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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part147

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 02:34:54 ID:fbHEYbnC
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

前スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part146
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1213896778/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    ___            ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .    ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.    ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

--------------------------------------------------------------------------------

     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず本スレではなく避難所への投下をお願いね。
    ノルノー゚ノjし     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。
   /く{ {丈} }つ      やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l       ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉     これ以上は投下出来ません。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ     ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>     ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
             ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
              姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
             ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。


2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 02:36:14 ID:fbHEYbnC
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 02:39:08 ID:XO/NsrBZ
物凄く乙!

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 05:36:20 ID:IqtLsTKt
>1
ちょっと早いとは思いますが乙!

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 06:21:26 ID:VOCCYvsq
>>1
スレ立ては480kb超えてからだぜ?
だが乙

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 06:27:36 ID:5z4sVKxQ
>>1氏ね。

>・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
>・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。

テンプレも読まずにスレ立てとな。

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 07:21:42 ID:2dunREZU
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 07:22:03 ID:2dunREZU
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 07:22:25 ID:2dunREZU
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち>>16

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 07:22:47 ID:2dunREZU
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 14:46:02 ID:dzsIIurH
ID:2dunREZU
ID:2dunREZU
ID:2dunREZU



12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:33:37 ID:x8bsSf/3
前スレ、荒らしまがいの埋め立てしてきました…。
鋼の人カモン!

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:36:55 ID:1+VGtWn2
もうちょっと建設的に埋めようや、500なら鋼繋がりでメタルアルカイザー、とか取る気無しで書き逃げしようと思ってたのにw
それはさておき支援。

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:37:40 ID:4rdyYx5X
荒らしまがいじゃなく荒らしそのものだろJK…('A`)シネヨ

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:38:34 ID:x8bsSf/3
スマン… 今後は自重する…

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:39:08 ID:SQZJxWeg
>>メタルアルカイザー
正々堂々と戦うの好きなヤツだけどたぶん手加減するタイプじゃ無いし・・・ギーシュが死んじゃう!!

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:41:41 ID:yJdD7Gfh
ムーンスクレイバーでバラバラになっちゃう!

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:44:22 ID:BZiT4Zu6
お前は強かった・・・だが間違った強さだった。

19 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:44:59 ID:0kJxi0Xh
スレ移動確認しました。
では45分過ぎから投下します

20 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:46:15 ID:0kJxi0Xh
 ギュスターヴがここ、ハルケギニアはトリステイン魔法学院で『使い魔』として召喚されてから、既に7日目を迎えた。
朝食が終わり、部屋の掃除を済ませた後、ギュスターヴは学院にある巨大な図書館の出入り口の前に立っていた。

 話はその前日、夕食の時間が終わり、ルイズの部屋で短剣の手入れをしていた時に戻る。
親指ほどの大きさの石を濡らし、短剣の刃を滑らせていく。硬いもの同士が擦れる独特の音が何度かして、その後乾いたぼろ布で拭いていく。ルイズの部屋は特殊なランプが火を灯され夜でも十分な明かりが取られていて、その明かりが刀身に映りこんでいる。
何度かそれを繰り返して、手入れに満足したギュスターヴは剣と手入れ道具を片付け、寝床にしている毛布の上を均して眠る準備を始めた。
ギーシュの決闘以後も、ギュスターヴの住環境は特に変化があったわけでもない。もっとも、ベッドの上じゃなきゃ眠れない、
などということも無いギュスターヴは、背中が痛くない程度に毛布が何枚かあれば十分眠れるのだった。
そんな使い魔を見咎めることもないルイズはルイズで、机の上に小型の燭台を載せて、一層の明かりを取りながら、本と紙を広げて
羽ペンを走らせていた。石研ぎの音がなくなると、今度は羽ペンが羊皮紙の上をなぞる音が部屋の中を包むようだ。
 そんなルイズの姿をぼんやりと見ていたギュスターヴは、前々から考えていた案件をルイズに聞かせた。
「ルイズ。この学院を探検した時に大きな図書館を見つけたんだ」
「あらそう。ここの図書館は広いわよ。学生が使えない棚もあるけど。それがどうしたの」
「司書に聞いたら俺は入れないんだそうだ。だからルイズから俺が図書館に入れるように先生なりに伝えてくれないか?」
 椅子から降りてんー、と背筋を伸ばすルイズ。机の上を片付けてベッドに腰掛けた。
「どうして図書館を使いたいのよ。本ならここにもあるわよ?あんまりいじくって欲しくないけど、まぁあんたなら汚したりもしないでしょうし」
「それでもいいんだが……俺は字を読めるようになりたいんだよ。だったらたくさん本のあるところのほうが俺でも
判るような本があるんじゃないかな、と思ってさ」
 ギュスターヴの言葉に、ぽっかんと口をあけて呆然としたルイズは、次にびっくりしてまくし立てた。
「何よあんた、その年まで本を読んだことが無いわけ?いい年して字も読めないなんて呆れたわ!」
「そうは言っても、学院の角から角まで見渡しても、俺の読める字はひとつとしてなかったぞ。まるっきり影形がない」
 ギュスターヴの反論は最もで、この数日は奉公のメイド等とも交流が続く中でそれがはっきりしてきたことでもある。彼女らの娯楽は
故郷からの手紙や、偶の休みにやってくる行商から買うことの出来る粗雑な装丁の大衆小説などで、それらを見せてもらっても
ギュスターヴはさっぱり理解できないのだ。これでは今後も色々と支障が出てくる。それにつけてもギュスターヴは日中暇を持て余しているのだ。
ルイズはギュスターヴの反応に何を考えたのか、一つの疑問を呈した。
「ねぇ、ギュスターヴ。あんたって、どこからきたの?最初の時になんだか変な事色々聞いたでしょ。まさか本当に月も見えないようなド田舎に棲んでたってわけでもないんでしょ」
 ルイズの疑問に対し、ギュスターヴは色々と思うところがあったが、やがてゆっくりと話し始める。

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:47:29 ID:x8bsSf/3
おっと、支援

22 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:48:13 ID:0kJxi0Xh
「んー…。まず、俺が住んでいた場所は、サンダイルと呼ばれていて、ハルケギニアなんて言葉は聞いたことが無かった。
大きく三つの大陸で出来ていて、俺はその中の一つ、東大陸のグラン・タイユという地方にあった砦にいたんだ……」
 ギュスターヴは徐々に語り始めた。自分がいた砦に何者かが引き連れたモンスターが襲来したこと。
部下を逃がすために少数の人間と砦に残った事。火の手が上がる砦の中で、朦朧とする意識の中、何かによってここにやってきたらしい事……
 ルイズは話を聞いているうちに、ギュスターヴが遠い遠い顔をしているのを見つけた。
「…多分サンダイルとハルケギニアは、近いとか遠いとか、そういう話で収まらないほどかけ離れているんじゃないかな」
「何?それって世界をまたいで私があんたをサモン・サーヴァントで呼んだって言いたいの?」
「確証はないが、そうでもないと説明の出来ない事が多すぎる」
 荷物から小さな袋を持ち出し、中をまさぐるギュスターヴ。中に入っていたのはルイズが見たことの無いデザインの硬貨だった。
何年にも渡って人の手を受けて、角の甘くなったコインが数枚。
 それがサンダイル世界に普く流通するクラウン金貨である事をギュスターヴは知っている。個人でそれを使う機会が
それほどあったわけではないが、ギュスターヴ個人の財布としてそれを持ち歩いていたのだった。
「他にもこちらには魔法があるが、サンダイルにはアニマというものがあった。それを使ってさまざまなものから術を引き出して使うことが
当たり前とされていた」
「アニマって何よ?」
「……そうだな。この世のありとあらゆるものに宿っている力、みたいなものかな?石なら硬い、水なら冷たい。そういうイメージでアニマを
引き出すと、イメージを具現化した術が発揮される」
 ギュスターヴは術不能者だが、だからこそ誰よりも術に精通しようとした。青年期においてはシルマールに師事し、後年は
その弟子ヴァンアーブルを側近に置いたのはそういった意味があった。
 ルイズはまったく未知の世界の話に耳を傾けた。ルイズとて実技はともかく学科の成績は誰にも負けない優秀なもので、
だからこの話は知的刺激に満ちていた。
「ねぇ。そのサンダイルで、あんたは何をしていたの。砦に居たっていうことは、傭兵?」
「ん?」
 ルイズの質問は最もで、彼女はギュスターヴの過去を知らないのだ。知らないものを知りたいと思うのはごく自然の発想だ。
しかしギュスターヴは口ごもらせて、遂に寝床に横になって顔を背けた。ルイズにしてみればあれだけ話しておいて
自分の事を話そうとしないギュスターヴにやきもきし出した。
「何よー。もったいぶらないで教えなさいよー。減るものじゃないでしょー」
 バシバシと床を踏み鳴らすルイズが鬱陶しい。ギュスターヴは面倒くさそうに身体を起こしてルイズを見た。
「しょうがないな。……俺はな、ルイズ」
「うん」
 ごくり、とつばを飲み込む。
「王様を、やっていたんだ」

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:49:01 ID:x8bsSf/3
支援

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:49:16 ID:1+VGtWn2
王様発言キター!支援!!

25 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:51:17 ID:0kJxi0Xh
 
 嫌にはっきり言ってしまったなぁ、と脳裏で語散るギュスターヴを置いて、ルイズはぽかんと目を白黒させ、次に
深くため息をついてわなわなと震え始めた。
「人がせっかく真剣に話を聞いているのに……」
 ベッドの上に置かれた杖を握って振り込む。
「真面目に答えなさいよこの中年使い魔がー!」
 二人の間の空間が爆発して、胡坐で腰を曲げていたギュスターヴを弾き飛ばした。まったく油断していたギュスターヴは受身も取れず、
背中の方にある石壁に後頭部を強かに打ちつけて悶絶した。
「〜〜〜!!!!」
 ふん、と鼻を鳴らすルイズ
「主人を謀った罰よ。……図書館の件だけど、一応先生には話を通しておくわ。でも私はあんまり使ったことが無いから
教えられないかもしれないわよ」
 打ち付けた部分を撫でて涙目のギュスターヴも、ルイズにあまり頼る気が元から無いらしく答えた。
「い……、いや、とりあえず使えるようにしてくれればいい。あとはコルベール先生とかに聞いてみるから」
 
 
 時間は戻り翌日の昼間。ギュスターヴが図書館の中を歩き回って暫く経った。司書は入り込んできたギュスターヴを見やったが、特に何も言う事はなくそのまま通してくれた。
図書館は吹き抜けになっていて、吹き抜けから見下ろすと下の階の図書架まで見えるようだったが、棚と歩く人の縮尺がえらく小さい。
既に今日の授業が終わっているのか、幾人かの生徒らしき人影が増え始めたが、広い広い図書館は壁と棚を無尽の本で埋め尽くしていて、
どこから見ていいかまるで分からない。
(本の整理をしているような人ならどこにどんな本があるかわかるかな……)
 あてどなく歩き回るギュスターヴ。本棚の林を抜けていくと、開けた場所に並べられた読書用の椅子とテーブルがあった。
そこに特徴的な趣味のシャツを着た少年が座っている。
 決闘騒ぎ以来の再開になる。『青銅』のギーシュだ。
「よう」
「ああ…君は…ギュスターヴ……だったね」
「ギーシュ、だったな。……なんだか前に見たときより白いな」
 ギーシュは乾ききった笑い声でギュスターヴの言葉を迎えた。力なく語る所によると、授業の後はケティとモンモランシーの追跡を避けるために
毎日ここに来ているのだという。
 ギュスターヴは幸いと、ギーシュの手を引いて立ち上がらせる。
「ちょうどいい。暇なら本を選ぶのを手伝ってくれ」
 
 ギーシュを引き連れて図書館を歩き回るギュスターヴ。歩きながら質問をギーシュにし、捜すものは児童書の棚。
比較的薄く、字が少ないものが望ましい。
「このあたりの棚が一応児童書とかになるよ」
「そうか。……これがいいかな」
 小奇麗な装丁の一冊を棚から引き抜き、タイトルをギーシュに聞こうとした、丁度その時。本棚の彼方から走って近寄ってくる誰か。
一年生のマントが翻っている。
「見つけましたわ、ギーシュ様♪」
「ケ、ケティ!」
 一年生、現在ギーシュの二番夫人と噂されるケティ。ケティはギーシュの隣にいたギュスターヴには目もくれず、
懐から杖ではなく錘のついたロープらしきものを取り出しギーシュに投げる。
 ヒュン、と飛んでギーシュの体に巻き、きつくギーシュの体を締め付ける。
「ぐ、ぐおおぉぉ!」
「さぁギーシュ様、お姉様がお茶を用意して待ってますわ♪一緒に行きましょう?」
 一緒に行きましょう?行きましょう?逝きましょう?……。
 ギーシュの脳内を木霊するケティの声。かくん、とギーシュは脱力してギュスターヴに顔を向ける。
「そ、そういうわけだからギュスターヴ君。僕は失礼するよ……」
 ケティに引き摺られてギーシュは図書館の出入り口に向かって歩いていった。その姿はさながら犯罪者を引き回す役人のようだ。
 一方、唐突に置き去りにされてしまったギュスターヴ。手にはタイトルすらうかがい知れない本が一冊。
「どうしようかな……」


26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:51:41 ID:5a51Gd4Q
支援

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:52:47 ID:x8bsSf/3
支援

28 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:52:51 ID:0kJxi0Xh
 
タバサはその時、いつものように定位置の椅子に座り本を広げていた。窓際の、日当たりのいい場所。
少しだけ窓を開けておくと風が吹いて、開いたページをめくって遊んでいく。読んでいる本にはハルケギニア語で『エンディミオン』と書かれていた。
 不意に顔に掛かる陽が陰るのを感じる。視線を動かすと、隣の椅子に意丈夫の男が座ってこちらを覗きこんでいた。
「こんにちわ。……タバサ、だったな」
 認識できるか出来ないかというほどタバサは小さく頷く。ギュスターヴは本を置き、静かにタバサの読書風景を眺めていた。
タバサは本来読書中は他の事に囚われたりしない。それよりも本と知識の中に没頭している事を好むから。しかしこの時タバサの脳裏に、
数日前に浮かんだ疑問が思い出され、この時をその解決に向かう事のできる好機と捉えた。
「あの時の剣。あれは何?」
「何って?」
 開かれた本を閉じたタバサ。ギュスターヴに対し向き直し、目を見る。
「ただの剣がゴーレムを簡単に切れるはずが無い」
 ギュスターヴは察した。彼女は決闘の時の自分について何か聞きたいらしいと。そしてどうやら、自分の剣には何か
秘密があると思っているらしいことも。
「あの剣の仕掛けが知りたい、と」
「そう」
 戸棚の奥から誰かの足音が聞こえる。少し考え込む様子のギュスターヴを、今度はタバサが眺めている。
暫くして、ギュスターヴは手元に置いていた本をタバサに見せる。
「字を習いたいんだ。手伝って貰えるなら、話すよ」
 タバサはやはりわずかに頷いてギュスターヴの手元の本を広げて見せた。児童書の名前は―――『イヴァールディの勇者』
 
 
 正午も過ぎ、ギュスターヴはタバサをつれて外、アウストリの広場という所にいた。
 そこはヴェストリ広場と概ね構成が同じであり、やはり何本かの樹木が植え込まれている。
その中の、最も太く大きく育った一本の影に座り込み、腰に挿していた短剣を抜いてタバサに見せた。
「持ってみる?」
 うなずくタバサ。地面に置かれた短剣の柄を握って持ち上げるが、剣先が持ち上がらないでわずかに引き摺る。
「……重い」
 さくりと剣先が地面に刺さり、笑いながらギュスターヴは剣を地面から抜いた。
「自分で作ったんだ。これは」
 指先で剣についた土を撫で落とす。木漏れ日に当てると、刀身には木の年輪の如き文様が浮かんでいるのが分かった。
「私も詳しく聞きたいなぁ。ギュスターヴ?」
 不意に声かけられたギュスターヴは周囲を見渡す。すると樹木の反対側からルイズが現れて二人の輪に入った。
「ルイズ。……なんでここに」
「あんたが図書館から出てくるのを待ってたのよ。そしたらそのちびっこと一緒に出てくるから後をつけたの」
 自分もちびっ子だろう、とギュスターヴに、ふんと鼻息一つして、
「私はまだまだこれからよ」とルイズ。
「で、その剣のこと、私にも教えなさいよ。主人には教えられないでそこの子には教えるってどういう了見?」
 最もな話だ。主人として至らないとはいえ、その辺の人と公平ではありたいのだ。
「ん……まぁ、いいか。かまわないかタバサ」
「かまわない」

29 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:54:27 ID:0kJxi0Xh
 正午をまわり緩やかな風が吹いた。
ギュスターヴは昨晩と同じように、自分の世界の事を語った。
さらに自分がその世界で『異端者』である術不能者であること、その世界で生き抜くために、鋼で武具を作ったことも。
 
「何度聞いても不思議よねぇ、あんたのいた所って。平民でも魔法が使えるなんて信じられないわ……」
 私は使えないのに。と暗にルイズはいじけている。対してタバサは静かに、かつ興味を刺激されている。
「俺は使えないがな。俺だけじゃない。俺と同じように術が使えなくて社会の底に押しやられていた人間はたくさん居たんだ」
「それでなんで鉄の剣になるわけ?」
「アニマは金属を嫌う。正確には、金属製品はアニマを通し辛い。もっとも通さないのは鉛だな。
そこから錫、鋼、鉄、銅、青銅と徐々にアニマに触れやすくなる。白金、銀、金などはアニマを干渉する力がほとんどない」
「だからあんたの鎧って立派な割りに飾りっ気が無いのね」
 無論ギュスターヴも鎧があれ一つというわけではなく、儀礼式典用のそれは装飾に貴金属を大量に使った豪華のものを用意させていた。
とはいえこちらに来た時の鎧は今はある程度分解してルイズの部屋に置かれていて、一見すれば金属の塊にしか見えない。
「私達の魔法も、嫌う?」
 タバサの質問に、それはどうかな、と答える。
「こちらの魔法は金属も加工できるんだろう?しかもアニマに干渉しやすい金属の方が低い技量で扱える」
 先日の決闘が思い出される。
「アニマにも石の術というのがあるが、金属に術をかけたりはできない。だから魔法とアニマは別のものなんだろう」
「ギーシュに勝ったのは実力?」
「そう受け取ってもらってくれれば」
 どうよ、私の使い魔は!とルイズはない胸を張ってタバサに誇った。
 この時ギュスターヴはワルキューレを切った時に感じた違和感を覚えていたが、話すまでも無いと思って口には出さなかった。
 タバサは釈然としないながらもうなずいた。
「また図書館に来る?」
「そのつもりだが…何か?」
「まだ字を教え終えてない」
 タバサの言葉に窺いこむ様子でギュスターヴは聞いた。
「いいのか」
「いい。約束は守ってもらった」
 善意に付け込んで半分騙したようなものなんだがなぁ、とギュスターヴが内省していたのだが、この青髪の少女は
それでもギュスターヴに興味を抱いてくれたようだ。
「そうか。…構わないかルイズ」
「いいわよ。その方が手が掛からないし」
 俺は犬猫かよ、肩を落とすギュスターヴ。それに、
「あんたに手が掛からないほうが、私が魔法の練習に専念できるでしょ」
 ぴし、と指刺してルイズは言い切った。

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:55:14 ID:x8bsSf/3
支援

31 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:55:27 ID:0kJxi0Xh

 
 それから2日後。
 学院敷地内の一つ。学院長室のある塔が見える広場がある。
 そこにルイズが立っていた。辺りに人はいない。杖を握り視線を伸ばす。視線の先にはこげ痕が生々しい杭が何本も打ち込まれている。
 日が落ち始め夕日が差し込んでくる。誰も居ない広場、ルイズの身体に風が吹きつける。
 目にゴミが入ってひるんだルイズに、とす、と背中が何かに当たる。ギュスターヴがそこに立っていた。
「ずっとここで練習してるのか」
 広場の隅にはこげ痕や何やらでボロボロになった杭が山のように積まれていた。
「あんたこそ文字習うのはどうしたのよ」
「途中で用事ができたらしくてな。タバサが帰ったからお開きになった」
 そう、とルイズ。視線を杭に戻し一呼吸置いて、杖を構えた。
「ファイアボール!」
 振られた杖。火球が発生しない代わりに、声と同時に杭の長さ中ほどのところから爆発し、杭が砕け散った。
「ふぅ。また失敗ね」
 ルイズの声が冷静すぎるように聞こえる。落ちかけた陽が、広場に立つ二人の影を伸ばしていく。
「どうして私は魔法が使えないのかしらね。ギュスターヴは考えた事がある?そういうこと」
 決闘騒ぎ以来、ルイズは不貞腐れる事無く魔法の練習に打ち込むことに決めた。たとえ何回と失敗しようと、
自分が自分である証を探す為に、無心になって打ち込んだ。無論、いきなり今までから急激に成功できるわけでもなく、結果は爆発。
それが今日まで続いていたが、ルイズの心は腐らず立っている。
 夕日の空を見上げるギュスターヴ。赤く染まる空に、皮兜を被った男が写るような気がした。
「……昔、ある男に言われたことがあるんだ。『貴方は空の瓶のような人だ』って」
 視線を落とすと、ルイズがギュスターヴを見上げていた。
「それまでいろいろと高名な術師が持つグヴェルを触らせてもらったことがあったが、部下の術不能者が火を起こす事ができたものでも、
俺が持つとうんともすんとも言わない。それで周りが焦るんだ。まぁ偉い人っていうのは大変なものさ」
 でもな、と。短剣を抜いて構える。
「空の瓶のようだ、と言われてからは、少しそういう気分も変わった。俺は空っぽなのかもしれない。でもそれは逆に、
何かを入れていくことが出来るってことなんじゃないかな、なんてな」
 一人語りが過ぎた。頭をかいてごまかす。
「こんな話聞いてもつまらないよな」
「そ、そんなこと……ないわ…」
 ぼうっと話を聞いていた自分が間抜けな気がして、ルイズは背中を向ける。
「うん…そんなことない……」
 手に握った杖をじっくりと見る。その声はほんの少し、嬉しそうな色を帯びていた。

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:56:37 ID:wyMx2N+A
支援


33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:56:40 ID:1+VGtWn2
しえーん

34 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 19:57:15 ID:0kJxi0Xh
投下終了。タバサと仲良くなりました
ひとまず鋼とギュスとハルケギニア魔法の関係は劇中で考察させた感じでご了解していただけるとありがたいです
(これだけじゃないけどね)
ギュスターヴの話す「ある男」とは海賊退治を持ちかけたウィルだと思ってください。
次回は買い物。デルフがやっとでるぞー。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:00:30 ID:AgfN4TCY
鋼の人、乙

キュルケのアプローチはないのね

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:00:42 ID:1+VGtWn2
乙ー。
ふむぅ、あとは系統よりも先住よりのデルフ、そしてガンダとの相性が気になりつつ期待。

37 :水の使い魔Splash☆Star:2008/06/23(月) 20:05:09 ID:aLo9co/N
サガフロ2の人乙でした。

感想タイムの後、20:30頃から第14話を投下したいのですがよろしいですか?

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:07:11 ID:xPRelEty
やはり渋いオッサンと幼女の絡みはイイ

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:11:51 ID:x8bsSf/3
>>37
今回は早いですね〜。 取り敢えず事前支援

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:12:51 ID:SQZJxWeg
鋼乙ー
本当に王様なのに信じてもらえないなんて・・・当たり前か

>>
支援

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:17:49 ID:auXSca4K
>>40
貫禄はあるんだけどね>ギュス様


なれば、支援だ

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:21:18 ID:+ulg/Kfj
乙です
ギュスいいなぁ・・・俺は落ち着いたオッサンとの絡みが好きなのかもしれん
またサガフロ2やりたくなってきたぜ

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:27:21 ID:tmXA4L4z
読むときサガフロ2のBGMが脳内で垂れ流しになるな
鋼の人乙、次も楽しみにしてるぜ

44 :水の使い魔Splash☆Star 第14話(1/5):2008/06/23(月) 20:30:15 ID:aLo9co/N
その夜、ラグドリアンの湖畔にある城で、大規模な晩餐会が催されていた。
アンリエッタ姫殿下の即位に際しての対外的なお披露目である。
本来はトリスタニアの王宮で行われる予定であったが、アンリエッタ姫殿下直々の命令で、この城で行われることになったのだ。
トリステイン王国、ガリア王国、そして帝政ゲルマニア、神聖アルビオン以外のハルケギニア中から招かれた貴族や王族はこぞって着飾り、湖畔に設けられた会場で社交と贅の限りを尽くしたのだった。
湖面には魔法の花火がうちあがり、星空と大きな天幕の下、夜通し舞踏会が催された。
会場には世界中の美味珍味が並べられ、ワインと共に貴族達の胃袋に消えていった。


夜もどっぷりと更けた頃、アンリエッタは用意された寝室でベットに横たわっていた。
その扉がノックされた。
こんな夜更けに誰だろう。面倒なことでも持ち上がったのだろうか。
アンリエッタは物憂げな仕草でガウンを羽織ると、ベッドの上から誰何した。
「誰?名乗りなさい。夜更けに女王の部屋を訪ねるものが名乗らないという法はありません。
 さあ、おっしゃいなさいな。さもなければ人を呼びますよ。」
「ぼくだ。」
その声を聴いた瞬間、アンリエッタの顔から表情が消えた。
「飲みすぎたみたいね。いやだわ。こんなにはっきりと幻聴が聞こえるなんて…。」
その声は、アルビオンのウェールズ皇太子のものであった。
3年前に、このラグドリアンの湖畔で、秘密の逢瀬を重ねた愛しい人…。
だが、『レコン・キスタ』がニューキャッスルに攻め込んだ時、王族は残らず皆殺しにされたはずである。

「僕だよ。アンリエッタ、この扉を開けておくれ。」
ウェールズがそう告げると、少しの間が空いた後で部屋の扉が開いた。
扉の向こうでは、寝間着にガウン姿のアンリエッタが震えている。
おそらく急いで身支度をしたのだろう、髪を整えたような跡がある。
「ウェールズ様、うそ…。あなたはニューキャッスルで戦死されたはずでは…。」
「それは間違いだ。こうして僕は生きている。」
「嘘…どうして…。」
「死んだのは僕の影武者さ。ほら、こうして『風のルビー』だって僕が持っている。」
ウェールズは、指に嵌めた『風のルビー』をアンリエッタに見せた。
「まさか、本当に…。信じられませぬ。
 …もし、本当のウェールズ様なら、このラグドリアンの湖畔でわたくしの心を開く鍵をご存知のはず。」
ウェールズは即座に答えた。
「風吹く夜に」
ラグドリアンの湖畔で何度も聞いた合言葉。
アンリエッタは返事をするのも忘れてドアを開け放つ。



45 :水の使い魔Splash☆Star 第14話(2/5):2008/06/23(月) 20:30:49 ID:aLo9co/N
アンリエッタはウェールズを部屋に招きいれ、扉を閉めると、その胸に顔をうずめた。
「おお、ウェールズ様、よくぞご無事で…。」
ウェールズは、その頭を撫で…後ろに飛びのいた!

