 ID:LWVLGLCJ
ひゃぁ がまんできねぇ

10 :偉大なる使い魔:2008/06/14(土) 15:17:10 ID:wziw3Eth
プロシュートに掴まる。それは、わたしの敗北を意味する。
わたしは覚悟を決め杖を振る。
「ファイアーボール」
爆発が起こるがプロシュートは避けながら、こちらに向かって来る。
「ファイアーボール」
また避けられた!狙い通りに爆発してるのに。
「どうして当たらないのよ?」
「どこが爆発するか分からない。だが、その場所さえわかってしまえば
避けるのは、そう難しい事じゃねえ」
「わかるのッ!」
「お前の魔法は杖と視線の交差する場所が爆発するんだッ!」
「ファイアーボール」
プロシュートが爆発を避けながら、こちらに向かってくる。
言われてみれば爆発は杖と視線の先。
プロシュート、ただ単に強い能力を使うだけじゃない。
わたし自身気がつかなかった特性を冷静に分析している!
わたしはギーシュの様にゴーレムを作れない。
わたしはキュルケの様に火を打ち出す事ができない。
わたしはタバサの様に風を起こす事ができない。
何を唱えても爆発しか起こらない。
どうする?その爆発がよけられたら打つ手が無い!
気がつけば目の前にグレイトフル・デッドが!
しまった考え込んでいた隙に。掴まる!

「エア・ハンマー」

タバサのエア・ハンマーがプロシュートとグレイト・フルデッド共々叩き付けた。
「こっちへ」
タバサは、わたしの手を取りモンモランシーの部屋に行こうとする。
「悪いけどそっちには行けない。わたしは自分の部屋に行かなきゃいけない」
「知ってる。シルフィードで空から行く」
その手があったわね。わたしは頷くとタバサの後に続く。
他の皆も部屋に入るがギーシュは、その場に残りゴーレム達を作り出した。
「何してんの、早く来なさい」
「僕はここで足止めをする!ルイズ、君には『対策』を調べる時間が必要だ」
「偏在すら見えないあんたが足止めなんて出来るわけ無いじゃない」
「わかるとしたら」
ギーシュはグレイトフル・デッドを指差した。
「あそこにいるのだろう」
「見えているの?」
「いや見えない。だけど僕が錬金した油が浮いているからもしやと思ったんだ」
スタンドは見えないけど油は見えるって訳ね。
「ギーシュ、あんた確実に死ぬわよ・・・恐くないの?」
「そりゃ恐いさ。だがもっと恐ろしい事は・・・
ここにいる女の子達が全員老いて死んでしまう事だッ!」
一体のワルキューレがわたしを抱え上げた。
「ちょ、ギーシュッ!」
「言い争ってる暇は無い。ラ・ロシェールの時と一緒だ!」
あの時は、わたしの意志なんか関係無かった。状況に流されていただけだ!
また、このまま流されるの・・・でも時間が・・・
「絶対死なないでよギーシュ」
それだけ言うのがやっとだった。
「薔薇はまだ全ての女性を楽しませてはいない・・・
だから、まだこんなところで枯れ果てる訳にはいかないッ!」
ワルキューレは、わたしをモンモランシーの部屋に押し込めドアを閉めた。
「さあ行けッ!うおおおおりゃああああぁあああ」

ドカ バキ ドグシャーッ

11 :偉大なる使い魔:2008/06/14(土) 15:19:25 ID:wziw3Eth
「ちょっとルイズ早くしなさいよー」
既にシルフィードに乗ったキュルケが急かしてくる。
「今行くわよ」
タバサの風に包まれるとシルフィードの背中に移された。
「きゅいぃ」
なんだか鳴き声に元気が無い、シルフィードも年を取ってるのね。
「飛んで、割れた窓」
ああ、キュルケのファイアーボールが窓を突き抜けていたっけ。
シルフィードが旋回しながら上昇していくと、すぐに割れた窓が見つかった。
乗った時と同じ様に風に包まれ部屋の中に移動した。
部屋の中は酷い有様だった。
タバサのウィンディ・アイシクルで壁や家具は穴だらけで水浸しだった。
床に残っていた氷を手に取り握り締め少しでも老化の進行を抑える。
それを見たキュルケとモンモランシーも慌てて氷を掻き集めだした。
始祖の祈祷書と水のルビーは確か机の引き出しに・・・あった!
「デルフリンガー。これから、どうすればいいのよ?」
「まず指輪を嵌めな」
指輪を嵌めた瞬間、水のルビーと始祖の祈祷書が光りだした。
「祈祷書を開いてみな。きっと読めるはずだ」
言われなくても既にページを捲っていた。
こんな時だというのに好奇心が抑えられない。
古代のルーン文字で書かれていたが読める・・・
わたしには、これを読むことができるッ!
「ねえルイズ、私には何も書いて無いように見えるけど本当に読めてるの?」
キュルケが祈祷所を覗き込みながら話し掛けてくる。
「ええ読めるわ」
「その水のルビーを嵌めると読めるのかしら」
「いや、それじゃ読めねえ」
キュルケの呟きをデルフリンガーは否定する。
「担い手が水のルビーを嵌めないと読めないんだよ」
「何よそれ、条件厳し過ぎない?」
デルフリンガーとキュルケの言合いも気にせずにページを捲っていく。
「真っ白になったわよ」
「気にせずページを捲りな、必要な呪文が読める様になってんだよ」
いわれるままページを進めると光り輝くページを見つけ手をとめる。
ディスペル・マジック(解除)
わたしは祈祷書を閉じ顔をあげた。
「それでルイズ、何が書いてあったの?」
モンモランシーが神妙な顔つきで尋ねてきた。
「プロシュートを止める魔法よ」
一刻も早くプロシュートを止めなくちゃいけない。学院の皆が老化で死ぬ前に。
わたしは、意を決しドアを開けると廊下に一人の老人が倒れていた。
ローブを被っており老化が進み過ぎているので誰かわからない。
こちらに気が付いたのか顔を上げる。
「ううう・・・君達、早く非難しなさい・・・
私達は先住魔法の攻撃を受けている・・・」
男の先生・・・?こんな場所に・・・
わたしの疑問を余所にモンモランシーは男の傍に駆寄った。
「もう大丈夫です。すぐに助けますから」
モンモランシーが氷をくっつけようとした時、その手を男に掴まれた。
「いいや・・・助からないさ!ただしお前がだ・・・モンモランシー」
「え?」
その台詞は!!
「モンモランシーそいつから離れて!早くッ!!」
「グレイトフル・デッド!」
ズギュウウゥゥゥン
「ぎゃあああああぁ」


12 :偉大なる使い魔:2008/06/14(土) 15:21:04 ID:wziw3Eth
「『直』は素早いんだぜ、パワー全開だ〜」
言っておくべきだった・・・
未確認の情報、自分自身も老化することが出来る事を。
「離れなさい。ファイアーボール」
「ちっ」
プロシュートはモンモランシーから手を放し爆発から距離をとる。
「プロシュート・・・ギーシュはどうしたのよ?」
「さあな・・・あの高さだ、無事じゃねーだろ」
曖昧な言い回し・・・直接手を下した訳じゃなさそうね。
「プロシュート。クロムウェルの支配から開放してあげるわ」
杖を構え解除の呪文を頭に思い浮かべる。
「クロムウェルの支配か・・・
魔法に疎いオレに教えてくれないか。人を呼び出し強制的に使い魔にする事と
死人を生き返らせ操るのは一体なにがどう違うんだ?」
・・・・・・・・・・・・・え?
「な、何を言っているの?だって自分は使い魔だって言ってたじゃない」
違う。こんな事が言いたいんじゃ無い。考えが上手く纏らない。
「オレが好き好んで使い魔をやっていたと思うか?
お前のダメージがオレのダメージになるから守ってただけだ
何を勘違いしてたのやら。御目出度いガキだなオメーはよォ」

わたしは何をやってたというの?わたしは何処に立ってるの?
わたしは何処に向かっているの?わたしは何処に向かえばいいの?
わたしは   わた   わた わ

「掴んだ」
あっ、グレイトフル・デッド。
「エア・ハぐふッ」
「同じ手は食わねえ」
「タバサッ!」
「グレイトフル・デッド」
ズギュウウゥゥゥン
わたしの体が、頭が、心が危険を訴えてくるが・・・杖を振るどころか
指一本・・・動かすことが出来なかっ



13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 15:23:10 ID:LWVLGLCJ
支援支援支援

14 :偉大なる使い魔:2008/06/14(土) 15:23:39 ID:wziw3Eth
一番乗り。投下したッ!
>>1


15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 18:52:32 ID:6zTS6Dud
>>1乙!
そして>>14GJ!でござます。

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 19:37:02 ID:w/NrUZuo
乙!

マンモーニ達よ、プロシュートを乗り越えるんだ!!

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/14(土) 20:14:49 ID:S1gBKPVk
一番槍乙でございます。
兄貴を超えてくれ…

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/15(日) 01:04:55 ID:T06E3bwV
>>9
なにもかもスレ違いは銃殺だぞ

そして兄貴おつ

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/15(日) 15:00:26 ID:oNDpwqoD
創生のシュトロハイムを変えてみた
ttp://www.youtube.com/watch?v=nrSnphrB9dk

我々は見たことが無い
この拉致すべき者のその耳の長さ、でかい胸
この巨大さ見た事が無い

悪辣なエルフ達の弱点と始祖の秘宝を探す為
全てだッ!全てを話せ!!

何を恐れるオールドオスマン
奴は胸がでかいだけの小娘
少し怯えかたが異常じゃないか?

オリの中のオーク鬼
怖がる子供がおるか?いなァァァいッ!

我がトリステインの魔力は世界一ィィィッ!

エルフを倒さなければ人類は滅びる

そこの壁の斧で俺の腕を断て
祖国の為なら腕の二本や三本簡単にくれてやるわーッ!



始祖の秘宝は我が軍があずかる
君たちは我々に、すでに監視されていたのだ
残虐にして鮮やかな奇襲
部下がうめき声ひとつあげず死んでいった

地獄から舞い戻ったよルイズ
どこを睨んでいるミョルズニストン
貴様の相手はこのジャンジャックワァァルド

我がトリステインの魔力は世界一ィィィッ!
ガンダールブのパワーを基準に作られておるのだアアア!
アカデミーの技術力にできんことはないィィィッ!
トリステイン貴族の知能の結晶そして誇りであるゥゥゥ!

ジャンジャックワルドはすれ違う瞬間
ミョルズニストンの力の秘密 理解した
今の俺では、今の人間の魔力では奴には勝てん!

ユビキタス デル ウィンディ

我がトリステインの魔力は世界一ィィィッ!
修理は完了 小指がちょいとギクシャクするがァァァ
そしてくらえッ ユビキタス デル ウィンディ

我が親衛隊がとどめをさすゥゥゥー!
我がトリステインの魔力は世界一ィィィッ!
トリステイン貴族の最高の知能の誇りであるゥゥゥ!
ジャンジャックワァァルドは世界一ィィィィッ!

タルブの蒼空で誇り高き名誉の戦死をとげる


…一体ワルドは誰と戦っているんだ?w

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/15(日) 15:36:46 ID:G0Jplkg3
何やってるんだおっぱい子爵wwwwww

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/15(日) 16:15:30 ID:mQqSrt3U
だめだこのおっぱい子爵w
だが、確定で味方にはついてくれそうだw
たよりになるかは置いておいてw

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/15(日) 23:50:03 ID:QPBlLX2g
前スレ埋また

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/16(月) 00:09:45 ID:VOzQcW3t
メイド・イン・ヘヴン!
世界は一巡し「おっぱい革命」が「巨根革命」になr
げふんげふん、IDが変更される!

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/16(月) 01:38:52 ID:jkB8Ijuc
>>23
「一巡した世界」に下品な男は不要だッ!!!

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/16(月) 01:50:38 ID:JBjX3HF/
>>24
デスラーさんwww

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/16(月) 13:13:26 ID:9+GYnwtc
埋立て乙!

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/16(月) 20:00:41 ID:aW+h9vDG
そういや上には書いてないけどシームーンって召喚されてたよな?

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/16(月) 20:02:24 ID:e9UidgaB
>>27
うん、確か『使い魔は静かに暮らしたい』と作者が同じのはず

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 00:20:22 ID:MngyqyOg
Cムーンで思い出したがダークブルームーン召喚もまだじゃね?

…コイツが活躍できるとこってどこ?
ラグドリアン湖か風呂場しか思いつかない

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 01:00:51 ID:iEGRFmIN
水中専用スタンド…
使い勝手悪いったらありゃしねえ

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 01:16:47 ID:L25gnB/+
アルビオンの滝登りで進化するんだよ

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 01:22:35 ID:crI13cK8
ダークブルームーンはスタンド像がデカイ上に射程5mでサメを一撃で両断する力があるぞ
陸上で格闘しても十分強い。

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 01:34:40 ID:YyCWyVWk
ある船に火災が発生した。船員は、乗客をスムーズに海へ飛び込ませるために

サイトには「ルイズが先に飛び込みましたよ」
ルイズには「サイトが海の中で女の子といちゃいちゃしてます」
ギーシュには「飛び込めば女の子にもてますよ」
キュルケには「海にはいい男がたくさんいますよ」
タバサには「飛び込めばお母さんを助けてあげます」と伝えた。

船員「全員海に飛び込みました これでダークブルームーンの独壇場ですね」
船長「シブイねぇ、まったくおたくシブイぜ・・・」


34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 02:10:15 ID:crR5K7eF
船員wwwwwwwwwwwwwwwwww

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 12:02:51 ID:MngyqyOg
船員シブ過ぎるwww

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 12:51:31 ID:I+68pdqq
久々に秀逸なコピペ小ネタを見たわ

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 13:27:52 ID:T/VizPoP
オチが流れと関係ねぇwwwwwww

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:46:23 ID:kT64HHji
前すれの話題で悪いが、ジョルノなら鵜呑みにはしないだろう。
DIOがどういうやつだったのかポルポルに聞いてみたり、態度から推測するくらいはすると思う。
しかし初めてジョジョとよばれたような気がするって・・・まあ、プッチにうさんくささを感じているならDISKを入れられた訳ではないのか。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:10:29 ID:Cg6LCqcr
ん?プッチがここに居ると言うことは、世界のDISCは何故あるんだ?

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:32:50 ID:kT64HHji
魔術師の赤のDISKがあるんだから迷宮からの召喚物だろ?
ジョルノはポルナレフがディアブロと戦ったことも仲間と連絡が取れなかったことも聞いてるんだからDIOも似たような悪党だったと思うんだけじゃね?



41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:54:43 ID:MyGLKeRd
でも後生大事にDIOの写真を持ち歩いてるんだよな、ジョルノ

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:22:42 ID:Cg6LCqcr
>>40
>魔術師の赤のDISKがあるんだから迷宮からの召喚物だろ?
それでいいのか?
『ディアボロの大冒険から召喚』なら迷宮内の物が他に出てきてもいいと思うが、
ジョジョ本編から召喚なのに迷宮の物というか、同人作品物出して。



まあ、面白ければよかろうだけどな

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:33:00 ID:xQTJDHvk
ジョルノがDIOを殺したポルポルをどう思うかより
ポルポルがプッチが承太郎親子にした事をどう思うかの方が…

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:57:29 ID:BR5qfKfe
>魔術師の赤のDISK
逆に考えるんだ
アヴさんもハルケギニアに来ていて
プッチが彼から奪ったとそう考えるんだ
そしてこのプッチは2011年以前のプッチだから
承太郎達ともまだ会ってない……とか


45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:37:11 ID:yE7HzcAs
すると世界のDISCは…?

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:54:40 ID:yE7HzcAs
避難所に幽霊屋敷来てるぜ。
最初の印象より面白い。

47 :隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/06/18(水) 07:00:45 ID:If1uh1MK
おはようございます(寝起きドッキリのレポーター口調)
こんな時間だがひっそりと投下していくぜェーッ
そうだな……『十分後から開始』というのはどうかな……

48 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:10:42 ID:If1uh1MK
 アルビオンから帰還しての最初の朝、教室にやってきたルイズとジョセフをクラスメイト達が一斉に取り囲んだ。スキャンダルに目敏い生徒達の間では、ルイズ達が学院を留守にしている間にまた何か手柄を立ててきたという噂で持ち切りだった。
 ルイズ達が出立する朝に魔法衛士隊の隊員と一緒にいた所を目撃したのはキュルケだけではなく、数人いただけだった。が、それでも噂好きな生徒達に数日の時間があれば、話が尾びれをつけて大きな噂になってしまうのはある意味自然とも言える。
 ルイズ達と共に学院を留守にしていたキュルケ達に話を聞こうと試みたようだが、そもそも喋らないタバサ、軽薄な態度なのに実際は余計な事はぺらぺら喋らないキュルケはともかく、人から注目されるのが何より大好きなギーシュでさえ何があったかを語らなかった。
 これ以上粘っても無駄だと判断した生徒達は、朝食の場にも現れず、最後に教室へやってきたルイズを取り囲んだが、当のルイズは素っ気無くジョセフに視線をやった。
「それについては、私が説明するよりジョセフが説明した方が判り易いでしょ?」
 そう言いながら、自分は生徒達の壁を掻き分けて席に付いてしまう。
 確かに同じ内容の話を聞くなら、話術に長けているジョセフに聞いた方がよっぽど楽しめると判断した生徒達は一斉にジョセフの元へと集まってきた。
「――で、ジョジョ。貴方達、授業を休んでどこに行っていたのかしら? 私達に説明してちょうだい」
 腕を組んで優雅に問いかけたのは、香水のモンモランシーだった。
 ギーシュとの仲を取り持たれ、早いうちに赤い洗面器の会の一員になったモンモランシーだが、それでも平民と貴族との身分の差を忘れない鷹揚な態度で言葉を掛ける。他の生徒達も、「そうだそうだ! 早く聞かせろ!」と調子を合わせている。
 だがジョセフの目には、偉そうな態度を崩していない生徒達は、餌を待って大きく開けた口からぴよぴよ鳴き声上げている姿と変わりなく見えていた。
「ん〜〜〜〜、どうしよっかのォー。そんなに聞きたいんか?」
「勿体ぶるなよジョジョ! 早くしないと先生が来ちゃうじゃないか!」
「そうよ、もっと早く来てくれれば良かったのに!」

49 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:12:56 ID:If1uh1MK
 そろそろ教師が来る時間だと判っていてわざと焦らすジョセフに、生徒達は焦って話を促す。
 口を尖らせながらも期待に満ちた純真な目でジョセフを見つめる生徒達の背に視線をやり、ギーシュはチェッと舌打ちした。
「あーあ、本当なら僕がみんなの注目を受ける手筈だったのに」
 取り囲まれてちやほやされたりされるのが大好きなのもあるが、愛しのモンモランシーまでジョセフの話を聞く為早足になっていた事もギーシュの心を少しばかり傷付けた。
 ウェールズの居室で朝食を取っている際、ジョセフは、魔法衛士隊に裏切り者がいたり亡国の王子を匿う事になった今、噂好きの生徒達に対して下手に全員で黙り込むよりはそれっぽい作り話を聞かせて満足させてしまおうという提案をした。
 それに対してルイズは、パンを一口大に千切りながら興味なさげに言った。
「そんなの、何も言わなければどうせ諦めるわよ。そんな事しなくたって別の面白そうな事があればそっちに興味が行くんだから」
 しかしキュルケは、エビのソテーをフォークで切り分けながら笑う。
「あら、何も言わない方が却ってみんなの興味を集めてしまうんじゃない? こういうものはね、隠されると逆に聞きたくなるものなのよ。特に噂話の大好きなトリステインの貴族はね」
「ツェルプストー!」
 早速声を張り上げたルイズに微苦笑を浮かべながらも、ウェールズはスープを一匙飲み下し、ふむと頷いた。
「いや、ミス・ツェルプストーの言う事ももっともだよ。私と言う厄介事を抱えている以上、僅かな綻びが大きな災いを呼ばないとも限らない。私はミスタ・ジョースターのアイディアが最良だと考える」
「う……皇太子様がそう仰るのなら……」
 今にもキュルケに噛み付こうとしていたルイズも、ウェールズの穏やかな言葉に渋々矛を収めた。

50 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:15:04 ID:If1uh1MK
「それならば他の誰でもない僕の出番だね! ああ、待っていてくれたまえ僕の可愛い子猫ちゃん達!」
「あんまりムチャな話だと誰も信じんし、ある程度は本当っぽいコトを混ぜておかんとな」
 薔薇を口にくわえてクネクネするギーシュを完全無視して、ジョセフ達は作り話の内容を決めに掛かる。全員が少し考えた後、口火を切ったのはルイズだった。
「ええと、じゃあオスマン氏に頼まれて王宮へお使いに行ったって言うのはどうかしら」
「それじゃご期待に添えないわねぇ。それだけの為に魔法衛士隊の隊長様が一緒に行くとか大袈裟すぎない? 曲がりなりにもスクウェアメイジだったんだから」
「あー、んじゃ王女様の独断で吸血鬼討伐の命令受けたっつーんはどうじゃ」
「げふっ」
 話に参加せず黙々と六人分のはしばみ草サラダを食べていたタバサが、突然むせた。
「あらどうしたのタバサ、慌てなくても誰もはしばみ草なんか食べないわよ」
「……問題ない」
 ハンカチで口元を拭きつつ、再びサラダに取り掛かる。
「でも親愛なる級友の皆様は、ゼロのルイズが吸血鬼を倒したなんて話を信じるかしら」
「ゼロって言うな!」
「んじゃこうするか。姫様が行幸されてる間に、途中の村から『村人が次々と姿を消している、もしかしたら吸血鬼かもしれません』という訴えを聞いたことにしよう。じゃが行幸の最中じゃから今すぐ動けるのが御付の魔法衛士と、昔の友人だけだった。
 で、吸血鬼かと思って調べてみたら実は吸血鬼を騙った人攫いの山賊じゃったと」
「げほっ! げほ、かはっ!」
 またむせたタバサの背を、キュルケがぽんぽんと叩いてやる。
「どうしたのよタバサ。もしかしてドレッシングの酢が効き過ぎてる?」
「何もない……気にしないで」
 事ここに至り、タバサは休みなく動いていたフォークとナイフを一旦止める。
 もしかしたらジョセフは、何か突き止めているのではないかと言う疑念がタバサの中に芽生えた。読心能力のあるハーミットパープルでついうっかり自分の事情を知ってしまう可能性もないとは言い切れない。

51 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:19:14 ID:If1uh1MK
 結果から言えば、タバサが食事を中断したのは正解だった。
 ジョセフがゲラゲラ笑いながら提案した作り話は、その山賊の一人が昔ルイズの屋敷で働いていた使用人だったり、山賊をひっ捕らえたのはいいがその裏にミノタウルスがいたり。
 そうかと思えば事件の真の黒幕は村に隠れ住んでいた年端も行かない子供が吸血鬼でした、などなど。
 ルイズはあまりにも突拍子もなく脱線したジョセフの作り話に呆れていた。
「そこまで行くと明らかにウソですって言ってるようなものじゃない。そりゃ吸血鬼もミノタウルスもいないことはないけど、そこかしこにホイホイいるものじゃないんだから」
 キュルケはお腹を抱えてテーブルをバンバンと叩いていた。
「もうダーリン最高、ホラ話もそこまでいくともう笑うしかないじゃない!」
 ウェールズはキュルケのようにオーバーアクションで笑うことはないものの、食後の紅茶を飲みながら、ほっといたらどこまでも脱線し続けるジョセフのホラを優雅に笑って聞いていた。
 ギーシュはさっきからずっと「さあ子猫ちゃん達! もっと僕をッ! 隅々まで舐めるように僕を見てッ!!」と想像の大観衆の視線を一手に集めてくねくねくねくねしていたが、そんな明るい部屋の中で一人、タバサは背中にゴゴゴゴと奇妙な効果音を発生させていた。
(どこまでッ! どこまで知っているッ!?)
 タバサの裏の事情を知らない無関係の人間が、そこまでピンポイントに狙った冗談を連発出来るはずがないのだが、ジョセフはこれっぽっちもタバサの事情なんか知らなかった。
 十二匹のサルにタイプライターをタイプさせ続けたら宇宙の終焉までにはシェイクスピア全集が書き上がる、という話もあるが、ジョセフは早々とタバサの冒険を上梓していた。
 普段通りの無表情の仮面の下、ジョセフへのこれからの対処法と、(彼なら本当に知っていたとしたらこんな無用心に情報を明かすとは考えられない……!)という思考のせめぎ合いに翻弄されていることなど、流石のキュルケでも察することは出来ない。
 愉快なジョセフの漫談も、授業の時間が近付いてきてしまってはいいところでケリをつけなければならない。

52 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:20:59 ID:If1uh1MK
 結果、「吸血鬼が出たと訴えてきた村へ至急魔法衛士と友人を派遣したら、実際は人攫いの山賊がいただけで特に問題なく山賊を討伐して帰ってきた」という無難な話で収まった。
 実際の旅でも、山賊ではないがラ・ロシェールの傭兵を撃破した実績はあるのであまり外れた嘘でもない。
 この件は全てジョセフが説明する、という事に約一名を除いて全員の同意を得た上で、アルビオン行のメンバーが教室に向かい、現在に至るという訳だった。
 ジョセフが語って聞かせるちょっとした冒険譚は、クラスメイト達の中で増幅された噂話が築き上げた大手柄に比べたらとてもささやかなものだが、ジョセフがちょくちょく織り交ぜる大嘘の痛快さが彼らの不満を解消する役目を果たしていた。
「じゃがわしの手札はブタ! 向こうはそれが判っているはずなのにわしが次々と積み上げる金貨の山に恐れを為して滝のように汗を流すわ椅子から転げ落ちるわ失神するわ!」
 朝食の席ではなかった新たな展開が繰り広げられている真っ最中の人だかりを、なおも未練がましそうに見つめているギーシュ。
 いつも通り本を読んでいる振りをしながらも、横目の視線が油断なくジョセフを捕らえているタバサ。
 そしてもう一人。人だかりとジョセフに落ち着きなく視線を走らせながらイライラと親指の爪を噛んでいるルイズがいた。
(何よ何よっ! だらしなくデレデレしちゃって!)
 いつも放課後にしているように、クラスメイト達に笑い話を聞かせているだけの姿が、どうしても今日のルイズには若い少女達に囲まれて喜んでいる様にしか見えない。当然、少女だけでなく少年もいるが、流石に少年達へは嫉妬を向ける事まではなかった。
(ジョセフは私の使い魔なのよ! ほらもうそろそろ授業じゃない、早く返しなさいよ!)
 自分の使い魔を大切にするのは半ばメイジの義務のようなものだが、それを考慮に入れてもルイズの嫉妬っぷりは大したものである。
 教室の騒ぎには頓着することもなく化粧を直しているキュルケは、禍々しいオーラを立ち上らせているルイズを一瞥してはぁと溜息をついた。

53 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:22:13 ID:If1uh1MK
 結局盗賊を捕まえたが、しかし事件解決の為に火竜山脈へ極楽鳥の卵を取りに行かなければならなくなったところで話は終わった。ミスタ・コルベールがやってきたからだ。
 それぞれ席に戻る生徒達と同じように、ジョセフもルイズの隣の席に戻ってくる。
 やっと自分の側に戻ってきた使い魔の暢気な横顔に怒りが込み上げてくるものの、それをぐっと飲み込んでギギギと視線を前にやった。
 さてコルベールの授業だが、今日は何やら奇妙な物体をレビテーションで運んできたのを見た生徒達は各々「ああ、今日は休講か」と判断する。
 彼は生徒の教育に冷淡というわけではなく、むしろ情熱を持った部類の教師ではあるのだが、それ以上に自分の研究に対して非常な情熱を傾けている。
 結果、自分の授業の時間をちょくちょく研究の成果を披露する場にしてしまうことは珍しいことではなく、私語にかまける生徒達をほったらかしにしたまま自信たっぷりに高説を繰り広げる光景が展開されるのだ。
 今日も今日とて金属の筒やパイプやふいごなんかが組み合わさった装置を見たルイズは、授業時間が無駄になることを悟りつつも、とりあえずはコルベールの説明を聞く事にした。
 コルベールが滔々と語る言葉によれば、火の系統は破壊だけではなくもっと別の使い様があるはずだと言う。メイジが自分の得意とする系統を殊更に褒め称えるのは珍しいことでもないし、現にコルベールも炎蛇の異名を持つ火のトライアングルメイジである。
 しかし彼は他の火系統のメイジとは違い、火の魔術の本領とも言える破壊に関してはあまり重要視していない節が見られた。むしろ他の系統と比較するとやや劣る応用性を火の魔術に求めようとしていたのだった。
 そのせいか、他の火系統のメイジからは多少なりとも軽んじられている。同じく火系統のトライアングルメイジのキュルケは、コルベールの授業を頭から聞くつもりがなかったりもする。
 油と火の魔法を用いて動力を得ると自信満々に発明した装置を披露したコルベールだったが、如何せんその装置が何をやるかと言えば、装置の中からヘビの人形が出たり入ったりするだけだった。

54 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:23:51 ID:If1uh1MK
 呆れた顔をしながらも一応は最後まで付き合う生徒の人数も最近では減少の一途を辿っており、最近では大体の生徒がさっさと見切りを付けて近くの生徒達と実りある私語に没頭している。
 コルベールが自慢の発明品を披露した際の日常的な反応だが、当のコルベールは何度も繰り返された状況に悲しげに眉を寄せながらも、それでも懸命に説明をする。
 それに反応する生徒は更におらず、反応があったとしても「そんな装置使わなくても魔法使えばいいじゃない」という……ハルケギニアでは至極真っ当な返事だった。
 勉強が嫌いではないルイズとしては、こんな益体もない講釈を語られる暇があったらもっと魔法の勉強をしたいというのが本音である。
 せっかくの授業時間が無駄になった、と頬杖付いて溜息をつこうとした瞬間、横から大きな拍手が聞こえた。
 不意の拍手に驚いてそちらを見れば、ジョセフが立ち上がって拍手をしている……つまりスタンディングオベーションの形を取っていた。
「ブラボー!! おお……ブラボー!! 素晴らしいッ、それこそ正に『エンジン』ッ!」
 教室中の視線を再び一手に集めながらも、ジョセフは心からの賛美を惜しまず手を打ち続けていた。
「えんじん? ええと……君はどなたかね?」
 突然浴びせられる賛美の声に、コルベールも虚を突かれてジョセフを見た。
「おっと、わしの名はジョセフ・ジョースター! そんなことよりそいつぁエンジンじゃ、もわしのいた国では、そいつを使ってミスタ・コルベールが説明した通りのことをしとるんじゃ。いや、それにしても素晴らしい!」
「ちょっとジョセフ! いきなり何目立つようなことしてるのよ!」
 ルイズが慌ててジョセフのシャツの裾を掴んで座るように手を引いたものの、思いがけないものを目撃して興奮したジョセフはビクともしない。
「ミスタ・コルベール! そいつはアンタが一から作ったんですかな!? もし良ければそいつについてもっと話をしたいんじゃが!」
 それどころかルイズに裾を掴まれていたことさえ気付かず、そのまま主人の手を離れて教壇のコルベールへと早足で近付いていき、そこから装置の成り立ちや仕組みについて生徒達を完全に放置してハゲとジジイだけが大盛り上がりする、奇妙な光景を展開させる。

55 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:25:23 ID:If1uh1MK
 さっきまで興味なさげに聞いていた生徒達も、「おい、ジョジョがあれだけ食いつくってことはあの装置はすごいものなんじゃないか?」と、先程とは違う食い付き方を見せて周囲のクラスメイト達と盛り上がり始めていた。
 だがルイズは一人、ついさっきまでシャツの裾を掴んでいた手をじっと見つめた後、周囲の盛り上がりをよそに机に突っ伏して目を閉じ、考えるのを止めた。
 結局授業時間が終わるまでジョセフとコルベールの会話は続き、今日一日の授業を自習にしてジョセフを自分の研究室へ招待する事を提案されたジョセフがそれを快諾した所で、ルイズはむくりと身を起こし、少しばかり怒りを込めてジョセフを見やる。
 主人が自分をじとりとした視線で見つめているのも気にすることなく、あっけらかんとした声を掛けた。
「おうルイズ、わし今からコルベールセンセんトコに行くことになったんじゃが来るか?」
「………………ええ、ご一緒させて頂きますわ、ミスタ・コルベール」
 今にも口から飛び出しそうになった怒りをしっかり飲み込んで、精一杯の儀礼的笑顔を貼り付けて、嫌味たっぷりの挨拶を引き攣りながらも言い切った。
「おおそうかね、ミス・ヴァリエール! 是非来てくれたまえ、ミスタ・ジョースター! 見学は大歓迎だよ!」
「よしよし、んじゃあそうなったら善は急げじゃな!」
 しかしハゲとジジイは少女の刺々しい皮肉を察するどころか完全に気付く気配もなく。大張り切りでこれからの予定を決定してしまう。
 そのまま三人は本塔と火の塔の間にあるコルベールの研究室へ向かった。
「さあここが私の研究室だ。初めは自分の居室で研究をしていたのだがね、研究には騒音と異臭は付き物でね。隣の部屋の連中から苦情を頂いてしまった」
「ふうむ、実に趣のある研究室じゃなあ」
 ジョセフが感心したように言うが、虫の居所が悪すぎるルイズはもっと率直な意見を言い放った。
「ただのボロい掘っ立て小屋じゃない」
 研究室という言葉をこの掘っ立て小屋に適用するなら、その辺りの物置も研究室になりかねない。

56 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:27:24 ID:If1uh1MK
「いやいやルイズ、実に悪くない。このハルケギニアであんなエンジンを一人で一から作るような研究者の拠点としちゃー実に上出来じゃぞ?」
 コルベールが開けたドアから三人が小屋に入るが、途端に匂った異臭にルイズは眉間の皺を更に深めて後ずさって鼻をつまんだ。
「な、なによこの臭い!」
「なあに、臭いはすぐに慣れるものだよ」
 小屋の中は棚や机の上に所狭しと並ぶ薬品のビンや試験管に雑多な研究器具があり、壁一面の本棚にこれでもかと本が詰め込まれ、その他にも天体儀や様々な地図、オリの中にヘビやトカゲに奇妙な鳥と、ガラクタと紙一重な混沌とした物品で溢れていた。
 それに埃やカビが混ざり合って、貴族育ちのルイズがついぞ嗅いだ事のない悪臭が醸し出される。ルイズは室内に入ろうともせず、外から抗議の声を上げた。
「レディにこんな鼻が曲がりそうな臭いの中に入れと仰るんですか、ミスタ!」
 ルイズも目上の人間への礼儀を十分身に付けている。普段ならもう少し穏便な抗議をしていただろうが、コルベールは気分を害した様子もなく苦笑して肩を竦めた。
「ご覧の通り、御婦人方にはこの臭いは非常に不評でね。見ての通り、私は独身である」
「はは、まーしょうがなかろうな。主人にこの匂いは刺激的過ぎるようじゃな、一味違うというヤツじゃからのう」
 ジョセフもコルベールと会話を続けるうちにいつの間にかタメ口を利いていたが、コルベールは平民の無礼な態度を気にする様子を見せない。研究の理解者が突然現れた喜びの他にも、そもそも身分の差を気にも留めていないようだった。
「まー、あんな見事なものを見せてもらったんじゃ。まだまだ改良の余地はあり放題じゃが、一人でエンジンを作った栄えある技術者じゃからな。そういう人には、わしとしても協力をしたいとは思うんじゃよ」
 そう言った瞬間、ジョセフは手袋を脱ぐとかちゃりと左腕を外す。
「ちょ!? いきなり何してんのよ!?」
 外から中の様子だけは伺っていたルイズが驚きの声を上げるが、ジョセフは取り外した義手をぶらぶらと揺らして見せた。

57 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:28:51 ID:If1uh1MK
「いやー、ここに来てからコイツのメンテナンスをちっともしてなかったんでな、ちょいとキリキリ言い出してきたんじゃよなァー。まあコルベールセンセは最初にわしの左手見とるし、エンジン組める実力があるならちょいとメンテも頼めるかのうと」
 そしてルイズからコルベールに視線を戻し、コルベールに義手を差し出す。
「わしのいた国でも最高級の義手じゃ。コイツの仕組みは次のエンジンを設計する時には大いに参考になるじゃろうからな。そうそう、あんまりバラしすぎて元に戻せませんでしたッつーのはカンベンしてくれよ?」
 ぱちり、とウィンクしてみせるジョセフから、コルベールは興味津々な様子で義手を受け取った。甲に浮かんでいたルーンを見て、やっとコルベールはジョセフが伝説の使い魔ガンダールヴだということを思い出した。
「ほう、これは……まるで彫刻のような造形だな。どれ、少し分解して仕組みを確認させてもらおう」
 床に置かれていた工具箱から幾つか工具を取り出して、机の上に置いた義手の分解に取り掛かるコルベール。作業に入ってさしたる時間も置かず、コルベールの顔を驚きが占めた。
「これは……何という事だ! まさかとは思うが、これの動作に魔法は一切使われていないのかね!?」
「おうともさ、わしの懇意にしてる技術者の汗と涙の結晶じゃ」
 スピードワゴン財団謹製の義手は、地球でもオーパーツ並の完成度を誇る代物である。金属質な外見も手袋を被せてしまえば、生身の手と同じように日常を送ることが出来る。
 かつてルーンを確認した時は、義手が稼動する所も見ていなかったが、こうして中身を見ればこれがとてつもない技術で作られている事がすぐに理解できた。
「ふむ、様々なパーツを組み合わせることによってこんなに自然な動作で人間の手を再現するとは……。すごいな、君の国ではこんな技術が普通にあるのか。一体どこの国の生まれかね」
 コルベールの問い掛けに、外から中の様子を伺い続けているルイズの顔色が変わる。
「え、ええとミスタ・コルベール! 彼はその、ええと、東方のロバ・アル・カリイエから召喚されたんです!」

58 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:30:14 ID:If1uh1MK
「なんと! あのエルフ達の住まう地の遥か向こうの国からかね! 召喚されて来ているのだから、エルフの地を通らずともここにやってこれた訳か……なるほど、東方の地では学問、研究が盛んだと聞いた。かの国はこんなに技術が進歩していたのか」
 咄嗟にルイズが言い繕った言葉に納得したコルベールに、ジョセフが続けて言った。
「ああ、実はわしこっちの世界の住人じゃないんじゃよ」
 ルイズとコルベールの動きが、時を止められたように止まった。
「何と言ったね?」
「あ、ああああ、あんた何を言って……!」
 豆鉄砲を食らったような顔をするコルベールと、狼狽するルイズに構わずジョセフは言葉を続けていく。
「ハルケギニアとは違う別の世界から主人に召喚されてこっちに来たんじゃ。この前フーケのゴーレムブッちめた破壊の杖も、そもそもわしの世界の代物なんじゃよ」
 あっさりと自分の素性をバラした使い魔に駆け寄ると、ルイズは渾身のチョップ……いや、貫手と称していい一撃を脇腹目掛けて打ち込んだ。
「ぐはっ!?」
「こ、こ、こ、このボケ犬うううううううううう!! 何ご主人様がかばってあげてるのに自分からいきなりバラしちゃうのよ!?」
 はーはーと息を荒げてピンクの髪から湯気を立ち上らせるルイズに、ジョセフは脇腹擦って口を尖らせた。
「んなコト言われてもルイズよォー、いくらロバ・アル・カリイエとやらがこっちじゃ未知の国じゃっつってもそんな取って付けたウソなんかすぐバレちまうぞ。そんなモン、わしがこの義手を渡して分解させるって時点で自分の素性くらいバラすつもりじゃったしよ」
 そこからきゃんきゃんわめく主人を適当に宥めているジョセフを、コルベールはまじまじと見つめてから「なるほど」と、納得したように頷いた。
「おやセンセ、思ったより驚かんな」
「そう見えているかね? だが確かにそうだ、君がミス・ヴァリエールの使い魔になってからの言動や行動を鑑みるに、ハルケギニアの常識の範疇を越えた所に君は存在している。そうか、それならぱ合点がいく。そうかそうか……これは面白い」

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 07:33:16 ID:m/Ny5NEc
支援だぜ!!

60 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/18(水) 07:33:49 ID:If1uh1MK
「ふーむ。まあ一人でエンジン作っちまうのもそうじゃが、センセも大概こっちの世界の常識を踏み越えとるタイプじゃないかのォ」
「ははは、常々そう言われるよ。そのせいで齢四十を越えても嫁の一人すら来ない。だが、このコルベールには信念があるッ!」
「信念かね」
「そうだ。この世界の貴族は魔法をただの道具……せいぜいが使い勝手のいい箒程度にしか考えていない。だが私はこう思うのだ、魔法は多様な可能性を秘めている。伝統や格式に捕われていては見えない、光り輝く黄金のような価値が魔法には存在する!」
 力強く言い切るコルベールに、ジョセフもまた感じ入って頷いた。
「その通りじゃよセンセッ! わしの世界でも人間は長い年月をかけてコツコツと進歩してきた! その中で世界を進歩させてきた先駆者は、周りから笑われ理解されずとも自分の信じる道を歩んできたものじゃからなッ!」
「そうか、そうやって進歩した技術の結晶がこの義手という訳か! 正直に告白しよう、私は自分の研究が果たして何処に繋がるのかと不安になったこともある! だが君の話を聞いて、私の信念が間違っていないことを知ったッ!
 ふむ、異世界か……ハルケギニアの理だけが全ての理ではないということか! なんという面白さ、なんという興味深さ! 私はそれをもっと見たい、もっと知りたいッ!
 見知らぬ世界で作り上げられた技術にハルケギニアの魔法を加えれば、まだ見ぬ新たな技術が生まれるだろう! 私の魔法の研究に、新たな一ページが書き加えられることだろう!
 だからミスタ・ジョースター、困ったことがあったら何でも私に相談してくれたまえ! この炎蛇のコルベール、いつでも力になろう!」
 二人だけで大盛り上がりするハゲとジジイを眺めていたルイズは、やがて諦めの溜息を深々と吐いた。
 男と言うものは群がると時々理解できない話題で自分達の世界を作ってしまう。いつぞやギーシュとヌーベル・ワルキューレを作る相談をしていた時にも似たような光景を見た記憶があった。
 ルイズはこれ以上の干渉を断念して、黙って学生の本分に戻ることにした。
 昼食時、ウェールズの居室へ昼食を取りに来たジョセフがキリキリしなくなった義手を嬉しそうに見せびらかすのにも、ルイズはただ大きな溜息だけで答えたのだった。


 To Be Contined →

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 07:35:04 ID:ulLL2jeF
投下乙
和む。実に和むぞォ

62 :隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/06/18(水) 07:38:09 ID:If1uh1MK
以上投下したッ!
あー、今回はルイズとジョセフが一緒のベツドで寝るという話になるはずだったが……スマンありゃウソだった。
思った以上にコッパゲと気が合ってしまったので夜が来るのが次回になってしまったということだな、ウン。
次回こそは夜になるはずだが、もしかしたらシエスタの話が挟まれるかもしれないが気にしないで頂きたい。

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:39:22 ID:376GnQWk
コッパゲすげぇwwww
投下乙でした!

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:25:11 ID:BZ04ec2h
このジジイ、実にノリノリであるッ!!!
遅まきながら「GJッ」と言わせてもらおう・・・。

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:21:08 ID:aYcbui2y
隠者乙
ジョセフにはほのぼのな日常もよく似合うぜ

で、ルイズとジョセフの同衾はまだかね?

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:31:06 ID:Gxe17lBr
夜を前にヒートアップするルイズの思考が見たいな

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:03:10 ID:mVLBc609
あ…ありのままに起こったことを話すぜ…
まとめサイトを覗いたら、召喚人数が『三百万人を突破していた』…
三人とか、三十人とかチャチなレベルじゃねえ…
『このままだと来年には六百万人超えるんじゃない?』の片鱗を感じたぜ…

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:52:43 ID:7M0kNmBa
ゼロの兄貴の続き読みてー!

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:35:20 ID:ZRgS4fel
リキエルの話も激しく気になる

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:48:43 ID:L6zLCZ43
ジョナサンとサイトの話も続きが読みたい。
お嬢様の恋人のその後も気になるけど、あれは綺麗にまとまってるから無理かな?

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 20:17:09 ID:mOumf6kU
仮面とにゃんことデッドマンQと鏡警備員とカキ氷と泥とリキエルの人たち……
待ってます……ずっと……
世界が一巡するまで……

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:10:32 ID:uK6aDcCR
安西先生、鉄の続きが読みたいです・・・

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:30:37 ID:6/pU5jMd
どうにも続きが書けなくなっちゃったんで必死に焼き直しを書いてる作者が来ましたよ
んで、その焼き直しは避難所に投下するべきだろうか?
まとめにあるのをコッソリ張り替えるのも考えたが、流れとかそれなりに変わってきちゃってるんでどうかと思ったんだ

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:45:42 ID:YF4vsiG7
おいオメーさっきからうるせえぞ「避難所に投下するべきか」「まとめをコッソリ張り替える」ってよォ〜〜〜〜どういうつもりだてめー
そういう言葉はオレたちの世界にはねーんだぜ…そんな弱虫の使う言葉はな………「コッソリ張り替える」…そんな言葉は使う必要がねーんだ
なぜならオレやオレたちの仲間はその言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際に本スレに作品投下をすませちまってもうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェ───ッ >>73 オマエもそうなるよなァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
オレたちの仲間なら…わかるか?オレの言ってる事…え?

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:00:15 ID:kG46Tekc
>>73
俺達はっ

アンタの物語が読みたいんだぜっ!!



心の赴くまま頑張ってください

作者さん自身が納得出来る様に磨き上げた作品に!

ケチをつけるようなダボは!!



ここにはいねぇ〜っ!!

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:49:40 ID:g5DxflND
>>73
続きが見たいから!!好きなようにして

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:09:24 ID:6/pU5jMd
わかったよ>>74-76兄ィ!
兄貴の覚悟が! 「言葉」でなく「心」で理解できた!

つーわけで他の作者さんがいないなら今すぐに投下するッ!


78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:10:47 ID:6/pU5jMd
「わからないのか? おまえは『運命』に負けたんだ!
 『正義の道』を歩むことこそ『運命』なんだ!!」

目の前の小僧の高らかな勝利宣言とともに、主人の頭蓋が「ウェザー・リポート」の拳に押しつぶされた。
それと同時に自分の体から力が抜けていくのがわかった。

負けたのだ。
完全に、敗北したのだ。
人間の頂点がさらに上り詰めて行き着く能力が、負けた。

何故負けた?
ウェザー・リポート如きに、徐倫のヤツの最後の悪あがき如きに、こんなちっぽけな小僧如きに、何故負けた?
いくら考えても答えは出ない。
いや、出せない。
何故なら答えが出る前に、自分は消滅するからだ。

「このちっぽけな小僧がああああああああああああああッ!!!」

主人の、最後の断末魔が聞こえた。
主人の体を砕く、ウェザー・リポートの拳の音も聞こえた。
それだけだった。
もはや指一本動かない。
「時の加速」も何の意味も持たない。
ただ、終わっていくだけ。



ただ、終わっていくだけの、ハズだった。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:12:19 ID:6/pU5jMd
1話


「ミス・ヴァリエール。召喚の儀式を」

生え際の後退著しい中年教師が意を決したように言う。
その教師――名はコルベールといった。

コルベールが監督するのは召喚の儀式。
ここトリステイン魔法学校にて2年生が行う中では最重要とも言える行事である。

その召喚の儀式は「あと一人」を残して、これまでのところ順調に進んでいた。
生徒は「あと一人」を除いて皆自分の使い魔を召喚できていたし、その中には風竜やサラマンダーを召喚した生徒もいた。
使い魔は主人の力量を表す。
メイジの良し悪しを見極めるその方法に則るならば、その二人はきっと偉大なメイジになるだろう。
そう思い、コルベールは目を細めた。

だが残っている「あと一人」の女子生徒のことを考えると、コルベールは気が重くなった。
別に彼女はヤサグレてる訳でもなかったし成績が悪かったわけでもない。
他の生徒とのコミュニケーションも十分に取れている。
しかしただ一つ。
本当にただ一つだが彼女には欠点があった。
そしてその欠点こそがコルベールを不安にさせていた。
が、そんなコルベールの心配をよそに――

「はい!」

「あと一人」の女子生徒――ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは威勢のいい返事をした。
その返事を聞いて、コルベールはさらに気が重くなった。

「なあ…成功すると思うか?」
「いや、いくら『ゼロ』でも召喚の儀式ぐらいは…」
「でもあの『ゼロ』だぜ?」
「だよなあ…失敗するかもだよなぁ〜〜」

ルイズの儀式を見守る生徒たちのヒソヒソ声からは、彼らがコルベールと同じ考えであることが容易に推測できる。
ハッキリ言って、ルイズの儀式の成功を期待していないのだ。

そんな周囲の声がまるで聞こえていないかのように、あるいは聞こえていながらも無視しているのか、
ルイズは他の生徒たちには見向きもしない。
そして詠唱を始める。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:14:04 ID:mVLBc609
C−援

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:14:30 ID:6/pU5jMd
「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよ!
 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! わたしは心より求め、訴えるわ…我が導きに答えなさい!!」

詠唱が終了した。
そして――



ドッグォォォォォオオオオオオオオン!!!



爆発したッ!
爆風で土くれと砂埃が巻き上げられ、ルイズもまた突き飛ばされたように地面にしりもちをついた。
召喚の儀式は、失敗した。

「オホッオホンッオホン!」
「ゲホッゴホッ! クソッまたやったな『ゼロ』!」
「使い魔の召喚にさえ…ゲボッ! 失敗するなんて君も筋金入りだなッ!」

周囲から聞こえてくる罵倒をルイズは地面に座りこんだまま聞いた。
そして泣きたくなった。

(なんで…どうして『成功』しないのよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!)

成功するために何回も何回も練習した。
昨日は召喚のゲートもちゃんと出てきた。
なのに――なのに失敗した。

なんで失敗した?
たかが召喚の儀式なのに! 昨日は成功したのに! 何で? どうして?
いくら考えても答えは出ない。
いや、出せない。
何故なら――

「お…おい!煙の中に何かいるぞ!」
「ホントだ! でもあのシルエットは…」
「サルにしちゃあ背が高すぎるし…」
「人間にしたってあれはデカすぎる!2メイルくらいはあるんじゃないか?」
「じゃあ亜人? オーク鬼か何かってことか?」
「おい! 煙が晴れるぞ!」

何故なら、ルイズは召喚に成功していたからだ。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:16:54 ID:TpPEIyV9
支援

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:17:18 ID:6/pU5jMd
砂埃から現れたのは、実に奇妙ないでたちの人間、いや亜人だった。
贅肉の一切見当たらない真っ白な筋肉質の身体には文字のようなものがびっしり彫りこまれており、
頭には奇妙な形の頭巾、そしてその身に纏うのはいずれも紫がかった黒色の襟巻きと短パン、リストバンドにブーツのみで、
しかも襟巻きと短パンの二つが体の正中線で帯のようにつながっている。
民族衣装だとかその類だとしても、かなりきわどい、いや、むしろ変態的な格好だ。
しかもよく見てみれば、耳も鼻もこの亜人には無い。
削がれたような傷が無いあたり、生まれつきそれらを持っていないとでも言うのだろうか?

(なに…何なのコイツ? こんな亜人、あたし図鑑でも見たことなんて…)

そんなことを考えていると、この亜人がルイズの方へと歩み寄ってきた。
だがその姿は何か変な感じだ。
亜人の身長はかなり高い。
2メイルあるかないかってぐらいに高い。
なのに足音が全くしない。
亜人に踏まれた芝生にも足跡が全くついていない。
まるで体重がすごく軽いかのようなのだ。
そうして亜人はルイズの前に立つと、口を開いた。

「聞キタイ事ガアル」

それはまったく人間的でない声だった。
合成音声のような、加工された声のような、そんな声だ。

「しゃ、喋った?」
「喋ッチャア悪イカ」

仏頂面で亜人が言葉を返す。

「ココハドコダ?」
「こ、ここ? トト、トリステインの、ま、魔法学院、よ」
「トリステイン……魔法学院……」

亜人はそう呟くと、何か考えるように押し黙った。

トリステイン。魔法学院。
どちらの単語も亜人の記憶にはないものだった。
加えて、亜人の目の前に広がる光景も珍無類だ。
全員が示し合わせたようにマントをつけ、脇には動物を侍らせている。
動物の中にはファンタジー世界から抜け出してきたようなのもいる。
しかも全員が全員、自分が見えているらしい。
まったくもって、ワケがわからない。
既に消滅したはずの自分が、何故まだ存在している?
それに何故、今自分は「メイド・イン・ヘブン」でなく「ホワイトスネイク」なのだ?
何故こんなものを見せられている?
いくら考えても、見当がつかなかった。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:19:20 ID:mVLBc609
支援スタ

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:21:53 ID:6/pU5jMd
「ち、ちょっとあんた!」
「何ダ?」

思考を遮られた亜人が無愛想な声でルイズに答える。

「あ、あんた、どういう種族なの?」
「『スタンド』ダ」
「すたんど?」
「……知ランノカ?」
「……初めて聞いたわ」
「…………」
「…………」

「スタンド」が見えている以上「スタンド」という言葉を知っているのは当然とする亜人。
一方スタンドなどという種族名など聞いたこともないルイズ。
嫌な沈黙が亜人とルイズの間に流れた。

周囲の生徒たちは、先ほどから固唾を飲んで亜人とルイズの会話を見守っていた。
だがこの有様に耐えられなくなったのか、近くの者とヒソヒソと喋り始めている。

「なあ、あれ……亜人、だよな?」
「でもあんなの見たことないぜ?」
「オーク鬼みたいなのとは全然違う……エルフの仲間かしら?」
「エルフは耳が長いのよ? あの亜人、耳がないからきっと違うわ」
「じゃあ一体…………」

そしてここにきてコルベールもようやく我に返る。
長年教師であり研究者であったコルベールにとって、
この未知の亜人はあまりにも衝撃的過ぎたからだ。
慌ててコルベールはルイズと亜人の元へ駆け寄った。

「ミ、ミス・ヴァリエール……召喚は無事に成功したようですし、使い魔との契約を行ってください」
「契約って……」

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:22:50 ID:pcc3k3MQ
何気にホワイトスネイク人気だな
これで三人目だし

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:23:26 ID:pcc3k3MQ
と思ったら焼き直しか
間違えた

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:24:20 ID:6/pU5jMd
ルイズはその言葉の意味を頭の中で確かめると、目の前の亜人を見上げた。
……コイツと××しなきゃならないの?

この亜人……少なくとも弱くはなさそうだ。
「風邪っぴき」のマリコヌルのフクロウよりはずっと強いだろう。
でも亜人だ。人間じゃないけど、トロールとかよりはずっと人間だ。
それなのに……本当にコイツと××するの?
まだしたこともないのに、初めてなのに……。

ルイズがあまり考えたくない事実と直面している最中、亜人が口を開いた。

「使イ魔、トハ何ダ?」
「一般的にはメイジに仕える動物のことだ」
「『メイジ』トハ何ダ? ソレニ私ハ動物ジャアナイゾ」
「メイジとは魔法を使う者のことだが……うむ……そう、だね。確かに君は動物じゃあない」
「魔法ヲ使ウ……? ソレニ……仕エル、ダト?」

亜人はその言葉の意味を頭の中で確かめると、目の前の少女を見下ろした。
……コイツに仕えなきゃならないのか?
あり得ない。
こんな小便臭い小娘に、一度は世界を滅ぼしかけた自分がへーこらするのか?
マジにあり得ない。
かつての主人との落差があんまりにも大き過ぎる。

お互いがお互いを否定する不毛すぎる状況。
そこにコルベールの声がかかる。

「ミス・ヴァリエール。時間がもうありませんので……」
「…………」

コルベールの言葉にこの世の残酷さを感じるルイズ。
だがコルベールの言うとおりだった。
やるしかない。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」

杖を振って口訣を結び、いざ……となったところで気づいた。
ルイズの身長は150サント。
対して亜人の身長は2メイル。つまり200サント。
……届かない。

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:26:43 ID:TpPEIyV9
支援、リメイクしても前作は消さないで欲しい。

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:27:57 ID:6/pU5jMd
「あんた、しゃがみなさい」
「何デダ」
「いいから、しゃがみなさい」
「私ニ頭デモ下ゲサセルツモリカ?」

プッツ〜〜ン!

その瞬間、世の不条理への怒りと強情かつ不遜な亜人の態度への怒り。
その二つの入り混じりの感情をルイズは露わにした。

「しゃがみなさいって言ってんでしょうがッ!」

つまり、キレたッ!
その怒りは満身の力となって右足に込められ、そして亜人の足を思いっきり振り下ろされるッ!

ドグシャアッ!

「グオォッ!」

予期せぬ奇襲に、思わず呻いて体を折る亜人。
その瞬間――

ズキュゥゥゥーーーーーン!

××は――「キス」は完了したッ!

「コッ、コノ小娘! 一体何ヲ!」
「うるさいうるさいうるさい! 私だって、あんたなんかにファーストキス捧げたくはなかったわよ!」

理不尽にも足を踏みつけられた怒りと、スタンドによる攻撃でないにもかかわらずダメージを受けたことへの困惑、
その二つの入り混じりの感情を亜人は露わにした。
一方のルイズは貴族のファーストキスをこんな亜人に捧げなければならなかったことへの怒りと屈辱感。
その二つの入り混じりの感情で反撃した。
その直後だった。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:28:40 ID:6/pU5jMd
「ヌゥッ……左手ノ、甲ガ……焼ケル!?」

亜人は焼けつく痛みの発信源に目を向ける。
するとそこには、彼(?)が見たこともない、奇妙な文字が記されていた。

「ふむ……珍しいルーンだな」

その文字を上から覗き込んだコルベールがそう言った。

「さて、皆無事に使い魔の召喚を終えたようだし教室に戻ろうか」

コルベールの言葉に従い、生徒たちは「フライ」の呪文で校舎の方へと飛んで行く。
その光景を亜人は痛みも忘れて凝視していた。

「……奴ラハドウヤッテ飛ンデルンダ?」
「『フライ』よ。そんなことも知らないの?」

ルイズが不機嫌そうに亜人の疑問に答える。

「知ラン。『フライ』トハ何ダ?」
「魔法よ、魔法!」
「魔法、ダト?」
「そうよ、魔法よ!」
「……信ジラレンナ」
「……あんた、いったいどこから来たのよ?」

何から何まで話が通じないことを、ルイズと亜人は互いに理解した。
だがひとつだけ、ちゃんと通じた会話があった。

「ところであんた、名前とかあるの?」
「……ホワイトスネイク。ソレガ私ノ名前ダ」



To Be Continued...

92 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/19(木) 23:36:21 ID:6/pU5jMd
フゥゥーー……初めて……焼き直し作品を投下しちまったぁ〜〜……♪
でも想像してたより何てことないな

というわけで、ゼロのスネイクの改訂版、1話でした
今までの零のスネイクでは、自分の中で「このままだと白蛇がルイズを叱ってくれそうにないな」と思うところがあったのです
原作でも無茶をするルイズがサイトに一喝されてそれで成長する展開が多いですし、
これじゃあルイズが白蛇を召喚してから勝手に前向きになって勝手に成長して行っちゃうな……これってどうなの? と思い始めたのです
そこからいろいろ考えだして……「じゃあ最初は白蛇はルイズを認めていないことにしよう」となったわけです

今のところ5話まで焼き直しが完了しています
所詮焼き直しですので、明日も投下してちゃっちゃと本編を進めていこうと思います
なんだかガッカリな作者で申し訳ないですが、よろしくお願いします

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:37:14 ID:U8jG8amo
以外!
それは改訂版ッ!

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:38:40 ID:mOumf6kU
乙!

白蛇!白蛇!萌え蛇!

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:41:26 ID:g5DxflND
白蛇GJ!!
改訂版楽しみに待ってる!!

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:11:59 ID:aoPyMWRv
白蛇さんGJ。
もし叶うのならオレもかつての作品を改定して最初から
書き直したいよ…。

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:16:45 ID:RD6MMSrh
ツン蛇GJ。
改定前の萌え→ツンドラ蛇も捨てがたいので、今のうちに保存しておこう。

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:21:45 ID:sqlqwdHR
>>96
さあ書き直すんだ

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:30:46 ID:scYP7/cj
承太郎「やかましぃ!失せろ糞アマ!」
ルイズ「この馬鹿犬ーー!!!いいからそこから出なさい!!」
承太郎「てめーは俺を怒らせた!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラー!!!!」
ルイズ「嫌だばあああああああああああああああ」
承太郎「やれやれだぜ……」

視聴者「すっきりしたぜ」

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:50:29 ID:ol7qUGj9
正直、自分も一巻のとこは焼き直したい気分で一杯だからな……
ギーシュ殺ったのは別にいいんだが、過程とか色んな所で飛びたい

正直七万手前まで行くとは思ってなかったZE。

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:51:13 ID:ueNahW9E
>>100
兄貴ィィィ!!

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:00:58 ID:kwmYpXCc
兄貴はぶっころした!から兄貴なんだぜ!

  ι〜〜┃
      ┃
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡  アニキ!アニキ!生ハムアニキ!
━━⊂彡 彡⊃━━┓
   |   |       h
   し ⌒J   .   h
            ι

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:02:44 ID:sqlqwdHR
何事も無かったかのように復活すれば良いんじゃないでしょうか兄貴

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:08:41 ID:S8v4unVk
>何事も無かったかのように
ゆでや車田を持ち出すまでも無く、占い師の彼が居るからなぁ。
というか、死んだはずのあいつが熱く蘇るのは、あの時代の少年マンガのお約束だった気がする。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:20:06 ID:dR/jrgm7
>>100
アニキィィィイ!

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 03:03:01 ID:ol7qUGj9
いや、ギーシュを殺ったという結果に問題は無いんだ。
問題はその過程でな…

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 04:04:09 ID:8BtauIi5
たしかに過去に書いたの見てると書き直したくなる
展開は、ゆっくりというか、まだ2巻にも到達してないおかげで、修正するところはないが
ただ次の話だけで絶対消化しなきゃならない部分があるので、そこんとこは苦しんでるなぁ



あと24時間以内になんとか次の話が投下できそうですので、期待しないで待っててね

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 09:12:09 ID:DAmaNuqm
>>103
ハルケギニア6000年の秘術でですねわかります。

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 09:32:09 ID:TVA9kNA7
>>106
YOU改訂版をこっそりwikiに投稿しちゃいなよ

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 13:13:16 ID:zpa4+q08
SS作者さんにとっては直したい所を直せてモチベは
上がるし話に整合性が出て続きが書きやすくなる
読み手にしても新たな展開で始まるからまた新鮮に
感じるだろうしついでにスレの活性化にも繋がる
改訂前の話が見たいならwikiいじらなければいいんだし
お互いメリットがあると思うけどね


111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 15:40:17 ID:YPWzfceJ
とりあえず改訂スネイク、前のを残したままで登録しましたよ。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 20:28:36 ID:ukQZz5ji
書き直すというか、スターダストの第三部が見たい
承太郎と仗助が地球に帰還しないで物語が続いていくパターンで
瀕死の重傷を負ったは承太郎は森の中でおっぱえルフと自分を父と呼ぶ見知らぬ少女と出会うとか…

あ、徐倫の母親、ルイズなんだっけ…

113 :姉貴の人:2008/06/20(金) 21:43:20 ID:ulivYHxp
兄貴復活と聞いて(ry
お久しぶりです。エルメェスを書いていたものです。
皆さんの期待を大いに裏切り、ここで投下させてもらいます。

114 :姉貴の人:2008/06/20(金) 21:44:36 ID:ulivYHxp
・・・
あったかい。
ルイズは他人の背中の上で目を覚ました。
久しぶりの感覚だ。
最後におんぶされたのはもう何年前のことだろう。
確かあの時も泣き疲れて、そして、あの人は後ろを振り向いて
「目ェさめたか?」
目の前にあったのはッ!いかつい顔ッ!!
ルイズは韻竜も裸足で逃げ出すような速さでその顔にビンタを喰らわした。

使い魔の兄貴(姉貴)!!〜夜が来る!(前編)〜

「イッテェェェェ!!!な、な、何をするだぁーーーー!!
「い、いいいいきなり変な顔見せんじゃないわよ!!」
「変だとォ!?テメェ、感謝の言葉ならまだしもそんな事言うか、ええ、オイ!?」
「あんたに何感謝しろって言うのよ!変態!痴漢!バカッ!バカッ!!早くおろし、て・・・」
「イテェ、イテェ!!やめろっ、てェ・・・」
ルイズは抗議するようにエルメェスの頭を両手で叩いた。
エルメェスは思わず両手で頭を守った。
ということは、
「ええぇぇぇぇえええぇぇ!!!??」
支えを失ったルイズの体は引力に従い、ゆっくりと落ちていく。
「だあぁぁあ!!『キッス』!!」
ルイズの体は突然、宙に浮いた。

答え、B、B!B!!B!!!