「貴様!アンリエッタじゃない。誰だ!?」
アンリエッタは、不敵な笑いを浮かべるとウェールズをにらみつけた。
「あ〜ら、中身が偽物なのはお互い様でしょ、ウェールズ様。」
「何を言う、僕は本物の…」
「体はね…、でも、心は無理に動かされて悲鳴上げてるじゃない。」
アンリエッタの姿をした偽者がウェールズに指を向けると、彼の動きが止まった。
まるで、蛇に睨みつけられた蛙のように動けない…。
「貴様…、本当に何者だ…?」
「あんたを『アンドバリ』の指輪から解放してあげるわ。」
アンリエッタの姿をした者は、そういってウェールズの胸に手を当てる。
ウェールズは一瞬苦しそうな表情をしたあと、穏やかな顔に戻った。

「姫さま、もういいわよ。」
その声を聞いて、部屋の隅からアンリエッタが姿をあらわした。
同じ顔、同じ姿をした者が2人、ウェールズを挟んで立っている。
「ウェールズ様…、昔と変わらぬ姿なのに…、さぞやお悔しいことでしょう…。」
「アンリエッタ、すまない。」
その声を聞いた、本当のアンリエッタは飛び上がらんばかりに驚いた。
「君には、最後まで迷惑をかけてしまったね…。」
「いいえ。また、あなたの声が聞けるとは思わなかった。本当に嬉しいですわ。」
ウェールズは偽者のほうを向いて話を続けた。
「誰か知らないが、君にも礼を言おう。冷たくなった体が、僕の意に反して動くのだ。
 心から慕ってくれた部下を死地に赴かせるような命を僕の口が勝手に話すのだ。
 唾棄すべきクロムウェルをたたえる言葉を、勝手に放つのだ。
 そして、アンリエッタの身を危険に晒すような行為を…この僕が…。」
「なんという事、死んだ後までその魂を無視して操るなんて…そんな、酷すぎる…。」
本物のアンリエッタは、ウェールズの言葉を聞いてその悔しさに共感したのか、涙を流している。
偽物のアンリエッタは、表情を変えずにウェールズに告げた。

「指輪の『精霊の力』の流れは変えたけど、あんまり長くは持たないわ。
 あんた自身が消える前に、この茶番を仕組んだ奴を捕まえるわよ!手伝いなさい。」
「ウェールズ様…、せっかく会えたのに、もうお別れなんですね…。」
「ああ、僕はニューキャッスルで死んだ。死人はしょせん死人だ…。ゆっくり眠らせてくれ。」
「はい…、今度こそ、安らかに…。」



46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:30:49 ID:x8bsSf/3
そろそろだな。 支援開始

47 :水の使い魔Splash☆Star 第14話(3/5):2008/06/23(月) 20:31:28 ID:aLo9co/N
ローブに身を包んだウェールズが、アンリエッタを抱いて部屋から出てきた。
どうやら、アンリエッタは眠っているようである。
その姿を確認した一人の衛士が、近づいたきた。羽根帽子に端正な髭顔、ワルドである。

ワルドはウェールズに首尾を確認すると、廊下の奥の扉を開けた。
その扉の向こうにある階段を降り、一行は先を急いだ。食堂の裏からガリア方面に向ける秘密の地下道。
それが彼らの向かう先である。
広々とした食堂まで出ると、黒いローブを着た女と、数人の武装した兵士が彼らを出迎えた。
今日の晩餐会は外に会場を設営しているので、ここを使うものは誰もいない。
ワルドが黒いローブの女性に合図をすると、兵士達がアンリエッタを抱えたウェ−ルズに近づいていく。
すると、ウェールズは、アンリエッタを抱えた手を下ろした。
アンリエッタはそのまま地面に足をつけ、目を開く。
「なるほど、そこにいるあんたが黒幕ってことね。…で、婚約者さんが裏切者…か、やっぱりね。」

その声にワルドが驚愕の表情を浮かべる。
ローブの女もフードの下で少しだけ表情を変える。
「死体を動かして、愛しいお姫様を釣ろうなんて考えることがせこいわね。
 そんなんじゃ、『レコン・キスタ』の皇帝とやらも、たかが知れてるわ。」
不敵な笑みを浮かべて話すアンリエッタに向かって、ワルドが『杖』を向ける。
「貴様、何者だ?アンリエッタ姫殿下ではないな!」
ローブの女が手をかざすと、アンリエッタを取り囲んだ兵士が一斉に『杖』や武器を抜く。



48 :水の使い魔Splash☆Star 第14話(4/5):2008/06/23(月) 20:32:02 ID:aLo9co/N
次の瞬間、その部屋に一瞬だけまぶしい光が輝いた。
すうっと、ウェールズの体が崩れ落ちる。ウェールズだけではない、部屋にいた兵士たちも次々と崩れ落ちる。
『アンドバリ』の指輪で、偽りの生命を与えられていたものたちは、元の冷たい死体となって横たわっている。

その部屋に立っているものは、ワルドと、ローブ姿の女と、ミズ・シタターレだけである。
「あらら、わたくしの術まで解けちゃったわ。」
「なにっ!?貴様がなぜ!」
シタターレがワルドに不敵な笑いを向けると、彼女の後ろの扉から声が聞こえた。
「わたしの使い魔は、不思議な力を色々使えるの。
 他人に化けるなんてことも、わたしを部屋の外に呼ぶ事だってできるのよ。」

その声の主は、悲しい目でワルドを見つめた。
「ワルド…、まさかあなたが本当に『レコン・キスタ』と繋がっていたなんてね。信じたくなかったわ…。」
「ルイズ、これは君の『虚無』か?」
「そう、『解除』(ディスペル・マジック)。魔法を消し去る呪文よ…。
 ねえ、どうして?ワルド。どうしてあなたがレコン・キスタなんかに…。」
ルイズの話を聞いていたワルドの目が釣りあがる。
その目が、今までの優しいものではなく、どこか冷たいトカゲを思わせるものに変わった。
「素晴らしい、すごいよルイズ。僕が思っていた、いや、それ以上の力だ。
 ルイズ、僕と来い!その力があれば、世界だって手に入れられる!!」
ルイズは思わず後ずさった。優しかったワルドが、こんな顔をするなんて夢にも思わなかった。
「ルイズ!その『虚無』は君一人で抱えられるものじゃない。
 『レコン・キスタ』には、君と同じ生と死を操る系統の使い手もいる!
 君とふたりがかりなら、死んだ母さんだって!!」

ルイズは熱っぽく語るワルドを冷たい目で見つめながら首を振った。
「ワルド…それは、『虚無』じゃない…。あなたは騙されているの。」
ワルドの表情が少し変わる。
「『アンドバリ』の指輪、伝説の死者に偽りの生命を吹き込む水系統のマジックアイテム、
 2年前に、それをラグドリアン湖の精霊から盗み出した者がいるの。
 レコン・キスタの皇帝クロムウェルとシェフィールドって…」

その名を聞いたワルドが隣のローブの女の方へ顔を向ける。
刹那、ローブの女は目にも止まらぬ速さで短刀を抜き放ち、ワルドの胸を貫く!
「シェフィールド…き…貴様…!」
飛びのく暇もなく、心臓を正確に貫かれたワルドは口から血を吐いてうつぶせに崩れ落ちた。



49 :水の使い魔Splash☆Star 第14話(5/5):2008/06/23(月) 20:32:45 ID:aLo9co/N
ルイズは目の前の展開についていけずに呆然と見ていたが、ワルドが倒れたのを見て駆け寄ろうとする。
そんなルイズをシタターレが手を上げて制止する。こいつ、只者じゃない…。
シェフィールドは、ワルドのほうを一瞥もせずにルイズと使い魔を睨みつけると、ローブを外した。
切れ長の目に、長い黒髪の美女である。年のころは20くらいだろうか。
黒く動きやすそうな服を着て、大きな剣を背負っている。
「あなたたち、こちらの都合の悪いことを色々と知ってるみたいね。残念だけど、ここで消えてもらうわ。」
シェフィールドは猛禽類のような笑みを浮かべ、頭の後ろに回した剣の柄を左手で握った。
その手には大きな紫色の宝石のついた指輪があり、手の甲ではなにかが輝いているようだ。

ミズ・シタターレはその姿を見て、向こうに負けず劣らずの残忍な笑みを浮かべた。
「『精霊』の匂いがするわ、それが『アンドバリ』の指輪ね。そいつを渡してもらいましょうか。」
「あんたたちは、ここで死ぬのよ。指輪なんて必要ないわ。
 …ああ、そうだ、殺した後に、この指輪で生き返らせてあげましょうか?」
「笑わせないで、『剣』でわたくしに勝てるつもり?」
こちらと向こうの距離は5メイル以上もある、走ってくる間に『滅びの力』で打ちのめせばよい…。
シタターレが指を鳴らすと、10本以上の氷の矢が現れ、黒髪の女に向かって襲い掛かる。
シェフィールドの笑みが馬鹿にしたようなものに変わり、彼女が剣を抜き放つ。
その刀身が白く輝くと、氷の矢は全て剣に吸い込まれる。

「…んなっ!?」
シタターレが驚きの表情を浮かべた次の瞬間、黒い剣士は地面をけり、一飛びで5メイルの距離を詰める。
その動きを見たシタターレは、隣にいるルイズを突き飛ばす。
シェフィールドの剣が、空を切り、地面に当たる。ついさっきまでルイズがいた場所だ。
奇襲に失敗した剣士は飛びのいて少し距離をとり、剣を構える。


「な、なに…今、なにがあったの…。」
ルイズには、なにが起きたのかよくわからなかった。
シェフィールドと呼ばれた女が剣を抜いた瞬間、シタターレの氷の矢が消えて、何かに突き飛ばされて転んだと思ったら、自分の横をものすごい風が吹き抜けていった。
ルイズがシタターレのほうを見ると、真剣な表情で剣士の動きをじっと見ている。
さっきのが、あの剣士の攻撃なら、見たことも聞いたこともないような強敵だ!
部屋中にピリピリした空気が張り詰め、シタターレの額のルーンも輝きを放っている。

「おでれーた。ありゃ、本当にお仲間だぜ!神の頭脳『ミョズニトニルン』だな。」
「あんたは黙ってなさい、デルフ!」
持っている剣が珍しそうな声で話すのを、シェフィールドが制する。
「お仲間?」
シェフィールドは左手の甲をシタターレに向けた。そこには輝くルーン文字が刻まれている。
「神の左手『ガンダールヴ』、わたしも『虚無の使い魔』なのよ。」



50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:32:47 ID:x8bsSf/3
おっと支援

51 :水の使い魔Splash☆Star:2008/06/23(月) 20:35:59 ID:aLo9co/N
今回はここまでです。
やっとのことでデルフ登場です。

7月から忙しくなるので、6月末ごろまでに終わらせる予定です。
そのつもりで書いていたのですが、タルブとか今回とかで手こずってまして…。
今週はいけるところまで書くつもりです。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:16:19 ID:As23lHmL
乙!
すげぇ更新速度と筆力ですな
感服しました

しっかし、殺人にほとんど禁忌のないガンダールヴ・・・

敵としては怖すぎる

お嬢ちゃんズ

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:17:26 ID:As23lHmL
あ、いけね

>お嬢ちゃんズ
お嬢ちゃんズは大丈夫なのか

でした

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:39:29 ID:89dU9lnP
哀れマザコン。何となく憎めなかったぜ・・・
そしてガンダムシェフィールドかっけー
悪女対決にワクテカが止まりませんw

55 :割れぬなら……(お詫びとお知らせ):2008/06/23(月) 21:40:33 ID:CTcFj25y

8月1日まで休載させてください。

理由
1・7月まで忙しくなる。
2・プロットにかなり致命的な欠陥が見つかった。
3・原作をもう一度じっくり読んでおきたい。(漫画はパッと読めるけど小説わね……)
4・急に『タバサと賈言羽の冒険』を書いてみたくなったが、そもそも『タバサの冒険』を読んだ事がない。
5・『ルイズ学生編』が終わって一区切りがついたので、休載するならこのタイミングを逃せない。



そんな訳で休載いたします。
申し訳ありません。
8月になったら週3ペースでバリバリ書くので、許してください。


56 :MtL:2008/06/23(月) 21:45:00 ID:/LXJJWO7
予約が無ければ10時から投下しますー。

>>55
頑張って下さいー。
特に2.は厳しそうですが、何か打開策があると良いですね。

57 :MtL:2008/06/23(月) 21:51:34 ID:/LXJJWO7
むむ、緊急事態発生。投下を10:30分からに変更します。
大変申し訳ありません。

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:52:49 ID:SX+njbK2
あ、MtLの人、前の話がここの投下より先に貴方のブログに掲載されてましたよ。

59 :MtL:2008/06/23(月) 21:57:24 ID:/LXJJWO7
>>58
たまに、誤字脱字や文章表現チェック為に先に公開して、推敲することがありますので、多分それかとー。

60 :1:2008/06/23(月) 22:09:02 ID:53D86cVx
>>5
ん〜、このスレ作ったとき483kだったんだけどなぁ・・・
確認方法がまずかったか???
>>6
おまえが氏ねw



次スレ勧告するの忘れてたのはミスったなぁ、すまん

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:10:38 ID:SX+njbK2
>>59
あ、そうですか。
いや、俺は投下で1レスづつ読んでくのが楽しみなんで・・・

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:25:16 ID:mJhbJLBV
>>57
お待ち申し上げております

63 :MtL:2008/06/23(月) 22:28:48 ID:/LXJJWO7
>>61
ありがとうございます。

一応、あちらに置いてある物は暫定版で、スレに投下するものが完成品ですので、スレを追って頂ければそれで十分です。
でも確かに紛らわしいので、今後は何かその旨明記することにしようかと考えています。

それでは、投下を開始します。

64 :MtL:2008/06/23(月) 22:31:52 ID:/LXJJWO7
マジシャン ザ ルイズ 3章 (36)転機

駆ける、駆ける、二人は駆ける。
敵の居場所は分からない、ならば少しでも迎え撃つに適した場所へ。
申し合わせずとも、共に行き着いた結論は同様、二人は同じ方向へと走り続けた。

角を一つ、二つと曲がり、直線を走り抜け、赤絨毯が敷かれた回廊へと出たところで、急に後ろを走っていたカステルモールが立ち止まった。
「……もうすぐ追いつかれるでしょう。私はここで一度、《ヒドゥン・スペクター》を迎え撃ちます」
そうカステルモールは宣言した。
回廊といっても天井まで高さも、両脇の壁までの距離も広い。見晴らしも良く、姿無き追跡者を迎え撃つ場所としてはまずまず及第点が与えられるだろう。
「残念ですが、あれを一人で打ち倒すのは、私の力では難しいと言わざるを得ません。ですからシャルロット様はここで厨房に向かい、ご自身の杖を取り戻して頂けませんでしょうか」
という提案をした。
下手をすればタバサのことを足手まとい扱いしているとも受け取れる、飾らないカステルモールの言葉。
けれどそこには気遣いと、タバサを庇護するだけの対象ではなく、共に戦う戦士と認めたガリアの騎士の心意気があった。
「……貴方は?」
「私なら問題ありません。倒せずともあの程度の魔物、逃げ回るだけなら十分にこなしてみせます」
胸に手を当て、自信を込めてそう言い切るカステルモールに、タバサも頷いてみせる。
「……分かった」
タバサは残った貴重な時間を無駄にせぬようにと、即決に近い形でそう応えた。


再びタバサは駆けていた。鳥のように、豹のように。向かうは厨房、一直線。
衛兵はいない。頭に叩き込まれた地図に従って、タバサは厨房に向かう最短経路を、無造作に選択していく。
意図的に複雑にされた城を走る中、タバサの頭脳は立ち向かわねばならない《ヒドゥン・スペクター》攻略の糸口を必死に探していた。
(姿が見えない敵……どうすれば?)
人数がいれば、カステルモールが言ったように、逃げ場のない場所で広範囲攻撃を使って仕留めることができるだろう。
だがしかし、今立ち向かう戦力はタバサとカステルモール、二人しかいないのである。当然その方法は却下せざるを得ない。
ならばその姿を見つける方法を考えなくてはならない。
《ヒドゥン・スペクター》自体はかなり素早いが、その殺傷能力はかすれば死ぬといった凶悪なものではない。
ならばこそ、やはり攻略しなくてはならない最大の壁は透明化能力であった。
姿が見えぬ故、回避が遅れる。
姿が見えぬ故、攻撃が当たらない。
見えぬ何かを見つけられれば、対処はそれほど難しくない。
しかし、その何か≠ェ分からない。
《ヒドゥン・スペクター》の擬態に隙はない。油をかけて火をつけても返り血を浴びても、変化がないのは、そういった変化まで含めて透過してしまえるとしか考えられない。
足音や足跡が無いのは、本体は宙に浮いているからに違いない。

と、そこまで考えたところでタバサは見覚えのある通りに出た。
そのまま走り、蝶番ごと扉を破壊された入り口から、転がるようにして中へと入り込む。
そこはものがそこここ四方に散らばって、荒れ放題になった横長の部屋。立ちこめるのは油の臭いや酒の臭い、それに混じって何かが焦げたような臭いが鼻についた。
先頃、タバサと追跡者が一戦を交えた厨房である。
タバサは急いで奥までたどり着くと、直ぐに床に落とした杖を探した。
幸い、杖はタバサが放り投げたままの状態で床に落ちていた。
ほうっと一息、胸を撫で下ろす。杖を《ヒドゥン・スペクター》に破壊されているという事態も十分にあり得ると考えていたタバサにとって、これは非常に有り難かった。



65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:32:01 ID:SX+njbK2
支援

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:34:59 ID:LgwLYIpz
支援

67 :MtL:2008/06/23(月) 22:36:15 ID:/LXJJWO7
杖を掴んで持ち上げる。
と、持ち上げたタバサの手に、何かが触れた。
見ようとするが、タバサ自身が照明を一つ落としてしまったために光量が足りない。それがなんなのかを目で見て確かめることはできない。
しかし、
(見えるものを……ではなく、見えないものを、探す……!)
タバサの中で形作ってきた、これまでの実践と推測で形作ってきたパズル、それに最後のピースがカチリとはまり込む音が聞こえた。


「なかなかどうして、難しい……」
左手に杖、右手にサーベルを構えたカステルモールが低く唸った。
よれよれの制服は至る所が裂け、額には無数の汗が浮かんでいる。右腕からは一筋の血が滴り、サーベルの握りを塗らしていた。
前傾の姿勢を保ちながら、体を半歩左へと回して退く、その眼前を何かが通り過ぎていくのを目ではなく音で追いながら、カステルモールは右手のサーベルを、何もない宙へと高速で突き出した。
ヒュッという音を残してサーベルは空を切る。手応え無し。
続けざま折り返すように曲がった爪が、獲物を追って定めて再び迫る。
だがカステルモールはそれ以上の早さで体をそのまま右へとスライドさせて回避し、すれ違いざまにサーベルを突き出した。やはり手応えは無い。
そしてサーベルを引くより早く、見えない狩猟者の次の一撃が迫った。
早い、先ほどよりもなお早い。だが、カステルモールはそれ以上の速度で体をずらして回避すると、先ほど同様に見えぬ敵に向かってサーベルを振るった。
更に、一撃、二撃と同様のことが繰り返される。
当たらぬ攻撃にいらだちを感じているのか、地を這う爪の速度はどんどんと上がっていく。
負けじとカステルモールの動きも速度を上げる。すでにその動きは人の目に捕らえられぬほどの早さに達していた。
その早さは素早いという領域を越えて、人間が動作可能な範囲を大きく逸脱したものである。
タバサが連続で避けきるのは不可能と断じたそれを、カステルモールは紙一重二重の距離で避け続ける。
無論、何事もなく人の身でそのような動きができるはずもない。
では、いかなる手段をもって彼は、《ヒドゥン・スペクター》の動きについていっているのか。
その答えは、彼の左手に握られた杖にあった。杖は魔力を帯びてうっすらと発光している、つまり彼は今、魔法のバックアップを受けているのである。
そもそもカステルモールはその足を、完全に床に接地させてはいない。
僅かであるが彼の体は地上から浮き上がらせているのだ。そして足を動かさずに、体だけを右へ左へと移動させていた。

それは風の魔法『飛行』とよく似た魔法である。だが、ただ単に浮き上がる『飛行』と違い、カステルモールのそれは完璧に制御されており、ほんの僅かに地から足を浮かせているだけである。
そして何より、『飛行』に比べて早さが違う。
『飛行』では、熟達の術者であっても、これだけの早さで動き回ることなど不可能である。
そう言う意味では、その魔法は『飛行』とは全く違う別の魔法、呼び表すなら『浮遊』とでも言うべきものであった。

「やはり、この方法では無理があるな」
怒濤のような連続攻撃が終わり、再び静寂が訪れた部屋の中でカステルモールはそう呻いた。
すべての攻撃を大事なくやり過ごしたカステルモールであったが、その姿は先ほどよりも細かな傷が増えていた。
確かに『浮遊』の魔法を使えば、体を使って動くに比べて格段の早さを手に入れることができる。反応してから体を動かすまでに発生するラグが、この方法なら全くといって良いほど存在しないからである。
だが、それでもこの相手に対しては完璧な対処ではない。徐々に増えていく傷がそれを如実に表していた。
反応できれば避けられる、ならば反応すら出来ぬ早さが相手では、完全に避けきることができぬのが道理である。
加えて、この対処での最大の問題点は攻撃にあった。
カステルモールはちらりと視線を落として、その手のサーベルを確認した。
先ほどまで殺すという意志の体現として存在していたそれは、今では中程の場所でぽっきりと折れてしまっていた。
『メイジは同時に二つの魔法を使えない』その原則が、今カステルモールを苦しめていた。
使える魔法は一度に一つ、回避の為に『浮遊』を使っているカステルモールは、攻撃のために魔法を使うことができない。
もしもそんなことをすれば、半秒も経たぬうちに彼の体はばらばらにされてしまうに違いない。

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:38:52 ID:mJhbJLBV
支援

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:38:57 ID:LgwLYIpz
支援

70 :MtL:2008/06/23(月) 22:39:30 ID:/LXJJWO7
「しかし、その為に選んだこの場所だ」
カステルモールは折れたサーベルを部屋の片隅に放り投げると、すぐさま壁に手を伸ばし、そこにあった新たなサーベルを一振り引き抜いた。
そう、ここには四方、至る所にありとあらゆる武器が用意されている場所である。
そんな所はグラン・トロワ中探しても、一種類数カ所しかない。
即ちカステルモールが《ヒドゥン・スペクター》を誘い込んだそこは、武器庫であった。
だが、それでも……
「見えない、というのは厄介だな」
憎々しげに呟いた。

タバサがカステルモールと合流するよう打ち合わせてた武器庫にたどり着いたとき、カステルモールと《ヒドゥン・スペクター》の戦いは一段と激しさを増していた。
カステルモールは目で追うのが精一杯という速度で床を滑り、一方で追いかける爪は縦横無尽に床を走り回っている。
武器庫の床は刻まれた爪痕でずたずたに引き裂かれ、無傷な場所など探すだけ無駄であろう。
タバサがその光景に立ちすくんでいると、部屋の中から男の必死の叫びが放たれた。
「シャルロット様! この場はわたくし一人で十分です! 先へお進みください!」
明らかに虚言と分かるその声を聞いて、タバサの硬直が解けて消えた。
目を凝らしてみると、至る所に傷を負ったカステルモールの姿が見えた。手にサーベルは持っているが、防戦一方なのは明らかだ。
「シャルロ……ッ」
再びそう叫ぼうとしたカステルモールが、タバサの持っているものを見てぎょっとした。
彼女は手に、一抱えもある麻袋を持っていたのである。
そして、それを小さな体の力一杯で、勢いよく部屋の中へと投げ込んだ。
バフンッという重たい音を立てて、麻袋が床へと落下するやいなや、中に入っていたものが盛大に飛び散って飛散した。
暗がりで良くは見えないが、それは白い煙のようなものを発生させたのである。
「エア・ハンマー!」
続いてタバサの呪文がその袋に向かって放たれると、そこでようやくカステルモールにもその正体が分かった。

『小麦粉』である。

空中へ向かって小麦の白い粉が盛大に舞い散り、部屋もカステルモールをも白く塗りつぶした。
だが、その白く曇った空間に、ぽっかりと空いた、何もない、空間。
まるで風船をいくつも繋げて作ったかのような、奇っ怪な形をした不自然な空間。

見えるものを探すのではない、即ち、見えていないものを探すのだ。

「アイス・スピア!」

カステルモールが放った氷の凶器が、正確無比に、周囲の小麦粉まで透過していた《ヒドゥン・スペクター》を刺し穿った。





タバサは再び、一人で廊下を歩いていた。
王の間へと続く大回廊、今はちょうどその真ん中を歩いている。
先ほど共に魔物を退治したカステルモールは、今はそばにいない。
《ヒドゥン・スペクター》との戦いで激しく失血し、加えて地下牢に長く捕らえられていた為に体力が低下していたことも重なり、一時的に歩行が困難なほどに衰弱してしまったのである。
それでも、
『大丈夫です、問題ありません。どうかわたくしめに殿下をお守りさせてください』
と、カステルモールはしつこく言ってついて行こうとしたのだが、タバサがそれを許さずに、その場で休むように彼に言いつけたのである。
彼はそれに頑として従おうとしなかったのだが、やがて立ち上がることすらままならないことをタバサに指摘され、そこに至り不承不承その言葉に従ったのだった。



71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:39:46 ID:aLo9co/N
支援します

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:40:36 ID:LgwLYIpz
支援

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:41:27 ID:cYgwIYOn
支援

74 :MtL:2008/06/23(月) 22:43:36 ID:/LXJJWO7
そうして歩くこと暫く、タバサはようやく目的の扉の前にたどり着いた。
ここに彼女が居るというのはただの予測でしかない。
もしかしたら彼女は別の場所で仕事をしていて、今頃は寝室に戻ってぐっすりと寝ているかもしれない。
だが、それでも彼女がここにいるに違いないという想いが、タバサを駆り立てて止まないのだ。
小柄な体に合わせた、小さな両手が扉にかかる。そしてそれを、ゆっくりと押し開いてゆくと、そこには
彼女が居た。




「ずいぶんと、遅かったじゃないのさ。おかげで随分と待ちくたびれたよ」

良く通る、朗々とした声。
迎えたその声の主は、部屋の一段高く据えられたの最奥で、座ったままにタバサを迎えた。
胸元が大きく開いた、ゆったりとした青い豪奢なドレスに、首からは大きな宝石がいくつも填め込まれたネックレスを下げ、手には王権を意味する古杖が握られている。
背中に流された絹のように艶やかで長い髪は、ガリア王族の縁者であることを示す青。その頭には王冠の代わりに、無数の宝石で飾られた白銀にきらめくティアラが乗せられていた。
だが、その下にある顔は、それらが与える高貴な印象には似つかわしくないアンバランスさでもって、見るものを困惑させる。
つり上がった細い目は彼女の髪と同じ色、相手を射すくめる氷のブルーアイ。
口元は粗野につり上がり、挑発的にして好戦的。
ハルケギニア一の大国と謡われる、ガリア王国の国王という、尊い器とはかけ離れた中身。
貴人の尊さと野獣の粗暴さを併せ持った娘。
彼女こそは、タバサが追い求めていた人物、『現・ガリア王国国王 女王イザベラ一世』である。

「はんっ。人形娘は相変わらず無愛想だね。ほんとその無表情、気味が悪い」
薄暗い照明、天窓から僅かに入り込んだ月の光がそれを補填する。
「上手いこと命からがら逃げおおせたっていうのに、自分からここに舞い戻ってくるなんてね。そのおつむは空っぽかい?」
肘掛けに頬杖をつきながら足を組んでいるイザベラが、くくくと笑いを含ませながら言った。
周囲に人影はない。衛兵も、侍女も、いない。
ここはがらんどうの大広間。
「私はここ暫く、お前のことが憎くて憎くて憎くて憎くて、いつもお前をどうやってくびり殺してやろうかって、そればっかり考えていたよ」
ここは余りに広い。
そして、あまりに哀しい。


そこには何もない。誰かの笑顔も、家族の暖かさも。本当に、何もない場所だった。
彼女はどれだけの時間、ここにいたのだろうか。どれだけの時間、自分を待っていたのだろうか。
そして、どれだけの時間、そうやって時を過ごしてきたのだろうか。

周囲から向けられるのは悪意と敵意、それに対して悪意と恐怖で返すしかない。
そんな彼女の苦しみを、自分は想像の中でしか分からない。
分からないけれど思うのだ。

そんなのは、あんまりだ。
誰からも望まれず、そして誰からも必要とされない。
そんな人生は、あんまりだ。

だから終わらせよう、そして変えに行こう。
その為の一歩を、最初の一歩を、勇気を持って自分から踏み出そう。




75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:45:01 ID:PAFPC/na
sien

76 :MtL:2008/06/23(月) 22:46:53 ID:/LXJJWO7
「……教えて」
「あん?」

初めて立ったばかりの、生まれたての子鹿のような、身を震わせた危うい、一歩。
そうやって、全てを塗りかえるための最初の歩みを、タバサは決意を込めて踏み込んだ。

「……城の人たちは、どこ?」
「さてね、どこだろうね。死んだ人間がどこへ運ばれていくかなんて一々聞いちゃいないよ」

ゆっくり、一歩、一歩と踏みしめて。

「……殺させたのは、あなた?」
「そうさ。あたしが命令して殺させたんだよ。どいつもこいつも無能ばかりだから、みんな殺してやったのさ」

イザベラは座ったまま微動だにせず、微笑すら浮かべて言った。
冷たい目だけはそのままに、口元だけを歪めて笑っていた。

「……楽しかった?」
「ああ、楽しかったさ。人が死ぬたびにみんなが私を認めてくれる」

進む、進む、一歩、また一歩とタバサは彼女の座るそこへと近づいていく。
彼女は、イザベラは、近づいている自分を、どんなふうに思いで見ているだろう、そんなことをタバサは思う。

「……カステルモールを牢に繋いだのは?」
「私だよ。折角お前を死んだことにして、邪魔なオルレアン派を黙らせたっていうのに、余計なことを他の連中に吹き込もうとしたもんだからね」

言葉を交わしながら、着実に彼女の元へと近づいていく。
彼女の瞳に、自分はどんな姿で映っているのだろう、そんなことをタバサは思った。

「……自分が殺したと言った?」
「その通り。あんたの薄汚れた服を使って、一杯食わせてやったのさ。そうしたらあいつ、悔しがって涙を流して私を罵ったわ。はは、実に面白可笑しかったわ」

さも愉快そうに笑うイザベラ。
その笑顔の下に、どんな表情があるのだろうか、そんなことをタバサは思った。

そうして歩き続けて、タバサはついに、イザベラの段下に立った。
「ふふん」
と、不適に笑う女王。
その表情、仕草、立ち居振る舞い、それらはタバサの知るイザベラと全く変わるところがなかった。
虚勢も、気負いもなく、ただただ彼女の自然体。
「………」
タバサは無言のままに、イザベラ姿を、顔を、その眼を見た。
多少疲れてやつれた様子はあるが、その眼光の鋭さは衰えていない。
「どうした、やるんだろう? 自分の復讐を果たすんだろう?」
そう言うと、イザベラは組んでいた足を戻して玉座から立ち上がり、その目がタバサを高みから見下ろす形となった。
「そしてお前は救国の英雄になる。いいさ、認めてやるよ、流血こそが歴史を作るのさ」
イザベラは両手を広げて、胸を張る、その表情は壮絶なまでに――笑顔。
「さあ、殺せよ」


77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:47:30 ID:LgwLYIpz
支援

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:48:44 ID:SX+njbK2
最近は男前なイザベラが多いですな支援

79 :MtL:2008/06/23(月) 22:50:17 ID:/LXJJWO7
自らの死を、まるで些事のことにイザベラは言ってのけた。
タバサを前にした彼女の姿はむしろ、威風辺りを払う堂々としたもので、それはこれまでタバサの見てきたどんな彼女よりも、輝いているように見えた。


その姿を前にして、タバサのするべきことは一つだった。




タバサに遅れること数分、カステルモールは体を引きずるようにしてピロードの絨毯を渡り、王の間へと続く扉の前へと到着していた。
カステルモールは重くのしかかる疲労を背にして、心ばかりが焦っていた。
囚われの生活で弱った体に、鞭打って戦ったまでは良かったのだが、情けなくも《ヒドゥン・スペクター》相手に戦った直後に、あえなく力尽きてしまったのである。
主人を守るべき騎士が、今ぞ主人が最大の敵に立ち向かわんとする場面に、駆けつけ参じられないとなれば、それ即ち騎士の名折れ。
例え休息を命じられていたとしても、その場にじっとしていることなど、忠節を誓った騎士カステルモールにできようはずがない。
そうして彼はその身を押して、タバサを追いかけここまで辿り着いたのである。
「シャルロット様……!」
そう呟いて、両開きの大扉に手をかける。
扉の向こうで、どのような未来が広がっているのか、そんなことを思うだけで、カステルモールの心臓は留めようもなく、うぶな娘のように早鐘を打った。
真なる主人の帰還に、新たなる王国の夜明けに、抑えがたい期待が高揚感を伴う衝動となって、その体を駆け巡る。
そうしてカステルモールは、疲れも忘れて、両腕に力を込めてその扉を開け放った。

そんなカステルモールを出迎えたのは……、




床に膝を折って、恭しく両手で杖を捧げ持ち、深く頭を垂れた主人の姿。
そして、彼女の発した、想像を絶する言葉であった。

「……わたくし、シャルロット・エレーヌ・オルレアンは、この杖を、女王イザベラ一世、あなたに捧げます」

、と
その時、カステルモールは己の足下が崩れていくような感覚を味わった。


                   そのとき二人の間に、どのようなやりとりがあったかは分からない。
                   けれどそれが、彼女が望んだ彼女の未来だったのは確かである。
                        ――――バッソ・カステルモール「氷の姉妹」

80 :MtL:2008/06/23(月) 22:54:25 ID:/LXJJWO7
以上で投下終了です。
やっとガリアのお話も終局に近づいてきました。

支援して下さった方、ありがとうございましたー。

ところで、ガス漏れしてないのにガスの警報機がさっきから叫びっぱなしです、困りました……

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:01:27 ID:SX+njbK2
俺ガス屋なんですが。

ガス警報機はスプレーや酒に含まれるアルコールでも反応します。
その他には漬物なんかでもビービーうるさく吼えますよ。
万一、ガス漏れの場合には決して扇風機や排気ファン等で排気しないように(もし今現在動いてるのならそのままで。スイッチの火花に着火します)。
窓を開けて箒などで掃きだす感じでガスを散らしましょう。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:02:10 ID:t9Kg6qww
小麦粉って言葉だけで
粉塵爆破クル―――(゚∀゚)―――!?
と思った俺がいたわけだが

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:02:52 ID:mJhbJLBV
管理会社か大家、あるいは分譲なら管理組合の理事の誰かに相談しては?