(何?今の電波。)
それよりもいまのルイズにはもっと気になる事がある。
なんで自分の体は浮いてるのだろう。
使い魔である彼が受け止めたワケではない。
空中で何かに支えられている。
支えられている、という実感はあるがそれが何なのかはわからない。
ゆっくりと彼のほうを見ると両膝を地面について、頭を抱え込み後悔のポーズをとっていた。
「これ、あんたがやったの?」
そう聞くと彼は力なくうなずいた。


115 :姉貴の人:2008/06/20(金) 21:45:50 ID:ulivYHxp
「とりあえず契約は成功してるようだし、簡単な自己紹介と、さっき何をしたのかをサクッと話して頂戴。」
ルイズは自分のベッドに座り、そしてエルメェスを椅子に座らせた状態でそう切り出した。
(隠そうと思ってたんだがな・・・)
事故になりそうだったとはいえ、スタンドを使うのは軽率だったかもしれない。
いかつい顔をもっといかつくし、エルメェスは今の事態について考える。
ここが学校ということは危険な状況に立つことはそんなにないだろう。
キュルケの手助けを借りれば多少危険な状況でも回避できる。
計算通りに運べていればあと三ヶ月は隠しとおせるはずだった。
「ねぇ、聞いてるの!?自己紹介よ!自己紹介!!」
せかすようにルイズが言うが、その言葉はエルメェスの耳には届かない。
(いや、逆に考えてみよう。こいつを落として傷つけていたとしたら、今度は間違いなくキュルケの魔法を喰らっていただろうな。)
「ちょっと、自己紹介だってば!」
言葉が通じていないのか、もしかして難聴者なのか、一切返事が返ってこないことにルイズは戸惑っていた。
エルメェスとしては無視している感覚はない。深く考えすぎていて周りが見えていないだけ、ただそれだけである。
「ねぇ!?・・・ねぇ、ってば・・・聞こえてる?」
一向に反応を見せないエルメェスに、心細くなったのだろうか、ルイズが少しずつ少しずつ近づいて行く。
(そう考えると、スタンドは出して正解だった。でも、この場はごまかせるのか?)
二人の距離はだんだんと近くなっていき、そして最後にはルイズがエルメェスの顔を横から覗き込む形になった。
「・・・」
「・・・」
朝から騒々しく動き回っていた二人の間に今日最初の静かな時間が流れる。

ルイズは初めて自分の召喚したエルメェスの顔を直視した。
気絶している横顔ならば見たが、こうやって活動をしている顔を見るとまた違った雰囲気が見られる。
自分やほかの学生たちよりも少し荒々しい顔の創りや、この辺りでは見たことのない珍しい化粧もはっきりと見えた。
鼻がやや高く、その鼻の上部、深めの彫りの中にある目はひざの上で組んでいる手をずっと見続けている。
額とあごには妙な黒い線が入っている、きっと化粧の一種だ。何のためのものかはわからないがきっと最初の予想通り旅芸人としての、もしくは民族的なものなのだろう。
唇にも化粧は施してあり、黄緑色に近い色の口紅が塗ってある。緑という人間の顔につけるには程遠いおかしな色なのに不思議と違和感は感じられない。
頭には変な石。これも黄緑色で結いこまれた髪の黒によく映えている。
服も特徴のあるものを着ている。相当黄緑が好きなのだろう、上に羽織っている服も黄緑色と来ている。内側の服は材質はわからないが暖かそうだが、袖は無く生地は脇までで止まっている。首もとの生地は丸まっていてやはり保温性には優れていそうだ。
上着はいいとして、内側の服は何を目的として作られた服なのかまったく見当がつかない。暖を取るための服にも見えるが、下の方を見るとふくよかな膨らみの下、へそは上着の下でしっかりと露出されている。
「ッて、胸?」
もう一度確認してみるが確かに胸がある、しかも自分よりも数段大きい。ためしにつついてみるが、やはり本物の胸の感触だ。
何故男の胸がこうも豊かに膨らんでいるのか、そういう種類の人間なのか。
よくわからないが気に食わないのはその胸のサイズだ。主人である自分がそこそこ、まぁ良く言えばスレンダーな体型なのにこれはないだろう。
偽物かもしれない、いや偽物のはずだ。きっと何か詰め物をしているはず。
偽るということは良くないことだ、ルイズは自分の誇りを貫き通すため、真実を確かめるためにエルメェスの胸をそっと揉んでみた。
それはいつも無理やり押し当てられるキュルケのそれとよく似ていた。


116 :姉貴の人:2008/06/20(金) 21:47:06 ID:ulivYHxp
勘違いかもしれない、と一心不乱に揉み続けるルイズ。
今後のことを考え続け、そんなことにも気づかないエルメェス。
エルメェスがルイズの奇怪な行動に気づいたのはそれからしばらくたってからだった。

「ヘイ、テメェ。あたしの胸でいったい何をしてんだ。」
とりあえず今後のことについて主人であるルイズと話そうと思い、顔を上げたエルメェス。
そんな彼女が最初に見たものは、涙目になりながら自分の胸を揉みしだくルイズだった。
いくら男勝りとはいえ、エルメェスも所謂普通の女の子である。そんなことをされればどうなるかは考え付くところだろう。
しかしルイズはというと、『一心不乱』を体現するように我を忘れてエルメェスの胸を揉み続けている。
前記されている通り、エルメェスは常人よりも少しだけ沸点が低い。ゆっくりと拳を握り、ルイズの頭の上にもっていく。
結果は当然、
「人の話を聞けェェ!!!」
鉄拳制裁である。

「痛ッ―――――!!あにすんのよ!!!」
「それはこっちの台詞だ!つーかなんで人の胸ずっと揉んでんだよ!!」
「なんでって胸、やっぱりこれ胸なの!?詰め物とか牛の油とかじゃなくて。でも何で男に胸が必要なのよ!!」
「オイ誰が男だ、誰が。」
ああいえばこういう、その言葉がよく似合う光景が展開されていく。
「どっからどう見ても男のくせに、何よ、私を馬鹿にしてるの!?」
「男だァー!?ざけんなコンチクショー、どっからどう見ても、ただの艶やかなお姉さんだろうが」
「誰が艶やかだ、誰が!」「あたしだ、あ・た・し!!」
「ルイズー、エルメェスー?何かあったのー?」
『すっこんでろ!!!』

ひとしきり騒いだあと、二人はまた元の位置につく。
そのころにはもう、二人とも体力も残り少なくなり、肩で息をしていた。
「で・・・あんた、名前は?」
「エルメェス。エルメェス・コステロだ。」

TO BE CONTINUED・・・

117 :姉貴の人:2008/06/20(金) 21:49:00 ID:ulivYHxp
以上、投下終了。覚えてる人いるのかな?
間違いがあれば指摘してくれるとうれしいです。
それでは。

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:09:47 ID:2RTXCV/v
『使い魔の兄貴(姉貴)!!』…?
ガチレズで百合で人工呼吸で絵的にヤバそうなキュルケだなんて…覚えてないなあ…

嘘です、ずっと待ってましたGJゥ!!です。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:00:58 ID:CcHhxJFh
やったー!兄貴が帰ってきたァ!!…あれ…?兄貴…姉貴…?まァーどっちでもいいや!
GJです!

120 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:01:31 ID:LBLwUk89
姉貴の人、GJ!

そして他に作者さんがいないなら今すぐに始めさせてもらいます
覚悟はいいか? オレはできてる

121 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:02:52 ID:LBLwUk89
2話


「……ナルホド。ツマリ私ハモウオ前ノ使イ魔ニナッテシマッタノカ」
「そうよ」
「……ソシテコノ左手ノ甲ノ文字ハソノ印カ」
「そうよ」
「仮ニ私ガコノ左手首ヲ切リ落トシタナラ、ドウナル?」
「どうもならないわよ。あんたが痛いだけ」
「デハ、私ガオ前ノ使イ魔ヲ辞メル方法ハ無イノカ?」
「無いわ。主人と使い魔との契約は使い魔が死ぬまで解除されないもの」
「…………」

ホワイトスネイクは静かに絶望した。
何の因果か知らないが、主人と切り離された上にこんな小娘に使われてしまうことが確定したのだ。
こんなことになるなら主人の死と同時に消滅していたほうがいくらかマシだった。
しかも今いる場所は、地球とは全く別の場所らしい。
その証拠に、窓から見える月は赤と青の二つ。
まるでおとぎ話の世界だ。

「……モウ一度確認シタイ。ココハドコダ?」
「あんたもしつこいわね。別の世界から来たとか変なことも言うし……。まあいいわ。
 ここはハルゲキニアのトリステイン王国にある、トリステイン魔法学院よ」
「ソシテ使イ魔トハ何ダ?」
「主人を守るのは勿論、主人の目や耳になったり、主人のために秘薬の材料を探したりもするわ。

最後の一つを除けば、スタンドと同じである。

「でもあんたに見えてるものは私に見えないし、おまけに秘薬の材料なんか探せないみたいだし……」
「ソレハイイ。ソシテ私ガ使イ魔ヲ辞メルニハ……死ヌシカナイ。ソウダナ?」
「ええ、そうよ」

実にスガスガしいルイズの解答に、ホワイトスネイクは再び絶望した。

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:03:15 ID:8esu2Hez
漢前すぎる姉貴の人キター!!!

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:03:31 ID:hMfsZxWv
「支援する」「SSを読む」両方やらなくっちゃあいけないっていうのがつらいところだ

124 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:05:10 ID:LBLwUk89
「何よ、その顔! わたしがご主人様だってことに文句でもあるの?」
「アル」

ぴきっ、とルイズのこめかみに筋が走る。
じょ、上等だわ、この使い魔。
この私が、このルイズ・ド・ラ・ヴァリエールがご主人様だってことに文句があるっていうの?
お、面白いじゃないの。

「じゃ、じゃあ聞いてあげるわ。わわ、わたしのどこが、不満なのよ?」

まさしく「マジでキレる5秒前」のルイズ。
だがそれを知ってか知らずか、ホワイトスネイクは常識を語るかのように言った。

「適材適所、トイウ言葉ガアル。
 優レタモノハ優レタ所ニ、劣ッタモノハ劣ッタ所ニ、トイウコトダ。
 ソシテ……私ガ充テラレテモイイ場所ハタダ一ツ。ツマリ私ヲ使ッテイイ人間ハコノ宇宙デタッタ一人。
 ダカラオ前ノヨーナ年端モ行イカナイ小娘ニ使ワレルコトガ一番ノ不満ダ」
「だ、誰よ、その『あんたを使っていい人間』ってのは?」

わなわなと震えながらルイズが言う。

「エンリコ・プッチ。
 カツテ……ト言ウカ、ホンノ少シ前マデ私ヲ使ッテイタ人間ダ」
「エンリコ・プッチ? 誰よ、それ?
 それに『使っていた』ってどういうこと?」
「エンリコ・プッチハ聖職者デ優レタスタンド使イ。
 『使ッテイタ』トイウノハ、単純ニ私ノ本体ダッタッテコトダ」
「『スタンド使い』? 『本体』? ……あんた、何言ってるの?」
「……ソウカ、マダマトモニ説明シテイナカッタナ」

そう言うと、ホワイトスネイクはふわりと空中に浮き上がった。

125 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:07:52 ID:LBLwUk89
「私ガ『スタンド』ト呼バレル存在ダトイウコトハ話シタナ?
 『スタンド』トハ精神ガ具現化サレタモノ。
 ツマリ私ハエンリコ・プッチノ精神ガ具現化サレタモノダトイウコトダ。
 『種族』トイウ括リハ私ニハアマリ合ッテイナイ訳ダナ
 ソレトコノ具現化ノ元ニナッテイル人間ヲ『スタンド本体』ト呼ブ。
 サッキ言イッタ『スタンド使イ』トハスタンドヲ持ッテイル人間ノ総称ダ」

ホワイトスネイクはペラペラと説明する中、ルイズはぽかんとしてホワイトスネイクを見上げていた。

「スタンドニハ『ルール』ガアル。
 能力、性能、性質、スタンド本体カラ離レラレル距離……スタンドハ様々ナ『ルール』ニ縛ラレテイル。
 故ニ……オイ、聞イテルノカ?」
「……あんた、空飛べたの?」
「正確ニハ『浮ク』ダ。
 コノ程度ノコトナラ大概ノスタンドハデキル。
 ソレハイイトシテ、私ノ話ハ聞イテイタンダローナ?」
「き、聞いてたわよ! 要するに……っていうか、あんたの話を信じろっていう方が無理よ。
 あんたの言ってることが本当なら、あんたは生き物ですらないことになるじゃない」
「ソノ解釈デ合ッテイル」
「それが信じられないってことよ。第一あんた、私と話せてるじゃない。
 それにちゃんと痛がったりもするみたいだし……やっぱり『生き物じゃない』ってのは信じられないわ」
「今ハ分カラナクテモイイ。ソノウチ信ジルヨウニナル」

そう言ってホワイトスネイクはふわりと椅子に降りた。

「まあ……今はそういうことにしておいてあげるわ。
 他のみんなには『エルフの眷属』だって言っておくから」
「『エルフ』?」
「亜人の一種よ。すごく強力な先住の魔法が使えるの。
 それも優秀なメイジ何十人分にも匹敵するぐらいのね」

そこでルイズはいったん言葉を切る。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:10:23 ID:hMfsZxWv
支援

127 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:11:24 ID:LBLwUk89
「それで、結局あんたが言いたいのは『私が優秀な主人じゃないから認めない』ってことでしょ!?
 何で私の実力を見もしないうちからそんなこと言うのよ!」
「私ハコレデモ20年人間ヲ見テキテイル。
 誰ガ優秀デ、誰ガ無能カハ、見レバ大体分カル。
 ダカラオ前ガエンリコ・プッチニ及ブヨウナ器デハナイコトモ分カル」

ぶちん。
本日二度目、ルイズの中の決定的な何かが音を立てて切れた。

「なっ、何よさっきからプッチ、プッチ、って!
 そんなにそいつがよければそいつのところに行っちゃえばいいじゃない!
 何で私のところに召喚されてきたのよ!」
「ソレハ無理ダ」
「何でよ!」
「エンリコ・プッチハ既ニ死ンダ」
「……えっ?」
「私ガコノ目デ確認シテイル」

予想もしなかった答えに、言葉を失うルイズ。
だがそんなルイズに構うこともなくホワイトスネイクは続ける。

「正直、何故自分ガ生キテイルノカ……ソレスラ私ニハ見当モ付カナイ。
 ソシテ此処ハ分カラナイコトバカリダ。
 何故スタンド本体ト切リ離サレテイル私ガ存在デキルノカ?
 何故生キル目的モナイノニ私ハ生キテイルノカ?」

そこでホワイトスネイクはいったん言葉を切る。

「オ前、サッキ私ノ足ヲ踏ンヅケタヨナ?」
「え、ええ……」
「本来ナラ私ハスタンド攻撃デシカダメージヲ受ケルコトナド無インダ。
 コレハ私ダケデハナイ。スタンド全テニ共通スルコトダ。
 ツマリ……ヒョットシタラ私ハ、モハヤスタンドデスラナイノカモ知レン」

そう言ったきり、ホワイトスネイクは何か考え込むかのように押し黙ってしまった。
ルイズも言葉が見つからず、何も言えない。
ただはっきり分かったのは……ホワイトスネイクが「生き甲斐」をなくしているということ。
その生き甲斐だった人はもうすでに、しかも目の前で死んでしまっていて……。
ルイズにはもちろんそんな経験はない。
それどころか、自分の生きがいとなるようなことさえ見つけていない。
やっぱりこいつの言う通りで、自分はまだ小娘なのかもしれない。
でも――

128 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:13:52 ID:LBLwUk89
「それで……あんたはこれからどうするのよ?」
「自決デモシヨウカト考エテイル」
「ふーん……って、ええええええええええええ!?!?」
「無論本気ダ」
「ちょ、ちょっと! い、いくら生き甲斐がないからって、そんな、何も死ぬなんて!」
「オ前ハ知ラナイカラソンナコトガ言エルノダ。
 生キ甲斐ヲ失ウコト、生キル目的ヲ失ウコトガ意味スル本当ノトコロヲナ」
「何よそれ! 全然納得できないわよ!」
「納得スル必要ハナイ。
 オ前ノヨーナ小娘ニハ説明シタトコロデ分カラン事ダカラナ」

そう言って、ホワイトスネイクは退屈そうに天井に目を向けた。

……ななな、なんなのよ、こいつは。
さっきからわたしのことを小娘、小娘って。
しかもなんなのこの態度?
まるで私のことをご主人様だなんて思っちゃいないわ。
スタンドだか何だか知らないけど、たかが亜人の分際でいい気になってくれるじゃないの。
今に見てなさい。このルイズ・ド・ラ・ヴァリエールがあんた如きを使い魔にするぐらい当然のメイジだってことを……。

そこまで考えて、ルイズの思考が止まる。
じゃあ、それをどうやって証明するの?
こいつに自分を、どうやって認めさせるの?
その手段が今の自分には……あるの?

……「今の」?
その単語に、ぐるぐると回り続けるだけだった思考が一気に一つにまとまった。そして定まった。
今後の自分の目標、そして目指すところ。

「ねえ、あんた。……賭けをしない?」
「賭ケ、ダト?」
「そう、賭けよ」
「内容ハ?」

ホワイトスネイクが乗ってきた。
その様子にルイズは内心でほくそ笑み、そして少し間をおいてからこう言った。

「1年でわたしが、あんたがご主人様と認められるだけのメイジになれるかどうか、よ」

129 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:15:38 ID:LBLwUk89
ふふん、と胸を張るルイズ。
だが。

「真面目ニ聞コウトシタ私ガ馬鹿ダッタ」

そう言ってまたホワイトスネイクは天井に目をやった。

「ちょ、ちょっと! わたしは真面目に言ったのよ? 
 わたしが立派なメイジになれればあんただって私の使い魔になるっていう立派な生き甲斐が出来るじゃないの!
 そ、それを、『真面目に聞こうとしたのが馬鹿だった』ですって!?」
「仮ニ1年間デ何モ進歩ガナカッタトシテモ……1年間ハ私ヲ使イ魔トシテソバニ置イテオケル。
 ソレガオ前ノコノ賭ケニオケルメリットデアリ……強イテ言エバ勝ッテモ負ケテモオ前ハ得ヲスルヨーニナッテイル」
「なっ……」

あっさりと自分の考えを看破され、唖然とするルイズ。

「ソレニ何カ勘違イシテルナラ言ッテヤル。私ハオ前ノヨーナ小娘ニハ何モ期待シテイナイ。
 ダカラオ前モ私ニ何カ期待ナンカシナイデサッサト新シイ使イ魔トヤラデモ呼ベバイイ」
「な、ななな、なんですってええええええ!!!」

度重なるホワイトスネイクの高慢な物言いに、ルイズの堪忍袋の緒が三度切れた。

「あ、あんたは! さっきから小娘小娘ってわたしをバカにして!
 せいぜいあの世でみてなさいよ! 
 あんたがわたしの使い魔にならなかったことを後悔するぐらいのすごいメイジになってやるんだから!!」
「後悔ナドスルモノカ」
「ふん、そんなこと言ってられるのもせいぜい今のうちよ!
 偉大なメイジになったわたしを見たあんたはあの世から飛んで戻ってきて、
 泣きながら『わたしを使い魔にしてください』ってお願いするんだわ!」
「勝手ニ言ッテロ。私ハ好キニスル」
「逃げる気!?」
「……何ダト?」
「そうよ! あんたは怖いんだわ!
 わたしが立派なメイジになって、その私に見返されるのが怖いんだわ!
 この臆病者! 卑怯者! でも逃げるんだったら今のうちに尻尾巻いて逃げるがいいわ!
 わたしは一人前になった後、その後ろ姿を大声で笑ってやるんだから!」

130 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:18:27 ID:LBLwUk89
プッツ〜〜〜ン!
決定的な何かが、また切れた。
だがルイズのではない。

「……言ッテクレルナ、小娘」

ホワイトスネイクのだ。

ホワイトスネイクはそう呟くと、椅子から跳ね上がるようにして空中に上がり、
ルイズの目の前に見せつけるように急降下した。

ドヒュゥンッ!

「きゃあっ!」
「コノ私ガ、コノホワイトスネイクガ、オ前如キ小娘ニ泣キナガラ懇願スルダト? 逃ゲルダト?
 面白イナ……コノ20年、私ニ向カッテココマデ言ウ奴ハソウハイナカッタゾ……」
「な、なななな何よ! 何する気よ!」
「オ前ノ賭ケニ乗ッテヤルンダ」
「……え?」
「期限ハ半年。
 ソノ間私ハ、オ前ノ言ウ『使い魔』トシテオ前ヲ見極メテヤル。
 ソシテオ前ガソノ半年ノ間ニ私ニ認メサセルダケノ者ニナッタナラ、オ前ノ勝チダ。
 ダガナレナカッタナラ……」

「オ前ノ『記憶』ヲ貰ッテイクゾ」

地獄の底のような声でそう言うと、ホワイトスネイクは煙のように消えてしまった。
後に残されたのは、ぽかんとした顔のルイズだけ。

「……ひょっとして……うまくいったの?」

「記憶を貰っていく」ということの意味どころか、期限が半年に縮んだことも、まだ分かっていないルイズだった。


To Be Continued...

131 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:21:21 ID:LBLwUk89
投下完了でございます
明日もまた来ますね

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:30:17 ID:aoPyMWRv
GJ!!
ホワイトスネイクのキャラが
なかなかのいい味出してやがるぜ…。

そういや今回もラングラーとは戦うのか?

133 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/20(金) 23:53:08 ID:LBLwUk89
>>132
その予定です

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:10:14 ID:C6CSdRFR
ツンドラ蛇GJ!
萌え蛇になるのが待ち遠しいのぜ!

そしてメイド・イン・ヘヴン!
宇宙が三巡くらいしてもルイズはきょぬーにはなれな(爆発
げふげふ、世界は一巡し、IDが変更される

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:26:15 ID:Mz8Nohn3
GJ!
そして既に蛇に萌えちまったぜw
掛け合いが楽しい!!

136 :来訪者:2008/06/21(土) 01:59:34 ID:ZuzZh4sj
投下ラッシュなのか?
とにかく24時間以内に何とか書けたので、投下する!



137 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:01:44 ID:ZuzZh4sj

「ほほう、東方産の品々をコレクションしとる貴族か。
 君にそんな知り合いがおったとはのう」
「昔請け負った生徒が、そんな話をしていたのを思い出して。
 彼の祖父がずいぶんと熱を上げていたとか。
 なんでも本当に東方産なのか、よくわからない品も多いそうです」
コルベールの言葉にうなずくオスマン氏。
「そりゃ好都合じゃな。少年の求める掘り出し物がその中にあるかもしれん」
「では早速準備を…明後日にもイクロー君を連れて出発する事にします」
「あー、ちょっと待ちたまえ」
急いで学園長室を出て行こうとするコルベールを、オスマン氏が呼び止める。
「なんでしょう?」
育郎から聞かされた異世界の優れた技術の品を見てみたいのだろう、いますぐに
でも出発したそうな様子の、コルベールに告げる。
「一緒にミス・ロングビルも連れて行ってもらえんかの」
「それはかまいませんが…何故ミス・ロングビルも?」
確かにミス・ロングビルは事情を知る数少ない人間の一人であるが、今回
わざわざ一緒に出かける必要があるとは思えない。
「ふむ…今のわしの格好を見て、君はどうおもったかね?」
そう言われ、ロープで縛りあげられ、天井から吊り下げられているオスマン氏を
改めて眺める。
「今度は何をしたんですか?」
「実はのう…今日転んだふりをして、ついにミス・ロングビルの胸を触って
 みたんじゃよ!」
そのときの感触を思い出してか、至福の笑みを浮かべるオスマン氏。

138 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:02:55 ID:ZuzZh4sj
「…いいかげんにしないと、本当に訴えられますよ?」
「どいつもこいつも、たかが秘書とのスキンシップではないか。
 そんな大げさに騒ぎ立てる程の事では」
「それはスキンシップではなくセクハラと言うんです!まったく…」
そこでコルベールがある事に気づく。
「それだけのことをして、よくその程度ですみましたね…」
縛りあげられたオスマンに、他にダメージは見当たらない。
「そうじゃ、いつもならちっとモートソグニルで下着を覗こうとするだけで、
 容赦のない虐待を加えるてくるんじゃが」
「虐待…それは自業自得なんじゃ」
コルベールの言葉を無視してオスマン氏が続ける。
「なにか悩み事でもあるのか、今日は朝から沈み込んでいての。
 胸をさわったのも元気づけるつもりだったんじゃが。
 それでかるく少年と旅行でもして気分転換を…と思っての」
「なるほど、そう言う事なら急いで準備を」
珍しく気の利いた事をするオスマン氏に感心しながら、コルベールが部屋を出る。
「ああ、そうじゃ。来週にはフリッグの舞踏会があるから、それまでには
 帰ってくるようにするんじゃぞ」



139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 02:04:20 ID:90mfS6y1
支援

140 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:04:56 ID:ZuzZh4sj


「フリッグの舞踏会?」
育郎が料理を切り分ける手を止め、キュルケに問い返す。
「そ、来週のユルの曜日に開かれる舞踏会。ルイズから聞いてない?」
首を振ってルイズを見る。
「そういえばそんなのもあったわね…」
使い魔召喚からいろいろありすぎて、すっかりそんなイベントの事等忘れていた。
「あらあら、せっかくの舞踏会を忘れるなんて…
 でも貴女にとって、今回のは特にどうでもいい事かもね」
「ど、どういう意味よ…」
わざとらしいため息をついた後、意味深な笑顔を浮かべるキュルケに、
嫌な予感がしながらも、ルイズが聞き返す。
「あら、フリッグの舞踏会の伝説も忘れたの?舞踏会で」
「フリッグの舞踏会で一緒に踊ったカップルは、必ず結ばれるんだ!!」
「…ギーシュどっから生えてきたの?」
キュルケが振り向くと、いつの間に近寄ってきたのか、ギーシュがポーズを
つけて立っていた。
「ま、そういう事、ロマンチ」
「ロマンチックだろ?もちろん僕と一緒に踊るのはモンモランシーさ!」
「ちょギーシュ!大きな声で言わないでよ。恥ずかしいじゃない…」
「………」
ギーシュの背後から、やはりいつものようにモンモランシーが現れる。
「ああ、モンモランシー…僕と踊るのはそんなに恥ずかしいのかい?」
「そ、そんなわけないじゃない。だからその…もう…ばか」
いつものようにいちゃいちゃするギーシュ達に、やはりいつものように彼女の
いない生徒達からの敵意の視線が突き刺さるが、当然いつものように二人は
そのような事に気づかず、幸せ空間を作り出している。

141 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:06:56 ID:ZuzZh4sj
「まぁ…そういう事なの。ルイズには縁のない話でしょ?」
「そ、そんな事ないわよ…」
否定はしてみるものの、その声は小さい。
ルイズはこれまでの学生生活の中で、これといった浮いた話ができるような
体験がさっぱりなかったのだ。
ちなみに去年のフリッグの舞踏会では、ルイズは失敗魔法で壊れた教室の
後片付けを命じられて、参加できなかった。
「そんな事あるんでしょ?まぁ…そのぺったんこの胸じゃしょうがないわね」
「な、なんですってぇ!」
机に手を叩きつけ、勢いよくルイズが立ちあがる。
「ちょっとむむむむむむ胸が大きいからっていい気にならないでよ!
 だ、だいたいあんたこそ、最近男が寄り付いてないみたいじゃない」
確かにそれまで食事中であろうとも、常に周りに群がっていた男子生徒の姿が、
今はさっぱり見当たらない。
キュルケが食事のたびにタバサをつれて、育郎の周りの開いている席に
座るようになったからだ。
「あら、そういえばそうね」
指摘されたキュルがすんなりと認める。
「ほらみなさい!」
だがキュルケは意に介した様子も泣く、立ち上がり、遠巻きに眺める生徒達に
むかって振り返り、芝居じみた口調でこう言った。
「私をフリッグの舞踏会でお誘いくださる殿方はおりませんこと?
 最近さびしい夜が続いてて…誰か慰めてくださる方はいないかしら」


142 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:08:50 ID:ZuzZh4sj

「こんな女のどこがいいのよ…」
「豊かな胸は女の器量の証明なのよ」
舞踏会の相手を2桁ほど集めたキュルケを、ルイズは苦々しげに見つめる。
「…そ、そうよ!タバサはどうなのよ!私より小さいじゃない!」
先ほどまでの騒ぎも我関せずと、黙々と食事をつづけるタバサを指差す。
「あら、タバサは可愛いからいいのよ。それにこれから大きくなるかも
 しれないじゃない。ね、育郎?」
「え?あ、いや…」
いきなり話を振られて戸惑う育郎に、ルイズが自信なさげに問いかける。
「や、やっぱり男の人って胸が大きいほうがいいの?」
「い、いやそんな事ないよ」
育郎の答えに自信を持ったルイズが、キュルケに向き直りふんぞり返る。
「ほらみなさいよ!大事なのは胸じゃないのよ」
「…ちょっとギーシュ。ほらいつまでいちゃいちゃしてるの。
 ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「なんだいキュルケ?」
「あなた胸は大きい娘と小さい娘、どっちが良い?」
「もちろん大きいほうさ!」
親指をたてながら、とてもいい笑顔で答えるギーシュ。
ちなみにモンモランシーはあまり大きいほうではない。
というかちょっと小さめである。
「ちょっとギーシュ…話があるんだけど」
「なんだいモンモランシー?」
「こっちに来て」
ギーシュが物陰に連れ込まれ、ほどなくして彼の悲鳴が食堂にこだました。


143 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:11:15 ID:ZuzZh4sj

「ま、胸のことはもう良いわ。それよりイクロー、あなた誰と踊る気なの?」
「え、僕が?」
ごく普通の家庭に生まれ育った育郎にとって、舞踏会等と言われても、いまいち
現実味を感じられるものではない。ましてやそれに自分が参加するなんて事を、
彼はさっぱり考えていなかった。
「僕はいいよ」
「「えーなんで!?」」
しかしルイズとキュルケにとっては、それは意外な答えである。
「いや、だって僕が参加したら迷惑だろうし…」
周りを見回すと、あいもかわらずこみ合った食堂において、見事に異質な
空白地帯を作り出している。
「そんなの気にしなくても良いじゃない」
「ルイズの言うとおりよ。ほら、タバサも貴方と踊りたいって」
タバサを見ると、あいもかわらず無表情で食事を取り続けている。
「いや、でも踊りとか、僕にはよくわからないし」
「え、それは本当かい!?」
モンモランシーの折檻から開放されたギーシュが、ボロボロになりながら
驚きの声を上げる。
「ああ、そういうのはちょっと縁がなかったというか…」
「そうなのかい?平民達が、君の事を貴族とか言ってたからてっきり」
「いや、僕は貴族なんかじゃ…」
「うーん、貴族じゃなくて上級だったかな?」
「………」
何が上級で、何の貴族なのか非常に気にはなったが、あえてそれを確かめる
気にはなれない育郎であった。

144 :ゼロの来訪者:2008/06/21(土) 02:48:33 ID:ZuzZh4sj
「なんなら後で僕が簡単なレッスンでもしようか?」
「いいよ、なんだか恥ずかしいし」
「そうかい?まあ確かに男同士でダンスってのもちょっと…」
「それじゃタバサ、貴方がレッスンしてあげたらどう?」
「タバサじゃ背が合わなくてやりにくいんじゃないの?」
至極もっともな意見を言うモンモランシー。
「しょうがないわね…それじゃ主人の私が」
「貴方も大して変わんないじゃない」
「………じゃあ、イクローに聞きましょう。誰に教わりたい?」
「え?」
舞踏会に出ると一言も言ってないのに、いつのまにか参加するのは決定した
事になっている流れに戸惑う育郎に声がかかる。
「おお、イクロー君!」
呼ばれた方を向くと、ミスタ・コルベールが手を振っているのが見えた。
走ってきたのか、汗のてかりで通常の3倍光り輝いている。
「どうかしたんですか、コルベール先生?」
「ああ、食事中かね。なら後で私の部屋に来てくれないかね?話があるんだが」
「いえ、もう僕は食べ終わりましたから。ルイズ、ちょっと行って来るね」
「ええ、それじゃあとで」
二人が食堂から出て行くのを見送った後、ギーシュ達がミスタ・コルベールが
育郎になんの話だろうと、他愛ない会話をする中、タバサだけがそれまで
一人黙っていたキュルケの呟きを聞いた。
「ごめん…やっぱりこれはないわ」
「何が?」




145 :来訪者:2008/06/21(土) 02:55:12 ID:ZuzZh4sj
以上
投下終了です
途中で落ちたのもびっくりしたが、即復旧したのもびっくりしたよ。

というわけで、恒例の食堂話です
…とりあえず集まる場所として最適なもんで

それにしても本編の教皇はあんな事本気でおもってるんでしょうかね?
個人的に

「ここには信仰などないぞ…」
「ですが権力があります。虚無などよりよほど頼りになる」
(そのために母親すら生け贄に捧げたか…)

的な人なら楽しかったんですが

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 03:05:15 ID:63szxYZq
雑談に書き込んでる内に復旧してた、タイミング悪いな俺
来訪者さんGJ次回もまってます

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 07:06:17 ID:xdP1ODTn
GJを送る!

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 08:40:12 ID:fpJeDXnT
そういえば育郎のバオーも数ヶ月でおっと誰かきt

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 08:51:14 ID:vhjKQKGA
>>148
それが148をみた最後だった。


150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 09:59:01 ID:QdKOlAia
>ごめん…やっぱりこれはないわ
流石にそっち系の妄想は駄目なのか?
というか作者氏が書きたくないだけかもしれんがw

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 11:51:46 ID:jB0jdwso
>>150
コッパゲxイクローという事か?
そりゃあないなw

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 17:10:45 ID:Ln+rtk4e
>>151
待て、キュルケの脳内での育郎=触手でエロスな魔人。
そしてこの時点でキュルケがコッパゲ先生の実力を理解してるとは思えない、
だからキュルケの脳内でのコッパゲ先生=冴えないおっさん。
まさか冴えないおっさんが魔人に敵うとは誰だって思わない、キュルケだって思わない。
…つまり、キュルケの脳内では育郎が触手でコッパゲ先生を…

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 20:39:56 ID:joQOf1QY
いやいや逆に返り討ちにして封印を施してから…

154 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:06:28 ID:qPN1k3qO
今日も投下
他に作者さんがいないのならいますぐいきます
覚悟はいいか? オレはできてる

155 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:09:14 ID:qPN1k3qO
3話


窓から差し込む光を感知して、ホワイトスネイクは姿を現した。

「サテ……コレカラドウスルベキカナ」

そう言って、窓の外に目をやる。
空はまだ薄暗く、太陽も地平線から少し頭を出した程度。
朝まではまだもう少し時間があるようだ。

「トリアエズハ現状確認ダナ」

ホワイトスネイクが「自分自身の変化」と疑うものはいくつかあった。
1つ目は、「スタンドパワーの供給源」。
エンリコ・プッチが死んでいる以上、彼からスタンドパワーを供給されていることはあり得ない。
自分の限界射程の20メートルという距離を考えればなおさらだ。(これは昨日のうちに確認している)
ではいったい誰からスタンドパワーを供給されているのか?

「多分……コイツダローナ」

ホワイトスネイクが白い目を向けた先には、ベッドの上でぐっすりと眠りこけるルイズの姿があった。
確かにそれ以外に考えられない。
事実、昨日からずっと自分の20メートル以内にいたのはルイズだけだったのだから。
となると、ルイズはホワイトスネイクのスタンド本体である、ということになるのだろうか?

答えはノーだろう。
ルイズがホワイトスネイクのスタンド本体であるとするといくつかの矛盾が生まれるからだ。
例えば昨日ルイズはホワイトスネイクの足をふんづけたが、その際にルイズが足に痛みを感じた様子はなかった。
スタンドとスタンド本体の間での「ダメージの共有」がなされていないのだ。(これが2つ目の変化と疑うものである)
他にもホワイトスネイクが「自分の意志で」発現できたということもあるが、
ホワイトスネイクが「自分の意志でスタンド本体を守る」というかなり特異なタイプのスタンドであることを考えれば、
さほど大きな変化でもないのだろう。
いずれにしてもそういった変化もある以上、今この時点で「ルイズが自分の本体である」と決めるのはまだ早い。
ホワイトスネイクはそう結論付けた。

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:09:48 ID:VnjOoXSK
支援

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:09:57 ID:rOH5YtmN
支援?

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:11:23 ID:WH183xb2
支援した!

159 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:13:00 ID:qPN1k3qO
そうこう考えているうちに太陽はそれなりの高さまで昇り、窓から差し込む日差しも強くなってきた。
ホワイトスネイクは改めてルイズに目をやる。

「ふにゃ……」

だが未だにルイズは寝ている。
さっきから何も変わっていない。

「コレヲ起コスベキカドーカ……」

ホワイトスネイクはそんなことを呟きながら椅子に腰かける。
確かに昨日「賭け」には乗ってやったが、ここまで面倒を見てやるつもりはホワイトスネイクにはない。
働くとしても、せいぜいスタンド本体に対するスタンドぐらいの程度でだ。

とその時。
コンコン、と部屋のドアを軽くノックする音が響いた。
だがルイズはまだ寝ている。
応対できるのはホワイトスネイクだけだ。
再びノックオンが響く。
ホワイトスネイクは仕方なくイスから立ち上がり、鍵を開けてドアを開いた。

「誰ダ?」
「おは……って、あんた誰よ!?」

ドアを開けた先に立っていた赤毛の女が頓狂な声を上げる。

160 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:15:43 ID:qPN1k3qO
「ホワイトスネイクダ。ドウイウワケカ昨日『召喚』サレテキタ、ナ」
「召喚……って、ああ、そういうことね。
 へぇ〜、あんた亜人ね? にしては随分流暢にしゃべるわねえ」
「ソンナコトハドウデモイイ。
 ダガ相手ガ名乗ッタカラニハオ前ノ方モ名乗ルグライシロ」
「あら、失礼。
 私はキュルケ。それで……」

キュルケと名乗った女が後ろをちらと見ると、向い側の部屋からのそのそと赤い生き物が出てきた。

「この子がフレイム。私の使い魔よ。
 フレイムはただのサラマンダーじゃないわ。火竜山脈のサラマンダーなのよ?
 好事家に見せたら、そりゃもう値段なんかつかないわよ?」

そういって豊満な胸を張るキュルケ。
その様子を白い目で見ながらホワイトスネイクは、

「ソウカ……スゴクウラヤマシイナ」

と抑揚のない声(つまり棒読み)で答えた。

「ソレヨリ、ルイズノ部屋ニハ何ノ用デ来タンダ?」
「ああ、そんなことね。単にこの子を見せに来ただけよ」

実に単純な小娘らしい発想だ。
心底うらやましいな、とホワイトスネイクは思った。

「ソウカ。ダガルイズハマダ寝テイル」
「あら、やっぱり? あの子ったらすごい寝ぼすけなのよね」

そう言ってキュルケはくすくす笑った。

161 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:18:17 ID:qPN1k3qO
「しかしあなた……なかなかいいカラダしてるわね。背もすごく高いわ。
 その服は民族衣装か何かなの?」
「民族衣装……ソウダナ、ソンナモノダ」

うっとりした目つきで言うキュルケ。
だがいちいちスタンドの説明をするのも面倒なので、ホワイトスネイクはあえて嘘をついた。

「それに体のイレズミ……これはどんな意味があるの?」
「……一族ノ繁栄トカ、ソノ辺リノ意味ダロウ」

またも当たり障りのない、嘘の回答をするホワイトスネイク。

「ふ〜ん……なるほど、ね。あなたに興味がわいたわ。またお話ししてくださる?」
「余裕ガアレバナ」
「ふふ、なかなかガードが堅いのね。
 じゃあ私は食堂に行くから、はやく『ゼロのルイズ』を起こしてあげなさいな。
 朝食に遅れると朝ごはん抜きになっちゃうもの」

そう言って、フレイムを従えて去っていくキュルケの後ろ姿を尻目に、ホワイトスネイクはルイズのベッドへと向かった。
だが、そこでふと思い当たって立ち止まる。

「『ゼロのルイズ』……ト呼ンダナ、アノ女。ルイズノコトヲ……。『ゼロ』トハ何ダ?」

だが一人で考えても仕方のないことなので、ルイズを起こす作業を始めた。

162 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:21:27 ID:qPN1k3qO
「オイ、起キロ」
「むにゃ……ふぁ……」
「起キロト言ッテイル」
「ふにゃ…………」
「……仕方ナイナ」

そう呟くと、ホワイトスネイクはおもむろに自分の腕に指を突き刺した。
だが出血はない。
むしろ、水面に指を静かに入れたかのように、ごく自然に指が腕に入ったのだ。
そして指が腕から抜かれたとき、一枚の輝く円盤がその指に挟まっていた。
これが「DISC」。
ホワイトスネイクの能力を語る上でもっとも重要な存在である。
そのDISCを、ホワイトスネイクはルイズの額に静かに「差し込ん」だ。
そしてしばらくして――

「きゃああああああああっ!!!」

ルイズが悲鳴をあげて跳ね起きた。
その拍子に額のDISCが抜け落ちる。

「はあっ、はあっ、はあっ、………」
「オ目覚メハイカガカナ、ルイズ」

あえて茶化すように言ったホワイトスネイク。

「さささ、さ、最悪、よ。
 い、いい夢見てたのに、いいいいいいきなり空から、カカ、カ、カ、カエルが、たくさん降ってくるなんて……」
「ソレハ実ニ酷イ夢ダナ。同情スルヨ」

悪夢を見せた張本人がさも知らぬかのように言った。

163 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:22:06 ID:qPN1k3qO
「トモカク、朝ダ。
 朝食ガソロソロ始マルンジャアナイノカ?」
「それも……そうね。っていうか、何であんたが朝食の時間を知ってるのよ?」
「サッキ部屋ヲ訪ネテキタ女ガソウ言ッテイタ」
「女?」
「赤イ髪ノ……」
「わかった、もう言わなくっていいわ」

ルイズはむっとした顔でそれだけ言うとベッドから降りた。
そしてホワイトスネイクに振り向き、

「着替えるから手伝いなさい」
「……何ダト?」
「ニ度もおんなじこと言わせないで。わたしの着替えを手伝うのよ」
「私ヲ召使カ何カト勘違イシテルンジャアナイノカ?」
「しょうがないでしょ。だってあんた、わたしの目にも耳にもならないし秘薬の材料だって探せないんだもの」

さも当然、と言わんばかりのルイズ。
それを冷めきった目でホワイトスネイクは見下ろした。

「何よ、文句でもあるの?」
「……賭ケニ乗ッテヤッタノハ私ダカラナ……仕方ナイ、トイウヤツカ……」

そんなことをぶつぶつ言いながらホワイトスネイクはクローゼットから服を出し、ルイズに着せてやった。
無論、下着を履くぐらいのことはルイズは自分でやったが。
そして支度を終えたルイズは部屋を出て、食堂へ向かった。
ホワイトスネイクも後に続く。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:22:09 ID:rOH5YtmN
紫煙

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:23:52 ID:S1ZxJDI8
キュルケww

166 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:25:56 ID:qPN1k3qO
「改めて確認するけど……あんたは1年間はちゃんとわたしの使い魔でいるのよね?」
「オ前ヲ査定スルタメニナ。アト1年間ジャアナイ。半年ダ」
「は、半年? 半分に縮んでるじゃない!」
「1年ハ長スギル。私ニトッテモ、オ前ニトッテモ。
 受験生トイウ連中ハ誰モガ1年トイウ期間ヲ与エラレテイルガ、
 ソノ期間ノ内デ多クガ中弛ミヲ起コス……彼ラニトッテ常ニ必死デイルニイハ1年ハ長スギルカラダ。
 オ前モ必死ニナルノダロウ? ダッタラ半年ガイイ」

正論だった。

「うぅ〜〜…………わ、わかったわよ。その代わり、絶対に約束は守りなさいよ!」
「ソウイウコトハ、少シデモ私ニオ前ヲ認メサセテカラ言エ」

つんけんした会話をしているうちに、食堂についた。
ここトリステイン魔法学院の食堂、「アルヴィーズの食堂」には、
百人は軽く席につけそうなぐらい長いテーブルが三つも並んでいる。
そしてその三つともに豪華な飾り付けがなされていた。

「どう? びっくりしたでしょ」
「……学生ナラ、コノ程度カ」
「どういうことよ、それ!」
「王族ノ血縁ノ子女モイルトイウカラ、『エカテリーナ宮殿』ミタイナノヲソウゾウシテイタガ……マア、学生ダカラナ」
「『エカテリーナ宮殿』?」
「壁中ニ金細工ヤ大理石ノ彫刻ダノガ飾ッテアル。壁一面ニ琥珀ヲ張ッタ部屋モアッタナ」
「……見え見えのウソだわ。そんな場所、トリステインの王宮にだって無いわよ?」

呆れた口調でルイズが言う。

「……コノ世界シカ知ラナイオ前デハ確カメヨウノ無イコトダカラナ。ダガソレハイイトシテ……コレハ何ダ?」

ホワイトスネイクが指さした先――床には皿が一枚あった。
どうしようもなくショボいスープと、硬そーなパンが二切れ入った皿だ。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:28:13 ID:rOH5YtmN
支援

168 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:30:14 ID:qPN1k3qO
「あんたの食事よ」
「……言イ忘レタガ私ハ食事ヲシナイ。
 スタンド本体カラ常ニ供給サレルスタンドパワーガ私ノエネルギーノ源ダ」
「ふーん……ってことはまさか!」
「貰ウベキエネルギーハサッキカラズット、オ前カラ貰ッテイル」
「何でそれを先に言わないのよ!」
「ソレヲ今後悔シテイルトコロダ。
 言ッテイレバ……コンナ屈辱ヲ味ワウコトハナカッタノダカラナ……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……と大気が振動しているかのような雰囲気がルイズを包む。
何十、何百のスタンド使いをその手にかけてきた悪魔のスゴ味を間近で感じて、思わずルイスはたじろいだ。

「で、でも、ご主人様と使い魔の立場の違いを教育するのも……」
「ダガコレハ『アル意味』正解ダッタ。
 イイ判断基準ダ……スゴク……イイ判断基準ニナル……」

ルイズの弁解は完全に無視し、言葉の節々に怒りを滲ませながら、ホワイトスネイクは姿を消した。
自分自身を「解除」したのだ。
その長身ゆえに食堂の人目を引いていたホワイトスネイクが突然消えたことで周囲は一瞬騒がしくなったが、
教師が食事の前のお祈りをするよう大声で促すとすぐに静かになった。

「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。……」

お祈りを唱和する生徒たち。
ルイズもそれに加わるが、心中は穏やかではなかった。

(わたし……なんだか、大変なことをしちゃったのかも……)


To Be Continued...

169 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/21(土) 23:34:12 ID:qPN1k3qO
投下完了でございます

次回は
@白蛇さん怒る
Aゼロの秘密
B甘い誘惑

の三本でお送りします
明日もまた来ますね

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:54:03 ID:C6CSdRFR
萌え白蛇GJ!

しかしスタンドに欲情するとかキュルケがフリーダムすぎるwww

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 00:04:23 ID:/jdDNjwM
この作品見ると白蛇が欲しくなってしょうがない

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 00:35:19 ID:GkzqQOL8
同意。
こんなスタンドなら欲しいw

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 00:41:59 ID:wRNwq3HL
確実にマイナス評価を付けられているルイズに笑ってしまうww

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 00:48:04 ID:lPyj0fm/
よりによってウェザーのカエル降らしの記憶見せるとは、白蛇もなかなか性悪だなwww

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 01:28:06 ID:QGmTzRyl
会話のできるスタンドってact3とスパイスガールと白蛇さんベイビィフェイスぐらいだったか?
個性的な面子だが楽しそうだよな、どいつもこいつもw

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 01:36:01 ID:DfMI4Lfz
>>175
アヌビス、チープトリック、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム、ドラゴンズ・ドリームも喋る。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 02:10:03 ID:LCNzlkp/
セックスピストルズも喋れるよー。
ポコロコのスタンドや、4部のサーフィス(誰かに変身してる時)も話せるよー。

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 02:38:46 ID:G3l13F16
スタープラチナも「オラァ!」って叫んでるよー。

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 03:00:51 ID:3Q2eoJyx
オラァ!は鳴き声じゃなかったのか!!

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 05:38:23 ID:qpGhK/6o
「きさま、なぜ急にうしろを見せるのかッ、こっちを向けいッ!」
シアーハートアタックとスタプラは実は似たもの(ry

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 07:05:23 ID:YRaeo6Nx
F・Fは?

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 08:40:36 ID:H6JtPH/V
>181
F・Fは微妙だなぁ。あれはスタンドと本体が完全に一体だから。
人の体を操ってるのはスタンドの能力だけど、喋ってるのは本体のような気はする。

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 08:41:00 ID:y+lZ2/gO
変身したサーフィスはその人の性格を引き継ぐんだよなぁと思って
ルイズがサーフィス召喚。なんでこんな人形が…と触ったらむくむくとルイズに変身
第一声「あんた誰?」


どう見てもスキルニルです本当にありがとうございました

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 11:44:11 ID:y6klre+s
サーフィスってかなり大きな人形を媒体にしてたけど、あれ小さな人形だったらどうなるんだろう
やっぱちびルイズになるのかな?

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 12:00:49 ID:wRNwq3HL
ちびルイズ……だと!?
そうなると、当然ちびタバサやちびテファもアリということに……ッ!!

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 12:10:53 ID:yZsY/W8V
どうでも良いけどちびキャラってなると全部ひらがなにしたくなるよね
ちびるいず、ちびたばさ、ちびきゅるけとかいう風に

やっべなんか電波が

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 12:30:44 ID:o6dBXbCW
>>186
多分灼眼のお方あたりから来てる電波だな

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:02:11 ID:WGNYZoMg
>>186-187
才人 「るいず、俺の頭の上でクックベリーパイ食べるのいい加減にやめてくれよな。」
ちびるいず 「うるちゃい、このバカいぬ!!」
シエスタ 「偶然ですよね……」

……ホルマジオ召喚すればSSで再現できるな、誰か書いてくれんかなw

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 16:17:20 ID:y6klre+s
ちびキャラはアホ毛とかの特徴が強調されるから
ちびてぃふぁは頭と同じくらいのカタマリ2つを標準装備してるに違いない

バランスが悪くて直立できなそうだけど、そこはまあジョジョ立ちでカバーってことで

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 16:38:05 ID:cAvi3t5/
>>189
常人なら後ろに倒れるようなジョジョ立ちで二つのメロンによる傾きを相殺するのかwwwww

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 17:41:53 ID:WGNYZoMg
アブドゥル 「(二つでは不十分wだから臀部も合わせて)四つにしてくれ。 チッ、チッ。」
これでバランスが取れるよ!

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 19:44:53 ID:QGmTzRyl
しかしJOJO立ちをすると、とたんに頭身が荒木神基準になる罠
ユカコ並の身長にけしからん胸…ええぃけしからんwww

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 20:04:17 ID:SSy9T6e4
顔立ちも妙に色っぽく…

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 20:32:31 ID:+4YroUgZ
ティファニア「貴方方……覚悟できてる人ですよね?
         人の胸をネタにして遊んでるんです
          胸に挟み潰される覚悟、できてますよね?」

と何故かコロネ調のティファがくぁswtgyふじこlp;@:「」

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 20:37:51 ID:SSy9T6e4
スタンド名:ドリー・バートン

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 20:58:55 ID:Y7yYgKOK
>>194
覚悟完了したのでお願いします

197 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:24:40 ID:lPyj0fm/
今日も投下
他に作者さんがいないなら今すぐいきます
いつもより2時間早いが、覚悟はいいか? オレはできてる


198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:25:47 ID:xK4NhVLu
スネイク支援!

199 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:26:09 ID:lPyj0fm/
4話


朝食を終えたルイズは教室に入った。
教室ではすでに多くの生徒が着席していて、その脇には各々の使い魔を侍らせている。
だが、今ルイズの後ろにホワイトスネイクはいない。
きっと朝食のことを腹にすえかねてるんだわ、と考えたルイズは自分の使い魔の名を呼んだ。

「ホワイトスネイク、出てきなさい」

だが出てこない。
聞こえていないわけではない。
ホワイトスネイクは今のところルイズのスタンド「のようなもの」なので、
ルイズに見えたり聞こえたりしたものはホワイトスネイクにも見えているし、聞こえている。
これはプッチ神父の時と同様だ。
つまり何が言いたいかというと……無視したのである。

「ホワイトスネイク、出てきなさい!」

口調を強めて、再び使い魔の名を呼ぶルイズ。
だがホワイトスネイクは出てこない。
その様子を見た教室の生徒たちは、最初はきょとんとしていたものの、次第にニヤニヤし始めた。

「『ゼロ』のやつ、早速使い魔に見放されちまったのかぁ〜?」
「まあトロールみたいにバカな亜人じゃなくて、ちゃんと言葉が話せる亜人だったからなぁ。
 ルイズが『ゼロ』だってこと、すぐに分かったのかも」
「にしても、召喚されたのが昨日の午後だろ?
 1日と立たずに使い魔に見限られるってのは、さすが『ゼロ』のルイズというか……」

その陰口はルイズにも届いていた。
恥ずかしさでルイズの顔が赤くなる。

200 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:28:56 ID:lPyj0fm/
「ホワイトスネイク!」

三度目の呼びかけは教室中に響くような声だった。
一瞬、教室がシンとなる。
ホワイトスネイクが現れたのは、そのときだった。
ルイズの背後の空中に、浮かびあがるように。
――――――――――――首だけで。

もっとも首だけで出てきたのにはちゃんとした意味がある。
「お前なんかのために自分の全身をいつも出しとくのはもったいねー」というホワイトスネイクなりの意思表示であり、
朝食で受けた屈辱の「ほんの一部」を返すためでもある。
ルイズに何度呼ばれても出てこなかったのも、同じ理由だ。
そして――

「呼ンダカ、ルイズ?」

さも今気付いたかのような口調でホワイトスネイクが言った瞬間――

ドンドンドンドンッ!

4本のツララがホワイトスネイクに襲い掛かったッ!

「何ダトォーーーッ!!」

突然の攻撃にホワイトスネイクは驚いた。
だが20年に渡って続けた殺し合いで培われたカンは、ホワイトスネイクを瞬時にこの事態に対応させたッ!
間髪入れずに全身を発現、そして向かってくるツララを全て手刀で叩き落とすッ!

ツララが無数の氷の破片になって床に散らばったとき、ツララを撃ち込んだ犯人が発覚した。
犯人は小柄なメガネの少女。
少女の髪の色は青、手には身の丈より大きい杖を携え、荒い息でそれをホワイトスネイクに向けていた。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:33:59 ID:WGNYZoMg
このタバサ、容赦せん!!支援

202 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:34:08 ID:lPyj0fm/
「ちょ、ちょっとタバサ! あんた一体何して……」

キュルケが大声を上げる。
無論、攻撃されたホワイトスネイクも黙ってはいない。

「小娘……オ前、何ノ」
「ちょっとあんた! わたしの使い魔にいきなり攻撃するなんてどういうことよ!」

ホワイトスネイクの声を遮り、凄まじい剣幕でルイズが怒鳴る。

「それに『ウィンディ・アイシクル』みたいな強力な魔法を使うなんて! ホワイトスネイクを殺す気だったの!?」
「……ごめんなさい。勘違いした」

タバサと呼ばれた少女は額に冷や汗を浮かばせながら、謝罪した。

「勘違いって何よ勘違いって! 取り返しのつかなくなるところだったじゃないのよ!」
「……ごめんなさい」

カンカンになって起るルイズと、弁解もなくただただ謝るするタバサ。
これでは全く事態が進展しそうにない。
周りの生徒もどうしてよいか分からず、互いに顔を見合わせるだけだった。
そしてホワイトスネイクは、被害者のはずの自分が蚊帳の外にいることに気づいた。
気づいて口を開いたその時、ガラリと扉が開いて教師が入ってきた。

「皆さん、ご機嫌よ……あら、どうしました?」

きょとんとした顔で教師がルイズに問いかける。

「わたしの使い魔が攻撃され」
「いえ、何でもないです!」

ルイズの言葉を遮り、キュルケが大きな声で教師に答える。

203 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:38:02 ID:lPyj0fm/
「ちょっとキュルケ! その子の肩を持つつもり!?」

ルイズが強い口調で言うと、キュルケは席に座ったままのタバサを捕まえると、
彼女を引きずるようにしてルイズのところまで素早く連れて来た。

「いいから、ここは無かったことにして。ほら、タバサも謝ってるじゃない?」
「でも、せめて理由ぐらい聞かせてくれなきゃ納得できないわよ」
「……お化け」
「「……は?」」
「彼が……お化けに見えた。く、首だけ、だったから……」
「それで……攻撃したの?」

タバサはこくりとうなずいた。
つまりお化けが嫌いなタバサが、
ルイズの後ろに「首だけで」出てきたホワイトスネイクをお化けと勘違いし、攻撃した……と。
ルイズとキュルケは、思わず脱力してしまった。

「ごめんなさい」

そう言ってタバサはぺこりと頭を下げた。

「だったらそうと言ってくれればいいのに……」

キュルケはため息をつきながら席に戻った。

「……次からは勘弁してよ」

ルイズはそれだけ言うと、さっさと歩いて行って席に着いてしまった。
後にはタバサと、怒っていいのか、感心していいのか、よく分からない気分のホワイトスネイクが残った。
使い魔(とルイズは思っている)のことを自分のことのように怒ったルイズは評価すべきだが、
自分がそっちのけにされたまま解決されてしまったのは腹立たしかったのだ。
ホワイトスネイクがそんなもやもやした気分でいると、タバサがホワイトスネイクを見上げて言った。

「あなたには、悪い事をした」
「……当タリ前ダ。アト少シ対処ガ遅レテイタラ、タダデハ済マナカッタ」
「でも……できれば首から下を隠すのはもうやめてほしい」
「是非トモソーサセテモラウ。毎回アンナ攻撃デ襲ワレルノハタマラナイカラナ」
「……ありがとう」
「礼ヲ言ワレルヨーナ事デハナイ。小娘ノ自制心ガ信用デキナイカラ、自分デ対策スルダケノ事ナノダカラナ」

ホワイトスネイクは不機嫌全開でそう言うと、フッと姿を消した。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:39:35 ID:WGNYZoMg
謝るタバサとツンな白蛇に萌え支援

205 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:41:56 ID:lPyj0fm/
「き、消えた!?」

またもや教室が騒がしくなる。
が、すぐに皆が静まった。
どこからか現れた赤土の粘土で口をふさがれてしまっているのだ。

「いつまで騒いでいるのですか! もう授業を始めますよ!」

教師の言葉を聞いて、生徒達はいそいそと授業の用意を始めた。
タバサもいつのまにか自分の席に戻っていたが、授業の用意はせずに本を黙々と読んでいた。

「さて、授業を始める前にほんの少しだけお話をさせていただきますわね。
 このシュヴルーズ、新学期にこうやって皆さんの使い魔を見せていただくのをとても楽しみにしているのです。
 今年もみなさんが自分の使い魔の召喚に成功したようで、なによりですわ」

そう言って教室を眺めると、

「ミス・ヴァリエールはとても変わった使い魔を召喚したものですね」
「へ?」

シュヴルーズのとぼけた声を聞いて横を見ると、ホワイトスネイクがいつの間にかルイズの横に座っていた。

「ちょ、ちょっとあんた! いつの間に!」
「ツイサッキダ。ソレヨリ教師ガ何か言ッテルゾ。答エテヤッタラドウダ?」
「え? えー、はい。とても……変わって、ます」

混乱した頭でルイズが答えると、シュヴルーズはにっこり笑った。

「では、授業を始めますよ」

シュブルーズがこほん、と咳払いして杖を振るう。
すると教卓の上に石ころがいくつか転がった。
授業が始まる。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:44:50 ID:rrxgX9fz
sien

207 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:44:53 ID:lPyj0fm/
(中々分カリ易イ説明ヲスル教師ダ)

授業を聞きながら、ホワイトスネイクはそんな事を思った。
シュヴルーズの授業は以下の通りである。

魔法には火、風、水、土の4つの系統と、
今は失われた(使えるヤツがいないということだろうか? とホワイトスネイクは思った)虚無を合わせて、
全部で5つの系統があるということ。
そしてシュブルーズが言うには、土の系統は5つの系統の中で最も重要らしい。
その理由として、土の属性が重要な金属を作り出し、加工することが出来ることとか、
大きな石を切り出して建物を建てることが出来るということ、
それに土の系統が農作物の収穫にも関わっているということを挙げた。

ホワイトスネイクにとってはどれもこれも初めて聞くことばかりなので、
熱心にシュブルーズの説明に耳を傾けていた。
スタンドのデザインに耳は無いけど。
そして説明が丁寧な分、他の事を考える余裕も出てくる。

(ダガ手間ヲ考エナイナラ貴金属ヲ手ニ入レルコトモ、加工スルコトモ可能ダ。
 建物ヲ建テルコトモ、農作物ノ収穫率ノ向上モ同様ニ。
 『暮らしを楽にする』トイウ観点デハ、火ヲ楽ニ起コセルデアロウ火ノ系統ノヨウニ、他ノ系統モ重要ダロウ。
 スタンドト同様、各系統ニ優劣ノ関係ハ無イト考エルベキダロウナ)

そうこうしているうちに、シュヴルーズが教卓の上の石ころに向かって、
小ぶりな杖を振り上げた。
そして短く何かを呟くと、石ころが輝き始める。
数秒後、光が収まると、ただの石ころは光を反射してキラキラ輝く金属に変わっていた。

「ゴゴ、ゴールドですか? ミセス・シュヴルーズ!」

キュルケが身を乗り出して言う。
シュヴルーズはやさしく微笑んで、

「違います。ただの真鍮です。ゴールドを錬金できるのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。
 私はただの……」

と、ここでもったいぶった咳払いをして、

「トライアングルですから……」

と言った。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:47:56 ID:rrxgX9fz
支援

209 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:48:03 ID:lPyj0fm/
(『トライアングル』? ソレニサッキハ『スクウェアクラス』トカ言ッテタナ。
 メイジトシテノレベルヲ表スモノナノカ?)

初めて聞く二つの単語にホワイトスネイクは頭を捻る。

(『トライアングル』……地球デハ『三角形』ノ意味。ソシテ『スクウェア』ハ『四角形』ノ意味。
 『3』ト『4』……カ。一体ドレクライ違ウンダ?
 アノ教師ハ『スクウェアならゴールドを錬金出来る』トカ言ッテイタガ……ヨク分カランナ)
「ねえ」

そんな事を考えていると、ルイズから声がかかった。

「ドウシタ?」

ルイズにだけ聞き取れる程度の声でホワイトスネイクが答える。

「授業、そんなに面白いの?」
「私ニトッテハ真新シイ事バカリダカラナ」
「ふーん……」
「ルイズハ退屈ソーダナ」
「そうよ。知ってることばかりだもの」
「予習シタノカ?」
「自分で調べたのよ。魔法が……いや、なんでもないわ。
 とにかく知識だけはたくさんあった方がいいと思ったの」
「ソウカ……ジャア質問サセテモラオウカ。『トライアングル』ト『スクウェア』ハドレダケ違ウンダ?」
「全然違うわよ。トライアングルは属性を3つしか足せないけど、スクウェアは4つも足せるのよ?」
「一ツ違ウダケジャアナイカ」
「全然違うのよ。足せる数は最大で4つ。低い方から順にドット、ライン、トライアングル、スクウェア。
 足せる数が多くなればなるほど、より強力な魔法が使えるの。
 現にトライアングルスペルとスクウェアスペルじゃ天と地ほどの差があるわ」
「具体的ニハ? 金ヲ作レルトカ作レナイトカ、ソーイウレベルデハ話ガ掴メナイ」
「そうね……」

そう言ってルイズが考え込んだ時だった。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:49:52 ID:rrxgX9fz
支援

211 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:50:43 ID:lPyj0fm/
「ミス・ヴァリエール!」
「は、はい!」
「今は授業中ですよ。
 使い魔とお喋りするのは後になさい」
「すいません……」
「お喋りするヒマがあるなら、あなたにやってもらいましょう」
「へ? な、何をですか?」
「ここにある石ころを、あなたの望む金属に変えるのです。
 さあ、やってごらんなさい」

そう言われたものの、ルイズは行こうとしない。
何やら困っているような、戸惑っているような、そんな様子だ。
そして、周囲の生徒達もざわつき始める。
だがホワイトスネイクはその理由が分かっていない。
周囲の様子から「ルイズは練金が苦手なのだろうか?」と若干的を外した事を考えたぐらいだった。

そして少しした後、ルイズは意を決したように立ち上がり、

「やります」

とだけ言った。
それを聞いた教室の生徒全員が、一斉にさっと青ざめる。

「ミセス・シュヴルーズ! ルイズに魔法を使わせるのは危険です!」

キュルケがすぐに抗議の声を上げた。

「あら、どうしてですか? ミス・ツェルプストー」
「……ミセス・シュヴルーズはルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ、でもミス・ヴァリエールが努力家ということは聞いています。
 さあ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい。
 失敗を恐れていては何も出来ませんよ?」

ダメだ。
「ルイズが失敗する」ことまでは察してくれたようだが、
ルイズが魔法を使うことの危険性はさらにその先にある。
この教師にはそれが分かっていない。
そのことが、キュルケには理解できた。

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:51:55 ID:rrxgX9fz
支援

213 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 21:53:11 ID:lPyj0fm/
「ルイズ、やめて」

キュルケが顔を青くして懇願する。
しかし教壇の方へ向かうルイズが振り向くことは無かった。
ホワイトスネイクはその後ろ姿を眺めた後、教壇と今の自分の位置を目測で測った
距離、約17メートル。
問題なく射程内であることを確認すると、ホワイトスネイクは指を組んでルイズの実習を見守った。

「ではミス・ヴァリエール、やってごらんなさい。
 錬金したい金属を強く心に思い浮かべるのです」

ルイズはこくりと頷いて杖を振り上げる。
そして呪文を唱えて、杖を振り下ろすと――

ドッグオォォォン!

爆発したッ!
爆風をモロに受けたシュヴルーズは吹っ飛ばされて黒板に叩きつけられる。
そして教室にいた生徒達も、やはり同様に被害を受けた。
悲鳴が教室中に巻き起こる。
生徒達の使い魔は爆発に驚いて暴れ始め、そのうち共食い(厳密には共食いではないが)が始まりかけた。

そして爆発を起こした張本人であるルイズはというと……。

「マサカ、爆発スルトハナ……」

呆れた口調で言いながら教壇の上に浮かぶホワイトスネイクに抱えられていた。
爆発からは無事に逃れていたのだ。
だが――

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:57:07 ID:rrxgX9fz
支援

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:57:50 ID:NyxAv2aN
sien

216 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:01:52 ID:lPyj0fm/
「教室ノ後片付ケカラハ、流石ノ私デモ逃ガシテヤレンナ」
「うるさい」
「キュルケ……ダッタカ。アノ女ガオ前ヲ『ゼロ』ト呼ンデイタノハコウイウコトダッタノダナ。
 『成功率がゼロ』ダカラ……ダッタワケダ」
「うるさい!」

教室の隅っこからルイズが大きな声を上げた。
ルイズは後片付けをしていない。
ただ膝を抱えて座っているだけだ。
爆発で大破した教卓や割れた窓ガラスはホワイトスネイクが片づけていた。
そして教卓の残骸が片付いたあたりで、ホワイトスネイクがルイズに声をかけた。

「ルイズ」
「何よ?」
「不貞腐レルノハ勝手ダガ、自分ガシタコトノ片付ケクライハ自分デヤルベキダ」
「……主人の失敗は使い魔の失敗でもあるの
 だから片付けもあんたがやるのよ」
「ソウ言ウト思ッテイタヨ。コノ甘ッタレガ」
「な、なんですってえ!」

ルイズは思わず立ち上がったが、すぐにもといた場所に座り込んだ。
自分が「ゼロ」だってことは、自分がいちばん目を背けたいことだったからだ。
そしてそれが「甘ったれたこと」だってことも、ルイズには分かっていた。
分かっていても、眼を背けずにはいられないことだったから。
だから、それ以上言い返せなかったのだ。

「ルイズ」
「……何よ?」
「教卓ガアッタトコロマデ来イ」
「……何で?」
「私ハルイズカラ20メートル以上離レル事ガデキナイノダ」
「……どういうことよ? それに『メートル』って何?」
「メートルハ単位ダ。……1メートルガコノグライダナ」

そういって手で幅を作るホワイトスネイク。

「それ、『1メイル』じゃないの?」
「『メイル』?」
「ええ。1メイルが今あんたが示したぐらいの大きさ。
 ついでに言うと、それの100分の1が1サント、それの400倍が1リーグ」
「覚エテオク」
「あんたって、相当辺鄙な場所から来たのね」
「国ガ変ワレバ法モ変ワル、トイウヤツダ。
 別ニド田舎暮ラシダッタワケジャアナイ」
「ふーん、まあいいわ。そういうことにしといてあげる。ってそうじゃないわ!
 何であんた、わたしから20メイルより遠くに行けないのよ!?」
「ソレガ私ノ性質ダカラダ、トシカ答エヨウガナイナ」
「……要するに、よく分かんないけどあんたの中で決まってること?」
「ソンナモノダ。分カッタラ早ク来イ」

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:04:06 ID:NjfRPu/p
支援ッ!!

218 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:04:59 ID:lPyj0fm/
渋々ホワイトスネイクが示した場所まで行くルイズ。
ホワイトスネイクはそれを確認すると、ルイズがさっきまでいたところとは反対側の窓を片づけ始めた。
そして手を動かしながら、ホワイトスネイクはルイズにまた声をかけた。

「ルイズ」
「……今度は何?」
「今ノ自分ノ才能ガ、自分ニ適シテイルト思ウカ?」
「……そんなこと、思うわけないじゃないの!」
「ナラバオ前ニ適シタ才能トハ何ダ?」
「そんなの……そんなの分かるわけないでしょ!?
 一体いつからわたしがこんなだと思ってるのよ?
 わたしがどれだけ普通の魔法を使いたいって思ってきたか、あんたに分かるの!?」

ルイズの中の抑えきれない感情が、堰を切ったように溢れ出した。

「選べるなら選んでたわよ! だけど選べないのよ!
 生まれたときから決まってて、ずっと押し付けられて生きてきたのよ!?
 自分が火の魔法で暖炉に火をつけるところ! 水の魔法でお花に水をあげるところ!
 風の魔法で風車をまわすところ! 土の魔法で石ころを銅に変えるところ!
 何度だって夢に見たわ! 普通の魔法を使える自分を、何度だって夢に見たのよ!
 だけどできないのよ! どれだけ頑張ったって、どれだけ勉強したって!
 これ以上……これ以上、わたしに何を夢見ろって言うのよ!!」

それが、ルイズが16年間溜め込んだ感情だった。
頭の中はかまどのように熱くなって、滲んだ涙で視界はぼやけた。
まだ吐き出し足りなかった。
でも、これ以上は言えない。
何か言ったら、涙声になってしまいそうで――

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:07:01 ID:rrxgX9fz
支援、なんか素数を数えている気分になってきた。

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:08:27 ID:/jdDNjwM
支援
このスタンド能力・ステータスから考えてもかなり強いな

221 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:08:27 ID:lPyj0fm/
「同情スルツモリハナイ」

ホワイトスネイクの唐突な言葉に、ルイズはきょとんとした。

「ダカラトイッテ知ラヌフリハシナイ。
 コレハ私ニモ関ワルコトダカラナ」
「え?」
「オ前ガ望ムナラ……私ハオ前ニ『普通の魔法』ヲ与エルコトガデキル。
 『適材適所』トハ逆行スル形ニナッタトシテモ、ダ」
「どういう、こと……?」
「……見セタ方ガ早イナ」

ホワイトスネイクはそう言うが早いがルイズに歩み寄ると――

ドシュンッ!

ルイズの額を切断せんばかりの勢いで、手刀を水平に振るったッ!

「ひゃあっ!」

突然の暴挙にルイズは思わず目をつむって叫ぶ。
…しかし、

「…あ、あれ? なんとも…ない?」

痛みらしい痛みが何も無いことに気づくと、ルイズは恐る恐る目をあける。
すると――

「な、ななななな何これ! わたしの頭から何が出てきてるの?」

ルイズの額から、一枚のDISCが飛び出ていた。

「ちょちょ、ちょっとホワイトスネイク! ああ、あ、あんた一体、わたしに何したのよ!」

ルイズが色々と喚いているが、ホワイトスネイクは無視する。
そしてルイズの額から出てきたDISCを抜き取る。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:09:14 ID:rrxgX9fz
支援

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:09:33 ID:NyxAv2aN
しえn

224 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:12:21 ID:lPyj0fm/
「わっ! と、取れた!」

ルイズが何か言うが、やはりホワイトスネイクは無視した。
そして抜き取ったDISCの表面に目を通すと……そこに現れていた文字は、「ゼロ・オブ・ドットスペル」。
早い話、「ゼロのドットスペル」ということだ。

今ホワイトスネイクが抜き出したのはルイズ自身の魔法の才能。
正確にはホワイトスネイク自身、スタンドや感覚と同様に抜き出せる自身が無かったので、こうしてルイズで試したのだ。
試したのだが……

(DISCニマデ『ゼロ』ト書カレテイルノデハ救イガ無サスギルナ。
 ココニハ触レナイデオク方ガイイダローナ……)

「サテ……『何をしたのか』……ダッタナ。君ノ『魔法の才能』ヲ抜キ出シタノダ。
 魔法ガ果タシテ他ノ感覚ナドト『才能』トシテ抜キ出セルモノナノカ、確証ガ無カッタノデナ」
「才能を……抜き出す? あんた、何言ってるの?」
「分カラナケレバ、ソウダナ……モウ一度サッキノ錬金ヲヤッテミルトイイ」
「さっきと何も変わらないと思うけど……」

そう言いながらルイズは杖を抜き、ルーンを唱え始める。
そして手ごろな場所にあった木の破片目掛け、杖を振り下ろす。
だが――

「……あれ? 爆発……しないの?」

さっきとは違い、何も起きなかった。

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:14:04 ID:rrxgX9fz
支援

226 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:16:03 ID:lPyj0fm/
「当然ダ。今ノルイズハ魔法ノ才能ヲ失ッテイルノダカラナ」
「魔法の才能って…もしかしてさっきの!」
「ソウダ。先ホドルイズカラ抜キ取ッタDISCガ、ルイズノ魔法ノ才能ダ」
「ちょっとあんた、何してんのよ! これじゃただの平民と同じじゃない! 返して!」
「返シタトコロデ、使エルノハ爆発ダケダゾ?」
「……っ!」

事実だった。
ホワイトスネイクが手にする才能が自分に戻ってきたところで、
結局できるのは失敗魔法の爆発だけ。
自分が「ゼロ」であることに何も変わりは無い。

「そ、それでもよ! それでも、それさえなかったら、本当に何も無くなっちゃうじゃない!」

そんなルイズの苦渋に満ちた訴えに対し、

「……ルイズハ存外ニ察シガ悪イナ」

ホワイトスネイクはあくまで冷淡に、さらに別のベクトルの意味を加えて答えた。

「ルイズカラ今ノヨウニ魔法ノ才能ヲ抜キ取レルトイウ事ハ……他ノ者カラモ魔法ノ才能ヲ抜キ取レルトイウ事ダ」
「……あんた、まさか!」
「ヨウヤク理解シタナ」

ホワイトスネイクは口の端に笑みを浮かべると、話を一気に結論に持っていく。

「ツマリ君ハ他ノ誰カカラ魔法ノ才能ヲ奪イ取ル事ガデキルノダ」

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:17:09 ID:rrxgX9fz
支援

228 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:18:35 ID:lPyj0fm/
「…ち、ちょっとあんた、自分が何言ってるか分かってるの!?」
「当然ダ」
「じゃあ何でそんな事!」
「私カラスレバ、何故ルイズガソレヲ拒ムノカガ理解デキナイナ。
 私ガ言ッテイルノハ、魔法ヲ使エナイオ前ヲ救済スルタメノ方策ダゾ?」
「そんなやり方で魔法なんか使えるようになりたくないわ!
 私だって分かるわよ。魔法の才能をあんたに取られたら、その人はもう魔法を使えなくなるって事ぐらい!」
「ダガ魔法ヲ使エナクナルノハオ前ヲ『ゼロ』ト呼ンデ侮辱スル者ダ」
「それは! そう、だけど……」
「昨日ノ広場……今朝会ッタキュルケ……ソシテ授業前ノ教室……。
 私ガ見テキタ限リデハ、ルイズハ余リニ多クノ者カラ蔑マレテイル。
 オ前ヲ『ゼロ』ト呼ンデ蔑ム事ヲ当タリ前ニシテイル奴等バカリダッタ。
 ナノニ、ドウシテ拒ム理由ガアル? 何故躊躇ウ?」

ルイズはホワイトスネイクの言葉を唇を噛み締めて聞いていた。
ホワイトスネイクの言っていることに間違いはなかった。
自分は吐き出した。
これまでの鬱憤を、苦しみを、絶望を。
それを聞いた上で、その上で自分が「ゼロ」の汚名から抜け出す道を作った。

でも…そうだとしても……

「わたしは…やらないわ」

ルイズには、その道を選ぶことはできなかった。

ホワイトスネイクは、すぐさま問いを投げかけるような事はしなかった。
ルイズが言葉を続けるのを待っていたのだ。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:20:08 ID:rrxgX9fz
支援

230 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:22:47 ID:lPyj0fm/
「貴族らしくない……と、思うの」

「貴族はね、背を向けないものなのよ。逃げちゃいけないものなの。
 貴族には領地があって、領民がいて、それでみんなを支えてるから。
 だから逃げちゃいけない。どんなことに対しても、自分の才能に対してでも、絶対に」

ホワイトスネイクは黙ってそれを聞いていた。
そして口を開く。

「例エ魔法ガ使エナクトモ、例エ『ゼロ』ト蔑マレヨウトモ……ソレデ構ワナイノダナ?」
「あんたが示した方法を使うぐらいならね」
「……ソウカ」

ホワイトスネイクはこのことに関して、それ以上は何も聞かなかった。

「ダガ……モウ一ツ、理由ガアルンジャアナイノカ?」
「え?」
「ルイズガ私ノ提案ヲ退ケタ理由……ルイズガサッキ言ッタモノトハ別ニモウ一ツ、アルヨウニ思エルノダナ……」

ルイズは、ホワイトスネイクの洞察力に背筋が冷える思いがした。

確かにその通りだった。
貴族らしくないからやりたくない、というのは事実だが、実際のところそれは建前にすぎない。
そんなことよりも、もっと大切な理由があったのだ。
だが――

「言いたくないわ」

ホワイトスネイクにはまだそれを言いたくなかった。
それはルイズにとって、とても大事なことだったから。

「……ソウカ。ナラバ無理ニハ聞カナイ」

ホワイトスネイクはそれだけ言って、手に持っていたルイズの魔法の才能――『ゼロ』のDISCを、ルイズの額に差した。
DISCは静かな音を立てて、ルイズの中に戻っていった。

231 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:23:32 ID:lPyj0fm/
「人間ハ…時ニ『納得』ヲ必要トスルモノダ。
 『納得』ノ無イ道ニ対シテハ、ソコカラ一歩モ先ヘ進メナイ。
 ソレハ人間ガ自分ノ精神ニ強イ芯ヲ必要トスルカラダ」

「ソレニ私ハタダ、ルイズガドノ道ヲ選ブノカヲ見テイルダケダ。
 ルイズガ納得出来ナイ、選ベナイト判断シタ道ハ、遠慮ナク捨テ行ケバイイ」

ホワイトスネイクはそう締めくくると、音もなく姿を消した。

ホワイトスネイクは言った。
自分が必要ないと判断した道は、遠慮なく捨てていけばいい。
自分は本当に心から、納得できないと、そう思っているのか?
本当に、あの「魔法の才能を奪う力」に未練は無いのか?

いや……きっと、ある。
それどころか、喉から手が出そうなくらいに、魔法の才能を欲しがってる。
あんな奴らが、自分をいつもゼロ、ゼロと呼んでバカにする奴らが魔法を使えて、何で自分が使えないのか。
勉強なら誰よりもした。
魔法が使えるようになるためにどんな努力だってした。
なのに…なのに、自分は魔法を使えない。
こんなの、あんまりだ。
ろくすっぽ努力もしない貴族のボンボンに魔法が使えて、自分にはできないなんて……。

でも、とルイズの中で何かが囁く。
そんなやり方、「あの人」は絶対に喜んでくれない。
ホワイトスネイクの提案は、今までの自分の努力を全部フイにしてしまうものだからだ。
「あの人」が応援してくれたのは、そんな提案を呑む自分じゃないはずだ。
それに自分の根っこの方でも、ホワイトスネイクの提案を拒んでる。

でも魔法は使えるようになりたい。
でも、ホワイトスネイクの提案を受け入れたくは無い。
でも。
でも。
でも。
でも…………。

胸中に渦巻く思いを抱えながら、ルイズは重い足取りで教室を出た。

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:25:42 ID:rrxgX9fz
支援

233 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:29:09 ID:lPyj0fm/
スタンド使いは、自分のスタンドを選べない。
しかし、誰もそのことに不平不満を並べたりはしない。
なぜか?
どんなスタンドにも必ず「最良の使い道」が存在するからだ。
そしてその「最良の使い道」は、スタンド使い達が心の奥底で望んだもの。
だから見つけることが出来るのだ。

では、これをルイズの問題に置き換えることは可能だろうか?
ルイズは魔法を使えない。
使えるのは爆発を起こす失敗魔法だけである。

結論から言えば、「最良の使い道」はルイズの失敗魔法には存在しないだろう。
何故ならルイズは自分の失敗魔法が大嫌いで……そして、普通に魔法が使える事を、心の底から望んでいるからだ。

にもかかわらず、ルイズはホワイトスネイクの申し出を断った。
口では「貴族であるため」とかなんとか言っていたが、本当の理由はほかにある。
とはいえ、そんなことはホワイトスネイクにとってどうでもよかった。

重要なことは、「つまらない理由のためにルイズが望みを捨てたこと」だ。
自分のプライド、そして人とのつながりのために念願を放棄する。
実にくだらない。
かつてプッチ神父と戦い、あと一歩のところまで追いつめた徐倫も、
父親とのつながりのためにプッチを仕留め損ねた。
人と人のつながりなど、足枷にしかならないのだ。

だがルイズは足枷を選んだ。
ホワイトスネイクはそのことに少なからず失望した。
そして、ひとつの確信を得た。

ルイズは、「ホワイトスネイク」というスタンドを扱うことに、決定的に向いていない。


To Be Continued...

234 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/22(日) 22:32:48 ID:lPyj0fm/
投下完了でございます

改訂前はルイズが魔法の才能を奪うのを拒否したことに対しての白蛇さんの態度が「別にいいんじゃないの」だったのが
改訂後に「馬鹿じゃないの」になってるのが大きな変更点です

明日もまた来ますね

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:33:42 ID:rrxgX9fz
GJ、明日も楽しみに待っています。

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:37:18 ID:ekxCGHTL
GJ、!!


237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:38:36 ID:xK4NhVLu
GJ!

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:38:52 ID:wl8Wukd8
乙乙乙

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:47:11 ID:QGmTzRyl
乙!
明日も期待してお待ちしております

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:09:54 ID:oVmWEJp4
毎日投下があるのはなんと素晴らしきことか

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:11:36 ID:g2zvJR7u
GJ!
前も良かったけどこっちも好き!

そしてホワイトスネイクはイスに座った時絶対に脚を組んでいるはず!!

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:43:29 ID:lPyj0fm/
>>241・ジョースター! きさま、見ているなッ!


243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 00:55:35 ID:offQ7fwy
GJ!!
スタンドが自我意識を持ってたとしたら、スタンド能力を使わないって言われるのは存在の否定に近いだろうから
ホワイトスネイクの気持ちも分かるな

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:20:25 ID:bMN8p1e3
白蛇さんは馬鹿ご主人様を精神的に追い詰めるタイプですな。
正面切って「バッカ」と言うのも近いな。


245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 13:54:15 ID:mL+iuv1u
ここの人たちは才能あふれるな!

246 :ポリポン座:2008/06/23(月) 19:26:33 ID:l5iRjbFV
六部の承太郎が呼び出される話を書きます。
皆様に出来る限り面白いと思わせたいです。
設定はこうです。
プッチがエンポリオに倒されたのを知ってる(ジョースターの血が教えたことにしてください)
そして娘を守れなかった事を悔やんでる、こんな感じではじめたいとおもいます。

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:31:34 ID:MT9aXLoi
一巡した世界の承りか?
ありゃもはや別人だろ
徐倫もアイリンになってるし

つーかそれただのオリキャラじゃね?

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:35:26 ID:ICAmEzzO
アラーキが一巡した後の世界に出てきた承りを書いた後だったらおk。

249 :ポリポン座:2008/06/23(月) 19:43:40 ID:l5iRjbFV
いや正確には承太郎は一巡後の世界に行けなかった事にしてください。
つまり承太郎は六部でままです、ルイズとは親子のような関係にちかいと思ってください。

250 :ポリポン座:2008/06/23(月) 19:48:35 ID:l5iRjbFV
しまった誤字がある、六部のままですが正しい、これでは何時までも始められないので勝手に書きます。


251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:49:31 ID:MT9aXLoi
とりあえずsageろ

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:55:48 ID:JOGseuEF
書きながら投下はまずいんじゃねーの

そうじゃなかったらスマン

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:03:23 ID:qykAjV5/
よくわからんけど避難所向きっぽいから避難所でやれ

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:05:26 ID:gYLeM+dl
オリジナル要素が強そーだし避難所でやるのが無難かもね

255 :ポリポン座:2008/06/23(月) 20:29:14 ID:l5iRjbFV
「宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ……
神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ
私は心より求め、訴えるわ
我が導きに……答えなさいッ!!」
少女が呪文を唱えると・・・
ドッグォオオオン! 爆音がうなり部屋の一人の男が吹っ飛ぶ。
「ぶるぁぁぁぁぁ」この哀れな男はマリコルヌと言い爆発の直撃を受ける。
・・・まあ関係ないので話を進めよう。
(また失敗か・・ん・な、何か見える)少女は煙の中に影が見えた。
(やった!成功だ!煙でよく見えないけど、あの大きさならかなり使えるはず・・)
部屋の煙が外に出て行き、視界が良くなると少女は落ち込んだ。
そこに居るのは一人の男だ気を失い横に倒れている。
それは変わった服を着てはいるがただの平民だと少女は思った。
しかし少女は知らない、彼はかつてDIOと呼ばれた悪の根源を倒し。
ある町で一人の恐怖の快楽殺人者を怯えさせた。
だがある神父から娘を助け帰らぬ人になったはずだった・・・
To Be Continued...

256 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:29:16 ID:PN8UZ3L3
突然ですが、8時31分から投下したいと思います。よろしくお願いします〜

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:31:10 ID:MT9aXLoi
>>256
全力で支援するぜ

258 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:32:08 ID:PN8UZ3L3
ゼロと使い魔の書
第七話
広場には既に観衆が集まっていた。ギーシュの取り巻きだけではない。全員入れれば数十人はくだらないだろう。
これから殺し合いが始まるというのに、それを見物しようという神経は理解に苦しむ。果たして、最後まで見とどける覚悟があるのだろうか。
「ほう、逃げずに来たか」
向こうから声をかけてきた。黙っていると、無視された事が頭にきたのか、憎憎しげな視線を一瞬こちらへ向けた。
「諸君、決闘だ!」
ギーシュが声を張り上げる。
それに応える観衆。純粋にこれから始まるショーに期待しているという表情だ。
もしかすると、貴族が平民を手打ちにするところを見物するというのはそう珍しい事でもないのかもしれない。だとしたらろくでもない世界だ。
「僕はメイジだ、だから魔法を使わせてもらう」
ギーシュが何事かを呟き、薔薇の造花を振る。地面から深緑色の人形が生えてきた。
「『青銅』それが僕につけられた二つ名さ。今の僕は『5』体までこのワルキユーレを召還することができる」
自分から能力をばらす。闘いを闘いと認識できていない自信過剰な人間が陥りやすいミスであるが、今の発言にはどこか引っかかるものがあった。
数人の観衆が今の言葉にいぶかしげな顔をしている。何か、自慢以外の意図があったのかもしれないが、今の自分には情報不足だったので深くは考えなかった。
「さあ、平民。かかってきたまえ。二人のレディの心の傷は、お前の屈辱ある死で償ってもらおう!」
青銅の人形が殴りかかってきた。
胸ポケット、それから内ポケットにある果物ナイフの感触を確かめる。全部で六本。
深緑色の拳が射程に入るのに合わせて、胸ポケットから一本抜く。左手の模様が光り輝き、自分の体が羽のように軽くなる。


259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:32:26 ID:MT9aXLoi
支援スタ

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:32:54 ID:KZ2qDMKd
支援


261 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:32:59 ID:PN8UZ3L3
抜いてから斬るのを一動作で行った。まるで川の流れにさしいれたように、ナイフは軽々と人形の頭を引き裂く。
青銅が土に変わるのと同時に、果物を切る用途でしか作られていないナイフが、その負荷に耐え切れず根元から折れる。模様の輝きも失せる。
直ぐに使い物にならなくなった柄を捨て、新しいナイフを引き抜く。今度は両手に二本ずつ。
「く……ワルキューレ!」
残りの4体が地中の金属を元に練成される。同時に一歩進み四本のナイフを投げる。筋力増加の力は精密動作性も向上させるらしい。
広場に向かう前に時間ぎりぎりまでThe Bookによる反復練習をしていたこともあり、もう狙いが合わないことはなかった。ナイフは空中で正確に三回転し、対象に突き刺さる。
頭をひしゃげさせた青銅の人形4体は活動を停止した。
琢馬は最後の一本を抜く。後は、目の前の金髪の少年だけだ。
少し緊張感が緩まる。途端にラジオの電源を入れたように、観衆の驚きに満ちた声が聞き取れるようになる。
「く、来るな……僕のそばに近寄るなああーーーーーーーーーッ」
腰を抜かしたらしいギーシュは体を引きずりながら、自分から距離をとろうとしていた。
そんな中で造花の杖をいまだにしっかりと握っているのは、彼の闘争本能が無意識のうちに生にしがみついているためだろうか。
9mの地点に来た。この場で投げると、ナイフの刃は2回転してギーシュの心臓に着地して、彼の人生の幕を下ろさせる。
腕を掲げた瞬間、
「危ないッ!」
甲高い声が観衆の間から響いてきた。

ルイズがギーシュと使い魔の決闘を知ったのは、小皿にとりわけた食事をどうするか考えながらゆっくりと紅茶を飲んでいたときだった。
テーブルを挟んで交わされる会話が耳の鼓膜を振動させる。
「なあ聞いたか?ギーシュと平民が決闘するらしいぜ!」
「しかもギーシュのやつ馬鹿にされたって怒って、相手が死ぬまでやるつもりらしいな」
「自業自得だっていうのに。目をつけられた平民も災難だよな。どこでやってるの?え?ヴェストリの広場?OK分かった」
「そういえば相手はルイズの使い魔だって」


262 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:33:44 ID:PN8UZ3L3
噴出しそうになった紅茶を無理に飲み込み、勢いあまって肺に入ってしまい数秒むせた。
むこうは話に熱中していたのかルイズの存在に気がつかず、そのまま広場から出て行ってしまった。
ティーカップを床に叩き付けたい衝動に駆られながら、近くの給仕に自分の皿を全部下げさせるように命じ、自分も食堂の出口へ向かった。
「まったくあの……馬鹿!」
明日世界が滅亡すると分かっても平然としてそうなタクマが、感情的になって喧嘩を吹っかけるわけがない。大方平民ということで損な役回りを押し付けられたのだろう。
それにしても決闘というのは穏やかではない。どうしてあの使い魔は自分に一言も言わなかったのだろうか。
ルイズは唇を噛んだ。問いの答えは知っている。自分が主人だと、認められていない。使い魔の面倒は主人がみると言ったのに、あいつはその前提条件すら否定したのだ。
息切れも我慢し、広場まで全速力で走る。見ると決闘はもう始まっていたらしい。観客の間から二人の姿が垣間見える。
間に合った。油断しすぎていたのか、ギーシュはなぜか地面に這いつくばっていた。圧倒的優勢である。取りあえずこの状況なら、自分が出ていけばなんとかおさまるだろう。
タクマを呼ぼうとしたが、その言葉は飲み込まざる終えなかった。
ギーシュとタクマの後ろ、二体のゴーレムが音も無く練成されていた。
そしてタクマに殴りかかる。
「危ないッ!」
そう叫ぶのが精一杯だった。

その声と、ギーシュの視線が自分の背後に回ったのに気がつき振り向きざまにナイフを振り、一体を倒す。


263 :ポリポン座:2008/06/23(月) 20:33:48 ID:l5iRjbFV
よしでは避難所に行くよ。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:33:59 ID:MT9aXLoi
支援疾走

265 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:34:32 ID:PN8UZ3L3
しかし、その背後から同じ姿の銅像がのぞいたときは、一瞬、思考が停止した。
その隙に、青銅の拳が自分の腹を抉る。息ができなくなり、体内で何本か骨が砕けたのが分かった。
思わず膝をつくと、青銅の人形はその足を自分の口に突っ込んだ。
「あと1分したら頭を吹き飛ばしてやる。それまでなぶり殺す!」
相手に見下ろされているのが分かった。立場が逆転した。
ギーシュが自分の手札をばらしたときに感じた違和感。あたかも自分が5体までしか出せないように見せかけ、奇襲。
ギーシュはどうあっても自分を殺そうと考えていたらしい。
青銅の人形の足や拳が、まともな骨を順番に折っていく。観客から悲鳴が上がる。まったく無駄な事だった。見たくなければ最初から見なければいい。
ふと顔を上げると、観客の層を無理に押しのけルイズが顔を出した。怒りと恐怖に染まっている。
「ギーシュ!やめなさい!決闘は禁止されているでしょう」
「これはこれは、ルイズじゃあないか。知らないのなら教えてあげよう、禁止されているのは貴族間の決闘だけであって使い魔はその限りではないんだよ。それに、だ。
仮に僕がこいつを殺したところで君は何か困るのか?またサモン・サーヴァントをやればいいだけのことさ。まあどうしてもというのなら、君が頭を下げて彼の命乞いをしたまえ。それで手打ちにしようじゃあないか」
ルイズが頭を下げかけた瞬間、口を挟んだ。歯が折れていたので喋りにくかった。
「命乞いするなよ」
自分の言葉が意外だったか、当の二人だけではなく、騒然としていた観衆も沈黙する。
いつの間にか、自分の左手に革表紙の本が現れていた。手の模様も再び光り輝いている。


266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:34:58 ID:gYLeM+dl
テンポが速いな……支援!

267 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:35:14 ID:PN8UZ3L3
ギーシュにダメージを与えられる最後の武器。この世界の人間には読めないということは既に分かりきっていた事だが、勝手に体が反応した。
折れていない左腕で何とか青銅の人形から距離をとり、それを挟んでギーシュと正対する。
「タ、タクマ……!」
「面白い。じゃあ、負けて死ね!」
人形と自分の左手が、同時に突き出される。まるで鏡合わせだった。
人形の左腕は、自分の頭部を狙っていた。今度は本当に致命傷を与えるつもりらしい。自分の左腕も、この距離だとギーシュの頬まで届かない。
だが、そんなことは関係なかった。改めて見てみると、その拳はかつて殴られたスタンドのものとは比較にならなかった。弱弱しく遅い。
革表紙の本がめくれていく感触が左手に伝わる。それを感じながら、思った。
過去の出来事は、乗り越えるものでも打ち勝つものでもない。どんな体験も心に留めておき、未来に向かって「利用」するものなのだと。

ギーシュ・ド・グラモンは確実に目の前の男を殺すつもりでいた。
「面白い。じゃあ、負けて死ね!」
しかし、と自分は頭の片隅で考える。
この平民は、殴られても蹴られても表情を微塵も変えなかった。その闇色の瞳は、あくまで客観的に、冷静に、自分の身に起こる出来事を眺めていた。
きっと、自分は精神面で負けている。どう心の中で言い訳をつくろっても、それは否定できなかった。
杖がみしみしと音を立てる。言いようの無い敗北感に包まれる。
平民は最後の抵抗か、届くはずの無い拳を突き出していた。


268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:35:40 ID:MT9aXLoi
矢の支援

269 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:35:51 ID:PN8UZ3L3
が、ここで異変に気がつく。いつの間にか平民の左手には本が握られていた。
本の内容が視界に入る。それはまったく見た事の無い言語であったが、瞬きをした瞬間、それはよく見知った文字の配列に置き換わっていた。それを認識したときにはもう自分の血が宙を舞っていた。
痛みを感じるよりさきに二発目が腹に入った。三発目、四発目以降は、もう個々の攻撃が分からなくなっていた。岩の塊のような拳が、自分の肉体の触れたところをひき肉へと変えていく。
寒かった。そこはどこかの屋根の上で、雪が降っていた。
視線を前に向けると、体に不思議な鎧を付けた無表情な男が、自分に向かって拳を繰り出しているのが分かった。
その男は、拳を振るうと同時に雄たけびを上げていた。
「ドラララララララララララララララララララララララララララァ!」
全身の骨を砕かれ、自分は後方へと吹っ飛ばされた。しばらく浮いていた後、地面に体がこすれて停止した。
そこで遅れて、自分がいるのが広場だと思い出した。
「……参った」
混濁する意識の中で、それだけは言わなければならないような気がして、呟いた。


270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:37:22 ID:gYLeM+dl
仗助に決着つけられたときのを利用したか
支援

271 :ゼロと使い魔の書:2008/06/23(月) 20:37:47 ID:PN8UZ3L3
以上です。
>>255の方、失礼しました。あやうくぶつかるところでした……

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:40:01 ID:gYLeM+dl
GJ!
卑怯な手を使ったギーシュにクレDラッシュで決着つけるとは、なんというカタルシス


273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:42:25 ID:MT9aXLoi
本GJ!

このギーシュはゲーシュだなw
しかしスタンド使って此処までボコられるのも珍しい
ギーシュ戦なのにハラハラしちまったぜ

274 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:09:31 ID:gYLeM+dl
今日も投下
他に作者さんがいないなら今すぐいきます
覚悟はいいか? オレはできてる

275 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:12:50 ID:gYLeM+dl
5話

「食ベナイノカ?」
「うん……」
「何ヲ気ニ病ンデルカハ知ランガ、ルイズガ空腹ダト私モ困ル」
「何でよ?」
「今朝言ッタガ、私ハルイズカラスタンドパワーヲ貰ッテ生キテイル。
 コノスタンドパワーハルイズノ体調ガ万全デナイト供給ガ不全ニナルノダ」
「何よ……結局あんたの都合じゃない」
「ソウデナケレバ何モ言ワナイ」
「……さっきの話も、そうだったわね。『自分に関わる』とか、言ってたし」

後ろに立つホワイトスネイクに背中越しに言葉を放ると、ルイズはまたもそもそと食事を続けた。
気が重かった。
ホワイトスネイクの話のせいだ。

今のルイズにはどちらも選べなかった。
でも、今すぐにどちらかに決めてしまいたい自分が存在することをルイズは分かっていた。
でも……結局決められない。
そうしたときに失うものが、あまりに大き過ぎて。

心中に渦巻いている思いにため息をついて、ルイズはワインを一口飲んだ。

一方、ホワイトスネイクはルイズの後ろに立ちながらも周囲をあちこち見まわしていた。
朝食のときは予想外の屈辱に怒った勢いで消えてしまい、結局見ないままになってしまったからだ。

(小僧ト小娘ノ集マリニシテハ、皆ソレナリニ『作法』ヲ理解シテイルヨーダナ)

ホワイトスネイクの第一印象は、それだった。
どの生徒も食事中に騒ぐようなことはせず、静かに、そして音を立てずに食事をしている。
たまにホワイトスネイクをちらちら見る者がいたが、それに関してホワイトスネイクは気にしなかった。

(マントノ色ガテーブルゴトニ違ッテイルナ)

次にホワイトスネイクは生徒たちのマントの色の違いに気づいた。
確かにテーブルごとに着ているマントの色が違う。
学年ごとで分かれているのだろう、とホワイトスネイクは推測した。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:13:07 ID:MT9aXLoi
支援ピストルズの準備も万端だぜ

277 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:15:43 ID:gYLeM+dl
(シカシ使用人ドモハ私ニ目ヲ向ケナイナ。教育ガシッカリシテイルラシイナ)

ホワイトスネイクの言葉通り、食事の配膳をするメイドたちはホワイトスネイクには目もくれない。
仮にも某ハードゲイ顔負けのどぎつい服装のホワイトスネイクを見ようともしない。
いや……

(見エテイナイ、トデモイウノカ……?)

そう考えた方が自然なくらいの有様だった。
そして、ホワイトスネイクがメイドたちから別のものへ興味を移そうとしたとき――

(……何ダ、アイツハ……?)

顔を真っ赤にしてホワイトスネイクをガン見するメイドが、部屋の隅――ちょうど厨房とつながる場所にいた。
手を顔で覆ってはいるが、指の隙間から見る物(ホワイトスネイクのことである)は見ている。
メイドの髪の色は黒。
他のメイドは金髪、茶髪ばかり、生徒の中にも黒髪はいなかったことからも、ここでは珍しい色のようだ。

(ドウ見テモ……アイツハ私ガ見エテイル……)

注意深くそのメイドに目を向けるホワイトスネイク。
するとメイドは、見ていることがばれたとでも思ったのか、すぐに厨房に引っ込んでしまった。

(少シ……興味ガ湧イタナ)

そう思うと、ホワイトスネイクはルイズの傍を離れて、メイドが入った厨房へと足を向けた。
幸い距離は18、あるいは19メートル。
中を覗くぐらいなら可能だろう。
そして歩き出して数歩で、足に何かがぶつかった。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:18:15 ID:MT9aXLoi
支援

279 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:19:44 ID:gYLeM+dl
「ン……?」

拾い上げると、それは中に何か液体の入った小壜だった。
ふたを開けてみると、中から少しきつめの芳香が立ち上った。

「香水、カ。誰ガ落トシタンダローナ……?」

そう呟いてあたりを見回すホワイトスネイク。

前述したとおり、ホワイトスネイクは凄まじく目立つ。
その服装については既に述べた通りだが、なによりデカイのだ。
身長2メートルは伊達ではない。
そんな身長2メートルのハードゲイ(に見えなくもない大男)が小壜を片手にあたりを見回せばどうなるか。

「おい、あいつが持ってるのって……」
「ああ間違いない、モンモランシーの香水だ!」
「でも何であいつが持ってるんだ?」
「あいつ、なんか探してるみたいだぞ……うわ、こっち見た!」
「香水の持ち主を探してるのかもよ?」
「そうだとしても、何であいつが……」

ホワイトスネイクを見てひそひそと話す生徒たち。
あんなシーンを見てしまったからには、もはや作法のへったくれもないのだ。
そしてホワイトスネイクを見て、またそういったひそひそ話を聞いて、顔を青くしている男がいた。
香水の持ち主、ギーシュ・ド・グラモンである。

あの香水はモンモランシーからギーシュへのプレゼントのようなものだった。
本人は「余ったからあげるだけよ!」と言っていたが、
あんな可愛らしい小壜に入れて渡してくれるからにはプレゼントに相違あるまい。

なのに、なぜギーシュがさっさと名乗り出て、取りに行くことをしないのかというと……。

「ギーシュさま、どうしたんです? 顔色がよくないですわ」
「い、いや……なな、なんでもないよ、ケティ」

心配そうな顔でギーシュを見上げる少女――ケティがそばにいたからだ。
つまりこのギーシュ、二股をかけていたのだ。
モンモランシーに愛を語っておきながら、同じ口でケティを口説いていたってわけだ。
……実に罪深い話ではないか。万死に値する。

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:21:06 ID:MT9aXLoi
支援カンパニー

281 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:22:34 ID:gYLeM+dl
それはさておき、ギーシュは決断を迫られていた。
正直言ってあの亜人は凄まじく目立つ。
もうどうしようもないくらいに目立つ。
目立つってことは、仮にモンモランシーがここに来た場合、
「モンモランシーが自分に渡したはずの香水を何故かあの亜人が持っている」という状況にすぐ気付くってことなのだ。
そうなれば二股のことがバレるのはあっという間だ。
本来あの香水を持っているべき自分の姿を探し、そして自分を見つけると同時にそのすぐ傍にいるケティにも気付く。
つまりこの状況……

(『モンモランシーが来るより早く香水を取り戻さなければならない』
 『香水を取り戻したことをケティにバレてはならない』両方やらなくっちゃあいけないってのがつらいところだな……。
 だが覚悟は……) 

そこまで考えた瞬間だった。

「ちょ、ちょっと! なんであんたがそれを持ってるのよ!」

聞き覚えのあり過ぎる声。
まさか……と思い、声のした方向に目を向けるギーシュ。

「オ前ノ物ナノカ?」
(よし! いいぞ……そのまま渡すなよ! モンモランシーに絶対渡すなよ!)
「違うわよ。これは人にあげたものなの。
 あたしが渡してくるから、さっさと返しなさいよ!」
「ソウカ。デハ頼ム」
(何だってェーーーーーーーーッ!!)

そう言ってホワイトスネイクは小壜をモンモランシーに手渡した。
ギーシュの祈りは、全く通じなかった。
そしてモンモランシーはまわりをきょろきょろと見回して、すぐにギーシュを見つけた。
そしてつかつかと近寄ってくる。

「モンモランシー、えっと、これには、深い理由が」

全部言いきらないうちに、グラスに入ったワインを顔にをかけられた。

「二股かけてたのね! 最低! もう二度と顔を見せないで!」

そう言ってモンモランシーが去っていったのもつかの間、今度は瓶入りワインを頭からどぼどぼかけられた。

「ギーシュ様……信じていたのに!」

そう言ってケティも去っていった。
後にはギーシュだけが残った。
その様子をホワイトスネイクは平然と見ていた。

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:23:42 ID:z/EybQdl
支援可能

283 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:24:39 ID:gYLeM+dl
>>281
>>そしてモンモランシーはまわりをきょろきょろと見回して、すぐにギーシュを見つけた。

モンモランシーははまわりをきょろきょろと見回して、すぐにギーシュを見つけた。

「そして」が二回連続するとうっおとしいですよね

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:25:41 ID:MT9aXLoi
支援プレス!チュミミミ〜〜〜〜ン

285 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:25:50 ID:gYLeM+dl
(クダラナイナ)

小壜の件もカタがついたし、はやくさっきのメイドでも見に行こうと思ってホワイトスネイクが歩き始めた矢先、

「待ちたまえ!」

声がかかった。
ホワイトスネイクが声の主に目をやる。
そこにはキザったらしい仕草で顔を拭うギーシュがいた。

「何ダ?」
「君が香水の小壜を持ってうろうろしてたせいで、二人のレディの名誉が傷ついた。
 どうしてくれるんだい?」
「知ルカ。二股カケテタオ前ノ責任ダ。
 ソレニ私ハ小壜ヲ拾ッテカラ一歩モ動イテイナイ」

周囲の生徒たちがくすくす笑った。

「だったら、何で不用意に小壜を拾ったんだい?
 君は床に落ちてるものだったら何でも拾うのか?」
「私デナクトモ他ノ誰カガ拾ウダロウ。
 オ前ハソンナコトニモ気ガ付カナイ程ノ馬鹿ナノカ?」

くすくす笑いが、爆笑に変わる。

「ふん。ああ、そう言えば君は……『ゼロ』のルイズの使い魔、しかも亜人だったな。
 亜人に人間の、しかも貴族の礼儀なんてものを期待した僕が馬鹿だったよ。
 もう行きたまえ」
「イヤイヤ、気ニスルナ。
 コッチモ人間ノ小僧如キニ正シイ口ノ聞キ方ナンカ期待シテイナカッタカラナ」

また周囲が大笑いした。
いつもキザでカッコつけてるギーシュが謎の亜人に散々にバカにされる有様が楽しくてしょうがないのだ。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:28:11 ID:MT9aXLoi
支援・フリー

287 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:28:33 ID:gYLeM+dl
一方、ギーシュの挑発は昨晩のルイズのヤケクソの大言壮語に比べれば屁でもないレベルだった。
よってギーシュの挑発でホワイトスネイクを怒らせることなど不可能なのだ。
そして挑発をことごとく挑発で返され、散々笑い物にされたギーシュが顔を真っ赤にして呟いた。

「どうやら、君は貴族に対する礼儀を知らないらしいな」
「ソレハサッキ言ッタロウ。
 オ前ハ自分ガ何秒カ前ニ言ッタコトモ覚エラレナイクライノ馬鹿ラシイナ」

再三再四湧き上がる笑いに包まれて、ギーシュは怒りで体を震わせた。

「いいだろう……君に礼儀を教えてやる! 決闘だ!」

決闘。
その単語に周囲がざわめいた。

「決闘カ。面白イナ。場所ハドコダ? マサカココジャアナイダロウ?」
「当然だ。貴族の食卓を亜人ごときの血で汚すわけにはいかないからね。
 ヴェストリの広場で待っているよ」

ギーシュはそれだけ言うと、マントを翻して去って行った。
他の生徒たちがわくわくした様子で立ち上がり、そのあとを追っていく。
退屈な寮生活では他人の決闘の観戦も大事な娯楽のひとつなのだ。

一方のホワイトスネイクはルイズのところへと戻っていた。
ヴェストリの広場の場所が分からないし、分かったところで自分ひとりでは行けそうにないからだ。

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:29:40 ID:MT9aXLoi
テクテク歩いて戻る白蛇……萌える支援

289 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:30:47 ID:gYLeM+dl
「ルイズ」
「……何よ?」

うつむいたままルイズが答える。
余程悩んでいたのか、さっきの一悶着には全く気付かなかったようだ。

「決闘スルコトニナッタ。今カラ『ヴェストリの広場』トカイウトコロニ行カナキャアナラナイ」
「ふーん、決闘するの……って、なんですってえええええええ!!!」
「ダカラ言ッタトオリダ」
「ちょちょ、ちょっとあんた何やってんのよ! っていうか相手は誰!?」
「金髪ノキザッタラシイ小僧ダ」
「金髪、キザったらしい……ギーシュじゃない!
 ギーシュはドットでそんなに強くないけど、でもメイジ何だからあんたよりはずっと強いわよ!」
「ドウカナ……アイツハチットモ強ソウニ見エナカッタガナ」
「そういう問題じゃないわよ!
 メイジに外見は関係ないの!」
「ドッチデモイイ。トモカク、決闘シナクチャアナランノダ」
「ダメよ。謝ってきなさい。今なら多分間に合うわ」
「フザケテルノカ? コノ状況デ」
「ふざけてるのはそっちじゃない!」

そこまで言ってルイズはため息をつくと、

「もういいわ。好きになさい。ヴェストリの広場までは連れてってあげるけど、そこからはどうなっても知らないから」

そう言ってむすっとして歩いて行ってしまった。
ホワイトスネイクはそのあとに続く。

(サテ……決闘カ。スゴク面白クナッテキタナ。
 メイジノ実力、ソシテ今ノ私ノ能力……実証スベキコトハイクラデモアル。
 ソレニ……ルイズハ『好きにしていい』ト言ッタカラナ。
 サセテモラウサ……私ノ好キナヨーニナ……)


To Be Continued...

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:33:27 ID:MT9aXLoi
GJ!
ヤバイ、すごく萌えるこの白蛇
次回は惨劇かな?
楽しみに待ってるぜ

291 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/23(月) 21:36:02 ID:gYLeM+dl
投下完了でございます
明日もまた来ますね

……と言いたいところですが、書き溜めが無くなったので明日来れるかどうかはわかりません
でも2、3日のうちに来たい

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:36:22 ID:mkHS4iJ5
使い魔の書とゼロ蛇乙でした
まあ新作もがんばれ

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:55:17 ID:ahVgP+u1
>サセテモラウサ……私ノ好キナヨーニナ……)
うわ、この蛇、DISC抜いたら二度と返す気ゼロだ。

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:06:44 ID:Brzlx/oR
>>293
ナニを今更

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:29:21 ID:mX/ww9tX
使い魔の書とスネイクGJ!

ギーシュやりすぎだと思ったけど、クレDに殴られたんならお釣りが来るなwww
琢磨の怪我の比じゃないだろwwww

さてスネイクのギーシュはどうなることやらwww
そしてシエスタはおじいちゃんがスタンド使いか?

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:45:26 ID:ICAmEzzO
……黒髪、スタンド使い、これが暗示する事は……
そう!シエスタの祖母は由花子だったんだよ!!!!

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:13:52 ID:zBD986Yg
>>296
どういう事だキバヤシ(笑)

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:21:05 ID:ADk3pN/y
>>296
グッド!
では私は祖父がナランチャに賭けよう

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 08:36:30 ID:CVzd387v
>>298
ド低脳が康一以上の地獄を見そうだなw

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 13:07:45 ID:4lmXuYYg
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1141117.html

シエスタの先祖のイラストイメージ

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:13:32 ID:UlgzWokr
>>300
トンネルを抜ける前にハイウェイ・スターが襲ってくるんですねわかります

こいつはヤベェーーッ!!

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:20:19 ID:AVX3J0xC
そしてトンネルを抜けた後は絶対零度が待ち受けているとw

「ホワイトアルバム ジェントリー・ウィープス!!」

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:36:58 ID:M0+0DHuz
ギアッチョのホワイトアルバムはアヴさんのマジシャンズレッドの炎を封じられるんだろうか?


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:40:59 ID:LdBRSRrO
「このチンピラどもがオレをナメてんのかッ!

 何回教えりゃあ理解できんだコラァ!

 二言目には『トンネル、トンネル』ほざきやがって! 

 トンネルを抜けるのは川端康成の『雪国』の方だってーのに

 何でどいつもこいつも『伊豆の踊子』だと思ってやがるんだ!?

 お前らの脳内伊豆半島は温泉地帯にないのか、この……

 ド 低 能 が ァ ―――― ッ !!!!」

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:48:09 ID:UlgzWokr
すまんねユーゴくん

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:57:20 ID:wCSFjjij
>>300
>走れメロス あたりが無難かと
俺の中のメロスがサンドマンに変換された瞬間であった…

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:59:47 ID:AVX3J0xC
自分はJOJO第一部でラガーメンやってるジョナサンか、逃げるんだよーのジョセフのイメージになる

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:04:27 ID:xky/t6um
そういやこないだ姉妹スレにメロスがハルケギニアを駆け抜けて行った小ネタが投下されてたなあ

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:07:22 ID:Ryp66jS9
誰かマジェントに救いの手を差し伸べてやってください

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:08:02 ID:Ryp66jS9
やっぱ今の無し

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:21:43 ID:UlgzWokr
僅か40秒の間に何があったんだ
マジェントはあのまま溺死もできないのか?

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:24:31 ID:qBdw9ris
七部は一部以外決定打となる攻撃がないからな
ウェカピポあたりでも出てきてもらうくらいしか

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:27:37 ID:M0+0DHuz
マジェントの敗北ぶりがカーズ様の最後と被る……

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:42:57 ID:7MYxP39p
>>312
サンドマンの「イン・ア・サイレントウェイ」ぐらいだもんな、一撃必殺が明言されてるのは

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:47:08 ID:qBdw9ris
>>314
あれも強いんだが自分か周りで音を作らなきゃいけないからな
そういうところではエコーズに劣るし
ブンブーン父あたりなら最初から最後まで優位にたてるな

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:50:44 ID:cR6jVagM
>>305
この・・・・・クサレ脳ミソのド低脳がァ――――ッ!!!!!
二度と間違えるな!
オレの名はフーゴだ!
ユーゴでもエゥーゴでもねぇ!!!

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:56:11 ID:tllObOc6
伊豆の踊り子表紙のスタンドの名は『ダンシング・イズ・オーヴァー』に違いない。
ごめん言ってみただけ

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:57:06 ID:0dl2N9qQ
何度見ても花びらがスタンド攻撃にしか見えんな、ARAKIの伊豆の踊り子

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:58:49 ID:LxiJ+g2R
>>316
え?ユンボは英語?すまんがもう一度言ってくれんかの?

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:02:31 ID:iaDicWq3
>>316
え?ユーゴはテレパシスト?すまんがもう一度言ってくれんかの?

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:02:39 ID:JvQA/XA6
荒木先生は大好きだけど、さすがに
伊豆の踊り子の表紙はねーよ。
コラかと思ったわ

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:04:42 ID:Ryp66jS9
>>313
信じてる相手からことごとく裏切られてる分マジェントの方が悲惨だと思うんだぜ

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:38:43 ID:7MYxP39p
>>314
サンドマン曰く、一撃で人体を9つの箇所に分断できるそうだ

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:44:50 ID:2UUwEaDS
>>321
格闘技の構えって感じのポーズを変えて、シュガー・マウンテン系統の女性で描けばまだ合っていたかも。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:49:42 ID:UlgzWokr
伊豆の踊り子っつーかフロリダのダンサーって感じだな

>>303
こんなのあった
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1413412219
まあ、スタンドは精神力だから「凄み」の勝負だろう

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:15:26 ID:lR3lWe9s
中身を知らない人が依頼したんじゃないかなと思ってしまう…
所で20分から投下しようと思うんですが構いませんかッ!?

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:17:23 ID:nHcosKDb
>>326
歩道(スレ)が広いではないか……行け

支援する!

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:19:18 ID:UqRX9U4a
支援だ

329 :ポルナレフ+ジョルノ 第二章-02:2008/06/25(水) 00:21:43 ID:lR3lWe9s
あ、ありのまま今起こったことを説明するわ!
わ、私は先日プッチ枢機卿閣下とお話しする機会があった。
お母様と一緒にお会いする機会があって、その時私が何か悩んでいる事に気付かれた枢機卿閣下は、私と二人で話す機会を持ってくださった。
敬虔なブリミル教の信者として枢機卿閣下のお誘いを断るなんて選択肢はない。
私は何故か気をつけろと母さまから警告されて枢機卿閣下に、ここ最近起こった使い魔召喚から始まった出来事を説明し、懺悔した。

枢機卿閣下は私を赦し、励ましの言葉をかけと祝福をして下さった。
新しく使い魔になった小鳥にまでよ。ちょっぴり、感激したわ。

ネアポリス伯爵は何故かそのことを詳しく聞かせて欲しいって言うから、私は伯爵を部屋に招いた。
本塔ならこんな時間に殿方を部屋に招くなんて淑女のすることじゃあないっていうのは理解しているわ。

でも、今日学院にこられた姫殿下のことも聞きたかった。
ネアポリス伯爵が宣言したとおり姫様はこの学院に来られた。
それはもしかしたら、ゲルマニア皇帝との結婚の話だって本当なのかも知れないって思うには十分だったわ。
その事は他人には絶対に、いいえ…身内にだってまだ相談できなかった。

だから夜分、私は伯爵を部屋に招く事にした。母さまやちい姉さま…伯爵とよく一緒にいるテファ達もいない。
伯爵にプッチ枢機卿閣下との事を説明してあげて、姫様の事を聞こうとした時だった。
私の部屋の扉がノックされた。

誰だと思う?
私は母さまかと思ってビクビクしてたわ。でも開くと、ローブで顔を隠した人が入ってきた。
それは…姫様だった!
なんと、昔遊びのお相手を勤めさせていただいたことを姫様は覚えていてくださって、私のところに姫様が忍んで来て下さったの!
しかも姫様は土くれのフーケを捕らえたことを直々に誉めてくださったわ!
私のことを、こんなゼロの私を一番のお友達だって言ってくださったの!
シュヴァリエとか舞踏会の主役だったとか、そんなちゃちなものじゃない!
貴族として、こんな誇らしいことはないわ!
姫様と私はひしと抱き合い、幼い頃泥だらけになって宮廷の中庭で蝶を追いかけたこと、ふわふわのクリーム菓子を取り合ってつかみ合いになったこと、アミアンの包囲戦と呼んでいる一戦。
懐かしい思い出を語って私達は笑いあったわ。
でも姫様は、途端に現実を思い出して酷く沈んだ表情を私にお見せになった。
そして何かに気付き、反応に困る私に姫様は言う。

「でもごめんなさい。もしかして私お邪魔だったかしら?」

歓喜に震え、姫様の表情に動揺する私に、姫様は先程の何故か謝罪された。
私は首を大げさに首を横に振り姫様に駆け寄った。

「邪魔だなんて!姫様、いつ何時であろうとそんなことはありえませんわ!」
「だって彼、貴方の恋人なんでしょう? いやだわ私ったら、つい懐かしさにかまけてとんだ粗相をしてしまったみたいね」
「彼?」

姫様がネアポリス伯爵…ジョナサンを姫様が示したのを見て、私は慌てて頭を振った。
すっかり忘れられていたジョナサンは微動だにせず姫様を見下ろしていた。

「ち、違います!ジョナサンとは「ジョナサン?まあ、すると貴方があのネアポリス伯爵ね。
先日貴方のところで仕立てていただいたドレス、とても素晴らしい出来だったわ」

名を聞いて伯爵が誰か気付き、お褒めの言葉をかける姫様にジョナサンは、口元に笑みを浮かべていた。
でも、姫様にせっかく声をかけていただいたのにあんまり嬉しそうには見えなかったわ。

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:23:13 ID:lR3lWe9s
「ありがとうございます。ですが姫殿下、私とミス・ヴァリエールは本当にただの友人です。
親しくはさせていただいてますが、彼女の名誉のためにもお間違いなさらぬようお願いします」

ジョナサンの説明に理解を示される姫殿下、私は安堵して息をついた。
姫殿下は私に優しい目を向け、ジョナサンを見る…私を違和感が襲った。

「わかったわ。ルイズ、よくも悪くも話題に上がる方ですものね。ネアポリス伯爵、私のお友達のことよろしくお願いしますわ」
「?はい、公爵夫人やカトレア様からも頼まれてますからね」
「まあ!あのお二人からそう言われているなんて、もうヴァリエール家の方達ともお会いになられたのね!」
「あ、あの…姫様?」

な、何だか、物凄く勘違いされてるような気がするわ。
ジョナサンもそれに気付いて姫様に声をかける。

「姫殿下、私達は本当にそんな関係ではないんです。ルイズとは出会ってからまだ一月も経っていませんし、私は外国人です」
「素敵ですね。私にもそんな経験がありますわ。そう…あのラグドリアンの湖畔で過ごしたあの時を…ルイズも覚えてないかしら? 貴方に身代わりを頼んだ時のことよ」
「あ、あの時ですか!?」

ラグドリアン湖とはトリスティン王国とガリア王国に挟まれた内陸部に位置するハルケギニア随一の名勝とされる湖のことだ。
その湖は人間のものではなくハルケギニアの先住民である水の精霊のものとされている。
湖底に城と街を作り、独自の文化と王国を築いているといわれているが、水の精霊達は数十年に一度トリスティン王家との盟約の更新を行う以外に湖底よりでることはい。

だから殆どの人間は水の精霊を目にする事は無い。
おおよそ六百平方kmもあり比較的高地に位置する湖の澄んだ湖水と緑鮮やかな森が織り成す美しい光景に、人間以外の美しい精霊の存在があるのではと空想するだけだった。
ルイズは記憶に残る自然の豊かな色彩を思い出す。

三年前のラグドリアン湖畔…ルイズには思い当たる節があった。
太后マリアンヌの誕生日を祝い、トリスティン王国は二週間にも及ぶ大園遊会を開いた。
それが半ばを過ぎた頃から、ルイズは毎夜アンリエッタに影武者の役を命じられたことがあった。

そしてこの状況…あの時にまさか…そう考えながら相づちをうつ私には、昔を懐かしむ姫様に向けられるジョナサンの視線から柔らかさが消えていくのがわかったわ。

「アン、リエッタ…姫殿下。何度も言いますが私達は」
「わかっていますわ。貴方達二人はただの友人、そうですわね」

その通りなんだけど、どうしてかしら?
不安過ぎるわ。
ジョナサンと噂があるとしたらテファかちい姉さま、いいとこモンモランシーくらいなものなのに。
あぁ、すぐに姿を消した人もいたけど…どちらにせよキュルケの例もあるし、ゲルマニア貴族は手が早いのかしら?
恩義は別として、ちい姉さまには距離を置くように言った方がいいわね…
でも伯爵は、エレオノール姉さまの婚約者のバーガンディ伯とも懇意にしているらしいし…困ったわ。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:26:51 ID:lR3lWe9s
それはともかく、私はこの話題から離れようとして姫様に別の話を振る。

「でも感激です。姫様がそのような昔のことを覚えてくださっていただなんて……わたしのことなど、もうお忘れになっていてもおかくありませんのに」

姫様は私の言葉に溜息をつきながらベッドに腰掛けた。
深い憂いを含んだ言葉が、姫様の薔薇色で彩られた唇から漏れた。

「忘れるわけないじゃない。子供の頃は毎日が楽しかったもの…何の悩みとも無関係で。出来ればあの何も分別のなかった頃に戻りたいわ」
「姫様……もしや、お悩みとは姫様のご結婚のことでは」

どう声をおかけするか迷った挙句、ジョナサンが教えてくれた結婚のことに触れると姫様が息を呑んだ。
言葉もなく私を見る姫様に、臣下の分を弁えないこととはわかっていたけど問おうとした私を、ジョナサンが冷たい目をして私を止めた。

暇様は少し時間をかけて天を仰ぎ、ゲルマニア皇帝との縁談話が進んでいることを私に教えてくださった。

「席を外しますね」
「構いませんわ。貴方はどうやらもう知っておいでのようですし」

こんな時だけ鋭い貴方のミスまでは知りませんが、とでも言いたげな顔をするジョナサンを怒鳴りつけそうになったけど…
姫様の前、私はグッと堪えたし、ジョナサンも黙ったまま一歩引いて部屋に留まった。
それを待って、姫様は私たちに悩みを打ち明けだした。



アンリエッタがルイズにとうとうと語りだしたのは、ジョナサン=ジョルノから内密に教えられていたゲルマニアとの政略結婚の話だった。
要約すれば隣国アルビオンで起こっていた貴族達の反乱は成功間近で、アルビオンのテューダー王家を今にも打倒しようとしている。
レコンキスタを名乗る反乱軍が勝てば、次に矛先を向けるのはトリステインであることは明白である。
彼らが掲げるのは『貴族の集まりによる非民主型の共和制』と『ハルケギニアを統一し、聖地を奪還する』ことだからだ。

それについてジョルノ個人としては全く気にかけていなかったが、トリスティンはそうもいかない。
彼らの敵、それも王家にとっては従兄弟を殺した相手。殺したいと思うのは当然なのだろう。
だがトリスティンには攻め落とす所かレコンキスタに攻められた時一国で立ち向かうことも覚束無いのだ。
ゲルマニアと同盟を結ぶ為の政略結婚としてアンリエッタがゲルマニアに嫁ぐことになったことを考えると、それは間違いないのだろう。

話を聞いていくうちにジョルノがアンリエッタに敵意を持ち始めた事に気付いたのか、ルイズがジョルノをちらちらと見る。
本題は此処からだった。
ゲルマニアと比べれば劣る国力しか持たないアルビオンのレコンキスタは、この結婚を妨げる為血眼になってあるものを探しているとアンリエッタが言い出したのだ。

ルイズのところにアンリエッタが来た時点で、なんとなくこうなるだろうなと考えていたジョルノはこんな時ポルナレフさんがいれば茶番劇に飽きた観客よろしく談笑するんだがと嘆いた。
だがポルナレフは昼前にトリスティン紳士達とおっぱいについて熱く語りすぎてカリンに並んで反省させられているためここにはいなかった。
勿論、亀をジャン・ジャックとか言う貴族の隣に置くだけでなく、亀の中でマチルダに夕飯も没収されて正座させられている。
やれやれとジョルノはルイズの表情を窺った。
ルイズも予想はついているのかもしれないが、その答えを王女自身の口から聞かなければ信じられないとばかりに、顔を青くしながら問いかけた。
アンリエッタは悲しげに頷いた。

その顔は、自分に非が無い事を、あるとすればちょっぴり運がなかった程度にしか考えてないことを主張して止まない表情だった。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:26:56 ID:eD3eY8MW
こ、これはッ!
スタンド攻撃かッ!