84 :MtL:2008/06/23(月) 23:05:59 ID:/LXJJWO7
もう少ししたらガス屋さんが来てくれるそうです。
大変ご心配をおかけしました。

酒と漬け物……悲しいくらいに心当たりがありますorz

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:07:54 ID:AgfN4TCY
落ち着くためにタバコを吸うのは冗談としてやっぱり該当する所へ連絡するのが一番だよな

86 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:08:29 ID:0kJxi0Xh
なんということだ。
ちょっと書き始めたら続きが完成してしまったではないか。どうしよう(銭型風に)
(勿論不備が無い程度に推敲はしてますよ?)

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:09:42 ID:+ulg/Kfj
はやい、はやすぎるよギュスターブ王しえん

88 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:10:17 ID:0kJxi0Xh
いや、プロットの段階で科白とか何とか入れてるから4000字とかになってて、それをベースに書くからなんだろうけど。

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:10:39 ID:5qhDK4uF
ギュス様支援

90 :水の使い魔Splash☆Star:2008/06/23(月) 23:10:40 ID:aLo9co/N
>>86

気があいますね。わたしも書き上げたところですw
わたしは明日にしますので、お先にどうぞ。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:11:12 ID:X1dna0vQ
あなたは大変な物を盗んでいきました。
私の支援です。

それはともかくギャザの人GJ
引きが鬼すぎると思います。ギャザだけに。

92 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:12:12 ID:0kJxi0Xh
んじゃー投下するけどいいかな?
きりよく15分から

93 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:16:05 ID:0kJxi0Xh
 その日、学院の校門前でやり取りをする男女が一組。
「なぁ、本当にこれに乗って行かなくちゃいけないのか?」
「当たり前でしょ。ぶつくさ言ってないでさっさと乗るの!」
 
 話はその昨晩に戻る。部屋でルイズはギュスターヴに話した。
「明日は虚無の曜日よ。外出するわ」
「外出?」
「王都まで行って買い物するの。あんたも着いて来なさい」
 つまり、ギュスターヴに荷物持ちをしろということだ。女性の買い物とはそういうものだと分かっているギュスターヴは、また一方で、
この世界の街というものを見たことが無いから興味を刺激された。
「それに……ホラ、決闘で勝ったご褒美、まだ、してないし……」
 視線を泳がせて段々先細りの声でルイズが言う。ルイズはギュスターヴに何かを与えるつもりらしい。
ルイズの心遣いに素直に感謝するギュスターヴ。
「すまないな」
「……いいの!ちゅ、忠誠には酬いるところがあって当然よ!」
 気恥ずかしかったのか、もう寝る!と言ってベッドにもぐりこむルイズだった。

翌日、早朝。学院校門前に立つギュスターヴ。
ルイズは学院付の厩番から二頭の馬を受け取り、校門で待つギュスターヴの前につれてきた。
ギュスターヴはルイズがつれてきた黒毛の馬をみて目を白黒させて驚いた。
「な、なんだ?!このでかくて黒い四本足の生き物は?」
「何って、馬じゃない。これに乗って行くのよ」
 さも当然のように行って馬を宥めるルイズ。ギュスターヴは恐る恐る手を伸ばし、馬の腹を撫でてみた。ブルルル、と馬が鼻息を荒く吐く。
 改めてここが異世界なのだと感心するギュスターヴなのだった。
「こんな動物がいるなんてな……やっぱりここはサンダイルとは違うんだな」
「馬に乗って3時間も行けば王都トリスタニアよ。早く出発しないと、夕方までに帰ってこれないわ」

 同時刻、女子寮の自室でキュルケは目覚めた。魅惑的な肉体に心もとないほどの布を纏っている。
昨晩は激しかったわ。一度に4人も呼んじゃったけど、いつもと違った経験が出来て悪くなかったわ……。
眠りに着く前の時間を思い出して、口元が艶っぽく綻ぶ。
こういう気分がいいときは、隣部屋のルイズをたたき起こして遊んでやるのが一番楽しいと、キュルケは思っている。
 早速着替えて隣の部屋に向かうのを、使い魔のフレイムが部屋の隅で見守っていた。
 一応ノックしてみる。返事が無いのを確認すると、杖を握って『アンロック』をかける。
部屋の鍵が落ちる音がする。キュルケは当然のようにドアを開け、ルイズの部屋に入り込んだ。
 しかし休日でのんびりと寝ているものと思われた部屋の主人とその使い魔は影も形もなく、ルイズの鞄もまた消えていた。
「どこに行ったのかしら……」
 当ての外れたキュルケは、窓辺に近寄って外を見てみる。すると校門から先に二頭の馬がいて、学院から離れていくのが見えた。
馬の一方に乗っているらしき人物の姿は窺いきれないが、辛うじて分かるのは、特徴的なチェリーブロンドであること。
「あら、出かけるみたいね……」
 キュルケに一つの考えが浮かんだ。そして階段を登って行く。

94 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:17:10 ID:0kJxi0Xh

タバサの部屋の前に着くと、先ほどと同じようにノックする。返事が返ってこないと、再びノックする。ルイズの部屋とは扱い方が違う。
「タバサいる〜?」
 声をかけても返事が無い。仕方ないわ、と再び『アンロック』をかけてドアを開けた。
 タバサはいた。机の上に積んだ本に埋もれるように本を読んでいた。不意の来訪者を見て、それから視線を本に戻した。
「タバサ。今日はいい天気だし、一緒にお出かけしない?」
「虚無の曜日」
 手馴れた風情のタバサ。友人はタバサをよく気に掛けてくれるが、今日は少し面倒だと、タバサ自身の黙する空気が語っている。
「わかってるわ。あなたが休みの日は陽が落ちるまで本を読んでいたいって事くらい。でも、たまには外の空気を吸いに行かないと体に悪くてよ?」
 ね、ね?とタバサの背中に張り付いてご機嫌を取ろうと肩をもみ始める。
 タバサは引っ付かれるままに振り回されている。後頭部になにか柔らかいものが当たっている気がするが全力で無視した。
「別に今日でなくてもいい」
「またそんな事言って……。いいわ。あのね、ルイズと使い魔の彼が休みの朝早くから出かけているのよ。からかい甲斐もないし。
使い魔の彼のこともちょっと気になるかしら?悪くないわよね、こう大人の色気があって。そう思わない?」
「知らない」
 つまり二人を追いかけるのに協力してくれということ。
 タバサの脳裏に昨日のギュスターヴが浮かぶ。異界からやってきたという男。私の知らない知識の持ち主。
「あなたの使い魔じゃないと今からじゃ追いつけないのよ〜。お願い、タバサ。協力してくれたら書店で本を贈ってあげるから」
 ぴくり。タバサの気がキュルケの言葉に引かれる。
 タバサは立ち上がると本を棚に戻し、窓を開けて口笛を吹いてから、窓から飛び降りる。
 続くキュルケが飛び降りた時、窓の下には薄青い鱗の竜が翼を広げて、空中を静止していた。
「いつ見ても貴方の使い魔は素敵ね。愛してるわ、タバサ」
 困った友人だな、とタバサが小さなため息をついてから、使い魔―――シルフィード―――の首を叩く。
「ここから出て行った馬二頭を追いかけて。食べちゃ駄目」
 シルフィードはきゅいーっと一声鳴いて、二人を乗せて遠く空に向かって飛んでいく。





『剣と盗賊』





 王都トリスタニアの城下町は、休みとあって人でごった返している。そんな通りをルイズとギュスターヴは歩いていた。
 歩きながらギュスターヴは何度か腰を摩っている。
「慣れないものに乗って腰が……」
「これだから中年はいやねぇ」
 ほーほほ、と優秀な使い魔から一本取れたと優越にルイズが笑った。
 通りは5メイル程で、幅一杯に人が行きかう。通り沿いの店は幌を張って影を作り、軒下を露天商に貸し付けて場所代を取っている。
「思ったより狭いな…」
「狭いって、ここが一番大きな通りなんだけど」
「そうなのか…」
 ギュスの目がいつもと少し違うのがルイズには分かった。それは王の目なのだが、ルイズには分からなかった。
(露天商の方が店を持つ商人より遥かに多い……経済市場はそれほど大きくないのかな。それにこの道幅だと出征などの変事の対応力はあんまりないのか。
……それほど大事のない平穏な国なのか……)
 きょろきょろしながら歩くギュスターヴをルイズが窘めた。
「そんなに周りを見るものじゃないわよ。おのぼりさんに見えるじゃない。田舎者と思われるとスリとかが目をつけるわよ」
 ルイズ曰く、食い詰めもののメイジが犯罪者になって、裕福なものから金を掏り取ったりするらしい。
どうやらメイジというメイジが貴族として生活しているわけではないらしいとギュスターヴは知った。
「……で、買い物をするんだろう。どうするんだ?」
「こっちよ。あんまり行きたい所じゃないんだけど」
 ルイズにつられて路地に入る。そこは表の清潔さとは対照的にゴミが積まれて悪臭を放っている。その匂いに顔をしかめた二人。
 匂いを我慢して歩くルイズについていくギュスターヴ。やがてある建物の前でルイズの足が止まった。
「……ピエモンの秘薬屋の近くなら、ここね」
 そこは看板に盾と剣の掘り込まれた店だ。
「剣を買ってあげる。あんたの荷物に空の鞘があったし、本当はもっと大きな剣を使うんじゃないかな、と思って」

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:18:17 ID:7tbEwvOT
俺!支援!

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:18:30 ID:7ByazNZk
支援

97 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:19:03 ID:0kJxi0Xh
 
武器屋と思われる建物の中に入ったルイズとギュスターヴ。昼間だというのに店内は暗く、あちこちに蝋燭やランプが置かれていて灯りになっていたが、出来がよいもので
はないらしく、部屋のあちこちが陰になって薄暗い。
入ってきた二人が見えたらしい武器屋の主人は、カウンターの前で恭しげに頭を下げた。
「貴族の旦那。ここは全うな商売しかしておりませんぜ。お上の御用になるようなことは何も……」
「客よ。剣を見せて頂戴」
「おおこれはこれは。貴族様が下々の武器などご利用になるとは、驚きでさ」
「私じゃないわ。こいつに用立てるのよ」
 ルイズは後のギュスを指す。立派な体格のギュスターヴに目を見張る主人。
「なんと!これは貴族様の護衛か何かで?」
「そんなところよ。良さそうなのを選んでやって頂戴」
 へい、と主人が返事をし、ギュスターヴに駆け寄り腕の長さを巻尺で計り始めた。
一般に剣を扱う時は腕の延長として捉える。したがって使用する人間の腕の長さが一種の指針として使われるのだ。
 店の奥に入って暫く時間が過ぎた。持ち無沙汰なルイズは飾られた武器を珍しそうに眺めていた。
 主人が戻ってくると、布に包まれた一本の大剣をカウンターに置いて見せる。
「最近は貴族の方が下僕に剣を持たせるのが流りでございましてね。大抵は細いレイピアなんて御所望されるのですが、そちらの方では物足らぬでしょう」
「剣を持たせるのが流行って?」
「城下を荒らす盗賊が貴族様方を狙って出没するそうですよ。既に某の貴族様が家宝なりを盗まれて面目をなくされたらしく、他の貴族の方々が恐れてるあまり、奉公の下
僕らにも武器を持たせて歩く始末で、へぇ」
 世話話に精を出しながら主人は出した剣を油布で丁寧に拭いている。
「こちらは高名なゲルマニアの錬金の大家とされるシュぺー卿の作。特殊な魔法が施されて鉄だろうがなんだろうが一刀両断でございます。もっとも安くはありませんが。如
何でございましょうか」
 大剣は見事な装飾が鞘や柄や鍔に施されている。柄尻には玉のようなものまでついている。
「ふむ。いいわね。おいくら?」
「エキューで二千、新金貨で三千でございます」
「庭付きの屋敷が買えるじゃないの!」
 ちなみに一般的な平民が一年暮らすのに120エキューほど掛かる。都会で部屋を借りて生活するとしても、大体四、五百エキューは住まいを借りるのに用立てなければな
らない。
 ルイズは主人の提示した金額をうんうん唸りながらつぶやき、主人と剣を交互に見て、またうんうんと唸るのを繰り返している。
ギュスターヴはそんなやり取りをするルイズを見てため息をついた。
「ルイズ、ちょっといいか」
「何よ?」
 耳を貸すように手招きしてルイズに耳打ちする。
「手持ちはいくらなんだ?」
「……エキューで100よ。これ以上は手持ちがないわ」
 本当は財布の中身を知られるのは嬉しくないが、買い物が買い物だけにそうは言っていられない。そうか、と言って、ギュスターヴは主人に話しかけた。
「試しに握らせてくれないか」
「どうぞ」
 シュぺーの剣を受け取りそれらしく構えてみせるギュスターヴ。ルイズはそれが様になっていて満足したが、ギュスターヴにとってそれは剣の出来を見るものだった。
(…鍛造が甘い。管理もあまり上手とはいえない。拵えは豪華だが、肝心の刀身も研がれているようでもないな。
魔法がかかってるとはいえ、値段に相応するようには見えない……)

98 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:21:11 ID:0kJxi0Xh
「主人、本当にこれが二千かね?」
「……ええ。こちらの儲けと仕入れ値、あわせて二千。これほどの名剣はそうはありませんぜ。何であればこちらの証文にサインしていただければ
割賦にさせていただけますぜ」
 証文は役所が発行している特殊な紙に書かれた一種の契約書である。これに書いたものを反故にすると貴族でも処罰される。
 ギュスターヴは主人をじっと値踏む。こちらが貴族だと知って高い品を売りつけようとしているのは間違いないが、問題は値段に合ったものを買うことだ。
(……吹っかけてるな。これは)
 ギュスターヴは見抜いた。エキューの剣を主人に返し、一拍置いて聞く。
「主人。一番安い剣はどれかね?」
 その言葉に真っ先に反応したのは、お金を払うルイズであったのは当然の事だろう。
「ちょっと!私に安物買わせる気?!」
 主人が貧乏だと思われたのではないか、とルイズはギュスターヴを見た。ギュスターヴの目は暖かいが、自分を見下げているわけではないらしい事はわかった。
 まぁまぁ、と一応ルイズを宥めて武器屋主人の回答を待つ。主人は渋々とシュぺーの剣をしまい、何やらぶつぶつとつぶやきながら
カウンターから出て店の隅に積まれたものを指差した。そこには大きな樽が置かれていて、樽の中に雑多な武器が差し込んである。
「そこにあるのがうちで扱ってる一番安い剣だよ。一律値段じゃあないが、大体50から80エキューくらいのが入ってる。剣の流通相場が200エキューちょいだから、
ガラクタもいいところさ」
「ギュスターヴ〜!わ、私にガラクタを買わせるつもり?!」
 不安になって地団駄を踏み始めるルイズを再び落ち着かせて、ギュスターヴは樽の中を覗いた。
 樽の中の剣はどれも使い古しのボロ剣ばかりだ。中には鞘もなく、折れ曲がっているものもあった。
 ギュスターヴはめぼしい剣を一本一本引き抜いては丁寧に見て、樽に戻してを繰り返す。
その内、剣の中にきっちりと鞘に納められた片刃の長剣が一本、押し込まれているのを見つけ、それを樽から抜き出し主人に見せた。
「こいつも50?」
「あ、や、それは……」
 なにやら答えに窮した主人。ギュスターヴは答えを待たずに鞘から抜いてみた。
「……やい!親父!よくもこの俺様をあんなぼろっちい剣の中につっこみやがったな!今日という今日は俺様もあったまきたぜ!」
 とたんにギュスターヴの手元から何者かの怒鳴り声が発せられ、ルイズがびっくりしてたたらを踏む。ギュスターヴも驚いて剣を落としそうになるのをどうにかこらえた。
武器屋の主人はというと、頭を抱えてうつむいてしまった。
「インテリジェンス・ソード?」
 ルイズが主人を起こして聞いてみる。
「へ、へぇ。誰が作ったか知りませんが、魔法で剣に意思を込めた魔剣、インテリジェンス・ソードでございまさ。あいつは特に口が悪くて客と口げんかばかりして
参ってるんですよ。鞘にきっちり入れておけばしゃべれなくなるんで、ああやってガラクタに紛れ置いてたんですが…」
 ついに主人がルイズに対してなにやら愚痴を言い始めた。ルイズは聞く気がなかったがまくし立てられて二の句が告げられず困り始めている。
 ギュスターヴはそんな二人のやり取りには参加せずこのしゃべり出す剣をじっくりと眺めた。
(拵えは最低限、鍔もある。片刃だと少し慣らしがいるな。砥ぎが大分落ちているが、よく鍛えられている……)

99 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:22:07 ID:0kJxi0Xh
 ぎゃあぎゃあと喚いていた剣が何かに気付いたように静かになり、ギュスターヴに話しかけた。。
「ぁん?なんだおめぇ。『使い手』じゃねえか。それにしては妙な雰囲気だけどよ」
「『使い手』?なんのことだ」
「お前さん、自分が何なのかもしらねえのかい。まぁいいや。おい、俺を買え」
 愚痴が収まってギュスターヴと剣そのやり取りを見ていたルイズがちょっと引いている。
「剣が自分で売り込みやってる……」
 ふむ、と一言言って、武器屋の主人の顔色を見たギュスターヴに、一つの面白い作戦が浮かんだ。
「主人、よっぽどこいつに迷惑をかけられたらしいな」
「そりゃあもう!口ばかり達者でとんでもねぇ剣でさ」
「け!あんな節穴親父に上手な商売ができるかっての!」
「あんだとこのボロ剣が!鋳潰して金床にされてぇのか!」
「まぁまぁ主人。……そこでだ。この剣、俺達が引き取ろうと思う」
 えぇ!とルイズは露骨に嫌な顔をしている。
「達、って…、もっと綺麗な奴選びなさいよ〜。何なら割賦で払ってあげるから」
「いや、これでいい。飾りものの剣は俺の趣味じゃないし」
 そりゃ、そうでしょうけど、とルイズはどうしても納得がいかず、シュぺーの剣に後ろ髪引かれる思いをした。
「こいつはいくらだ?」
「70でさ」
 ギュスターヴの口元がすこし歪むように笑う。
「高いな。50にしろ」
「ちょっと待ってくだせぇ」
「迷惑してるところを引き取ってやるんだ。それくらいはしてもらいたいな」
 当然のように言い放つギュスターヴ。しゃべる剣を持ってカウンターをトントンと指で叩く。
「……68」
「55」
「65だ。これ以上は駄目だぜ」
「ふむ…。じゃ、一つ賭けをしよう」
 ギュスターヴは腰の短剣を抜き、武器屋主人の前、カウンターに突き刺した。
「こいつに刃こぼれ一つでもつけることが出来たら、100であれを買う」
「ギュスターヴ!」
 こんなボロ剣で全財産が飛んでしまうのではないかと気が気でないルイズに、あくまで余裕のギュスターヴ。
「大丈夫だ。……どうだ、主人。悪い話じゃないだろう?その代わり、出来なかったら」
「出来なかったら?」
「40であれを買う。それといくらかおまけしてもらうぞ」
 
 
 


100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:22:43 ID:7ByazNZk
支援する

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:24:23 ID:KZ2qDMKd
支援


102 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:25:15 ID:0kJxi0Xh
 正午を向かえ、お昼時とあって一層の繁盛を迎えようとするトリスタニア、ブリトンネ街。
 その中で、中・上流向けの小綺麗なレストランで、ギュスターヴとルイズは昼食を取っていた。
「それにしても呆れたわ。本当に40エキューで買い物できちゃった」
 瓶詰めの水をグラスに注ぎながら関心するルイズ。
あの後、結局武器屋はギュスターヴの短剣に刃こぼれどころかかすり傷ひとつつけられず降参し、しゃべる妙な剣とナイフ、あと手入れにつかう研ぎ石と油布などを
纏めて40エキューで売ってくれた。その後は、ルイズの欲しがっていた細々としたものを買いに回り、出費は予算内に見事に収まった。
「まぁ、年の功ってやつだな。あのままだと鈍らを買って借金しそうだったし」
「う……」
 ギュスターヴは何故自分があんな事をしたのか丁寧に説明した。ルイズは一等、騙されていたことを激しく怒ったが、ギュスターヴ曰く『見抜ける眼力がないと思われたからそうされたに過ぎない』と言い含めた。
 手前のスープに白パンを千切って浸し、口に放り込むギュスターヴ。学院の賄いとは違い、ハイソな趣の店内は、出す料理もそれに見合った上品なもので、
賄いに慣れたギュスターヴには少し物足りない気がした。
「でも本当によかったの?こんなボロ剣で」
「ボロ剣とはひでぇ扱いだな嬢ちゃん。俺様にはデルフリンガーっていう立派な名前があるんだぜ」
布に包まれたデルフリンガーと名乗る剣は、鍔口をカタカタ鳴らしてしゃべる。
「デルブリンガー?」
「デルフリンガーだよ!デルフって呼んでくれ」
そんなやりとりを食後の紅茶まじりにしていると、店内に新たな客が入ってきた。壺惑的な色気を振りまいている赤毛の女性と、その後ろをついてくる
背の低い青髪の少女、ともに杖と何かしらの荷物を持っている。
「ハァイ、ご機嫌いかがかしらお二人さん」
「キュルケ!なんでここに居るのよ」
「あら、どこにいようと私の勝手でしょ」
 
 キュルケとタバサは二人を追いかけて王都に入った後、武器屋から出てくる二人を見てから、自分達も武器屋に入って買い物をした。
主人から二人が剣を買ったと聞くとキュルケも剣を所望し、主人から一振りの剣を買うことに成功した。その後タバサに約束の本を買ってあげたキュルケは、
昼食のためにこのレストランに入ったのだ。
キュルケの後にいるタバサに手を振るギュス。
 キュルケはギュスターヴのそばに立てかけてあるデルフを見て鼻で笑った。
「ところで、剣を買ったみたいだけど、そんなボロ剣で済ますなんてヴァリエールもケチね」
「うっさいわね」
「そんなボロ剣より、こっちの方が素敵よ」
 腕に抱えた包みを開くキュルケ。中から出てきたのは煌びやかな装飾の施されたレイピアだった。
「高名な錬金魔術師の名剣よ。割賦だけど新金貨で4000もするのよ。どう?この剣が欲しかったら、私のところに来ない?」
 自信たっぷりにキュルケはウィンクして、ギュスターヴを誘う。剣を使うならより良い剣を贈った方が好印象のはず。
ギュスターヴの秘かに漂う高貴なオーラがレイピアに映えてすばらしい光景になるだろう、とキュルケは考えていた。願わくば褥に誘えれば、とも思っている。
しかしギュスターヴの反応はキュルケの予想したものとは大いに異なったものだ。喜んでいるというより、むしろ、呆れていた。
 向かいに座るルイズは、キュルケの自信満々の素振りがおかしくてなにやらニヤニヤし始めている。
 予想外の反応で困るキュルケ
「……あら?どうかした?」
 キュルケは場の空気に困惑し始めた。こんな反応なんて考えていなかったから。
本当なら目を輝かせてくれるギュスターヴと、悔しげに歯噛みするルイズが見られると思ったのに。
 しかし現実の二人はどこまでもキュルケの予想から遠い。ルイズに至っては紅茶に興味が移ってしまっているし、ギュスターヴも明後日の方向を向き始めている。
 くいくい、とキュルケの袖をタバサが引いた。
「クーリングオフ不可」
 その腕の中にはキュルケに買ってもらった本を抱えている。
タイトルは『落ち着かぬ赤毛』。書店での価格は96スゥであったという。

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:26:03 ID:aLo9co/N
支援

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:26:39 ID:tAssrjBY
早すぎるよ鋼さん。その速さを1/10でも良いから分けてくれ。支援


105 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:27:32 ID:0kJxi0Xh
投下終了。デルフがやっと出せたよー!
実は今までタバサが持っていた本のタイトルがある共通点があるってこと、分かった人はいるかな。
次回からフーケさんかな。破壊の杖は一応、破壊の杖として出すよ。
あとキュルケの扱いが酷い!と思うかもしれないけど、もうひとりいかすおっさんがいるから最初からそっちに行かすつもりで考えていたり。
では。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:30:04 ID:mJhbJLBV
>>90
明日というのは、あと30分後のことを指すのでしょうか?

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:31:21 ID:ICAmEzzO
いかすおっさん?
ハゲ……もといコルベール?

108 :水の使い魔Splash☆Star:2008/06/23(月) 23:35:12 ID:aLo9co/N
>>MtLの人さん
投下お疲れ様でした。イザベラ様に惚れてしまいそうですわ。


>>鋼の使い魔さん
早さは同じくらいでも文章量が全然違うな…あはは…。

そういうわけで、第15話を明日のAM0:00に投下します。

109 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/23(月) 23:39:39 ID:0kJxi0Xh
>>108
さっきも言いましたがプロットの段階ですでに長いんです。
多分1話目よりも長いプロットを何本も組んでいます。
あとあんまりであるかない性分なのでその分パソコンに向かってる時間が長いので。

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:40:57 ID:WRHrk2p+
鋼の人乙でした。
晩酌のお供にニヤニヤしつつ読ませてもらいましたぜ

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:42:37 ID:AgfN4TCY
畜生、俺も書きてえなあ


112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:43:06 ID:nojZEzMZ
クーリングオフ吹いた
PL法とかあったらもっと吹くなw

113 :水の使い魔Splash☆Star 第15話(1/5):2008/06/24(火) 00:00:10 ID:gYackFgi
『ガンダールヴ』のルーンを見たルイズの顔から血の気が引いた。
「悪い冗談だわ…、『虚無』の使い手がわたしの他にもいたなんて…。
 まさか、本当にクロムウェルが『虚無』の使い手なの…?」
ルイズが立ち上がりながらいった言葉を聞いて、シェフィールドの顔つきが変わる。
「そっちこそ、悪い冗談言わないで…、あんな馬鹿神父、わたしの主人のはずないわ。」
黒髪の剣士はルイズを睨みつけると、デルフリンガーの切っ先を向けた。

ミズ・シタターレが舌打ちして指を鳴らす。と、ルイズの前に水の壁が吹き上がる。
「おチビちゃん、すぐにここから離れて!こんな奴を相手に、あんたを守りながらじゃ戦えない!!」
その隙を見逃さず、シェフィールドは距離を詰め、切りかかる。
シタターレは水で盾を作りだす…がデルフリンガーは盾ごと『力』を吸収しながら切り裂く!
白い刀身が煌いた場所には、ミズ・シタターレはいなかった。間一髪で飛びのいたのだ。
黒い剣士は自分の体ほどもある大剣を軽々と振り回し、シタターレを追いかける。

「ったく、『ガン子』ちゃんったらしつこい!これじゃ『ウザイナー』を呼ぶ暇もないわ!!」
「だれが『ガン子』よ!わたしは『ガンダールヴ』!!」
「そんな舌かみそうな名前呼ぶわけないでしょ。あんたなんか『ガン子』で充分よ。」
「ふざけないで!」
これほど素早い相手には、大技を当てるのは無理だ。とりあえずは距離をとらないと勝負にもならない。
シタターレは直径5サントほどの水の弾を大量に作り出し、マシンガンのように打ち出す。
威力を下げて手数で勝負する手に出たのだ。
シェフィールドは最初の一撃をデルフリンガーで防いだあと、縦横に飛びのき大きくかわす。
その先にも、大量の水弾が襲い掛かるが、シェフィールドは着弾より早く跳躍した。
水弾は壁に、天井に、食器棚に命中して部屋を振るわせる。

そんな攻防が1分ほど続いたあと、水弾の攻撃が止んだ。
「やっと弾切れ?それじゃ、覚悟してもらおうかしら…。」
剣を構えるシェフィールドを見ながら、シタターレは馬鹿にするように笑った。
外れた水弾は、いつの間にか床にたまり、10サントほどの深さになっている。
「この足場で、今までと同じように動けるかしら?『ガン子』ちゃんの方こそ覚悟なさい!」
そして笑顔のまま、足元の水を吸い上げて再び水弾を作り出す。
「これくらいで、わたしの動きを封じたつもり…?」
シェフィールドは、椅子、机、棚、と縦横無尽に跳躍して水弾をかわし、壁を蹴ってシタターレに飛びかかる。
「バッタか!?あんた!」
シタターレは驚きながらも、水面を滑るように剣をよけて距離をとる。
その表情がもう一度驚愕に歪む。
さっきまで自分がいた場所に、青い髪の毛が落ちている。
自分の髪を見てみると、左側の巻き髪が半分になっている。
「やってくれたわね、『ガン子』ちゃん…。」



114 :水の使い魔Splash☆Star 第15話(2/5):2008/06/24(火) 00:01:11 ID:gYackFgi
ミズ・シタターレの攻撃が、更に激しさを増した。
襲い掛かる水弾を跳躍を繰り返して逃げ回るも、足場が限られた中でいつまでも避けられるものではない。
避けきれないものはデルフリンガーが吸収していたが、そのうちに吸収しきれなくなってくる。
その様子を捉えたシタターレは、シェフィールドを部屋の隅の方に追い詰める。
「さぁて、ここまでね。そろそろ決めるわよ!」
シタターレが手を振ると、シェフィールドの前に水柱が何本も立ち上がり、壁を作り出した!
それは、黒髪の剣士の方へジワジワと近づき、逃げ場所を奪っていく。

シェフィールドは、チッと舌打ちをすると部屋の隅に向かってダッシュした!
デルフリンガーを勢いよく地面に突き刺し、棒高跳びの要領で部屋の壁に飛びつく!
石壁に足を掛け、デルフリンガーを握りなおして更に飛び上がる!
その勢いで大剣を地面から引き抜き、天井すれすれで水柱に向かってなぎ払う!
水柱の頂上、勢いの弱い部分を切り裂いて、そのまま体ごとすり抜けた。
「ちょ!?…それ反則でしょ!!」
水柱を越えたシェフィールドは、天井を蹴って方向を変え体ごとに突っ込む!!