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:29:18 ID:lR3lWe9s
「おお、始祖ブリミルよ…この、この不幸な姫をお救い下さい……」

いつの間にか立ち上がっていたアンリエッタは顔を両手で覆うと床に崩れ落ちた。
芝居で行っているならまだマシだが、芝居っぽさは欠片もなかった。
本心からアンリエッタは自身の不幸を嘆いているようだった。
こうなれば臣下であるルイズにはアンリエッタにそれが何か尋ねるしかなくなってしまい、そして…ルイズは危険な任務につくことになる。
結婚し同盟を締結しようと裏で手を回すくらいだ。
敵の手にあるか、それともアルビオンの王党派の元になければ既にどうにかしてしまっている。
どちらにせよアンリエッタは、なし崩しにルイズを内戦中のアルビオンに向かわせようとしているのは明白だった。
蚊帳の外に置かれた形のままジョルノは対応策を考えていた。

「では、姫さま、わたしに頼みたいことというのは…」
「無理よ!無理よルイズ!わたくしったら、なんてことでしょう!混乱しているんだわ!
考えてみれば、貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて危険な事、頼めるわけがありませんわ!」
「何をおっしゃいます!たとえ地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、何処なりと向かいますわ!
姫さまとトリステインの危機を、ラ・ヴァリエール侯爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ、見過ごすわけにはまいりません!」

一番簡単な手はこの場でルイズを気絶させる事だ。
アンリエッタにはルイズに死ねと言うのかとでも言えばどうとでもなる。その後、テファの魔法で記憶を消す。
手紙に関してはアンリエッタを護衛してきたメイジ達が命を賭ければいい。
こんな女の為に命を賭けさせるなんて心が痛むが、仕事だと思って諦めてもらうしかない。

ルイズも忠誠心だけなら彼らと同等以上なのだろうが、ジョルノがルイズを止めるのはルイズに対する気持ではない。
自分に好意を見せるカトレアや、いいワインが手に入ったから飲みに来ないかとか、今度狩りに行こうぜッとか困っている事は無いかとか…
何かにつけて息子扱いしようと手紙を送ってくるヴァリエール公爵への恩義からだ。

今のところ敵対しているし、親らしい親というか家族扱いしようとするような者がいたことがないのでどう接したらいいのか対応に困っているが、余り不利益にならない程度ならルイズの世話位はするべきだとジョルノは考えていた。
そう考えて、このうんざりするような茶番劇の観客を努めるジョルノを置いて二人はいよいよ燃え尽きるほどヒートッしていた。

「姫さま!このルイズ、いつまでも姫さまのおともだちであり、まったき理解者でございます!
永久に誓った忠誠を、忘れることなどありましょうか!」
「ああ、忠誠。これが真の友情と忠誠です!感激しました。私、あなたの友情と忠誠を一生忘れません!ルイズ・フランソワーズ!」

涙を流しながらまた抱き合いそうな二人に、ジョルノはやれやれと歎息した。
ルイズの肩をつつき、ジョルノは言う。

「ルイズ、別に貴方が行く必要はありません」
「な、何を言ってるのよ!? 姫様は私を信頼して話してくださったのよ!? それとも貴方が」
「ウェールズ王子がそんな手紙を受け取るような相手なら、手紙を既に破棄している可能性が高いでしょう」

自分達が負けた後どうなっていくか想像力が多少でもあるのなら、愛する者が不利益を被るそんな手紙を後生大事に持ったまま死地に突っ込むわけが無い。
ジョルノはそう言ったが、二人は…ルイズは辛うじて反論した。

「そ、そんなことはわからないじゃない! 大切に何処かにしまってあるのかもしれないでしょう!」
「では手紙をレコンキスタのでっち上げということにすればいい」
「どういう意味よ?」
「ゲルマニア皇帝はアンリエッタ王女の愛情を望んでこの結婚をするわけじゃないってことです」

わかってはいた、だが改めて自分などどーでもいいと言われたアンリエッタはショックを受け息を呑んだ。
自分がただのお飾りで、ちやほやされていてもただの外交の道具の一つに過ぎない扱いを受けている事を、アンリエッタは拒否していた。
王族としての責務をまだ納得できていない様子のアンリエッタと彼女を気遣うルイズへとジョルノは言葉を続けた。

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:33:57 ID:lR3lWe9s
「ゲルマニアは軍事同盟締結と始祖の血統を欲しがっている。アンリエッタ王女、貴方方が望んでいるのも軍事同盟の締結だ。だから殿下が他の男を愛している位でこの話を蹴る事は無い…」

あらかじめ謝罪するなり美辞麗句を並び立てるなりしながら手紙の事を告白しておく。
そして手紙の事を言われても無視するなり偽造文書だとでも言ってもらえばいいとジョルノは言った。
なんなら、貴方の筆跡を真似られる人物をもでっち上げてしまってもいいでしょう、とも。
それを聞かされるルイズの顔は怒りで真っ赤にしていった。

「そんな…アンタ、姫様にウェールズ殿下への気持を裏切ってゲルマニアの皇帝に媚を売れって言うの!?」

激昂するルイズの言い分は、可能な限り好意的に考えればわからないでもない。
もし、仮にだが…誰かがブチャラティ達に『仲間の為にディアボロに傅いて美辞麗句をうんざりするほど言いながらトリッシュを売れ』って言ったらどうする?
ルイズにとってのアンリエッタが、ジョルノにとってのブチャラティ達に当たるのかどうかは知らないし、もしブチャラティ達がそんな立場だったならこんな無様な姿は見せなかっただろうが。
ちょっぴり想像したジョルノの雰囲気が少し変わったからか、ルイズ達は怯えたような態度で微かに退いた。
だがルイズは、そうさせる気持が勇気か蛮勇かは理解しないまま、弱気を払いジョルノへ言う。

「絶対にダメよ! そんなことをしたらどうなると思うの? 姫様とこのトリスティンはハルケギニアの歴史の中で一生嘲笑われることになるわッ! ブリミル教徒として、永遠に消えない穢れを負い、ゲルマニアに傅かなければならなくなるわ!
誰も知らなくても、私達自身が忘れないッ。始祖と私達の子孫達に対して顔向けできなくなるわッ!」
「ルイズ…いいのです」

顔を真っ赤にして叫ぶルイズにアンリエッタは力なく項垂れて首を振った。
諦めたような顔でアンリエッタはジョルノに目を向けようとしたが、視線をあわせられずにまた視線を下へと向けた。

「ネアポリス伯爵、貴方の献策に感謝いたしますわ。貴方のお陰で同盟は確実に成ることが決まりましたわ」

アンリエッタはそれだけ言って肩を震わせる。
部屋の灯りに照らされてスカートに落ちる雫が光っていた。
諦めてしまった主人であり大事なお友達の姿に、ルイズは耐えることなどできず跪くアンリエッタの前に膝をつき両肩を掴んだ。

「姫様、いけません。それだけはッ! それだけは絶対にいけませんッ! せめて私に時間をくださいませ! 私が手紙を持ち帰るか、失敗するまで時間をくださいませ!」
「ルイズ…あぁ、貴方は、本当に私の大切なお友達なのですね」
「姫さま! 先程確かめたばかりの事をもうお忘れになったのですか!? このルイズがいつまでも姫さまのおともだちであり、まったき理解者であると!永久に誓った忠誠を!」
「ルイズ…」
「姫様…!」

先程言った言葉などすっかり忘れて感極まったアンリエッタとルイズは、再びひしと抱き合う。
ギーシュ辺りがいれば二人を可憐な華か何かに例えるのだろうが、ジョルノはその光景を見て自分の感じていた違和感に気付いた。

アンリエッタはトリステインでは『トリスティンがハルケギニアに誇る可憐な一輪の花』と言われているらしいが、ジョルノの目には花に交じって、可憐な花の振りをして誘われた虫を食い殺すヒメカマキリ科の昆虫…ハナカマキリに見えた。
花の姿に擬態しているのは身を守る為でもあるらしいし、彼らは彼らで優秀な狩人なのだが、それ位性質が悪そうだった。
公爵への義理は果たしたような気がするのだが、ジョルノは一応関わってしまった者として最後に打てる手を打つ。

「止めても無駄なようですね」
「勿論よ」
「ではルイズ。密命ですから公爵夫人に説明できませんが、出し抜く自信があるんですね?」
「も、勿論よ」

今この学院に母がいることを思い出し、青ざめたルイズから視線を外したジョルノは扉へと向かって歩いていく。
ルイズがアルビオンに行くと知ったらヴァリエール公爵夫人がどんな行動に出るかを考えれば、放っておけば多分失敗するだろうし、今の所ご指名を受けたのはルイズだけだ。
暗に命令されているのかもしれないが、ジョルノもそこまでお人よしでもなかった。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:36:44 ID:lR3lWe9s
「では、頑張ってくださいね」
「ま、待ってください…!」
「ちょ、ちょっと、ジョナサン…ここまで聞いたのよ! あ、貴方も」
「…殿下。僕はには言わなかったことにして、貴方の魔法衛士隊隊に命じることを薦めます」

ルイズの言葉を遮って、ジョルノはアンリエッタへと素っ気無い言葉で、今食堂を遍在を使ってピカピカに磨いているワルドを始めとする魔法衛士隊隊の者を勧める。
アンリエッタの第一印象は余り好きではない、にしてもそれはポリシーから来る忠告だったのだが、アンリエッタは首を振って拒否した。

「確かに貴方はゲルマニア貴族ですが…ヴァリエール家から、何より私のお友達から信頼された方でもあります。それに今までの言葉もルイズのみを案じての事」

ルイズが間の抜けた声を出してジョルノを見る。
あらかじめ用意しておいた「私としてはどちらでもいいんだけどポルナレフさんがどうしてもアンタの事を頼むって言うからな」とポルナレフのフォローをすると、ルイズは複雑な表情をした。

「ふふ…だから、今だけだとしても貴方は信頼できる方ですわ」
「…貴方が僕にこういった仕事を頼むということは、貴方が思っているよりも遥かに大きな借りを僕に作ることになります」
「借り…?」

アンリエッタは意味深な言葉と感じ、細い眉を寄せた。
それは、この仕事の対価は例えば民衆や一部の貴族にとても人気のある彼女との係わり合いから、ジョルノに都合がよい法を作る手助けをさせようとかってことで、彼女の祖国が今よりちょっぴり変えられてしまうきっかけを作ることになるということだったのだが…
アンリエッタはジョルノのあくまでも穏やかな視線。
当然のようにお飾り?いいや物は使いようですと自分を利用し、自分の背負っている国家を狙う若いギャングの情熱に燃える目を…勘違いしてまだ涙の乾いていない頬を羞恥で赤くした。

(!そういえば昔エレオノールが言っていたわ。ツェルプストーに代々恋人を盗られているとか…理解したわ。
あぁ、私も愛していない皇帝へ嫁いだ後年下の伯爵に弄ばれてしまう運命なのね)

『バタフライ伯爵夫人の優雅な一日』 などの作者が書いた碌でもない本の内容を思い出しながら、アンリエッタは今後自らの身におきるであろう悲劇的な妄想に浸りわなわなと震えた。
気品のある顔立ちに、陶酔の色を浮かべるアンリエッタをルイズとジョルノは不思議そうに見る。

(でも仕方ないんだわ。ここで私がはいと言わなければルイズの身が危うくなり、ひいてはトリスティンが戦火に巻き込まれるのですから)

「構いませんわ…功績を挙げた者には分け隔てなく報いるのは当然の事ですから」

アンリエッタに対し無礼だと憤るルイズを止めて、日中アンリエッタと共にエンリコ・プッチ枢機卿と会談を行ったマザリーニが聞けば頭を掻き毟りそうな言葉を吐いたアンリエッタは手の甲を上にして手を差し出した。
だが、何か勘違いしているらしいと気付いたジョルノは不愉快気に手を拒み、背中を向けた。

「この任務を達成してこそ、お手を許される資格を得るものと考えます」

失礼に当たるのはわかるが、詳細を聞くのはルイズに任せ、何か勘違いしているらしいアンリエッタから離れ、ジョルノは部屋を後にする。
向かうのは自分の部屋。

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:41:11 ID:lR3lWe9s
オスマンに頼み、男子寮に用意して貰った宛がわれた部屋には最初からあったもの以外には何もなかった。
亀の中でやりたい事は済ませてしまうので、すぐに引き払うかもしれない部屋に自分の痕跡を残すような事は行っていなかった。
部屋の中にいる慣れ親しんだ気配に、ジョルノはすっかり慣れてしまった魔法の照明をつけた。
夜闇に部屋が浮かび上がり、カーテンも開けずにベッドに腰掛ける胸が尋常じゃなく大きなエルフの姿も目に入った。

「テファ?」
「ジョルノ、お帰りなさい。少し時間をもらえるかしら。相談したいことがあるの」
「はい。なんでしょうか?」

思いつめた表情を見てある程度予想はついたが、ジョルノはテファに先を促す。
できればマチルダにもいて欲しいと思ったが、ワルド達と一緒に食堂を掃除している亀の中だ。

「カトレアさんから娘にならないかって言われた話なんだけど…」

カトレアを治療した時の報酬として、ジョルノはテファの味方になることをヴァリエール公爵に頼んだ。
その応えとして公爵が用意した礼の一つが先日カトレアから打診された養女になる話だった。
ヴァリエール家ではなくカトレアの家にしたのはヴァリエール家程には注目を集めないだろうと、彼らは判断したからだろうとジョルノは好意的に考える事にしていた。

「…私、カトレアさんに返事をする前にアルビオンに行きたいの」
「……まさかって感じですが、テューダー王家の人間に会いたいとか言うつもりですか?」

彼女が言っていることを確かめるようにテファの真剣な目を見返してジョルノは尋ねた。
目的を聞かれ、驚いた顔を見せてテファは返事を返す。

「そ、そうだけど…駄目かしら?」
「危険なのはわかりますよね?」
「うん、もうすぐ滅んでしまうんだって言うのも、わかってるわ。だけど、ジョルノとなら叔父さんの所へ行って帰ってくるくらいできちゃう気がするの」

少し照れたような顔をして厚い信頼を向けてくるテファを意識の外へ置いて、少し返事に間を置く…偶然か?それとも運命なんてものが存在するのか?と益体も無い事を考えながら、結局ジョルノは承諾することにした。
後でマチルダに叱られるかもしれないし困難な頼みごとだったが、普段と変わらぬ口調でジョルノは言う。

「ちょうど行く予定が出来ました。でも、貴方は亀の中に入っていてください。それが守れるならお連れしましょう」

パッと輝くような笑顔を浮かべ礼を言ってくるテファにそっけない態度を取ってジョルノはまた部屋を出て行く。
食堂で反省させられている亀と、相談しておかなければならない…内戦で荒廃した浮遊島のことを思い浮かべ、ジョルノは気を引き締めた。
そしてそれとは別に、『『烈風』カリン、ヴァリエール領での働きを認められマンティコア隊への復帰要請を受諾』との一報への対応を書き付けた手紙を外へと投げる。
外で待機していた組織の者の使い魔が手紙を咥えて去っていく。

魔法衛士隊隊の服を千年近くに渡り作り続けている老舗へ、カリンの魔法衛士隊の服が運び込まれた事やそんなことになった背景などの情報が即座に手に入る程度にトリスティン内の情報網は構築されようとしていた。




337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:44:09 ID:lR3lWe9s
その頃、エンリコ・プッチ枢機卿は学院の生徒の一人、マリコルヌの部屋でずぶずぶと頭にディスクを入れて顎に手を当てた。
マリコルヌの部屋は他の貴族達と比べると幾分質素だった。
家族からの小遣いが少なかったりするのだろうが、プッチにはそんなものは関係ないし調度品には全く見るべきものは無いようだった。
部屋の中央で部屋の主人であるマリコルヌが目を開いたまま倒れている…プッチは頭からマリコルヌの記憶ディスクを引き抜いた。
マザリーニ相手には同席した奴が邪魔でできなかったが、相手が一人ならこうした方が速いのだから当然の事だった。

「ふむ…ペットショップの仕業と考えるのが妥当な線なのだろうな」

プッチは考え事をしながら適当に記憶ディスクを投げてマリコルヌの体にめり込ませる。
記憶ディスクは脂肪たっぷりの背中に突き刺さり、頭へ向かいながらずぶずぶと沈んでいく。
次第に目に輝きが戻っていくマリコルを見下ろしながら、プッチは一枚のディスクをスタンド『ホワイトスネイク』から受け取った。
どんな生き物にでも効果を及ぼす強力な『命令』を下す『命令』のディスク。
ハルケギニアの魔法にも『制約(ギアス)』と言う魔法があるが、それより少し無茶なことが出来る便利な能力だ。
制約(ギアス)のように条件をつけることもできなくもない上に、後ろに吹っ飛んで破裂しろ、とかこの場に訪れる者を射殺しろ、最近では夕飯の後美味しいコーヒーを入れて来いと鬱陶しい主人に命令してみたこともあった。
それは置いておくとして、プッチはそのディスクをマリコルヌの頭へと突き刺した。

「あれ? …僕、どうしてこんな所で寝転がってるんだ?」

ちょうど気がついたマリコルヌは前後の記憶が曖昧になっているらしく困惑した表情で顔を上げる。
プッチ枢機卿は慈愛に満ちた表情を浮かべ迷える子羊…子豚かもしれないが、に声をかけた。

「それは私の知った事じゃあないが。君は私に悩みを懺悔してスッキリし、私をとても信頼するようになったんじゃあないか?」
「ん? ああ…! す、枢機卿閣下。そうです。お陰で気分が良くなりました! ありがとうございます。これで、グヴァーシルのことも」
「それは良かったな。で、私の頼みも聞いてくれないかね?」

立ち上がるのも忘れ、普通なら同じ部屋にいることもありえない高位の聖職者へと感謝を述べるマリコルヌの言葉をプッチは遮る。

「な、なんでしょうか?」
「私の友人、ネアポリス伯爵がもしかしたらアルビオンに行く事になるかもしれなくてね、君の使い魔君をサポートにつけたいと考えているんだが」
「は? あの戦争中のアルビオンですか? そ、それは…」
「ん?」

渋ろうとしたマリコルヌに、プッチ枢機卿は笑みを浮かべたままちょっぴりだけ顔を近づけた。
それだけでマリコルヌは動揺し、頭を垂れた。

「す、すいません枢機卿! ぼ、僕の使い魔はただの平民なんです。な、何のお役にも立てません。って言うかむしろいた方が危険です!!」
「そんな事はわかっていて言っているんだ。借りる事自体は構わんのだね?」

ただの学院の生徒と枢機卿。はい、と答えるしかない力関係を理解するマリコルヌは存分に使ってやってください、と返事をするしかなかった。
プッチ枢機卿は丁寧に礼をいい、部屋を後にする。
そして、マリコルヌから奪い去っておいた"使い魔の主人”としての能力を自分の頭に突き刺した。
沈み込んでいくうちに使用可能となる能力を使い、使い魔と共有した視界には、この男子寮の廊下が見えている。

気に入ったとばかりに笑顔のままディスクをゆっくりを引き抜き、プッチ枢機卿はマリコルヌの使い魔の方へと歩き出した。
薄暗い廊下をほんの一、二分程歩いただろうか。
すぐに、プッチ枢機卿の視界にはちょうど戻ってきたらしい追い出されていたマリコルヌの使い魔、サイトが学院のメイドに手を振っている姿が見えた。
背中に剣を背負った日本人、サイトに向かって歩き出しながら、プッチは頭からまた一枚ディスクを取り出す。

338 :ポルナレフ+ジョルノ 第二章-02:2008/06/25(水) 00:47:22 ID:lR3lWe9s
ディスクに刻まれているのはウィンダールヴ。
プッチを召喚した教皇によりプッチの肉体に刻まれた能力だけを、円盤の形にして取り出したものだった。
そうして、プッチは代わりに懐からまた一枚のディスクを取り出して頭に突き刺す。
そちらに刻まれた能力名は『ガンダールヴ』、今日懺悔を聞いてやったブリミル信者の使い魔だった哀れな小鳥の頭から奪い去った能力だった。
小鳥にはもう主人に服従する使い魔としての本能しか残されていないだろうが、プッチの心には何の痛痒もなかった。
どーせあんな小鳥にはこの能力は豚に真珠を与えるが如き無駄な行為で、持っていようがいなかろうが関係ないからだ。
人の良さそうな笑顔を浮かべ、プッチはサイトに話しかける。

「もう公爵夫人の折檻からは開放されたのかね?」
「あ、はい! ってアンタは…?」
「これは失礼した。私はエンリコ・プッチ。君やポルナレフと同じく地球から連れてこられた口さ」
「え? そうなんすか!?」
「災難だったね」
「いやぁ参りましたよ。まさかちょっとふざけただけだったのに食堂で反省とか…ったく、あの貧乳おばさん。師匠やジャン・ジャックって人まで一列にならばせるんっすよ」
「ははは、それは凄い光景だな」

間抜けなのか案外度胸があるのかそのあたりはよくわからないが、同じ地球出身者と聞いて安心した様子のサイトにプッチは頼みごとをする。
今回の折檻でズタボロになったサイトの服を用意し、怪我の治療も手を回しておくと言ったのが効いたのか快くサイトはそれを承諾する。
そんなサイトの頭にゆっくりとヴィンダールヴのディスクが入っていく。

「ジョナサンの手助けをしてやってくれ。彼は私の友人の息子でね。彼もとても大切な友人になるかもしれないのだよ」
「あ、…ああ! これで俺もドラゴンライダーなんだろ!? なら、任せてくれよ!」
「頼んだよ、何せミセス・カリーヌを出しぬかなくっちゃあならないんだからね」

伝説の生き物、ドラゴンだろうがマンティコアだろうが乗りこなせるというプッチの説明を受け、はしゃぐサイトを深い笑みを浮かべてプッチは見守る。
鞘に入れられたままのデルフリンガーが警鐘を鳴らそうとするが、鞘に入ったままでは何も言う事はできなかった。

To Be Continued...


以上、投下したッ。
ギーシュ達は前話でおっぱいおっぱいと言い過ぎて食堂で反省会をしていたので出せなかった…困ったものですね?

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:50:39 ID:nHcosKDb
GJ!
なんてこった……プッチが全力で暗躍していやがる

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:55:59 ID:WKpBIwOh
GJ!
ガンダールヴが小鳥になっちゃってどうなるんだろうと思ったらこう来たか!

で、だ。
>暇様は少し時間をかけて天を仰ぎ
ちょwww暇様w

341 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:04:10 ID:nHcosKDb
そしてこっちも準備が整った!

他に作者さんがいないなら、いますぐ行きます
覚悟はいいか? オレはできてる

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:07:12 ID:/4z0lrNU
ごーごー

343 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:07:26 ID:nHcosKDb
6話

「諸君、決闘だ!」

そう言ってギーシュが薔薇の造花の杖を掲げると、周囲から大きな歓声が上がった。
ヴェストリの広場にはすでに多くの生徒が集まり、ギーシュとホワイトスネイクを取り囲んでいる。
ルイズは生徒の輪の最前列で、ホワイトスネイクの背中をじっと見つめていた。

「さて、逃げずに来たことは褒めてあげるよ」
「部屋ノ隅デ震エテイルコトヲ選バナカッタノハ立派ダッタナ」

食堂での応酬と同じように、ホワイトスネイクから挑発が返される。

「ふん、では始めさせてもらうよ」

そう言ってギーシュが杖を振ると、杖から薔薇の花びらが一枚離れた。
だが次の瞬間、薔薇の花びらは甲冑を着た女戦士の人形へと変わった。
人形は金属製らしく、全身が淡い金属光沢を放っている。

「ホーウ……」

ホワイトスネイクが感嘆した声を上げる。

「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。文句はないだろう?」
「御託ハイイカラサッサトソノ人形デ仕掛ケテコイ」
「そうかい、では遠慮なく」

ギーシュが言い終わるのと同時に女戦士の人形が走り出す。
が、数歩で立ち止まった。

「おっと、そういえばまだ名乗っていなかったな。
 僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。
 したがって僕の青銅のゴーレム、ワルキューレが君の相手をするよ」

そう言ってまたフッとカッコつけた。
ただこれがやりたかったがために女戦士の人形――ワルキューレを止めたようだ。

344 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:10:48 ID:nHcosKDb
「では、いくぞ!」

その声とともに、再び走り出すワルキューレ。
ホワイトスネイクとの間合いを一気に詰める。
そして自身の拳の間合いにホワイトスネイクをおさめると、すかさずパンチを放ったッ!
ぶおん、と空気を切り裂く青銅の拳はホワイトスネイクのボディへと一直線に向かい――

グワシィッ!

受け止められたッ!

「な、なんだってぇ!?」
(コノ威力……パワーハCッテトコカ。
 私ノ方モパワーCガ妥当。ルイズハ近クニイナイシ、コノ距離ナラ当然ダナ)

驚くギーシュと、相手と自分を冷静に評価するホワイトスネイク。

「今度ハコチラノ攻撃ダ」

ホワイトスネイクは素早くワルキューレの懐に潜り込む。
そしてその伸びた腕を掴むと、一気に反動でワルキューレの体を宙に浮かせ――

ドグシャアッ!

頭から地面に叩きつけたッ!

345 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:13:28 ID:nHcosKDb
「『ジュードー』トカイウヤツダ。パワーノ弱イ私ニハ、ウッテツケノ技デナ」
「な、な、な……」

予想だにしなかった事態にギーシュは言葉を失う。
彼の目の前で地面に突き立てられたワルキューレはしばらく手足を動かしていたが、すぐに墓標みたいに動かなくなった。
そしておろおろするギーシュとは逆に生徒達は大歓声を上げた。

「すっげぇーぜ、今の! あいつ、何やったんだ!?」
「ワルキューレを頭から地面に叩きつけるなんて……」
「野郎……面白くなってきたじゃねーか」

そしてルイズも、予期しなかったホワイトスネイクの実力に唖然とする。

「な、何なの? 今あいつがやったの……?」
「特別な体術」
「……え?」
「彼は体の反動を使ってゴーレムを投げ飛ばした。
 力任せに投げたのとは違う」

いつの間にかルイズの横に立っていたタバサが解説する。

「な、何であんたがここにいるのよ! っていうか今の説明……」
「この子が自分で見たいって言ったのよ、ルイズ」
「あっ、キュルケ!」
「ご機嫌いかが? 今朝は危うく寝坊するところだったそうじゃないの」
「う、うるさいわね! ちゃんと朝食には間に合ったんだからいいじゃないの!」
「はいはい。それでタバサ、あいつはどうなの?」
「分からない。動きに余裕があるから、まだ何か隠してるのは確実」
「ふ〜ん……それは楽しみ。っと、そろそろ動きそうね」

一旦止まった戦いが、再び動き始める。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:16:45 ID:/4z0lrNU
しぇーmん

347 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:17:06 ID:nHcosKDb
場所は変わってトリステイン魔法学院の学院長室。
ギーシュとホワイトスネイクの決闘が始まる、数分前のことだ。

「暇じゃのう……」
「平和ですからね」
「何かこう、面白いことでも起きんかのう……例えば決闘とか」
「学院長自らが風紀を乱さないでください。それと」
「何じゃ、ミス・ロングビル」

ドグシャァッ!

「ぶげぇッ!」
「私のお尻をなでるのはやめてください」

華麗なハイキックで老人を椅子から蹴倒す女性は、ミス・ロングビル。
反対に椅子から蹴倒された老人がオールド・オスマン。
ロングビルはオスマンの秘書で、そのオスマンはこのトリステイン魔法学院の学院長を務めている。

「あいたたた……」

ミルコ・クロコップのようなハイキックをモロに食らったにもかかわらず、何もなかったかのように立ち上がるオスマン。

「今度やったら王宮に報告しますからね」
「ふん。王宮が怖くて学院長が務まるかい」

オスマンはふてくされたように言うと、床から何かを拾い上げた。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:17:16 ID:/4z0lrNU
しぇーん

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:19:17 ID:/4z0lrNU
紫煙

350 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:19:18 ID:nHcosKDb
「気を許せる友達はお前だけじゃ、モートソグニル。
 ん、ナッツが欲しいのか? ちょっと待っておれ」

オスマンはポケットからナッツを数粒取り出すと、
手の上にちょこんと乗っているハツカネズミのモートソグニルに近づける。
モートソグニルはちゅうちゅうと鳴いて喜ぶと、ナッツをかじり始めた。

「ん、どうじゃ? うまいか? もっと欲しいか?
 じゃがその前に報告じゃ、モートソグニル。
 ……ほうほう、純白かね。だがミス・ロングビルは黒にかぎ」

ボグォッ!

「うげぇっ!」

オスマンの言葉を遮るようにして叩き込まれたのは、胃袋に正確に打ち付けられるヒザ蹴りッ!
そして頭から床に倒れこんだオスマンに、さらに追撃の後頭部への踏みつけッ!

ゲシッゲシゲシィッドガッドゴオッドゴッドゴッ!

「分かった! 分かったから! ちょ、やめるんじゃミス・ロングビル! 痛い! 痛いからッ!」

そんなふうにしてオスマンがロングビルに蹴り回されていると、不意にドアが大きな音を立てて開いた。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:19:56 ID:/4z0lrNU
支援

352 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:21:14 ID:nHcosKDb
「オールド・オスマン!」
「何じゃね?」

そう答えたオスマンは、すでに床の上でなく椅子の上に座っていた。
まるで何もなかったかのようだ。
ロングビルも同様に、部屋の隅の椅子に腰かけて物書きをしている。
まさに早業である。
学院長室のバイオレンスな日常はこうして保たれているのだ。

「たた、大変です!」

そう言って広すぎる額を汗で光らせているのはコルベール。
使い魔召喚の儀式に立ち会っていた教師だ。

「なーにが大変なもんかね。どうせ大したことのない話じゃろうて」
「そんなこと言わずに! こ、これを見てください!」

そう言ってコルベールがオスマンに突き出した本のタイトルは「始祖ブリミルと使い魔たち」。

「ほーう……それでこの古い本がどうしたのじゃ?」
「その本の……このページです! それと、これを!」

コルベールが本のページと、一枚のルーンのスケッチをオスマンに見せる。
オスマンの目が本とスケッチを素早く行き来した。
その眼は先ほどまでの好々爺の目ではない。
熟練の魔法使い特有の、鷹のように鋭い目だった。

「ミス・ロングビル。少し席をはずしてもらえるかね?」
「かしこまりました」

ロングビルはそれだけ言って、学院長室を出た。
と、入れ替わりに一人の教師が血相を変えて飛び込んできた。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:21:29 ID:0YmZexLo
支援ッ!

354 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:23:21 ID:nHcosKDb
「オールド・オスマン! い、一大事です!」
「今度は何じゃ?」

オスマンが眉間にしわを寄せて言う。

「それが、ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようで……」
「決闘? やれやれ……暇を持て余した貴族は、本当にロクなことをせんのう」

今さっき暇を持て余して「決闘でも起きないかな」とか言った揚句にセクハラしていた男とは思えないセリフである。

「それで、決闘しとるのはどいつじゃ?」
「は、はい……一人はギーシュ・ド・グラモン。もう一人は……」
「グラモンのとこのバカ息子か。どーせ女の子の取り合いでもしたんじゃろうて。それでもう一人は誰じゃ?」
「もう一人は……その、私も信じられないのですが……」
「何じゃ、早う言うてみい」
「……亜人です。昨日ミス・ヴァリエールが召喚して、契約したやつです」

思わず顔を見合わせるオスマンとコルベール。

「よろしい。ではその決闘は放っておきなさい」
「ええ!? い、いいんですか? 教師の中には『眠りの鐘』の使用許可を求める者もいますが……」
「……ギーシュ・ド・グラモンと戦う亜人はどんなヤツじゃね?」
「へ? は、はあ……ミス・シュヴルーズの話では、言葉も話せるし授業も聞けるとのことでしたが……」
「つまり頭はいいんじゃろ? だったらやり過ぎるようなことはせんハズじゃ。放っといて構わんよ」
「そ、そうですか……」

そう言って教師が学院長室を出て行くのを見届けると、壁にかかった大きな鏡に杖を振った。
すると、その鏡にある光景が映し出される。
ヴェストリの広場の、今まさに行われている決闘の光景だった。
鏡の中ではギーシュと亜人――ホワイトスネイクが向き合い、
二人の間にギーシュのゴーレムが頭から地面に突き立てられていた。

「……コルベール君。わしの判断は合っておったと思うかね?」
「まだ分かりません。でも、間違っていたと分かった時には全てが手遅れでしょう」
「そうじゃな……そうならんようにせんとなあ」

机の上でナッツをかじっていたモートソグニルが不意にぴょんと窓に飛び移ると、そのまま外に出て行った。
戦いが動いたのは、ちょうどその時だった。

355 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:25:15 ID:nHcosKDb
場所はヴェストリの広場に戻る

「ふふ……ま、まさか僕のワルキューレを倒すとはね。な、中々やるじゃあないか。
 だが、これで終わったと思うなよ!」

冷や汗をぬぐいながらギーシュが再度薔薇の造花の杖を振るう。
杖から離れた花びらは6枚。
それらが宙に舞い上がって、6体のワルキューレになって地面に降り立ったのはやはり一瞬の出来事だった。

「おいおいおいおいおいおい! ギーシュのやつ、出せるワルキューレの残り全部出したぞ!」
「あれで頭に血が上っちゃったのかなあ?」
「そりゃああんなの見せられたらなあ……」

ギーシュの陣容に生徒も驚きの声を上げる。
だが――

「サッキノガ6体カ。面白クナッテキタジャアナイカ」

ホワイトスネイクは焦り一つ見せずに、むしろ楽しそうに言った。

「ふふん、そうやってのん気してられるのも今のうちさ。
 考えてもみなよ、君? 6対1だぜ? 勝てっこないよ。
 もし君が僕に『ごめんなさい』と言えば」
「脳ミソガクソニナッテルラシイナ」
「な、なんだとお!?」
「ソンナ寝言聞イテルヒマガアッタラサッサトソイツラヲ私ニ差シ向ケロ」
「……そうか、そんなに死にたいんだったら!」

ギーシュが杖を振るうと、ワルキューレたちの目の前の地面から武器が突き出てきた。
剣、両手剣、長槍、ランス、斧、スレッジハンマー……。
いずれも大変な重武装だった。
そしてワルキューレたちが、それらを手に取り、ホワイトスネイクに向けて構える。

356 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:25:47 ID:nHcosKDb
「今ここで殺してやるッ!」

ギーシュの声とともに、一斉にワルキューレがホワイトスネイクに襲い掛かる。
やられる!
次の瞬間に訪れているであろう凄惨な光景に、思わず目をつむるルイズ。
その直後に大きな歓声が上がった。

やられ、たんだ。
あいつが、あのにくたらしい嫌味な使い魔が、ホワイトスネイクが!
ルイズが絶望に近い、うすら寒い感情が自分の心に湧きあがってくるのを感じる中、
その肩をぽんぽん、と叩かれた。
思わずルイスは振り向く。

「なーに目なんかつむっちゃってるのよ、ルイズ」

キュルケだった。

「でも、でもあいつが!」
「自分の使い魔の安否ぐらい、自分で確かめなさいよ」

そう言われて、顔を正面に向けられるルイズ。
その目に飛び込んだ光景は――

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:26:46 ID:sWq0NLsh
しえーん。

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:31:22 ID:UqRX9U4a
支援

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:32:24 ID:YLg1wdW9
支援

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:32:53 ID:UqRX9U4a
もしかして規制?

361 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:34:02 ID:nHcosKDb
(私ノスピードハA。上々ダナ。
 ソレニ対シテコイツラハCッテトコカ。
 何テ、スットロイヤツラナンダ)

ホワイトスネイクはワルキューレたちの有様に呆れながら、大振りの斧の一撃をやすやすとかわす。
その後ろから飛び込むようにして襲ってきたランスの突きも、とっくに見えていた動きだった。これも難なくかわす。
さらに両手剣の横薙ぎ、長槍の連続突き、スレッジハンマーの振り下ろしが立て続けにホワイトスネイクに向かってくる。

だが、全部遅すぎた。
スキを窺うようにして仕掛けてきた、剣を持ったワルキューレの攻撃も見え見えの奇襲にすぎなかった。
軽くかわして、ついでに足を引っ掛けてやった。
ワルキューレが無様にすっ転んで地面を転がる。

そうやってホワイトスネイクがワルキューレをあしらうたびに、周りの生徒たちから歓声が上がった。
あの亜人は何なんだ?
何であれだけ武装した、しかも6体もいるワルキューレ相手にあんなことができるんだ?
なんてヤツなんだ、あの亜人は!
そんな呆れたような、あるいは感嘆したような感情が彼らの歓声の源だった。

「あいつ……すごい」
「そうね。あんなに大きいのに、あんなに身のこなしが軽いなんて、感心しちゃうわ。
 ……でも彼、攻撃はしないのね」
「さっきみたいな投げ技は使えない。かと言って青銅のゴーレムを一撃で破壊できるようなパワーは彼にはない」
「……何で分かるのよ?」

タバサの推測にルイズが異議を唱える。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:40:31 ID:GviLlAYB
しえん

363 :携帯スネイク:2008/06/25(水) 01:42:01 ID:YLg1wdW9
ダメだ……セルフ支援が……効かない
このバイバイさるさん……「無敵」か………

どなたか代理投下お願いします

364 :代理:2008/06/25(水) 01:47:02 ID:sWq0NLsh
「一発ぶん殴っただけでワルキューレを壊せるなら、最初の一体をそうやって壊してるじゃない?」
「あ……そ、それもそうね……」
「でもキュルケの言うとおり。このまま避け続けてもそれだけじゃ意味がない」
「じゃあ彼はどうするのかしら?」

キュルケがタバサに尋ねる。
タバサの視線の先には前後をワルキューレに挟まれたホワイトスネイクがいる。
前のワルキューレは斧を、後ろのワルキューレはランスを構えている。

「彼は、避ける」

タバサが呟くように言った。
前門のワルキューレが斧を振りかぶる。
後門のワルキューレが構えたランスをホワイトスネイクの背中に突き出す。
瞬間、ホワイトスネイクは地面を強く蹴り、宙に飛んだ。
斧のワルキューレとランスのワルキューレが、互いに攻撃すべき相手を見失い――

「避けて同志討ちさせる」

ズゴォッ!

互いの得物が、互いに直撃したッ!
一方のワルキューレは胴体をランスで穿たれ、もう一方のワルキューレは斧で首を跳ね飛ばされていた。




365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:47:55 ID:1QDCVpVn
支援

366 :代理:2008/06/25(水) 01:48:09 ID:sWq0NLsh
くそッ、だが!」

ギーシュは毒づきながらもすぐにハンマーを携えたワルキューレをホワイトスネイクの着地点に先回りさせる。
自由落下するホワイトスネイク。
それを待ち受けるワルキューレ。
ホワイトスネイクはそれにちらりと目をやると、小馬鹿にしたように笑った。
そしてワルキューレのハンマーの射程に、ホワイトスネイクが入ったッ!

「今だッ!」

ゴヒャァァッ!

ギーシュの声に応じ、ワルキューレは打ち上げるようにハンマーを振るうッ!

だが、手ごたえなし。
ハンマーがホワイトスネイクを粉砕する音は、響かなかった。

(あれ? 何だ? 何が起きた?)

混乱するギーシュをあざ笑うかのように、ホワイトスネイクはワルキューレの背後にすとんと着地した。

「言イ忘レタガ……私ハ射程圏内ノ空中ヲ自在ニ移動デキル。
 空中デ一旦停止スルクライ、造作モナイコトダ」

そう言ってホワイトスネイクは腰を落としてワルキューレの胴体に腕を回し、ガッチリとロックする。
そしてッ!

メシャッ!

バックドロップだッ!
後頭部から地面に叩きつけられたワルキューレは、自重と落下の衝撃で簡単に自分の首を手放した。


367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:48:33 ID:1QDCVpVn
支援

368 :代理:2008/06/25(水) 01:49:15 ID:sWq0NLsh
「くそぉぉぉーーーーーーーッ!!」

やけくそになったギーシュが残る3体のワルキューレでホワイトスネイクを取り囲む。

「やれぇッ!」

ギーシュの号令で、3体が一斉にホワイトスネイクに襲い掛かる。

「『ギーシュ』・・・・・・ダッタカ。ヤハリオ前ハ……」

ホワイトスネイクは3体の攻撃を容易く避ける。
さっきのようなそれなりのコンビネーションもない、
ただ3体が一緒に仕掛けてくるだけの攻撃などホワイトスネイクには何の意味もなさない。
ゆえに今回、ホワイトスネイクは避けるだけではなかった。
攻撃を避ける間際にワルキューレたちの武器の切っ先、矛先をわずかにずらしていた。
そしてホワイトスネイクが3体の包囲から抜けると同時に――

「タダノ、馬鹿ダッタナ」

ガッシィィーーンッ!

3体のワルキューレは一体化していた。
互いの武器で、互いの胴体を貫きあって。


369 :代理:2008/06/25(水) 01:50:20 ID:sWq0NLsh
「そ、そんな、ぼ、ぼぼ、僕の、ワルキューレが……ぜ、全滅……」

ギーシュがかすれた声でそう呟いたのと、ヴェストリの広場が大歓声に包まれたのはほぼ同時だった。

「や、やりやがった! あいつ勝っちまった!」
「ブラボー……おお、ブラボー!」
「グレート! やるじゃあねーかよ」

そして驚いていたのは、ルイズも同じだった。

「あいつ、あんなに強かったんだ……」
「すごぉーい! いいカラダしてるとは思ってたけど、まさかこんなに強いなんて!
 あたし、彼のこと気に入っちゃったかも……」
「ちょ、キュルケ! あんた本気なの!? っていうかあれはわたしの使い魔よ!?」
「そんなの関係ないわ。恋ってのは突然訪れるものなの。
 ツェルプストーの女はそれに何よりも忠実なのよ」
「そういう問題じゃないでしょ!」
「二人とも静かに」

唐突にルイズとキュルケの会話をタバサが遮る。

「どうしたの、タバサ?」
「様子がおかしい」
「え……?」

タバサの言葉に従い、ルイズとキュルケは広場の中心に目を向ける。
そこにあったのは、腰を抜かして地面にへたり込むギーシュと、彼にゆっくりと歩み寄るホワイトスネイクの姿。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:50:31 ID:eZNSLAmP
支援スル




プッチ神父に続いて白蛇が読めるとは、何という幸福…ッ!

371 :代理:2008/06/25(水) 01:51:24 ID:sWq0NLsh
「お、お前! ぼぼ、ぼ、僕に、何する気だ!」
「私ガコノ決闘ヲ楽シミニシテイタ理由ハ3ツ」

一歩ホワイトスネイクが近づく。
しかしギーシュは動けない。

「ち、近寄るな! 来るなあ!」
「1ツ目ハハメイジノ戦イノ一端ニ触レラレルコト。
 私ハコノ世界ニ来テマダ日ガ浅イ。
 ナノデコノ世界ノ一般的ナ戦イニ直ニ触レラレタノハトテモ価値ノアルコトダッタ」

また一歩ホワイトスネイクが近づく。
しかしギーシュは動けない。

「なな、何言ってるんだお前! や、やめろ、近づくな! 来ないでくれ!」 
「2ツ目ハ自分ノ戦闘能力ノ現状ヲ測レルコト。
 ヤハリ戦闘能力トイウヤツハ実戦デシカ測レンカラナ。
 コッチニ来テカラ私自身ガ弱クナッテイルコトモ心配ダッタカラナ」

ホワイトスネイクが、ギーシュに手の届く位置まで来た。
しかし……ギーシュは動けない。

「そ、そうだ! ぼくが悪かった。ぼ、ぼくが悪かったんだ、だから……ひぃっ!」
「ソシテ3ツ目ハ……」

ホワイトスネイクがギーシュの胸元を掴んで無理やり立たせる。
ギーシュは動けない。逃げられない。
そして「それ」が行われる。

「だから許し」

ドシュンッ!

空気を切り裂くような音とともに、ホワイトスネイクの貫手がギーシュの額に突き刺さった。

「3ツ目ハ、オ前ノ記憶ト『魔法ノ才能』ヲ得ラレルコトダ」

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:51:56 ID:1QDCVpVn
支援

373 :代理:2008/06/25(水) 01:52:28 ID:sWq0NLsh
「あいつ、やりおったわ!」

「遠見の鏡」で決闘を見ていたオスマンが叫ぶ。
同じく決闘を見ていたコルベールは既にここにはいない。
ヴェストリの広場に行ったのだろう。

「まさかとは思っとったが……ええい、モートソグニル!」

遠い場所で決闘を見張らせていた自分の使い魔の名を呼ぶオスマン。
すぐに返事と思しき鳴き声が返ってくる。

「眠りの鐘じゃ! すぐに鳴らせぃ!」

言うが早いが、オスマンは素早く杖を抜いてルーンを唱える。
「サイレント」の呪文だ。
その鐘の音の響くところにある者をことごとく眠らせる眠りの鐘。
響きは音としては学院長室まで聞こえなくとも、音の波として確実にここにも到達する。
うっかり自分も眠ってしまうわけにはいかないため、音そのものを遮断したのだ。

(たかだか子供の決闘とはいえ、死人を出すわけにはいかぬ)

オールド・オスマンは人間としてはダメな男だが、教師としては最上の男だったのだ。

374 :代理:2008/06/25(水) 01:53:31 ID:sWq0NLsh
「あ、あいつ、ギーシュを殺しちゃったの!?」

ルイズが震える声で言う。

「どうでしょうね……血は出てないみたいだけど、放っておくのはヤバそうだわ」
「同感」

キュルケとタバサが杖をホワイトスネイクに向けて構える。

「な、何してるの二人とも!?」
「止めるのよ。このまんまじゃ、本当にただ事じゃ済まなくなりそうだもの。
 別に彼を殺したりはしないから大丈夫よ」

そう言ってルーンを唱えるキュルケ。
タバサの方はすでにルーンを唱え終わっており、その目の前に7、8本のツララが形成されている最中だった。

そして、タバサがツララをホワイトスネイクに向けて飛ばそうとした瞬間、その鐘の音は響いた。
決して大きな音ではなく、しかし心の奥底にまで浸み渡る音。
その音がタバサの体から力を奪っていった。

(こ、これ、は……)

薄れゆく意識の中で、タバサは音の正体を理解した。

(これは、『眠りの鐘』)


375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:53:34 ID:noFdgeRn
支援だッ!!

376 :代理:2008/06/25(水) 01:54:35 ID:sWq0NLsh
その眠りの鐘の影響は、ホワイトスネイクにも及んだ。

「コノ音……何、ダ……コレハ?」

全身から力が抜けていき、激しい睡魔がホワイトスネイクを襲った。

「第、三者ノ……介入カ? アルイハ……ダガ……!」

ホワイトスネイクは、ギーシュの額から貫手を引き抜いた。
引き抜いた指に挟まれていたのは輝く二枚のDISC。
貴重な戦利品だ。
滅多なことでは手放せない。
こんな、わけのわからない攻撃なんかのためには、決して。

「コレハ……回収……スル。カ、確、実、ニ……」

最後のパワーを振り絞って体内にDISCを収納すると、ホワイトスネイクは煙のように姿を消した。


To Be Continued...

以上、代理で投下したッ!!
復活してくれてマジで嬉しいんだぜスネイクの人!!

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:55:43 ID:UqRX9U4a
うおおお続きが気になる
スネイクの人GJ!!!

378 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:55:54 ID:nHcosKDb
ブラボー……おお、ブラボー!
代理投下ありがとうございます!

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:56:10 ID:noFdgeRn
GJ!!
代理の人もお疲れ様!

今夜はスネイク祭りだぜ!!

380 :代理:2008/06/25(水) 01:56:31 ID:sWq0NLsh
あとがきを忘れてたぜor2

投下完了でございます

ゼロのスネイク版眠りの鐘は鳴らす距離が近ければ近いほど効果が強く、眠りに落ちるのも早いって設定です
モートソグニルは宝物庫に忍び込んで眠りの鐘を持って「鐘の音が速攻で決闘を終わらせられる距離」まで近づいていました
眠りの鐘で寝てしまったモートソグニルを後で回収しに行くのはオスマンの仕事です
あとコルベールはヴェストリの広場に着く前に眠りの鐘で眠っちまったので実質行き倒れです

マジェント「バイバイさるさんよォー
    初めて会ったときから人のことを上から目線で小馬鹿にしやがって……
    ナメてんじゃあねーぞッ!」


381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:56:33 ID:mi53VMj7
GJ!
旧と比べるとホワイトスネイクの悪っぽさが出ているなぁ

382 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:57:05 ID:nHcosKDb
あと避難所に張っておいたあとがきっぽいのです

ゼロのスネイク版眠りの鐘は鳴らす距離が近ければ近いほど効果が強く、眠りに落ちるのも早いって設定です
モートソグニルは宝物庫に忍び込んで眠りの鐘を持って「鐘の音が速攻で決闘を終わらせられる距離」まで近づいていました
眠りの鐘で寝てしまったモートソグニルを後で回収しに行くのはオスマンの仕事です
あとコルベールはヴェストリの広場に着く前に眠りの鐘で眠っちまったので実質行き倒れです

マジェント「バイバイさるさんよォー
    初めて会ったときから人のことを上から目線で小馬鹿にしやがって……
    ナメてんじゃあねーぞッ!」


383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:57:55 ID:xj5IIGU+
支援!

384 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/06/25(水) 01:58:23 ID:nHcosKDb
やっべ、俺が張ったのいらないじゃん
代理さん、ディ・モールトサンクス!

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:59:36 ID:xj5IIGU+
GJッすよー。
なにげに活躍するモートソグニルがいいね。
そして何よりホワイトスネイクの無慈悲さはすばらしい、上手くギャグと織り交ぜられてベネとしか言いようがない。
ルイズがこの後どう出るか気になりすぎる。

386 :隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2008/06/25(水) 03:31:26 ID:f8c4fUSp
よし誰もいないな。
ひっそりとこんな時間に投下しちゃうぜェーッ

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:32:08 ID:X2s8X9DG
支援

388 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:33:32 ID:f8c4fUSp
 その日の夜。
 ルイズは悩んでいた。
 風呂に行ってて部屋にいない使い魔のことで悩んでいた。
 どのくらい悩んでいるかと言えば、ベッドの上であーうーと唸ったりごろごろ転がったり枕をかぶって足をジタバタさせるくらい悩んでいた。
 ジョセフは有能だった。頭はよくて話し上手で強くて、波紋やハーミットパープルまで使える。使い魔としては申し分のない大当たりだった。欠点と言えば、父親よりも年上の老人で感覚の共有が出来ないくらい。
 けれど有能なのも問題がある。
 クラスメイトや平民の使用人から満遍無く好感を持たれているのもいいとしよう。見た目が不気味で他人から嫌悪されるよりは、笑顔を向けられる使い魔の方がいいに決まってる。
「……それにしたって限度があるわよ。最近、ジョセフに向けられる笑顔がイヤに増えてるわ。皇太子殿下や王女殿下から笑顔を向けられるのはいいのよ。それだけの働きを成し遂げられる使い魔だということだもの。
 ただなんだ。ちょっと最近若い女からの笑顔がえらく増えてないかしら。
 色ボケツェルプストーが色目を使うのは今に始まったことじゃあないわよ。だがだ。アルビオンから帰ってきてから色目の質が変わったのはどういうことよ。他の男どもにあんな情熱的な色目を向けていた記憶なんかないわよ。
 あの黒髪のメイドもそうよ。あの決闘騒ぎでジョセフに助けてもらってからというもの、それこそ毎日擦り寄ってきてるわ……食事抜きの罰が全く効果ナシだったのも、あのメイドがいそいそと食事を運んできたからじゃない!
 モンモランシーだってそうよ。あのアホのギーシュとヨロシクやってるクセして、何かしら理由をつけてはジョセフに近付いて来てる様な気がするわ……。まさかギーシュからジョセフに乗り換えようとかそんなハレンチな企みがあるんじゃないでしょうね!?」
 ぶつぶつぶつぶつと独り言が口から洩れていることすら気付いていない。ルイズの頭の中では洩れた思考の数倍のあらぬ考えが浮かんでは消えを繰り返していた。

389 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:35:05 ID:f8c4fUSp
 どれくらいあらぬ考えかと言えば、常日頃ギーシュといちゃいちゃバカップルっぷりを見せびらかしているモンモランシーにさえ疑いの目を向けるくらいあらぬ考えだった。
「けど何が一番気に食わないって、ご主人様が側にいるのにあのジジイったらあーそりゃもう他の女が近寄って来たらデレデレ嬉しそうな顔して! アンタ孫もいる妻帯者だって言ってたんじゃないの!
 しかもなんだ。孫は17歳とか言ってたな。孫より年下のコドモの色香にメロメロか! どれだけ節操がないのよ! いい年してどんなに色ボケなのよ!?
 首輪の綱をしっかり私が掴んでるからまだどうにかなってるけど、ちょっとでも手から離してしまったらどうなるかなんて考える前から腹立たしいわ!」
 暴走したルイズの思考と、良く言えば若々しく率直に言えば子供っぽいジョセフの日頃の行いのハーモニーが、ルイズの思考を宜しくない方向へ加速させ続ける。
「――大体使い魔があんなにフラフラするかしら!? 他の使い魔はもっとほら、ご主人様好き好き好きーとかそういう感じじゃない!? なのにあのボケ犬ってば他の女にすーぐ鼻の下伸ばすのよ!?」
 体の中から沸き上った激情に駆られたルイズは、両手で鷲掴みにした枕でシーツをぼふぼふぼふと乱打する。しばらくそうやっていれば当然腕が疲れるので、埃舞い散る枕をぽいと投げ捨てた。
「どういうことかしら、これは。由々しき問題だわ。
 これは何が原因か。胸か。やはり胸なのか。いや待て、モンモランシーはそんなに大きくないわ。むしろ私と同じくらいだわ。胸じゃないのかしら。胸じゃないとしたら何が原因だというの。ちっとも判らないわ……」
 答えの見えない思考の迷宮で彷徨うルイズの脳裏に、不意にアンリエッタの言葉が蘇った。
『――ああルイズ。ルイズ・フランソワーズ……忠誠には報いるところがなくてはならないのよ――』
 その時ルイズに電流走る――!
 アンリエッタから与えられ、自分の指にはまっている水のルビーを見た。

390 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:36:18 ID:f8c4fUSp
 アルビオンでの任務に当たった自分の忠誠に対して、こんな高価な宝物を頂いた。だが自分以上に奮闘したジョセフに対して、自分は何も与えていない。
 王女殿下が臣下の忠誠に応えていると言うのに、その臣下が有能な使い魔に対して何も応えていないと言うのは、王女殿下の顔に泥を塗るような真似ではないだろうか。
「……でも、今のジョセフに何を報いたらいいのかしら」
 食事は主人と同じもの。雑用もそんなに言い付けてはいないし、基本的に不自由な生活はさせていないはず。むしろジョセフが自分が待遇に関して不満を訴えたことがあるだろうか、と考えてみて、特になかったことに気が付いた。
『こんな可愛いご主人様の下で働けるんじゃ。老いぼれにゃ過ぎた幸せということじゃよ』とは言っていたが、それはそれこれはこれ。
「……ジョセフはどうにも隠し事をするタイプだから……言ってるコトが全部本当だと思うのは危険だわ……」
 考えてみれば、ジョセフはちょくちょくルイズに対して嘘を言っていた。
 召喚されたばかりの頃はボケ老人のフリをしていたし、アルビオンの時だって早々とワルドが裏切り者だと気付いていたのにそれを主人に告げたのは、ワルド本人が裏切りを宣言した後。
 正体がバレた後もハーミットパープルを披露したのは少し時間が経ってからだった。
 アルビオンの事だって、あれやこれや聞きたがるクラスメイト達を言葉巧みにはぐらかす弁舌を考えれば、果たしてジョセフはどこまで本当の事を言っていてどこまでが嘘なのか判断すらつかなくなってくる。
「あああああああ! なんで使い魔のことでこんなに悩まなくちゃいけないのよ!」
 学園にいる多種多様なメイジの中で、使い魔との関係に悩むメイジはたった一人しかいないだろう。従って誰にも相談出来ない問題と言うのもルイズの焦りを加速させる。
 そもそもジョースターの血統に連なる人間は危機的状況に陥った場合、親しい人間に自分の本心を隠す傾向がある。ジョセフの祖父ジョナサンも、父ジョージ二世も、母エリザベスも、娘ホリィも、孫の承太郎も、息子の仗助も。
 何かしらの危機に際して立ち向かう時、危険に晒されるのは自分だけでいいと考え、親しい者には何も教えないまま……という傾向が強く見られる。

391 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:37:34 ID:f8c4fUSp
 そんなジョースターの血統を色濃く受け継ぐジョセフも、魔法を持つルイズに対してはそれなりに本心を打ち明けている方だった。打ち明けている方なのだが、日頃の大嘘っぷりが信用を損なってしまうという……まあ言ってみれば自業自得と言うやつである。
「あああああ、私にもハーミットパープルさえあれば……! ジョセフの考えてることなんか全部つるっとまるっとお見通しなのに……!」
 そしてまたベッドの上で仰向けになって足をじたばたさせる光景が繰り返された。
 しかし、不意にルイズの足の動きがぴたりと止まる。足を止めたルイズの視線が、部屋の隅に広げられているボロ毛布に向けられていた。
(ああっ……! そうか、これよ、これだわ……!)
 忠誠に報いるべき点が見つかった。
 しかし本当にやっていいのかどうか。考えれば考えるほど危険なイメージが浮かばないこともない……が、その不安は指にはまったルビーを見ることで和らげる。
「……しっかりしなさい、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール……こ、これは……忠実な使い魔に対する御褒美なんだから……それ以上のことなんかないんだから……!」
 はぁぁぁぁぁぁぁぁ、と波紋呼吸にも似た深呼吸をしながら、意を決してクローゼットに向かうとネグリジェを取ってベッドに戻る。そしてジョセフが戻ってこないうちに着替えてしまおうとボタンを外し、ブラウスを脱ごうと袖から腕を抜き始めたその時。
「帰ったぞー」
 外でタイミング計ってたんじゃね? というくらい見事なタイミングでドアを開けて帰ってくる使い魔。
「ひ」
 引き攣った悲鳴になりかけた音が口から洩れた次の瞬間、左手で素早く胸を隠し、右手で掴んだ枕を即座にジョセフ目掛けて投げ付けた。
「うお! 何すんじゃルイズ!」
「あ、あああああああんたレディの着替え中にノックもしないで入ってくるとかどういうことよ!?」

392 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:38:43 ID:f8c4fUSp
「いや待て、ちょっと前までわしに着替えさせてたじゃろ!」
「問答無用! いいって言うまで外に出てなさいよ!」
 ルイズが杖を手に取ったのを見て慌てて部屋から出て行くジョセフ。
 ジョセフはまたもどっぷり落ち込んで壁に凭れ掛かった。
 ホリィがルイズと同じ年頃の時は、他の思春期の少女によく見られる、父親を嫌悪する様子はなかった。むしろベタベタと甘えてきたし、ジョセフもそれが当たり前だと思っていた。
 十年振りに会った途端に義手の指を抜き取る、反抗期とか中二病とかそんなチャチなもんじゃないもっと恐ろしい孫は問題外として、世間並みと言える反抗期を初めて体験するジョセフには非常に辛い経験だった。
「わしが一体何かしたんか? 最近ルイズが冷たい……」
 ジョセフとしては依然変わりなく小生意気で可愛い孫の世話をしているはずなのに、その孫が見せる反抗期っぷりにずっしり落ち込んでいた。
「……入ってもいいわよ」
 躊躇いがちに聞こえたルイズの言葉があってから少々間を置いて、ジョセフは部屋に入る。ネグリジェ姿のルイズが、窓から差し込む月明かりに照らされていた。
 ルイズはぷいと顔を背けながらも、部屋に入ったジョセフに向けてブラシを差し出す。
「……ほら、髪、梳きなさいよ」
 着替えは見せないくせに髪は梳かせる不可解さにジョセフは首を傾げたが、それに言及するとまた怒鳴りそうなので、大人しくブラシを受け取って髪を梳いてやる。
 艶やかな桃色のブロンドを梳き終わると、ルイズはベッドに横たわった。
 机の上のランプに向かって杖を振ると、明かりが消える。持ち主の合図で付いたり消えたりする何という事はない魔法のランプだが、これでも随分と高価なものである。
 窓から差し込む月明かりがほのかに部屋を照らす中、ジョセフはいつものように部屋の隅の毛布へ向かって歩いていく。
「――ねえ、ジョセフ」

393 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:40:03 ID:f8c4fUSp
 髪を梳かせていた時から言うタイミングを逸し続けていたルイズだったが、喉の半ばで詰まっていた言葉をやっとの思いで吐き出した。
「どうした、ルイズ」
 立ち止まって振り返るジョセフを見つめ、また喉につかえかけた言葉を懸命に続けた。
「い、いつまでも床ってのはあんまりだわ。だから、その、ベッドで寝ても……いいわ」
「は?」
 思わずジョセフが聞き返した。
「か、勘違いしちゃダメよ! 床の上で寝てるのが可哀想だって思っただけなんだから! ヘ、ヘンなこととかしたら追い出すんだから!」
 時折妙な行動を取りがちなルイズだが、今夜は一際奇妙だった。
 相手のこれまでの行動や言動を把握して次に言うセリフの予言さえ簡単に出来てしまうジョセフでも、ルイズの次の言葉を予測するのは至難の業だった。
 ベッドの端で毛布に包まって丸くなっているルイズの後頭部に向かって声をかける。
「いや、そりゃー床の上よりベッドの方がいいけどなァ。本当にいいんか?」
「いいって言ってるじゃない。何度も同じこと言わせないで」
 こういう場合に遠慮しないジョセフは、それ以上は特に聞かずベッドに上がり込む。
 枕が空いてるので遠慮なく頭を乗せ、ベッドが広々と空いてるので大の字に寝る。
「……寝てもいいって言ったけど。ご主人様より占有面積が多いってどういうことよ」
 毛布からちょこりと頭を出し、我が物顔に寝転ぶジョセフを睨む。
「ああお構いなく」
「構うわよ! このベッドは誰のベッドだと思ってるのよ!?」
「それならそんな端っこで丸まってないでお前も遠慮なく手足を伸ばせばいいじゃろ。わしとお前の二人なら十分に大の字で乗れるぞ」
「……なら枕返しなさいよ」
「ん? んじゃこうすりゃいいんじゃないか」
 ルイズが反応する間もなく、ジョセフの手がルイズを抱き抱えたかと思うとそのまま自分の横に引き寄せた。

394 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:41:15 ID:f8c4fUSp
「え?」
 ルイズの頭が何かに乗せられた。普段使っている枕に比べて固くて高いが、頭の据わりはいい。
「え? え?」
 頭を横に動かしてみる。
 すると、ジョセフがすぐ真横にいる。
「え? え? え?」
 ジョセフの腕がルイズの頭の下に、ルイズの頭がジョセフの腕の上に。
「え……えぇーっ!?」
 つまり腕枕の形になっていた。
「あ、ああああああああああんたいいいいいいいいいいったいなななななななななにを」
 今の自分がどんなことになっているか気付いたルイズは、間違いなく自分の顔から火が出ているとしか思えなかった。
「何って腕枕じゃが」
「いいいいいいいいいやそそそそそそそそそういうもんだいじゃああああ」
(昔はちい姉様によく添い寝してもらったけれど、それでも腕枕だなんて。それも、こんなおっきい男だなんて。いくら使い魔だからってここここここここれは)
「ふぁぁぁ」
 思考が暴走しかけたルイズを引き止めたのは、暢気な欠伸だった。
 ルイズに腕を貸したジョセフが早々と意識を手放そうとしているのを見て、これまでの躊躇いとか逡巡が全部無駄だったことに気付いた。
 と言う訳でとりあえず。
「おふっ」
 何のいわれもなく脇腹にチョップを入れられたジョセフが、ちょっと恨めしそうにルイズに視線を向けた。
「……何よ。せっかくご主人様が一緒のベッドで寝てもいいって言ってるのに特に感想もなく寝ようって言うのかしら」

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:41:35 ID:aSPCLYGZ
 

396 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:42:31 ID:f8c4fUSp
「感想っつってもなー。いや、今までに比べたら随分と寝心地がいいがのォ」
「他にはないの」
「他? えーと、ご主人様の溢れる慈愛に感謝しとりますじゃとか」
「……まあいいわ」
 ルイズは少しだけ口を尖らせたが、頭をもぞもぞと動かしてもっと落ち着きのある位置を模索した。
 それからちょっとして、ちょうどいい角度を見つけたので本格的に頭をジョセフの腕に預けてしまう。
 愛用の枕に慣れ親しんでいた感覚からすれば違和感はやはりあるが、それもそのうち慣れてしまうのだろう。
「……あふ」
 ルイズの小さな欠伸が消えると、再び静寂が訪れる。
 しかしジョセフは再び眠気を捕らえようとしているのに対し、ルイズは頭の中でぐるぐると益体もない思考を巡らせていた。
(……何よ。私だけが大騒ぎしてただけっていうこと? 馬鹿馬鹿しいわ)
 最悪の場合、家族やアンリエッタ王女殿下にお詫びしなければならない事態も考えていた。けれどジョセフは、ルイズと同衾することは孫娘と一緒に寝ること以上でも以下でもないようだった。
(……そりゃそうよね。私は、孫よりも年下で……うん。ジョセフはお父様より年上だもの。そんなはしたないことになるワケがないじゃない。考えすぎだったのよ)
 けれど、それでも胸の奥をちくりと刺す様な痛みを無視できない。
 それは本当に小さくて、無視しようと思えば簡単に無視できるけれど、ルイズはその痛みを無視したくなかった。
 何故ならその痛みは、ルイズの中にある確かな痛みだったから。
「……ねえ、ジョセフ」
「んあ?」

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:43:51 ID:nHcosKDb
支援

398 :ゼロと奇妙な隠者:2008/06/25(水) 03:43:54 ID:f8c4fUSp
 少しまどろみかけていたジョセフのシャツの裾を、小さな手でちょっと握った。
「……眠るまで何かお話して」
「話か? んー、どんなのがいい」
「そうね……じゃあ、ジョセフのいた世界のおとぎ話なんか聞きたいわ」
「む、おとぎ話か。じゃあ、こんなのはどうかのう……」
 昔、小さいホリィに話した記憶を思い出しながら、赤ずきんを話して聞かせる。
 最初のうちは相槌も興味深げに打たれていたが、それも少しずつゆっくりとなり、少しずつあやふやになっていく。だがジョセフは、それでもおとぎ話を続けていく。
 やがて安らかな寝息が立て始めたルイズは、ころり、とジョセフに向かって寝返りを打つと細い手を使い魔の胸に回した。
 ジョセフは優しく目を細めると、ルイズの肩に毛布をかけてやった。
「……狼はお腹に詰め込まれた石が重くて、川で溺れてしまったんじゃ。猟師に助けられた赤ずきんとお婆さんは、三人でパンとワインをおいしく食べたそうな。めでたしめでたし……」
 すう、すう、と規則的な寝息を立てるルイズを見て、ジョセフも今度こそはと目を閉じる。
 やがて小さな寝息と、十分間途切れない寝息を重ねる二人を、ただ月明かりだけが照らしていた。


 To Be Contined →

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 04:32:24 ID:aSPCLYGZ
577 名前:隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE[sage] 投稿日:2008/06/25(水) 03:49:53 ID:YQnGBDU.
 ギリギリさるさん食らったので後書きはこっちに投下しちゃうッ!
 夜を前にヒートアップするルイズが見たいって言われたからって頑張ったわけじゃないんだからね!(テンプレ)
 あと、伊豆の踊り子withアラキネタでこんなラストも考えてた。

 昔、小さいホリィに話した記憶を思い出しながら、不思議の国のアリスを話して聞かせる。
 最初は原作通りに時計を持ったウサギを追いかけて穴に落ちたアリスが不思議の国に迷い込むのだが、ジョセフは途中辺りまでしか覚えていなかった。
 なのでルイズが知らないことをいいことに、途中でスタンド能力に目覚めて不思議の国の住人達とのスタンドバトルを繰り広げ、最後はハートの女王を宇宙に吹き飛ばす所で終わった。
 結局ルイズは途中で寝てしまったのだが、その夜の夢の中でのルイズは、紫の茨を使って帽子屋の答えのないなぞなぞの答えを念聴して再起不能に追い込んだり、奇妙な色合いとデザインの服を着て奇妙なポーズを取ったりしたのだった。

 これもこれで面白そうだと思ったんで密かに載せて置こう。
 ジョセフが話して聞かせたおとぎ話を各々好きな方を選んでもいいッ!
 さてしばらくはほのぼの日常ばかりが続いてしまうなあ。
 むしろ大抵ほのぼののような気がするが構いませんねッ!

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 06:20:01 ID:72dlMiaO
>>399
存分にやっちまいなぁ〜。
投下乙ッ!!!

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:31:05 ID:aAf7aLp7
>>338
アホだ、アンアン……
トリステインの未来は暗いな
しかしプッチが暗躍しまくりだな、才人も同じ地球出身者で一見善人に見える神父をあっさり信頼してるし
あとウィンダールヴの才人というのも斬新だ

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:53:48 ID:ieXLJI4M
プッチの外面の良ささは異常
大抵に人間はディスクなしでも騙されそうだぜ

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:01:54 ID:aDfmk7lM
白蛇って20メートルあたりでもC近くの力出せるのか?
5メートル以内ならA近くの力出せるって見たが

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:11:05 ID:qFKE8EDx
隠者のヒト 乙!
それにしても、女の子ってのはどうしてベットの中で何かお話ししてって言うんだろうか

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:28:44 ID:noFdgeRn
>>403
ジョンガリ殺してる時拳銃を撃ってる。
拳銃を撃っても仰け反ったりしてないので多分20mの地点でCぐらいのパワーはあると思うよ。

因みにハイエロは300mの地点でもCだったり…

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:50:01 ID:aDfmk7lM
>>405
そういえば軽がる使ってたな
ハイエロファントはチート性能だから三部最後で消されたに違いない

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:06:56 ID:UqRX9U4a
隠者のルイズみたいな孫がほしい・・・

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:37:17 ID:xP5KWxSC
ブ男、レロレロ、敵ポルの生まれながらのスタンド使いトリオの性能は異常

隠者ルイズ素晴らしい、寝ぼけてジョセフを抱きしめてうろたえてしまえっ!

そして白蛇怖ぇえー!
邪悪さが滲み出て来そうだぜ……

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:54:19 ID:JtQPM7IJ
そういやぽるじょるのアルビオン
黒幕だったジョゼフが記憶失ってるのに情勢変わらんのだな

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:24:49 ID:oqcuWfkn
隠者GJ!
ほのぼのの日常でいいかだと? 聞くまでも無かろうなのだァァァーーーッ!
虚無の魔力は溜まりにくそうだが、ジョセフがいれば問題なしだ

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:12:55 ID:q/NsjKlc
隠者GJ!
ホントおじいちゃん子煩悩すぎる、いいなあこの二人。

>「あああああ、私にもハーミットパープルさえあれば……!
ああつまり触sy ゲフンゲフン

二十分頃から投下しまする。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:16:25 ID:mjT1j0a+
支援!

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:19:18 ID:FIfriIEp
誰が投下するかわからないこの緊張感がイイ!支援

414 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:23:30 ID:q/NsjKlc
「難あり、か」

トリステイン王宮の一室、報告書に目を通したウェールズ・テューダーが、ため息と共に呟いた。
報告書を持参した初老の男性は、アルビオンの紋章の入ったマントを着けており、年の頃は五十ぐらい、黒に近い緑色の髪の毛には白髪が多く交じっている。
眉間の深い皺は、彼の顔を見た多くの人に”不機嫌だ”という印象を与えるが、別に不機嫌なわけではない。
「陛下、志願兵の練度にご満足頂けぬのでしたら、今すぐにでも訓練内容を見直し…」
「エリック。僕が気にしているのは戦力としての練度ではないよ、規律のことだ。アルビオンの貴族がトリステインの首都で問題を起こしたとあれば、いい笑いものだ。それに陛下はやめてくれ、僕は正式に戴冠式をしていないのだから」
エリックと呼ばれた初老の男性は、うっ、と息を飲み込み黙ってしまった。
執務に使っているテーブルを挟み、ウェールズとエリックの間で鋭い視線の応酬が行われた、時間にしてほんの一瞬、一秒程度のことであったが、緊張感に満ちた時間でもあった。
「我ら王党派は、トリステインにとっては厄介者だった。幸運なことにタルブ戦で我々は勝利し、厄介者であるという印象を覆すことができた…しかしそれは奇跡に等しい」
「………」
「始祖のお導きだとか、正義の鉄槌などと呼んで、王党派の勝利を己の喜びとするのは心情としては当然だろう。しかし勝利に酔いしれ、喜びが傲慢に変わっては意味がない」
「仰るとおりです」

ウェールズは背もたれに体重を預け、背中を軽く伸ばそうとした。
ぎぃ、と音を立てて、樹齢500年の木から切り出された焦げ茶色の骨組みが軋んだ。

「パリーは、言いにくそうに…そうだ、とても言いづらそうにしていたな。かつてアルビオンは大火に見舞われ、首都ロンディニウムは壊滅的な被害を被った。たが、それを期に火災を防ぐため石造りの家屋にするべしと、王が勅命を下したのだ。この話は知っているな?」
「はい」
「建築に使われるはずだった木材は、そのまま軍艦へと転用された、おかげでアルビオンはハルケギニア最強の艦隊を保有するに至った……が、ここからが問題だ」

ウェールズは椅子を下げて、ゆっくりと立ち上がると、壁に掛けられたハルケギニアの鳥瞰図に目をやった。
「パリーはな、本当に言いにくそうに…しかしはっきりと僕に言ったよ「アルビオンは豊穣な大地を見下すようになってしまいました」とね」
「………」
エリックは無言のまま、ウェールズの横顔を見た。
タルブ戦以後、厄介者から英雄へと180度その立場を変えられてしまったウェールズは、将来の利権をむさぼるために貸しを作ろうとする貴族の相手に疲れていた。
成り上がりのゲルマニア、無能王のガリアはともかく、トリステインは水の精霊と古くから名薬を買わしており、始祖ブリミルより続く貴族の本流を自負していたが、それがアルビオンには気に入らない。
アルビオンには、始祖ブリミルがハルケギニアで最初に興したとされる都市、サウスゴータがある。

結局のところアルビオンとトリステインは似たもの同士で、しかも同族嫌悪じみた争いを続けていたのだ。
どうにかしてその愚かしい歴史に終止符を打たねばならない……そのために尽力し、執務に励むウェールズの頬は、ほんの少しこけている気がした。

「アルビオンから亡命した貴族の中に、この期に及んでまだトリステインを見下す者がいる。その驕りを作ったのは皮肉にも祖国の歴史だ。私はその責任を取らなければならない」

415 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:25:50 ID:q/NsjKlc
「殿下のお考えには感服致しました。現在、トリスタニアの練兵場を借りて訓練を行っていますが、練兵場の手入れに力を入れさせます。トリステインの兵士達が驚くほど、練兵場を清掃させましょう」
「清掃?その作業に志願兵が納得するのか?」
「最初は不満も多いでしょう、しかし愛着を持たせるにはうってつけです。私はガーゴイルの研究のためガリアに留学しておりました。工房では初心の者がまず清掃に力を入れます。
それによって愛着を育て、工房での仕事に自負を与えるのです。職人を育てるための知恵ですが、軍にも役立ちましょう」
「…わかった。しかしそれを見て、トリステインの将軍達は何と言う?」
「トリステインもアルビオンと変わりませぬ、空の上では貴族か否かで階級が分かれるのではありません、トリステインも平民の先輩が貴族の後輩に鉄拳で序列を教え込んでいるそうです。
地上にも少なからずその風習はあるはずです。互いに清掃を心がけさせて、トリステインとアルビオン、どちらの統率が上なのかを競わせましょう」
「なるほど…よし、タルブ戦で捕虜にした者達の中には、レキシントンを指揮していたポーウッドがいたはずだ。彼を使おう」
「ミスタ・ポーウッドを彼を?よろしいのですか」
「彼はきわめて真面目だ。おかげで上官に命じられるまま叛徒となったが…まあ、相談を持ちかけるぐらいはいいさ。自由に使ってくれ」
「畏まりました。…それと今週末から、トリステイン魔法学院の貴族子弟にも訓練が課せられるそうです、戦争を知らぬ彼らにとって、捕虜はすなわち敵兵です。
トリステイン側は有能ならば捕虜でも軍に抜擢するそうですが…正直なところ、混乱を招くでしょうな」
エリックの話を聞いたウェールズは、うぅむと小さくうなった。
「確かに…。予防策はあるか?」
「こればかりは、トリステインの貴族師弟が物わかりの良い者達であって欲しいとしか言いようがありません。ミスタ・ポーウッドが歴戦の船乗りであると聞き及んでおりますが、彼の技術や経験をトリステイン側に認めさせることができれば…
欲を言えばトリステインのエリートに認めさせることが出来れば、その腰巾着からポーウッドの噂は広まりましょう」
「……わかった。すべて任せる。報告は怠らぬように。……それと、腰巾着などと人前で言うなよ」
エリックは自分の口の悪さを知っていた、またそれがなかなか直らぬ事もよく理解していた。
だが他人から指摘される機会にはあまり恵まれなかったのか、恥ずかしそうに顔を俯かせて「あ、いや…申し訳ありません」と小声で呟くのみであった。
こほん、と咳払いをして、ピンと背筋をただし、敬礼をした、そして踵を返しウェールズの執務室を出て行った。
彼はアルビオンの北方に大きな領地を持つ大貴族であったが、六男という微妙な位置のせいか、権力や富への欲が少なく、また軍務も好きではなかった。
風系統の魔法に優れており、軍人として出世するべきだと家族からも言われていたが……皮肉なことにエリックの趣味はガーゴイル技術へと傾いていた。
エリックはガリアが誇るガーゴイルの技術と運用を学ぶために、ガリアの魔法学院に留学し、腕の良いメイジの元へ弟子入りしていた。

そもそも彼がガーゴイルに惹かれたのは、食料の生産高を交渉に用いた、古い貴族の話を家庭教師から聞いたときだった。
アルビオンの食糧自給率は低い、食料の輸出入が規制されれば、一年と持たずに飢餓を迎える可能性すらある。
また、土系統のメイジも食糧事情の改善より、軍用の大砲を手がけた方が良いとされていた。
そんな体制に危機感を覚えたエリックは、どの系統のメイジが精神力を注ぎ込んでも、その能力を発揮してくれるガーゴイルに注目し、食糧事情の改善に利用できないかと考え始めたのだ。

ガリアでの学問は有意義だった、いや、むしろガリアに骨を埋める気すらあった。
だが自身の老いを感じたとき…ふと、自分がガーゴイルを学び始めたときのことを思い出したのだ。
そんな中、アルビオンがレコン・キスタの手に落ち、故郷の家族が皆戦死したという風の噂を耳にし……彼は悩んだ。
タルブ戦の時、居ても立っても居られなくなった彼は、飛び入りの義勇兵としてトリステインに味方すべくタルブ村へ向かい、そこでウェールズとアンリエッタのヘクサゴン・スペルを目の当たりにしたのだ。

それ以来、彼はアルビオン王党派の政権に加わりウェールズを補佐している。

エリックは、トリステインの宮殿から出て練兵場に向かった。
空を見上げると、遠くの空に巨大な雲が見える、おそらくアルビオンから流れ落ちる大量の水が、雲を形作っているのだろう。

416 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:26:35 ID:q/NsjKlc
「ガリアに骨を埋める気で居たのに、今になって、ここまで故郷に執着するとは……。私は結局アルビオンの人間なのだな」
自嘲気味に笑うと、彼は悠然と石畳の上を歩き出した。




舞台は移り、ハヴィランド宮殿。
古くは王と大臣が集まり、アルビオンという国の舵取りを行う場所であった。
アルビオンの首都ロンディニウムから見て南側に位置する、荘厳で巨大な宮殿は、形こそそのままであったが、回廊の両脇に掲げられた旗は今や神聖アルビオン共和国のものであった。
白一色に塗られた十六本の柱と壁面が、外から入り込む太陽の明かりを柔らかく反射させ、宮殿内を明るく保っている。
壁面や床はまるで鏡のように磨かれているが、反射する光はどれも眩しすぎず、暗くない、綿密な計算の元に作られた、アルビオンの誇る荘厳な空間であった。

ホールの中心には巨大な岩盤で作られた円卓がしつらえられており、それを囲むようにして神聖アルビオン共和国の閣僚、将軍たちが集まっていた。
彼らは、反乱によって…いや、”革命戦争”によって王政府から国を取り上げ、皇帝を祭り上げた。
かつては地方の一司教にすぎなかった男、ここに居る誰よりも、扉の前に控えた衛士よりも身分の低かった男の登場を、彼らは今か今かと待ちわびていた。

重厚なホールの扉が、二人の衛士によって音もなく開けられた、床に敷かれた緋毛氈を踏みしめるファサ、ファサというわずかな音がホールを支配する。
「神聖アルビオン共和国政府貴族議会議長、サー、オリヴァー…」
ホールに入ってきたのは、アルビオンの皇帝を名乗るクロムウェルであった、彼は掌を見せて、名前を呼ぶのを遮った。
「サ、サー?」
「無駄な慣習ははぶこうではないか。なに、ここに集まった諸君で、余のことを知らぬものはいないはずだろう」
クロムウェルの背後には、秘書のシェフィールドと、幾人かの旧アルビオン魔法衛士隊の面々が立ち並ぶ。
クロムウェルは上座へと座り、その背後にはシェフィールドが影のように寄り添った。
顔色の青白い幾人かの魔法衛士隊は、杖を胸の前に捧げるとホールから退場していく。

議長を兼ねる初代皇帝が席につく、歴戦の将軍と名高いホーキンス将軍が挙手をした、整えられた白髪と白髭、眉間に刻まれた深い皺が彼の厳しさを物語っている。
かつて司教だった男、クロムウェル皇帝に向かい、ホーキンスはきつい目を向けた。
クロムウェルが「うむ」と呟くと、ホーキンスは立ち上がって口を開いた。
「閣下にお尋ねしたい」
「なんなりと質問したまえ」

こうして、神聖アルビオン共和国の独裁的な会議が、始まりを告げた。




417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:26:37 ID:oqcuWfkn
支援

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:27:03 ID:kAfBQ9zU
仮面さんキター支援

419 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:27:25 ID:q/NsjKlc
「厳重ね……近づけそうにないわ」
『だろうなあ』
ハヴィランド宮殿から約400メイル離れた、二階建ての空き家に、喋る剣を携えた女が隠れていた。
「デルフ、偵察するのにいい案は無い?できれば変装するなりして乗り込みたいんだけど…」
『ディティクトマジックを使われたら厄介だぜ、一発でメイジだとバレちまう』
「そうよねえ」

デルフという呼び名から分かるとおり、剣の正体はデルフリンガー、女の正体はルイズであった。
しかし髪の毛は短く、乱雑に切られており、しっとりとして艶やかだった髪の毛は、膠混じりの強力な染料で紺色に染められている。
身長は手足に埋め込んだ骨により170cmほどまで延長され、体も華奢な少女とはとても思えぬ程筋張っており、色も浅黒く、一目では決してルイズとは分からない。
肌の色が浅黒くなっているのは、体内に埋め込んだ吸血馬の骨が原因であった、両手足と腰に埋め込んだ骨は、ルイズの体内で黒銀の毛を伸ばし、筋肉の強度を劇的に引き上げた。
何度かその感覚を確かめているうちに、毛を肌の表面近くに浮き上がらせることで、肌の色を変えられることに気がついたのだ。
今やルイズは、フェイス・チェンジを使いこなすスクエアのメイジよりも、変装が上手いだろうと自負していた。

ふたりは今、クロムウェルをはじめとする神聖アルビオン共和国の重鎮が集まるハヴィランド宮殿を眺めていた。
略奪が行われたのであろう、この空き家は、家具はそこらじゅうに散乱し食品類は一切残されていない、貴金属類も無ければ血痕も無かった。
おそらく疎開した後で、レコン・キスタによって略奪され荒らされたのであろう。
壁にはヒビも入っており、物置とおぼしき部屋は無惨にも崩れていた。
そんな、いつ崩れるかもしれない空き家の突き上げ窓をほんの少し開けて、ルイズとデルフリンガーは遠くに見えるハヴィランド宮殿を見つめていた。

「デルフ、読唇術ってできる?」
『…唇の動きまで読むのは酷だなあ』
「いいわ。クロムウェルは諦めましょう。戦力が分からない以上むやみに突撃も出来ないしね」
『諦めるのか?』
「そうよ?…何か言いたそうね、疑問があるなら言っていいわよ」
ルイズは背負っていたデルフリンガーを手に持ち、柄を眼前に持ってくると、肩をすくめた。
『いや、おめえ魔法を使わずに洗脳みたいなのやってたろ?髪の毛を頭に埋め込む奴、あれはやらねえのかなと思ってさ』
「……たぶん、無理よ。あれはそこまで強く洗脳できる訳じゃないの、ほんのちょっと私の言うことに逆らえなくなるだけよ。アンドバリの指輪がそれを上回る効果を持っていたら徒労に終わるどころか、私の正体を探られてしまうわ。 それに……」
『わかった、まあ無理すんな』
「ありがと。私ね、デルフの物わかりのいいところが好きよ。……ん?」

ルイズが宮殿の近くに何かを見つけ、眉間に皺を寄せた。
目をこらしてじっと窓の外を見つめていたが、デルフにはそれがなんなのか分からない、声をかけることもできず、小さな砂時計が落ちきるほどの時間が経過した。

「デルフ、ここから離れるわよ。汚水路も使うわ、汚れるけど我慢して」
『後で洗ってくれるなら文句は言わねーけど、どうしたんだよ?』
「気づかれたかもしれないわ。宮殿前の通りからこっちを見てた!」
『この距離でか?風龍でもいたのかよ』
「違うわ、メイジよ、あたしをみて笑ったわ!久しぶりにゾッとしたわよ!」

そう言うとルイズは、空に竜騎兵がいないかを確認した、空に何者も居ないとわかると、一辺2メイルはありそうな正方形の石蓋を片手で跳ね上げ、汚物の混じる汚水路の中に飛び込んだ。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:27:45 ID:vuRqmKvm
マスク・ド・シエン!

421 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:28:06 ID:q/NsjKlc
「ククッ…」
「隊長?どうしやしたか」
隊長と呼ばれた男は、馬上で唇を愉悦にゆがめた。
白髪を角刈りのように切りそろえているのと、深い顔の皺で、歳は四十ほどに見えたが、鍛え抜かれた筋肉と浅黒い肌は年齢を感じさせない。
マントを着けてはいるが、その内に着ている服は剣士のような皮当てを使い、動きやすいラフな出で立ちをしている。
腰から下げた金属製の杖は、まるで棍棒のようで、一目では彼がメイジであると分からぬほど殺伐とした気配を漂わせている。
額の真ん中から左目を通り、頬へと流れる火傷の痕も、その印象に一役買っているのだろう、先ほどから何人もの衛兵がこの男の姿を見ては、眉をひそめていた。。


「女か、死人のように体温の低い女だったか? ああ、それも剃刀みたいな奴だ…いい臭いがするんだろうな」
「…隊長?」
「なあ、吸血鬼と翼人を一度に焼いたことがあったな」
隊長と呼ばれた男は、楽しげに呟いた。
「は? …その件には携わっておりやせんです」
「そうか!あれはなかなかいい臭いだった、膿のようだ、汚くてどろどろとした肉が、脂と違う臭いがあって、陰湿でいい臭いだ」
「はあ…」
「今度のは違うぞ、剃刀のようだ、鉄のようだ、鋼のようだ!脂をしたためた処刑台のギロチンが焼けるようないい臭いがするぞ、きっとな!」

隊長と呼ばれた男は肉の焼ける臭いを楽しそうに語ると、はははと高笑いをした。
男は、笑みをたたえたまま、ハヴィランド宮殿へと歩いていった。

422 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:29:48 ID:q/NsjKlc
その頃、魔法学院では、シエスタが厨房の勝手口で跪いていた。
よく見るとシエスタの隣にはメイドが居て、シエスタはメイドの足に手を当てて何かをしている。
「まだ痛みは残るけど、ほとんどカサブタになっているから大丈夫。傷跡も目立たない程度には綺麗になると思うわ」
「ホント?シエスタ、ありがとう!」
「いいの。それより気をつけてね、これ以上火傷が酷かったら、私一人じゃとても治せないから」
「うん、それじゃ夕食の仕込みがあるから、またね」
「気をつけてね」
かつてシエスタの同僚だったメイドは、笑顔で手を振り、勝手口の中へと入っていった。
シエスタもその中に入りたい衝動に駆られたが…シュヴァリエを賜って以来、厨房ではシエスタは平民上がりの英雄のような扱いを受けている、それが一種の疎外感となってシエスタを戸惑わせた。
それでも、シエスタは魔法学院の厨房で働き始めた時のことを忘れられない。
子供の頃に怪我をして、片足を悪くしたシエスタは、見栄えが悪いと言われて人前には出させて貰えなかった。
しかし、同僚達はジャガイモの皮むきから鍋物の温度管理を徹底的に仕込んでくれた、それはとても厳しかったが、厳しかったからこそデザート類を任せられるまでに料理の腕を上達させることができたのだろう。

今日は、同僚だったメイドが、何かの拍子に熱い油を零してしまった、そのせいで足に掌ほどの火傷を作ってしまったが、話を聞いたシエスタが治癒のために駆けつけたのだ。
平民と貴族、その中間にあるシュヴァリエ、存外に不安定で、どっちつかずの不便な立ち位置なのだなと、シエスタは思った。


キュルケとタバサは、がらんとしてしまったアウストリの広場から、シエスタの様子を遠巻きに見ていた。
シエスタは、花壇の脇にあるベンチに二人の姿を見つけた、よく見るとキュルケが手を振って合図をしている、シエスタは小走りで二人の元に駆け寄った。
いつもなら生徒たちで賑わう休み時間なのだが、今アウストリの広場に居るのは女子生徒ばかりであった、騒ぎを起こす男子生徒も、それを遠巻きに見る男子生徒も、全くといっていいほど見かけられない。
暇をもてあました女子生徒たちは、それぞれグループで集まり、恋人や友人または家族が無事でやっているのかを噂しあっているようだった。

世論は、タルブ戦での勝利を期に、一気に戦争肯定に傾いていった。
また、虚無を騙るクロムウェルを裁くべく、アルビオンに攻め込むべしと、聖堂教会からも非公式の声が上がっている。
そんなわけで、魔法学院に勤める男の教師は、ミスタ・ギトーも含めてほとんどが出征、あるいはその準備に追われ、その数を著しく減らしていたのだった。
シエスタがキュルケの元に近づくと、キュルケはにこりと笑って呟いた。
「なあに、あのメイド怪我でもしてたの?」
「はい、火傷してしまったみたいです」
「火傷ねえ…それって男?」
「へ? ……ちちち違いますよ!もう、キュルケさんったらどうしてそんな方向に話を持って行くんですか!」
からかうようなキュルケの言葉に、シエスタが顔を真っ赤にして反論した。
それを見てキュルケがふふふと笑いだす、隣に座っていたタバサは一言「病気」と呟いたが、いつものことなので二人とも特に気にしていなかった。

「ねえシエスタ、あなたってモンモランシーと一緒に、この間の戦で治癒の功績を挙げたんでしょ?次はどうするの?」
キュルケは周囲を見渡して、両手を広げてシエスタに言った。
シエスタもキュルケと同じように周囲を見渡す、男子生徒のほとんど居ない魔法学院は、女生徒ばかりであった、男子生徒のほとんどが王軍へと志願したのである。
モンモランシーの恋人ギーシュ、そして臆病者と言われ皆から罵られたマリコルヌですら、志願したと言う。
彼らは今ごろ、トリステイン各地の錬兵場に分かれて、即席の士官教育を受けていることだろう。

そんな中、タルブ戦で功績を挙げたシエスタは、なぜか居残り組であった。
そもそもシュヴァリエを賜ったシエスタに何のアクションもないというのはおかしい、オールド・オスマンが手を回したのかもしれないが、とにかくシエスタは魔法学院で待機するようにと言いつけられているのだ。
「私は…今回、戦争には関わらないことになるみたいです。アルビオンとの戦争はいつ始まるか分からないと言われていますけど、すぐには始まらないだろうと、オールド・オスマンが仰っていました」
「でも、シュヴァリエ、持ってるんでしょ?それなら格付けの好きなトリステインが放っておかないでしょうに」
「うーん……すみません、分からないです」
シエスタは恥ずかしそうに顔を俯かせた。

423 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:30:42 ID:q/NsjKlc
タバサは二人のやりとりを聞いて、ヴァリエール家のことを思い出した。
シエスタはトリステインの公爵、ヴァリエール家からの依頼を受けている。
まだ父母が健在だった頃にも、何度か話を聞いたことのある大貴族であり、伝説的なメイジ”烈風カリン”もヴァリエール家の者だ。
だとしたら、シエスタとモンモランシーが治癒を施したという娘のために、治癒のメイジを前線に出させぬよう政治工作を行っているのではないだろうか。
そこまで考えてふと、母の姿を思い出した。
シエスタの波紋を受けてから、色あせていた母の髪の毛も、痩せこけた頬も、老人のような皺だらけの腕も、少しずつ以前の健康的な身体に近づいている。

(戦争に行って欲しくないのは…シエスタを危険な目に遭わせたくないのは、私も同じ……)

いつもならトリステインとアルビオンの戦争など他人事だと切り捨てていたタバサだが、今度ばかりはシエスタのために、戦争が激化しないことを祈っていた。

「そういえば」
シエスタの呟きで、タバサの意識が現実に引き戻される。
ふと横を見ると、タバサの隣に座るキュルケの、そのまた隣にシエスタが座っていた。
「キュルケさんは、戦争で何か…あるんですか? その、確かゲルマニアとトリステインは同盟を組んでいると聞いたので」
「もう、それよそれ!聞いてよ、私だって暴れようと思ったのに、女だからって却下されたのよ!”烈風カリン”だって女なのに、なんで私は蹴られたのかしら」
「え、ええと、やっぱりキュルケさんに怪我して欲しくないんじゃ…」
額に冷や汗を浮かばせながら、熱弁するキュルケをなだめようとしたが、どうやら逆効果だったようで、キュルケはシエスタに向き直ると肩をガシッと掴んだ。
「…実家にいるとね、お見合いお見合いお見合いお見合い、私の事なんてこれっっっっっっぽっちも考えちゃ居ないわよ。いい?本当の幸せはね、お膳立てされるものじゃないの、自分で手に入れるのよ?私の二つ名は”微熱”でしょ、焦がれる愛じゃなきゃ駄目なの」
悪戯をする子供のように、しかしどここか熱っぽく語るキュルケに、シエスタは思わず腰が引けてしまった。
ちらりとタバサの方に視線を向けると、タバサは本に視線を戻しつつ「病気」と呟くだけだった。


「つまんないわねえ」
キュルケがそう呟いて、ベンチに背を預けた。
自由になったシエスタは苦笑いを浮かべたが、内心では戦争がいつ起こるのか、どんな規模になるのかと疑問だらけになっていた。
そんな時、シエスタはふと視線を感じて本塔の方を向いた。
すると本塔の正門前に立っていたモンモランシーと視線が合った、だがすぐに視線をはずして、そのままモンモランシーは本塔の前を通り過ぎ、ヴェストリの広場へと歩いていってしまった。

「…?」
どうしたんだろう、と首をかしげたシエスタに、キュルケが耳打ちする。
「あれはたぶん、何かあったわね」
「そう…かもしれません。キュルケさん、私ちょっと行ってきます」
シエスタはそう言って立ち上がり、小走りでモンモランシーの後を追っていった、さりげなく足音と気配を消しているのに気づいて、タバサはまたもや呟いた。
「職業病」




「はあ…」
モンモランシーは、ヴェストリの広場を囲む外壁の上に腰掛けて、じっ…とトリスタニアの方角を見つめていた。
「バカ」
誰に言うわけでもなく、呟く。
「バカギーシュ…」
名前を口に出すと、途端に寂しさが襲いかかってくる。
体育座りのように足を抱いて、モンモランシーは寂しそうに目を細めた。

「モンモランシーさん」
ふと、後ろかえら声が聞こえてきた、振り向いてみたが誰もいない、もしやと思って下を見ると、そこにシエスタの顔があった。
シエスタは指先とつま先を壁に当てて、そこにハシゴでもあるかのように壁を上って近づいていたのだ。
モンモランシーは視線をトリスタニアの方角に戻すと、ふぅとため息をついた。
「あの、モンモランシーさん、どうかしたんですか?」
シエスタが隣に座りつつ、そう語りかける。
顔を上げたモンモランシーがシエスタを見つめた、じっ…とたっぷり一分は見つめていただろうか、今度は顔を俯かせてため息をついた。
「何でもないの。気にしないで」
「………そう、ですか」
シエスタは自分の胸元に手を置いて、かける言葉が見つからないのか、少したじろいでいた。
理由は分からないが、一人にしておいが方が良いのではないかと思い、シエスタは上ってきた壁を降りようとしたが、それをモンモランシーが呼び止めた。

424 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:31:12 ID:q/NsjKlc
「ねえ、シエスタ」
「はい?」
「タルブ村、戦場になったわよね。あのとき…報せを聞いたとき、どんな気持ちだった?」
一呼吸置いてシエスタが答える。
「…わかりません。考える前に身体が動いてましたから。後から考えると、怖かったんだと思います。たぶん」
「怖かった?怖いのに戦場に行こうとしたの?」
「はい」

小声だが、シエスタの口調には淀みがなかった。

「あっ」
不意にモンモランシーが声を上げた、目を見開き、口を半開きにしている。
「そっか…うん、怖いから、怖いからよね。そっか……」

モンモランシーの脳裏には、タルブ戦で重傷を負った兵士達の姿が浮かんでいた。
ギーシュが同じような目に遭うのではないか、最悪の場合、死んでしまうのではないか、もう二度と会えなくなってしまうのではないかと想像しているのだ。
「ギーシュの馬鹿、トリステインを守るって、そんなこと言って、志願しちゃったのよ。何よ、何よ……私を守るナイトになるって言ってくれたのに、私を置いていくなんて酷いじゃない」

「あら、『いなくなってせいせいするわ』ぐらい言うかと思ったのに、けっこう寂しがり屋じゃない」
いつのまにか近づいていたキュルケが、ふわりとモンモランシーの足下から顔を見せた。
どうやら『フライ』の魔法でわざわざ外壁の外側からモンモランシーの顔を見に来たらしい。
「ツェルプストーまで…もう、やめてよ。私をからかいに来たの?」
「あら、からかって欲しいって顔に書いてあるわよ?」
キュルケはモンモランシーの右隣に降りると、そこに腰掛けた。
「はあ……もう、いいわよ、なんかしんみりしてるのが馬鹿らしくなって来ちゃったわ。あのお調子ものってば、臆病なくせに無理しちゃって、あたしが寂しいって思ってるのに側にいないなんてひどいと思わない?」
キュルケはモンモランシーの肩を、ぽんぽんと叩いて言った。
「ま、始祖ブリミルの降臨祭までには帰ってくるわよ。親愛なるあなたのお国の女王陛下や、偉大なるわが国の皇帝陛下は、もし戦争をしても簡単な勝ち戦になるって言ってたじゃない」
キュルケは『親愛』と『偉大』に皮肉な調子を込めていた、ゲルマニア貴族は諸侯が利害損得で寄り集まってできた国なので、キュルケにも(ある程度は)自分さえよければいいという気風はあったのだ。
「そうだと、いいんだけどね」
モンモランシーは呟いて、また、ため息をついた。

「あの、モンモランシーさん。その…私だって、見知った人が怪我をするのは嫌です。でも、怪我をしたときのために私たちがいるんですから、だから、ええと、すぐに助けに行けるようにするとか」
シエスタが口を開くが、その内容が突拍子もないものだったので、モンモランシーは顔をしかめた。
「はい? 何言ってるのよ」
「ですから、ポーションを作ったりして、治癒のためにとか理由をつけて、ギーシュさんに付き添っていけば良いんじゃないかなーって…」
「………」
ぽかーんと口を開け、呆れた顔でシエスタを見つめるモンモランシー。
しかし彼女はきゅっと口を結ぶと、両手を眼前で強く握りしめた。
「そうよ! 私ちょっと実家に言ってくる!」
ものすごい勢いで立ち上がったかと思うと、モンモランシーはフライの呪文を唱え、一目散に寮塔へと飛び去っていった。


「…あれだけ熱中できるって、ちょっと羨ましいわね」
キュルケの呟きに、シエスタはどう答えて良いか分からず、とりあえず苦笑いを浮かべてみた。

425 :仮面のルイズ:2008/06/26(木) 01:31:50 ID:q/NsjKlc
さてモンモランシーが飛び去っていった後、シエスタ、キュルケ、タバサの三人はコルベールの研究室前までやってきていた。
火の塔のとなりにあるコルベールの研究室では、タルブ村で見た『龍の羽衣』の素材を再現すべく、様々な合金のサンプルが並べられていた。
立て付けの悪い扉は、事故でもあったのか粉々になっており、蝶番に木片がかろうじて残っているのみだった。
カーテンがかけられた入り口からちらりとのぞき込むと、コルベールは精密な天秤を使い、金属類の比重を確かめているようだった。

「おお?ミス・シエスタにミス・ツェルプストー、それにミス・タバサも」
気配で察したのか、コルベールが振り向いて三人の姿を確認した。
振り向いて声をかけたコルベールの笑顔が、キュルケを少し不機嫌にさせた。
男の教師はほとんど出征したというのに、コルベールは相変わらず研究に没頭している、戦争にはまったく興味なさそうで、それがまたキュルケには気に入らない。
「お忙しそうですわね」
 キュルケは、そんなコルベールにイヤミの混じった声で言ったが、それに対してコルベールは「ん?」と笑うだけだった。
「おお、そういえば……また新しい道具を思いついたんだ、明日試作品の材料がそろうから、ミス・シエスタに意見を聞きたいのだが…どうかね、二人も見てみないか?”火”は破壊ばかりではないと分かって…」

キュルケは不快感を顔に浮かべて、コルベールの言葉を遮った。
「ミスタ。あなたは王軍に志願なさいませんでしたのね」
「ん? ああ……。戦は嫌いでね」
コルベールはキュルケから顔をそむけると、恥ずかしそうに頭を掻いた。
キュルケは表情に軽蔑の色を浮かべて、ふんと鼻を鳴らした。
どの系統よりも戦いに向いた火の系統でありながら、炎蛇という大層な二つ名を持ちながらも、この教師は戦いが嫌いだというのだ。
「同じ”火”の使い手として、恥ずかしいですわ」
キュルケがそう言い放つと、コルベールは口をきゅっと結んでしばらく顔を伏せていたが、ふと顔を上げてキュルケを見た。
「火の見せ場は戦いだけではないよ、いいかね、火は……」
「聞き飽きましたわ、ミスタのお言葉は、臆病者のたわごとにしか聞こえませんわ」
キュルケはぷいっと顔をそらし、シエスタとタバサを促して歩き去っていく。

「あっ、あの…ええと、すみません」
シエスタが謝ろうとするが、コルベールは「いいんだ」と言って、早くキュルケの後を追うように促した。
コルベールは立ち去っていく三人の背を見守りながら、寂しそうに…辛そうにため息を漏らした。



「………」
「………」
「………」
シエスタはキュルケの後を追いながら、ちらりとコルベールの研究室に振り向いた。
「やめときなさい、臆病者の話を聞いたってろくな事にはならないわよ」
不機嫌さを隠そうともせずキュルケが言い放つ。
「そうでしょうか…」
「なに?」
火の系統を馬鹿にされたと思っているのか、それともただ不機嫌なだけなのか、キュルケがいつになく強い口調でシエスタに聞き返した。
しかしシエスタはそれに怯むことなく、決して大きな声ではないが、よく通る覚悟を決めた声で、こう呟いた。

「私、波紋で吸血鬼と戦うために、ミスタ・コルベール、ミスタ・ギトー、ミス・ロングビル、オールド・オスマン……
他にも何人かの先生に協力をいただいています。
その中で、コルベール先生だけが違うんです。
……あの先生だけです。『肺を焼け』とか、『効率が良い』とか『これなら一度に何体殲滅できる』とか。
あの先生だけなんです。効率よく殺す方法を、真剣に考えているのは」

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:32:16 ID:et+xK2Wu
ヤイルカーメン! 支援

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:37:59 ID:vuRqmKvm
シエン!

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:40:49 ID:vuRqmKvm
規制か?
コッパゲの思考が怖すぎ支援

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:44:10 ID:jazFBj+c
あんまりギトーは役に立たないんじゃねと思っちまった支援

430 :代理投下:2008/06/26(木) 01:44:32 ID:vuRqmKvm
夜。
アルビオンの首都ロンディニウムでは、いくつかの酒場に傭兵達の姿があった。
その多くは野党や人さらいで、戦争がある時だけ傭兵となり、軍の名を借りて好き勝手な騒ぎをやらかすのだ。

以前は、こうではなかった。
旧アルビオンの国王ジェームス一世は、自分と他人に厳しい、威厳が服を着て歩いているような国王であった。
その分反発も多かったが、間違いなく今よりも治安は良かったのだ。
市民達は自らの安全のために、家や店を厳重に閉じた、そして街道や路地から聞こえてくる罵声に怯え、ただひたすらに朝が来るのを待っていた。

「あら坊や、こんな所を歩いていたら、身ぐるみを剥がされるわよ」
「……はぁ」
一人の娼婦が、酒場の裏手を歩いていた細身の剣士に声をかけた。
腰に長さ80サントほどの剣を下げ、フードを被った剣士は、ハァとため息をついた。
「どう、この通りは即席の娼館街だけど、その分部屋は広いわ、ねえ助けると思って上がっておくれよ、よくしてあげるからさぁ」
剣士に声をかけた娼婦は、茶褐色の髪の毛を後ろで纏め、ポニーテールにしていた。
化粧が濃くて年齢がわかりにくいが、手の甲に浮いた皺の具合からして、25といったところだろう。
頬の骨が少し張っており、笑みを浮かべると、彫りの深い顔にくっきりとした陰影が浮かぶ。
そんな女が、一軒家の扉の前に立って、肌の透けるワンピースのような(ベビードールとか言うらしい)服を着て、剣士を招いている。

「あのね、わたしは…」
うんざりとした口調で剣士が何かを言おうとしたが、突然街道の方から聞こえてきた怒声に遮られてしまった。

「あの野郎どこに行きやがった!」
「クソガキが!おい、おまえはあっちを探せ!」
「ぶっ殺してやる!」

怒声の正体は、酒場で暴れていたごろつきであった、なぜか顔には青タンやたんこぶが出来ている、どうやら誰かにぶちのめされ、その報復に走り回っているらしい。

「げっ…」
あから様に嫌そうな顔をする剣士に、娼婦が言った。
「匿ってあげるわよ」
にこりと笑う娼婦、それを見た剣士はため息をつきつつも、素早く娼婦を抱きしめて建物中に入っていってしまった。
「きゃっ、細身なのに逞しいのね。ねえ剣士さん、私のことはアネリって呼んでね。貴方のお名前は?」
「……ロイズよ」
「え?女みたいな名前ね…あら?……もしかして、あんた、まさか、女!?」
「匿ってくれるって言ったのはそっちじゃない、ちゃんとお金は払うわよ、ああもう…何度目かしら」
ロイズと名乗った女は、娼婦をお姫様だっこの形で抱きしめたまま、何度男に間違えられたのかを思い出して……深く、ふかーくため息をついた。



ルイズが娼婦の元に匿われた頃、ロンディニウムに繋がる街道脇の森で、一人の男が何かを探していた。
『こっちだ、こっち』
男は突然聞こえてきた声に、眉をひそめたが、すぐに声の主に思い当たって安堵のため息を吐いた。
手に持った短剣状の杖に意識を傾け、短く何かを唱えると、木の上にぶら下がっていた剣が、鞘に収められた状態でゆっくりと降りてきた。
『いやあ困ったぜ、俺は目立つから駄目だとか言われちまったよ』
「まあ、おまえの形状は目立つからな。ルイズは?」
『昼間見かけた、気になる連中を調べて、今頃酒場に潜り込んでるぜ。あの嬢ちゃんが震えるなんてデルフ驚いちゃったねえ』
「…ルイズが、震える?」
『ああ、顔に火傷のある、白髪の男で、鍛えられた体格をしてる、年の頃は四十頃と言ってたぜ』
「…………そいつは、もしかして傭兵か?」
『かもしれね、嬢ちゃんはいまそれを調べてんだ』
「そうか…とりあえず、フーケと合流するぞ、すぐに移動する」
『あいよ』
「火傷の跡か…まさか、いや、まさか白炎では…だとしたら…」

ワルドの呟きは、一抹の不安を残して、闇夜へと消えていった。


To Be Contined →

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:55:06 ID:vuRqmKvm
代理投下したッ!

そして仮面GJ!
コッパゲ先生が地味に怖い
そしてルイズに天敵出現か?
次回もwktk待ってるぜ!

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:56:14 ID:+UGubzpQ
仮面待ってたよー、GJ!

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:58:31 ID:s8UmdkeL
この日をずっと待ち続けていました。
仮面さんに大きな乙!を

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:05:23 ID:q9rFk+U4
仮面きたーーーーーーーーーー

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:22:51 ID:TONGueJl
仮面待ってましたーーー!

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:32:26 ID:LK4GmBCt
仮面も隠者も面白すぎて困る。GJ!

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 03:10:54 ID:85WmqSYS
ンッンー、今日は気分がいいーッ
久しぶりの仮面のルイズ、堪能したッ!!

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 03:15:58 ID:ba4WZGIN
投下乙……続き待ってます……仮面の人……

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 08:50:44 ID:h+iibEvd
うおおおおお!!
仮面がきたー!
仮面が来るまでは部屋では全裸で生活すると誓って2週間
願いがかなったぞー!

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 11:20:05 ID:gj7wF+gV
仮面!仮面!仮面!!

GJ

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:25:17 ID:7wpz+SUe
全裸祈願って本当に効くんだな
読者が自己完結しているところが良いな
おれも今日から参加しようかな

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:53:58 ID:WR1rjsZz
仮面の人と全裸祈願のつわものにGJ


443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 16:59:29 ID:7wpz+SUe
死して屍拾う者無しというか、裸(ら)して洋服着せる者無しって感じか

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 17:00:08 ID:HdSf4Rxb
マジェントは死んだぜ…
だがこれからSSで活躍するぜ…
多分…

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 18:42:01 ID:9g55SSL2
ネタバレすんなよ…
全ての単個本派に謝れ

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:40:32 ID:aefqYp1Z
>>444
勝 手 に 殺 す な

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 20:09:15 ID:RCLvC5ii
>>446
確かに死んではいないよな

カーズ様状態になったけれど

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 20:41:48 ID:UXoI8K+S
>>444
>>447
お前ら磔刑な

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 20:47:20 ID:uwjXyghi
ドミネ・クオ

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 21:11:12 ID:CYETDG8r
ヴァディス?

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 22:59:36 ID:0uYfCLiU
ディアボロの大冒険の続き読みてぇ・・・

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 05:14:01 ID:AZ0iRmXB
とりあえずウルジャン読んでないからネタバレは真面目に勘弁して欲しいんだぜ

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 17:53:57 ID:jR3KsBHI
ネタスレで何言ってんだコイツ?

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 18:36:58 ID:G52oyXhk
キラークイーンはすでに>>444に触れている!!

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 19:21:33 ID:5CrE1gXn
久々にのぞきに来た俺に最近(ここ半年くらい)の大きな出来事を3行で教えてくれ!!

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 19:23:31 ID:YhexCWUe
ミノタエロスが
魔法学院で
フヒヒwwww

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 19:23:48 ID:Fln4PUWd
改定萌え白蛇
隠者のルイズが孫可愛い
ARAKIの伊豆の踊り子

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 19:36:14 ID:5CrE1gXn
ミノタウロスのエロはどの作品だッ!!!

そして伊豆の踊子フイたwwwwwww

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:30:14 ID:Eo2Wqwde
ヒントつポルジョル

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:32:10 ID:YTrJJnm6
>>458
パッショーネinハルケギニア
ジョルノにフラグ乱立
変態ジャン×3

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 21:08:17 ID:5CrE1gXn
>>459-460
thx.いまから読んでくるぜ。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:19:21 ID:lmHOwL3N
>>455
仮面復活!!
スネイク復活!
伊豆の踊り子!

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:40:58 ID:oQXajAOI
>>455
改訂スネイク黒萌え
避難所の新作のイザベラ様萌え
画像投下スレに最近投下された二枚のギアッチョ&ルイズ絵激萌え

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:56:13 ID:JLXhEbwW
スレ違いかもしれないが言いたい。伊豆の踊り子、購入した。で、現物を見た感想は……普通にこれでいけるんじゃないかと思ってしまった。
内容とは確かにかけ離れているよ。原作の季節は秋なのに桜が散ってるよ。けど美しいよ。原作の哀しさと対照的だけど、これでいいと素直に思った。

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:58:24 ID:HJLnJ7ME
そういや桜祭り用の絵だったか

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:34:31 ID:hufKLL8C
>>456ー463
ここ半年というより、ここ半月くらいに起きた出来事だな。
結構色々な動きがあったもんだww

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:58:19 ID:La6ivqg8
半年ならホルホルは入れたい
3つじゃたらんちゅら

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:42:57 ID:KO0ANyBK
白蛇改訂版かわゆすwwwwww

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 05:53:15 ID:IhpzUgbB
>>468
いつも通り邪悪な上に態度悪いのにな
何で萌えるんだろうか

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:40:30 ID:AbLsac2y
ポルジョルマダー?

とか考えてると車椅子ポルでなんかSSを書きたくなってきた。
でも車椅子だとアルビオンどうすんだよ、という話になるんだよなあ…

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:42:50 ID:s69KgKc3
>>469
純真で礼儀正しい白蛇にきゅんとくることはないだろう?
つまり、そういうことだ。

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:57:55 ID:5n0W3Xlo
蛇「他人ノ才能ヲ奪ウナンテモッテノ他ダッ!
  オ前ニハ『力』ガアルハズダッ!『成長』シロ!ルイズ」


……


ル「…う〜ん…ハッ…夢…?…ッ! こ、これはッ?!
  部屋がッ!溶けているッ!? 何でッ?」

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:43:53 ID:AlNc8Pmi
サ「やっと…起きたか……ルイズ、やれやれだぜ…」

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:24:19 ID:SxFQ+3Sr
最近最新刊読んだが、タイガー戦車の主砲で総講抜けちゃうのかよあのデカゴーレム
案外大したこと無いな

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:33:17 ID:BQ6DNLlJ
無茶言うなよw
8.8cm kwk36 L56のAPCBCは、射距離2000mで厚さ100mm程度の金属壁をブチ抜くというのに…

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:35:04 ID:SxFQ+3Sr
それって数値的にはジョジョ吸血鬼程度のパワーで打ち抜けるって事だぞ
柱の男達には問題にならん装甲板だ
そう考えると大したこと無いだろ?

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:45:44 ID:60rgQEOR
いや距離を見ようよ…

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:47:14 ID:3N471krA
            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\   
         //')  u    に二) (ヽ  最近俺の出番が少ねえ…
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  >>1凸のときも何処かの奴に出番取られてるし…
         i!   ● / /● uヾヽヽ,!  ところで>>1凸でいいんだよな?うぐぐ……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:52:00 ID:aIIs2e/y
>>475
90式の主砲なら至近距離なら1000_の鉄板ぶち抜くんだから案外大したこと無いさ

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:12:28 ID:SxFQ+3Sr
現行戦車と比べちゃダメだろwwそれこそ比較にならんwww

まあ、俺がいいたいのはタイガーに予測射撃される二足歩行ってどうよ?
せめて遠距離の主砲一撃ぐらい耐えろよ、デカ物なんだから

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:18:25 ID:hFFAKAob
大型二足歩行兵器なんて、狙ってくださいと言わんばかりだからな。
もうゴーレムをほふく前進させるしかないな

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:20:34 ID:kKSEpR0g
>>480
パッと思うだけでも
ジャンプしたり飛び込み前転とかの変則な動きをしない限り

あの全高の高さは良い目標でしかないと思うけどな

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:24:24 ID:YXcGmbXs
>>481
ヴァンツァーみたいに足裏にローラー付いてて、
それですり足移動できるとかじゃないと砲撃避けれないでお陀仏だからな

なんにしろ、比較対象が50メートル級土製ゴーレムだったのが最大の問題だろう
あれと比べりゃあヨルムンはどんだけだって有能だ

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 06:14:43 ID:ZwPqF3J8
まあ、ATぐらいなら現行戦車と対抗できそうだな。
ローラーで高速移動できるし、何よりもコスト差が違いすぎる。
それこそ歩兵みたいに人海戦術で蹂躙できるし。
後はネクストだと戦車を逆にレイプできるな。
QBの異常な軌道にPAで当たっても大したダメージじゃないとか鬼畜すぎる。

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 11:01:05 ID:Gi9Lz0lF
ここは最低野郎が多いスレですね、いや俺もなんだがw
まあ姉妹スレで話した方がいい内容だな

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:03:59 ID:qhtEvJ7y
まー反射の想定される火力の問題だろうな
最初から戦車の主砲に耐えるのを目的とするなら次回からは盾でも標準搭載されてる気がするw
反射を協力にすればするほど生産効率が落ちるっぽい事書いてたし
あの威力をまともに受けるのは想定外だったんだろうなー
装甲って概念が無い世界で、ほぼ最初に装甲を持ったヨルムンに
対装甲技術が進歩しまくった砲弾使ってるんだものw

ヤられまくってるところは、歩兵相手に無敵を誇ったチハたんが、戦車に蹂躙されるシーンに見えたw

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:24:54 ID:ZwPqF3J8
おっとそれ以上チハたんの悪口を言うなよ
あれでも、戦車の世界水準を向上させたんだぜ。
なんたって世界初の無線を搭載した戦車なんだ。

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:26:21 ID:jU5P6p8N
あれ、ここどこだ?

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:30:25 ID:BiftxobG
>>486
戦車砲食らったときには反射は消えてなかったか?
ルイズの虚無+サイトの戦車>ヨルムンガルド>虚無or戦車単体
って感じで戦力バランスは取れてるんだと思ったけど
俺勘違いしてる?

いや、反射なしでもヨルムンには戦車砲一発くらいは耐えて欲しかったんだけどね!

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:03:14 ID:htTi1qIn
あの場面で真に恐るべきは
距離2000mで初撃から効力射を撃たせることができるガンダの能力

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:09:54 ID:qhtEvJ7y
確かにそーだな、あんなん現実の軍人が見たら魔法と勘違いするw
いや、一応魔法ではあるがw

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:03:41 ID:a8R1jM96
誰かしぇっこさんの相手もしてあげて下さい

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:15:18 ID:C4x7PauX
ゼロ魔を軍事的にスレがいつのまにアニキャラ総合に来てたのか

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:18:52 ID:1pTVZUwT
ハルケギニアの空にフランカーが舞う

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:23:36 ID:htTi1qIn
空飛びたいだけ飛行機乗りにとっちゃ、ハルケの空は楽園みたいなもんだと思う
領空の概念も大してないし、フライト・プラン提出しなくていいし、ライセンスも必要ないし
防空網もないし、人がいないとこばっかだから騒音も気にかけなくていい

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:49:07 ID:EB986143
さっぱり分からん俺に誰か教えてくれ

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:03:41 ID:aIIs2e/y
>>496
ドイツの戦車はすごいぜ!

現在の戦車もっとすごいぜ!

いや、すごいのはサイトのおかげだYO!

槍は最強の武器?ジョジョでドイツならシュトロハイムだろ?

って流れ


498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:07:58 ID:qhtEvJ7y
つまりシュトロハイムの人マダー? と言うことか?
こっそり楽しみにしてます、催促してすみません

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:46:52 ID:5QGtyLM8
ところで、原作ゼロ魔はルイズとサイトのラブコメなわけだが、
呼び出されたスタンド使いやスタンドと、
ゼロ魔キャラがまともに恋愛関係(片思い除く)になった作品って、
星屑さんの丞り×ルイズ(本編)だけ?

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:00:24 ID:EB986143
>>497
つまり原作で戦車が出てきたわけか
もう何でもありだな
そのうち拳銃やらミニガンとか出てきそうだ

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:05:27 ID:qhtEvJ7y
>>500
いや、戦車自体は前巻からすでに出てるってw
原作ちゃんとよめー 自動小銃使われても今なら割と違和感ないから

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:17:09 ID:EB986143
>>501
原作は読んでないしアニメも見てないんだ・・・
すまなかったねオービー君

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:22:06 ID:C4x7PauX
原作もアニメも両方見ないで楽しめるのかここ

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:36:31 ID:mrZTwQK6
両方見てないけど流れは覚えたぜ

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:38:00 ID:kdQErKAs
原作なんて飾りです。


俺はコミックも買ってるけどね。

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:40:53 ID:fdggEolQ
>>499
ナランチャとラブい関係になってたのがあったような

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:02:52 ID:p70sU+OF
>>503
なんでか知らんが割りと楽しめてる
SSとお前らの口振りで大体の内容は分かるし

ゼロ魔って案外スタンダードな展開だからな

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:07:05 ID:Sc2RgSb/
アヌビス神とデルフがらぶr
ごめん嘘付いた

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:07:53 ID:UlgmWuYd
>>502
ダービーだッ!!!

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:14:19 ID:L/b8+quD
アンリエッタ康一はマダー

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:30:21 ID:a+tWp0iv
>>510
素数を数えて待ってみようぜ

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:50:10 ID:SGJ/1fFQ
全裸になって待つんだ

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 02:36:40 ID:NWd7XiPy
>>512
グッド

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 02:43:06 ID:4iObYq70
暖かくなったとはいえ、ち○こが風邪を引くぜ、紳士ならネクタイを締めるのを忘れちゃあ駄目だぜ。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 03:16:02 ID:iSrCZU6h
SSの投下が無くて寂しいな……
俺も復帰するか……

展開の行き詰まりと、マンネリ打破のため
どの程度ゼロ魔のキャラぶっ壊しても良いのかな
才人がSAITOになっても構わないのか?

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 03:25:03 ID:bmVjn/cC
>>514
おいおい、大事なことを忘れてるぜ?
冷えるのは足先からだ。靴下もはかなくっちゃあな。

>>515
基本的なものが変わらなきゃいいんじゃあないか?
大事なのは話の中で意味のあるぶっ壊れ方かそうでないかだと思うんだぜ。
あとは愛だけで補える。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 03:41:00 ID:L/b8+quD
>>511
すまない、続きが読めなくてイライラしていたんだ
コーヒーを飲んで落ち着くぜ

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 06:17:04 ID:hlA1i/+h
アンリ+康一、ルイズや才人は出演しないんかなーーー?
物語が原作のどの時点なんかわからんが
才人じゃなくてガンダ由花子でもええわ
ルイズとどう考えてもそりが合わなそうだが

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 11:56:10 ID:vlHFJ+2P
流石に彼女が出てきたら康一君の心労が一気に増すので勘弁してやってくださいw
ルイズの使い魔がJOJOキャラなら、康一とは面識がないけど話には聞いたことがあるんじゃないか
というようなキャラがいいな(第三部の登場キャラや重ちーやブチャチームやジョリーンとか)

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 12:48:51 ID:pWWwygiP
アンリエッタ+康一は未だかっ

とっくに全裸で素数も三桁突入だヽ(`Д´)ノ

と思ったら三桁程大したことないな…

ttp://members.just-size.net/prime/

世の中広すぎるぜ……

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 17:44:43 ID:K3T19yxZ
まとめ見ようとしたらページが妙にずれてた、
ttp://www2.uploda.org/uporg1517148.jpg

なんだこれ?

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 17:52:06 ID:jGSRYLnY
>>521
なんだ君もか
ルナスケライトから普通のルナスケに変えた直後のタイミングだったから
ライトに戻そうかと思ったぜ

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 18:37:20 ID:LVeGyV3A
>>521-522
自分もだ。普通に見れたときからPCは特に何も弄っていないから、サイト側で何かトラブったのかな? 編集か何かのミスかな?

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 18:41:19 ID:bsxXSRgu
俺は普通に見れるな

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 19:24:53 ID:XXv/sujV
>>521-523
自分だけじゃなかったか。今日見たらいきなりずれててビビッたよ。
これ直るのかね?

526 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:10:14 ID:tBYNdvpz
他に作者さんがいないなら今すぐに始めさせてもらいます
覚悟はいいか? オレはできてる


527 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:11:37 ID:tBYNdvpz
7話

「……それで、生徒たちはどうじゃね?」
「既に眠りの鐘の効果は解けています。ただ……」
「ただ?」
「ギーシュ・ド・グラモンが昏睡状態です」
「……そうかね」

ロングビルの報告を受けたオスマンはそれだけ言って、深いため息をついた。
その横にいるコルベールもいつになくこわばった表情をしている。

『間違っていたと分かった時には全てが手遅れでしょう』
コルベールが言っていた言葉だ。
まさにその通りだった。
ギーシュはあの亜人の手にかかり、未だ意識不明の状態。
幸い怪我などはないようだが、あったとしてもこの状態の前では全てが小事だったろう。

「それとオールド・オスマン。『眠りの鐘』を使用したのは誰か、と教師たちが騒いでおりますが……」
「いたずらネズミが宝物庫の中で鐘をひっくり返しでもしたんじゃろ。
 気にせんように言っておきなさい」
「かしこまりました」
「ああ、それとミス・ロングビル」
「何でしょう?」
「ミス・ヴァリエールを呼んできてくれるかね?」
「かしこまりました」

ロングビルが学院長室を出ていくのを見届けて、オスマンは再度口を開いた。

528 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:14:20 ID:tBYNdvpz
「コルベール君。あの亜人は……『ガンダールヴ』だと思うかね?」
「どうでしょう。まだ力を隠しているようですし」
「と、言うと?」
「私から言い出しておいてこんな事を言うのもなんですが、『あれ』は武器を使っていません。
 ガンダールヴはあらゆる武器を駆使して戦い、1000人の軍隊を一人で壊滅させたそうですが、
 『あれ』は自分の肉体と技術だけで、7体のゴーレムを制圧しました。
 とはいえ技術だけでは到底1000人を相手にするのは不可能です。ゆえに……」
「自分が満足する程度のレベルで戦ったと、そういうことかね?」

オスマンがコルベールの言葉を引き継いだ。

「恐らくは」

それにコルベールは短く答える。

「ふうむ……」

オスマンは指を組んでため息をつく。

「コルベール君。軍隊が『壊滅する』とはどういうことを言うのかね?」
「軍隊の戦力としての無力化、および組織としての無力化がそれに当たりますが……まさか!」
「そうじゃ、コルベール君」

オスマンが重々しい口調で言う。

「軍隊は武力だけで壊滅するとは限らん。欺き、騙し、脅すことでも壊滅するのじゃよ」

529 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:17:45 ID:tBYNdvpz
そして、そのルイズの部屋では。

「ねえ、ホワイトスネイク……」

ベッドに腰掛けたルイズが遠慮のかかった声でホワイトスネイクに声をかける。
だがホワイトスネイクは返事をしない。
椅子に座ってギーシュから奪ったDISCを頭に差し、さっきからずっとその中身を見ているのだ。

「……あんた、一体何したの?」

再度ルイズが問いかける。
しかしホワイトスネイクは答えない。

「……へ、返事ぐらいしたって」
「スゴク『イイ』」
「……は?」
「私ガ全ク知ラナイ世界ノ記憶……スゴク『イイ』ナ。
 タッタ一人ノ記憶ナノニ、ソコカラ多クノコトガ読ミ取レル……多クノコトヲ学ベル……スゴク『イイ』感ジダ」
「あんた……何言って……」
「コレマデ私ガ見テキタ記憶ハ必ズシモ何処カデ他ノ世界ト明確ナ繋ガリガアッタ。
 シカシコノ記憶ニハソレガナイ。……ソレガスゴク『イイ』ンダ」

熱に浮かされたような口調で淡々と言うホワイトスネイク。
ルイズの言葉が届いているとは、どうにも考えにくかった。

「……オット、ココデ終ワリカ。100万倍速ダッタガ見タコトニハ変ワリハナイ……コレデヒトマズハ安心デキルナ」

ホワイトスネイクはそう言って頭からDISCを抜き取り、またそれを腕に差し込んで収納した。

530 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:21:04 ID:tBYNdvpz
「……あんた、ギーシュに何したの?」

またルイズが聞く。

「『記憶』ヲ奪ッタノダ」

心底面倒臭そうにホワイトスネイクが答える。

「『記憶』を奪う……って……」

ルイズの脳裏にある言葉が思い出される。

『オ前ガソノ半年ノ間ニ私ニ認メサセルダケノ者ニナッタナラ、オ前ノ勝チダ。
 ダガナレナカッタナラ……オ前ノ記憶ヲ貰ッテイクゾ』

『オ前ノ記憶ヲ貰ッテイクゾ』

『記憶』

「……ああっ!!」

思わず立ち上がるルイズ。

「思イ出シタヨーダナ」
「あんた、わたしにあんなことをする気で……」
「ソウナッタノハタッタ一ツノシンプルナ理由ノタメダ」
「何よ!?」
「オ前ハ私ヲ怒ラセタ」

531 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:24:36 ID:tBYNdvpz
あまりにもシンプルで、しかし重い言葉だった。
ルイズが何か言い返すには、重すぎた。

「……わたし、あんたが怖いわ」

ぽつりとルイズが呟いた。

「ギーシュがね、まだ目を覚まさないみたいなの。
 確かにギーシュはやり過ぎたわよ。ワルキューレを全部出して、その上あんなに武装させて……。
 でも、別にここまでしなくたって」
「ソンナノジャアナイ」
「どういうこと?」
「私ハ決闘スルト決マッタ時カラ、アノ小僧ノ記憶ヲ奪ウツモリダッタ」
「じゃ、じゃあ最初にギーシュにいちゃもんつけられたときから怒ってたってこと?」
「ソレモ違ウ。決闘ハタダノキッカケダ。
 決闘ガ起キナカッタトシテモ……私ハ他ノ誰カカラ記憶ヲ奪ッテイタサ」
「な、なによそれ……。っていうか、あんた、知ってるんじゃないの?
 記憶を奪ったら、どうなるかって!」
「記憶ヲ奪ワレタ者ハ生キル目的ヲ失ウ。
 ソレト並行シテ全身ノ筋肉ハアットイウ間ニ衰エ……ソシテ死ニ至ル」

こともなげにホワイトスネイクは言ってのけた。

「そ、そんな……じゃあギーシュは!」
「ソノウチ死ヌ。コノ世界ゴ自慢ノ魔法ガイツマデ持タセラレルカハ分カランガ、1週間持テバイイ方ダローナ」

そう語るホワイトスネイクの口調には、何の深刻さもなかった。
「明日は雨が降るだろうな」とか言うのと同じぐらいに軽かった。
そのことに、ルイズはゾッとした。

532 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:28:14 ID:tBYNdvpz
「あ、あんた、一体何やってるのよ……早く、返さなきゃ!
 ギーシュの記憶、まだあんたが持ってるんでしょ!」
「……」
「なにボケっとしてんのよ! 早く行くのよ! 行かないと……」
「ドーモ、オ前ハ勘違イシテルラシイナ……」
「……え?」
「オ前……私ノコトヲ『実はいいやつだ』トカ思ッテナイカ?
 アルイハ『本当は話の分かるやつだ』 トカ思ッテナイカ?」
「ど、どういうことよ!」
「オ前ハ甘ッチョロインダヨ、ルイズ」
「なっ……」

うろたえるルイズを前にホワイトスネイクは立ち上がり、さらに言う。

「私ガ何ヲシタト思ッテイル? 『記憶』ヲ奪ッタノダ。
 奪エバドーナルノカ、全部承知ノ上デヤッタンダ。
 ツイデニ魔法ノ才能ダッテ奪ッテヤッタ」
「さ、才能!? それって、あんたが今朝言ってた……」
「ソウダ、アノ小僧ノ魔法ノ才能ダ。
 コレハオ前ノ頭ニ差シ込メバ、今日カラオ前モ『立派なメイジ』ダナ。
 アンナチンケナ人形ヲ7ツ作レルダケデモ、『ゼロ』ニ比ベレバズット立派ダローナ」
「あんた、何てことを……」

ルイズは絶句した。

「『何てこと』? 今『何てこと』ト言ッタカ?
 甘イナ、ルイズ。ヤハリ甘スギル。
 『この程度』ノコトデ『何てこと』ダト?
 私ガコレヲ何回ヤッテキタト思ッテイル?
 私ガコレヲ何年続ケテキタト思ッテイル?
 私ガ一体、何人殺シテキタト思ッテイル?
 言ッテミロ、ルイズ!」
「あ、あんたは……あんたは……」
「……ヤハリ、コノ程度カ。ナラバ……」

ホワイトスネイクはそう言うと、おもむろに自分の腕から一枚のDISCを抜き取った。
そして――

「オ前ガ、自分デ見テクルンダナ」

それを、ルイズの額に差し込んだ。
その瞬間ルイズの視界は真っ暗になり、そして――光に包まれた。

533 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:32:25 ID:tBYNdvpz
目を開けたルイズが見たのは、見たことも無い光景だった。

どうやらどこかの室内らしい。
壁は石造りのようで、滑らかで灰色。
天井にはルイズが見たことも無いような、光を放つランプに似た道具。
でもその輝きはランプの火とは違う。
ランプよりもっと強い輝きを放っていて、それでいて無機質な光だ。
そして壁には――血まみれになった男が一人、荒い息で壁に背を預けて床に座っていた。
深い傷を負っているらしくぐったりとしている。
男の数メイル先には、なにやら金属で出来ているような、黒光りする道具が転がっている。
そのあまりにも奇妙な光景にルイズは言葉を失い、ただ目を見開いてそれを見るばかりだった。

そうしてこの光景に目を奪われていると、男が何かを喋り始めた。
誰かに話しかけているようだ。
だがどこかノイズがかかっているようで、何を言っているのかはよく聞こえない。

「やっ……たな……。……を止め……るスタ…………いに! 手に入れ……。
 そして………は死んだ。弾が………ブチ込んで……よ」

しかしそれに答える声は、あまりにも鮮明で、あまりにも聞き覚えがありすぎた。
そしてその声がするほうを見て、ルイズは絶句した。

「アア……目的ハ全テ手ニ入レタ」

声の主は、ホワイトスネイクだった。

534 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:35:56 ID:tBYNdvpz
(え……? ちょ、これって……ど、どういうこと?
 何でホワイトスネイクが?
 それにそもそもこの場所は一体何なの?
 この血まみれの男は一体何なの?)

そう自問して、ルイズはあることに気づく。

(あいつ……『別の世界から来た』って言ってた……。
 だとしたらこれは、あいつが前にいた世界……ってことなの……?)

夢の映像はルイズの疑問に答えるかのように淡々と続いていく。

「君ノオカゲダ、ジョンガリ・A! 我々ハ本当ニイイコンビダ」
「フフ……頼む………に連れて行ってくれ………しちまった」

血まみれの男がホワイトスネイクに何か頼み事をしている。
どうやらこの男とホワイトスネイクは仲間らしい。
だがよく聞こえない。
やはり途切れ途切れになって聞こえるだけだ。
そしてホワイトスネイクはそれを意にも介さず――床に転がる、黒光りする道具を手に取った。
それを、男に向かって構える。

(ち、ちょっと、ホワイトスネイク!
 あんた一体何する気よ!?
 あの血まみれの男の人をさっさと助けなさいよ!
 仲間なんじゃないの!?)

ルイズは必死に声を張り上げる。
だがその声は、二人には全く聞こえていないらしい。
いや、違う。
声さえ、出せていなかった。
恐怖のせいなのか、あるいは別の何かのためなのか。
ルイズが心で思ったことは、言葉として出てこなかった。

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 20:39:56 ID:gK94Mt/D
支援

536 :ゼロのスネイク 改訂版:2008/07/01(火) 20:40:18 ID:tBYNdvpz
「なあ……俺の銃………ないか?」

男がキョロキョロしている。
さっきの道具を探しているらしい。
だが次の瞬間――

「ココダ」

ドシュッ!

ホワイトスネイクの手に握られた道具から放たれた弾丸が、男の喉を貫いた。
男は、声も上げずに死んだ。

(こ……殺し、たの?
 ホワイトスネイク……あいつ、今!
 仲間なのに……っていうか、さっきの会話! あいつ、もしかして……)

混乱するルイズを尻目に、夢の映像はやはり淡々と続く。

男を殺したホワイトスネイクは、ゆっくりと男の死体に近づき、そして男の手に、先ほどの道具を握らせた。
そして薄ら笑いを浮かべながら、言った。

「ケネディヲ暗殺シタ犯人モ……コウヤッテ人生ヲ終エタ。
 ……リー・ハーベイ・オズワルド……ダッケ? 確カ……。
 『死人ニ口ナシ』。ダカラ歴史ハ丸ク治マッタ……。
 私ノ正体ヲ知ル者ハオマエダケダシ、『看守殺シ』ノ罪モ、オマエ一人ノ仕業ダ……」

(もしかして、仲間のフリして利用して、それで殺したの……?)