…狙いたがわず、白く輝く刃がシタターレを貫く…。

確かな手ごたえを感じたシェフィールドは猛禽類のような目で笑みを浮かべた。
「な、なな、なんてことしやがんだっ!!切っ先は『剣の命』だぞ!!
 それを石の床に突き刺して棒代わりにするんてっ、折れたらどうすんだよ!!」
デルフリンガーがわめくも、シェフィールドは全く相手にせず貫いた感触を楽しむように剣を更に押し込む。


次の瞬間、シェフィールドの顔が驚きに染まる…。
目の前にいるシタターレの体が崩れ、ねばねばした液体に変化してまとわり付いてくるのだ。
デルフリンガーを引き抜こうにも、手にも足にも体にも巻きついて離れない。
「やっと捕まえたわよ。『ガン子』ちゃん!!」
本物のシタターレが姿をあらわし、巨大な水弾を打ち出す!
シェフィールドは避けることも、受身を取ることもかなわず、まともに喰らって壁に叩きつけられた。
そのまま足元から座り込むように倒れ、気を失った。
「…ったく、手こずらせてくれちゃって…。さて、その『アンドバリ』の指輪をもらうわよ。」



115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:01:31 ID:zBD986Yg
キュルケたんは男を見る目は有っても、鑑定眼は無いんですね。解ります。

116 :水の使い魔Splash☆Star 第15話(3/5):2008/06/24(火) 00:02:00 ID:gYackFgi
シタターレはパチャパチャと水音を立てて、部屋の反対側まで歩いていった。
壁に背を付けて倒れこんでいるシェフィールドを見下ろして、手を伸ばす。
…と、いきなりシェフィールドが目を開けて大剣を振った。
鼻っ面を切っ先が通り過ぎて、驚くシタターレを尻目に横に飛びのき、テーブルの上に陣取る!
その動きは、さっきまでより、さらに早いくらいだった!
「あれを喰らって、まだ動けるなんて…。『ガン子』ちゃん、あんた、本当に『この世界』の人間なの?」
テーブルの上の剣士を睨みつけて、シタターレが構える。
「残念ながら…、そういうわけじゃねーんだ。」
剣士が答を返す。だが、シェフィールドの口は動かず、握り締めた剣が喋っている。
「この嬢ちゃんは、さっきのやつで完全に気を失っちまった。
 今、体を動かしているのは、このデルフリンガーさまの方だ!」
「だから、本人の体が壊れようが気にせず動けるってわけ…。」
「ま、そういうこった。」

部屋全体がピリピリした緊張感に包まれる。
一触即発の空気の中、お互いは一歩も動かず相手を睨みつける。
「なぁ、そろそろ止めねーか?」
「はぁ?」
「このままやりあえば、お互いただじゃすまないぞ…。
 こっちも、うちの嬢ちゃんが死んだりしたら元も子もないんでな。
 『指輪』は渡すから、見逃してくんねーかな。」
シタターレはぷっと吹き出すと、表情を崩した。
「それもそうね…。いいわ、それで水に流してあげる。」
デルフリンガーは、ありがてぇと左手から『アンドバリ』の指輪を抜き取った。
それを見たシタターレはルイズのいる扉の反対側の壁に水弾を撃ち込む。
「サービスよ、そっから逃げなさい。」
黒髪の剣士は首を縦に振ると、指輪を足元に落として身を翻した。



117 :水の使い魔Splash☆Star 第15話(4/5):2008/06/24(火) 00:02:44 ID:gYackFgi
食堂の扉の前にルイズはいた。
中から響いていた震動は、少し前から止まっている。
どうなったんだろう?まさか、やられたんじゃ…。

あの剣士は間違いなく強い…。
下手をしたらアルビオンの艦隊と戦った時よりもヤバイかもしれない…。
そんな敵を相手に自分ができることは、多分ない…。
城の兵士を呼んでも相手になるとは思えない。
ワルドやウェールズの姿を見られたらどんな騒ぎになるかわからない。
なにより…、ここを離れるのが怖い。
万が一にも、シタターレが負けたときのために、ここから離れ…せめて姿を隠しているべきである。
頭ではそう思っていても、ルイズは扉の前から一歩も動けなかった。


不安な表情で立ちすくむルイズの前にある扉が開いた。
「だ、大丈夫だった?」
「ええ、なんとかね…。こんなに手こずったのは、はじめてだわ…。
 でも、『アンドバリ』の指輪は取りかえしたわよ。あいつは逃がしちゃったけどね。」
疲れきった表情のシタターレの言葉を聞いていたルイズは、彼女の巻き髪がないのに気がついた。
ルイズの目線に気づいたシタターレが、左手で髪に触る。
「ああ、これ、そのうち戻すわ。今日は疲れちゃって、とてもそんな気分になれない…。」
どうやら、怪我はなさそうだ。安心したルイズは、シタターレを連れて食堂に入った。

戦闘中に床にたまった水は、すでにシタターレが消していたが、そこかしこに水溜りが残っている。
ルイズは、部屋の奥にワルドの姿を見つけて駆け寄った。
既に事切れ、服も、髪も、水にかき回されてメチャクチャになっている。
ルイズは黙ったまま、ワルドの服を整え仰向けに寝かせた。
部屋の隅まで流されていた羽根帽子を拾いワルドの胸にのせる。
そして、彼の顔に口を近づけて何かをつぶやいてから、立ち上がる。
次に、ルイズはウェールズの手から『風のルビー』を抜き取ると、テーブルクロスを剥がしてウェールズの体にかけ、シタターレのほうを向いた。
「後は…、お願いね。」
シタターレは、無言で頷くと、テーブルクロスごとウェールズの体を抱えて姿を消した。

一人残されたルイズは、キッと目を開いて深呼吸すると、部屋の外へ駆け出した。
「誰か!誰か!!賊が侵入して、ワルド子爵がっ!!」


城の中は、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
即位を控えたアンリエッタ姫殿下が参加する晩餐会に賊が侵入し、十数人を切り捨て逃走したのだ。
犠牲者の中には、グリフォン隊の隊長ワルド子爵も含まれている。
ワルド子爵は、侵入した賊を相手に、ミス・ヴァリエールと、その使い魔と共に戦い倒れたのだ。
食堂から逃げ出した賊は、人とは思えぬ素早さと強さで、衛兵を次々と切り倒して逃げ出した…。



118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:02:48 ID:goO5jAK6
ざわざわ森支援

119 :水の使い魔Splash☆Star 第15話(5/5):2008/06/24(火) 00:03:23 ID:gYackFgi
…それから数時間後…

シェフィールドは、ラグドリアン湖の湖畔にある洞窟の中に潜んでいた。
まだ、ガリアの国境まではかなりの距離があるが、先ほどの戦闘の無理がたたり体はボロボロである。
ここでしばらく潜伏して体力の回復を待つことにしたのだ。

「デルフの馬鹿…、なんで『アンドバリ』の指輪を渡したのよ!」
「仕方ねーだろ。俺がお前さんの体を操れる時間は限られてるんだ。
 あの場は、ああでもしなくちゃ、囲いを破って逃げるだけの力は残らねえよ。」
シェフィールドは、洞窟の奥で毛布を敷きながら頬を膨らせた。
「ジョセフ様に、なんて言って謝ればいいの…。」
「生きてるだけでも、ありがたいと思えよ!俺の見立てじゃ、あの女、まだ余力を残してたぜ…。
 正真正銘のバケモノだな、ありゃ。あのまま戦ったって、良くても相打ち取れるかどうかだぞ。」
「ジョセフ様に嫌われるくらいなら、あの女と刺し違えた方がマシだったわよ…。」
「馬鹿なこと言ってるんじゃねーよ。
 魔法薬(ポーション)は飲んだんだろ。2・3日休んで体力が回復したらガリアに戻るんだ。」
「言われなくても判ってるわ…。」
シェフィールドは、面倒そうに答えると、毛布の上に寝転がり、目を閉じた。

しばらくして、彼女は突然目を開いた!
「ジョセフ様!?」
毛布を払いのけて飛び起きる!
「…も、申し訳ありません。『アンドバリ』の指輪を取られてしまいました…。
 え?あの、…はい、わ、わたしは大丈夫です。
 少しだけ怪我しましたが、ジョセフ様からもらった薬を飲んだので、もう、なんともありません。
 …え?……わかりました。…それでは、仰せの通りに…。」

シェフィールドは、しばし呆然としていたが、だんだんと顔が赤くなって頬が緩んでくる。
「デルフー!!『アンドバリ』の指輪のことはもういいって。
 そ、それに…し、信じられない…ジョセフ様が『お前は大丈夫か』なんて…!!」
「それ、多分、お前を心配してるんじゃないだろ…。」
「なんか言った!?」
「いや、なんでも…。」
おそらく、ジョセフの言葉は自分の道具を確認するだけのものだろう。
呆れるデルフリンガーの前で、シェフィールドは今敷いたばかりの毛布を片付けはじめた。
「お、おい、嬢ちゃん。何やってるんだよ?」
「ジョセフ様が、『レコン・キスタはもう飽きた』だって。
 だから、クロムウェルの馬鹿神父が破滅するのを見ながら次のゲームの準備をするの。
 さ、急いで帰らなくちゃ。」
「ちょ、ちょっと待てよ。外はトリステインの兵隊がウヨウヨいるし、まだ傷だって塞がってないじゃねーか!
 せめて陽が落ちるまで休んでから…。」
「…黙れ…!」
デルフリンガーを鞘に押し込むと、シェフィールドはいそいそと旅支度を始めた。



120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:08:18 ID:goO5jAK6
あれ、シェフィールドってこんな可愛らしかったっけ?支援

121 :水の使い魔Splash☆Star:2008/06/24(火) 00:09:21 ID:gYackFgi
今回はここまでです。支援&感想ありがとうございました。

『アンドバリ』の指輪の話はあと1回だけ続きます。
ガン子ちゃんことシェフィールドが全然違うキャラになっちゃいました。
最初に考えた時は14巻が出てなくて、勝手なイメージで作ったら結構内面描写されてて…。

姐さんも、ゼロ魔キャラも色々と原作とは性格が変ってきてしまってますが、もうすぐ?終わるのでご勘弁の程を…。

122 :”IDOLA” have the immortal servant 0/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:12:38 ID:orIt456r
お疲れ様です。
予定がなければ00:20から4話目投下しようと思います。

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:13:09 ID:goO5jAK6
鋼の人、乙です。
毎度のことながら、キュルケ……ううっ!

水の人も乙!
もうすぐ終わっちゃうのか……期待半分、寂しさ半分で待ってます。

>>111
とりあえず投下するしないは別として書いてみるとか。
妄想を箇条書きとかにして、そこに色々と人物の性格に合ったそれっぽい台詞をいれて、
あとはその合間合間に情景描写などの地の文をいれて……

俺もそうして小ネタをなんとか二本書いたし、意外と何とかなる…んじゃないかなぁ?

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:17:37 ID:LdBRSRrO
「神父」は

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:18:33 ID:bdY4RYzM
水の使い魔さん乙でした
シェフィールド可愛いよシェフィールド
ただ脳内ビジュアルはポイズニーさんなんですけどねw

そしてIDOLAさん支援

126 :”IDOLA” have the immortal servant 1/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:20:36 ID:orIt456r
 フロウウェンがルイズの使い魔になって、十日余りが経過していた。
 結論から言えば、フロウウェンは使い魔として、というよりも使用人として文句のつけようがなかった。
 朝早く起き、まずは洗濯をする。そして戻ってきてルイズを起こす。
軍隊生活が長いフロウウェンは時間に正確で、一度たりともルイズが寝過ごしたりする事はなかったし、朝が弱いルイズも時間に余裕を持って行動できるようになったので助かっている。
 朝食の後は部屋の掃除だ。これも隅々まできっちりとやってくれる。実に丁寧な仕事ぶりだ。
 授業の際は無駄口を叩かず、ルイズに付き従っている。疑問に思うことがあれば、後で質問される。これはこれでおさらいになるので、生真面目なルイズにとっても面倒とは感じない。
 それから、学院の授業が終わればテクニックの座学をフロウウェンから受けている。これが最近のルイズにとっては待ち遠しいのだ。
 何故火は燃えるか。氷結するというのはどういう状態になる事を言うのか。雷が発生するメカニズムは……などなど、
基礎的な科学知識から始まり、生体フォトンを用いて大気中のフォトンや物体が纏うフォトン、他者の生体フォトンに干渉する為の知識をフロウウェンは惜しみなく披露してくれる。
 基礎的な科学知識と言っても、ハルケギニアの自然科学はあまり発達していない。
だから、実質的にハルケギニアの標準的な水準の、数百年は先を行く理論、フォトンに至っては数千年先を行く理論をルイズは学習している事になる。
 フロウウェンとしてもこちらの言葉を一言も聞き漏らすまい、と耳を傾けるルイズ相手に講義をするのは悪い気がしなかった。
 そう。結局のところ、堅物な武人であるフロウウェンと、生真面目なルイズは相性が良いのだ。
 ここ数日の間に、主人とその使い魔でありながら、師弟関係とも言える状態に、関係が変化しつつあった。
 フロウウェンはしっかりと筋を通す性格である為に、我侭を言ったり理不尽な要求はできないが、その事に不満はない。
 元々ルイズは常日頃から貴族たらんと心がけている。フロウウェンにつられて日々が充実し、気が引き締まるのなら、それは望む所なのである。
 これほど有能なら雑用などやらせるのでは無かったと言ったが、フロウウェンは現状でそれなりに満足しているらしい。
 最初にそう約束したのだし、ルイズ一人の身の回りの事をこなす程度、大した手間ではない。寧ろ何もしていない方が落ち着かない。そう言うので、彼の意思に任せる事にした。
 それと、ルイズ自身は変わったところがないつもりなのだが、周囲の態度が少し変わった。
 まず、ギーシュが食堂での顛末をルイズの所に謝りに来たのだ。
「すまなかった」と頭を下げるギーシュだったが、何故決闘に至ったかの経緯をルイズはよく知らなかったので呆気に取られていた。
ギーシュから事情を聞いて、そこで初めてフロウウェンが自分の名誉の為に戦ったのだと知った。
 思わず目頭が潤んだが、目の前にギーシュがいたので泣く事は出来なかった。
 他の生徒達は表立ってルイズを馬鹿にする事が無くなった。フロウウェンの実力を見せられてはその気も起きないのだろう。
 フロウウェンと学院の人々の間にも、少し変化があった。ギーシュを倒した事がよほど学院の使用人達にとっては痛快だったのか、平民らには無条件で歓迎される事が多くなった。
 判官びいきという奴だろう、とフロウウェンは受け取っていた。何時だって権力側、体制側の人間は、市民から白い目で見られるものだ。
特に、血筋や家柄という厳然たる身分制度で搾取される世界に生きる、彼らの気持ちは分からなくも無い。
 だが、熱しやすく冷めやすいのは民衆の常だ。自分がテクニックを使って見せれば彼らもメイジの仲間だった、と失望するだろう。
英雄などと呼ばれていたフロウウェンだからこそ、彼らが己の理想を投影しているだけだと知っていた。
 その本音の部分に身勝手さを垣間見てしまうのもフロウウェンが元々体制側の人間だったからだが、それは詮方ない事だとも思っていた。
 だから「我らの老拳士」などという、仰々しい二つ名で呼ぶ事は止めてくれと言うだけに留めておいた。
 それを謙虚さだと受け取ったのか、ますます料理長マルトーなどはフロウウェンに入れ込むようになった。
食堂の仕事を手伝おうと思ったらそんな事はさせられないと、どうしても手伝いをさせてもらえない。困ったので、自分の食費を出しているルイズに、しっかりと講義を行う事で還元しようと思う事にした。

127 :”IDOLA” have the immortal servant 2/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:21:28 ID:orIt456r
 結局、自然体で付き合えるのは平民の間ではシエスタだけだったりする。
毎朝洗濯場で世間話やお互いの星(国だとシエスタは思っているが)への質問をし合ったりする程度の間柄だが、学院ではルイズに次いで多く話している相手になっていた。
 それから……フロウウェンには気になっている事がある。
 ギーシュと対峙し、いざ戦闘だと臨戦態勢に入ったあの時、ルイズに刻まれた胸のルーンが熱を帯びたかと思えば周囲からのフォトンを吸収していたのだ。
 傷の治りも異常に早く、あの日、ギーシュのワルキューレに切られた頬はすぐに塞がってしまっていた。
 ルイズとの会話によって得た情報では『コントラクト・サーヴァント』で刻まれるルーンには動物が人語を操るようになったりと特殊な効果があるらしい。自分が異世界の言語を理解しているのは、恐らくルーンの効果によるものだろう。
 ギーシュとの決闘の際のあれが……本当にルーンの効果によるものならば良い。しかし、周囲からフォトンを吸収する事や、傷がすぐさま癒えていく不死性は遺跡の深奥で対峙した『アレ』の性質に近しいものを感じる。
 もしそうなら……自分はこの世界にさえいるべきではないのではなかろうか。
 結果、一人でいる時は思索に耽る時間が増えた。
 そうしていると時折、ふと気付けば遠巻きに誰かの視線を感じる事が幾度かあった。
 他人から注目を受ける事に慣れているフロウウェンは、特に何も行動を起こさなかった。こちらには用があるわけではないし、何か用があるならば、いずれ向こうからコンタクトを取ってくるだろう。
 ともかく今日は、ルイズにテクニックを使う為の基礎知識をつけさせた所で、いよいよ実践に移るという大事な日だった。他の雑事は後回しだ。
 テクニックの行使には、天性の才能を持つニューマンはともかく、ヒューマンが行使するには、慣れない内はそれなりの精神統一が必要なのだ。
フォーマーやフォマールといった人間のフォースが、比較的体術にも秀でているのは、修行の一環として精神と共に肉体を鍛える者が多いからに他ならない。
 体内の生体フォトンの流れを制御する為の瞑想。それをここ数日の間、ルイズに行わせてきた。
 そんなわけで、フロウウェンはルイズを連れて、あの『サモン・サーヴァント』が行われた平原までやって来ていた。
「ではルイズ。これまでに教えたとおりだ。まず基礎ともいえるフォイエを撃つ事とする。大気に満たされたフォトンを感じ取り、体内の生体フォトンと呼応させろ。
発火、及びその射出のプロセスを思い出して、その通りになるようにフォトンを制御するんだ」
「わかったわ」
 言って、ルイズは右手を軽く前に突き出して手首を左手に添えると、目を閉じて深呼吸をし始めた。
 まず、フォトンというものに相当する言葉がハルケギニアには存在しない。
 しかも大気中だけでなく生物も物体も等しくそれを纏っているのだとフロウウェンは言う。それは何も無いところからほとんど無限のエネルギーを取り出せるという事だ。
 本星コーラルにおいてフォトンエネルギーが発見、実用化されるや否や、風、水、火力、原子力発電などのそれまでのエネルギーに完全に取って代わったのである。
 因みに、感じ取れとフロウウェンは言ったが、それは正確にはイメージを深めろという事だ。
 フォトンは人の意思にも強く反応するものらしい。
 強いイメージと、力を行使する意思を脳波に込めて、体内の生体フォトンに乗せて送り出し、外界のフォトンに干渉するのである。
 ルイズは意識を集中させる。
 生命体は等しく生体フォトンを体内に有する。頭頂から額、胸、腹部、下腹へと生体フォトンは流れ、循環して満ちる。全身を駆け巡るそれを、少しずつ練り込んでいく。
 そういった事を念頭に置いてイメージを深める為の精神統一を、ここ数日の間、時間の許す限りルイズは繰り返してきていた。そして、火が燃焼するプロセスをと同時に、フォトンを使って火炎を作り出す為のプロセスを思い出していた。
 フォトンにより空気中の分子を激しく揺さぶって高熱を持たせ、酸素と反応させる。それを火球の形に整え、手から発射する。
 フロウウェンが手本を見せてくれた。あのようにできるのだと、己に言い聞かせる。
 じんわりと、掌の先が熱くなってくる。まだだ。まだ焦ってはいけない。さらに練り込み押し出す。
 ぐんっと、身体から何かが出て行く感覚。急速に掌の先に感じる力が大きくなっていくのが分かった。
「今だ!」
 フロウウェンの合図と共に、ルイズはそれを解き放った。
 瞬間、小さな爆発が起こってルイズの手が後ろに弾かれた。
 これは、フォイエではない。いつもの失敗魔法の爆発だ。

128 :”IDOLA” have the immortal servant 3/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:21:53 ID:orIt456r
「い……たた」
 手をさすりながら、ルイズは落胆していた。やはりゼロである自分は、テクニックを使えないという事か。
 フロウウェンは近くまでやってきて彼女の手を取り、怪我をしていない事を確認すると、言う。
「ルイズ。今、自分のした事が分かっているか?」
「え?」
「結果として魔法の失敗と同じ爆発が起こった。フォイエとルイズの世界の系統魔法の原理が、同じか近しいものであるということだ。
この世界もフォトンの研究が進めば詠唱と杖という二点を破棄しても、魔法を用いる事が出来るかも知れない」
 フロウウェンはルイズの失敗を嘆くでも励ますでもなく、淡々と分析していた。
 失敗しても得るものはある。それは分かっているのだが、ルイズの気持ちはというとすぐには立ち直りそうにない。
 それからフロウウェンが口にした言葉は、ルイズの失敗を踏まえれば驚くべきものだった。
「さて、次だ。グランツの練習といこう。標的は、あの石でいいか」
 数メイル先の、手頃な大きさの石を指して言う。
「グ、グランツって」
 フロウウェンの座学で名前だけ聞いた。メギドと並ぶ彼の世界の最上級テクニック。
 特にフォースと呼ばれるテクニックを専門的に扱う者にしか会得出来ないと言われている。
 これは彼らの世界でも一寸特別なもので、外宇宙……つまりフロウウェンの住む星系の外から伝わったと言われるものだ。
「フォイエも出来ないのに、そんな事出来るわけ……」
 勿論フロウウェンもグランツは仕えないという。そんな高度な事が自分に出来るはずが無い。
 そう尻込みするルイズだったが、フロウウェンは言う。
「イメージトレーニングは二種類やらせたが、片方はグランツのものだ」
「そ、そうなの!?」
「フォイエが出来ないという事は原理が逆方向なだけのバータは使えまい。グランツとメギドが特別なのは、
同じくフォトンを利用するテクニックでありながら、他のテクニックと大きく異なるからだ。失敗したとしても、そこから得られる事はまだある」
「う……」
 それでも暫し逡巡していたルイズだったが、やがて小さく頷いた。
『もう一つのイメージトレーニング』は、周囲から収束していくフォトンの光が、目標に無数の矢のように突き刺さっていくイメージであった。
グランツの原理は、フォトンそのものを対象の周囲に集中、凝縮させる事で臨界点を突破させ、破壊せしめるというものだ。
 ルイズはここ一週間というもの、何度もそれを反復してイメージさせられていた。基本だ、と言われたのでフォイエより念入りにやっていたのだが……まさかグランツのイメージトレーニングだったとは。
 ジト目でフロウウェンを見やるが、どこ吹く風だ。
 ルイズは黙っていた事に文句を言うのを諦めると、大きく息をつきながらイメージを膨らませていく。
 フロウウェンはもう何も言わない。ルイズは右手を先程のように差し出して、意識を数メイル先の石に集中しながら目を閉じる。
 最初にグランツの原理とイメージを聞いた時、自分の爆発の逆回しの光景をルイズは連想した。
 彼女は魔法失敗の爆発による殺傷力が決して高くない事も知っていた。だから『錬金』をやった時も目前で平然と爆発させて見せたのだ。
物体そのものをエネルギー化する。それは昔からルイズが、無自覚なままで当たり前のようにしてきたことだ。
 生体フォトンを練り込み、石の周辺の空間……いや、その空間に存在するフォトンへと干渉するイメージを高める。
 自分の中に生体フォトンのうねりが生まれる。ぐるぐると身体を巡り次第に高まっていく。
 ここぞと言う時に、ルイズは恐ろしいほどの集中力を発揮した。もう、頬を撫でる風のそよぎも感じない。風に吹かれてそよぐ草の音も聞こえない。
 ルイズから延びた想念の触腕が石の周囲へ辿り着いて包み込み、拡がる。ルイズは目をしかと見開き、己の体内でうねっていたそれを、一挙に解き放った―――!
 ―――光の矢が突き刺さるなんて表現、誰が言ったのだろう。
「奇麗……」
 思わず呟いていた。
 黄金の輝きが石に向かって収束していく。自分が成した事でありながら、呆然としながら目の前の現象を眺める。
 一瞬遅れて青白い光の柱が立ち登ると同時に、聞いたこともないような軽快な破裂音だけを残して、そこにあった石は跡形も無くなっていた。

129 :”IDOLA” have the immortal servant 4/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:22:36 ID:orIt456r
「で、でき、ちゃった……?」
 成功するなどとルイズは最初から思っていなかった。何を唱えても爆発だけで終わっていた。それなのに。
 呆然とした顔でフロウウェンを見やると、彼は穏やかな顔で頷いた。
「これは最も単純化されたグランツだが、初めて使ったにしては上出来だ」
「……で、できたできた! わ、わ、わわたしが!! ここここんな事できるなんて!!」
 飛び上がらんばかりにルイズは喜び、はしゃぎ回る。
 フロウウェンには確信があった。講義中のルイズの集中力と向上心は並ではない。
 本来ならマジックを使える血統、その中でも選りすぐりのエリートといえる、王族の親類縁者である公爵家に生まれ、努力を惜しまないルイズが、マジックの代替に過ぎないテクニックを、使えない道理がないのだ。
 ではなぜ、初歩の初歩であるフォイエが使えなかったのか?
 フロウウェンは、ルイズの周囲へのフォトンの干渉力が巨大すぎるからではないか、と仮説を立てた。だから生体フォトンで大気中のフォトンを操作し、分子運動に干渉するような、間接的な作業には向いていない。
 大型の工作機械で積み木遊びをするようなものだ。勢い余って積み上げようとしたものごと破壊してしまう。余ったエネルギーが、爆発という形で顕現するのだ。
 本来ならば順序が逆で、修行によってようやくフォトンへの強大な干渉力を身につけられたところで初めて、グランツの行使を可能とするのである。
 ルイズは本当に稀有な才能の持ち主と言えた。
「後はどのような状況下でもすぐさま放てるように、今のイメージを何度も反復し、発動できる速度を上げる訓練を積む事。より大きな効力を持たせようと思うならば、効率の良い破壊の為の原理を得て、それをイメージする訓練を積む。
生体フォトンを効率よく短時間で練り込む為の訓練も必要だ。これらを反復して繰り返す事で次第にテクニックの威力は向上していく」
「ええ、ええ。わたしでもできるってわかったもの! 今まで以上に頑張るわ!」
 と言っても、これらの知識はフロウウェンの文明ではディスク化されていて、通常はフォトンジェネレーターに繋いで脳に直接力の引き出し方を書き込む。そうする事で一瞬で習得させられるのである。
 しかしより大きな力を一度に行使する為には、やはりそれなりの修行が必要という点では同じだ。
 具体的には生体フォトンの総量の向上とそれを制御する精神力の向上だ。これを無くして中級、上級のテクニックは使う事ができない。
 テクニックは確かに誰でも使える。が、実戦に堪えるレベルにまで引き上げるとするならば、それには研鑽が必要なのであった。
 付け加えるなら地道な座学とイメージトレーニングを続ける事でもテクニックの行使が可能な事は、今見た通りだ。
 ただ……元々呼吸するようにマジックを行使できるはずの血筋に生まれ、基本の知識と修行をしっかりと抑えているルイズだからこそ、この短期間でグランツを習得するなどという離れ業をやってのけられたのだが。
 つまりルイズはに確かに才能(稀有な形だが)があり、努力も厭わない理想的な生徒であった。
 どちらも教えようとしても、師が与えられるものではないのだ。特に、後者は重要な事であろう。
 だから、フロウウェンがルイズに対して付けた評価はトリステイン魔法学院の「ゼロ」とはまるで反対で、「非常に優秀」というものだった。
「だが、本来の魔法の授業も疎かにしてはいかんぞ。これを大っぴらに使うわけにもいかないのだろう」
 トリステインを始めとするハルケギニアの国々は、始祖ブリミルとそれに連なる系統魔法を神聖視しているし、貴族を貴族たらしめているのは血筋による遺伝という、生まれ着いての才能があるからだ。
 誰にでも使える、異界から齎されたテクニック。それはハルケギニアの社会そのものを根底から揺るがしかねない。それを言い含めると、ルイズは神妙な顔をして頷いた。
「そうね。お互い、秘密にしておきましょう。フロウウェンだって、テクニックの事が知れたら最悪の場合アカデミーに捕まって、研究の為に解剖されちゃうかもしれないわ」
「……そんなものがあるのか」
 苦い記憶を呼び起こされ、フロウウェンは苦虫を噛み潰したような顔をする。
 テクニックは誰でも使えるからそのユーザーを解剖する事に意味はないのだが、それとは別の意味で自分の身体には懸念がある。
 精査はいずれすべきなのだろうが、その結果で解剖や実験に使われると言われたら、フロウウェンとしても、もう遠慮したい所なのだった。