そこで映像は暗転した。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 20:41:38 ID:gK94Mt/D
支援

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 20:51:50 ID:UxjVt2+r
支援

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 20:51:59 ID:o8Z90+uI
支援

540 :携帯スネイク:2008/07/01(火) 20:59:38 ID:CnyRgZxT
代理投下お願いします……

541 :代理:2008/07/01(火) 21:00:14 ID:UxjVt2+r
そして次々と、いくつもの場面を映していく。
心に闇を抱えるものにつけ込み、利用するホワイトスネイクを。
他人の欲望を利用するホワイトスネイクを。
そしてホワイトスネイクが付き従う、浅黒い肌をした黒服の男を。
エンリコ・プッチを。

エンリコ・プッチは、まさしくそれまでに映されたホワイトスネイクの人間版であった。
相手の心の闇を利用し、欲望を利用し、そして使い捨てる。
そしてそればかりではなかった。
敵と戦えばどんな姑息で卑怯な手段も平気で取った。
相手にとって何よりも、命よりも大切なものをエサにして逃走し、
追い詰められれば醜く命乞いをし、スキあらば一瞬で命乞いをした相手を殺す。
ホワイトスネイクは、そんな男に付き従っていたのだ。
そして、それらの行動をその身をもって支えていた。
そのことが、ルイズの心に一つの感情を灯していった。

そして、また一つの映像に行き着いた。
そこでエンリコ・プッチは、再び醜く命乞いをしていた。
神だの大いなる意思だの、わけのわからない大義を持ち出して、
相手がさも無知であるかのように高説を振るっていた。

しかし相手の少年は命乞いを聞き入れなかった。
男はこれまでに重ねた邪悪な行いの全ての報いを受けるかのように頭を潰され、全身を砕かれ……そして死んだ。

その映像を最後に、また視界が真っ暗になった。


542 :代理スネイク:2008/07/01(火) 21:00:50 ID:gK94Mt/D
そして次々と、いくつもの場面を映していく。
心に闇を抱えるものにつけ込み、利用するホワイトスネイクを。
他人の欲望を利用するホワイトスネイクを。
そしてホワイトスネイクが付き従う、浅黒い肌をした黒服の男を。
エンリコ・プッチを。

エンリコ・プッチは、まさしくそれまでに映されたホワイトスネイクの人間版であった。
相手の心の闇を利用し、欲望を利用し、そして使い捨てる。
そしてそればかりではなかった。
敵と戦えばどんな姑息で卑怯な手段も平気で取った。
相手にとって何よりも、命よりも大切なものをエサにして逃走し、
追い詰められれば醜く命乞いをし、スキあらば一瞬で命乞いをした相手を殺す。
ホワイトスネイクは、そんな男に付き従っていたのだ。
そして、それらの行動をその身をもって支えていた。
そのことが、ルイズの心に一つの感情を灯していった。

そして、また一つの映像に行き着いた。
そこでエンリコ・プッチは、再び醜く命乞いをしていた。
神だの大いなる意思だの、わけのわからない大義を持ち出して、
相手がさも無知であるかのように高説を振るっていた。

しかし相手の少年は命乞いを聞き入れなかった。
男はこれまでに重ねた邪悪な行いの全ての報いを受けるかのように頭を潰され、全身を砕かれ……そして死んだ。

その映像を最後に、また視界が真っ暗になった。

543 :代理:2008/07/01(火) 21:01:15 ID:UxjVt2+r
「ドウダ? 何カ分カッタカ?」

ルイズの額から抜き取ったDISCを収納しながら、ホワイトスネイクが言う。

「……ええ、分かったわ。すごく……よく分かった」
「ソウカ、ソレハ何ヨリダ」

ルイズは心の奥底からふつふつと湧き上がる感情に驚いていた。
たとえ魔法が全然成功しなくても、たとえゼロとバカにされても、こんな気持ちにはならなかった。

「ソウ言エバ……ソーダナ。モウ一ツ試シタイコトガアッタ」

ホワイトスネイクはそう言ってまたDISCを一枚取り出すと、それをルイズに投げた。
ギーシュの魔法の才能のDISCだ。

ズギュン!

そしてそのDISCは音を立ててルイスの額に差し込まれた。

「一人ノ人間カラ取リ出シタ魔法ノ才能ハ果タシテ別ノ人間ニ扱エルノカ、ッテコトダ。
 イクラ才能トシテ取リ出セテモ、実際ニ使エナケレバ意味ガ……」

そう言うホワイトスネイクの言葉をまるで聞いていないかのように、ルイズは短くルーンを唱えて杖を振る。
するとルイズの目の前の床から、床から一体のワルキューレが一瞬で出てきた。
植物の成長を超高速で早回ししたような感じだった。

「オット、上手クイッタヨーダナ」

ホワイトスネイクが口端に笑みを浮かべて、椅子に腰掛ける。
だがそれを無視して、ルイズはまた杖を振った。
さらに床から二振りの剣が伸びる。
ワルキューレはそれをおもむろに手に取った。


544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 21:01:47 ID:gK94Mt/D
まかせた、支援

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 21:01:59 ID:UxjVt2+r
「ホーウ……中々上手クヤルモノダ。
 魔法ガ成功スルノハ、コレガ初メテダッテノニ」
「もう何も言わなくていいわ」
「何ダト?」

聞き返すホワイトスネイクに、ルイズは噛み締めるように言った。

「もう、何も、言わなくっていいって、言ったのよ」

その直後だった。
ルイズの前にいたワルキューレが素早く二刀を振り上げ、そして――

ドピュウゥッ!

ホワイトスネイクに斬りかかったッ!

「ヌゥッ!」

ホワイトスネイクは座っていた椅子を素早く持ち上げて盾にする。
ワルキューレの攻撃は椅子をバラバラにしたが、しかしそのためにホワイトスネイクには届かなかった。
そしてホワイトスネイクは素早くワルキューレから間合いを取る。
しかし、ホワイトスネイクに焦りは見られない。

「フフフ……ソレデイイ。ソレガ満点ノ回答ダ、ルイズ」

むしろ、これこそがホワイトスネイクが望んでいたことだったのだ。

「さっきまでは……あんたへの怒りより、あんたへの恐怖の方が強かった。
 わたしもギーシュみたいになるんじゃないかって。そのことばっかりが怖かった。
 でも……今は違う!
 心の底から! あんたを許せないって思いが湧き上がってくるッ!」
「ソレデ……ドースル気ダ? 私ヲ殺スノカ?」
「違うわ。殺すんじゃあない、勝つのよ」

ホワイトスネイクは何も言わなかった。
何も言わずに笑みを浮かべ、構えを取った。
ルイズも何も言わずにワルキューレを構えさせ、さらに二体のワルキューレを作る。
ニ体とも剣と盾で武装した、オーソドックスなタイプだ。

そしてニ刀のワルキューレとホワイトスネイクが、同時に動いた。


546 :代理:2008/07/01(火) 21:02:36 ID:UxjVt2+r
586 名前: ゼロのスネイク 改訂版 [sage] 投稿日: 2008/07/01(火) 20:57:57 7XA4lgj6
投下完了でございます

くっそー、またさるさんに引っかかった
今回は約3分おきのペースを守ったから大丈夫だと思ったんだけどなー
今度から4分ペースでいってみようかな

547 :まとめの中の人:2008/07/01(火) 21:06:53 ID:UxjVt2+r
代理投下終了

それとwikiの表示がおかしかったのは俺のサボリが原因です
もう直ってると思います
迷惑かけてすいませんでした

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 21:10:37 ID:gK94Mt/D
作者も代理の人も乙です。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 21:20:27 ID:W6xxw++T
まとめの中の人、いつもお世話になっています。
お疲れ様です。

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 21:23:47 ID:oiEBc9tk
スネイクと代理の人乙!

面白い!実に面白いぞ!!
ホワイトスネイクのセリフがどれも本物過ぎる!!!
マジでJOJO本編でホワイトスネイクが言ってるんじゃないかって探したくなる様な感じだ!!
ルイズの覚悟も実にJOJOっぽくてベリッシモいい!!

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 22:19:13 ID:VKfJ0GYz
ベネ!ディ・モールトGJ!
白蛇邪悪すぎる!でも萌える!不思議!!

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 22:20:50 ID:fwLJL5Ic
やっぱり悪い奴はかっこいいな!!GJ!!

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 22:30:37 ID:fS4b2IfS

緊急連絡:
業務連絡:

ヨーロッパ市場の崩壊が始まりました。
世界大不況が始まります。

http://www.w-index.com/

各スレ担当者は、事前の指示に沿って
自分の判断で行動の方、よろしくお願いします。


554 :ゼロと使い魔の書:2008/07/01(火) 22:32:28 ID:Ss2ZI84m
2分後に投下しますー。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 22:34:17 ID:fwLJL5Ic
きったあああ支援!

556 :ゼロと使い魔の書:2008/07/01(火) 22:35:37 ID:Ss2ZI84m
ゼロと使い魔の書
第八話
ところ変わって学院長室。
壁にかかっている鏡が広場の惨状を映し出していた。
水のメイジがギーシュとルイズの使い魔を運び出す光景を、コルベールとオールド・オスマンが無言で眺めている。
ルイズの使い魔があの伝説のガンダールブと同じルーンを刻まれていた、という説明がなされた直後のことである。二人は映像が消えた後もしばし無言であった。
やがてオスマンが立ち上がる音で沈黙は破られた。
「コルベール君。あの使い魔は、一体どうやってギーシュ・ド・グラモンを倒したと思うかね?」
コルベールは室内をゆっくり徘徊する学院長の姿を目で追っていたが、やがてため息と共に返答した。
「正直に言って……まったく分かりませんでした。あの動きは、やはりガンダールブのものだと思うのですが、最後の最後、一体なにが起こったのか……
あの平民が何か『本』のようなものをかざした瞬間、ギーシュの体が勝手に潰れていったとでも言いましょうか、そうとしか見えませんでした」
自分の不甲斐なさに嘆息するコルベールをオスマンはしばらく眺めていたが、やがてその険しい顔をゆるめた。


557 :ゼロと使い魔の書:2008/07/01(火) 22:37:37 ID:Ss2ZI84m
「コルベール君。あの一瞬で『本のようなもの』を見出しただけでも、君の実力は相当なものじゃ……それはさておき、わしは彼が何をやったか、一つの仮説を立てている。
君は『スタンド』というものを聞いたことがあるかな?」
「スタンド……?いえ、聞いたことがありませんが……」
コルベールの答えを聞くと、オスマンはしっかりとした足取りで学院長室に設置された本棚へと向かう。その姿は到底百を越えた老人のものには見えなかった。
「先日この本棚を整理しとった時じゃ。一体どこから紛れ込んだのか、始祖ブリミルの記した日記の1ページを発見したのじゃ」
「……え!?」
さらりととんでもないことを言われて、コルベールは一瞬遅れて反応した。
「そこには驚くべきことが記されておった……王室に報告したところで偽物に違いないと一笑にふされるのは目に見えておったから、別に誰にも見せてはおらなんだが、
今回の出来事で確信した。あれは本物じゃったとな」
オスマンは本棚の一番上の段に手を伸ばすと、息をかければそのまま崩れていきそうなほどぼろぼろの紙片を慎重に取り出し、コルベールに見せた。
「マジックアイテムにしてマジックアイテムにあらず。魔力のかわりに持ち主の魂がこめられた道具の総称。それがスタンドであるとブリミルは定義しておる。君も知ってのとおり、
始祖ブリミルはハルケギニアを統一した際に先住魔法の使い手と戦っておるが、このスタンドを使う二人の……ふむ、なんと言ったらいいか、エルフではないだろうと書いてあるしの……『スタンド使い』でいいかの。その二人に苦戦を強いられたらしい。

558 :ゼロと使い魔の書:2008/07/01(火) 22:38:24 ID:Ss2ZI84m
一人は『アニ』。『創世の書』という本を持っておって、記述を読みあげることにより様々な幻獣を召還したらしい。もう一人は『ボインゴ』。『トト』と呼ばれる『絵本』を通して未来を予知したとされる」
ここでオスマンは言葉を切り、コルベールに視線を向けた。
「この『スタンド』について、わしも興味が興味が湧いたからの。別の文献で調べてみたんじゃが、すると出てくるわ出てくるわ。二度目に触れたものを確実に斬る妖刀やら、壁を透過して釣りたいものを釣り上げる釣竿やら、
どんな衝撃でも跪くことにより地面に受け流す鎧やら、とても四系統の魔法では説明できないような代物がいくつもあるんじゃ。一部の物にはあらゆるマジックアイテムを操る虚無の使い魔、ミョズニルトルンですら扱えなかったという逸話も残っておる」
「つ……つまり、ミス・ヴァリエールの使い魔はその『スタンド使い』であるかもしれないと……?」
「あくまで仮定に過ぎん。じゃがその可能性は高いであろう。分かっているとは思うが、コルベール君、このことと『ガンダールブ』の件はくれぐれも王室のボンクラどもには内密に、じゃ。またぞろ戦でも起こされるじゃろうて」
「は、はい!かしこまりました!」
オスマンは開け放された窓に目をやる。遠い歴史の彼方へ思いをはせるように。
「伝説の使い魔が、始祖に仇なすスタンド使い。はてさて、何の因果かのう」
オスマンの呟きは誰にも聞かれることなく霧消した。


559 :ゼロと使い魔の書:2008/07/01(火) 22:39:36 ID:Ss2ZI84m
以上、短いですが第八話でした。
最初のさげわすれすみません。

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 22:59:49 ID:N9v4DF4q
乙!




364 名前:1[] 投稿日:2008/07/01(火) 22:29:41.76 ID:PlzpKCxr0
   |  : : : :| : : |: :人 : : : : |\: :_: : : : : : :_: : : : : : : : : : : : : \ : : : : : : |
   |  : : : :| : : |: :| l: : : :_」>ヘ、: : : : : : :`''<| : :│: :、 : : \\ : : : : ',
   \ : : : : | : : |: :| >'": :|   \ : : : : : : : : 「>:k、_: :\ : : \: : : : : :),
      》x : : 乂 |< \j\j      \ : : : : : /  リ 「: T: : : : :l : : : : : :',
   /: : \: : 乂从  ,辷二二      l: : __,二二辷,  リ :|: : : : :|: : : : : : : ,
   人: : : : : \: :{ ≦ヲ ̄「「¨    /:./ ¨「「 ̄ヲ≧ |│: : : :j : : : : : : U
  {: : :\: : : : : \} 《 いxxり    / "    いxxり 》 | : : : 彳: : : :,: :|: : |
  {: : : : :ヽ: : : : : :ハ  >:::冖¨           ¨冖:::<  ,彡イ^ : |: : : : |: :|: : |
  \: : : : :》x : : : : ',          ;.           ,'l | : : : : |: : : :リ: :j从j
    \ : :| : : \ : : ',                       / リ : : : : | : : / | リ
     X :\ : : :\:人        r―┐        人 : : : : : |: l: :/  |/ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
    /  \j\: : : :\》x        ^こ^      x《 : : : : : : 从ノイ  ̄`くあぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
.   /     \ \ : : :\ー>,、         ,、< / : : : : : :/         ',あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
    {          )、: : : l  \二≧zz≦二/ / : : : : /           |間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
   》          :|: : : |\   ∩∩∩   /|: : : : 〃            |
    |           :| : l :|  \x┴┴┴x/  | : : : {               |
    |         l ノ ノノ    \__/   レ: :ノノ              〈

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:04:20 ID:oiEBc9tk
GJ!!!

ちょwwwwwブリミルwwwwwwwwボインゴ相手に苦戦するなよwwwwwwwww

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:07:10 ID:bsxXSRgu
good jpb!

121 :水先案名無い人:2007/10/10(水) 18:15:25 ID:AVJysNkA0
マジェント!マジェント!マジェント!マジェントぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!マジェントマジェントマジェントぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!マジェント・マジェントの黒髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
SBR13巻のマジェントたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
飛行機発明されて良かったねマジェントたん!あぁあああああ!かわいい!マジェントたん!かわいい!あっああぁああ!
ウェカピポも生きてて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!SBRなんて現実じゃない!!!!あ…漫画もよく考えたら…
マ ジ ェ ン ト ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!アメリカぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のマジェントちゃんが僕を見てる?
表紙絵のマジェントちゃんが僕を見てるぞ!マジェントちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のマジェントちゃんが僕を見てるぞ!!
ヒマラヤ男の涙ってマジェントちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはマジェントちゃんがいる!!やったよウェカピポ!!ひとりでできるもん!!!
あ、マジェントちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ大統領ぅうう!!ジャ、ジャイロー!!ジョニィいいいいいいい!!!ルーシーぃいいい!!
ううっうぅうう!!俺の想いよマジェントへ届け!!ハルゲニアのマジェントへ届け!


563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:08:23 ID:cnxWpFi/
投下乙です
なんか色々召喚されてるーっ!w

>>561
最新刊の回想シーンを見ると、ブリミルなら苦戦どころかボインゴ本体に負けても違和感が無い不思議
……とっぽいにーちゃんだしなー

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:11:22 ID:BQDZg6ks
白蛇らしい白蛇!凄く『イイ』!
旧作のどこか可愛い白蛇も良かったが、やはり白蛇は邪悪であってこその白蛇だ!

なんかスタンドが独特の伝わり方してる(間違っちゃあ居ないが)「書」世界で、
スタンド使いの立ち位置がどんなもんになるのか、めっさ楽しみですよ。
出てきたのは、お馴染みアヌビスとビーチ・ボーイ、オアシスでいいのかな?

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:17:45 ID:sOQEhRwe
>>564
いや、最後の鎧は恐らくマジェントだ
スタンド名知らないけど…

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:21:50 ID:phdudWaf
「20th Century Boy(トゥエンティース・センチュリー・ボーイ)」ッ!!
っつー無駄に長い名前だ
直訳して「20世紀少年」ッ!!

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:32:11 ID:sxddYmld
承太郎でどれくらい持ってたんだ?持つと言うより延命措置だが

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:48:32 ID:VKfJ0GYz
冷凍保存されてたな、承り

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:51:42 ID:a+tWp0iv
GJ!此処でのスタンドは物として伝わっているのか…すげぇ!

ところで創世の書ってなんだ?

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:54:19 ID:qaeZs/Yi
オインゴの顔芸じゃないか?

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 23:56:01 ID:phdudWaf
3部の小説嫁

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 00:23:22 ID:5UK199OE
>>569
3部の小説版に出てくる、『プタハ神』の暗示のスタンド。エジプトの歴史について書かれており、文章を読み上げることで、歴史を召喚して操ることができる。
十字軍やスフィンクスなどの神話の怪物といったシロモノを次々と召喚した。

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 01:18:19 ID:ARVV3KWJ
>>572
d
そんなスタンドがあるとは
とりあえず>>571の通り出来たら読んでみるぜ

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 02:52:03 ID:EyMqMwJK
なんで白蛇はルイズに自分を殺しにかかって欲しかったんだろうか
リンゴォでも乗り移ったのか?

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 03:03:17 ID:oPaQZiG4
>>574
成長させたいんじゃね一応宿主だし

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 11:20:33 ID:b29dtoCX
個人的には改定前の「お前はプッチ神父同様の下種だ」とルイズが罵倒するシーンが好きだったな

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 12:30:52 ID:R4veSV2/
白蛇いいなぁ。やはり悪には悪の良さがある!

さて、あっちの鬼帝様が更新されたから、こっちも今までのペースからするにそろそろ鬼帝様くるかな?

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 14:59:13 ID:6x00HVHN
ホワイト・アルバムPS3化記念でサブ・ゼロの使い魔、復活してくれんかなあ…

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 16:14:30 ID:PgDI00E8
鬼帝サマの元ネタの方、更新再開してたぜ!

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 16:24:08 ID:R4veSV2/
>>579
お前IDがDI0だな

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 17:14:20 ID:wlDv0t+z
苦しいなDIOではなくDI0だ

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 18:37:07 ID:nOizhZTr
ドロの使い魔もみたいなぁ〜
セッコぉ〜

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:13:00 ID:sKF1jtMH
『遅筆』ってのは自覚してる……。スゲーわかってる。推敲も遅いしな……。
だが、「PCに触る時間もない」ってのはどういうことだああ〜〜っ!? しかもまた試験期間だっつーのかよ――ッ!
とか思ってたら時間ができた。>>579にも啓示っぽいものを感じたんで、十分後に投下します。

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:20:22 ID:g0V10gyZ
支援した

585 :使空高:2008/07/02(水) 20:23:40 ID:sKF1jtMH
一章十節 〜人間は一場には変わらない〜

 なんでこんなことをしてるんだろ、とロングビルは頭を抱えたくなっていた。足取り重く行く階
段の先には、なるだけ長居したくない学院長室がある。
 二ヶ月ほど前にこの学院に雇われ、仕事にはすっかり慣れていたが、耄碌しかけの『振り』をし
たジイ様のセクハラに関しては、慣れる、慣れないで割り切れない部分があった。尻を触られるく
らいならまだ軽いほうで、最近では昼前のようなことが頻繁に起きるようになっているのだ。堪え
られたのは初めの二回ほどで、あとは冷静に徹しきれない部分が、すぐに顔を出した。
 そういう行為をされることを仕事の一端として織り込めないのは、ロングビルが歳若い女性であ
ることの証明なのかも知れないが、当のロングビルにはちっとも面白くない。いっそ無視してしま
えれば、どれほど楽だろうと思っていた。
 周囲にはできるだけ平穏で、静かな環境を持っていたいというのがロングビルの願いである。平
穏静かな環境とは、つまりは心を平静に保ち続けることのできる環境で、植物のように心を荒らげ
ないことが前提になる環境だった。逆に、そうせずに済む環境でもある。
 その環境を作るためには、対人関係が何にも増して厄介な問題だった。何せ人間の心を一番揺す
り、もしくは縛るのは、やはり人間である。それも近しい関係になればなるほど、そんなしがらみ
とでもいうべきものは、太く硬く身に纏わりつくのだ。拘束を緩めるためには、周囲の人間と近す
ぎず遠すぎない距離を置く必要があって、ロングビルはそれに努めてきたのだった。
 ただ、そんなことが周りに人間のいる環境で普通に続けられるわけもなく、普通の人間を大きく
逸することのないロングビルは、ときには人恋しさを覚えることもあった。厨房の人間との面識が
深まったのは、そんな時期である。
 深まったといっても、たまに厨房で食事をとっているうちに自然とそうなったというだけで、特
別な歩み寄りがあったわけではなかった。食前にリキエルに語った以上のいきさつは無く、食堂で
の食事は何かと気の落ち着かない感じがして、好きではなかったというだけの理由で厨房に出入り
し、その過程で厨房の人間と言葉を交わすようになったのである。初めの間こそ、関わりすぎたか
もしれないと不安だったロングビルも、顔を合わせれば世辞や会釈を交し合うといった、浅い近所
づきあいのような感覚の交わりに、思いがけず理想に近い関係を見出し、今は安堵していた。
 しかし、それでも何人かの例外はいて、シエスタなどがそうだった。ただしシエスタの場合は、
人懐っこく寄ってこられるのは苦手だが、そこには年齢の違いや、メイジと平民との厳然たる差と
いうものがあって、深い交友関係になることはそもそもありえないことだった。それに気がつくと、
シエスタの屈託の無さは、構えることなく付き合えるという意味では何物にも代えがたく、つまり
は良い意味での例外だった。
 ――その分、泣きつかれると弱いのかもね。
 不意に、これといった感慨も無く思った。あまり足を向けたくない学院長室にわざわざロングビ
ルが戻ったのは、元をただせば、シエスタの半泣きの訴えに理由があった。すがるようなシエスタ
の声を、ロングビルは思い返している。
 昼食のあと厨房を出て行ったロングビルは、時間を気にする素振りを見せていたわりに、特に何
をするでもなく、食堂と繋がるロフトで教師陣と歓談したりしていた。実を言えば、さしあたって
時間を気にかける理由は無く、暇でさえあった。仕事がまるで無いわけでもなかったが、急務と呼
べるものも無かった。
 その上で、ロングビルがいくらか急いた風情で厨房を離れたのには、無論わけがある。そのわけ
とは、リキエルのことだった。
 ロングビルが教室でリキエルを介抱したのは、初めはひとえに人情というものが動いたからに他
ならなかったが、リキエルが落ち着き、使い魔として召喚されたと聞いてからは、それが憐憫に変
わった。この平民は右も左も明日をも知れない場所に、前触れも無く放り出されたのだと考えると、
パニックを起こしていたことも含めて不憫に思えた。薄幸で哀れな男だと思った。

586 :使空高:2008/07/02(水) 20:25:10 ID:sKF1jtMH
 昼食にリキエルを誘ったのは、そのまま放っておくことに気が咎めた他に、その哀れみをできる
だけ見栄えの良い形で外に出そうという、ある種の打算が働いていたからでもある。そういう思考
がいつごろから身についたものかロングビルは覚えていないが、打算的思考はどんなときも身を助
けた。往々に負の方向へ傾かない、高い打算だった。
 その打算に当てはめれば、ただの平民であるリキエルとの係わり合いは、ロングビルには損にも
得にもならないもので、日常に紛れ込んだ、ほんの少し変わった出来事でしかなかった。それでな
ければ、素直に助け起こしたりはしていない。
 素直にというのも実は怪しいもので、助け起こそうとする意識の側面には、面倒なことになりは
しないか、と打算以前に保守的な考えが終始へばりついていた。それでも駆け寄ったのは、結局の
ところ、心に後味のよくないものを残すことは損で、人助けは得で徳のはずと、常識的な考えに思
い至ったからだった。どうせ損得が無いのなら、人情に任せた行動をした方が、心の平穏を得やす
いのは当然である。
 ――けど、紅茶まで淹れたのは行き過ぎだったかもしれない。
 紅茶の味を褒めちぎられているとき、そのことに対する喜びよりも、『踏み込みすぎた』ことへの
後悔がロングビルの頭をよぎっていた。あまりにも不注意だったことに気がついたのである。
考えてみれば、平民で使い魔などと、リキエルはよくわからない存在だった。
 平民でありながら、ある意味メイジと強い関係を持つ存在が、何をどう転がすか、まるで予測が
つけられなかった。出会いからして、普通とも言えないようなものだったのだ。唐突に、これ以上
の係わり合いが危ういものに感じられて、気づけば逃げるようにして厨房を出ていた。
 それから食堂に行き、教師たちとの談笑の中で頭が冷え、そんな大それた話でもなかったかなと
思い始めた矢先に、シエスタは駆け込んできたのである。
 何事かと思いながら話を聞けば、生徒が決闘騒ぎを起こしているとかで、その相手は平民だとい
う。何か、悪い予感はした。
「誰か行って止めさせて来い」「決闘は禁止のはずだ」「放っておいてもいいのでは」「誰が行く」「何
かあれば責任は」「どうやって収める」「けしからんことだ」「妨害にあうかもしれない」「あなたが
行かれてはどうです」「所詮は子供の喧嘩でしょう」「貴族にあるまじき」「あなたこそ」「『眠りの鐘』
を使いましょう」「相手が平民なら問題は無い」
 教師陣は浮き足立っていた。めいめいが好き勝手にものを言い、意見のすり合わせもままならな
い。憤慨して杖を抜く初老のメイジがいれば、それよりもいくらか老けた印象のメイジはあくびを
噛み殺たりしていて、そそくさとその場を立ち去る者までいた。
 ともあれ『オールド・オスマンに報告を』という流れになり、それは自然、秘書であるロングビ
ルに任された。気乗りしない心うちはひた隠して、ロングビルは学院長室へと踵を返した。
「ミス・ロングビル」
 教師たちの輪から抜け出し、食堂からも出たロングビルに、シエスタが追いすがってきた。涙の
混じった声と目がまっすぐに見上げてきて、ロングビルは目をそらせなかった。悪い予感が当たっ
たと直感的に思った。
「何かしら」
「リキエルさんなんです、平民って。決闘の相手って。あのあと食堂で私の手伝いをしてくれてて、
それで、何かあったみたいで、こんなことになっちゃって。……ミス・ロングビル、お願いです。
リキエルさんを助けてあげてください」
「……」
「私、もうただ怖くて、リキエルさんのことも止められなくて……」
「……大丈夫ですよ」
 言いながらロングビルが薄く笑いかけると、シエスタは泣きながら頭を下げてきた。お願いしま
す、お願いしますと嗚咽を挟んで繰り返される懇願に背を押されて、規則的なロングビルの足音は
少し乱れた。

587 :使空高:2008/07/02(水) 20:26:40 ID:sKF1jtMH
 考えているうちに、ロングビルは学院長室の扉の前に立っていた。部屋の中には何やら慌しい気
配があったが、緊迫したものではなく、どこまでも弛緩した空気が、扉の隙間から漏れ出てくるよ
うだった。
 いい気なものだわ、となんとなく忌々しく思いながら、ロングビルはドアをノックした。気分が
表に出たのか、少し乱暴なたたき方になる。
「なんじゃ?」
 答えたのは、オスマン氏の声である。ロングビルは一通りの経緯を話した。
「グラモンとこのバカ息子か、おおかた女の子がらみのいざこざといったところかの。じゃが、そ
れがどうしたのかね? その程度の問題であれば、教師がちょいと杖を振ればカタがつくとしたも
のじゃろうて」
「それが、大騒ぎになっているようで、生徒による妨害も予測されています。教師たちは『眠りの
鐘』の使用許可をと」
「アホか、たかが子供のケンカで秘宝を使うなどと。放っておきなさい。いざとなれば、それこそ
杖を振れば事足りる」
 大方の説明を終えて、返ってきた答えは「静観しろ」というものだったが、ロングビルはヴェス
トリの広場へ行く気になっている。シエスタの願いもそうだが、個人的にも、顔見知りになった人
間が折檻されていると思うと、かなり寝覚めの悪い話だった。
「……わかりました」
 そう言って、足早に学院長室を後にしながらロングビルは額を押さえた。わずかに開いた口から
は、疲れたため息が漏れる。精神的な疲労は、とうとう頭痛を引き起こすまでにつのってきたらし
い。もう一度ため息をついた。
 見たことか、と押さえた額とは違うところから声がした。これだから油断ならないのよ。どうし
てこう、繋がりってものは面倒なのかしら……。
 日が傾いたのか雲が出たのか、本塔の中はどこも薄暗くなっている。食堂の喧騒も届かない暗く
静かな廊下に、かつかつと乾いた音が響き、やがて聞こえなくなった。

◆ ◆ ◆

 跳ね橋が下りるみたいだ、とギーシュは曖昧な思考の中で思った。くずおれるでもなく膝を突く
でもなく、直立の形を保ったままで仰向けに倒れこむ姿は、進む意志を最後の最後まで、敗北の後
も貫き通した証にも見えた。
 勝敗が決してから、随分な時間が流れたようにも感じたが、リキエルの倒れるどさりという音は、
たった今耳に届いたものだった。いよいよのところで手放された剣は、鈍く光を反射しており、見
た目には初めとなんら変わりがなかった。切れ味にも、おそらく大きな変わりは無いだろう。そう
いった意味では、ギーシュの魔法はなかなかに優秀といえた。
 反面、決定的に違うところもある。ギーシュには、少し前まではまさに触れるものを斬り抉り、
刺し穿つ牙だったものが、いつも矮小な棒切れと馬鹿にしている、金属の塊に戻った気がした。
 顔を伏せたルイズがとぼとぼと歩き、リキエルのそばまで行って座り込んだ。自失した面持ちで
それを眺めながら、ギーシュは自分が、この決闘に勝ったのだと漸く思い当たった。いつ吸ったの
かもよくわからない息を、思い切って吐き出した。体にこもったままだった力が、どっと抜けた。
 途端である。急に、勝利の安堵を味わう間もなく、ギーシュの全身をあわ立つような悪寒が襲っ
た。冷や汗が背を伝い、全身の産毛の一本一本までが太っていると思われた。
 肌から染み入ってきた寒気は、すぐ熱に変わってうねり、身体の内側の隅々までかき回した。み
ぞおちに巣食った虚脱感と、足の指の先まで覆う疲労感のために、ギーシュは這い蹲って身悶えし
たくなる。そんな無様は出来ないと堪えると、今度は強い吐き気がしてきたが、吐こうとしても何
も出て行かなそうな、ただ吐き気だけがある異様な感覚だった。

588 :使空高:2008/07/02(水) 20:28:09 ID:sKF1jtMH
 こうなった理由にはおおよその予想がついて、先ほどまでの、重苦しく張り詰めた空気のせいだ
ろうと思われた。
 濃密で異様な空気の中にいると、自分の感覚が次第に研ぎ澄まされていくのを実感として捉えら
れた。ほんの少しの気も抜けない緊張感の裏には、抑えのきかない何らかの激情があって、それに
身を任せるだけで周囲のものがまるで気にならなくなった。平民との決闘に本気を出すのが、貴族
にあるまじき醜態であることも、いっとき頭から抜け落ちた。
 普段なら考えもしないだろう、勝つための戦い方が思い浮かんだ。そのために、体面も何も捨て
るつもりになった。いつしか、ギーシュはただ闘うことだけに意識を埋没させていた。
 そうさせた空気が霧散して、今になってリキエルに対する恐怖や驚きが甦ってきている。もしか
したら、リキエルが万全なら自分が負けていたかもしれない。ワルキューレの胴を切り飛ばすほど
の撃剣が、自分の腹を斬り割っていたかもしれない。その不安が身を責め立てていた。
 ――違う、そんなもんじゃない。
 なぜか思い直して、ギーシュはもう一度、リキエルの足元の剣を見た。やはり牙には見えなかっ
たが、今度は棒切れにも見えなかった。剣は剣でしかなく、触れるだけで何かを傷つける凶器だっ
た。それでわかった気がした。剣は牙なんかじゃないんだ。
 牙は勝手には食い込まない。単なる凶器にはならないのだ。意志と力があるからこそ突き立つの
である。ギーシュがリキエルに牙をよこしたのではなく、意志によって、リキエルが凶器を牙に変
えていたのだ。
 絶対的に有利なはずの魔法がギーシュにはあり、体力にも精神にも十分な余裕があった。意志の
強さだけが圧倒的にリキエルのほうが上で、決闘への没頭も凄まじかった。それだけの差のために、
自分は追い詰められたのだとギーシュは思った。そこに理解のつかない不気味なものを感じ、また
途方も無いものを感じとって、同時に恐怖したのだった。ギーシュの気分の悪さは、いったいにそ
の『わけのわからないものへの恐怖』からきている。
「ルイズ」奇妙な焦燥に衝き動かされて、ギーシュはルイズに駆け寄った。
 横目でリキエルを見ながら、ギーシュは言った。
「彼は何者なんだ? この僕のワルキューレを倒すなんて」
 ルイズは俯いたまま答えた。
「……ただの平民でしょ」
「ただの平民に、僕のゴーレムが負けるなんて思えない」
「あんたが納得いかないだけじゃない」
「そうは言ってもだね、こんな怪我なんだぞ?」
「――いのよ……」
「え?」
 うまく聞き取れず、ギーシュは聞き返した。すると、ルイズは突然立ち上がってギーシュに向き
直った。長い髪に隠されて、鼻から上はうかがえなかったが、強く歯を噛み締めているところを見
れば、穏やかな表情はしていないようだった。
 一際強く歯を噛んでから、ルイズは吐き出すように叫んだ。
「そんなこと、どうだっていいじゃないのよッ!」
「……!?」
 ルイズの声に気を折られ、ギーシュは抱えていた焦燥を取り落とした。ギーシュだけでなく、周
りでことの推移を見守っていた生徒たちも、一様にうろたえる風である。一度弛緩した広場の空気
が、また意外な形で重くなっている。
 この状況をつくり出した張本人としてなんとかしろ、とこれも重い空気を周囲にぶつけられて、
ギーシュはまた気分が悪くなってきた。
「あ〜……、えと、突然どうしたんだね」
 なんとか取り成そうとギーシュはルイズに声をかけたが、ルイズは聞いていなかった。声を震わ
せて、ルイズは喚き続けた。

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:29:25 ID:wlDv0t+z
支援

590 :使空高:2008/07/02(水) 20:29:40 ID:sKF1jtMH
「決闘には勝ったんでしょ。それで満足でしょ! こんなバカのことなんて知らないわよ! ただ
の平民かどうかなんて知ったことじゃないわよ! ちょっと目を離したらすぐ勝手なことばかりし
て! 使い魔のくせに、平民のくせに、貴族に勝てるわけないのに! こんなになるまで! こい
つが何かなんて私が知りたいくらいよ! 何よ! 何なのよ瀬戸際って……! 平民のくせに、バ
カじゃないの……ッ? バカじゃないのよッ!」
 矛盾だらけの、むちゃくちゃなことをルイズは言っている。自分で何を言っているのか、ルイズ
にもわかってはいないようだった。
「……」
 気炎を吐いたルイズは、それきり完全に口を閉ざしてしまった。俯いて、時折びくりと肩を震わ
せるだけである。しゃくりあげているのは、誰の目にも明らかだった。ギーシュはいたたまれなく
なったが、それといってどうすればいいのかは分からず、せわしなく目を動かすことくらいしかで
きなかった。
 目をさまよわせていると、その先で人垣が動く気配がした。
「道を空けてください。失礼します、道を空けてください。道を――」
 その場に埒を明けたのは、意外な人物だった。
 声のしたほうにギーシュが顔を向けるのと、物静かを通り越して無表情になっているロングビル
が人垣から出てくるのは、ほぼ同時だった。ロングビルはまずギーシュを見、それからルイズへと
視線を移し、最後に血まみれのリキエルを見て眉をひそめた。
 リキエルに歩み寄って、逡巡するように動きを止めてから、ロングビルは跪いた。それから仔細
らしくリキエルをみる。眉間のしわが一層深くなって、表情がさらに険しくなった。
「これは……酷いですわね」
 静かな声で、ロングビルは誰かに言い聞かせるように呟いた。
「手遅れになるかもしれません」
「へぇっ?」
 素っ頓狂な声を上げたのはギーシュである。
「そ、そんなに?」
「見た目にも血を流しすぎていますが……。よほど無茶に動いたのですね。折れた腕の骨が、内側
で突き刺さっています。脚にいたっては、これで動けたのが信じられないわ。砕けた骨がめり込ん
でズタズタです。中は血の海でしょう。血を失ったショックで、最悪の場合は死に至ります」
「……」
 まさかという気持ちがギーシュにはある。それはもう酷い状態にはしたが、見た限りでは、リキ
エルは穏やかな顔で倒れたのである。それも、異様なほどの生気をたたえてだった。死相こそ表れ
てはいたが、いま死ぬすぐくたばるといった風情には、とても見えなかったのである。
 その一方で、やっぱりという気もしていた。常識的に考えればロングビルの言ったように、あの
体でまともに動けるわけがないのだ。
 どだい、立ち上がった時点で普通ではなかった。思い返してみれば、リキエルはその時から左足
を引きずっていたのである。おそらく、もう脚がうまく動いていなかったのだろう。闘いで見せた
変則的な動き方も、脚をかばっていたのだとすれば納得がいった。
 リキエルの意志の強さを、改めて目の前に突きつけられた気がして、ギーシュはめまいがした。
「スクウェアのメイジによる治療でも、脚か腕か、どこかが動かなくなるかもしれません。もう起
き上がれなくなるかもしれません。いずれにせよ、このまま放っておけばそうなりますわ。すぐに
治療する必要があります」

591 :使空高:2008/07/02(水) 20:31:10 ID:sKF1jtMH
 瞑目してこめかみを押さえるギーシュを意に介するでもなく、杖を取り出しながらロングビルは
言った。感情の起伏にとぼしい、淡々と告げるロングビルの声は、かえってギーシュの心を落ち着
けた。
「医務室に運びながら、私が応急処置します。気休めかもしれませんが。……そこのあなた、この
方にレビテーションをかけていただけますか」
 声をかけられたのは、何の因果かマリコルヌだった。多分に漏れず、ここに来ていたのである。
いきなり声をかけられてあたふたとしながらも、マリコルヌは杖を一振りし、リキエルにレビテー
ションをかけた。それから、意外といえば意外だが、リキエルを運ぶ役目をわざわざ買って出た。
リキエルの闘いぶりを、天晴れとでも思ったようである。
 傷に響かないよう、試行錯誤しながらリキエルを移動させるマリコルヌと、治癒の魔法に専念す
るロングビルのあとを、少し遅れてルイズがついて行った。ギーシュはそれを、かかし然としなが
ら見送った。
 ――手遅れかもしれないとロングビルが言ったときも、ルイズは顔を上げなかったな。
 無言のまま去っていく、ゼロのクラスメートの背を見つめながら、ギーシュはふと思った。誰の
目から見ても小さな背中には、何か重い感情が動く気配があった。それが使い魔を失いかけている
ことへの悲しみなのか、それともまた別の感情なのかは、ギーシュには想像もつかなかった。
 ルイズたちが去ると、生徒たちの壁も次第に薄くなって、とうとうギーシュと何人かが残るだけ
になった。それもいなくなると、ヴェストリの広場はまた森閑とした、寂れた空間になった。空気
は今や重くも軽くもなく、ただそこに流れるだけである。
 一陣の強い風が、ごうと音をたてて吹き過ぎる。

◆ ◆ ◆

 広場から、ロングビルらの姿が消えるのを見届けたオスマン氏は、杖の先をちょんと振った。す
ると『遠見の鏡』は広場の情景を消し、ただの鏡に戻った。そこに映ったコルベールの顔は、強い
興奮で朱に染まっている。
 蟻の行列を眺める子供のように固まったまま、微動だにしないコルベールに、椅子に座ったオス
マン氏は呆れつつ声をかけた。
「ミスタ・コルベール、いつまで未練たらしく眺めておる」
「……」
「失われたものは帰らぬ運命にあるのじゃ」
「……オールド・オスマン。見ましたか? あの平民の動きを。負けはしましたが、『ドットクラス』
とはいえメイジを圧倒していた! それもあの負傷で! あんな平民見たことない! やはり彼は
伝説の使い魔『ガンダールヴ』! さっそく王室に報告して、指示を仰がないことには――」
「君も大概に、こういう時は人の話を聞かんな。むろん見ておったよ、君の見たものは私も当然見
ておった。じゃから――今日これを言うのは何度目になるかの――少し落ち着きたまえ」
 ふんと鼻を鳴らしながら、オスマン氏は冷ややかにコルベールの勢いを流した。
 気勢を削がれたコルベールは不服気に頷いたが、やはりまだ言いたいことはあるとばかり、オス
マン氏に詰め寄って行った。オスマン氏はそれを、今度は杖で机をぴしゃりと打ち据えることで止
めた。
 目をすがめて、オスマン氏は言った。
「落ち着きなさいと言ったのじゃ」
「どうしてですか? これは世紀の大発見ですよ!」
「じゃから少し落ち着こうというんじゃ」
「…………」
「ちゅうより、私が落ち着きたいんじゃ」
 無言で、コルベールは少しだけ腰を折った。オスマン氏はそれを受けると、ひらひらと手を振り
ながら、何も頭を下げんでもと言って軽く笑い、鼻毛を抜き始めた。
 腰を伸ばしたコルベールは、きれいな四角に折りたたまれたハンカチを取り出し、頭に浮いた汗
を拭いた。そして、顔色をうかがうようにオスマン氏を見た。それなりに長い付き合いをしている
コルベールは、オスマン氏の疲れに気がついている。

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:31:45 ID:frK6jK5P
支援

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:32:08 ID:wlDv0t+z
支援

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:32:33 ID:unxo5s7k
支援

595 :使空高:2008/07/02(水) 20:33:10 ID:sKF1jtMH
 普段から碌に仕事もせず、女性職員にセクハラをしかけて殴られたり、ノゾキの方法の思案に明
け暮れたり、ふらりと街に繰り出しては酒場の女給の尻を撫でたりと、上級貴族の子弟を預かる魔
法学院の教師として、それも学院長の職につく者としては、はなはだ遺憾な振る舞いばかりが目立
つオスマン氏だが、それといってただ腐ってばかりの人物というわけでもない。
 時折、深く考え込む素振りを見せることがある。そういうときのオスマン氏は、傍目には無理や
り隠居させられた老人か、もしくは痴呆の老人に見えた。頭の中の大事な部分が抜け落ちたかと思
えるほど、覇気に乏しい無気力な顔をしている、それで鼻毛など抜いているというのが、周囲にそ
う思わせる理由だった。
 だが、コルベールにはなんとなくわかっている。オスマン氏が鼻毛を抜くのは、本当に暇なとき
か、何か心の琴線に触れたものについて考え込んでいるときの癖なのだ。今はきっと後者だなと、
オスマン氏の横顔を眺めながらコルベールは思っていた。
 何せ事が事だった。
『ガンダールヴ』は始祖ブリミルが用いた使い魔の一人で、強大な呪文に伴う長い詠唱の間、身
を守る存在であったらしい。その力は千人の軍隊を相手取り、これを破る苛烈さを秘めていたとい
う。小手先のメイジでは、対峙するもままならない有様をさらしたという話も残っていた。その全
てが不確かで、絵空事のような話だった。その上、姿かたちは伝わっていないのだから、文字通り
の『伝説』である。
 ――それが、現代に甦ったのだ。
 オールド・オスマンの疲れも当然のことだとコルベールは思った。考えなければならないことは、
いくらでもあるだろう。そしてそれは、自分も同じなのだとも思った。
 ただ単に、ルーンが一致しただけではなかった。剣を手にした途端、目覚しい動きを見せた平民
の姿はまだ目に焼きついたまま消えていかない。それがコルベールの興奮を呼び起こしていた。す
ぐに血の上る頭をどうにかするのに、コルベールはだいぶ苦心している。それでも少しずつ頭が冷
えてくると、落ち着いたものの見方ができるようになってきた。
 腕を組んで、コルベールは昨日のことを思い返した。
 初めにあの平民を見たときは、確かに正真正銘の平民だったのである。それが『ガンダールヴ』
になったということは、召喚したミス・ヴァリエールが、ただの平民を『ガンダールヴ』にしたと
いうことだった。
 ――それがひっかかる。
 控え目に見ても、ミス・ヴァリエールは優秀なメイジとは言えなかった。座学こそ優秀な成績を
収めていたが、肝心の魔法は失敗ばかりで成功したためしがない。はっきりと言ってしまえば無能
の部類に入る。
 その無能なメイジが、平民を伝説の使い魔にした。これがいったいどういうことなのか、コルベ
ールにはわからなかった。そして、そのよくわかりもしないものを、これといった調査もせず王室
に報告するのは、どう考えても早計だということにも思い至った。
「むうううゥゥ」
 コルベールはうなった。いち早く情報整理に努め、大事であるかもしれない事件を冷静にとらえ
るオスマン氏に、重く感嘆したものである。
 腕を解いて、コルベールは言った。
「学院長の深謀には恐れ入ります」
「うむ。こういったことは、案外難しいところがあるでな」
「王室に報告というのは、いささか即断に過ぎました」
「……なんの話じゃ?」
「は?」
 不思議なものを見る目でコルベールをじろじろ眺め回しながら、オスマン氏は言った。
「私は最近たるんどる貴族どもから、ガッポリ学費を調達するンまぁ――い方法を考えとっただけ
なんじゃがな」
「…………」
「で、なんの話じゃ?」
 心のうちでコルベールはうなった。適当なことを言って、大事であるかもしれない事件を放って
どうでもいいことを考えるオスマン氏に、軽く失望したものである。
 ――いや、もともとこんな方だった。
 何も言わずに、コルベールは部屋を出て行った。


 ――相変わらず単純な男じゃな。
 荒々しく閉じられた扉に目を細めながら、オスマン氏は思った。

596 :使空高:2008/07/02(水) 20:34:40 ID:sKF1jtMH
 普段はそれなりに冷静なコルベールだが、一度頭に血が上ると、ひとつの物事しか見えなくなる
ところがある。先ほども自分では気づいていないようだったが、伝説の使い魔にしか思考が行って
いなかったのは明白だった。そういった意味でコルベールは、オスマン氏に言わせればまだまだで
ある。
 長い付き合いをして来たのはコルベールだけではない。当然オスマン氏も、コルベールの性質と
いうものを把握している。むしろ普段から飄々とした態度をとっているオスマン氏のほうが、冷静
にコルベールの性格を見ていた。
 だから、少し煽っただけでコルベールが部屋を出て行くであろうことも、ちゃんとわかっていた。
わかっていて追い出したのである。この件については、自分一人で預かるつもりだった。今はもう
少し、手近なことも考えねばならない時だとオスマン氏は考えている。
「王室のことも確かにそうなんじゃがな。あのボンクラどもに伝説の使い魔のことなぞ吹き込めば、
その主人ともどもオモチャにされて、戦のダシにされるのがオチじゃろうて。あの暇人どもめ、戦
だけは喜び勇んで起こすからの」
 長いあご髭をなぜながら、オスマン氏は長い独り言を言った。それからしばし沈黙したかと思う
と、不意に立ち上がって、窓辺に寄った。遠くの山々に大きな雲がかかっているのが見え、下に目
を移せば小鳥が二羽、つがいなのか、絡み合いながら飛び交っていた。
 ――彼女は……。
 ミス・ヴァリエールは大丈夫じゃろうかと、オスマン氏にはそれが気がかりだった。どちらかと
いえば、伝説の使い魔がどうこうよりも、そちらの方に考えが行っているきらいもあった。
 幾重にも年輪を重ねたオスマン氏にとって、この学院の生徒たちの抱える悩みなどは、そのほと
んどが取るに足らないものである。恋に勉強に家柄に、何かと懊悩することもあるだろうが、それ
はそういう年頃であるからで、一見深刻そうな悩みも、ふたを開けてみれば何のことはない思い込
みだったりする。オスマン氏はそれを十分に理解していた。
 そのオスマン氏をして、ヴェストリの広場でのルイズの叫びは、抱えている悩みはそう軽くなさ
そうだと思わせるものがあった。学院長としての配慮より先に、老婆心を呼び起こされた。
「……ジジイが老婆とはこれいかに、じゃな」
 その呟きがため息混じりになったのは、我ながら面白くないと思ったのと、直接に手助けができ
るわけでもなしに、心配なぞしてもしょうがないと思ったからだった。
 伝説の使い魔、死にかけの使い魔、その主人、今日一日だけで増えた懸案に辟易しながら、それ
を表に出すことなく、オスマン氏は鼻毛を引っ張っている。
 オスマン氏の服の袖から寝ぼけたモートソグニルが落っこちて、きゅぐゃッと鳴いた。

◆ ◆ ◆

 窓は分厚いカーテンに覆われていて、部屋の中は薄暗かった。こもった湿気と陰鬱な空気が、こ
とさらに暗さを助長している。
 外は晴れなのか曇りなのか、はたまた雨なのかもわからず、朝なのか夜なのかさえ、いまいち判
別がつけられなかったが、もともと日当たりの悪い部屋なので、特に気にはならなかった。部屋は
もともと、廊下の突き当たりにある小さな納戸に少々の手を加えたもので、リキエルはそこに寝起
きしている。その慣れもあった。
 それがいつの頃だったか、リキエルは覚えていない。ただ漠然と、小学校に上がる以前であろう
ことがわかるだけである。無理に思い出そうとすると、何やら嫌な気分が噴出してくるあたり、単
純に記憶が薄れただけというわけでもないらしかった。
 その時のリキエルは、呆然とベッドの上に座り込んで、一枚の写真を眺めていた。今にして思え
ば、そのベッドは何の変哲もないベッドだったが、その時分はだいぶ広く思えた。やはり、かなり
小さい頃の記憶であることは間違いないようである。

597 :使空高:2008/07/02(水) 20:37:40 ID:sKF1jtMH
 写真は、闇の中に立つ一人の男を写している。
 男だという確信はあったが、何かそう思えない部分もあった。暗がりの中で人物の顔がよく見え
なかったのと、記憶が曖昧なせいもあるが、その人物は写真の中だというのに、男とも女ともつか
ない、凄艶な『色気』のようなものをかもし出していたのである。十にもならないリキエルに、そ
んなことがわかるはずもなかったが、奇妙な印象として、その色気は記憶に残っていたのだった。
 リキエルが写真の人物を男だと確信していたのは、人物が自分の父親だという確信を持っていた
からだった。男の左肩には、リキエルの左肩のものと同じ、『星型のアザ』があったのである。
 写真を見ていると、不思議と心が安らいだ。親のない悲しみや愛情を得られない身の不遇から、
始終波立って精神を苛んでいた心が、平らかになった。心が満たされる気がして、どれだけ長く写
真を眺めていても飽きなかった。
 男のことを考えると、幸福感に包まれた。周囲の大人が自分を見るときの、濁った視線がまるで
気にならなくなり、暗い気持ちになったときも、それを乗り越える気になれた。誇り高い気持ちが
胸に浮かんできて、それは生きる希望のようにも思えた。生きる目的を得たようで、子供心に頼も
しかった。
 間もなくその写真は、家の人間に取り上げられ、破り捨てられてしまったが、誇り高い気持ちは
消えなかった。
 しかしその気持ちも、長くは続かなかった。絶えず襲い掛かる絶望や失意に、リキエルの精神は
耐え切れなかったのである。小さな希望は粉々になるまで削られて、わずかな誇りもしぼんで消え
ていった。無為な精神状態が、小学校に上がるまで続いた。写真のことも意識の中で次第に薄れ、
思い出すこともなくなった。
 それらの記憶が、今甦ってきているようだった。辛くないと言えば嘘だが、リキエルは既に一度、
過去と向き合っている。これくらいのことならば受け止めることができた。
 記憶がもう少しだけ掘り起こされて、写真の記憶もより鮮明になった。写真にはアルファベット
が殴り書きされていた。それが父親の名前だった。
 父親は、『ディオ・ブランドー』といった。


 ――父親。DIO……ディオ・ブランドー。
 むくりとベッドから身を起こして、リキエルは思いを馳せた。夢の中で感じた満ち足りた幸福感
はなかったが、パニックを起こす気配もないようだった。リキエルはそれを、自分が希望に近づい
た証だと思った。
 いい気分だった。絶好調とまではいかないが、鬱屈して固まっていた大きな気持ちのひっかかり
が、確かに一つ消えているのがわかる。片目が閉じたままなのは少し残念だったが、以前ほどその
ことに失望はなかった。これから少しずつ、長い時間をかけて解決すればいいことだろうと、心に
も余裕ができていた。
 ふと、ここはどこだろうと思い見回してみれば、ルイズの部屋である。リキエルからすると広め
の部屋に、ずいぶんと大きなタンスがでんと目立つ。それから、こちらは小ぢんまりとしたものだ
ったが、机と椅子がある。椅子は来客用か二脚あって、どちらも過剰にならない程度の装飾が、逆
に技の妙を感じさせる一品だった。
 他に調度といえば、分厚い本が居並ぶ本棚くらいのもので、どこかさっぱりとした部屋だが、あ
まりゴテゴテとしすぎないところが、らしいといえばそうなのかもしれなかった。何がらしいのか
はわからないが。
 リキエルは大きく伸びをした。上体の各部が音をたてて伸びるのが快く、つい調子に乗って背を
反らせすぎてしまい、変な場所をつりそうになった。慌てて反るのをやめて背を曲げると、顔の横
にまばゆい光を感じた。見れば全開の窓の向こうで、昇りかけの太陽が地を赤く染めている。色あ
ざやかな朝焼けが目を焦がした。
 しばらくすると眩しさに耐え切れなくなった。左手で目を覆った。
 再びまぶたを開けると、腕に巻かれた包帯に目が行った。
 ――そういえば……。
 なんともないなとリキエルは思った。
目潰しのために自分で切った、左手首に視線をやる。あの時はより多くの血を噴き出させるため
に、手の甲の側を切った。加減がわからず、する気にもならず、とにかく深くえぐっていた。間違
いなく腱まで断ち切ったはずである。
「……」

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:38:17 ID:FZEMiyQg
sien

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:39:22 ID:wlDv0t+z
ageちまった、ミスった
支援

600 :使空高@代理:2008/07/02(水) 20:47:29 ID:FZEMiyQg
だが、その傷も綺麗に消えていた。他にもあの決闘で、腕といわず脚といわず、とにかく全身に
傷を負ったはずだが、伸びをした限りでは、腰から上は何の支障も無く動いた。
 脚のほうはどうかと、ベッドから降りて歩き回ってみた。やはり不自由は無いようである。思い
切って軽いストレッチなどもしたが、だるい感じがあるだけで特に不具合はない。そのだるさも、
長い間寝ていたからだと思われた。どのくらい眠っていたのかは分からないが、これだけ体が動く
のであれば、そう長い間でもないだろう。
 あれだけの負傷が跡も無く、後遺症の一つも無く治るには、一月寝ても足りないはずだ。であれ
ば、これは魔法の恩恵なのだなとリキエルには思い当たった。
 腕と足をブラブラさせて、リキエルが改めて魔法の力に感心していると、部屋の扉をノックする
音が響き、次いで食事を持ったシエスタが入ってきた。シエスタは起き上がっているリキエルを見
ると目を丸くし、「まぁ」と言って立ち尽くした。それからひとしきり目をしばたたかせて、もう一
度まぁと言った。
「起きてらしたんですか。どこか、痛むところとかは?」
「特にないな、体が少しだるいだけだ」
 よかった、と言ってシエスタは笑った。その顔が心底安堵したものだったので、会って間もない
相手に心配をかけたと、リキエルは心うちで苦った。
 その苦りを顔には出さず、リキエルは言った。
「心配をかけたみたいだな、ずいぶんとよぉー。すまなかった」
「いえ、そんな。でも、大変だったんですよ。ここにあなたを連れてくるときに、ミス・ロングビ
ルが応急処置をしたそうなんですが、全然おいつかなくて、先生を呼んで、沢山の秘薬を使ったり
して、ようやく治療したんです」
「…………」
「でも五日も起きないから、やっぱり心配でした」
「…………」
 苦りが顔に出た。存外に長い間、自分は眠っていたようである。しかも、かなり多くの人間に迷
惑をかけたらしい。ミス・ロングビルだけでなく、自分を運んだ人間もいたはずで、自分が使い魔
という立場にいる以上、主人のルイズにも迷惑をかけたろう。
 ――しかしそれだけ眠っていたとなると……。
「その間、もしかして看病を?」
「あ、いえ、私じゃなくてミス・ヴァリエールが」
「ルイズ。あいつがか?」
「はい。夜通しで、汗を拭いたり包帯を替えたり……。秘薬の代金も、ミス・ヴァリエールが出し
たんですよ」
 意外なことを聞いたとリキエルは思った。
 決闘は、原因こそ相手のギーシュにあったが、結果的に受けたのはリキエルで、ルイズの静止を
振り切って、そのまま決闘を続けたのもリキエルだった。あずかり知らぬところで勝手に喧嘩など
始め、勝手に怪我をするような人間など、打ち捨てられたところで文句は言えない。それでなくと
も、ルイズはああいった性格をしているの。多く迷惑をかけた自分を、それほど献身的に面倒みて
くれるとは、リキエルは正直に言って信じられなかった。
 そんなことを思っていると、ちょうどそのルイズが、暗い顔をして部屋に入ってきた。顔が暗い
のは、目の下にできた大きな隈のせいである。夜通しの看病というのは、誇張ではないらしかった。
眠たそうな半眼がリキエルに向いた。
「あら。起きたの。あんた」
「ああ、お前には迷惑をかけた」
「本当よ。決闘だなんて、いい迷惑だわ」
「すまなかったな、薬だとか包帯だとかよぉ。まあ他にもいろいろと、感謝している」
 感謝しているというのは、素直な気持ちを言ったものだが、看病してもらったことに対するもの
ではなかった。そのことにも無論感謝の念はあるが、いまのリキエルは、『欠けた心』の一片が戻っ
てきたことに感謝している。
 父親のことを思い出せたのも、気分がすこぶる良いことも、それらの要因になっている、自分の
過去と向き合えたということも、全てはルイズの存在あってのことだった。いろいろな意味で、ル
イズには頭の下がる思いなのだ。
「当然よ! まったく、使い魔のくせに勝手なことばっかりして!」
 ルイズが怒鳴った。濃い隈のためか、なかなかに迫力があった。


601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:48:03 ID:wlDv0t+z
サルだったのか 支援

602 :使空高@代理:2008/07/02(水) 20:48:12 ID:FZEMiyQg
「わかってるの!? あんた死ぬところだったんだからね! 『治癒』を使ってくださった先生も、
あともう少し処置が遅いか、傷が熱でも持ったりしていたら危なかったって言ってたわ! なんの
後遺症も残らなかったのなんてほとんど奇跡よ、奇跡!」
「あの、ミス・ヴァリエール。リキエルさんは病み上がりですから……」
「病み上がりですって? 立って歩けて話せれば治ったのと同じよ!」
 見かねて控えめに口を挟んだシエスタにも、ルイズは憤然と噛み付いた。噛み付かれたシエスタ
は、自分に矛先の向かない保障がないのを知って、「え、え〜と。そういえば私、厨房でやることが
あるんだった。失礼します!」と早々に逃げ出した。
 ――災難だったな、とばっちりなんか受けて。
 他人事のように思いながら、リキエルはシエスタを見送った。その間も、ルイズのがなりたてる
声は耳に入ってくる。
「だいたいね! 怪我がひどすぎるのよ! 使った秘薬だって、平民には手が出せないくらい高価
なものだったのよ! おかげでお小遣いのほとんどに羽が生えたわ! ……ああ、もう! あんた
とりあえずそこに直りなさい! 首が疲れる!」
 リキエルは言うとおりに床に腰を下ろした。大の男が床に座らされ、年下の少女の小言を聞くと
いうのは、構図としてはだいぶ情けないものだったが、リキエル自身は特に思うところもなく、そ
れに甘んじている。叱責される筋合いならいくらでもあるので、素直に説教を聞くのが道理だった。
 それに、変に反発などしたところで、まるで得にならないことも自明の理である。あるいはそう
いった理由のほかに、溜飲の下がるまで、怒鳴りたいだけ怒鳴らせてやろうという気持ちもあるよ
うだった。
 どうにも心が穏やかで、罵声も怒声も気にならなかった。ほとんど聞いていないのと同じである。
頭の下がる思いではあっても、頭が上がらないわけではないのだった。
 そんなリキエルの意識を知るわけもないだろうが、ルイズは釘刺すように言った。 
「そういえば、あんたまたお前って言ったわね! 明日一日食事抜き! 溜まった洗濯物も洗っと
きなさいよ! 忘れないで、あんたは私の使い魔なんだからね!」
 リキエルは「ああ」「おお」と適当な返事をしながら、ちらと窓の外に目をやった。さっきまで赤
味を残していた日の光は、もうすっかり黄金色に変わっている。このハルケギニアとかいうらしい
異世界は、月は二つでも太陽はやはり一つなのだなと、リキエルは今さらそんなことを思った。


603 :使空高@代理:2008/07/02(水) 20:48:55 ID:FZEMiyQg
>ぐはぁ、やられた。すみません。お願いします。
>にしても原作一巻の半分までをようやっと消化。……なんだこのペース。

代理終わり。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 20:51:33 ID:wlDv0t+z
使空高 乙! 代理の人も乙!

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 21:12:21 ID:7Lc/7BgT
使空高GJ!!
黄金の精神方面にいってくれたらいいなあ…両面ってのも良いかな

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 22:13:34 ID:Hf7KQIQZ
空高さん待ってました!!
相変わらず文章がゾクゾクくるほどカッコイイ!!
とにもかくにも全身全霊をこめての乙コォォール!

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:12:12 ID:zvP9k7lS
使空高GJ…描写の上手さに惚れ惚れする。
ゆっくりでも待ってます。リキエルが気高く成長していく続きを正座して待ってます…

他の作者さんの予約がなければ、続く形で20分から投下を行いたいと思うんですが構いませんかッ!?