130 :”IDOLA” have the immortal servant 5/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:23:11 ID:orIt456r
「余り考えたくないな。……話を戻そう。ルイズはフォトンへの干渉力が大きすぎるから、魔法でもその制御が難しいのではないかと思う。もっと強大な力を求められる現象を起こすのには向くかもしれないが」
「な……なんだか馬鹿力を持て余してるって言われてるように聞こえるわ」
「実際そういう事だ。フォイエが使えずにグランツが使えるというのは、普通では有り得ない」
 と言われて、ルイズは気付いてしまった。ドット、ラインというメイジの仕組みから解るように、複数の小さい力を重ね、その相乗効果でスペルを強大にしていく四大系統の方法論は、まるで自分に向いていないのだと。
 目から鱗がポロポロと落ちていくが、同時に系統魔法については絶望的という現実が垣間見えて、落胆もしていた。それでも大きな前進だと思う。だって、今までは原因すら解らなかったのだから。
 一人で明るい顔になったり沈み込んだりたと、百面相をしていたルイズだったが
「メギドもわたしに使えるのかしら?」
 と自分を慰める材料を思いついた、とばかりに明るい顔をしてフロウウェンに尋ねた。
「あれは確かにフォトンに干渉する大きな力も求められるが、対象から生体フォトンを奪い去る為の操作を行う、闇のフォトン球体を発射する。グランツとはまるで逆の……言わば精密作業の極地だ。
フォトン制御の修行としてはトレーニングを重ねる価値はあるかもしれないが、暫くは行使するのは無理だろう」
 と、無情な言葉が返ってきた。とんとん拍子とはいかないものだ。
「……フロウウェンはそんなに詳しいのに、テクニックの使い手としては最下級だっていうの?」
「ああ。オレの専門は剣の方だ」
 確かに、ワルキューレを壊した時の体術は並じゃなかった。
 あれで剣でも持っていればもっと凄い事になるというのか。ルイズは今更ながらに慄然とする。
「オレの弟子にリコというのがいてな。そいつの出来が良かったおかげで、師匠としては大変だったよ。専門外の知識もある程度は教えられなければ師匠として面目が立たんだろう?」
「そ、それも、そうね」
「オレはとしては、オレよりもリコの方をこちらに喚び寄せて欲しかったがな」
「どうして……?」
「あの娘は剣だけじゃなくテクニックも……それに科学者としても一流だった。だから、オレのような老いぼれより、きっとルイズの力になれただろう。それに……あいつもラグオルではオレと似たような状況に陥っているからな」
「…………」
 親友に預けたという養子のアリシアよりも、今はリコの事が気がかりになっているようだ。
 物憂げなフロウウェンの横顔に、ルイズは複雑な気持ちだった。
 もし……自分がその、リコという娘と同じような状況に立たされたら、フロウウェンはこんな顔で心配してくれるだろうか。自分の命よりもその娘が助かればいいだなんて、言ってくれるだろうか。
 自信は、無かった。まだ出会って十日余りしか立っていない。フロウウェンの事を、ルイズはまだまだ何も知らないのだ。
「あ、明日……」
「ん?」
「あ、明日は虚無の曜日なのよ。だから買い物に行こうかと思ってるのよ。うん」
「…………」
 フロウウェンはルイズの言わんとしている事が分からずに、彼女の顔を見詰めた。
 こういう態度をルイズが取る時は、大体が照れている時だ、とフロウウェンは理解していたが、今の話の流れでどうしてそうなるのかが分からない。
「それで、フロウウェンにも護衛として買い物に付き合って欲しいっていうかね。えーっと……そうじゃなくって!」
 一人で勝手にころころと表情を変えながら頭を振るルイズ。
「う、うん。そう! 剣よ。け、剣を買いに行きましょう」
「剣?」
「そっ、そうよ。ヒースが使う剣」
「それは願っても無いが。また唐突だな。大体明日は休日……虚無の曜日とやらだから、一日テクニックの修行に費やしたいと言っていたのではなかったか?」
 フロウウェンはセイバーを所持していたが、壊れればそれっきりだし、光り輝くフォトンの刃はこの世界では悪目立ちする。アカデミーの話を聞くに及んで、全く使う気が無くなっていた所だ。

131 :”IDOLA” have the immortal servant 6/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:24:17 ID:orIt456r
「気が変わったの。フロウウェンが私の力になれてないなんて思うなら、剣を持って、もっと私の役に立つべきなの! 間違ってる!?」
 一瞬、きょとんとした表情を浮かべたフロウウェンだが、次の瞬間にはルイズの言いたい事を理解していた。
 要するに、これはあんな風に「リコの方が良かっただろう」と言った、オレの言葉を否定したいのだ、と。
 それはそうだ。リコと面識のないルイズにしてみれば、使い魔である自分より力になれた人間がいた、などというのは無い物ねだりに等しく、面白くもない話であったに違いない。デリカシーの無い言葉で、傷つけてしまったかと反省する。
「いいや。確かにルイズの言う通りだな」
 ただ、フロウウェンの解釈は少しだけ間違っていた。確かにルイズにはその言葉を否定したいという思いもあるだろうが、実際の動機はもっとフロウウェンの事が知りたかっただけ。また、気を引きたかっただけなのだ。嫉妬や独占欲に近い感情なのである。
 だから、剣を買ってもっと役に立ってもらうというのも、ただの口実なのだ。
 最も、そういう感情にフロウウェンが気付いたとしても、ルイズに向ける暖かな眼差しに、幾分も違いは無かっただろうが。
 
 
 その頃、キュルケは自分の部屋で歯噛みしていた。
 授業が終わって寮に戻ってみれば、愛しの人はルイズとすぐに出て行ってしまった。フレイムに後をつけさせたが、学校を出て平原に行った時点で追跡と監視を諦めざるを得なかった。
 何せ見渡す限りの草原。図体のでかいフレイムでは嫌でも目に付くだろうし、フレイムを見られるという事はルイズが自分の監視に気付くという事だ。多分、タバサに頼んでシルフィードで上空から監視しようとしても駄目だろう。
 大概の男なら自分の魅力に夢中にさせられるという自負と自信と実績があるキュルケは、ルイズが当然するであろう邪魔立てを物の数に入らないと思っていたが、それでも意中の人に思いを伝える前から妨害されるのは面白くない。
 まずは既成事実を作ってからだ。そう考えていた。
「おじさまったらあのヴァリエールに付きっ切りなんですもの。きっとストレスが溜まっていらっしゃるに違いないわ。丁度、虚無の曜日の明日が勝負よね」
 そんな風に目算を付けて、キュルケはベッドの上で悶々としていた。結局、ルイズだけを引き離すような隙は、この日は見当たらなかった。


 キュルケは昼前に目覚めた。昨晩は虚無の曜日という今日が素晴らしい一日になるであろう事を夢想して、あまり眠れなかったのである。
当然、その間に「約束をすっぽかされた」とキュルケの部屋に訪れた者達がいたのだが、新しい恋ですっかり彼らへの熱が覚めていたキュルケは、無粋な訪問者を全て焼き焦がしていた。
 化粧を終えて、気が得ると、ルイズの部屋へ向かう。そしてノック。
 フロウウェンが出てきたらそのまま抱きついてキスをしてしまえばいい。
 ルイズが出てきたらどうしようか。その時はルイズを適当な理由をつけて連れ出せば、フロウウェンもついてくるに違いない。その時に隙を見てアプローチをかければ良いのだ。
 しかし、待てど暮らせどノックの返事はない。開けようとしたが鍵がかかっている。
 キュルケは迷わず『アンロック』を唱えて開錠。ためらいなく扉を開けて部屋の中に入っていく。校則違反とマナー違反を二つ三つやらかしていたが、全く気にしない。恋はキュルケにとって全てにおいて優先されるのである。
 だが、ルイズの部屋には誰も居なかった。ベッドが二つになっているのは、ルイズが先日運び込ませていたからだ。
 部屋の中を漁って、ルイズの鞄がない事を確認する。どこかに出かけたのかと窓の外を見回せば、今まさにルイズとフロウウェンが馬に乗って出て行こうとしている場面だった。
「なによ、出かけるの?」
 ルイズの部屋を飛び出し、向かうは親友タバサの部屋だ。
 数分後、タバサの使い魔、風竜シルフィードの背に跨りルイズとフロウウェンの乗った馬を上空から追いかける二人の姿があった。
 フロウウェンの名を出すと、あっさりとタバサが動いてくれた事が少し意外だ。
「興味がある」
 と、タバサは言った。
「あら? ライバル出現?」
「違う。主に、あの戦闘技術について」
 そういえばフロウウェンとギーシュの決闘の時もフロウウェンの体裁きについて勉強になると言っていた。
 キュルケはフレイムを使ってフロウウェンを見ていたのだが、実はタバサもまたフロウウェンをシルフィードの目を通して見ていた。
 当然、上空から監視する形のシルフィード側からはフロウウェンの周りにいたフレイムにも気付いていたのだ。だからタバサはフロウウェンの名を聞くだけでキュルケの用件を把握出来た。

132 :”IDOLA” have the immortal servant 7/7 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:24:48 ID:orIt456r
「それから、あの人は確かに魔法を使った。それにも興味がある」
「ああ、あれね。どんな効果があったのかは分からないけど、ゴーレムの周囲が少し光ってたわよね。すぐにゴーレムが壊されて消えちゃったけど」
 こくり、と頷くタバサ。その事に気付いた生徒や教師がどれだけいるかは分からないが、そう多くは無いだろう。
 詠唱も杖も無しに正体不明の魔法を行使する老人。しかも魔法無しでも相当というか出鱈目に強い。
 この時点で充分な規格外なのだが、それを言うなら主人であるルイズが充分な規格外なのだ。その使い魔であるなら、どんな非常識さを持っていてもキュルケは不思議はない、と思う。
 そのミステリアスさが、キュルケの情熱に火を点け、タバサの大きな目的をモチベーションとした向上心を刺激しているのであった。
 ともあれ、街につくまではする事がない。キュルケは気持ち良さそうに風を受け、タバサはいつものように本に視線を落とすのだった。

133 :”IDOLA” have the immortal servant  ◆GUDE6lLSzI :2008/06/24(火) 00:25:10 ID:orIt456r
以上で投下終了です。

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:30:37 ID:gYackFgi
IDOLAの人、乙です。

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:31:20 ID:sifuDZb3
ぷその人乙


DC久々に繋げようかなぁ・・・・

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:31:43 ID:zBD986Yg
ここしばらく投下ラッシュがつづくなぁ・・・・。いいぞ、もっとやれ。
GJですた。

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:42:20 ID:jnRx6KrY

良く出来た爺様だ

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:44:17 ID:goO5jAK6
ぷその人、乙です。
ゲームのほうは友達がやってるのを眺めてたぐらいなのでよく知らないのですが、
それでも十分おもしろいです。
続きが楽しみ。

ラヴィス=カノンは出てくるのかしらー?

139 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 00:48:48 ID:KyJuzrlS
どうもはじめまして。
職人の皆さんGJです。
ゼロの破壊大帝様です。
クロス相手はビーストウォーズリターンズからメガトロンを選びました。

投下よろしいでしょうか?

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:54:40 ID:c8p5sIUh
かもんかもん!

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:59:10 ID:KtnIoG3N
ウェルカム!!

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:59:25 ID:yMbl8OeQ
アドリブ大王キターーーーー!!
支援

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:59:38 ID:pXFUOiax
メガちゃん、頑張れ〜

144 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:03:15 ID:KyJuzrlS
セイバートロン星

今、この星を基点に全宇宙を無機生命体・マシーンズに作り替え、真の平和を築こうとした一体の破壊大帝が有機生命体ビーストコンボイに敗れ。
オラクルの再生により、共に黄泉の旅路に就いた。


「あ〜もしもし、ママ? 悪いんだけどさ。今夜行けそうにないのよ。
え、あ、いやそうじゃなくて今落っこちてるとこ。今度ばかりはやばいんじゃないかなぁ?
えっ? いや、だからマジでやばいんだってば!いくらビーストだからって洒落なんないくらいの高さなんだから。
ビーストでもやる時はやるんだよ!?お笑いばっかじゃないんだからそこんとこヨロシクゥ!
いやー、ビーストもあしがけ8年だよ。……まあ、役者としては楽しませてもらいましたよ。何たってね、世界初のフルCGロボットバトルアニメーションシリーズなんだから。
カナダで作ってんだよカナダで!ラブレター、フロムって半端じゃないんだから、でも今回のリターンズはきつかったな〜!
衣装変えさせられちゃってさー。ミノムシでしょ、デカアタマに変なハエにしまいにゃコンボイの着ぐるみだからね!
あんの着ぐるみが使い回しでさ、コンボイの汗の臭いが染みついちゃって……しかもあいつ毛深いじゃない?
だから一回着るとあっちこっちにヤツの抜け毛が絡まっちゃってさー。これだぁから有機生命体はヤなんだよねぇ〜。
えっ?今度はいつ来てくれるのって? いや、だから今度はないの!もう死んじゃうの!だからね、最後にママ。君に伝えようと思ってさ……。
俺、君のことずっと…………なんだよ!携帯切りやがったよ!ったくもー、もうこないと知ったらこれだからなー。いくら使ってやったと思ってんだまったく〜!



145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:04:14 ID:sifuDZb3
いきなりテンション高いなw

支援

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:04:47 ID:cWIYBi8C
このあとは〜
旅にグルメに温s

ビーストです支援

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:04:57 ID:KtnIoG3N
千葉トロン様ww

支援!

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:06:26 ID:yMbl8OeQ
千葉ボイスの脳内再生が凄まじ過ぎるwwww
支援

149 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:07:25 ID:KyJuzrlS
はぁ、はぁ……

まあ、オモチャも売ったし映画にも出たし恥ずかしい話も言ったし、ものまねもやったし。期待には応えられたんじゃないかな、うん。
悔いが残るとしたら部下に恵まれなかったことくらいかなぁ?
最後に残ったのが『ぶ〜ん、あーやられたー』じゃなぁ……。ま、どっかのゴリラと違って潔く散らせていただきますよええ。
待ってろよスコルポス!テラザウラー!インフェルノ!クイックストライク!ランページ!ランペー……あ、あら?
あと一人誰だったかなぁ。ほら、アイツだよアイツ。パラリラパラリラ言ってたあの…何だかなぁの阿藤さんじゃなくて…あーもうイライラすんなぁ!
ちょっと死ぬの中止!……ストップって言ってんじゃん!
ほー!?もう時間が無いよ無いよ!
あかさたなはまやらわ、あかさた……た?あ、そうだ!『た』だよ『た』!
『たかはし名人』?『たかじん』?……タラちゃん……あーそうだ!タランスだタランス!
あ、あ、アッーースッキリしたあぁぁぁぁぁ!」

しかし、彼がそのまま黄泉に旅立つことはなかった……。
それは、呼び寄せられたからだ。

「え、次の現場?今度こそ主役?マジ!?」






150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:09:26 ID:yMbl8OeQ
>>「え、次の現場?今度こそ主役?マジ!?」
さっそく腹が痛いwwww
支援追加あああ!

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:09:40 ID:pXFUOiax
祝、メガとゃん主役!
支援

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:10:42 ID:KtnIoG3N
こっちも支援追加!
千葉トロン音頭!!

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:11:03 ID:gGrFeERA
鋼の人、MtZの人、PSOの人、乙!
読ませる文章で魅力的なのが連続で来てくれる。今日は嬉しい日だ。

>破壊大帝の人
ワルサーP38だった頃の面影が壊滅してるのが悲しいやら笑えるやらw

154 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:12:37 ID:KyJuzrlS
広大な草原が拡がる景色の中、白いシャツに黒いスカート、さらに黒いマントを羽織った桃色のブロンドヘアーの少女が目の前に現れた存在を見て。
信じられないという表情でいた。
「ウソ……。」


そう言いたいのは彼女だけではない。
彼女と同じような服装の少年、少女達が本当に信じられないといった表情でそのモノを見ていた……。

それは、美しく妖しい程に輝く赤色の金属の身体を持つドラゴンであった。
大きさはゆうに10メイル以上あろう。

「嘘だろ、ゼロのルイズが!?」
「何かの間違いよ!ゼロのルイズなのに。」

口々飛び交う、有り得ないという反応にルイズと呼ばれた少女は表情を険しくして彼等に叫ぶ。

「私が召喚したんだから間違いないわよ!!それにゼロって言うな!!」

「やかましい!さっきからペチャクチャペチャクチャうるせぇんだよ!!」

突然、機嫌の悪そうな中年男性のような声が辺りに響く。
発言したのは先程まで倒れていた輝くドラゴンからであった。が……それよりもルイズや回りの皆はドラゴンを食い入るように見ていた。


「しゃ……しゃべった……。あんた喋れるの!?私すごい!喋れるドラゴンを召喚できるなんて!!」

「喋れるに決まってんだろ!こちとらこの業界何年やってると思ってんだ!新人はな、アフレコ始まる前に先輩のことを調べておくものだぞ……って、なんだこの世界遺産に出てきそうな自然ー!!
それに俺様死んだはずだぞ!まったく、恥ずかしい話とモノマネ大会終わらせて爽やかスッキリに打ち上げに行こうとしたのになんで俺はお猿に囲まれてんだよ!
身体もメタルスに戻ってるし、俺様が日光猿軍団に入るとか浮くだろーよ普通!」
巨体を起こしながらまくし立てるようにいろいろなことを口走るドラゴン。『猿』と問題発言するも、ルイズを含めた回りの皆は感情豊かに喋り、キュイーンとかいう妙な音を立てて動き回る彼を興味津々と見ていた。




155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:14:03 ID:sifuDZb3
跳ばしているなw

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:15:39 ID:KtnIoG3N
メ ガ ちゃ んwwww

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:15:50 ID:nzgBrXnC
テンションに差がw支援

158 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:18:41 ID:KyJuzrlS
そこでルイズはどうにか頭を冷静に持って、ドラゴンに歩み寄って声をかける。
「ちょっとアンタ……」
「何だ?」

「私はルイズ・ラ・ヴァリエールよ。アンタの名前は?」

名前か……デストロン終わっちゃったしなぁ。まあ、名前だけで良いか。
「フン、人間が偉そうな態度だな。ま、知りたいなら、よく耳をかっぽじってちゃぶ台!あ、俺様はメガトロンよ!」

「メガトロン……分かったわ。アンタは私がこの春の使い魔召喚の儀式で召喚したの。」
「ヤ○ザキ春のパンまつりみたいなアレか。」
「そうよ白いお皿を当てるの。って違う!」


「いきなりフレームイン。こ、これは。驚きました……」
そこに男性に声をかけられ、メガトロンは振り向く。
自身を囲むように出来ていた人垣の一部がサッと身を引いて道を作り、興味津々そうに声の主が歩み寄ってくる。
「ふむ、自我をもって自立している……竜ならまだ解りますが身体が金属物質で出来ているとは今まで見たことがない……。」

興奮しているのかボディに触れる手を震わせながら男性は解析しはじめる。が、メガトロンにとっては少し嫌なものであった。

「おいハゲ!俺様の台詞読んでんじゃねえよ!しかもジロジロと見てきやがって……吹き飛ばされたいのか!」
苛立ちが募り、大きな口でメガトロンは男性を突き放す。
その行動にルイズはとたんに騒ぎはじめる。

「ミスター・コルベール!?め、メガトロンあんた何てことすんのよ!」

と食ってかかるが正直メガトロンには意味が解らなかった。
「やかましいわよ!お猿が俺様に命令するな!」
「な、さ、猿って……あたしはアンタのご主人様なのよ!?」



159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:19:23 ID:Lk3X/8iB
支援

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:19:42 ID:n4M0WQB0
パン祭支援

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:21:43 ID:yMbl8OeQ
コッパゲ自重しろww
支援

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:23:49 ID:pXFUOiax
おまけの白いお皿、支援

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:24:53 ID:bdY4RYzM
支援
>>153
ご心配なく、このメガちゃんと初代メガトロン様は別人です
種族や体の構成も違うんですよ

164 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:26:13 ID:KyJuzrlS
「なんだそっかー♪と大喜びして従うと思ったら大間違いだ!なんでもかんでもご主人様と言えば燃えさせれると思ってんじゃねーぞピンキー○モ!」
「カッチーン!それって色だけじゃない!」


そして、木陰で座っていた一人の青いショートヘアの少女がいた。名はタバサ。
彼女は赤い金属ドラゴンの姿を見て。読んでいた本を思わず閉じてしまっていた。

「破壊のドラゴン……」

セイバートロン星で役目を終えたはずの破壊大帝はかつての身体に戻り、異世界に降り立った。




次回予告

メガトロン「いやぁ、まさかオファーくるなんて思わなかったなぁ。」
ルイズ「フン、召喚した私に感謝しなさいよメガトロン。」

メガトロン「へーへー。それにしてもあれだね。君、良い演技してたよ。」
ルイズ「あ、本当ですか?あざーす!」
メガトロン「でも、主役は俺だよ?」
ルイズ「いや、私だから。」

メガトロン「次回、赤眼のシャ−−
ルイズ「違うから、ゼロの使い魔だから!第2話「ゆうきぶついっぱい!」」
メガトロン「それにしても君も光ってるモン持ってるよ、うん。」
タバサ「あはは、ありがとうございまーす♪」

メガトロン「でも、主役は俺だよ?」
タバサ「それはどうかな……。」
ルイズ「だから私だって。」
メガトロン「……てめぇら、事務所はどこだー!?」
ルイズ「ちょ、ベテランが虐めるー!」



165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:29:10 ID:96rdf9Wq
>>163
ビーストウォーズメタルス終盤、初代のスパークを吸収した
ビーストメガトロンと認識したけどよいかな?

166 :ゼロの破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:29:16 ID:KyJuzrlS
以上です。

とりあえず小ネタとしてやって行こうかなとw
ビーストウォーズ見直しながら書くので時間掛かりますが。
支援ありがとうございます皆さん。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:31:00 ID:r88enOIV
メガトロン乙wwww事務所吹いたwww頑張れ釘宮、柚木さんなんか
これがデビュー作なんだぜ! とんでもねえぜ!

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:31:37 ID:KtnIoG3N
GJ!
あんたらメタ発言ぶっ放しすぎやww

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:32:41 ID:bdY4RYzM
投下乙でした
何というギャグ展開
コレは間違いなく千葉トロン

>>163
初代メガトロンのスパークはセイバートロン帰還前に
ちゃんと返したそうですよ


170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:32:58 ID:gpyjgPVG
書きながらの投下は止めれ

171 :くろありー:2008/06/24(火) 01:33:26 ID:Yq4azC/E
おおう。
投下ラッシュ気味だったのかな?
破壊大帝様乙
他に投下される方がいなければ、黒蟻の11話投下したいと思いまする
ちょっと間を空けて40分くらいからにしとこうか

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:33:59 ID:KtnIoG3N
おけーい。
どんとこーい!

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:34:09 ID:vxId5o8W
今日はいっぱい読めて嬉しいな

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:35:02 ID:pXFUOiax
GJ!
メガちゃん、異世界来てもノ〜リノリww

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:35:14 ID:yMbl8OeQ
ウェストの方といいあなたといい、
どうしてこう暴走ギャグキャラの再現が上手いんだwwww
とにかく乙です。

176 :破壊大帝:2008/06/24(火) 01:36:17 ID:KyJuzrlS
>>170

すいません。文章が長かったので規制喰らってました。書きながらではありません。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:38:29 ID:Yvme2NKr
なんという投下ラッシュ・・・皆さん乙です、今夜は眠れない\(^o^)/

178 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:40:01 ID:Yq4azC/E
では投下開始します

「あそこに見えるのがフーケが入って行ったという小屋です」
ロングビルが指差す先には、一軒の粗末な小屋が建っている。
小屋も建っているし、あたりの木は疎らで、ここが人の手の入った森なのだとわかる。
だからこそ目撃者もいたのだろう。
ロングビルの後ろには、キュルケ、タバサ、そしてデルフリンガーを背負ったルイズと続いている。
結局ルイズはあれから今まで押し黙ったままだった。
いろいろと考えなければならないことがあった。
本当に蜘蛛の魔剣はシュラムッフェンなのか。シュラムッフェンだとしたら何故オスマンは使い方が解らないのか。肝心のフーケは使えるのか。
蜘蛛の魔剣の特徴は、明らかにそれがシュラムッフェンだと物語っている。
ならば、もしフーケがそれを持って現れた場合どうするのか。逃げるしか出来ない。先程はそう言ったが、逃げることは出来るのか?
出来ないならば今すぐ退くべきではないか。
しかし、もし本当にシュラムッフェンならばフーケのような悪党の手に在るという事態は最悪だ。
やはり取り戻さなければ駄目だ。
なんだかんだと言っても、罅を入れたのは自分だ。責任を取らなくてはならない。
「おい相棒。これから戦いって時にうだうだ悩んでると、ろくなことになんねーぜ」
「デルフ……」
デルフリンガーが声をかける。
「相棒は、その心当たりって奴じゃないかと心配してる見てーだが、まぁそん時は俺を使え。きっと俺のほうが魔剣度合いじゃ上だ」
「何よ、魔剣度合いって」
デルフリンガーは思いつめた顔をしているルイズを気遣っての軽口を叩いているのだろう。
だが、ルイズの心当たりはそんな生易しいものではない。
ただ、別物であることを祈るばかりだ。
しかし別物だったら、ロングビルの語った特徴は何なのだ。偶然の一致?
それにもし蜘蛛の魔剣に村一つ皆殺しにするような力がなければ、それはオールド・オスマンが村一つ皆殺しにしたと言うことになるのか?
(切り替えなくちゃ)
ルイズは必死に胸中に渦巻く詮無き思考を振り払う。
シュラムッフェンであるならば放っておくわけにはいかない。そうでないなら、余計なことなど考えずただフーケを捕まえるだけだ。


179 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:40:43 ID:Yq4azC/E
「あの中にフーケがいるのかしら」
キュルケが声を殺して言う。
「偵察が必要」
タバサは端的に言う。
ただでさえ危険な盗賊が強力なマジックアイテムを持って待ち構えているかもしれないのだ。全員で行ったら全滅の可能性もある。
しかし、ならば誰が行くかという問題。
「偵察なら……私がするわ」
名乗りを上げたのはルイズだった。
「あんたがそんなことで切るの?」
そんなキュルケの言葉を無視して、ルイズは羽蟻を一匹だし小屋へと向けて飛ばす。そして手元には女王蟻。
謹慎期間中に覚えたばかりの羽蟻を使った偵察。
羽蟻は一直線に小屋へと飛んでいく。
「…………」
「なに? 感覚は共有しているの?」
キュルケが聞く。
「してないわよ。……誰もいないみたいね」
「やっぱりしてるんじゃない」
「煩いわね。面倒だから詳しくは説明してやらないけど、蟻同士で信号のやり取りをしてんのよ」
ルイズは面倒そうに言う。
違う場面であったなら蟻たちの力をこれ見よがしに自慢していそうなものだが、今はそんなことにかまけている場合じゃない。
これから起こり得る事態に対しての緊張で一杯一杯だった。
「誰もいない?」
タバサが確認する。
「取り敢えずあの小屋の中に人間、動物、いないわね。それ以上のことは解らないけど」
「それで十分。戻ってこないうちに小屋へ行く」
タバサがそう提案すると、ロングビルも、
「でしたら私はフーケが戻ってこないか周辺を警戒しておきましょう」
そう提案する。
3人はそれに頷き、ロングビルが森の中へ徒歩を進めるのを確認した後、小屋へと歩いていった。
「あ、そうだ」
唐突にルイズが口を開く。
「ミス・ロングビルがいるうちに言っておくべきだった……。まぁ別行動なら大丈夫かな? 運次第か……」
そんな前置きをして、
「タバサ。ちょっと相談しておきたいことがあるんだけど」
タバサに話を持ちかけた。



180 :破壊大帝様:2008/06/24(火) 01:41:02 ID:KyJuzrlS
支援します。

181 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:41:25 ID:Yq4azC/E
「デルフはここで外を見張ってて頂戴。何かあったら大声で呼んで」
ルイズはそう言うと扉の近くにデルフリンガーを立てかける。
「おう。相棒も気をつけろよ」
デルフもそれを承諾する。
剣として使うのにはルイズは未熟だが、剣ではなく魔剣なら他の使いようもあるということだ。
「鍵はかかっていないみたいね」
そう言うとキュルケが扉を開ける。
中にはやはり誰もいない。狭い部屋の中央に、粗末なテーブルが置かれている。そしてその上に箱。
如何にもといった雰囲気の箱。
「あれって……」
宝物を納めているような煌びやかな雰囲気はない。むしろ頑丈そうな、剛健さだけが特徴と言った箱。
それが普通の宝物ならともかく、蜘蛛の魔剣の逸話を踏まえれば如何にもだ。
蜘蛛を外に出さないための、閉じ込めておくための檻。
部屋に入ってすぐディテクト・マジックで室内を調べていたタバサが、それが済んだらすぐに箱へと手をかける。
魔法の罠が仕掛けれれているということはないらしい。
「あった」
タバサが言う。
「蜘蛛の魔剣」
呆気なく言うタバサに、ルイズとキュルケが後ろから箱を覗き込む。
そこには一匹の巨大な蜘蛛がいた。
いや、蜘蛛ではない。それは彫像。
そして、タバサが手を伸ばす。すると、蜘蛛の足がわきわきと動きタバサの手に絡みつく。そして、その尻から糸のような刀身が伸びる。
「うわぁ、気持ち悪い」
キュルケは思わず率直な感想を漏らす。
「蜘蛛の魔剣。間違いない」
タバサは己の手に気味の悪い蜘蛛が絡み付いていることなど意にも介さず淡々と言う。
間違いない。
モッカニアの本の中で見たシュラムッフェンと同一の代物だ。
ルイズはほっと胸を撫で下ろす。
こんなものは存在しないほうがいい。しかし存在する以上、フーケの手に握られることなくこちらで抑えることが出来たのをよしとしよう。
「ルイズ。結局これってあなたの心当たりと同じものなの?」
キュルケが聞いてくるが、
「……そんなこと、フーケに使われずに押さえる事が出来たんだからどうでもいいじゃない」
答えてやるつもりはない。
詳しく話せば、どこでその知識を得たのかと言う話になる。それは言えない。
命の危険が差し迫っているのならともかく、そうでないのならモッカニアの『本』に繋がるようなことは言うべきではない。
「いいじゃない。けちけちせずに教えなさいよ」
キュルケがそんな風に言ってくるが、それを完全に無視するルイズ。
「全く。何を勿体振ってんだか。……で、タバサ。どう? 蜘蛛の魔剣」
ルイズのそんな態度にキュルケはやれやれと首を振り、タバサのほうへと水を向ける。
「魔力は感じる。……ものすごく。でも……」
タバサは途切れ途切れに言う。
だが、その続きを言うことはできなかった。
「相棒! ゴーレムだ!」
デルフリンガーの叫びがそれを遮った。