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:16:42 ID:TivB7QEF
>>607
何を言っているんだ、その「時間」がいいんじゃあないか
その「時間」に「投下」するからいいんだよ

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:24:29 ID:zvP9k7lS
遅れてすいません…次何話か忘れてしまってw

ポルジョル_外伝12 投下します。

ルイズとテファをアルビオンに連れて行かなければならなくなった夜が明けようとする頃、ジョルノは自室ではない部屋のベッドに横たわり本を読んでいた。
微かに湿気を帯びたベッドの上、寝転がる前は皺一つなかったシーツは身じろぎをするたびに皺を増やしていく。
枕元には既に読み終えた手紙が重ねられていた。
飾り気のない組織の連絡に交じって、何枚かは可愛らしい色の紙であったり中身を取り出すためにつけたナイフの切り口から微かに香水の匂いがする。
舞踏会や商売上の相手、あるいはイザベラなどからの手紙だった。イザベラについては、ペットショップがいるのに丁寧な事だと思わなくもなかったが。

「亜人の件に関しては私から教皇を説得しておこう」
「お願いします。東方との交易は増やしていきたいですからね。エルフとも活発に取引したいんです」

本を読んでいたジョルノは、返事に苦笑したような雰囲が返ってきてハルケギニアの文字から目を離す。
読んでいたページには、縮小した樹木のスケッチが乗っていて、葉っぱや木の芽を描いた隙間に樹木についての説明が書かれていた。
この本は、ハルケギニアの動植物に関して書かれた書物で地球には存在しない金属のように硬い樹皮を持つものとか、
近づくと運が悪ければ死に至らしめるような毒針を飛ばす奴について詳しく書かれていて存外にジョルノを楽しませていたのだが…

「読書の邪魔をしてしまったようだね…すまない。ただあっという間にハルケギニアの経済界で上り詰めようとしてる君が私に頼みごとをするのはそんな理由なのかと思ってね」
「仲間が増えていくのにピザが一枚じゃあ何れ足りなくなるってことです」

背中にもう一度苦笑したような感じが返ってきたが、ジョルノは何も返さなかった。
もうすぐ夜が明けるのを開け放した窓から入ってくる風や日差しから感じ、本を閉じたジョルノは夜のうちに済ませたことを頭に思い浮かべ確認する。

ラルカスには『ボスはテファに甘すぎる』とか『アンタはボスなんだから自重してくれ』と自分の事を棚に上げて怒られたりしたが、組織の仕事の引継ぎは済ませた。

今回、ラルカスは置いていく。研究、裏事、ジョルノの護衛と3役4役をこなすラルカスは組織として重宝しているからだ。
地球の学問を学びながら組織の表と裏の仕事を精力的にこなす元モード公の部下達や、ゲルマニアの皇帝が幽閉した親族についていた者達、ガリアでジョゼフが王位についた前後に叩き潰された者達など…
皆ジョルノがある程度満足する働きを見せていたが、そんな彼らでも遍在を使える者は殆どいない。
アルビオンに行くとなれば戦争中、しかもその最前線へ行かなければならない。
精鋭を連れて行きたいところだが、新たに組織に入ったミスタ・ギトーの教育もさせなければならない状態でラルカスをつれてはいけないとジョルノは決断していた。
何せ最悪貴族派に追われつつ、トリスティンでは『烈風』カリンを相手にしなければならないなんて状態になりかねないのだ。

だが連絡手段は必要なので、ラルカスには明日の朝までに…"使い魔の召喚"を命じている。
使い魔の標準的な能力である視覚などの共有を行えば最低限ジョルノ側の状況などは伝えられるという判断だった。

「ジョナサン、君に一つ質問なんだが」

アルコールで体が少しは暖まったのか少し汗をかいた男が不意に尋ねた。

「なんです?」
「君は我々を召喚したハルケギニア人をどう思っている?」
「嫌いですが?」

嘘を言っても良かったが、これに関してはこの男には言ってしまっても問題いは無い。
そう判断したジョルノはあっさり返事を返した。

「そうなのか?」

意外そうな声を上げた男に、今度はジョルノが苦笑した。
向ける相手に対して暖かい感情など欠片もない、冷たい笑い方だった。

「人を攫って奴隷にするような連中です。この学院でのポルナレフさんやサイトの扱いを見て好意的になるほどお人よしではありません」
「……ハハッ、それはよかった。実は私は彼らにちょっとした趣向を考えてあるのでね。君に止められたらどうしようかと思っていたんだよ」

ポルナレフとの相談も済ませてあった。そこでも現在亀の中でポルナレフと同居するマチルダに激怒されたが。
亀は今回とても有用だ。もし…例えば、あの甘ったれたアンリエッタ王女がこの密命を他の誰かにも勝手に命じていたりしなかったらありがたく使わせてもらうことになるだろう。

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:25:36 ID:zvP9k7lS
そこまで考え、隣で同じように転がりながら、ジョルノが買い付けさせた学院からそう遠くない場所にあるタルブ産のワインを飲む男へ声をかけた。

「プッチ、貴方に質問がある」
「なんだね?」

隣でやはり中世の世界では醸造技術も劣るのだなと思いながらワインを口に含んでいたプッチ枢機卿は振り向いた。
酔いは感じられないが、とても穏やかな声だった。
協力関係を築く為今夜もまた相談し、ジョルノはそのままプッチ枢機卿に頼んで休ませてもらっていた。

自室へ戻って気分転換に亀の中に潜り、レ・ミゼラブルを始めとした愛読書達に目を通したりジェフ・ベックでも聞きたいのだが、自室ではまだ怒りが冷めないマチルダが待ち受けていそうだった。
彼女の説得はポルナレフに任せてきたので会うなら明日の朝以降の、少し冷静になった頃合にしたいとジョルノは思っていた。

明日以降野宿の機会が訪れそうだというのに野宿しようって気にはならない。
となると他の誰かの所へ押しかけるしかないのだが、ルイズのところに戻って気分転換なんてできるわけがない。
モンモランシーの部屋はそれほど親しいわけでもないし、グラモン家と面倒なことになる。
イザベラはガリアだし、カトレアの所へいって頭なでなでしてもらったり、テファにせがまれてまたイタリアの話を聞かせたりするのは…まだ早いような気がしていた。

その結果は、夢の中にジョルノの祖父を自称するジョンブルが現れるという散々なものだったが…逆に考えると言うのは中々盲点で、ある意味参考にはなったが。

そんなジョルノとは対照的に、どうにも懐かしい安心感をプッチは感じていた。

「ガリア王ジョゼフに貴方がやったことについてだ」
「彼か」

プッチはジョゼフの事を思い出し、ジョルノに語りだす。
ベッドから起き上がったプッチは部屋に持ち込んでいた鞄を取ってまたベッドに横になると、その中をあさり始めた。
鞄の口が大きいせいでジョルノにも微かに見えるその鞄の中には円盤が無造作に並べられている。

「彼は壊れていた。ハルケギニアを弄んでみたら泣けるんじゃないかとか考えていたらしいが…」
「アルビオンはその為に?」

説明をしながらプッチは無造作に取り出した何枚かのディスクの中身を見ては違う、と言って横に放っていく。

「そうだ。ジョナサン、彼は吐き気を催す邪悪ではなかったが、言わばブリミルに呪われていた。
救われるには死以外には全て忘れるしかなかったのだよ…彼の虚無は強力だったろうな」
「なるほど。虚無というのはメイジを余り幸せにはしないようですね」

本を手紙と同じように枕元に置いたジョルノはルイズやテファ達のことを思い出して相槌を打った。
テファは虚無とは関係無しに迫害を受ける立場だったからまた違うが、ルイズの状況を酷くしたようなものと想像がついた。
プッチはジョルノの意見に頷く。

「王家とブリミルのどちらかか、あるいは両方が間抜けなのだろうさ。まぁそれはともかくとして、彼を放って置けば何れ我々の身に火の粉が降りかかるのは簡単に予想できたからな。私は彼を無力化したのだ」
「では今のアルビオンとガリアは無関係だと考えていいんですね?」
「いや、全くの無関係とはいえないな」

ディスクを探す手を止めてプッチは言う。

「私が彼に手をつけた時、彼の使い魔"ミョズニトニルン "はアルビオンで活動中だった」

ミョズニトニルン、「神の頭脳」と呼ばれている伝説に残る虚無の使い魔の名前が挙がってもジョルノは特に驚いた様子は見せなかった。
ジョゼフがルイズと同じなら使い魔位は持っていてもおかしくはないからだ。
注意を払わなければならない相手はパッショーネには幾らでもいる。それにミョズニトニルンが加わっただけの話だ。
動じないジョルノを観察するような目でプッチ枢機卿は状況を語っていく。
ミョズニトニルンを障害とは考えていないのか、至極どうでもよさそうな気の無い口調だった。
「しかも主人の変貌には全く納得がいっていないらしくてね。確実な情報じゃあなくてすまないが、未だにレコンキスタででも頑張っているんじゃあないか?」
「…能力についてはわかりますか?」
「なんでも魔道具を際限なく使用できてスキルニルとかを渡してあると言う話だ」

恐らくガリア王ジョゼフの記憶を覗いて知ったであろうことを、プッチ枢機卿はまるで本人に教えてもらったような口ぶりで言った。
ジョルノは思ったよりも警戒が難しい能力に眉を寄せる。

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:31:24 ID:zvP9k7lS
スキルニルについては、ジョルノにとっては案外馴染み深いものでそれなりに知っていた。
以前イザベラに聞かされた説明によれば過去の魔法使いが作ったアルヴィー(小魔法人形)で、人間の血を与えるとその人間そっくりになる。
そして人間そっくりになったスキルニルは、外見のみならず記憶やしぐさ、身につけた技術まで再現出来る。
イザベラは悪戯やボイコットに使ったらしいが、古代の王達はこれを用いて戦争ごっこに興じたらしい。

かなりの貴重品ではあるが、戦争ごっこに使われただけあって結構な数が現存している。
ジョルノはそれを手に入れてはラルカスに化けさせて"ミノタウロスのメイジ”の姿を見せて敵を脅かしたりジョルノにしてどうしても出られない小さな舞踏会や支援している劇場などに出してみたものだ。
ガリアにいながらゲルマニアの劇場に現れ主演女優に花束を投げさせたりもできるのだから、案外便利なものだ。

だがミョズニトニルンはそれだけでもあるまい。
少なくとも、レコンキスタの首領であるクロムウェルは自称"虚無”で、死者に命を吹き込むと言う話もジョルノの耳には入っていた。
それは虚無ではなく、(カトレアを治療するのに使ってしまった)テファの母の形見だった指輪でも同じような魔道具じゃあないかとマチルダが疑っていた。

「そんなわけで以前の彼の方が優秀だったが、今のジョゼフ王は問題ない。まあ、君が直せと言うなら、直してしまっても構わないが…」

鞄を探っていたプッチはようやく発見した一枚のディスクを取り出してジョルノに手渡す。
かつて行なわれていたであろう"スキルニルを使った戦争ごっこ”を何れ再現してみようかなんて考えていたジョルノは我に返り、それを受け取った。
仕事にばかり使っていたが、案外十人以上のポルナレフさんを並べてみたら案外シュールで笑えるかもしれないという企画は、暇になったら提案してみることに決めて今は渡された円盤を眺める。
目を細め、表面に浮かぶ文字を読み取ろうとするジョルノにプッチ枢機卿は言う。

「これがジョゼフの記憶のディスクだ。よかったら君にプレゼントするよ」
「記憶ディスク?」
「スタンド能力のディスクと、まぁ同じようなものだ。これを頭に刺せばジョゼフの記憶が手に入る。本人に刺せば元通りと言うわけだ」
「…これは遺族に返すことにしましょう」

スタンド能力のディスクについて話した覚えはなかったが、それについては深く考えずにジョルノは記憶ディスクを手紙の上に無造作に置いた。
ペットショップを通して、先日届いた手紙にも念を押すように書いてあったイザベラの言葉が思い出される。

『父上は私に関心を見せたことはなかった。だからシャルロットみたいに父を愛してなんかいないさ、復讐されて当然の男だしね。
だけど、あれは父上じゃない。あんな男に父上面されて優しくされるのは我慢出来ないね…ジョナサン、アンタに何があったか調べな、
私に危害を加える気がないなら事実を突き止めるだけでいい、それくらいはしてやらないとね』

使い魔のペットショップごしに依頼してきたイザベラの微かに湿った声を思い出すジョルノを見てプッチは笑う。
普段見せている人の良さそうな笑顔ではない。
向けられる対象への穏やかな、愛情が感じられる笑顔だった。

「存外素直なんで意外、と思うかもしれないが…渡さなければ、質問から拷問に変わっていたんじゃあないかな?」
「ええ、貴方が素直で助かりました。無駄な手間が省けましたよ」
「そう、そういう感じは少しDIOっぽいな」

耳障りの良い声で不穏当な返事を返すジョルノへ笑顔を向けたままのプッチはワインを少し飲み干して言った。
少し近づいてきたプッチの笑顔に、ジョルノは怪訝そうな顔をして返事をする。

「そうですか?」
プッチは思い出に浸ろうとしているのか、どこか遠くを見るような目をした。

「…ジョゼフには『DIO』がいなかった」

『DIO』と出会った自分を誇っているような、静だが熱の篭った声だった。

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:31:40 ID:1N3V8Nar
支援

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:32:41 ID:/kkLkQX6
>その結果は、夢の中にジョルノの祖父を自称するジョンブルが現れるという散々なものだったが…
>逆に考えると言うのは中々盲点で、ある意味参考にはなったが。
ちょwwwww卿自重wwwww


614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:34:16 ID:zvP9k7lS
ジットリと部屋を温くされたように感じたジョルノは、怪訝そうに尋ねた。

「父がいれば違ったと言うのか?」
「彼の弟は彼の能力を理解していたが、彼を満たす事はなかった。悪には悪の救世主が必要なのさ。君の父『DIO』は正にそうだった」

そう語るプッチ枢機卿の目には陶酔の色が見える。
ペットショップも似たような目を見せるときがあるのをジョルノは知っていた。

「私や彼の部下になった者達に永遠の安心感を与えてくれていた。君もそうなると私は考えているんだがね」

我に返ったプッチにジョルノは言う。

「そうですか。なら言っておきますが、僕は父とは違う。僕の仲間や部下を踏みにじるような真似はしないでくださいね?」
「勿論だとも。全く同じになることなど望んではいないさ。その上で私は彼にそうだったように、私なりに手助けさせてもらうよ」

警告を含んだ厳しい言葉にプッチは笑顔のままそう答える。
自分がジョルノの助けになることには何の疑いも持っていない自信に満ちた声だった。

「亜人の件は私に任せておいてくれていい。ロマリアは私が説得して見せよう」
「任せます。では僕はこれで、またアルビオンから戻った時にお伺いしますね」
「待ちたまえ」

体を起こしたジョルノの手を掴み、プッチは一枚のディスクを握らせた。
魔法の照明で照らされた盤面に映っているのはスタンドではなかった。

「"ガンダールヴ"だ。兵に銃器の扱いを覚えさせるのにたらい回しにする予定だったんだが、せめてもの選別さ」
「既に、ルイズから奪っていたと言うわけか」
「鳥が使っていても仕方が無いだろう? それに…これはミス・ヴァリエールからの報酬でもある」

微かに怒りを覗かせるジョルノを説得しようとプッチは言い聞かせるように言う。
だがそれは同時に、ジョルノを騙してこの場を乗り切ろうとしているようでもあった。
真意を探ろうとするかのように己を観察するジョルノに、同じような視線を返しながらプッチは語る。

「彼女の依頼はロマリアに残っている虚無の情報を調べる事…その間"ガンダールヴ"を貸すという約束でね。君に自分の系統を教えられた勉強熱心なメイジは、彼女なりに調べようとしているというわけだ」

汗もかいていない。声も上擦ったりなんてことはない…至って平静な態度をプッチは崩さなかった。
だが、プッチ枢機卿という男がジョルノと同じように必要なら平気で嘘を吐ける人間だと言うことをジョルノは理解していた。
『スマン、ありゃ嘘だった』なんてこの男なら簡単に言うだろう。

だが、この件に関してはルイズが承諾しているかを確かめる位が関の山だろう。
使い魔の能力が失われようと生命に関わるわけではないし、メイジが自分の使い魔をどうしようが勝手だ。
虚無の件では相談しているしアルビオンにも行くとはいえ、ルイズがゲルマニアの人間で、年下のジョルノに使い魔のことにまで口を出されたがるとは考えにくかった。

「ルイズがいいと言うなら、僕が言う事はありませんね」

だからジョルノは特に何も言わずに体を起こす。
目にかかる黒髪を手で払い除け、枕元に散乱する手紙や本を纏めるジョルノの姿を眺めながら、プッチは自分の枕を抱えて再び横になった。

「出立までには足と、AK小銃も用意しておこう。銃と“ガンダールヴ”は相性がいいはずだ」
「どこでそんな物を?」

AK小銃位はジョルノも知っている。
『AK-47:世界最強の殺人マシーン』、なんて調査報告書が存在する程有名な銃だ。
AK系はコピー品も含めて大量にあるのでどれかはわからないが、高い信頼性がありパッショーネにも、あるところにはあるのだがまさかハルケギニアでも名前を聞くとは思っていなかったジョルノは純粋に驚いているようだった。
プッチはそんな反応が面白いらしく、声を上げて笑う。

「ロマリアにはまだ君の知らぬ部分もあるというわけさ。今度紹介しよう。その為の”ガンダールヴ”だったが、仕方あるまい」
「グラッツェ。貴方のお陰でこの仕事は当初よりとても楽になりましたよ」

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:37:09 ID:GzS11xW3
プッチのDIO信仰はどこでも変わらんなぁ

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:40:50 ID:zvP9k7lS
『DIO』の息子に頭まで下げて礼を言われたプッチは照れくさそうに首を振った。

「当然のことさ。君が私を試すように…私にとってこれは君を試す良い機会だが、倒れられても困るんだよ」

荷物を纏め、ベッドから下りたジョルノはそれを聞いてプッチを見る。
口元に爽やかな笑みを浮かべ自分を見るDIOの息子を、プッチは眩しそうに見上げていた。
ジョルノはそれ以上何も言わないプッチに背を向けて、部屋を後にした。
プッチは柔らかいベッドの上を転がり、開いたままだった窓に降り立つ鳥へと声をかける。

「彼が『DIOの息子』なのか。それとも『ジョナサンの息子』なのか…ペットショップ。君も気にならないかね?」

ペットショップは何も言わないどころかプッチには目もくれず仕留めて来た獲物を食べる。
主人の友人だというが、彼にとってはプッチは今の所敵対していない相手でしかなかった。

「ジョナサンが私の好意をどう受け取るのか、楽しみじゃあないか。ええ? 『ガンダールヴ』で我が信徒達にタイガー戦車の操縦を覚えさせるのを延期する価値はあると思わないかい?」

無視されても、人懐っこい笑みを浮かべて語るプッチにペットショップを一瞥を投げ、食いかけを足に挟んで飛び立った。
プッチの態度を見て、ペットショップもジョルノと共にアルビオンへ行くことを決めていた。
同行することを決めたペットショップが雄雄しく空を舞う下で、同じくアルビオンへ向かう事を決めたサイトが最近仲良くなった女の子との別れを惜しんでいた。

「サイトさん…本当にアルビオンに?」

今にも泣き出しそうなシエスタに、サイトはばつが悪そうに頭をかいた。
デルフリンガーは、とても空気が読めなさそうな気がしたので厳重に布を巻かれていた。

「あぁ、師匠には恩があるしよ。竜を貸してくれるって人もいてさ、運ぶだけならなんとか俺にもできるんじゃないかって思うんだ」
「それだけで、それだけで行っちゃうんですか!? 極秘っておっしゃいましたけど、絶対危険です…! ポルナレフさんはああ見えてフーケを捕まえた人なんですよ?」
「わかってるよ。でもあの人達といたら俺の故郷について何かわかりそうな気がするんだ。だから…世話になってばかりってわけにはいかないんだ」

もう朝っぱらだって言うのに二人の影が重なるのをパッショーネのエロタウロスことラルカスは腕を組み睨みつけるようにしながら、精神を統一していた。
特徴的な呼吸音と共に、高まる魔力がオーラとなって確認できるほどだった。
ラルカスは波紋呼吸を行いながら、自分の相棒たる短剣に相談する。

「ポルナレフによるとテファがボスを召喚したらしい」
「らしいな」

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:41:20 ID:tfcYuQpG
プッチの再現度高ぇw 支援

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:44:46 ID:zvP9k7lS
インテリジェンスソードである地下水は自分を持っているラルカスの主導権を一瞬だけ奪い取って相槌を打つ。
2.5メートル以上という控え目に言っても大柄すぎる牛男が独り言を言っているようで不気味だが、幸いまさ夜明け前。周囲に人はいなかった。
代わりに近くにいた鳥が怯えるように飛び去っていき、急降下してきたペットショップの爪に喉を貫かれて連行されていった。
芝生の上で胡坐をかいたまま、ラルカスはそれを見ていたがギャングとして抗争に明け暮れるラルカスはもうそのくらいの事では集中力を乱さなかった。
視界の端に、ケティとの朝駆けの準備をするギーシュの姿が見えたが黙殺する。
また何かやらかしたのか、食堂の前でまだ正座中のジャン・ジャックも無視して、重々しい声で宣言する。

「そこを見習って、私も異世界の美女を呼び出そうと思うんだがどうだ?」
「…例えば?」
「顔面にパンチを食らってもヘコたれなくて私がフェイスチェンジ使わなくてオッケーって言ってくれる愛情の深いタイプが良いな。それでいてクールなら何も言う事は無い」
「…使い魔召喚と理想の嫁召喚を勘違いしてるんじゃねーの? 時々相棒が仕事できない奴だったら殺してるなって俺思うわ」

呆れたような声で突っ込みを入れられたラルカスは豪快に笑った。

「それもそうだな。さて始めようか」

ボスの命令で久しぶりに使い魔を召喚する事になったラルカスは、アンチョコを見てもう擦れきった子供時代の記憶を掘り起こす。
地下水にはああ言ったものの、ラルカスとしては何よりも強力な使い魔が欲しかった。
どちらにも伝手はあるが、戦争中の地域に行くのだ。
最悪、流れ弾に当たって死ぬとか、間違って殺されてしまうことだってないわけじゃあない。

ラルカスは、ボスをアルビオンに向かわせるのに内心ではまだ納得がいっていなかった。
ジョルノは部下達を成長させて自分がいなくても滞りないようにしたいらしいが…ラルカスはそれも疑問視していた。

ラルカスにはまだ、ジョルノ・ジョバァーナが必要だ。だから死なれては困る。
その為に、強力な使い魔を呼ばなければと杖代わりにしている武器の一つ、最近組織から支給された銃剣を振り上げる。

「我が名はラルカス。五つの力を司るペンタゴン、我の運命に従いし使い魔を召喚せよ」


To Be Continued...


以上。投下したッ。

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/02(水) 23:59:57 ID:GzS11xW3
投下乙だぜ

>「ポルナレフによるとテファがボスを召喚したらしい」
これを見て一瞬ディアボロ召喚されたかと思ってしまった…

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 00:02:43 ID:TrvuNnQa
プッチの部屋にジョルノが泊まって…アッ
投下乙

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 00:03:04 ID:N5Z6uQeh
使空高さん、ジョルポルさん投下乙そしてGJでした!

何かお二人の作品を続けて読むと、DIOの血もジョナサンの血も
ちゃんと息子達に継がれてるんだなあとしみじみします
卿自重wとか色々言いたいです
ラルカスが誰を呼ぶのかとても楽しみです
呼ばれるキャラをエピタフしたいですが自重します
エンヤ婆かガイルじゃなきゃいいw

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 00:08:33 ID:0PU0AbRl
ブラボー…おおブラボー!!使空高さん、ジョルポルさんGJGJGJ!!

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 01:02:26 ID:lsmCzfW3
ああ……ここには『夢』がある……
プッチとジョルノがタッグを組むという『夢』が……

ポルジョルの人GJです。
本当、誰が来るんだろう。ゲテモノ好きの女性って……ああ! エピタフしてええ!

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 01:14:34 ID:kvDRnRqK
使空高氏、ジョルポル氏共にGJ!
血統、因縁。ジョナサンとDIOの宿業は死んだ後も血統の中でせめぎ会い続けるんだなあ。

>>619
あれ、俺がいる

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 08:45:12 ID:Z9dxdpmK
ゲテモノ好きでタフな女性?
エンヤ婆ですね!

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 11:29:42 ID:ty9KgCD6
まああの婆さんなら喜んでジョルノの力になるだろうがポルと揉めそうだな
あと才人とシエスタの仲が本編より進んでるのと、ワルドがこのままだと一生正座させられてそうな件についてw

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 13:14:01 ID:359ckN9g
バカな! おっぱいの話して正座しているだけの方がキャラが立っているだと……?

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 14:52:56 ID:ty9KgCD6
しかし何やらかしたんだろーなワルド
例のおっぱいプリンの復活をカリンに嘆願したのか?
それともジョルノに頼んで、ヴァリエール家の女性達のおっぱいを大きくしてもらいましょうと提案でもしたのかw

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 15:01:28 ID:bm4auylY
ワルドは偏在で分身できるし一人くらい正座し続けてもいいんじゃないかな

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 16:55:18 ID:wqtN5Ed1
カリン様をそれでごまかせればなー
・・・いや、おっぱいへの信仰を手に入れた今のワルドならそれくらいできるのかもしれない!!

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 17:58:50 ID:S9FGW/N6
逆に考えて、本体は正座して分身の方が働くトカ?
強制的に魔法を使い続ける事になるので、鍛えられて無駄に魔力強化されたりシテ

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 20:26:00 ID:gnKTj+hl
おっぱい子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドは遍在のアレンジに成功したんだよ!
そう、遍在を自分好みのおっぱい!おっぱい!なおにゃのこにして出すことに成功したんだ!!
そしてそれをカリン様に見られて……

なんだ?
風の音が大きくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 20:50:20 ID:25P0IrA7
結局ワルドって原作で死んだの?
アニメで機銃で打ち抜かれたのは知っている

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 20:56:12 ID:uipttcHe
キャラ的には死んでる。

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 21:01:42 ID:igQgPxOI
>>633
職業:配達屋さんでおマチさんと夫婦仲良くしてる
……学園襲撃にちゃんと二人を投入すれば楽勝だったのにナーと
半端に実力があって死にぞこなった悲しさを味わってます

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 21:06:43 ID:LOlVU5hG
>顔面にパンチを食らってもヘコたれなくて私がフェイスチェンジ使わなくて
>オッケーって言ってくれる愛情の深いタイプ

エルメェス兄貴なんかピッタリじゃないか!

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 21:31:38 ID:9+Taorj5
ここで穴で徐倫で逝ってみよう
しかしジョルノからみると血縁的にどういう関係かな…?
徐倫の曾祖父がジョセフでジョセフの祖父がジョナサン、ジョナサンの息子?がジョルノ…
ひいおじいちゃんのおじさんか…結婚とか問題ないな

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 21:51:42 ID:285YE+RQ
じゃんぴんじゃっくふらっしゅ

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/03(木) 21:52:11 ID:Ob1wFVcq
>>636
前提条件が間違ってる
エルメェスはおとkドグシャア

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 00:13:39 ID:CMgMdZL4
>>632
貴様ッ! いつ俺のPCを見たッ!

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 01:09:26 ID:JmP57K3h
ジョルポル乙!
プッチがまさにプッチwwww
よくあの電波をっぽい人再現できたなwwwww

ついでに
読んでる途中、チャリオッツの後ろにズラーっと並ぶポルを思い浮かべて吹いたwwww

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 01:11:36 ID:5nGcrXmm
>>641
ゾッとしたようだな

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 05:15:09 ID:EBd7vEKm
ジョルポル投下乙です。


>カトレアの所へいって頭なでなでしてもらったり

ジョルノ・・・・お前って奴は・・・・

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 13:36:36 ID:JQJt1xBZ
>>632
いや、いっそおっぱいだけの偏在を編み出すんだ。そうすれば
「伝授しましょうか?」
この一言で、最強のメイジが仲間になるぞw

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 13:41:33 ID:ZgDbDtvm
そういえばおっぱいソムリエのモット伯は来訪者だっけ?
続きまだかなぁ

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 19:33:13 ID:q337M108
ナビエ・ストークス方程式によれば時速200kmで空気を掴めばJカップ級の揉み心地になるという…。
風メイジ…恐ろしい子…!

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/04(金) 22:16:30 ID:p6srciFh
まて、風竜の時速は何キロだ?

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 06:10:30 ID:VpyTTpLQ
ゼロ戦に食らいつける程度だからな
高く見積もって400k半ばから後半が最高速かと

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 07:40:38 ID:g5xYIx2N
つまり、何カップだ!

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 10:42:19 ID:jvrdu0UN
大体450kとして200kの2.25倍
あとはわかるな?

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 11:11:11 ID:Afsao5Xi
・・・、バイクに乗って200K出せばJに揉みくちゃにされる感じ?
ちょっと高速行ってこよ・・・。

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 14:34:37 ID:RZp9igqn
コルベール先生何度イメージしてもうる星やつらの校長しかイメージできない

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 15:57:43 ID:YqWmVdmu
>>651
お前の名前ってひょっとして裕也じゃね?

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 18:28:45 ID:aB0n7H1P
>>653
裕也じゃないだろ。裕也なら周りに十分おp……女がいるし。

まぶたが下がってこけた方だろ

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 18:55:30 ID:+So9E3gD
>>653なら今は二十半ば
>>654なら二十歳くらいか
なんとなく奇妙な感じがするな。

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 19:17:28 ID:x14vbPbq
高速で飛んでるヘリコから飛び降りればいいんじゃね?ロッズも見えるし

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/05(土) 22:13:26 ID:QI/eMGAC
>>656
パラシュートを持たなきゃ死ぬぞw
ギリギリまで味わいたいならスタンド能力身に付けなきゃな

658 :来訪者:2008/07/06(日) 14:49:47 ID:Rv8K9q6E
投下しますね

どうでもいいが、最近やってるACGでティファ二ア似のエルフがいるんだが
それと比べて同コスト、同職でフラットな胸の桃髪エルフの遭遇率がさっぱりだという

659 :ゼロの来訪者:2008/07/06(日) 14:50:50 ID:Rv8K9q6E

「ここが私の研究室だよ」
そう言ってミスタ・コルベールが粗末な掘っ立て小屋の扉を開ける。
「ここ…コルベール先生の小屋だったんですか」
「ん?」
「あ、いえ。変わったにおいがする小屋があるなと思っていたもので。
 てっきり薬か何かの倉庫だと」
確かに小屋の中は、コルベールが実験に使用する、薬品やら、実験器具やら
古びた書物、さらには蛇やトカゲが入れられた檻までも、所狭しと置かれ
なんともいえない異臭を漂わしている。
「いや、実験に騒音と異音はつきものでね。最初のうちは自分の居室で研究
 していたのだが、すぐに隣室の連中から苦情が出てしまってね。
 それにしても…そんなに臭うかね?
 外にはそれほど漏れないように、気をつけているつもりなのだが」
「いやその、においに敏感な体質なんです」
育郎の脳に寄生するバオーには、聴覚や視覚は存在しない。その代わりに
発達した触覚によって空気中に漂う分子を感じとっている。今の育郎の脳は、
バオーの触覚器官の感覚を『におい』と感じ取っていた。
その気になれば、数キロ離れた特定の人間の『におい』をも感じ取れる育郎に
とって、学園の片隅で一際特殊な『におい』を放つこの小屋は、ひどく目立つ
ものだったのだ。
「まあ、私はこの臭いにずいぶん慣れてしまったからね。しかし、ご婦人方には
 慣れるという事はないらしく、この通り私は独身である。っとそんな事は
 どうでもいいな。さて話というのはだ…」



660 :ゼロの来訪者:2008/07/06(日) 14:57:19 ID:Rv8K9q6E

「東方の品々ですか?」
「ああ。東方がどういう場所か、君は聞いているかね?」
コルベールの問いに、育郎が少し考えた後答える。
「確か…エルフという人達が砂漠に住んでいて、技術もここより進んでいる…
 でしたっけ?」
「その通り。エルフ達が治めているゆえ、砂漠の先の土地がどうなっているか
 すらも、我々はよくわかっていない。だが、それでもまったく交流がないわけ
 ではなくてね。ごくわずかだが、危険をかえりみず、東方を行き来する人々が
 存在している。そういう人間は、主に商人なのだが…なぜかわかるかね?」
授業中、生徒に接するときと同じように、育郎に質問を投げかける。
「それは…やはり東方にしかない珍しい品々で、おおもうけするためですか?」
育郎の答えに、満足げにうなずくコルベール。
「その通り。ある地域の特産品を、別の地域で高く売る。商売の基本だね。
 それが特に珍しい東方の品々なら、なおさら高値がつく」
「僕の世界でも、似たような歴史がありますよ。扱っていたのは香辛料ですが」
歴史の授業で習った、東方貿易のことを思い出す育郎。
「ほほう、それは面白い!また後で詳しく聞かせてくれないかね?
 とにかく東方は我々とは異質な文化を培っているのは理解しているね」
育郎がうなずくのを確認して、話をさらに続ける。
「東方産のものには、我々にはよくわからないような代物も多い。
 時に仕入れた商人ですら、使い方がわからない等と言う冗談のような話もある。
 おかげで適当な代物を東方産と言って高く売る、けしからん商人もいるのだよ」
コルベール自身、東方産と銘打たれた毛生え薬を買い、まったく効かなかった
という事が両手の指では足りないぐらいあった。
「そして、わが学院に保管されていた『破壊の杖』も、我々には使用法もよく
 わからない代物だった。オールド・オスマンが実際に使用された所を
 見ていなければ、あるいは唯のガラクタとして処分されていたかもしれない」
そこで言葉を区切り、改めて育郎の方を向き直る。

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 14:57:54 ID:zmcUGEO8
育郎 「この小屋はゲロ以下の匂いがプンプンするぜぇ!」 支援

662 :ゼロの来訪者:2008/07/06(日) 15:01:37 ID:Rv8K9q6E
「つまり…僕の世界の物が、東方から来た物として扱われてるかもしれないと?」
「その通りだイクロー君!」
嬉しそうにミスタ・コルベールがうなずく。
「もちろんそれだけじゃないぞ!君の世界の高い技術で作られたものなら、
 それこそ東方のものと考える人がいてもおかしくない!
 魔法も使わずに、それでいてハルケギニアをはるかに超える技術!!
 それがもうすぐ私の目の前に!」
「こ、コルベール先生…」
「おっと!すまんすまん、つい興奮してしまった」
はっはっはっと朗らかに笑ってはいるが、育郎にはその目にまだ僅かに危ない
光が宿っている気がしてならなかった。
「で、でも魔法も十分すごいと思いますよ」
「しかし君の世界は魔法などなくとも、それほどの技術を磨き上げた!
 ならば我らの世界でも、同じ事がなせぬ道理は無かったはずだ!」
育郎は話題を変えるつもだったが、火に油を注いでしまったようだ。熱意を
こめて、さらにコルベールが弁を振るう。
「だがハルケギニアの貴族は、魔法という力を持ちながら、何も考えずに
 それを箒のような、使い勝手の良い道具ぐらいにしか捕らえていなかった…
 6千年もの歴史を積み上げてきたと言うのに、伝統にとらわれ、様々な
 可能性に目をつぶってきたのだ!
 あるいはもっと多くの人間が幸福になれたかも知れないというのに!
 そう…もっと多くの人たちが…」
ふとコルベールの瞳が、どこか遠くを見るようなものに変わる。
「先生?」
「ああ、いや…どうにも私の考えは理解されなくてね」
そう言って笑みを浮かべるが、それはどこか寂しげなものだった。

663 :ゼロの来訪者:2008/07/06(日) 15:04:21 ID:Rv8K9q6E
「先生?」
「ああ、いや…どうにも私の考えは理解されなくてね」
そう言って笑みを浮かべるが、それはどこか寂しげなものだった。
「育郎君…私の得意な系統は火だ。一般的には破壊こそがその本質とされる。
 だがな、私はそれだけでは寂しいと思うのだよ…
 もっと人々を幸福に出来る使い道あるはずだと、私はずっと考えてきた。
 いや、火だけじゃない、他の系統でも同じ事だと。
 …正直、その信念が揺らいだことがないかと言えば嘘になる。
 だがね、君の話を聞いて、私はやっと確かな確信を得る事ができたのだよ。
 君の世界の技術…そして君自身のおかげで」
「僕がですか?」
「ああ、君は言っていたね。君のその力は、おそらく兵器としての物だと。
 だが、その力を宿す君自身は、いろいろな人を救ってきた。
 君が行動を供にしていたと言う少女。
 そしてメイドの…シエスタ君だったかな?」
「え?ど、どうしてそれを!?」
シエスタの件については、秘密と言う事になっているはずなのだが。
「ああ、私はコック長のマルトーの親父さんと親しくてね。
 まあ、ちょっと小耳に挟んだというか…なんだかいろんな噂が広まってる
 ようだけど、ずいぶんと感謝されてるようじゃないか」
「しかし…それも結局戦いで」
「ならば一緒に考えようじゃないか!」
育郎の言葉をさえぎり、肩をつかみながら真っ直ぐにその目を見つめ、
コルベールは叫んだ。
「君の力も、私の炎も、きっと戦い以外でも人の役に立つ使い方があると!」
「先生…」
育郎は感激していた。
この人となら、本当にそんな事が出来るのかもしれないと信じられた。
或いは、この時育郎とコルベール正しく教師と生徒になったのかもしれない。

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 15:11:02 ID:zvr5Gf+E
支援

665 :ゼロの来訪者:2008/07/06(日) 15:13:00 ID:Rv8K9q6E
「おお、そうだ!実は今試作品が出来あがったばかりの装置があってね。
 ぜひ君の意見を聞かせてもらいたいのだが」
「ええ、喜んで!」
「いや、これも始動には火の魔法を使うのだが、後々には魔法が無くとも
 発火装置だけで動くようにとも考えていてね」
コルベールが机の上にくみ上げられた装置を嬉々として説明する。
「この装置の中で、気化した油を発火させる事により、このピストンが上下に
 動くように…ど、どうしたのかね、イクロー君?」
見れば、育郎はぽかんと口をあけ、唖然しているではないか。
「や、やはり君の世界からすれば、この様な物は原始的過ぎるのかね?」
「ち、違います…これは内燃機関、エンジンです!」
「え、えんじん?」
「そうですよ!すごい…蒸気機関も実用化されてないみたいなのに」
「蒸気…イクロー君、ひょっとしてそれはこのような装置の事かね?」
そう言って、部屋の隅にあるやたら大きな装置を指差す。
「小型化ができなかったので、試作品を作っただけなのだが…」
そう言ってその装置を簡単に説明する。
「………」
それはまさしく、育郎の世界で産業革命を引き起こす動力源となった、蒸気機関
そのものだった。
「せ…先生…」
「な、なにかね?」
「先生は天才です…」
「え?え?」

『炎蛇』の二つ名を持つ、魔法学院教師コルベール。
彼は自分が作り上げたものが、どれほど凄まじい物なのか、自分自身ですら
理解していなかった。
この後育郎の説明を聞いたコルベールが、それは凄まじいはしゃぎっぷりを
見せたのだが…
彼の名誉のため、育郎はその時の事を誰にもしゃべる事は無かったそうな。

666 :来訪者:2008/07/06(日) 15:16:01 ID:Rv8K9q6E
投下終了です

説明台詞をしゃべらせるのに、コルベール先生はうってつけだなぁと言う話でした
あとモット伯は、2部にならないとたぶんもう出番はない

そういえばアニメの3期はきゅいきゅい人間体がでるようですが、イザベラも出してくれないかな

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 15:56:24 ID:3/lEA8Px
乙!
ゼロの来訪者は大人達が光ってるなぁ

若干名は物理的にも




しかし、最近ますますルイズの影も形も見えなくなってるような・・・
エレオノールより影薄いって珍しくないっすか

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 16:57:44 ID:K+xNQoRz
霞の目のコルベールGJ!

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 17:43:23 ID:rKLvpL/g
バオーGJ!
俺のシエニング・レス・フェノメノンが間に合わなかったぜ

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 17:58:28 ID:8LMGSY7i
来訪者さんは期待を裏切りつつ期待を裏切らないな!
GJです!

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 18:09:35 ID:OwtTD1cj
乙です

四部読んでて四部承りとか使いやすそうだな三部より


672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 18:34:25 ID:zvr5Gf+E
>>670
『予想を裏切り期待を裏切らない』では?

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 23:14:28 ID:6GmrNMXr
「知ってんだよオオォォッ!!
 国語の教師か、うう…うう…うおお、おっ、おっ、オメーはよォォォォ。」

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/06(日) 23:42:48 ID:M1YyJgbk
一度でいいから見てみたい、しぇっこさんのド低能な通知表。
この手の言い訳がましい輩はおそらく国語だけじゃなくてオール馬鹿だと思うw

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/07(月) 01:45:56 ID:Q8VYOv0L
算数:D
国語:なし
理科:E
社会:E

体育:完成

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/07(月) 07:51:11 ID:UADLu5kJ
克巳かよww
眼帯つけたチョコ先生想像したジャマイカ

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/07(月) 17:14:27 ID:ujtaSuiI
>>674
何気にひどいことを言うな、お前ww

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/07(月) 20:30:38 ID:bQELG2if
国語の「なし」に俺が涙した

ついでにしぇっこさんは算数の「D」を見て
脳筋を返上したと喜んでいた

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 00:19:08 ID:bjRuYDcy
>>678
それは「できない」の『D』だ。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 00:29:42 ID:bidOIx6E
算数:角砂糖絡みに限りA

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 00:30:19 ID:LrSrO/jY
メイド・イン・ヘヴン!
世界は一巡し、セッコが超インテリになるが言動はそのまんま……
げふんげふん、世界は一巡しIDが変更される

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 00:30:32 ID:zQtgRUEW
国語は『G』だろガッツが足りません、の

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 01:21:20 ID:EofmiQe2
だが がっつが たりない

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 03:41:22 ID:VXxjCVuu
くっ ガッツ が たりない!

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 05:11:39 ID:rHfNQlsD
あーっと せっこくんの がんめんブロック だあー !

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 14:53:04 ID:wsaliV7w
キャプ翼自重wwwwwwwwww

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 17:36:19 ID:gfK1shEb
あの絵だとセッコも11等身になるのかな………


キメェwwwwww

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 18:03:13 ID:zDoHfo9T
唐突に俺の脳内にTheガッツの絵柄で描かれたセッコが浮かんだ・・・

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 18:05:56 ID:TI/vhNEt
>>688
お前のせいでタカさん並みのいい笑顔のエルメェス兄貴が脳内に浮かんできたじゃねぇかw

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 18:16:24 ID:C9de/6UG
>>688はエルメェス兄貴に完璧なプロポーションとイメージを与えたぞ。
ゴージャスエルメェス
こうですか?

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 18:23:07 ID:TI/vhNEt
Theガッツのタカさんってボディビルダー並みのマッチョでかつ素っ裸で男にまたがって
「いいチ○ポをもってるじゃないか。」といたいけな少年を逆レイプするような土方痴女だぞw

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 19:40:32 ID:9QylLxXG
ジョジョ×シャナクロスSS界の革命児

無冥 蹟怜
彼の伝説は今だ色あせる事はない

http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195802765/

無冥 蹟怜 http://jbbs.livedoor.jp/otaku/10770/

あの無冥がジョジョソングを歌ってみた
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3842635
その記録
http://nico.xii.jp/comment/?url=sm3842635



693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 20:31:48 ID:CoTvzXWa
兄貴はもとからいい笑顔してるじゃあねーか! ……ワニ沈んだときとか。
それはいいとして、ときにはエルメェス妹御にも思いを馳せようぜ

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/08(火) 20:50:46 ID:CoTvzXWa
ワニ沈んだときっていつさorz
徐倫がワニに指輪当てたときだた……

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:02:32 ID:cgSFTwuy
投下いたす。

696 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:03:37 ID:cgSFTwuy
トリステインの宮殿では、群議のため将軍や大臣達が集まっていた。
会議室では、二十名ほどの高官達が、巨大な楕円形のテーブルを囲み、いつとも終わらない会議を繰り広げている。
「アルビオンはどれほどの軍備があるというのだ、タルブ戦では両軍ともに多数の戦力を失ったが、アルビオンには長年にわたって培われた造船技術があると言うではないか」
将軍、ド・ポワテェの発言に、空軍の参謀らしき人物が挙手をした。
年の頃四十半ばであったが、苦労が多いのか髪の毛は頭頂部を中心にかなり薄くなっている。
「アルビオンからの亡命者と、捕虜の証言では、多くの平民技師が新式のカノン砲を鋳造していたとあります。
また旧体制への忠誠心が深かった技術者の多くは、粛正の名の下に多く処刑され、アルビオンの誇る造船技術は著しく低下していると推察します」
言い終わると同時に、今度は別の貴族が挙手をした、でっぷりと太った腹をさすりつつ、指名を受けると左右に伸びた細いひげを指で撫で、目を細めて話し出した。
「造船技術と竜騎兵の運用法則が張り子の虎では、アルビオンに行くだけ無駄でしょう」
その言葉を聞いてかんに障ったのか、今度は別の貴族が挙手を待たずに発言した。
「何を言うか、長く続いたアルビオンとトリステインの争いを治める機会なのだ、このまま成り上がりのゲルマニアや、無能王のガリアに見下されていて良いと思っているのか!」
「制空権を得たところで運用できる軍隊が無ければ何の意味もあるまい!」
「そもそもだ、女王陛下の近衛兵を名乗る、汚らわしい平民に、某国の殿下どのに対処せねば、アルビオンに勝ったとしても、我々貴族の権威が地に落ちるかもしれんのだぞ!」
「何を言うのだ、今はウェールズ皇太子殿下も利用せねばならん時期だ、大義名分を得ている今だからこそアルビオンに攻め込むべきだろう!」
「あなた方はアルビオンに出資するつもりか?」
「それは………!」
「そもそも………だろうが」



さて、そんな会議が始まってから一言も口を挟むことなく、じっと思案している男がいた。
ルイズの父、ヴァリエール公爵。
彼はゲルマニアとの国境(くにざかい)を領地にもち、その警備を任されている、そのため浮き足立つ大臣や将軍達とは違い、アルビオンに攻め込まなければならぬ理由など無かった。

しかし、ラグドリアン湖に住む水の精霊との約束がある。
ラグドリアン湖から戻ったカリーヌ・デジレは、水の精霊との約束について話した。
カトレアの治療のために必要な水の秘薬、それと引き替えに『アンドバリの指輪』を取り返すと約束したのだが、そもそも指輪を盗み出したのが『クロムウェル』と呼ばれていた人物なのが悩みの種だった。

神聖アルビオン共和国の皇帝、オリヴァー・クロムウェルは虚無を用いて死者をも蘇らせるという。
死んだはずのアルビオン魔法衛士が、ラ・ロシェール等アルビオンと交流のあった各地に飛び、共和国に逆らうレジスタンスの拠点を潰していったことは、ヴァリエール公爵の耳に入っている。

紛糾する会議を横目に、ヴァリエール公爵はじっと考え込む。
水の精霊の話によれば、クロムウェルを含めて二人以上の人間がラグドリアン湖に侵入している、それまで地方の一司教に過ぎなかったクロムウェルが、どうやって指輪の存在を知ったのだろうか。
借りに協力者が居たとして、一司教に過ぎぬクロムウェルの言葉を信じ、水の精霊の下から指輪を奪取できるなど、スクェアクラスのメイジだとしても難しいのではないだろうか。
それほどのメイジが無名だとも考えにくいのだ。

クロムウェルは実力のある何者かに援助されている、いや援助どころではない、むしろ何者かによって傀儡にされていると考えられるだろう。

697 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:04:24 ID:cgSFTwuy
だとしたら何者がクロムウェルを動かしたのか?
仮にゲルマニアが黒幕だったとしても、財力が持つとは考えにくい、その上捕虜の証言と比較しても、アルビオンのカノン砲技術はゲルマニアを上回っている。
ロマリアの宗教庁の可能性もある、新教徒弾圧の時風を作り出した前教皇の一派なら、自作自演のために戦火を広げるのもやむなしとするかもしれない。
ガリアは……いち早く中立の名乗りを上げ、国力の温存に努め、しかもきな臭い噂は一切存在しない、それがかえって怪しく、また底知れぬ恐ろしさがある。
ガリアの無能王が本当に無能だとしたら、なぜガリアは国家としてそれなりに安定しているのだろうか、権力を握った側近、傀儡と化した王権、無能を装い対立構造を浮き上がらせ緊張を保つ王……歴史から前例を挙げればきりがない。
ヴァリエール公爵は、20メイル以上の天井を見上げてふと考える、ゲルマニアとトリステインの連合軍がアルビオンに攻め込んだ場合、誰が背後を守るのだろうか、引退した自分が考えても意味はないかもしれないが、
軍人として、また戦略家としての自分が、どうしてもそこに思考を傾けてしまう。

「ラ・ヴァリエール公爵、何か言うことは無いのですか」
形だけの議長役を仰せつかった大臣が、公爵の名を呼んで発言を促す。
ふと見れば、高級貴族達は訝しげに公爵の顔を見ている、将軍などは明らかに敵意を持った目で睨み付けているが、これはタルブ戦で兵を出さずに金だけを出したヴァリエールをまだ非難しているのだろう。
周りが注目する中、公爵はわざとらしく小さな咳払いをして、挙手した。

腹の内は決まっている、いや決められてしまったと言うべきだろうか。
そもそもカリーヌが王宮を訪れた際に、女王陛下と非公式の会談が設けられた、その時点でカリーヌは『烈風カリン』の名を用いて、ヴァリエール家がこの度の戦にも参戦しないで済む約束を取り付けてしまったのだから。

「……ヴァリエール家は国境の警備に尽力する」
どよどよと周囲から声が上がる、一部からは怖じ気づいたのかと囁く声も聞こえたが、それを無視してヴァリエール公爵は言葉を続けた。
「決してこの戦を軽んじているわけではない。皆の注意がアルビオンに向いている今、ガリアにレコン・キスタの一派があったとしたらトリステインは甚大な被害を被る、故に国内の治安維持に尽力せねばならん」

そこで別の貴族が机を叩き、叫んだ。
「前回も同じことを申したではありませんか!トリステインだけではない、相手は虚無を騙り死者を操る、邪悪な教団ですぞ!始祖ブリミルから連綿と続く王権の、根底を揺るがす大事件ですぞ!そこに兵す「代わりに烈風カリンが参戦する」ら出さ………」

重々しい一言が、会議の場を静寂で満たした。しかしそれも数秒のことで、すぐに貴族達は浮き足だった声を上げ、公爵の言葉を反芻した。
「れ、烈風カリンとは、まことですか!」
「貴公はあの生ける伝説がどこに行ったか知っているのですか、いや、まさかヴァリエール領の者で!?」
「噂では一騎当千と聞くが、本当にそんなメイジがいるものなのか…」

騒然とした会議室の中で、ヴァリエール公爵は両手を胸の前で組み、椅子の背もたれに体を預けた。

一人の貴族が、公爵に問いかける。
「公爵、今の話は本当ですか」
公爵はゆっくりと、しかし力強く頷いた、その表情にはどこか諦念のような笑みが浮かんでいた。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:05:04 ID:X+m1mZU2
支援

699 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:06:19 ID:pP2EaVwP
□■□■

夜にさしかかった頃、アンリエッタ、マザリーニ、そしてアニエスの三名が謁見の間で非公式の会談に臨んでいた。
本来ならこの場にウェールズにも居て欲しかったのだが、残念ながら自由を著しく制限されている状態であり、会談に臨むことはできない、その代わりアニエスがメッセンジャーとしてウェールズからの手紙を預かり、アンリエッタに渡している。
それは皮肉にも、劇的なタルブ戦争の戦果と、リッシュモン高等法院長の汚職発覚に原因があった。
これには『仮面の騎士』として活躍したルイズだけでなく、情報収集に奔走したアニエス達銃士隊の活躍が大きい。
しかし、銃士隊の活躍を知らぬ貴族は多く、また知っていたとしても平民の部隊を認めない者が、やり場のないやっかみをウェールズ皇太子に向けた。
曰く『ウェールズ皇太子は鳥の骨と癒着し、トリステインを乗っ取るつもりではないか』と……

この噂をアニエス経由で耳にしたアンリエッタは顔を青ざめさせた、その上ウェールズが自から幽閉同然の扱いを受け混乱を避けようとを申し出たので、一時期はアンリエッタが取り乱してしまい、ウェールズは愛しい従姉妹をなだめるのに苦労したという。

アニエスは、宮殿の一角に設けられたウェールズの執務室から手紙を運ぶという、メッセンジャーボーイのような役割を仰せつかっている、それはアンリエッタの信頼故なのだが、事情を知らぬ貴族達は「粉ひき娘がペーパーボーイになった」と嘲笑った。


衛兵すらも下がらせた謁見の間で、ウェールズの手紙を開き、アンリエッタがその中身を確認する。
アンリエッタが手紙を読み終わると、アニエスに手紙を渡し、今度はマザリーニに手紙を開かせた。
「マザリーニ、どう見ますか?」
読み終わった頃に、アンリエッタが問いかけると、マザリーニは一つ礼をしてから答えはじめた。
「ワルド子爵からの報告では、かなりの数の傭兵が集められたようですが、その多くはロンディニウムに集められただけで、実際の運用には至っていないとあります」
そこで、一区切りし、ウェールズの手紙をアニエスに渡した。
「しかしウェールズ皇太子はこれについて、『役に立つ傭兵』と『捨て駒』を分ける段階ではないかと推察しております。またアルビオン北部にはオーク鬼などの亜人種が生息しており、ニューカッスルの攻防戦では幾度と無く亜人による襲撃もあったとあります」
「亜人ですか?」
アンリエッタが聞き返す、するとマザリーニはアニエスに発言を促した。
「……畏れながら申し上げます。トリステインでは、オーク鬼は人々に害をなす凶悪な亜人として知られています。しかしアルビオンの北部と、ゲルマニアの南東部にはかなりの亜人種が存在しております。
知能が高く腕力の強い者が群れのリーダーとなり、亜人どもは殺戮を楽しむために効果的な場所…つまり戦場へと積極的に力を貸すのです」

「……そのようなことが、あるのですか」
アンリエッタはそう呟くと、ふぅとため息をつく。
定期的にオーク鬼やトロル鬼を討伐したという報告が上ってくるが、漠然としたイメージでしか捉えていなかった。
傭兵代わりに運用されるほど知能が高く、こうかつな存在だとは思いもしなかったのだ。
マザリーニはそれにもかまわず言葉を続ける。
「陛下、これらの情報はウェールズ皇太子名義の手紙で、ド・ポワチェ将軍に送ることに致します」
「マザリーニから送っては駄目なの?」
「反感を買うでしょう。……このような言い方は不本意ですが、議会の大部分は小心者です。ウェールズ皇太子殿下は優秀ですが、優秀が過ぎてもいけないのです。ですから交換条件として戦後の援助を期待したいと、懇願する形で手紙を出すのです」
「それでは、ウェールズ様があまりにも…!」
哀れではありませんか、と続けようとしたアンリエッタを、マザリーニが遮った。
「暗殺の危険を避けるためです。皇太子殿下には『小心者』の皮を被って頂かなければならないのです。ここトリステインで殿下のカリスマが発揮されてしまえば、それは内乱に繋がるかもしれないのですぞ!」
アンリエッタの体がびくりと震えた、内乱についてはよく歴史の教育から学んでいた、内乱には首謀者と、祭り上げられた首謀者がいると。
もしアンリエッタの目の届かない所で根回しが行われ、ウェールズを反乱の首謀者に祭り上げられてしまえば、真実はどのような形であれ、ウェールズに会えなくなってしまうかもしれない。
また、ウェールズがアンリエッタ側だと主張するにも、タルブ村での戦果だけでは物足りないと主張する貴族もいるのだから、マザリーニが慎重に慎重を重ねる気持ちも理解できた。

700 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:06:54 ID:pP2EaVwP
「…わかりました。ですが、殿下への配慮もくれぐれも怠らぬように」
「はい」

会話が途切れたところで、アニエスが呟いた。
「畏れながら、陛下に上申したい事柄がございます」
アンリエッタはアニエスに視線を向け「申しなさい」と呟く。
「はっ。クロムウェルは、各地に死兵(ゾンビ)を使わせております。死兵はそれこそ体が滅びるまで動きを止めません。…今まではレジスタンス狩りという形で用いられていましたが、これがもし、暗殺や、人質、籠城といった形で用いられた場合、あまりにも驚異です」
「その懸念はマザリーニから話がありました。…少し早くなりましたが、アニエスにも申しておくべきでしたね。マザリーニ、説明を」
こほん、とマザリーニが咳払いをし、アニエスに視線を向けた。
「人質として狙われる確率が最も高いには、兵役に出た教師や男子生徒の居ない魔法学院だ。アニエスにはその件を魔法学院の学院長に伝えて貰おうと思っていた」
「では、私は伝令を?」
「それだけではない、魔法学院に残った生徒達に訓練を施して貰いたいのだ。こう言っては何だが……下手に正規の軍を派遣するよりも、傭兵相手に慢心せぬ銃士隊に任せるべきかと思ってな」
アニエスは、眉間に力が入るのがわかった。
『傭兵相手に慢心せぬ銃士隊』…逆説を述べれば、正規の軍では卑劣な手段に太刀打ちできないと言っているようなものだ。
銃士隊設立以来、もっとも重要で、困難な任務になるかもしれない、そう思うと不機嫌さよりも、体の奥底から熱いものがわき上がってくる気がした。

アニエスは、跪いて深々と頭を垂れた。

701 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:08:34 ID:pP2EaVwP
翌朝、ワルドはウエストウッドの一室でぐぅぐぅと寝息を立てていた。
ラ・ロシェールまで遍在を飛ばし、駐屯しているトリステイン軍の人間にアルビオンでの調査結果を報告して、その場で遍在を消去する。
風のスクェア、それも遍在に特化しているワルドだからこそできる芸当だが、さすがにラ・ロシェールに遍在を飛ばすのは辛いらしい。
「なんだい、まだ寝てんのか」
キィ、と音を立てて扉が開かれ、ワルドの寝る部屋に入ってきたのは、マチルダだった。
寝息を立てているのを確認すると、壁に立てかけられたデルフリンガーを持ち上げて、音を立てずに部屋を出てた。
廊下に出たマチルダは、心配そうな表情のティファニアが、ワルドの部屋をちらちらと見ているのを見つけた。

「マチルダ姉さん、ワルドさんは?」
「疲れ果てて寝てるよ、まあ昼には起きるだろうさ」
「そうなんだ…大丈夫かな」
「心配することじゃないよ、あいつは人の裏をかくことばかりしてたんだから、いい気味さ」
「もう、姉さんったら……とりあえず子供達にもワルドさんを邪魔しないように伝えておくね」
「それがいいね」


朝食後、マチルダは自分の部屋に戻ると、デルフリンガーを鞘から3サントほど抜いた状態にしてテーブルの上に置いた。
「デルフ、昨日、報告のついでに変な男に気づかれたかもしれないって言ってたじゃないか、そいつについて詳しく分からないかい?」
『詳しくは分からねえよ、昨日喋った通り、ルイズの嬢ちゃんが言ってた容姿ぐらいしか分からねえ』
「…そっか、今日の昼ごろ、協力者が来るんだけど、そいつにも聞いてみようかと思ったんだけどねえ」
『そっちは何か、心当たりでもあるのか?』
「火を操る凄腕の傭兵が居るって聞いたことがあるのさ、容姿も似てるし、もしかしたら本人かもしれないしね。まあ調べておいて損はないだろうさ」
『聞くのは結構だけどよ、調べさせるのは止した方がいいぜ。ルイズの嬢ちゃんは400メイルは離れた場所で、廃屋に隠れて見てたんだ。それなのに見られたってのは偶然じゃねえと思うよ』
「風系統の『遠見』かい?」
『いや、もっと漠然としたもんだと思うぜ、姿形を認識たわけじゃねーだろ。たぶん、やたら勘が鋭いとか、他人の視線に敏感とか、そんなやつだ』
「……ワルドとは違う意味で厄介だね。まあ、姿形を変えられるルイズの方が、いざって時に逃げられるだろうけど…」

『でもなあ、なんかいやな予感がするんだよなあ…』
「いやな予感って何だい?あたしゃあの嬢ちゃんが誰かに殺されるなんて想像できないけどねえ」
『…殺される予感じゃねえんだ。その逆だよ』

デルフリンガーの呟きに、マチルダは答えなかった。

702 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:09:33 ID:pP2EaVwP
時刻は少しさかのぼる。


ロンディニウムの大通りから、かろうじて幅2メイル程の裏通りに入ると、数件の酒場があった。
更にその奥へと進むと、二階建ての小さな家が建ち並んでいる、トリステインの大通りと比べると一回り小さく屋根も低い、アルビオンの平均よりやや貧しい家々だと言える。

そのうち一つ、何の変哲もない建物の二階に、ルイズがいた。

「ふぅ…」
「坊やかと思うはずよ、すごく筋張った腕じゃない、それなのに肌は綺麗なんてずるいわ」
ルイズが鎧を脱ぎ、肌を顕わにすると、それを横目で見ていた別の女性が諦念を含んだ声で呟いた。
ベッドの上に座り、胸を顕わにしたベビードールに身を包んだその女性は名をアネリといい、男を相手する娼婦であったが、ルイズを男だと思いこんで誘ってしまった。

しかし、ルイズもごろつき数人から追われていたので、なりふり構っていられないとばかりに誘いに乗ったのだった。
アネリは、ルイズから渡された一枚の金貨を掌でもてあそぶと、にやりと笑みを浮かべた。
「筋張ってる…そうね、まあ否定はしないわよ。これでも力には自信ないんだけど」
鎖帷子を床に置いて、自分の腕を見る。
吸血馬の力を借りることで、余分な脂肪の一切無い鍛えられた体をしているが、吸血馬のパワーと比べて劣っているようにしか思えなかった。
「そりゃそうよ、男と比べたら、女の細腕なんて弱いもの」
その辺の有象無象と比較しているアネリの台詞に、ルイズは苦笑しつつベッドへと腰掛けた。

「さっきの奴ら、裏通りから手を伸ばして私の腕を掴んだのよ、そのまま引きずり込もうとしたから脇腹を殴ってやったんだけど。この町ってあんな奴らばかりなの?」
ルイズの言葉に、アネリが苦笑しつつ答える。
「そんな連中が増えたのはつい最近さ、レコン・キスタが入り込んでから、傭兵崩れがドッと増えたのさ、お宝が沢山割り振られたとかでね。あたしも稼がせて貰ったよ。」
「ふぅん…じゃあ、レコン・キスタがくる前は?」
「ああ、そうだね、その頃は堂々と客引きもできなかったよ、前の王様はそりゃぁ厳しかったからね、家もなきゃ親もないあたしらが生きるには苦しかったさ」
「……そう」
ルイズは一言だけ呟いて、座ったまま背伸びをして、どすんとベッドに倒れ込んだ。
それを見てアネリはふふんと笑い、ルイズの髪の毛に手を伸ばした。
「あんたもワケありって顔してるね。けっこう数こなしてるんでしょ?」
「そう見える?」
数をこなしてる、という言葉が気になってルイズは顔を向けた。

「なんとなくね。だってさ、肝が据わってるって言うか、荒事に慣れてるみたいだもの、」
「大したことはしてないわよ。露払いぐらいしかね」
自嘲気味にルイズが答えると、アネリはわざとらしく肩をすくませて「おお、怖い怖い」と呟いた。

「ワインでも取ってくるわね」
「別にそこまでしなくてもいいわよ」
「あたしも飲むのよ、まあここで待ってなさいって」
アネリがそう言って一階に下りていくと、ルイズはううぅんと大きく息を吸い込んで、体を大の字に広げた。
「……一人ってのも、久しぶりね」

ルイズはふと、アルビオンに始めて来たときのことを思い出した。
姉のエレオノール、母カリーヌ、父ヴァリエール、そしてお供が何人か…十人だったか十五人だっただろうか、あの頃は何も知らなかった。
なぜカトレア姉様が来られないのか、なぜカトレア姉様だけがヴァリエール領で一人寂しく待っていなければならないのか、それが分からずに駄々をこねた覚えがある。

703 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:10:13 ID:pP2EaVwP
でも、今はそれ以上に強い思い出がこの地にあった。
ブルート、ブルリンなんてあだ名で呼ばれていた、義理堅くてどこか抜けている男。
ニューカッスルの攻防戦でワルドを退けた後、彼は『ニューヨークだ!』と言って光るゲートの向こうに行ってしまった。
使い間を召還するときにしか出現しないあのゲートを通って、いったい、彼はどんなところに行ってしまったのだろうか?いや、帰っていたのだろうか……

その後すぐ現れた吸血馬には、いきなり襲われ、食われた。
必死の抵抗を試みて脳をかき回し、肉片を埋め込んだことで従順になったが……よく考えてみれば、生命力で勝るあの吸血馬が、ルイズの肉片ごときで制御下に置けるとは思えない。

タルブ戦で、エクスプロージョンを放った時のことを、デルフリンガー『吸血馬は”自分の意志で”身を挺して嬢ちゃんを庇ったんだぜ』と話していた。
吸血馬は、自分の意志で守ってくれたのだろうか…?
だとしたら私は、とても罪深いことをしてしまったのかもしれない。
吸血馬が自分の意志で好意を抱いてくれていたのか、それとも洗脳によるものなのか、確かめるチャンスは永遠に失われてしまった。

ルイズはベッドに寝そべったまま、吸血馬の骨が埋まっている手首を見た。
掌を開いて、握りしめ、開いて握りしめると、ミシミシと筋肉の緊張する音が聞こえてくる、それは筋肉と言うより、糸状になった鋼の強度を誇る。

一呼吸置いてルイズは、いとおしそうに手首にキスをした。




「ほら。ワイン持ってきたよ」
しばらくすると、アネリが扉を開けて部屋へと入ってきた。
ボロボロのバスケットに、ワインの入ったピッチャー一つとグラスを二つ入れている。
それをベッド脇のテーブルに置くと、慣れた手つきでグラスにワインを注いでルイズに渡した。
ルイズは体を起こしてグラスを受け取ると、グラスの表面をじっと見つめた、上から見るとほんの少しいびつな六角形をしており、透明度は高いが反射は均一ではない、歪みか、それとも汚れが原因なのか……ともかく硝子の安物のグラスであることには間違いはなかった。
「…ん」
くいと一口口に含んで、飲み込むと、独特の酸味と苦み、そして後付けされた甘みが口の中に広がった。
「すごい甘みね」
「ああ、ちょっと良いヤツを分けて貰ったんだ、わかるかい? 金貨なんて貰っちゃったからねえ、サービスだよ」
ちょっと良いヤツ、と言われてルイズは苦笑した。
公爵家で育ったルイズには、どう考えてもこのワインが良い物だとは思えない、魅惑の妖精亭でもこのレベルのワインは出さなかったはずだ。
それでも、このアネリと名乗る娼婦なりの心遣いなのだろうと思うと、ルイズは嬉くなった。
「ええ、悪くないわ」
空になったグラスを手で弄び、横目でアネリを見て、ルイズは笑みを浮かべた。
それがまるで流し目のようで……不思議な魅力に驚いたアネリは目をぱちくりとさせた。

「ねえ、あんた……」
ずい、とアネリが近寄る。
「…何」
「こうして見るとさ、あんたの目つきとか、気になっちゃうんだよ。……あたしもその気になるとは思ってなかったんだけどさあ、あんた以外と良いね」
「?」
何の話をされているのか分からないルイズは、押し倒そうとするアネリに逆らわなかった。
「ね、いいだろ?これも経験だと思ってさ」
喋りながらも手慣れた手つきでルイズの服を脱がしていく、ルイズは抵抗しようかと思ったが、今更恥ずかしがることも無いかと思い、されるがままになっていた。
シャツを脱がされ、胸から首筋へと啄むように何度もキスをされる、ルイズはこそばゆい感触に慣れず、眉間に皺を寄せたが、すぐに”そういうものだ”と思って慣れることにした。
ズボンを脱がされて、股間に手が伸びると…ふと、今は懐かしきヴァリエール家の浴室を思い出した。
幼い頃、まだ物心付いて間もないころだ、入浴の時は侍女が体を洗ってくれていた。
すぐに自分で身だしなみを整えるようにも教育されたが、その頃と今と何か似ている気がする。

”されるがまま”だったルイズは、未知の感覚を覚えようと、目を閉じて積極的に身を任せた。
「う…」
アネリの指がデリケートな箇所に触れると、現れるときとは違う、波打つような指の動きに思わず声を漏らした。
もし自分が男だったら、こんな時はどう対処していたであろうか、そんなことを考えていると不意にこの娼婦の相手をしたくなった。

こんな経験も、たまにはいいか……そう考えて目を開けると。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:10:42 ID:bVgXlT0l
sien

705 :仮面のルイズ:2008/07/09(水) 00:12:02 ID:pP2EaVwP
「え?」

アネリの左手はルイズを撫でたままで……しかしその右手はナイフを握りしめていた。

どすっ、といやな音が体の中に響く、勢いよく突き立てられたナイフは、筋肉を確かめるように愛撫された肋骨の隙間へと易々と吸い込まれていく。
ずぶぶぶっ、と体重を乗せられたナイフが突き刺さると、左の手で枕を取り、ルイズの顔に押しつけた。

「入っといで!」
その声に合わせて、一階の方からどやどやと数人の声が聞こえてきた、枕で視界を遮られていても、ルイズの耳は人数と体格を正確に聞き分ける。

「おお、やったか!」
男、身長180サント程、かなりの筋肉質で体重もある。

「もったいねえなあ。いい女だと思ったのに」
男、身長190サント弱、筋肉質。

「何言ってやがる、こいつ、俺を殴りやがったんだぞ、俺が殺してぇぐらいだ」
男、身長175サント程、筋肉も多いが脂肪も多い。数時間前に殴り倒したヤツ。


足音と声から人数と特徴を推察している間にも、部屋に入ってきた男達はルイズの荷物を物色し始めた。
「ひゃァ!こりゃたまんねえ。金貨だぜ。二十枚はあるぜ」
「こいつはどこかの坊ちゃんだったのか?」
「どこからか盗んできたんだろうぜ、女は怖いからな!」
「ちげぇねえ!ははは!」

「それにしても、ジョン、あんたらがこんな女にナメられるなんて驚いたよ、ヤキが回ったかい?」
「それを言うなよアネリ、この女ぁ一度や二度は傭兵でもやってたんだろ、上手い具合に蹴飛ばされちまったよ」
「はン、油断してんのが悪いのさ。あたしなんてグラスにしびれ薬を入れて、ナイフで一突きよ、どうだい?手慣れたもんだろ?」
「おお怖ぇなあ!俺は絶対おめえを買わねえぞ、殺されちゃたまんねえからな」
「何言ってるんだい、このやり方を教えてくれたのはあんただろ?あんたがあたしを買うときは見張りまで混ぜるじゃないか」
「ハハハ!」






「ああ、なぁんだ、グルだったの」


To Be Continued→

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:19:29 ID:/or7IFNn
仮面さんGJ
遠慮なしにやれる相手なのはいいけど、ルイズが……ルイズが落ちていくよ…

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:21:24 ID:nqXX1B7G
GJ
さて,恐怖の宴の始まりだ.