突然屋根が吹き飛んだ。
そしてその後を、巨大な質量が通り抜けた証の風圧が襲う。
「外よ! ここにいたら建物ごと潰されるわ!」
キュルケが叫ぶ。
ルイズとタバサもその言葉に従って外へと飛び出す。



182 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:42:56 ID:Yq4azC/E
キュルケは外に飛び出すとゴーレムを見上げた。
大きい。
やはり間近で見るのは違う。
しかし大きさはどうでもいい。どうでもよくはないが、それよりも肝心なことがある。フーケ本人がどこにいるかだ。
昨夜の戦闘で、ゴーレム自体をどうこうするということがほぼ絶望的であることは悟っている。
ならばフーケ自身を叩くしかない。昨夜はゴーレムの腕によってガードされたが、そのガードを掻い潜ることがフーケ打破への必須条件。
しかし、そのフーケの姿が見えない。
(やられたわね)
遠隔操作。
昨夜のようにゴーレムの上に乗るのではなく、どこか離れた場所で操作している。
だが、それほど遠い場所にいることはあるまい。こちらが見える場所にいるはずだ。そうでなければゴーレムの操作ができない。
ならば、勝機はロングビルか。
自分たちとは別行動をとっているロングビル。
ゴーレムの注意がこちらに向いているうちに、ロングビルがフーケ本人を叩いてくれることを期待するしかないか。
しかし、ロングビルが既にやられている可能性もある。
「フレイム・ボール!」
キュルケがゴーレムに向けて魔法を放つ。火の系統2乗分の火球がゴーレムへと向かう。
とりあえず足止めだ。足止めしてロングビルに期待するか、なんとか、一人ここから離脱してフーケを探しに行く必要がある。
「ファイヤー・ボール!」
キュルケの行動に触発されたのかルイズが魔法を唱える。キュルケの唱えたフレイム・ボールより1ランク下の火球の呪文をルイズは唱えた。
だが、当然火球がゴーレムへと向かって飛ぶわけではない。いつものように爆発が起きる。だがそれは都合よくゴーレムに直撃した。さすがに、これだけ大きな的なら外れはしない。
キュルケの火球もルイズの爆発も直撃した。だがそれはゴーレムに対して幾許の効果もあげることはできなかった。
キュルケの火球はゴーレムの身をわずかに焼いた。ルイズの爆発によってゴーレムの一部が爆ぜた。
(悔しいけど、威力はルイズのほうが上なのね)
キュルケはゴーレムの破壊状況を見てとる。
昨夜も言ったとおり、ルイズが戦力として爆発をみなすなら距離を手に入れる必要がある。逆にいえば遠くに当てられるようになりさえすれば攻撃手段として十分計算が立つ。
特に目の前のゴーレムのような相手には、キュルケの炎よりは効果的だ。そのエネルギーを熱という形で持つキュルケの魔法より、より純粋な破壊を行うルイズのほうが土系統の相手には有効だろう。
キュルケも、材質や質量によっては土系統だろうと存分に相手をできる自信はあるが。フーケのあまりもの巨大質量は相性がいいとは言えない。
しかも、キュルケとルイズの相性の差など関係がないと言わんばかりに、そのどちらの破損も再生して見せるゴーレム。
ゴーレムの足元に広がる地面。それはゴーレムの身体と同じ。フーケの魔力が尽きない限り、それを材料にいくらでも再生してしまう。
「エア・カッター」
タバサがルーンを唱える。
だが、何も起こらなかった。
なぜ何も起こらなかったのかと、キュルケがタバサのほうを向くと、その手には蜘蛛の魔剣が握られていた。
タバサはその後もルーンを唱えずに振ってみたりもしていたが、どうにも発動させられないらしい。
「持ってて」
そう言うと、ルイズに蜘蛛の魔剣を渡してしまった。
一発逆転のチャンスがあるとすれば蜘蛛の魔剣だと思ったが、それも無理だったようだ。
打つ手なしか。
いや、ルイズには何か心当たりがあるようだった。ならばルイズは使えるのか?
しかし、それも期待できない気がする。
ルイズの心当たりがたとえ当たっていたとしても、それがこの場にふさわしいものとも限らない。
風の魔法も決して土に対して相性がいいとは言えないのだ。
特に風の刃を使った魔法は硬いものには通用しない。フーケがトライアングル以上なら、いざという時、部分的にでもゴーレムをより硬い物質に変えてしまうかもしれない。
それに、材質が土のままだったとして目の前のゴーレムに対してどこまで深く切り込めるかもわからない。
切り落とせるならともかく生半可な切れ目では、再生にどれほどの時間もかからない。
やはり期待できないか。
キュルケはそう判断すると、タバサに眼で合図を送る。
タバサはこくりとうなずくと、ルーンを唱える。

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:43:16 ID:ked6lpSy
今日はすげー日だな(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
しえん

184 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:44:44 ID:Yq4azC/E
「エア・ストーム」
巨大な竜巻を発生させるその魔法は、ゴーレムをなんとかその場に釘付けすることに成功した。
ただ、これはトライアングルスペル。そう連発できるものでもない。
「タバサ! シルフィードを! ルイズはそれをちゃんと持ってて! それさえあれば任務の半分は成功なんだから」
キュルケは叫ぶ。
とりあえず一度空へ退避。それで体勢を立て直そう。
その後、なんとか気付かれぬように一人降下させて、フーケ本人を叩く。ロングビルを期待して3人で上空からけん制するのもありだろうが、打てる手は打つべきだ。
降下するのは本来なら、風を読んで敵を探すことのできるタバサが適任ではあるが、シルフィードの操縦もある。ルイズと自分ではルイズのほうがゴーレムに対する相性もいいことあるし、自分が降りるべきだろう。
そんな風に考えながらシルフィードに乗るキュルケ。
全員のっていることをタバサが確認すると、シルフィードは上昇を開始する。
しかしそこで信じられないことが起きた。
上昇する寸前。ルイズがシルフィードから飛び降りたのだった。


タバサは小屋から外に飛び出しながらも頭の中にいくつかの疑問が渦巻いていた。
なぜ自分たちはまだ死んでないのか。
屋根を吹き飛ばすことができたなら、屋根ごと自分たちを叩き潰すこともできていたはずだ。
しかしそれをしなかった。
中に蜘蛛の魔剣があったから?
しかしそれなら、そもそも何故蜘蛛の魔剣を置いたままにしてあったのか。
いくらなんでも気を抜くには早すぎる。昨日の今日だ。
罠、なのだろう。追手を殺すための。
しかし罠にしても、せっかく奪った秘宝そのものを餌にするのはどうなのか。
タバサは己の手の内にある物を見る。
蜘蛛の魔剣と呼ばれるこれから、恐ろしい力を感じるのは確かだ。
だが、先程からいくら魔力を込めようと、うんともすんとも言わない。
ここで一つ閃く。フーケもこれを使えなかったのだ。だから餌につかった。
いや、それも無理があるか。
仮令マジックアイテムとして使えなくても、仮令タバサが感じている魔力など実はなかったとしても、これには別の価値があるのだ。
オールド・オスマンの弱み。それは金額にすれば如何ほどのものなのだろう。兎に角、フーケがこれを置き放しておく理由はない。
しかし、今、蜘蛛の魔剣はタバサの手の内にある。
暴走の危険性を考えれば自重するべきかとも思ったが、目の前にあるあまりに強大な力を感じさせるそれに、タバサの好奇心は止まらなかった。
もしこれが、曰く通りの力を持ち、そしてそれを己の意のままに操ることができるなら……。
己の宿願を叶えるための重要なピースになるかもしれない。
タバサは己に限界を感じていた。そうは言えど、魔法の力ならまだ成長する余地はあると信じている。
だが、それがどうしたというのだ。
今以上の魔力を手にいれスクウェアになれたとする。それがどうしたというのだ。
敵も系統魔法。
その配下にはスクウェアクラスも片手に余るほどいるはずだ。
いざ決起の時となれば、その中にも何人か自分の見方をする者もいるかも知れない。だが、それで埋まるほど彼我の戦力差は生易しいものではない。
それに、系統魔法だけではないのだ。
母親の身に降りかかっているアレは、系統魔法以外の何かだとしか思えない。
ならば、己にも系統魔法以外の何かが必要なのではないか。何か得体のしれない力にでも頼らなければ、到底宿願には届かないのではないか。

185 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:46:17 ID:Yq4azC/E
「フレイム・ボール!」
キュルケがゴーレムに向けて魔法を放った。火の系統2乗分の火球がゴーレムへと向かう。
「ファイヤー・ボール!」
それにつられたようにルイズもルーンを唱えた。キュルケのものより1ランク下の火球の魔法。
だが、当然火球がゴーレムへと向かって飛ぶわけではない。いつものように爆発が起きる。だがそれは都合よくゴーレムに直撃した。さすがに、これだけ大きな的なら外れはしない。
キュルケの火球もルイズの爆発も直撃した。だがそれはゴーレムに対して幾許の効果もあげることはできなかった。
キュルケの火球はゴーレムの身をわずかに焼いた。ルイズの爆発によってゴーレムの一部が爆ぜた。
だが、それが如何したと言わんばかりに、ゴーレムはかけたその身をすぐさま再生して見せた。
ゴーレムの足元に広がる地面。それはゴーレムの身体と同じ。フーケの魔力が尽きない限り、それを材料にいくらでも再生してしまう。
圧倒的な質量。
圧倒的な兵力。
数の力というのは残酷だ。
タバサの力はその差を何とか覆そうという方向のものだ。
仮令己一人という最少の兵力しか持たなくても、最小の力で最大の効果を得る。そういった効率的な方向にタバサの力は成長している。
タバサの戦い方はどちらかといえば暗殺者のそれに近い。
しかし、その針のように研ぎ澄まされた力が、あの男まで届くのか。
「エア・カッター」
タバサはルーンを唱える。
しかし手元の蜘蛛はルーンにも反応を示さない。
力が必要なのに。目の前に強大な力を確かに持っているはずの物があるのにそれを使えない。
歯がゆい。
力を手に入れるには……。
タバサはルイズを見る。
彼女には何かがある。タバサはそう思う。
たかが知れている差ではあるが、ゼロでありながらドットを打ち破った。
異質な使い魔。
突如、剣を振り出すという、系統魔法の力とは違うものを求める姿勢。
そして、先程の蜘蛛の魔剣について何か知っているような態度。
「持ってて」
タバサはそう言って、ルイズに蜘蛛の魔剣を手渡す。
ルイズなら使えるのかもしれない。
いや、使えたとしてもその力がこの場面で役に立つとは限らないか。
キュルケが眼で合図を送ってきた。
タバサはそれを以心伝心で察知する。
タバサはゴーレムへと杖を向け、ルーンを唱える。
「エア・ストーム」
巨大な竜巻を発生させるその魔法は、ゴーレムをなんとかその場に釘付けすることに成功した。
しかし、これはトライアングルスペル。そう連発できるものでもない。
結局、自分の力は目の前の圧倒的な質量相手にも足止め程度にしかならない。
「タバサ! シルフィードを! ルイズはそれをちゃんと持ってて! それさえあれば任務の半分は成功なんだから」
キュルケは叫ぶ。
ここは生きて帰ることこそが大切だ。
己の命。親友であるキュルケの命。そして己の可能性になりうるかもしれないルイズの命。それを無事に持ち帰ることこそが重要だ。
蜘蛛の魔剣は己の宿願を叶える重要なピースになるかもしれない。
それと同じように、ルイズが重要なピースになるかもしれない。
そんな風にタバサは考えていた。
タバサは全員のっていることを確認すると、シルフィードを上昇させる。
しかしそこで信じられないことが起きた。
上昇する寸前。ルイズがシルフィードから飛び降りたのだった。



186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:46:27 ID:t4Y+Sj1L
支援

187 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:48:35 ID:Yq4azC/E
ルイズは小屋から出ると、意味はないかと思いながらもデルフリンガーを引っ掴んで小屋の外の開けた場所まで駆けていく。
そしてその目の前にそびえるゴーレムの威容に思わず思考が止まる。
あの夜。初めは遠くから見た。その後上空から見た。
そして今。その真下から見ている。
大きい。まずそんな言葉が頭をよぎり、そして次によぎるのは「勝てるのか?」という疑問。
蜘蛛の魔剣のことばかり考えていた。もしそれがシュラムッフェンなら、使われたらそれで終わりだ、と。
とんだ間抜けだ。蜘蛛の魔剣など関係なく、端から自分に勝ち目などなかった。黒蟻、爆発、肉体強化。どれ一つとして目の前のゴーレムをどうこうするような力はない。
「フレイム・ボール!」
隣に立つキュルケがゴーレムに向けて魔法を放つ。火の系統2乗分の火球がゴーレムへと向かう。
「ファイヤー・ボール!」
キュルケの行動にルイズは我に返る。うだうだと考えている場合ではない。ファイヤー・ボール。キュルケの唱えたフレイム・ボールより1ランク下の火球の呪文をルイズは唱えた。
だが、当然火球がゴーレムへと向かって飛ぶわけではない。いつものように爆発が起きる。だがそれは都合よくゴーレムに直撃した。さすがに、これだけ大きな的なら外れはしない。
キュルケの火球もルイズの爆発も直撃した。だがそれはゴーレムに対して幾許の効果もあげることはできなかった。
キュルケの火球はゴーレムの身をわずかに焼いた。ルイズの爆発によってゴーレムの一部が爆ぜた。
だが、それが如何したと言わんばかりに、ゴーレムはかけたその身をすぐさま再生して見せた。
ゴーレムの足元に広がる地面。それはゴーレムの身体と同じ。フーケの魔力が尽きない限り、それを材料にいくらでも再生してしまう。
圧倒的な質量。
ルイズの頭にボンボ・タータマルが浮かぶ。
武装司書の一人。彼も圧倒的な質量を武器としていた。彼の魔法の特殊な事情さえなければ、ユキゾナと並んでハミュツの後任候補に数え上げられてもおかしくない力を持つ。
モッカニアは迷宮や巨大構造物など入り組んだ地形でならば最強と言われていた。
そうでない平地などでも十分強い。並の武装司書では平地だろうと敵いはしないだろう。
しかし、壁、天井と3次元的に蟻を這わせることができる点、敵の攻撃をよけながら蟻を放ち続けるというモッカニアの戦法に適した遮蔽物、そしていざとなれば立体的にその場を埋め尽くすことができるという点。
これらの理由で、迷宮のような入り組んだ場所では無敵そのものだった。
ハミュッツとの戦いも、シュラムッフェンさえなければモッカニアの圧勝だっただろう。
ボンボもモッカニアのように己の得意とするフィールドであれば無類の強さを発揮するタイプの武装司書だった。
ボンボの得意としたフィールドは海上。
15匹の巨大なクジラを自在に操り、あまつさえそれに空を飛ばしてみせる。それがボンボの魔法権利。クジラが空から海中に飛び込めばその波だけで船が転覆する。そして、何物にも追撃を許さない海中という逃げ場。
その力は一国の海軍力に匹敵した。
ルイズはつい最近もてあました退屈な時間で、ある思索にふけっていた。
綺羅、星の如く居並ぶ武装司書たち。尋常ではない力を持った彼らの中でモッカニアに勝てる者はいるのか?
バントーラ図書館の地下に広がる巨大な迷宮の中では無敵だろう。初めから、武装司書の中でもトップクラスの近接戦闘の力を持つ者に近付かれているような状況でも仮定しなければ負けようがない。
海上では? モッカニアの力は海上ではほとんど無力だ。一つの船を制圧することは容易いが、他の船から遠距離で攻撃でもされればすぐ沈む。ボンボなどとは比べるべくもない。
ならば平地は? 接近戦については迷宮と同じ。一握りのトップクラスの近接戦闘力を持つ者には、距離を取る前に負けてしまう。
だが、距離をとれれば? 相手に接近を許す前に大量の蟻を放出することができるなら。やはりほとんどの武装司書に勝てるだろう。得意とは言えない開けたフィールドでも、やはり最強に近い存在だ。
だが、迷宮と違って無敵とは言えない。片手の指にも足りない程度ではあるがどっちに転ぶか判らないような相手もいる。それとは別に、平地では絶対に勝てないという相手も、二人いる。
一人は館長代行、ハミュッツ・メセタ。
そしてもう一人がボンボ・タータマル。

188 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:49:41 ID:Yq4azC/E
ボンボも海ほどに平地を得意としているわけではない。海とは違い上から攻撃で来ても下から攻撃することができない。単純に攻撃機会は半分だ。
それでもモッカニアにはボンボに対抗する手立てがない。
飛行機からの爆撃すら回避して見せるモッカニアだが、爆撃がモッカニアに対して効果のない攻撃かといえばそんなことはない。むしろ効果的だ。
黒蟻の魔法は防御には使えない。距離こそが鎧で、実際に相手の攻撃が届いた場合は強化された肉体で対応するしかないのだ。
爆撃のような面の攻撃。それが、より広範囲に広がり、より精密に行われたなら……。
ルイズが見つけたモッカニアの弱点。圧倒的な質量攻撃。
それを踏まえて現在の状況を鑑みる。
フィールドは平地とは言えないが、まばらに生えた木々はゴーレムにとってはさして影響はないだろう。
敵はボンボのクジラ1匹分ぐらいの大きさか。空は飛ばないのがせめてもの救いか。
そして自分は。未だに操れる蟻の数はせいぜいが20といったところ。モッカニアのそれの、10億分の1にも満たないだろう。
どうにもならない。
ルイズは歯噛みする。
どうにもならないことに対してではない。どうにもならないことが事前に解ってて然るべきだったのに、考えなしに今の状況に陥っていることに。
「エア・カッター」
タバサの声がする。
だが、何も起こらない。
「持ってて」
タバサがそう言うと、ルイズに蜘蛛の魔剣、常笑いの魔刀・シュラムッフェンを手渡した。
そして、自分の杖に持ち替えると、
「エア・ストーム」
別の魔法を唱える。
巨大な竜巻を発生させるその魔法は、ゴーレムをなんとかその場に釘付けすることに成功した。
ルイズは己の手の中にあるものを見る。
常笑いの魔刀・シュラムッフェン。
これならばゴーレムにも勝てるのではないか? むしろゴーレムを倒し得る手段はこれ以外にあり得ないのではないか。
しかし、使ってしまっては、ルイズの心当たりが正しかったと知られれば、その心当たりはどこで得た知識だという話になる。それは困る。
困るのだが……。
「タバサ! シルフィードを! ルイズはそれをちゃんと持ってて! それさえあれば任務の半分は成功なんだから」
キュルケが叫ぶ。
シルフィードが舞い降りた。
そう。これを持ち帰れば任務の半分は達成だ。フーケのような悪党にシュラムッフェンが渡るという最悪も避けられる。
そして、後は心当たりについて「思い違いだった」と言えばルイズが詮索されることもないだろう。
フーケを捕まえることこそ出来ないが、十分といえば十分だろう。
3人がシルフィードに乗る。
だが、シルフィードが飛び立とうとしたその瞬間、ルイズはそこから飛び降りた。

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:50:07 ID:ked6lpSy
しえんしえん

190 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:50:39 ID:Yq4azC/E
「あ、相棒! ここは逃げの一手だろうよ!」
デルフが叫ぶ。
「ちょっと馬鹿ルイズ! 何やってるのよ!」
キュルケも叫ぶ。
タバサも、1度上昇したシルフィードをなんとか御して、再び下降させようとする。
だが、その前にエア・ストームの効果が消え、ゴーレムが自由を取り戻したことにより、それは叶わなかった。
ルイズはイラついていた。
考えなしの自分にいらついていた。
その実、「最近私ってよく考えて行動しているわよね」なんて言う風に実は思っていたことにもイラついていた。
そして先ほどのタバサにもカチンときた。
「持ってて」などと言い、シュラムッフェンをルイズに渡したタバサ。
同じくキュルケの「それちゃんと持ってて」という言葉にも。
(お前は役に立たないから荷物持ちでもしてろ、とでも言いたいの!)
彼女らに他意はない。ただ、任務の上で重要なものだからきちんと持ってるように言っただけだ。
だが、カチンと来たものは来たのだ。
タバサを見て何故オスマンもタバサも、そしておそらくフーケもシュラムッフェンを使えないのか理解した。
こんな簡単なことも分からない連中のせいで右往左往しているのかと思うと、それも腹が立つ。
(もういいわよ! どうせ考えなしなんだから考えなしにやってやるわよ!)
「デルフ。これを見て魔剣度合を磨くがいいわ!」
ルイズはそう言うと、蜘蛛の脚に己の手を差し出した。
蜘蛛の脚がルイズの手をとらえ、尻から糸のような刀身を吐き出す。
ゴーレムは高く舞い上がったシルフィードをあきらめ、ルイズのほうに向きなおる。そしてルイズに向けてこぶしを振り下ろそうとする。
「穢れよ! シュラムッフェン!」
ルイズはそう叫ぶとシュラムッフェンを振り下ろした。


その場にいた者全てが目を疑った。
ルイズがシュラムッフェンを振ると、振り下ろされんとしたゴーレムの腕に幾本もの線が入る。
それは切れ目。
ゴーレムの腕に入った幾筋もの切れ目。
そして次の瞬間、ゴーレムの胴体とのつながりを断たれたその腕は、幾つもに切り分けられながらルイズの上へと降り注ぐ。
「相棒あぶねえ!」
「ルイズ!」
「!!!!」
デルフリンガーとキュルケとタバサが三者三様に叫ぶが、ルイズは身じろぎ一つしない。
その身に降りかかってくる圧倒的な質量を身じろぎもせず、ただ見つめているだけ。
先程のようにシュラムッフェンを振ろうともしない。
だが、土の塊がルイズに降り注ごうとしたその瞬間。シュラムッフェンは笑った。
その笑い声は空気を切り裂く音。無数の不可視の刃があたりの空気を切り裂いて、それがまるで笑い声のように聞こえる。
この音こそが常笑いの魔刀と呼ばれる所以。かつての持ち主、シロン・ブーヤコーニッシュがそう名づけ、そして彼女自身も常笑いの魔女、もしくは常笑いの聖女などと呼ばれるようになる。
そんな奇妙な笑い声が響いたかと思うと、土の塊が細かく細かく分断されていく。
細かくなり、ルイズに直撃する軌道から外れるものはそのまま落下し、ルイズに当たる軌道を辿るものは細かく、より細かく刻まれていく。
最終的に、ルイズの頭と同じぐらいの土の塊が、ただの砂へと変わって落ちる。
キュルケもタバサも、その光景を呆然と見ている。
ルイズの周りには、ルイズへ向かう軌道を外れて、ある程度の大きさを保ったまま落ちた土くれが無数に転がっている。
「邪魔ね」
ルイズはそう言うとまたひと振り。
するとまた、シュラムッフェンから奇妙な音が鳴り、次の瞬間にはそれらも砂へと変わっていた。
「どう? デルフ。これが魔剣というものよ」
ルイズがにやりと笑って言う。
「おでれーた」
デルフリンガーはそれしか言えなかった。
「じゃあ、あっちのでかぶつもやっちゃいましょうか」
ルイズはそう言うとシュラムッフェンを軽く一振りする。
そうするとまた同じことが起きる。
ゴーレムが一瞬にして切り刻まれていく。
そうして、そこに立っているのはルイズだけになった。
「土……。判断に困るけど、私の邪悪度合いもそこそこなのかしら」
ルイズは冗談めかして呟いたが、その呟きはデルフにしか聞こえなかったし、デルフにはその意味はわからなかった。


191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:57:09 ID:dsxxQ6B+
支援

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:57:31 ID:ked6lpSy
投下完了?さるさんかな

193 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 01:57:37 ID:Yq4azC/E
シルフィードからキュルケとタバサが降りてきた。
「すごい……」
「…………」
二人とも、蜘蛛の魔剣の凄まじい威力に驚いて、何を言ったものか分からない。
「あら、ミス・ロングビル」
ルイズはゴーレムのいたその先。木々の間にロングビルの姿を見つける。
ロングビルはその声に、一瞬びくりとするが、すぐ居住まいを正してルイズたちのほうへと近づいていく。
「いや……フーケ本人を叩こうと思って周辺の探索をしていたのですが……ゴーレムが崩れたのを見て思わず茫然としてしまいました……」
そんな事を言いながら近づいてくる。
キュルケもタバサもそれには同感だ。
茫然と言うか唖然と言うか、ただただそればかりである。
「噂に違わぬ力でしたね。これが人間相手に振るわれていたのなら……」
ロングビルはそう言うと自分の口を押さえる。あまり良くない想像をしてしまったらしい。
血肉の詰まった人間が、ゴーレムと同じようにバラバラにされたなら……。オスマンが地獄と称したのも頷ける。
ロングビルだけでなく、ルイズたちも顔を青くしている。
「しかし、凄いわね……。無数の風の刃……。無数って言葉で表していいレベルを超えてるわよ」
キュルケがそう言うと、タバサがそれを否定した。
「違う。あれは風の刃などではなかった。風など一つも起こっていない。ただ、突然切れ目が入った感じ」
ルイズはタバサの言葉に少し驚く。目の前で見ていたとはいえ、見事に起こったことを言い当てている。
「一体、これは何だったのです? 説明していただけますか?」
ロングビルの言葉にルイズは溜息を吐いてみせる。説明したくない。そんな気持ちを隠す気もないといった様に。
だが、説明せずに納得させることは出来ないだろう。
肝心要のどこで情報を仕入れたかだけ、何としてでもはぐらかすが、それ以外の部分は説明せざるを得ない。
「これは蜘蛛の魔剣なんて名前ではないわ。常笑いの魔刀・シュラムッフェンというの」
ルイズは説明を始める。
「まず……さっきタバサが言ったこと、あれは殆ど正解ね。何も飛ばしていない。ただ斬っただけ」
ルイズはそう言いながら己の手からシュラムッフェンを引き剥がす。
その手にはシュラムッフェンの脚が絡みついた後が微妙な切り傷となって血が滲んでいる。
ルイズがそんな自分の手を見ながら「うわぁ」と小さく呟くと、ロングビルがどこから取り出したのか傷薬らしい軟膏をルイズに差し出した。
ルイズはそれを受け取るのと同時にシュラムッフェンをロングビルに手渡す。シュラムッフェンを持っていたら傷薬を塗れないし、宝物の管理は学院の職員であるロングビルに任せるのが妥当だろう。
ロングビルは蜘蛛の背のほうを持ちながら、わきわきと動く蜘蛛の足を気味悪げに見ている。
ルイズは傷に軟膏を塗りこみながら説明を再開する。


194 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 02:00:06 ID:Yq4azC/E
「能力は因果抹消攻撃、もしくは因果超越攻撃なんていわれるわ」
「因果抹消? 超越?」
キュルケが聞きなれない言葉に首を傾げる。
「簡単に言えば、原因と結果が伴わない……結果に原因が伴わないってのが正確な表現かしら。そういうこと」
ルイズの説明はまだ抽象的過ぎて、周りはぽかんとした顔を浮かべたまま。
「つまりね、タバサはその目で見て違うと解ったみたいだけど、オールド・オスマンを始めとして、遠くのものが見えない何かで斬られたと聞いたら、その結果を引き起こした原因として風の刃が飛んだのだと推測したわけでしょう。
だけど、シュラムッフェンにはその原因がいらないの。シュラムッフェンが発動したら何かを飛ばすわけでもなく、いきなり斬ろうとした場所が斬れるのよ」
ルイズはそこまで言うと言葉を切り、反応を窺う。
キュルケは少し難しい顔をした後に恐る恐る口を開く。
「えっとつまり、発動した瞬間に斬れてるってこと?」
「そうよ」
「何か飛ばしてるわけじゃないってことは、ファイヤーウォールの魔法で壁を作ったりしても意味ないってこと?」
「そうよ。防御不能ね。回避もほぼ不能」
「防御不能ってどんなに硬い甲冑を着込んでたりしても駄目ってこと?」
「んー。それはちょっと微妙な話ね」
今まで即答していたルイズがちょっと困った顔をする。
「まず、どんな甲冑を着ていようと、斬ろうとしたところを斬れるんだから中身は無事じゃすまないわよ。でも中身が斬れても甲冑が斬れるかどうかは別ね。シュラムッフェンの力は持ち主の精神に影響を受けるわ。
邪悪な意思、強い殺意のもとで振られれば、威力は格段に上がるの。まあ、私みたいに心の綺麗な人間でも土を切り裂くのは容易いわ」
ルイズはそう言っておどけてみせる。
実際のところ、先程のあれで己がどれだけ邪悪かはよく解らない。土と言う素材は微妙だ。
武装司書たちはシュラムッフェンを手に入れた後、いろいろと実験をしていたが、比較的善良な者でも鉄で出来た自動車を切り裂いて見せた。
ただ一人、頭に超が2つ3つ付く程の例外として、キャベツの千切りを作るのが限界と言った善良さの塊のような司書見習いもいた。あの司書見習いがちゃんと武装司書になれたのか、少し気になる。
立派な武装司書になれてればいいな、とルイズは思う。
モッカニアが持ったらどれ程のものだったのかは分からない。
そのころモッカニアは既に心を病んでおり、武装司書の地位にはあったがそういった実験などには顔を出さなかった。
ただ、同僚たちがモッカニアのもとにまめに訪れては、そういった実験結果を語っていった。
モッカニア自身は真面目にそれを聞いてなかったが、『本』として読む分には耳に入ってさえいれば、何に着目するかはルイズ次第だ。
「反則にも程があるわね……」
キュルケが神妙な顔で言う。タバサもその後ろでこくこくと頷いている。
「でもまだまだそんなもんじゃないわよ」
ルイズは言う。
「もう一つ、反則機能があってね。私もさっき使って見せたけど……。自動防御の機能もあるの」
「自動防御?」
今度はタバサが相槌を入れる。
「えぇ、さっき、私に向かって落ちてくるゴーレムの腕が勝手にバラバラになったでしょう。あれは、持ち主に攻撃が届きそうになると勝手に切り刻んでくれるのよ」
「……反則」
ルイズの説明にはタバサもそれしか言えないようだ。
「どう? デルフ。アンタとシュラムッフェン。魔剣度合いはどちらが上かしら」
ルイズが己の背中に背負われたデルフリンガーに向けてにやりと笑っていった。
「えーと。あぁ。おでれーた」



195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:01:56 ID:B9mtmnjD
しえん

196 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話:2008/06/24(火) 02:02:02 ID:Yq4azC/E
「それでミス・ヴァリエール。なぜ、オールド・オスマンは使い方が解らなかったのでしょう?」
ロングビルがそんな質問をルイズにぶつけた。
くだらない。
実にくだらないとルイズは思う。
メイジという生き物はつくづくメイジなのだと。
「これはデルフだったら解るんじゃないかしら?」
ルイズはその質問をデルフリンガーにまわす。
ハルケギニアのメイジは、誰がシュラムッフェンを持とうと使い方は分からないだろう。
もし発動させることが出来るとすれば、自動防御が発動するときだけだ。
「さっきのタバサを思い出せば簡単よ。これが解らないのがメイジの限界なのかしらね」
ルイズはついそんな憎まれ口を叩いてしまう。
ルイズから言わせれば、トリステインのメイジとして最高の地位にあるオールド・オスマンが30年に渡ってこんな簡単なことが分からなかったというのが、呆れてものも言えない。
タバサにしても、風竜を呼び出しルイズよりよっぽど優れた才能を持ちながら、あの体たらくだ。
ルイズからすれば憎まれ口の一つも叩きたくなる。
そんなつもりで言ったルイズだが、タバサはその言葉に何か考え込むような表情を作っていた。しかしそれは誰に気づかれることもなく、デルフリンガーが口を開いた。
「あーあー。さっきの嬢ちゃんな。成程成程。そういう事か。成程確かにな。メイジってのはなんであんなことするんだろうな」
デルフが言うと、
「なによー。勿体振ってないで教えなさいよー。メイジだから? 解らないわ」
キュルケがそんな風に言うと、お手上げと言った感じで手の平を上に向ける。
「オールド・オスマンもタバサも、そしてたぶんフーケも。やってることはつまりナイフとフォークを持って絵を描こうとしているようなものよ」
ルイズはわざと、そんなよく解らないような例えを出してみせる。
だが、解ってしまったものからすれば実に言いえて妙の例え。
デルフが金具を鳴らして笑う。
「全くその通りだな。いいこと言うぜ、相棒。ナイフとフォークを持ったなら、素直に飯でも食ってろって話だ」
「え?」
キュルケはまだ理解していない。
ロングビルも何を言いたいのかわからないといった風に小首を傾げる。
ただ、タバサ一人、何かに気づいたように目を見開いている。
「まったく、おめーらメイジって奴はよお。なんで剣を持ってルーンを唱えたり魔力を練ったりするんだって話だ。あの爺は30年もそんな事してた訳だろ。ボケてるんじゃねーか?」
デルフリンガーがそういって笑う。
ルイズは「言いすぎよ」と軽くたしなめつつ、しかし少し笑ったような顔で言う。
「シュラムッフェンの発動は、何かを斬るという意思の元にただ振るだけよ。風の刃だの、不可視の刃だのを出そうなんて思ってたら、シュラムッフェンからすればなんのこっちゃだし、
魔力をこめるのも全く持って無意味なのよ。シュラムッフェンはあくまで剣だもの」
ルイズはそういってにやりと笑った。
その後ろでデルフリンガーも金具を鳴らして笑った。
少し離れて、ロングビルもにやりと嗤っていた。
その手の中でシュラムッフェンが再び笑う時を待っていた。



197 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第11話 :2008/06/24(火) 02:03:17 ID:Yq4azC/E
「成程成程。よく解りました。確かにメイジの盲点ですね。マジックアイテムと言うと兎に角魔力を通わせようとしてしまう。成程成程」
ロングビルは言う。
ルイズはそんなロングビルに少し違和感を感じる。
ルイズの言葉は自分よりよっぽど優れた魔法の才能を持ったメイジが、揃ってこんな簡単なこともわからなかったのかという皮肉のこもった言葉だった。
それなのにロングビルの顔に浮かぶ笑いは何なのだろう。
苦笑いや、悔し紛れの笑いならわかる。
だが、何故してやったりという笑いをしているのか。
「しかし、蜘蛛の魔剣……シュラムッフェンでしたっけ? これがなくとも御3人ならフーケを倒せていたんだはありませんか? ミス・ツェルプストーには何か作戦がありそうでしたし」
ロングビルは言う。
「えぇ、そうね。一応作戦はあったけど。まあ、ゴーレムはどうにもならないから本体を叩こうってだけだけど。あなたのことも頼りにしていましたわ。まぁ、系統の相性が合えばゴーレムも倒したかったけど」
キュルケが言う。
「そうですね。まぁ、本人を倒すのが一番早いでしょうね。ところで、どんな系統ならあのゴーレムを倒せたとお思いですか?」
ロングビルはさらにキュルケに質問を浴びせる。
妙に晴れやかな笑みを浮かべながら聞く、ロングビルに少し違和感を感じながらキュルケは答える。
「そうね。水のメイジだったらライン、うまくすればドットでも倒せたかもしれませんわ。足場をちょっとぬかるませるだけであの巨体なら簡単にバランスが崩れるでしょうから。あの重さなら倒れた衝撃に耐えられないでしょう。
あのゴーレムが相手だってわかっていながら水のメイジをつれてこなかったのは汗顔の至りって奴ね」
キュルケが答えると、
「成程成程。確かにそうですね。今後は参考にさせていただきますわ」
やはり晴れやかな笑みをしてロングビルは言った。
「しかし、ミス・タバサ。流石にあれは我々メイジには解らなくても無理のないことですわよねぇ」
ロングビルが今度はタバサのほうを向いて言った。
タバサは少し難しい顔をして、
「メイジの限界」
と、ルイズの言った言葉を呟いた。
「あらっ! ミス・タバサはストイックでらっしゃるのね! 流石にあんな例外中の例外でそこまで気を病むことありませんわよ」
ロングビルが言う。
タバサは首を傾げる。
ロングビルの声は何故こんなに上ずっているのだろう? 確かにフーケから秘宝を取り戻した。しかし、ここまで楽しそうな声を出すのは少し場違いではないか?
「仕方ないですわよ。ただ、斬ろうと思って振るだけだなんて。私たちが解らなくても仕方ありませんわよ」
ロングビルの言葉にタバサは引っかかりを感じる。
『私たち』?
先程の我々と同じ、メイジなら気づかなくても仕方ないと言う意味にも取れるが、何か変だ。
「あ……」
タバサが気づいた。
何故、蜘蛛の魔剣を小屋の中に置きっ放しにしていたのか。どういう理由があれば盗んだばかりの価値ある宝物を放置しておく理由になるのか。
フーケほどのメイジになれば、あの異常な魔力に気づかないはずがない。
ならば、オスマンの弱みとしての価値ではなく、マジックアイテムとしての価値こそが真価としてみているはずだ。
ならばそのマジックアイテムを手元におかず、置き放しておく理由は?
使い方が解らなかったから。
使い方が解らなかったらどうする?
わかる人間に聞けばいい。
情報を流せば、魔法学院の関係者がやってくる。生徒が来ることは誤算だっただろうが、魔法学院の人間なら使い方の解るものがいると考え、実際にいた。
「あなたが……」
「私が……」
タバサの言葉に、ロングビルが言葉をかぶせる。
ロングビルの手の中の蜘蛛はいつの間にかその足をロングビルの手に絡めている。
そして糸のような刀身が尻から吐き出される。
「私がフーケ……ってねぇ!」
ロングビル、もといフーケは楽しくて仕方がないといった風に顔を歪ませて言う。
「ルイズちゃーん。もっと詳しいお話聞かせて欲しいなぁ」

以上 投下終了

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:06:17 ID:gGrFeERA
おおお、この死亡フラグをどう切り抜けるのか!
えらい所で切るもんだからしばらく眠れないかもw

乙でした!

199 :くろありー:2008/06/24(火) 02:07:03 ID:Yq4azC/E
第11話 以上です
シュラムッフェンの使い方に気づかないというのはちょっと無理があるかなと思いつつ、
斬るという行為じゃなくて、見えない刃を出すという部分をメイジはイメージしてしまうが故に発動させることが出来ないと
そんな感じで
ルイズに武装司書強さ議論スレを一人で開催してもらったのは、読者なんだよなぁといったことがふと思い浮かんだので
あと、画太郎先生に敬意をこめて

200 :くろありー:2008/06/24(火) 02:08:24 ID:Yq4azC/E
ああっと
一番大切なこと忘れてた
支援してくださった皆様ありがとう御座います

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:08:54 ID:t4Y+Sj1L
このひきで続くのか!!
なんて意地悪なんだw

乙!&GJ!

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:09:07 ID:ked6lpSy
うむむ面白かった。次回も超楽しみにしてます。
乙でした

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:10:06 ID:dsxxQ6B+

なんという生殺し

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:16:11 ID:B9mtmnjD
画太郎ってそういうことかw
コピペw

しかし、ノロティは立派な武装司書に...

ともあれ乙


205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:32:37 ID:2zW/XYno
蟻さん乙乙

一つ質問 周りの状況を文にしないでただ只管にキャラの台詞で構成するってのはアリなのかな

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:33:35 ID:XbYBkV+y
単なる説明台詞の羅列になりそうな悪寒

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:35:07 ID:t4Y+Sj1L
そらそういう書き方もあるけど…ショートショートならともかく3話程度の短編サイズでも難易度高いと思うよ

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:39:46 ID:gGrFeERA
長いのには向かないね。ちょっとテクのある人向けだ。

209 :205:2008/06/24(火) 02:40:45 ID:2zW/XYno
>>206 >>207
そうか・・・パワプロ君召喚でサクセス「トリステイン魔法学校編」とか考えてたんだが
どうにも説明が入るとパワプロサクセスの雰囲気が消えていくんだ・・・

210 :笑顔が好きだから-0/5:2008/06/24(火) 02:43:25 ID:TnGSjR/o
予約がなければ3回目行きます。


211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:44:44 ID:WcLC430h
ここに投下される作品を読んでると創作意欲を刺激される
しかし一度もこういう類のものを書いたことがないから臆してしまうんだよなあ
仮にできたとして罵詈雑言の嵐、それどころかスルーされるのがオチか

212 :笑顔が好きだから-1/5:2008/06/24(火) 02:45:08 ID:TnGSjR/o
「しいねちゃん!いっけー!」
 しいねちゃんの頭の上でリーヤが叫ぶ。
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!」
 しいねちゃんも、おなかの底から声を絞り出す。
 二人の叫び声に呼応するように、しいねちゃんの操る箒はそのスピードを上げていく。
 飛び始めたときは気持ちのいい風が、顔を、髪を撫でていたのに、今は、まるでスクエアクラスの風メイジ
が撃ち放ったエア・ハンマーの魔法に真正面から突っ込んだみたいな強烈な風が、わたしにぶつかってくる。
 一瞬でも気を抜いたらわたしは箒から吹き飛ばされちゃうんだろう。このスピードで箒から落ちたら即死は間
違いない。もしかしたら人間だったなんて分からないくらい滅茶苦茶に身体が壊れちゃうかもしれない。
 息が苦しい。空気の密度が高すぎてまともに息が出来ない。おなかの底が凄く熱い。体中の空気を全部吐き出
して冷たい空気が吸いたい。
 怖い!苦しい!身体が熱い!
 なのに、なんでこんなに楽しいんだろう。
 どきどきする、わくわくする。
 しいねちゃんやリーヤみたいに叫びたい!

 遠くの地平線の上の白い雲が青い空を猛スピードで駆けていく。
 地上の景色は黒い影になって、あっという間に後ろに飛んでいく。
 学園の南、つい七日前に使い魔召喚の儀式を行った草原、全てが始まった草原もあっというまに消えていく。

213 :笑顔が好きだから-2/5:2008/06/24(火) 02:47:34 ID:TnGSjR/o
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン! 我の
運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」
 その日、わたしは今まで生きてきた中で一番真剣に呪文を唱えていた。
 何故なら、使い魔の召喚と契約に失敗すればわたしは落第してしまうから。
 そして、落第なんて、あのお母様が許してくれるはずもなく、魔法学院を自主的に退学、ヴァリエール領に連
れ戻され、魔法の使えない出来損ないの貴族として、半分幽閉されたのと同じ状態で一歩も領地から出してもら
えず……領地どころか屋敷の自分の部屋から一歩も外へ出してもらえず一生を過ごすことになる……なんてこと
をその時は考えていたから。(今になって考えれば、せいぜい領地に連れ戻された後は、魔法がちゃんと使えて
領地の経営に明るい独身の若い貴族を一族から見繕ってお見合い、婿養子に迎えて、ちょっと窮屈な、でも、貴
族の三女としたらまぁ普通の生活が待っていたってところなんだろうけど。)
 とにかく、わたしは落第もしたくなければ退学になんかなりたくなかった。
 何故なら、わたしには目標があったから。
 今はまだ、どんな魔法を使おうとして呪文を唱えても爆発しか起きない落ち零れだけれど、いつか立派な水メ
イジになってカトレア姉さまの病気を治すんだ、カトレアお姉様みたいに病気で苦しんでいるヴァリエール領の
人たちをみんな治してあげるんだっていう目標があったから、こんなところで立ち止まるわけにはいかなかった。
 正直に言えばそれだけじゃなくて、わたしのことを散々馬鹿にしている連中を見返してやりたいっていう気持
ちもあった。
 特に先祖代々からの宿敵ツェルプストーにだけは絶対に負けたくない。
 今のわたしはコモン・スペルも使えない落ち零れで、ツェルプストーはトライアングルの火メイジ。既に今の
時点で完膚なきまでに負けてるんだけど、だからこそ、使い魔の召喚だけは負けたくなかった。
 だから、わたしはサモンサーバントの呪文を唱えまくった。
 外野やコルベール先生がなんか言ってるような気がしたけど、無視して、とにかく呪文を唱えた。
 けれど、その結果はやっぱり爆発だった。
 その原因は今なら分かる。
 サモン・サーバントの魔法は、わたしにぴったりな相応しい使い魔を召喚する魔法なんだから。
 神聖で美しく強力な使い魔が欲しい。お母様のマンティコアに負けない使い魔が欲しい。ツェルプストーのサ
ラマンダーに負けない使い魔が欲しい。
 そんなことを考えながら呪文を唱えたって成功するわけないんだから。
 でもあの時のわたしにはそんなことに気が付く余裕なんかなかったから、わたしはとにかく呪文を唱え続けた。
 サラマンダーに負けない使い魔なんて贅沢をいうのは止めた。動物でも、トカゲでも、魚でも何でも良かった。
今考えると、ものすごい失礼な話だけど、大ッ嫌いなカエルでもこの際良かった。
 そして突き付けられる最後通牒。
「今日はこれまでにしなさい。続きは明日でいいでしょう?」というコルベール先生の言葉。
 そして、その時、わたしは、生まれて初めて魔法を成功させた。っていうか、初めて本当の意味で魔法を使っ
たんだ。
 わたしは呪文を唱える。わたしにぴったりで相応しい使い魔に呼びかけるために。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン! 我の
運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」


214 :笑顔が好きだから-3/5:2008/06/24(火) 02:49:18 ID:TnGSjR/o
 結果はやっぱり爆発だった。
 同級生達が何か言ってるような気がするけど、でも、そんなことはどうでもよかった。
 何故なら、わたしはあの時、確かな手応えを感じていたのだから。
 ほら。爆煙の向こう側に気配がある。煙の向こうからこちらに向かってくる声が聞こえる!
「うわぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!」「きゃぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」「なんなのだぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!」
 子供の悲鳴みたいだけど、きっとそれは気のせいだと思った。。
 さっきまでの気持ちなんかころっと忘れて、わたしは自分に言い聞かせる。
 このわたし、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが呼び出す使い魔なんだから、そ
れは神聖で美しく強力な使い魔に違いないんだから!と。

 まぁ、でも、結局わたしが召喚したのは3人の子供だった。
 だけど、わたしががそのことを知るのは少し後の事になる。
 何故なら、爆煙の向こうから飛び出してきた何かに突き飛ばされて、わたしは気絶してしまったから。
 気絶する前にわたしが聞いたのは、妙にテンションの高い女の子の声。
「出でよ!エアバッグ!」という、謎の言葉だった。


 戦いの女神(ワルキューレ)が、禍々しい何かと戦っていた。
 ワルキューレっていってもグラモンが青銅で作るゴーレムの出来損ないじゃない。いや、グラモンが作るワル
キューレも彫像としたらなかなかいい線いってるとは思うけど。
 長い金色の髪を振り乱して縦横無尽に駆け、飛び回りながら、地獄の闇を人の形にしたような何か……大魔王
と戦う、赤いマントを纏った本物の戦いの女神!
 戦いの女神と大魔王との力の差は圧倒的だった。
 戦いの女神が真っ赤に燃える炎の矢を何十本と撃ち込んでも、不死鳥の炎を纏った剣を幾度と無く振るっても、
その攻撃は全て闇に飲み込まれて届かない。
 逆に、大魔王が剣を振るうたびに、戦いの女神は傷ついていく。
 だけど、戦いの女神は挫けない。
 矢が尽き、剣が折れても、戦いの女神は諦めない。
 何故なら、戦いの女神には共に戦う8人の聖戦士……仲間がいたからだ。
 年齢も性別も職業も、種族すらばらばらだけれど、戦いの女神と仲間達は共に笑い、共に泣き、時にケンカを
しながら、共にここまで歩いてきた。
 その仲間がいる限り、戦いの女神は挫けない。諦めない。
 諦めない限り、矢も剣も、不死鳥の炎の中から何度でも蘇る。
 永遠に続くかに見えた戦いも、いつしか終わりの時を迎える。
 強力で無限の力を持っているかに見えた大魔王は、所詮は一人だったから。
 どんなに強い力を持っていても、力を合わせて戦う戦いの女神と8人の聖戦士達には絶対に勝てないんだから。


215 :笑顔が好きだから-4/5:2008/06/24(火) 02:51:17 ID:TnGSjR/o
 羨ましいな。
 わたしは思った。
 誰がなのか、何がなのか、分からないけれど。
 羨ましい。

 自分自身の最後の力と仲間達の最後の力を不死鳥の剣に込め、戦いの女神は最後の魔法を放つ。
「ウイングクリス!バーニングスラッシュ!」
 不死鳥の剣から炎の鳥が大魔王に向かって飛んで行き、大魔王の闇の衣を切り裂いた。
 溢れ出す光。
 大魔王……原始の闇が光の中に溶けていく…………はずだった。
 はずだったんだけど、何故かそうならなかった。じゃぁ、どうなったのかというと。

 突然空の彼方から現れた、アナグマみたいな動物が世界を食べ始めた。
 その動物は、体は熊だった。鼻は象で、目は犀。尾は牛、脚は虎だった。きっと始祖ブリミルに虚無の魔法を
お与えになった創造神が動物を創造した際に、余った半端物をつかって生み出した動物なんだろう。
 例えて言うなら丸い天井に描かれた世界を描いた絵を、その動物が屋根ごと食べ始める。そんな感じ。
 光に溶けていく大魔王。仲間達と喜びを分かち合う戦いの女神。闇が払われ、明るい太陽の光を浴びてきらき
らと輝きだす大地。
 そんな全てを、謎の生き物が食べている。

 ああ、これはバクだ。わたしは妙に納得していた。図書館にあった異国の幻獣図鑑に載っていた、夢を食べる
という動物。こいつは、さっきの女の子の声の「出でよ!エア“バッグ”」という“魔法”が微妙にずれて発動
した結果現れた幻獣なんだ。

 バクは、そんなわたしの感想なんかお構いなしに、世界を食べ続ける。
 そして。
 バクが全てを食べ終わる。
 全てを食べ尽くしたバクは、赤い炎に包まれた乗り物に乗って走り出し、雷に打たれて消えてしまった。
「“バッグ”・トゥー・ザ・フーチャー!」
 と、謎の言葉を残して。
 ああ、もう何がなんだか……

216 :笑顔が好きだから-5/5:2008/06/24(火) 02:53:17 ID:TnGSjR/o
「うぎゅうううう、お、重い……ぐっぐるぢぃぃぃぃ。」
 カトレア姉さまの部屋で動物達に圧し掛かられたときのような重さを感じて、わたしは意識を取り戻した。
 どれくらい気を失ってたんだろう。なんだかずいぶん長い夢を見てた気がしたんだけど。う〜ん。
「はっ!?」
 そして気づく。儀式は!?召喚はどうなったの!?わたしが呼び出したのは何!?
 わたしはガバッと跳ね起きた。
「うわっ!」「きゃぁっ!」「うわぁぁぁ!」
 同時に、可愛らしい悲鳴が三つ聞こえてきて、わたしの身体は急に軽くなる。
「あの……ええと……?」
 きょろきょろと周囲を見回すと、わたしの傍らには、何か魂が抜けてしまったような顔をしたコルベール先生
が座り込んでいた。
 さらに辺りを見てみると、普段はしょうも無いことを言ってわたしをイラつかせる同級生達も、何かポカンと
した顔をして遠くを見ながら突っ立っていた。
 もちろん、わたしも相当間抜けな顔をしていたに違いない。
「ううぅ、痛たた。」「なんなの、いったい。」「酷い目にあったのだ。」
  あの時、あそこで間抜けな顔をしていなかったのは、わたしから2メイルくらい離れたところにいた3人
の子供、しいねちゃん、チャチャリーヤだけだったはずだ。

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:57:00 ID:yMbl8OeQ
支援ですぜ

218 :笑顔が好きだから-6/5:2008/06/24(火) 02:57:23 ID:TnGSjR/o
上手くいくかわかりませんが、このあと2回ほどかけて使い魔の契約に関わるどたばたのお話になると思います。
チャチャ世界からあの人たちも出てきます。
ゼロ魔世界の住人の皆さんが活躍するのはその後からということで。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 03:12:30 ID:LQhzwtEF
くろあり&破壊大帝のかた乙!!
それと支援

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 05:06:53 ID:rZXBsA5Z
黒蟻ルイズ……なんで余計なことをペラペラと喋ってるんだ!?
知識の出所を追及されたらヤバイことは重々承知のはずなのに。

テンション上がって、自慢したくなったか?

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 05:18:23 ID:gGrFeERA
使うと決めた時点で開き直ってる。でも浮かれてるのも半分はあるな。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 05:48:24 ID:0UiUkeDx
案外、フーケをはめるためかもな

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 05:52:07 ID:kNvLFe9J
てかシュラムッフェン持ったフーケにどうやって勝つんだww
常泣きの魔剣でも出てくんのかw

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 06:45:26 ID:N0pUFKAb
>>133乙。いいねーいいねー
グランツ成功ではしゃぐルイズ萌え。フロウウェンに独占欲剥き出すルイズ萌えw
次は本来ならデルフ登場だがガンダールブじゃないからなぁ。どーするだろ?

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 07:15:30 ID:x1NhPFyD
破壊大帝の方、黒蟻の方乙!
しかし千葉トロンとは・・・
あの人の楽屋裏モードは固有○界クラスだから勝てる人居ないだろ(汗)

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 09:13:14 ID:xfS9o9YW
>>223
常喋りの魔剣デルフリンガーがあるじゃないかw

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 09:37:43 ID:RPU9u2c1
>>209
パワポケの裏サクセスならいけんじゃね?

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 09:50:13 ID:C5sXWFsg
>>226
誰が上手いこと言えと(ry
まあ「ハイになってて話した結果を深く考えてなかった」ってのが正解だろーなー。
元々感情と行動が直結してる子だし。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 10:14:53 ID:tLU78mNU
まあ裏切り、ってか実は男と思ったフーケがロングビルですぐ傍にいました、ってのを気づけってものねぇ。
スネークやらヤンは比較的初期に正体を察していたけど、初期ゼロ魔メンツじゃ気づけないのが本筋だし。

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:03:01 ID:C5sXWFsg
宝物庫の壁を壊したっつー負い目もあってワリとてんぱってたろーしなぁ。
しかし、フーケ編でここまで絶望感漂う展開は初めてじゃなかろーか。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:30:16 ID:AORHFi/z
イクサ呼ぼうぜ

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:36:55 ID:NfOwYV4E
学年全員が伊藤作品の入江省三を召喚。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:57:42 ID:gGrFeERA
どれかは猫だ

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 12:39:05 ID:zBD986Yg
>>231
753は来なくていいです

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 12:58:05 ID:23geFzM2
しちごさん?

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 13:03:36 ID:16B7IIHm
名護さんね

>>234
じゃあ中身おとーやんで

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 13:07:09 ID:WcLC430h
>>736
それはそれで嫌だな
やっぱりてつを呼ぼうぜ

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:31:14 ID:mRcrGb4C
呼ぶにしてもBlackかRXかでだいぶ代わるな

RX呼んだ日にはどんな事でも厨スペックと奇跡で簡単に乗り越えられるしw

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:42:01 ID:2l11wfTZ
キングストーンだけ呼び出そうぜ

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:44:39 ID:etVwxNYq
Blackだと全部ゴルゴムの仕業にww

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:51:36 ID:zBD986Yg
ルイズの胸が無いのはゴルゴムの仕業なんですね、解ります。

「ゴルゴムの仕業か!許ざん!!!」

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:04:05 ID:COOB/BPi
バイオライダーと相対した連中全員涙目になるな。
どんな攻撃も無効化しやがるから・・・

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:10:25 ID:OgTjY2rX
>>242
「魔法が全部奴の身体をすり抜けてしまうぞ!」ですか?

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:12:48 ID:COOB/BPi
>>243
ワルド「ライトニング・クラウドが奴の体をすり抜けてしまうぞ!」でも可
RXは小ネタにあるだけだが、誰かほかに呼ぶやつはいないのかね。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:13:14 ID:mRcrGb4C
バイオライダーは火に弱かったはず。
しかし、ロボライダーは4000度まで耐えられるらしい。
そもそも、RXには超再生能力があるから、効く効かないはあまり関係ない。


>>241
つまり、
ルイズの胸が無いのも、ちぃ姉さまが病気なのも、サウスゴーダ家が取り潰されたのも、ギーシュの二股がばれたのも、ワルドが裏切るのも(ry
全てゴルゴムの仕業なんですね。


246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:19:08 ID:4CgDoMrj
4000度はバイオじゃなかったか?
RX形態で太陽の表面温度と同じ6000度で、ロボになると炎は俺のエネルギーだ!だったような

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:23:06 ID:ked6lpSy
ttp://www41.atwiki.jp/goronka/pages/20.html
ここによればRXは6000度までで6000度以上はロボが対応のようだな

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:31:30 ID:RnG6cFJX
RX卑怯すぎるwwwwwww

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:32:38 ID:COOB/BPi
ピンチになると別時空の自分が助けに来るというのも忘れるな。

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:39:53 ID:mRcrGb4C
>>246247
どうやら記憶違いだったようだ。
やっぱり確認せずに発言するのはいけないな……。

しかし、RXの最高速度は光速の0.4倍、バイオは4倍ってどんなだよw

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:46:44 ID:Uw/edWug
ちなみにM87光線の焦点温度は87万度、ゼットンは1兆度の火炎を吐く。

SFの温度設定ってのはかなり適当だから深刻に考えても徒労だと思うぞ。

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:52:33 ID:ueyMoybV
そろそろ脱線してきてない?