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:29:31 ID:inkUwEqR
GJ
ちょいとスレちだが、ついにルイズは人道を踏破してしまうのか?

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:31:34 ID:7iGtS3s/
エロに進むのかとwktkしてたのに……、畜生!
でも、GJ!
殺したはずの相手が生きている恐怖に対して、
傭兵崩れの連中がどういう反応をするのか楽しみであります!

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:39:55 ID:2CGZVMh7
止めるものが居ないからな……堕ちなきゃいいんだが。
とにかく今回も面白かったです

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:42:03 ID:d336SCmq
ひゃっぱーーーーーーーーーー
わくわくしてきたぜ

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 00:52:03 ID:vUJ6Qy0N
デルフもいないんだよな……

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 02:36:15 ID:0uHEx+ZJ
パンの枚数が増えるのかな…?

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 03:15:55 ID:dJUN2UcM
仮面の人GJした!


えーと、俺の中の妄想では、傭兵たちは脳を弄くられて、娼婦は肉の芽をさしこまれた上でご奉仕の続きを強要させられてた。
「舐めなさい」
と椅子に座って足を開いて命令するルイズは帝王の風格を備えていました。


715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 09:32:01 ID:dS866msm
仮面の人、GJ!

…なんだが一つだけ言わせて下さい。毎度毎度誤字が多すぎて
物凄く辛いです。

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 10:51:50 ID:I4BqSLkr
元からルイズが傭兵という職を選んだのは
人殺しなら殺したっていいよね?という結論だから遠慮はせんでしょうな。
ま、グールにされることはない分だけ幸運ということでw

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 11:02:57 ID:4wmaXrox
>>715
誤字なんて気にせず魂で読め!!

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 12:27:12 ID:aAHKfH8X
>717
いや、不満を口にするほど、誤字に不満が有る場合。
避難所で指摘して改善されたものを、保管庫で読むのが正しいだろ。
常識的に考えて。

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 13:29:25 ID:/or7IFNn
うむ。暗いと文句を言うよりも、進んで明かりを点けましょう
誤字を指摘、もしくは保管庫に行った時に自分で直すんだ
自分でやるんだよ、自分で

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 14:00:21 ID:xhVThJTW
誤字修正をするなら誤字を直した後、何処を直したか報告するのを忘れずにな。
そのために誤字指摘&修正スレが有るんだし。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 15:56:48 ID:ASp5Shdg
仮面さんGJだ!
しっかし、平和に終わることの無い作品だなw


>>718
趣味で書いてるもんを読ませてもらってるのに、必要以上に完成度まで要求するのはちょっとな
つーか、誤字なんか気にせず気楽に書いて欲しいと思う
もちろん、高い完成度を求めてじっくり書いてる人を否定してるわけじゃないぞ

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 16:04:48 ID:XgVy0EXM
>>715
逆に考えるんだ。改訂前の生原稿を読める立場に俺たちはある、と。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 19:03:18 ID:txXAVNyC
神経質になりすぎなヒトを見て、物凄くいたたまれないです

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 19:16:24 ID:vXjOnR/h
>>715は宇宙が3巡位した時のダメな方面に几帳面な虹村形兆

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 19:41:47 ID:dS866msm
なんか随分な言われようだな…そこまで変な事いったつもりは無いんだが。

726 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:48:06 ID:KF8hzRsQ
久しぶりに投下します。

727 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:49:18 ID:KF8hzRsQ
 ルイズたちはウェールズ皇太子に案内されて応接室に来ていました。
 とても広くきれいなお部屋なのですが、ルイズたちは冷や汗をダラダラと流していました。
 たくさんの戦場を駆け巡ったアニエスやあまり表情がないタバサでさえも滝のように汗を流しています。
 その理由は天井にありました。
 なんと、たくさんのアルビオン貴族たちが天井から釣り下がっているからです。
 それだけではありません。
 天井を覆い隠すほどのアルビオン貴族たちの視線が、ずっとルイズたちに向けられているのです。
 ルイズたちは30代に見える50代の女性のように肝っ玉が据わっていませんので、
 なるべく天井を見ないようにビクビクしていると、扉に化けていたアルビオン貴族に付き添われた
 ティファニア姫がお茶とお菓子を持ってやってきました。
 
「皆様、お待たせしました」
「ひ、姫殿下直々とは……き、恐縮であります」

 アニエスは王族の方からお茶をいただけるとは思っていなかったので、ガチガチに固まってしまいました。
 ルイズたちも失礼がないように、手が震えながらも、学院でならった貴族の作法でお茶を受け取ります。
 ティファニア姫はお茶とお菓子を配り終えるとウェールズ皇太子のとなりに座りました。
 ですが、ルイズたちがいつまでたってもお茶に手をつけないので、ふしぎに思ったティファニア姫は
 ルイズにたずねてみました。

「あの、ひょっとして紅茶はお嫌いですか?」
「い、いえ!とんでも御座いませんです!」

 緊張のあまり、言葉が変になっているルイズが天井を気にするようにチラチラと見ているので、
 ティファニア姫も天井を見上げて、やっとアルビオン貴族たちに気がつきました。
 それからルイズを見て、ポンと手をたたきます。
 ルイズはこころの中でガッツポーズをとりました。
 ギーシュたちもこころの中でバンザァ〜イと叫び、ルイズに拍手を送ります。


728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 19:49:22 ID:gbhvQFlI
>>725
避難所の誤字指摘&修正スレでやれってことでさ

ねこしえん

729 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:50:20 ID:KF8hzRsQ
「ごめんなさい、わたしったら気がつかなくて。みんなのお茶も用意しないと……」
「テメェーッ!全然違うだろうがぁーーッ!!」

 ティファニア姫がとぼけたことを言って席を立ったので、キュルケは思わずツッコミを入れてしまいます。
 そのキュルケに天井から殺意のこもった視線が集中するので、キュルケは天井に向って謝りながら
 刑務所の方がマシだと本気で思いました。
 キュルケの言っていることがわからないティファニア姫がキョトンとしていると、ウェールズ皇太子が
 笑いながら言いました。

「違うよテファ。彼女たちはいつ自分が彼らに襲われるか心配しているんだ」
「そうなの?みんな優しいのに……ごめんなさい、そう言うことだから部屋の外で待っていて」

 ティファニア姫が天井のアルビオン貴族たちに言うと、彼らは音も無く消え去りました。
 ルイズたちはようやく落ち着いて、お茶に手を伸ばします。
 それから、こころの中でウェールズ皇太子に向って、わかっててやってたのねと、ため息をつきました。
 
 お茶とあまいお菓子を楽しみながら、天井や床、壁などに隠れたアルビオン貴族に襲われないように、
 ギーシュは言葉を選びながらウェールズ皇太子にティファニア姫のことをたずねました。
 ウェールズ皇太子は、難しい顔をしながら静かに語りはじめました。

「テファは正確にはエルフではない。わが叔父であるモード大公と奥方の間に生まれたれっきとした人間だ」
「でしたら、なぜエルフのように耳が長いのですか?」
「ファントム・ブラッド……?」

 タバサの呟きにウェールズ皇太子はうなずきました。
 ファントム・ブラッドとは先祖帰りとも呼ばれ、先祖の血が世代を超えて現れることを言います。
 ティファニア姫の耳がエルフのように長いのは、過去にエルフの血がアルビオン王家に入った証明であり、
 つまり、アルビオンの王族は過去にエルフと結婚しているということになります。
 そして、この事実がレコン・キスタにアルビオン王家に反逆する大義名分を与え、ほかの国が王家を
 助けようとしない理由になっていました。
 ティファニア姫は泣きそうな顔になりながら、ポツリと呟きました。

730 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:54:52 ID:KF8hzRsQ
「わたしが生まれなければ……みんなに迷惑を掛けることもなかったんです」
「それは違うよテファ。ジェームズ陛下や叔父上たち、もちろん僕もきみが生まれたのがとても嬉しいんだ。
 なにしろ僕たちはきみに出会うために何千年も待っていたんだからね」

 ウェールズ皇太子は、まるで遠い昔に失った娘を見るような、嬉しさと悲しさが混ざった眼差しで
 落ち込んでいるティファニア姫を慰めます。
 そのお姿にルイズたちもボロボロと涙を流して泣きました。
 たとえ姿がどうであろうとも、生まれた命に罪は無いのです。
 ルイズたちは悲しんでいましたが、そんなことは知ったことじゃない猫草は鉢植えから自分を引っこ抜くと、
 ティファニア姫が下げている赤く大きな宝石がはめられたペンダントに近づきました。
 アンリエッタ姫の冠やワルド子爵のヒゲとは違う、なにか惹かれるものがそのペンダントにあったのです。
 ウェールズ皇太子のおかげで元気を取り戻したティファニア姫は、猫草に気づいて抱き上げました。

「あら、これが気になるの?」
「使い魔くんはお目が高いな。そのペンダントはアルビオン王家に伝わる宝のひとつさ」

 ティファニア姫が身に着けているペンダントは、始祖の秘宝とは別に昔からアルビオン王家に伝わる
 宝物のひとつで、その所有者に栄光と繁栄を約束するという伝説を持つ栄者の赤石と呼ばれるものでした。
 ティファニア姫は首から赤石をはずすと、テーブルにおいてルイズたちに見せました。
 ルイズたちは滅多なことでは見られない宝物を食い入るように見ていましたが、ギーシュだけは
 まったく別のものを見ていました。

「それも気になるけど……ゴクリ……だよん」

 ギーシュは恐れ多くもティファニア姫の胸を見ていました。
 ティファニア姫は胸が目立たないようなドレスを着ていましたが、グラモンの男の眼はごまかせません。
 キュルケの大胸筋のように大きくしなやかで、タバサのほっぺたのように柔らかく、ルイズのこころのように
 気高いティファニア姫の胸はまさに人類の至宝!だと思ったギーシュは、感極まって杖を振ると
 魔法で浮かび上がって仰向けになり、マザリーニ枢機卿のマネをしながら言いました。

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 19:54:54 ID:82UwgU4b
よし、支援だ

732 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:56:19 ID:KF8hzRsQ
「ブラボー!……おお……ブラボー!!」
「はぁ……?」
「ギーシュをやっちゃいなさい!」
「ニャウ!」

 ギーシュがなにを見ていたのかわかったルイズは、猫草に命令します。
 猫草は、なかよしのヴェルダンデの主人であるギーシュをあまり傷つけたくなかったので、
 ギーシュの顔を空気を抜いた特別製の空気の球で覆ってやりました。
 陸で溺れるさかなのようなギーシュを無視して、ルイズたちとティファニア姫が楽しそうに
 おしゃべりするのを、ウェールズ皇太子は優しく見守りながらこれからのことを考えました。
 実はアンリエッタ姫のお手紙はアルビオン王国の王都であるロンディニウムにある
 ハヴィランドの宮殿に保管してあるのです。
 レコン・キスタにはまだバレていないとウェールズ皇太子は確信していますが、
 お手紙を取り戻さなければ、ルイズたちの任務は失敗してしまいます。
 まずはお城を囲んでいるレコン・キスタ兵隊たちをなんとかしないといけません。
 ウェールズ皇太子は切り札のビンと卵のことを考えました。
 それはティファニア姫のために使って欲しいとエルフたちから贈られたものなのですが、
 ビンにはカビが入っていて、そのカビは生き物に取りついてその生き物が自分より低いところに降りると
 爆発的に繁殖して生き物を食い尽くしてしまう恐ろしいものでした。
 もうひとつの卵のようなものは、中にバイ菌が入っていてこれに触れた生き物を内側から
 ドロドロに溶かしてしまうという、やはり恐ろしいものなのです。
 これらはそれぞれ100個あり、それを使えばこの城を囲んでいるレコン・キスタをやっつけられます。
 ですが、これはウェールズ皇太子の趣味ではありません。
 
「あ!わたしったらすっかり忘れていたわ!!」
「ルイズ様、突然どうしたのですか?」

 ルイズは思い出したようにポケットを探ると、アンリエッタ姫からお預かりした水のルビーを取りだしました。
 本当ならこのルビーが大使の証になるのですが、船での騒動ですっかり忘れていたのです。
 水のルビーを手に乗せてティファニア姫にお見せしていると、バギャアッとウェールズ皇太子が
 テーブルを壊して立ち上がり、ルイズに近づいてきました。
 それがあまりに恐ろしいのでルイズたちは死を覚悟しましたが、ウェールズ皇太子は晴れやかな顔で
 ルイズの手を握るとお礼を言いました。

733 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:56:51 ID:KF8hzRsQ
「これこそはまさに水のルビー!大使殿、それにテファも今からぼくと一緒に来てもらいたい」
「も、も、も、モチロンですわっ!!」
「はい、兄さん」

 ウェールズ皇太子はキュルケたちにしばらく眼を開けないように言うと、子犬のように震えるルイズと
 ティファニア姫を引き連れてどこかに行ってしまいました。

 ルイズとティファニア姫はわけがわからないまま、お城の一番上にあるバルコニーに連れてこられると、
 ウェールズ皇太子はいつも身につけている風のルビーをティファニア姫に渡しました。
 それからふたりにそれぞれのルビーを指にはめるように言うと、これから起こることの説明をはじめました。

「兄さん、本当にうまくいくのかしら?」
「大丈夫だよテファ。ぼくを信じるんだ」

 ウェールズ皇太子の説明を聞きましたが、ティファニア姫のようにルイズも不安で仕方がありません。
 バルコニーから見える風景はとても素晴らしい眺めでしたが、今はお城の周りをたくさんのレコン・キスタの
 兵隊たちが囲んでいるので絶望しか感じられません。
 ウェールズ皇太子に促がされて、ルイズとティファニア姫は指輪をはめている方の手をつなぎました。
 するとどうでしょう、ふたりの手からたくさんの虹が現れて空や大地に降り注いでいきます。
 この美しい光景にルイズとティファニア姫は目を奪われてしまいました。

734 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 19:58:44 ID:KF8hzRsQ
「ふたりとも、もうそのくらいでいいだろう」
「あ……はい」

 ふたりが手を離すと、やがて虹も消えてしまいます。
 虹が消えた後には、お城を囲んでいたたくさんのレコン・キスタの兵隊は、まるで虹に攫われたように
 いなくなっていました。
 
「兄さん、いったいなにが起こったんですか?」
「テファ、世の中には知らない方が良いこともあるんだよ」

 ウェールズ皇太子の言葉になにか恐ろしいものを感じて、ふたりはそれ以上聞くことができませんでした。
 この現象は後に『悪魔の虹』と呼ばれ、ハルケギニア七不思議のひとつとして数えられます。
 なにが起こったのかわかりませんが、お城を囲んでいたレコン・キスタの兵隊がいなくなったので、
 ウェールズ皇太子たちといっしょにルイズたちもファルコン号乗り込み、王都ロンディニウムを目指して
 青空を飛んでいきました。 

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 20:00:49 ID:NDmlMkmi
ウェザーリポートw支援

736 :ねことダメなまほうつかい:2008/07/09(水) 20:00:50 ID:KF8hzRsQ
投下終了です。
次にワルドさんとフーケさんのことを書いて、ロンディニウム突入になります。
ちなみに、土と火のルビーだと隕石に狙い撃ちにされたりします。
ブリミルの遺産はこんなんばっか。

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 20:03:17 ID:BqYBBzWV
ブリミっさんのもアレだけど、エルフの好意もバイオハザードwwwww
フーゴとチョコ先生はエルフなのかw

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 20:23:58 ID:vXjOnR/h
ちょww
エルフオメガ強すぎる……
グリーンディの黴とパープルヘイズのウィルス玉を量産できるのか
そりゃ勝つのは不可能だぜ……
そしてブリミルは指輪になんてものを仕込んでんだ、危険すぎるにも程があるだろw

にゃんこGJ!GJ!

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 20:35:35 ID:p1H11ILI
GJなんだが、ツッコミどころが数え切れないwwww
吸血貴達こえーよwwwエルフの生物兵器こえーよwww
そしてブリミル世界規模天候兵器を指輪に仕込むなwwwwwwww

よくやった!GJ!

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 20:45:49 ID:7646VoWX
王党派の貴族たちは全員石仮面製吸血鬼じゃねーかwww

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 20:51:37 ID:Do0fCTae
むむ、テファがクレージーダイヤモンド持ってるなら、うっかりギーシュが胸の事を言ったとたんに
「ああっ?テメーーあてえの胸がなんだってェッ?」
とキレだすと期待したのに

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 21:30:56 ID:WeGyILAX
こんな王党派に立ち向かうレコン・キスタ達に人間讃歌を捧げよう!

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 21:32:56 ID:OSIErHhK
クロムウェルが波紋の使い手なのかもしれん

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 21:35:15 ID:82UwgU4b
いや、DIOみたいに肉の芽を植え付けたんだろ

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 21:40:33 ID:mAX5G65T
ウェールズがなんか黒いぞww

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 22:05:24 ID:BqYBBzWV
アルビオンがコレならガリアやロマリアには何があるんだw
とりあえずクロムウェルの腹には赤外線照射装置があるんだろうが。

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 22:28:00 ID:OSIErHhK
細かいようだが紫外線だぜ

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 22:31:58 ID:ep6Cnk7U
赤外線…冬にはこたつがわりになるクロムウェルか
(究極超人あ〜るネタ)

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 23:01:11 ID:mAX5G65T
でも、怪光線が出ると

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/09(水) 23:49:56 ID:XUVLn/Mm
ねこGJ!!
もうなんかねwww色々面白すぎるwwww
これだけ鬼畜なウェールズも初めてだwwww

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 00:09:10 ID:5WEWJbDt
うーん
風+水=悪魔の虹、土+火=隕石落しなら
有り得る組み合わせとして、
風+火、水+土、風+土、水+火
だとどうなることやら

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 00:18:29 ID:mVaQ4II8
天候系統のスタンドだと、正義とか太陽とかのタロット系が思いつくんだが……

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 00:22:34 ID:sgJs8MAi
風+火で太陽、水+土でサバイバー あたりチョーおすすめ

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 00:30:50 ID:HZombTxI
水+火ならジャスティスだな(霧的な意味で)

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 00:52:46 ID:0I1VY3O8
信じることがジャスティス

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 00:59:36 ID:6iztA25X
真実の王者

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 01:03:20 ID:04HOf9yL
夢を見続けることが

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 01:55:45 ID:HCw8uwU0
俺のファンタジー

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 01:58:32 ID:pDS6r5Ug
生きることが好きさ

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 05:21:47 ID:M2FNnvyg
心許した友

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 07:25:37 ID:hXqXSrqd
永久に守れ

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 07:50:30 ID:vvtvN4IG
フォーエバーの歌ですねわかります

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 14:51:29 ID:PdRBl+pj
>>754-762
この流れに吹いたwwww

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 15:16:45 ID:d3E3DYEK
最近てつをが妙に再評価されてるなwww

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:30:32 ID:kY0tJupK
予約がなければ40分から投下を行いたいと思うんですが構いませんかッ!?

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:34:06 ID:hptxcp4O
逆に考えるんだ
投下するときは支援を求めてもいいって考えるんだ

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:35:15 ID:vvtvN4IG
駄目だね、投下しないのは許さない

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:39:16 ID:HCw8uwU0
歩道が愛してる

769 :ジョルノ+ポルナレフ 第二章-03-1:2008/07/10(木) 23:42:19 ID:kY0tJupK
依頼を受けた翌朝、朝もやに紛れてジョルノ達は出立の準備をしていた。
アンリエッタ王女から授かったのは極秘任務。それも国家の命運を左右する可能性がある重大なもの。
誰にも言えない。聞かれてしまえば、口封じの為に殺人を行う事も許可されている。

それに加えてアルビオンの王党派の命脈は風の便りによれば最早尽きようとしているから、という建前でいそいそと準備を進めていた。
それはプッチ枢機卿から借り受けた風竜アズーロの横でそわそわしているルイズの主導によるものだ。

どうやらルイズは、母親のヴァリエール公爵夫人への説明に失敗したらしい。
予想はついたが、ジョルノ達はそれについてはあえて聞かずに準備を進めていく。
元々あのルールを重んじるヴァリエール公爵夫人に嘘をついて学生の本分を疎かにする許可を得るなど無茶な話だと、共にアルビオンに向かう人員の何名かは理解していたからだ。

予定としてはサイトが竜を扱えると言うので、ジョルノ達は重量軽減の為亀の中に入り総重量を軽くしてアルビオンへと向かう算段だった。
サイトがこの件を枢機卿から聞いたということについては、これも誰も突っ込まない。
『敬虔な信徒が懺悔したいと言うんだからね。私が断る理由はなかったよ』とはその枢機卿がベッドの上でジョルノに言った言葉だったが。

「風のルビーをゲットできたようですね」
「…ええ。姫様が任務を引き受けた私に授けてくださったわ。これと始祖の祈祷書があれば私は魔法を覚えられるのね?」
「可能性は高いでしょう」

ルイズは、魔法でぴったりのサイズとなり細い指に通され存在を主張する『風のルビー』を掲げる。
光を受けて輝くルビーを見つめる眼差しには飢えと、期待と不安に満ちていた。

風のルビーはルイズの希望となったのかもしれない…ジョルノはルイズを横目に、まだ亀の中には入らずにココ=ジャンボを金属で補強された皮のベルトで括り腰につけていた。
ココ=ジャンボの能力についてもルイズに口止めをしており、アンリエッタがジョルノ達以外の誰にも打ち明けないことを全く期待していないということだった。
それについて、ルイズは2、3文句を言ったが、さっさと出発したいらしく今は黙っている。

これもまたプッチ枢機卿から譲り受けたAK小銃の具合を確かめていたジョルノは顔を上げ、視界を曇らせる朝もやの一点を見つめた。
「ジョナサン、どうかしたの? もしかして…」

ジョルノの行動から、母がやってきたことを考えてしまいルイズが青ざめる。
だがルイズの予感は外れた。朝もやを抜けて現れたのは、ジョルノ達の居場所を何らかの、恐らくは風のメイジらしく空気の動きなどで見つけた衛士服に身を包んだ男だった。
深く被っていた羽付き帽子を男が取ると、ジョルノの腰につけられていた亀が安堵して息をついた。

「アンタ、随分若返ったな」
「…あ、ありのまま起った事を話す」

ココ=ジャンボ…の中にいるポルナレフは男の一点を見つめて言うと、脂汗を滲ませて男は言った。

「私はジャンニーサンと熱く紳士的な暮らしについて議論を行っていた。
すると何かが僕に直撃して意識を取り戻した時には髪の毛も髭も残念なことになった…な、何を言っているかわからないと思うが、私にも何が起ったのかわからなかった。
ゲルマニアの軍隊とかトリスティンの衛士隊だとかそんなちゃちなもんじゃない。恐ろしいまでの怒りを味わったよ」

その場にいる皆に少し芝居がかった身振りを交えて言うジャン・ジャック…魔法衛士隊の隊長らしい男は先日会った時は長髪、そして豊かな髭を蓄えた男だった。
だが被っていた帽子を取り、今真剣な表情で亀に説明をする男の髪はとても短い。

ある程度切りそろえ無造作にセットされてはいたが、いい腕の職人など用意する時間はなかったのか髪の長さも多少ばらつきがある。
そして髭は完全に剃られ、剃り残しなど見つからなかった。

「…ちなみにちょっとした好奇心で聞くんだが、紳士的な暮らしってなんだ?」
「良く聞いてくれたね。それはつまり紳士的である為には。特に我々のような青年から壮年へと差し掛かった紳士には家庭が必要になってくるという話さ」

あくまでも真剣に亀に向かって語る衛士の姿は滑稽だったが、それに気付いた様子もなくポルナレフはジャン…ワルドに返事を返す。

770 :ジョルノ+ポルナレフ 第二章-03-1:2008/07/10(木) 23:43:31 ID:kY0tJupK
「…ふむ。それは一理あるかもしれないな」
「だろう? それはつまり納得できる仕事を終えて帰ると出迎えてくれる可愛い奥さん」

と言ってワルドは少し離れた場所に立つルイズに視線を一瞬送り、

「時々ある種の趣を感じてしまうようなけしからんメイドを数人とこの際執事も妙齢の女性、一言で言うと掌に少し納まらないような感じ?を採用してはどうかなと」

まだ出だしだというのにポルナレフの亀は首を横に振った。
周りの空気を読んだわけじゃあない。
現在亀の中にいるのはポルナレフだけではないからだ。
亀の中で、杖を向けようとするマチルダをテファが必死になって止めてくれているのに気付いたからだ。

「そ、それくらいにしておこうぜ」
「そうだな。申し遅れたが姫殿下より、君達に同行することを命じられてね。君達だけではやはり心もとないらしい。しかし、お忍びの任務であるゆえ、一部隊つけるわけにもいかぬ。そこで僕が指名されたってワケだ」

ワルドはそう言って皆に、ルイズに一礼した。

「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」
「フーン」

トリスティン貴族達の憧れ…魔法衛士隊の隊長ともなれば実力も確かなのだろうが、先日食堂でのワルドを見ていたジョルノとサイトの反応は気の無いものだった。
一応、トリスティン王宮で流行の礼などして見せてはいるが、ジョルノの中でワルドを指名したアンリエッタ株がストップ安を記録するのも詮無いことだった。
ルイズとは既に再会を果たしていたらしく「おはようルイズ、昨日はみっともない所を見られてしまったね」
そう言ってワルドはルイズを軽々と抱き上げる。

「相変わらず軽いな君は! まるで羽のようだね!」
「……お恥ずかしいですわ」

ワルドはルイズを地面に下ろすと、再び帽子を目深に被る。

「さて彼らを、紹介してくれたまえ」
「あ、あの……、ゲルマニアのネアポリス伯爵と、伯爵の亀のポルナレフ。同級生のマリコルヌの使い魔サイトです」
「君は使い魔だったのかい? 学院の給仕かと思っていたんだが」

驚きはしたものの、ワルドは気さくな感じでサイトに近寄った。
サイトは馴れ馴れしくされるのが嫌なのか「よく言われます」と微妙な表情で返す。
それを察したのか、ワルドはサイトから離れ準備を続けるジョルノへと近寄っていく。

「ネアポリス伯爵。よろしく頼みます」
「こちらこそ」
「極秘とはいえ、遠からず同盟を結ぶ祖国の為なんとしても任務達成を目指しましょう!」

友好的な態度を見せるワルドとジョルノはにこやかに挨拶を、それこそ肩を叩き合ったりなどもしてから、ジョルノは目を反らした。
その先にはルイズがいる。

「ルイズ、先に子爵と共にアルビオンへ向かってください。港町ラ・ロシェールで落ち合いましょう」
「な、何突然言ってるのよ!?」
「一番上等な『女神の杵』亭を借りておく手配をしておきましたから、そこで待っていてください」
「だから…! どうして、一緒に行かないのよ!?」

突拍子も無い指示に説明を求めるルイズにジョルノはむしろ不思議そうに言う。

「ルイズ。母君の説得、失敗しましたよね?」
「…そ、そんなことはないわ! ちゃんと数日授業をお休みする許可を頂いて」

港町ラ・ロシェールは人工三百程度の小さい街だが、アルビオンの玄関口として常にその10倍以上の人間が街を闊歩している。
そんな街の一番上等な、貴族の客しか相手にしない『女神の杵』亭を宿ごと借りたというジョルノの言葉に驚いていたワルドは苦笑する。
あからさまにどもってしまったルイズの態度からそれはない、とわかってしまったのだ。

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:46:48 ID:OguJuLKh
支援

772 :ポルジョル 第二章-03-1:2008/07/10(木) 23:47:07 ID:kY0tJupK
「公爵夫人を足止めする為に芝居の一つも打っておかないといけませんからね」
「何かて、手があるの?」
「カトレアに頼んで体調が思わしくない振りをしてもらうことになっています。少し薬も服用して、ちょっとだけ大げさに(勿論実際に病気が再発したりしたわけじゃあありませんよ?)。
それから以前治療した私が適当なことを言って、公爵夫人は看病をお願いするカトレアに暫くの間は付いていることになるというわけです」

普段と変わらぬ、爽やかな笑顔がどす黒く見えたのはサイトの気のせいだろうか。
ともかく、ルイズはその案に素直に賛同する事はできなかった…が、そうでもしないと母に捕まらずにアルビオンに向かうなど到底不可能なようにも思えた。
亀の中で誰かが騒いでいるらしく、ジョルノの腰で亀が揺れる。
ルイズは、複雑な顔をしたが苦い顔をしてジョルノに言う。

「わ、わかったわ。でも、あんまり遅いと置いていくわよ!?」
「ええ、勿論です。サイト。子爵のグリフォンがありますし、そういうわけですから君も残ってくださいね」
「ん? ああ、俺は別に構わないぜ」

そういうことになり、グリフォンに乗り先行するルイズを見送ってから、一旦ジョルノは学院の中へと戻っていく。
ルイズには簡単なように言ったが、その公爵夫人に「カトレアのことをお願いします」とか言われて旅立たれてしまっては元も子もない。
自室に戻ったジョルノは、AK小銃を亀の中に仕舞い、着替えなども仕舞ってからソファに腰掛ける。
ある意味裏切り者の疑惑があるワルドに対するよりも警戒しながら、ジョルノは公爵夫人がカトレアの様子がおかしいと尋ねてくるのを待った。
空いた時間を利用して、今朝届いたばかりの手紙を手に取ると、バーガンディ公爵家の紋章で封じられている。恐らくまたバーガンディ公爵から泣き言が書かれた手紙だろう。
読むかとうか迷っていると、呼び捨てなんて随分親しげじゃないか?と亀の中から呪詛のような声が聞こえてくるのを華麗にスルーして待つこと数分。
そうして、暫くして部屋の扉がノックされる。落ち着きの無い強い叩き方だった。

「ネアポリス伯ッ、ジョナサン…! 扉をあけて頂戴!」
「はい。今開きますのでお待ちを」

手紙を読むのはやっぱり止めて、ナイフを持って借りたガンダールヴの性能を確かめていたジョルノは返事をして扉を開けに行く。
そして慌てている公爵夫人の依頼を受け、ラルカスにも連絡してからカトレアの所へ向かう…そこまでは予定通りだったのだが、カトレアの部屋を訪れたジョルノはすぐに表情を変えた。
いつの間にか可愛らしい物や動物で溢れかえっている部屋にちょっぴり辟易したとかそんなことじゃあなく、ベッドで臥せっているカトレアの様子が予定とは違ったのだ。
ジョルノは脈を取りながら公爵夫人にカトレアの症状を尋ね、歎息した。
どうもジョルノがそれっぽい症状を引き起こす為に用意した薬を指定した量より一滴多く服用してしまったらしい。

「ジョナサン、カトレアさんが大変だと聞いてきたんだが」
「ラルカス、いい所に来ました。すぐに水魔法を。それと公爵夫人、申し訳ありませんが席を外してください」

心配だろうに何も言わず指示に従う公爵夫人を見送ったジョルノは、用意しておいた処方箋とラルカスの魔法でカトレアの治療にかかった。

………薬を飲ませ、ラルカスの卓越した水魔法でどうにか治療を施されたカトレアは、ベッドの周りにいるジョルノとラルカスを申し訳なさそうに見上げた。
自分の額の汗を拭くジョルノと、寝乱れた美女もいいとちょっぴりわくわくしているラルカスにカトレアは礼をいう。

「ジョナサンごめんなさい」
「構いません。きっちりその分だけ渡せばよかったですね」

薬を片付けながら返事を返すジョルノを少し眺めて、カトレアは言う。

「少し焦った?」
「いいえ」
「あらやだ。嫌われちゃった」

もう少し量を間違えると危険な薬だったと言うのにカトレアは楽しそうに笑った。
ジョルノはそれには何も言わずにベッドから離れ、ラルカスの背に隠れて汗をかいたシャツを脱ぎ、亀の中から向こうの世界で作った少々オリジナリティに溢れすぎる制服のジャケットを取り出す。
そんな素っ気無い態度を見て、ぺろっと舌を出していたカトレアは含み笑いをした。

「でもこうでもしないとジョナサンって放って置いても平気って思うんじゃないかしら」
「貴方はそれでも問題ない方だと思いますが」
「あらあら、そんなことばかり言って……次は浮気しようかしら」とカトレアは寝台に横たわったまま、改めて旅支度として久しぶりに向こうの服に袖を通すジョルノを上目に見つめた。

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:53:30 ID:kY0tJupK
鏡の前で腰でじたばたと足を動かすココ=ジャンボの位置を直し、テントウムシのブローチの位置を確認していたジョルノは納得が行ったらしくカトレアには返事をせずラルカスへと目を向ける。

「ラルカス。そろそろ期限ですが、ペニシリンは完成しましたか?」
「ん? ああ、先日第一号が完成した。ボスが戻るまでにはある程度数を用意できるぜ」
「ベネ。アンタのお陰で工程が繰り上がって来たな」

嫁どころか小動物を召喚して落胆していたとは思えない、自慢げなラルカスの胸を軽く小突いてジョルノはカトレアのベッドの方へと戻ってくる。
ラルカスはそのまま、カトレアのベッドの先にある窓の外で待つサイトの元へと行くジョルノの背中を眺める。
牛の顔に、何時になく真摯な眼差しを作りラルカスは言う。

「ボス。何かあったら使い魔で連絡をくれ。あんたの命令なら、アンリエッタの暗」
「そこまでだラルカス。留守を頼む」

頷くラルカス。
肩越しに振り向いていたジョルノは、思い出したように無視された上に不穏当な会話まで聞かされ、息を呑むカトレアの手を取って口付けた。

「するな」
「え? ……あら…うふふ。わかったわ」
「……あの、ボス? そろそろ行ってやらないとサイトが泣くと思うんだが」

乱暴な言い方だったが、口元に緩く孤を描くカトレアを見て、なんとなく切ない気持になったラルカスは口を挟む。
寝ていたところを治療の為に起こされたラルカスは、それでも直立不動でジョルノに申し訳なさそうな声だった。
ジョルノは息をつき、

「そうですね。ああラルカス、シャルロットの所に手紙は届けましたね?」
「ああ。母君を治療する準備が整ったことをイザベラ様から伝えられているはずだ。これでアルビオンには向かえま…」

窓の外に何かを見たらしく、動きを止めてしまったラルカスを見てなんとなく察しがついたジョルノはやれやれと歎息し窓へと目をやった。
ベッドに臥せっていたはずのカトレアが、窓の外に現れた風竜の頭を撫でていた。
その首根っこに当のタバサが跨っている。
まだオフレコだが、ああなってしまったジョゼフ王が、オルレアン家も赦免すると言う話をイザベラから聞いたので治療を引き伸ばす必要もなくなった。
そう判断したので、わざわざイザベラ経由で手紙を送ったのだがタバサにはばれていたらしい。
だがジョルノはそわそわしているタバサにとぼけた態度で言う。

「こんな早くに何か?」
「…この借りは、いつか必ず返す」

タバサがそう言うと、風竜は巨体を翻し風を巻き起こしながらガリアの方角へと飛んでいく。
最初から全速力で飛んでいるらしく、あっという間にその姿が小さくなっていく。
風に飛ばされたカトレアを抱きとめて、風が収まるのを待ってからジョルノも窓から出て行く。

窓の外で竜に跨り、早く飛ばしたいなぁとぼやいていたサイトの後ろにジョルノは下りた。

「お、驚かすなよ!?」
「すいません。行きましょうか」
「ああ!しっかり捕まっててくれよな!」

得意げにサイトが笑い、アズーロが飛び立つ。
そして次の瞬間には「ちょっとこっちに来な」とジョルノはマチルダに耳を引っ張られ、亀の中へと引きずり込まれる。
中から女性の怒鳴り声とそれを止めるポルナレフの声が聞こえてきたが、サイトは聞こえないふりをして初めて竜の背に乗って飛ぶ空を満喫することにした。
だって怖いし。


To Be Continued...

以上。投下したッ。3話は前後編か全中後位にしようかなと…ラルカスの使い魔はこの次くらいに顔出させようかと思います。

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/10(木) 23:59:42 ID:Gv+wTF/9
GJ
ラルカスとタルカスって似てるよね

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 00:02:13 ID:RsIvm74m
GJ
結局動物だったか…
小動物ってことは倍速でスタンドを弱くしてくるネズミさんとか?
それと、ラストで手だけ亀から出てきてジョルノを引きずり込むおマチさんに吹いたw

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 01:13:59 ID:lAHZ9qU7
GJ!
なんだけど、所々読んでて良く分からない所があった。

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 02:41:00 ID:ckGWFm2I
アライグマとかどうだろう?

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 02:57:22 ID:aV8C6sgS
ラスカルかよ!
でも実は結構凶暴で、よく飼い主が襲われるらしいから、よいかも。

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 07:48:47 ID:ckGWFm2I
ジョルノが、目を凝らしてじっと暗い岸を見ていると、
木の陰から、湖のほとりに一匹のミノタウルスが姿を現した。
「あっ!あそこにいるぞ!
あれがおまえのお嫁さんだ、ラルカス!!」

「行っておまえの幸せをつかめ!」
「グアアアアッ!」
岸から、もう一度ラルカスを呼ぶ声がした。
「行け!ラルカス!!」
「キュゥ…」
ジョルノの言葉に、
ラスカスは、ついに亀から降り、岸に向かって泳ぎ始めた。
「…そうだ、それでいいんだ、ラスカス。」

涙でにじむ…。
「さようなら、ラスカス…。幸せになれ。」



…子供心に感動の最終回だったんだが、今にしてみれば飼いきれなくなったペットを野に放しているだけだたなあ

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 10:02:55 ID:X5K5Mrvf
ワルドにはこのままポルとコッパゲ先生の三人でおっぱい路線を突き進んでほしいものだwww

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 11:15:23 ID:8hMIWwVy
ねこダメのルビーの件で思い付いたんだが
国王達が握手したらきけんじゃね?

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 11:53:16 ID:/uqvnZGr
>>779
親父が破産して丁稚に行く羽目になったんだから
しゃあないやろ

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 15:49:43 ID:Fl7iRwQe
ラスカルって重いよな。

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 18:51:50 ID:jcvz2Qll
平均7kgだからでかい猫と同程度だ

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/11(金) 19:10:49 ID:aacpckV/
>あれがおまえのお嫁さんだ、ラルカス!!」
オスでした、アッー

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 10:25:21 ID:qnOKn5Nk
>>784
いや、話の内容・・・

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 17:42:27 ID:rSlXM2rx
>>725
信者ってのはそんなもんだよ。
個人的には堕ちる連呼してる破滅主義の奴がウザい
作者が影響されないか心配だよ。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 18:01:55 ID:HajV08p7
堕ちる堕ちるいってる奴はマンモーニ

ってアニキが言ってた!(byペッシ

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/12(土) 18:20:24 ID:DYN8a2gC
言いたいことはよくわかるが、毒吐き向きの話題でない?
>>725が孤立しちまったのは、誤字指摘スレあるんだから自分で直せば?ってのと、
投下後のGJ以外に話題がなかったから、そのタネにしやすかったって理由もあるとオモ。

>>786これがッ! これが『ボケ殺し』だッ!

790 :偉大なる使い魔:2008/07/13(日) 01:51:24 ID:VTYH0nji
「・・・ズ。ルイズーッ。起きてよ。もうこれしか氷が無いけど元気になってよ!」
「・・・キュルケ・・・ここは?」
塔の中みたいだけど、みんなは?そして、プロシュートは?
「塔の一階よ。さあ早く戻りましょ、タバサが時間を稼ぐのにも限界があるわ」
キュルケが上に行こうと階段に進む。
「・・・いかない」
「なんですって?」
キュルケが足を止め振り返る。
「もう・・・どうでもいいわ」
キュルケがわたしを鋭く睨みつける。
「プロシュートは・・・わたしの事なんかどうでもよかったのよ」
「このままだと、ここにいる全員が死んじゃうのよ。
それでもいいって言うの?」
うるさいわね・・・。
「もう、どうだっていいのよ。わたしの知ったことじゃないわ」
キュルケは黙って、わたしを見つめ続ける。
「そう・・・。ルイズ、あなたにとってプロシュートは一番じゃ無かったのね」
「・・・なんですって」
これだけは聞き捨てならない。
「あなたにとって本当に彼が一番なら、あんな操られている奴の言う事なんか
気にしないわ。なのにそれを信じて不貞腐れて、それこそ生きていた彼に
対する侮辱だわ」



「フハッ、フハハハハハハハハッ。何を腑抜けていたの、わたしはッ!!」
そうよ!プロシュートがあんな事、言うはずが無い!
まったく、それを鵜呑みにして落ち込んでいた自分が恥ずかしいわ。
「立ち直ったようね」
キュルケがニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「わたしを励ましてくれたの?」
いつも見ていて腹が立つ笑みも気にならない。
「まさか!思った事を言ったまでよ」
そう、その不敵な態度こそキュルケよ。
「行きましょうか。プロシュートを倒しに」
わたしは杖を顔の前に掲げた。
「ええ、行きましょうか。プロシュートを倒しに」
キュルケも続けて杖を掲げた。

「「杖にかけて!」」




791 :偉大なる使い魔:2008/07/13(日) 01:53:08 ID:VTYH0nji
短いけど投下した!

しかし、だれも心配してなかったな
ピンチ分が足りなかったのか?



792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/13(日) 08:47:31 ID:62diECsn
ルイズなら、ルイズなら殺ってくれるッ!!って信じてるんだよ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/13(日) 10:42:07 ID:R8/z4sps
兄貴の!魂を受け継ごうと決意した者ならば!!

魂のない戯れ言で折れるなどありえてはならないっ!!!

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/13(日) 23:26:17 ID:htBzs8dT
乙乙乙

795 :兄貴:2008/07/14(月) 22:45:57 ID:/22iIe/E
ヤバいな…480kbを超えそうだってのに…
次スレを立て投下するか…このまま突っ切るかの挟み撃ちの形になるな
住民ッ!君の意見を聞こうッ!!

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 22:50:18 ID:mMT8Sq8g
投下したいと思ったらもう既に投下してるはずだぜ兄貴

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 22:57:45 ID:/22iIe/E
今回の爆撃分の容量が24kbで、このスレの残量ではちと厳しいかもしれんからな…
新スレを立てて投下したッ!としようとしたが、ホスト…規制…栄光は…お前にある……ぞ……

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 23:30:06 ID:JumMnTzY
テンプレに変更はないんだっけ。
もし立ててる途中の人が居ないならトライしてくるけど。

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 23:31:59 ID:FTNWv8a/
>>798
征け!栄光はお前にある!

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 23:38:13 ID:JumMnTzY
第一部+第二部
ジョナサン 卿 ブラフォード シュトロハイム シーザー スケコマシーザー
究極生命体カーズ様 ワムウ様 スト様 石仮面+ブルりん+吸血馬

第三部
承太郎 法皇花京院 一巡花京院+平賀才人 メロン花京院
ジョセフ アブドゥル ポルナレフ イギー 
DIO様 ンドゥール ペットショップ ヴァニラ・アイス ホル・ホース
ダービー兄 ミドラー デーボ エンヤ婆 アヌビス神 ボインゴ 

第四部
東方仗助 仗助+トニオさん 広瀬康一 アンリエッタの康一 虹村億泰 ミキタカ+etc 間田
シンデレラ カトレアのトニオさん 岸辺露伴 静(アクトン・ベイビー)+露伴
デッドマン吉良 猫草 キラー・クイーン 猫→猫草

第五部
ブチャラティ ポルナレフ+ココ・ジャンボ(亀ナレフ) アバ茶 ナラ・アバ・ブチャ組
ルイズトリッシュ マルコトリッシュ ナンテコッタ・フーゴ アバ+才人 ジョルノ  ミスタ
ディアボロとドッピオ プロシュートの兄貴 リゾット ローリングストーン 偉大兄貴
ギアッチョ メローネ 俺TUEEEディアボロ ペッシ ホルマジオ スクアーロ
暗殺チーム全員 紫煙+緑日 ブラック・サバス セッコ 亀ナレフ+ジョルノ イルーゾォ
サーレー

第六部
引力徐倫 星を見た徐倫 F・F アナスイ ウェザー エルメェス エンポリオ ヘビー・ウェザー
プッチ神父 帽子 ホワイトスネイク 白蛇ホワイトスネイク リキエル

SBR
ジャイロ+才人 ジョニィ マイク・O
リンゴォ マウンテン・ティム Dio

バオー+その他
橋沢育郎 バオー犬 味見コンビ(露伴+ブチャ) 決闘ギーシュ タバサの奇妙なダンジョン ジョナサン+才

人 銃は杖よりも強し(ホル・ホース) 蓮見琢馬(小説・『The Book』より)



801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 23:39:28 ID:JumMnTzY
・行数は最大で60行。 一行につき全角で128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しにザ・ハンドされます。 空白だけでも入れて下さい。


802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 23:42:14 ID:JumMnTzY
・行数は最大で60行。 一行につき全角で128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しにザ・ハンドされます。 空白だけでも入れて下さい。

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/14(月) 23:47:41 ID:JumMnTzY
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚83人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1216046212/

イロイロトゴメンヨアニキーorz

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 00:09:03 ID:G9P4O4HT
>>803
スレ建てお疲れ様で御座います

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 00:11:11 ID:SFNNh3/b
スレ立て乙です!

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 04:51:36 ID:5OkzmVer
お前は立派にやり遂げたのだよ GJ


807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 19:11:29 ID:G9P4O4HT
埋め申す

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 20:02:39 ID:tLzc3ZCx
     ロ   / /::━-ヽ "| /::━-ヽ;;;;;;;;;;  / ┌;  ┌;    ☆    _ノ 食   あ ジ
  サ |   L_ i::━━- i┴!::━━- );;;;;;;;/.☆ | |_ .| | ☆       ) .べ こ い ャ
  ン ス   /;; ヽ::━- ノ'─ヽ:━- ノ '、;;〈 ;-‐! '、__,,.ノ:ノ''ー- ::、_  ☆ヽ  て ん つ イ
 . ド .ト   /─'--:: ./.,,,,_l_,,,... ゞ-──/::L_  `ー‐''" ,,、,--ュ ';;ヽ、 i  ん .な 毎 ロ
  イ ビ   l |;|┌--‐フ   ┌----、、 |::ヾ;r''‐ヽ,  ,、ィ'r-‐''''''‐ヽ ';;;;;;く  の の 日  !!
  ッ |   i  |l ~~__´ 、   ``'__''''┘ |:::;;l rO:、;  ´ ィ○ヽ    'i;;;;;厶, か
  チ フ   l _|. <,,O,> 〉   <,,O,,>   .|:::;| `'''"/   `'''''"´     !;;;;;;;;ヽ !!
  だ      ._ゝ'|.    /   、      |:::,'  /   、        |;;;;;;;;;;;;;レ、⌒Y⌒ヽ
  !    「 | |    (    )      lソl  ,:'   _ ヽ       .|;;;;;;;//-'ノ
        ヽヽ |     `゙  ゙´      ;:/ ', ゞ,' '"'` '"       i;;;;;i, `' /
⌒レ'⌒ヽ厂 ̄  `|     __       ;'/ '  ', i、-----.、       !:;/ i`'''l
人_,、ノL_,iノ!    ',   :i゙''''''''''`l'  `_人__人ノ_ヽ ヾ゙゙゙゙ニニ'\      " ,:'  ト、,
 卵 オ ス /    .◇  L __」   「 止 よ L_ ヽ〈    i|          Vi゙、
入も ニ ゴ{.      ◇  U、、、 '  ノ  ま だ   了゙, ,ヽ===-'゙ ,'     ,   // ヽ
っ   オ イ ヽ.    ハ        )  ら れ   | . ',.' ,  ̄ , '    ノ  /./    ヽ,
て   ン ぞ  >  /|ヽ ヽ、___,,,,、 'く  ん が  > ヽ.  ̄´   / ,、 ' /     / \
る   と ! /  ノ. | ヽ       フ      /  ノ:lゝt-,-‐''" / ,.ィ゙     /

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/15(火) 20:45:45 ID:MvCNXmiE
このAA何度見ても吹くwwwwwwwww

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 10:24:33 ID:U/NAGFHH
>>808
笑いで呼吸が乱れるwwww

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 10:34:22 ID:GV35GW0M
波紋妨害画像だwwww

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 11:46:38 ID:l46qcjkD
まだ埋まっていないだと!

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 12:11:24 ID:3ccNVjoE
=o ゜凵K)=o)=o)=o)=o)無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無
駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無
駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無

駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無
駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無
駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄 無駄ァ!!

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 13:29:03 ID:3ZK8xI48
ヤッダバアアアアアアッ!!

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 13:48:35 ID:78XF9SmF

  ッ
    ダ
      −
        ッ
          バ
            ァ
              ァ
                ァ
                  ァ
                    ァ
                      ―
                        ―
                          ―
                             ッ

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 16:03:54 ID:dn4ZR0kw

 え
  る
   ゴ
    ミ
   は
  月
 ・

 ・
  火
   ・
    水
   ・
  木
 ・

 ・
  金

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 16:21:47 ID:abjbxdbD
          ,::,,..,                ...,,,:
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         . ';:;;;;;;;;;;;;:''"''::,:;;;!""""~!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;;;;:' ,::,
          ';:;;;;;;;;:;   ;;:;;!.,'!'!!'!, !;;;;;;:,:-:,:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'::':;:'
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         ,,::''.'':::..,,,..    ''"",,",,:::'"''::::'";:''"'':;:;;;;;;;;::',;
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    ,::'' ::::::::::::::::::: ;;::::::'':::::':, .,''" ":.,,"' "     ;;:' ,';;,:',;:'',,'',':,,
    .'::;;;;:::;;;:::::: ''";'::;'";"''",' ,'     ::::    .;'::;::'';:' ;';;;;;;;;;;':, .'.,.,,:::-:::..,
           .';:'  ; ,:' ;: ...,     :: .,:'':::::''''::::'''''::::''''':::''::; :;::::::::::::::',
            '  .', .'::;;':::'     : ,':::::::::::::::::::::::;;::::;;:::;:' ,:':::::::::::::::;
              ..', ,,,...,,      ;:::::::::::::::::::;:' ,::',::' ..:':::::......:::::::',
               ';    ~"    .,';::::::::::::::;:' ,;'':::;'':;':::::::::::::::::::::::;
      ,,         ':, "''    ,.::'::::',',:::::;:''; .;' ';:'.,.:':::::::::::;;;;:::::''':::;::,,
     ,:':::"''''::::::::::::::::::::::::;;;::':,    ,.::'::::::: .',',:' ,:';'; ;:' ,':'-:::::'''"":;;;;:::::;;;;;;;;;;"'':::..,,,,....,,::::''::::::''::..,,,
     ';::::;""''''''''"""~~~   '::::::::::';:::::::  ,,::';::''',';:';:' ,.:';;;::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::;;;:::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;"'''::;
     .';:::; ;: ., ,:;;,     ::::::  .;. ,,::::'",::' .,.:' ..,,..::';;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;
     ':::; ;''"  ;;    ,:'"::::::'''''''"":::::::,'  ;';;;;'; .';:::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;:::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',
     ';:::; ;'';  :;;:    ':::,:::::::::::::::::::::,:':,  ;'':;:'' .,'::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;:::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;':,
   ,,,:::::"'' '':":''':::..,,,,,...::::'''"";:::::::::::::: :::,' .';.,,.; ;:,::'::::::::::::::::::::::::::;;;;;::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
'''""   ::::::::::;;;::::''',,...:::',,::'::'':;:::::::::: :::::':,,.:''':;' ,':::::::::::::::::::::::::;;;;::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:,
  :::::::::;;:::''"" ,,..::::''""~   .';:::::: ::::::::,' ,'",,.::':::::::::::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::,
'':::::::;:::''    ;' ;'':;    ,,.., .',::::::::::::::::;  ;,':; ';:::::::::::::::::::::;;::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::,

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 16:31:58 ID:gW8cbV5H
>>808
本絵が見て―

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 16:34:12 ID:3ccNVjoE
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオ
ラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオ
ラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオ

ラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオ

ラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラ オラァ!!

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 17:07:04 ID:dn4ZR0kw
β<フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
アヘアヘアヘ、ヘラヘラヘラヘラ、ノォホホノォホ、フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ
フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
アヘアヘアヘ、ヘラヘラヘラヘラ、ノォホホノォホ、フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ
フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
アヘアヘアヘ、ヘラヘラヘラヘラ、ノォホホノォホ、フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ
フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
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フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
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フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
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フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ
アヘアヘアヘ、ヘラヘラヘラヘラ、ノォホホノォホ、フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 17:32:19 ID:T9kqqUec
ぶっ壊れたw

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 18:30:19 ID:/Vya5jDn
                 ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                  ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
     ザッ            ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;          角砂糖はあるかい
                    ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
     角砂糖はあるかい    ,.〜^,.〜^,.〜^..〜^      ザッ    うおおう!
                   ⌒vv⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、
 うおおう!         , '´ ̄`ヽ −^, '´ ̄`ヽ −^, '´ ̄`ヽ         角砂糖はあるかい
ザッ           ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ
           ,‐ '´ ̄ ̄`ヽ__‐ '´ ̄ ̄`ヽ _‐ '´ ̄ ̄`ヽ    ザッ
       , -―  ――-、        , -―  ――-、        , -―  ――-、
.      /に    (ニ==\    /に    (ニ==\    /に    (ニ==\
    //')      に二) (ヽ //')      に二) (ヽ. //')     に二) (ヽ
    〃____,r^)__,r、(ニユ| 〃____,r^)__,r、(ニユ| 〃____,r^)__,r、(ニユ|
    i!   ● / /●  ヾヽヽ,! i!   ● / /●  ヾヽヽ,! i!   ● / /●  ヾヽヽ,!
     ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi  ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi  ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
 /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ.ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
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    `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/   `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/   `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/



    (⌒)   (⌒)
  .(⌒)}: {;⌒)⌒).{ 
.<ワ };.| },..}'l;,. |,、/;:{ク
 ヾVヾYヾYヾlリレルルっ
. C'|/.リ’'';;;;;:::::;;;;;''t|ソ~
. c|イノ  ___, 、__`ll 
  lrll  -ー   -、 l!
  l l  ';::  | ::; |   ……そんなもの
  `ーi  "  ' '"/         ここにはないよ
    | `ー  ̄ , '
  ,,__[ ̄ ̄~V ̄|__
/' ヽ   ハ   ゙ー、
 T 」 |    リル    |
ト ⊥ |〃X]XIIヾ |



823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 18:35:21 ID:U/NAGFHH
>>822
(´ω`)しぇっこさんかわゆす

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 18:44:05 ID:/Vya5jDn
                 ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                  ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
     ザッ            ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;          カキ氷はあるかい
                    ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
     生ハムはあるかい    ,.〜^,.〜^,.〜^..〜^      ザッ    うおおう!
                   ⌒vv⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、
 うおおう!         , '´ ̄`ヽ −^, '´ ̄`ヽ −^, '´ ̄`ヽ         雑炊はあるかい
ザッ           ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ
           ,‐ '´ ̄ ̄`ヽ__‐ '´ ̄ ̄`ヽ _‐ '´ ̄ ̄`ヽ    ザッ
       , -―  ――-、        , -―  ――-、        , -―  ――-、
.      /に    (ニ==\    /に    (ニ==\    /に    (ニ==\
    //')      に二) (ヽ //')      に二) (ヽ. //')     に二) (ヽ
    〃____,r^)__,r、(ニユ| 〃____,r^)__,r、(ニユ| 〃____,r^)__,r、(ニユ|
    i!   ● / /●  ヾヽヽ,! i!   ● / /●  ヾヽヽ,! i!   ● / /●  ヾヽヽ,!
     ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi  ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi  ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
 /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ.ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
 \ /:::::  >,、 __, イァ/   / /:::::  >,、 __, イァ/   / /::::: >,、 __, イァ/   /
.   \     |三/ []「/__ /. \     |三/ []「/__ /. \     |三/ []「/__ /
    `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/   `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/   `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 18:49:42 ID:/Vya5jDn
   ,-ニ三Ξニ=-、            ,/三ニ\、,. ,/シ三ニヽ      
.@/.リノノハ三Ξニニヽ           |/⌒ヾヽペッシW//
@/イノノノ __, 、  `llゝ              ヾヽリ'li|li|,/'/
 @lr:l:.:.l -ー   -、 l! いいか          リ|ilil|!ili|!l|i|l
 @l l     |  |  成長しろ       /      ヽ    プロシュート兄貴の覚悟!
  `ーi     '  /    ペッシ     ミ | ヽ、_ _,ノ   _|              心で理解したッ!!
    | `ー  ̄ , '            |⌒ヽ .| ● ;;;;;; ●  ソ
  ,,r-.ゞ=△〔___           ヽ   ヽl⊃ 、_,、_,⊂⊃j    もう誰もオレをマンモーニと呼ばせないぜ!
/l :ヽ、 ___、..,__ヽ、゙ー、           \  \ ______,/ ̄ |
YY|: : : ヽ    |: :ヽY\           丶::::/   /:://~ヽ
YYY>': : ヽ |  l: :<YYl|           | :: lヽノ/:::/ |   |

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 18:51:04 ID:/Vya5jDn
           ,. -‐=‐-、
         /::::/::::-、ヽ:レ‐、
        /::::/:::/::::::∨/'´`ヾ..、
 .      /:::/::/::::/ヽ::V::::::::l::::';:ハ
      /:/:/::::/i::::::V:::::::/:l:::ヘ:::',
   ∧  /":/:::/:::;.ヘ;.…彡ヘ:::::l::::::';::i
   |::::゙i//::/::::/      j::::::ハ:::::Vl
  _,!..ィ/:::::::::::/ヽ\   / .\:::::::';::::';l
 TL!::::i::::::::;.ィi Ftメ、ヽ jヽ x''"ヽ::::∧::i
 / E-i:::::;!--、__ `¨7´.i iィヒネラ';::::::::ソ
   弋「ニ:::::::::;. -‐''  / .li,〉 `´/.i::::::::l  次スレに行く事しか許可しない!
  ( ¨\゙フ"ヘ   _ ヽ,ノ   ./イ-‐':ノ!
 /¨ ー''"7i ',  ヽ. ヽニ三ブ ,.イ/:::/::::i
  '¨ ̄n゙ヽ)!',  \`¨「 / トィ''"ヽ\ヘ,
  └ U ノ‐-、   `¨ リ  Vヘー─ト)V::\
  ,.ィ´ ̄ i ,レ   ---─‐// Y^\ ,レ _)、::::i
  /-一"ノ / '´  ̄¨゙/:/、 ヽ:::::\¨ヽ ∧ノ
     /) /     ,..:/  \ハ::::::::lノヽ i

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 19:16:00 ID:eo6UwlhC
     _            ┌                     n /7           _      .
       | |            ヘ 「ト                  L|ム//)   __ ┌┘└┐    
       | |__        く  ゝ)      _        へ人  ヘ∠    | _ . | ニニ! !ニニ    
       | __|         て彡      |  ハ        `┤フ⌒ヘ⊃   | .|_|. |└‐┐┌┘   .
   ._ . | |             .| ヘ     .| ノ |-イ_  - 不 ーーイ   .....| _ . |i二二 二i    
   .| |  | |             |\ ⌒\  .Y / √ /イ  \二 彡    .....| .|_| .|┌、 .| 「     
 ._| |_| |___         ヘ  i⌒ <〜 Y//  / ヘ /    ノ       | ......| ヽゝ」 |    ....
 |________|         ーへ //⌒>イ.( ヘ  入   /         ̄ ̄   ヽ |    ....
                       \《   / / |ヘ ノ </ーイ                 ̄    .....
                         ヽヘノ へ ヘ√  | |                         ...
      _                  .| |ーー| |へ ム┘                         ..
   __| |__              //ーー// √                            ..
   |__ __|             √(⌒)□へ      ww                      ..
   ┌─┘└─┐             i (^"^)\  ゝ    <イヘ|                      ..
   └─┐┌─┘             |/ ヽイ⌒ -イヘ    ヽヲiヘ                      
   . , ─┘└- 、            . / /ヽヒ/ /  ヽ / フ⌒( ヘ                    ...
   イ と‐┐┌- .,/            ./ ん )ヘ (   <⌒ へ  ト ノ                     
   ゝ,  ̄ ノ              ./   )/  \ヽ人 ⌒) )イムi )                    .
      ̄               ん   /     √  イイヘムイ                    .....
                      | ) (  n /彳ヲ/ミヲ   | ヘ                    ...
    ._                 イ(⌒) ヒ >    /  ( \ (彡ヘ          _        
  ._| |__  ,.-‐.、           .|  イ Eイ  イ |   ヘ  ) mm7          | |       ....
  |_  .// イ .|            ) (  <  イ ヽヘ  ヘ ゝ             .| └─┐   ......
   /    / |  |            へイ   |ア~ヘ   く ヘ人               | ┌─┘   ......
   /   /  |  |           入ノ    \_/ヘ   ヽ|_\へ            . | |       ....
   |__.....|   |  レイ         //      | ノ)     へ ヘii|          , ─┘└- 、    ....
    .| |   |   /               ∠_/      んゝ \       イ と‐┐┌- .,/   .  .
    .| |   ゝ-イ                             ̄        ゝ,  ̄ ノ       ....
    . ̄                                              ̄         ..


828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/16(水) 19:31:26 ID:eM8gcmFY
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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =

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                   ,.-―っ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
          .(:():)ノ:://      \____
          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
|__|__|__( (/:∴:::(  .n,.-っ⌒    (  ノlll゚∀゚) .(゚Д゚llソ |
|_|__|_人):/:・:::∵ヽ | )r'        ー'/⌒ ̄ て_)~ ̄__ イ
||__|  (::()ノ∴:・/|::| ./:/         /   ̄/__ヽ__/
|_|_| 从.从从:/ |__|::レ:/      ___/ヽ、_/
|__|| 从人人从 ..|__L_/      .( ヽ     ::|
|_|_|///ヽヾ\ .|_|_     /⌒二L_    |
────────       ー'     >ー--'

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        巛ノi
        ノ ノ                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
      、)/:./、      ( ´Д`)      | ビックリしたぞゴラァ!!!
     )/:./.:.(,. ノ)    `';~"`'~,.       \   ________
     \\:..Y:.(  ・ ''    :,   ,. -―- 、|/
_____ 从\、,. ,; .,、∴';. ・  ( _ノ~ヾ、ヽ
|__|_ _(_:..)ヽ:∴:@)       ノ(゚Д゚ #) )
|_|__|_人):|:・:::∵ヽノ)    (_(⌒ヽ''" `ー'
||__|  (::()ノ∴:・/|::|( \    \ \) )        _
|_|_| 从.从从:/ |__|::|ノ   \  ミ`;^ヾ,)∃        < へヽ\
|__|| 从人人从 ..| /:/ _,,,... -‐'''"~   /ー`⌒ヽ、  (( (゚Д゚llソ |
|_|_|///ヽヾ\ ./:/ _ \        /     /T;)   /~  ̄__ イ
─────── ノ (,    \/__/__,ノ|__`つ  ヽ__/
             ´⌒ソノ`

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______/   \____
|__|__|__/ /  ヽヽ,|__|
|_|__|___い 、  , ,ソ_|_|
|__|___/ ̄`^⌒´ ̄\_.|     .l´~ ̄ ̄ ̄`.lヽ
|_|_|  |         |_|    / ⌒ ⌒ ⌒ .| !
||__| 从ヽ-i´ ,_ ,_ 'i-'"_|   / ___ _ _ ___/,イ
|_|_|从イ/´:::::::::::::::::::::::`i、_|  / ̄       /i.|
|__||从/:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,._| ~||~~~~~~~~~~~~ ´||
|_|_| ,,!;;;;;;;;;i⌒i;;;;;;;i⌒i;;;;;;;;;;;!,|
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