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:52:53 ID:HQGez0XP
フリーズ  :三千垓倍、光速の約30垓倍の反応、移動が可能
カブトのキャラまじやべぇ…

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:01:27 ID:vO91CpDx
>>247
(゜Д゜)
こいつが暴れたら世界が滅ぶんじゃね

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:03:18 ID:gvUrXArQ
滅ぶも何も実際に世界一つぶっ潰してるし

ちなみにバイオでも街一つ消し飛ぶメガトン級の爆発を爆心地で食らってノーダメージだった
「多少」火に弱い程度らしい

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:06:06 ID:COOB/BPi
バイオが火に弱いって、例えるならRXが炎ダメージ○○パーセントカットのところバイオは○○−10パーセントカットだから炎に弱いってレベルのような気がする。

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:12:57 ID:WcLC430h
ルイズがてつをを喚んだらは当たりを引いたどころのレベルじゃないな

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:15:55 ID:gvUrXArQ
問題はてつをの場合自力で帰れるうえに
突然異世界なんかに呼ばれたらゴルゴムの仕業と勘違いする可能性があるということだ

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:22:15 ID:WcLC430h
怪魔界消滅の影響でしばらくは元の世界へ帰れないってことにすれば

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:27:12 ID:COOB/BPi
自力帰還できるやつを呼んだら、契約する前にさっさと帰ってしまい、何度も召喚を繰り返しては帰られを繰り返し最後にサイトが出てきてちょっとだけ使い魔を大事にするルイズというネタを考えてるが、てつをならいけるな・・・

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:36:15 ID:mRcrGb4C
ゴルゴム壊滅直後なら、自暴自棄な感じで残ってくれるかもしれないぞ

で、アルビオンでワルドと相打ち(両方生きてるわけだが)で行方不明
その後、ルイズのピンチにRXにパワーアップして登場

と考えたんだが、物語に出来ない…

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:39:29 ID:KRnyViV9
多少思い込みは激しいが子供思いの正義漢だし、いくら何でも怪魔界の二の舞はやらないだろうし。
学院生徒が子供か否かは微妙だけど。

しかしどう考えてもワルド初戦で死ぬぞ。ウェールズの体からバイオライダーがニューと出てきたり、ロボライダー形態になって「逃がさん!」をやったり。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:39:54 ID:2l11wfTZ
その時、不思議な事が起こった……

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:51:47 ID:AVX3J0xC
>>263
それ本編であったナレーションなの?
なんつーかイデオン最終話の「そのときイデが発動した」を思い出したw

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:53:54 ID:WcLC430h
RXはピンチになると奇跡が起きます


266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:56:09 ID:2l11wfTZ
blackが変身機能破壊されて、宇宙空間に放り出されて太陽の光を浴びた時にながれた筈。
太陽の光を浴びてblackはRXに、岩の下敷きになっていたバトルホッパーはアクロバッターに進化した。

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:58:48 ID:gvUrXArQ
ちなみにそのまま大気圏を突破して地球に帰ってきた。

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:02:49 ID:aAZ3vwOy
子ネタでwiki未収録、てつを呼ばれて大暴れして帰ってきた話が過去にあったな
そもそも、支配したがるマジシャンを倒すのが誇りと名言してる彼が
使い魔になるわけがないから、そろそろ自重しようか?

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:03:36 ID:COOB/BPi
バイオはゲル化してあらゆる攻撃を無効化
ロボやRXからでも瞬時にゲル化可能
ゲル状形態からRXにチャンジしてRXキックも使用可能
リボルクラッシュは防御不可能
太陽がある限り超再生能力を発揮する
ピンチになると別時空の自分が助けに来る
とにかく奇跡が起こりピンチを突破できる。
・・・他のライダー作品見る限り、巨大化も不可能ではない。

なにこの化け物・・・

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:07:46 ID:IkhfEA6q
で、それらの話題のどこがゼロの使い魔と関係あるんですか?
それ相応の場所でやってくれ

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:10:38 ID:7y1Wb4a/
はいはいツヨスツヨス。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:16:33 ID:kbLTRAsR
ゲル状形態からRXにチャンジ・・・?

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:19:08 ID:2l11wfTZ
じゃあ別の話題。
ハルケギニアの月ってどっちが大きいとかあったけ?

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:20:23 ID:WcLC430h
ガンダールヴのサイトと互角だったワルドならRXとも互角に渡り合えるんじゃね?

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:20:42 ID:TS7EB4MQ
チャンジ!

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:22:50 ID:0UiUkeDx
ハルケの双子月はイゼルロ−ンとデススターなのです

まあ↑は冗談だが、スターウォーズに出てくるエンドアナも月が
二つあるわけでもしかしたら同じ星かもな。

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:25:14 ID:yMwG9yMx
イデオン呼んでイデオンガンでハルケギニアふきとばそうぜ

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:41:56 ID:WcLC430h
正直なところワルドの実力ってどんなものなの?
身体能力や剣術、魔法を含めた総合的な実力とか

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:46:32 ID:Ixas0RgN
お前らがてつをてつを言うから、一瞬愛犬ロボ「てつ」かと思ったぜw

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:46:34 ID:gvUrXArQ
潮の満ち干きとかどうなってるんだろうな

281 :名無しさん@お腹いっぱい。名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:52:00 ID:oYKr7pVD
>>276
エンドアはああ見えて衛星ですぜ、旦那
変な毛玉も住んでるし、一応帝国軍の基地もあるし…
いや、ハルキゲニアが惑星と見せかけて実は衛星でも別に良いっちゃ良いですが

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:53:04 ID:dAJ0LSiM
>>280
アルビオンが浮いてるぐらいだからそこには突っ込まないのがファンタジー

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:55:45 ID:6ZjzVYhT
>>279
お前は俺か

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 17:57:13 ID:SbzkHe/w
>>278
ある時は鬼に本気を出させある時は人間をやめそれでも使い魔のライバルであり続けようとする彼にはもちろんライバル補正がついて魔法もスピードも体術も使い魔並

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:02:36 ID:owdiGVxA
ノボルがまともな設定考える前に「とにかく強いライバル」って感じでデザインしたからあの若さでハルケギニア最強レベルの化け物>ワルド
そのせいでバランスブレイカーとしてあれだけライバルっぽい伏線を張られていたにもかかわらず出番どころか存在自体がなかったこと扱いの悲運の男

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:05:24 ID:8hvjCrnI
>>240
深夜の事件と殺人事件に関してはシグマの仕業


287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:06:11 ID:0UiUkeDx
出過ぎた杭は打たれてしまったって訳か・・・


288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:10:35 ID:KRnyViV9
え?原作ではそんな扱いなんですか?

こんなワルドは嫌だ。
○「私がガンダールヴであったならぁ!」と叫んでハルケギニア自爆装置のスイッチを入れるロッチナなワルド。
○出てはやられを繰り返す四井主馬なワルド。
○部下には厳しく上司には媚びを売るカン・ユーなワルド。
○趣味は殺人と言ってはばからないゴステロなワルド。

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:15:22 ID:u3QRVRMv
>>278
冷静に考えてみれば、
ガンダールヴと剣術で張り合えるんだよなワルドは。
剣士としても他作品の一流クラスは凌駕するんじゃないのかな?
身体能力だって亜人レベルに近いかも。
魔法は……まあカリーヌ母様やビダーシャルみたいな
真性の化け物クラスを抜かせばたぶん作中最強クラスだろうし。

…………だが、出番はないと。

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:17:19 ID:tLU78mNU
>>ワ
そしてそれより強いという設定だから手の付けようのないお母様。
「ルイズを戦争に出すようなら協力しない」という設定を付けて遠ざけてはいるが……

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:17:39 ID:SR2rBV6N
本番前にレコンキスタに接触していたのがばれ、婚約者の実家の取り成しで実刑や貴族の地位剥奪は免れたが
魔法衛士隊を免職され、閉職の魔法学院教師にされ、失意で飲んだくれているワルドとか見たいな


292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:19:34 ID:WcLC430h
>>284
何だか曖昧だなあ
他作品のキャラと比べて、例えば魔法抜きにしたらバキやるろ剣でどのレベルか
魔法ありだとドラゴンボールでいうとどのレベルあたりなのか

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:21:08 ID:U4dvPyX7
他との比較なんて無意味すぎるw

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:23:48 ID:owdiGVxA
単純な威力もだが、トライアングル以上のスペルを圧縮言語でも使ってるのかというくらい非常識な速度でしかも何発も連射可能なのがワルドの魔法の特徴
しかも単騎で相手を殺さないよう手加減しながら敵司令官まで突破できるガンダールヴとまともに切り結べる身体能力とかもうね

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:23:57 ID:u3QRVRMv
>>292
そんなん原作やアニメでどれだけの事をやらかしたか調べるしかないんじゃね?
竜巻起こせたり
五人に分身できたり
オークやら何やらの群を軽くあしらえるサイトと互角にチャンバラできたりってのをさ。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:24:23 ID:gvUrXArQ
でもメンヌヴィルにビビッてたよなあのヒゲ

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:25:26 ID:u3QRVRMv
ライオンでも毒蛇は怖いんでしょ、たぶん。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:27:30 ID:rbpIEXNx
戦闘機でも対空機関砲は怖いんだよ。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:30:50 ID:owdiGVxA
戦車だって対戦車歩兵のバンザイアタックは怖いんだぜ

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:32:19 ID:UlgzWokr
少なくとも、一都市を一瞬で破壊できるナッパ(戦闘力4000)あたりよりは弱いだろう
頑張ればピッコロ大魔王(230)ぐらいとは戦えるかも知れん
サイバイマン(1200)相手だと魔法をフルに活用してもきつそうだ

ギーシュ換算するとどのくらいだろう、1ワルド

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:32:24 ID:AVX3J0xC
まあ誰だって基地外には関わりたくない罠

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:33:18 ID:IkhfEA6q
ワルド「僕はツルペタが怖い。その後はツンデレと熱いお茶が怖い」


303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:34:17 ID:vlqSAFcm
でも何の心得も無いとこからガンダで底上げされたサイトだから互角に渡り合えたんだろうなぁ。
それでも7万相手に無双する奴と互角だから恐ろしいもんだが。

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:34:32 ID:L/a+Qpab
かのリアル絢爛舞踏も戦闘機には勝ってるくせに対空砲には何度も(30回くらい?)撃墜されたしな。
相性の問題とかもあるのかもしれん。

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:37:23 ID:PTjTjQvf
>>294
サイトだって、ワルドと切り結んだ時より七万に突っ込んだときのほうが強くなってるんだろうけどねえ。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:37:23 ID:MpPbf3r1
空気読まずに初代風来のシレンに出てきたポリゴン系を召喚とか。
水路などの障害はものともせず1ターンで相手の正面に迫る。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:43:20 ID:PTjTjQvf
じゃあ俺も空気を読まずに発言するが、サイトの妄想力を1とするとルイズの妄想力はどんなモンだろう。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:54:28 ID:u3QRVRMv
2〜4くらい?まあ適当だけど。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:54:54 ID:WcLC430h
いろいろ考えたけど剣術の腕は彦清十郎並みで身体能力は勇次郎を越え、風の魔法はゲーニッツと同等ぐらいかな
>ワルドの実力


310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:56:25 ID:UlgzWokr
虚無の魔法が使えるぐらいの妄想力だから並大抵のものではないだろう
…シエスタのエロ本読んでからランクアップしたかもな

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:59:35 ID:JSN3JfEA
サイトの妄想力が富士山の高さなら
ルイズの妄想力は富士山がとんがった場合の高さだ

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:04:25 ID:cXT/Bk8v
>>306
なんでよりによってそれなんだよw
全く意図が分からん

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:06:06 ID:PTjTjQvf
ちなみに普通人の妄想力は0.5くらいかな……

>>309
さらにマザコン力では伊達雪之丞やヒビキアキラ(字が判らん)に並び、面の皮の厚さでは火引弾に匹敵するという。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:07:53 ID:Xa45+Avh
>304
ルー様が撃墜した戦闘機の殆どは乗機が地上襲撃機型のFw190の時じゃなかったっけ?
まぁ、Ju87Gの37mm機関砲で木っ端微塵にしてたりするけどさ

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:16:57 ID:q8XKAVXd
ルイズ「私の妄想力は108まであるわよ!」

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:17:48 ID:ughCzXXl
戦闘機乗りを召喚するんだったらザ・コクピットのエアハルト・フォン・ラインダース大尉は?

ロマリアに保管されていた核爆弾をアンリエッタの命でトリステインに移送する任務を受けるが、届いたらそれはアルビオンを焼き尽くす。
迷いを抱きながらタルブにあったタンク152で護衛に飛び立つラインダース。
そのとき輸送機(B-17)をガリア軍が強襲、中にはあくまでアンリエッタに従おうとするルイズが……
彼は、決断する。そして彼は永久に卑怯者の汚名をかぶった。
だが、後悔はしていない。
「私は、エアハルト・フォン・ラインダース、悪魔に魂を売らなかった男だ」

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:18:53 ID:goO5jAK6
ワルドなー。
伝説の使い魔を相手に腕斬られただけで逃げることができたととるか、
ルーン効果でパワーアップしただけのド素人に軍人のくせに負けたととるか……。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:18:57 ID:GDrHtcdZ
妄想力でヤマモトに勝てる奴はいないだろJK

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:24:39 ID:rbpIEXNx
>>316
戦闘機乗りではないがキングコング少佐召喚とかどうよ

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:28:15 ID:WcLC430h
ああ、よくよく考えたらあの時点のサイトって剣術どころかまともに戦ったことがあるのは数えるほどしかないんだよな
武器の扱いが理解できる身体能力が凄いド素人に互角だったと考えるとワルドってそこまで・・・


321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:31:17 ID:PTjTjQvf
108の妄想力とな!
それはもはや人としてどうかと……

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:33:39 ID:5fqDXKBK
ワルドにルーン効果サイトと互角の身体能力があったのか、身体能力だけの素人と互角にやりあえる剣術の使い手だったのか。
それは、SS書きの人次第。
どっちにしろ、心ふるわせたスーパーサイトにはかなわないんですけどね。

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:36:45 ID:SYHsQeba
>>302
ワルドが怖いのはママンだけだぜ。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:37:59 ID:Xa45+Avh
テニスの王子様はもうテニスとかそういうレベルじゃないよな
テニスをしている筈なのにガチで死人が出そうになったり
観客席まで吹き飛ばされたりフェンスにめり込んだり空を飛んだり

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:39:55 ID:COOB/BPi
>>274
>>289
>>309
それは有り得ないから。

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:42:13 ID:16B7IIHm
>>320
魔法の無効化食らったメイジは…

軍人でも接近戦をあまり重要視してない可能性もあるわけで

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:42:15 ID:WcLC430h
>>322
つまりスーパーサイトならスーパーサイヤ人の悟空にも勝てると

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:45:35 ID:U1eJXMzc
>>326
衛士隊のメイジは杖を剣のように使い…とある

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:46:31 ID:3qnrmVAi
ガンダールヴ効果とはいえ平凡な高校生が一度ぐらいしか負けたことがないんだよな
ルイズの力も敵もそれと釣り合うぐらいっていうバランス
ベースがサイト以上の強キャラ呼んだなら敵もルイズもパワーアップしないとバランスが取れないはずだな

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:48:18 ID:ughCzXXl
杖を剣のように、というか杖に普通に刃物を仕込めばいいのでは?
というわけで遊戯王のマリク召喚。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:50:47 ID:WcLC430h
>>330
あの顔芸を文章にするのって難しくないか?

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:51:27 ID:PTjTjQvf
始祖から与えられた魔法を使うことが貴族のステータスである、と考えればそれを刃物で代用するなんて始祖への冒涜だ、とか考えられているのかも知れぬ。


333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:52:18 ID:5fqDXKBK
>>329
幸運補正をなくすだけであら不思議。
簡単にピンチになれます。

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:53:38 ID:PTjTjQvf
>>333
幸運補正をなくせば、対ギーシュで死んでてもおかしくないんだよねぇ。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:53:43 ID:ked6lpSy
ピンチクラッシャーと申したか

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:55:51 ID:MTLIqsZH
スクウェア
カリン>>ワルド>後期タバサ>>>ギトー
トライアングル
コルベール>メンヌヴィル>フーケ>初期タバサ>キュルケ

ただ、戦闘経験とかも加味すると、後期タバサでもコルベールより下の可能性は大

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:59:57 ID:yMbl8OeQ
カリンと風のスティグマの和馬(覚醒なし)がガチで戦ったらどっちが勝つかな?

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:14:59 ID:6FHGwfBR
杖を剣の様に使う、黄門様ですね。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:16:54 ID:5fqDXKBK
>>337
覚醒なしでも風ではダメージを与えられないんじゃなかったっけ?
あと、出力でいうとビルだって一撃の炎雷覇(ゴーレムに効かなかったりしたけど)より上。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:20:07 ID:ozFz7y/X
ワルドとルイズ結婚してたらルイズの名前ってどうなってたんだろうな

341 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 20:20:52 ID:QAzzwYkH
>>340
いや、ワルドが婿養子じゃね?

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:22:02 ID:gXHJjqcK
仮面ライダー龍騎から14個のカードデッキ召還しないかな
ただしルイズは死亡する

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:24:35 ID:UlgzWokr
ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド・ラ・ヴァリエールとか
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ワルドとか(ヴァリエール家から出た場合)

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:30:53 ID:0UiUkeDx
下の場合はエレ姉さまが失ゲフンゲフンしなかった場合じゃないと実現しないぜ。

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:32:30 ID:COOB/BPi
龍騎ね・・・

ワルド「すまんルイズ、遅くなった」
サイト「大丈夫か? ルイズ」
ギーシュ「俺たちが、ついている!」
ルイズ「あれ? みんななにか変だよ?あ、大体、ワルド!あなた裏切り者じゃなかったの!」
ワルド「何を言ってるんだ、ルイズ! 俺たちの使命を忘れたのか?」
サイト「俺たちは、ハルケギニアの」
ギーシュ「自由と」
ワルド「平和を守る」
三人「水精霊騎士だ!」

ルイズ「えっ?」
 
ワルド「みんな、行くぞ!」
サイト&ギーシュ「おう!」

こうですか?わかりません

346 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 20:32:42 ID:QAzzwYkH
>>344
フーケ編終わったらツンデレ卒業したエレ姉SSをピンクのノボルスレに書く予定だから待ってな。

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:34:50 ID:ozFz7y/X
やっぱワルドが婿養子になるんかな
んでワルド・ルイズ・コッパゲ・キュルケが揃って会話する時は軽くカオスだな
ジャンが二人もおる

348 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/06/24(火) 20:41:42 ID:/0vm1bQc
こんばんは。予約の方もいらっしゃらないようなので
投下始めさせていただきます


349 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/24(火) 20:42:28 ID:/0vm1bQc
使い魔はじめました―第10話―
 
ルイズ、サララ、キュルケにタバサにチョコは
トリステインの城下町を歩いていた
シルフィードは町に入れないので、少し離れたところで待機している
「うわぁ、人が多いねえ! でも、道が狭くない?」
チョコが感嘆の声をあげながらも首を傾げる
サララも、自分が居た町よりずっと人間が多いのに、
道が狭いことを疑問に思って、ルイズに問うた
「ここはブルドンネ街。トリステインでも一番大きな通りよ。
 この先に宮殿があるから、道が狭いのよ」
ますます分からない、と言うように一人と一匹はさらに首を傾げる
「サララったら、随分平和なトコから来たのね。
 ほら、道が狭かったら、敵が一度に攻めてこられないじゃない」
キュルケの説明に、ようやく合点がいく
確かに、広くなっているところでは敵にぶつかりにくいが、
狭い一本道では敵にぶつかってしまうことがある
おそらく、宮殿を守るためにはそれが都合がいいのだろう
「それで、武器屋が最初で良いんだっけ?」
「武器屋? 何の用があるのよ」
キュルケに聞かれて、背中に背負っている袋を示す
武器が高く売れるらしいので、買い取ってもらおう、と思ってることを告げる
「ふぅーん、あなたって本当、何でも取り扱ってるのねえ」
頬に手を当てて、感心したようにキュルケは言った
「えーっと、ピエモンの秘薬屋の近くだから……」
ルイズはポケットから地図を取り出して確認する
「秘薬屋はこっち。ついてきて」
「え、ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
タバサがスタスタと歩き出したので、慌ててその後を追った
狭い路地裏、悪臭が鼻をつき、ゴミや汚物が道端に転がっていた
「うえ〜きたなぁい。 サララ、ルイズ、早く行こうよ」
綺麗好きなチョコが嫌悪感を露にしながらサララを急かす
「だから、あまり来たくないのよね」
四辻を過ぎた辺りで、タバサが銅で出来た看板を示した
「あそこ」
四人と一匹は、石段を上り羽扉を開け、店の中に入った

350 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/06/24(火) 20:42:52 ID:/0vm1bQc
店の中は昼間だというのに薄暗く、ランプの灯りがともっていた
壁や棚に、所狭しと剣や槍が乱雑に並べられ、立派な甲冑が飾ってあった
ああ、なんだかとても懐かしい空間だ、とサララは息を吸い込んだ
ほんのりと香る木や、カビや、鉄なんかの匂い
それは、この間までサララの住んでいた場所にとてもよく似ていた
店の奥で、女四人と猫一匹、という客人を胡散臭げに見ていた親父は、
ルイズ達の胸元の星の印に気がつくと、ドスの聞いた声を出した
「貴族の旦那方。うちはまっとうな商売してまさあ。
 お上に目をつけられるようなことなんか……
 あ、こいつぁ失礼。お客様でしたか」
言葉尻が愛想を含んだものにころっと変わったことを
今度はルイズ達が訝しがった
「ちょっと、何で客だって分かったのよ」
「へへ……まぁ、長いこと仕事やってますとね、ピンときまさぁ。
 特に……、同業の方がいらっしゃいますからね」
そう言って、サララに目をやる
サララは、店主と目を合わせると、にっこり笑った
今日は購入じゃなくて、買取だが構わないか、と尋ねる
「承知しやした。でもまあ、トリステインにその名あり、と言われた武器屋だ。
 値段に関しての交渉は、上手く行くと思いなさんなよ」
その言葉を受けてもなお、サララは微笑んでいた
右手の指には、トネリコの木から作った指輪がはめられている
これがある限り、上手く行くだろう、と思っていた
じゃあ、これとこれを、と袋の中から鉄で出来た斧と三叉の槍を取り出す
「ほぉ、中々いいモン出してきたじゃねえか。お前さん、旅の商人かい」
今の所は店はありません、などと相槌を打つ
「ふんふん……こっちの斧が50エキュー。
 こっちの槍が、150エキューってとこかな。
 あ、いや待てよ。こりゃあ固定化がかかってねえな。
 もうちょいひいて、45と140、ってとこか」
これって相場くらいなんですか? とルイズに尋ねてみる
「私が剣の相場なんか知るわけないでしょう」
ルイズは呆れたように眉をしかめた
でもまあ、これだけあれば足りるかな、と納得しかけた所で
一番大事な商品を出すのを忘れていたのを思い出す
「お、何だい? この剣も買ってくれ? ああ、見せてみ……!!」
すらり、と取り出された剣を見た瞬間、主人の顔色が変わった
「こいつは、じ、嬢ちゃん、これを何処で!
 いや、何処でだっていい、こいつぁすげえぜ……」
一見、それはただの古ぼけた剣だがやはり歴戦の?武器屋
その剣の価値を即座に見抜き……ため息をついた
「悪いが、ウチじゃあ買い取れねえよ。値段が付けられねえ。
 どっかの好事家にでも売り飛ばせればそれなりの値は張るだろうが……」
店主は悲しそうに寂しそうに名残惜しそうに盛大にため息をついた

351 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/06/24(火) 20:43:34 ID:/0vm1bQc
その時、店の中に店主のものとは違う低い男の声が響いた
「おいおい、どうしたってんだ、テメエらしくもねえ!
 いつもならテキトーぶっこいて買い叩いてんじゃねえか!」
店内に響いた声の出所を探して、彼らはうろうろと辺りを見回した
客は、彼女達しかいないようだし、店の奥から聞こえたわけでもない
「な、何よ今の声は……」
「どこに目ぇつけてやがる! ここだここだ!」
サララは、声がする方へ歩み寄った
それは、乱雑に積み上げられた剣の中から聞こえていた
その内の一本が、カタカタと鍔を鳴らしていた
「やいデル公! 黙ってろ! 武器屋には武器屋のプライドってのがあんだよ!」
店主がその剣へ向けて叫んだ
「あれって、インテリジェンスソード?」
ルイズがそちらに目を向けた
「へえ、その通りでさあ。全く、どこのどいつが
 剣を喋らせるなんてこと始めたんですかね……」
店主はまた大きなため息をつく
サララとチョコはその剣を見ていた
「へぇ、こっちじゃ、喋る剣って売ってるもんなんだね。
 ボクたちのところじゃ、怪物扱いだけど」
「黙ってろこのネコ!」
「ネコにネコって言ってもけなし言葉にならないよ……。
 チーズに、お前腐ってるぞ、って言うようなもんじゃないか」
「うるせえ!」
ギャアギャアとうるさい剣だが、サララは興味が沸いた
試しに手に取ろうとしたのだが……ここで問題が生じた
デル公と呼ばれた剣は、筒状の容器に他の剣と一緒に縦に入れられている
また、ルイズと同じくらいのサイズの大剣だ
手が、届かなかった
「あら、サララ。その剣が見たいの?」
サララの意図に気づいたキュルケに問われ、コクコクと頷く
「いいわ、とってあげる。……結構重いわよ、気をつけて」
両手でそこからデル公を取り出すと、キュルケはサララに手渡した
それを受け取り触れると、額のルーンが熱を持つのが分かった
おそらく、光ってるんだろうな、と思う
剣の本当の名、デルフリンガーと、付加された特殊能力が頭に流れ込んでくる
その能力を知った途端、サララは思わず言葉を失った
『魔法吸収』魔法が主な戦闘手段であるらしいハルケギニアでは
この能力は相当脅威になると思われる
両手に構えたまま、その錆びた剣を撫でた
「ん……この感じ? おでれーた! 嬢ちゃん『神の本』か」
神の本? と首を傾げる
「まあいいや。嬢ちゃん、俺を買え」
「えー、こんな錆びた剣買うの? ボクやだよ。うるさいし」
「何だと、この毛玉!」
「け、毛玉だって! 何さ、このガラクタ!」
ぎゃあぎゃあとケンカする一本と一匹
ルイズがそれを聞きながら思わず頭を抱える
一方サララは、デルフリンガーをどう入手するかしばし考えこんだ
それから、ちらりとカウンターの方を見やる
店主は、こちらとカウンターの上の剣を交互に見やっていた
その行動を見て、サララの腹づもりは決まった
多分、デルフリンガーは世界に一本しか無い剣だ
それと比べれば、あの剣など安いものだろう
サララは決意して、デルフリンガーを携えてカウンターまで歩いた
タバサは、自分より小柄な彼女が大剣を引きずることもなく
ひょいひょい扱っていることに、かすかに驚きの表情を見せた
「(……魔法は使えないけれど、ひょっとして、強い?)」

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:44:08 ID:ozFz7y/X
支援

353 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/06/24(火) 20:44:10 ID:/0vm1bQc
カウンターまで歩くと、サララは店主にニッコリ笑いかけた
斧と槍をそちらの言い値で買って欲しい
それから……このデルフリンガーと、その剣を交換で
そう告げた瞬間、店主の目がらんらんと輝いた
「へぇ、本当におよろしいんで? そっちのデル公と
 この剣とじゃ、大分価値が違うと思いやすが!
 いいんですね、本当にいいんですね! 毎度どうも!」
物凄く高いテンションで、サララの前に金貨を積み上げる
「ちょっと多いんじゃないの?」
横で見ていたルイズが訝しげに問いかけた
「なあに、ここで色をつけなきゃ武器屋の名がすたるってんでさあ!
 ああそうそう、そいつは、鞘に入れておけばおとなしくなりますから!」
サララはデルフリンガーの鞘を受け取る
「毎度どうも! またお越しくだせえ! 嬢ちゃん相手にだったら
 幾らだってサービスしやすよ!」
お店が潰れない程度でお願いしますね、とサララは答えた
「じゃ、今から他のとこも回るんでしょ? 早く行きましょ」
「ねえサララ、あなた、もっと可愛い服も買った方がいいわよ」
「ちょっと! サララは着せ替え人形じゃないんだからね!」
「サララー、早く行こうよー」
彼女達が去ったのを見送った後で、店主は改めて剣を見る
ゲルマニアのシュペー卿が鍛えた業物ほど輝いてはいない
だが、これはそれ相応の歴史を背負った剣に違いない
そう、まさに伝説の一品と呼ぶに相応しい
店主はウキウキと紙とペンを取り出してきて、しばし悩む
それから、さらさらと文字を書いた後で、店の表に画鋲で止めた
「売るにしろ売らないにしろ、宣伝はしておかねえとな」
満足げにその貼り紙を見ながら頷くと、店内にスキップで戻っていく
『伝説の剣 はじめました』
そう書かれたチラシがパサパサと風に揺れていた

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:44:52 ID:E6BOWpsS
>>337
ハルケギニアの風の精霊が和麻に従うかどうかが謎だ。


355 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/06/24(火) 20:45:28 ID:/0vm1bQc
以上で投下終了です
途中で名前欄間違えましたorz
正直言って今回書きたかったのはラストの描写です
たまには、武器屋にいい目を見せてもバチはあたりますまい

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:45:48 ID:E6BOWpsS
うわ、大失敗。
支援しましゅ。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:47:33 ID:E6BOWpsS
さらに大失敗。
GJっした。

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:50:10 ID:234l3cBW
>329
でも否応なしに政府だのアカデミーが出張ってくるような奴呼んじゃったら?

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:06:52 ID:CSnXfyZR
サララが交換した伝説の剣(?)って何なの?
無知な俺に誰か教えてくれ

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:23:02 ID:nf8LC6wl
これは良いDS移植希望作、GJでした

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:28:30 ID:bdY4RYzM
>>359
そのものズバリ『伝説の剣』だと思われる
凄く貴重そうなアイテムに見えるがある程度レベルが上がると
ごっそり手に入るため気軽に売れる
サララが1話の冒頭で言ってたのは
コレを手に入れるための方法

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:31:51 ID:hrLgGuMn
>>314
フォッケの地上襲撃型は制空権を確保した後でないと危なくて運用できないレベルのはず。
普通の人間が乗れば。

>>359
商品名。ダンジョンでたまに拾える。
あと、「王者の剣」を拾ってドワーフの鍛冶師の赤熊さんに「ミスリル」でコーティングしてもらってもできる。
アイテムとして使っても攻撃魔法が飛ぶし、素の攻撃能力も高い最強クラスの武器。

363 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:32:10 ID:QAzzwYkH
ラブコメって面倒臭いなー…
ハッ?!
いえいえ、何でもありませんよ?
続きが書きあがったので投下してもいいですかね?
(ちょっと短いかなぁ、と思いますが、プロット構成上ご容赦ください)

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:33:45 ID:L/a+Qpab
だんじょんの人、乙したー。
オチは素直に上手いと思った。

そしてギュス様支援。

365 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:35:10 ID:QAzzwYkH
それじゃ中途半端に37分くらいから投下させていただきます。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:36:19 ID:bdY4RYzM
鋼さん支援
>>362
……アイテムとして使えるの知らなかったorz

367 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:38:40 ID:QAzzwYkH
 時系列が前後し、虚無の曜日から2日ほど前―――



 トリステイン魔法学院、学院長室のある塔は頂上階に学院長室が置かれ、その下に宝物庫が置かれている。
宝物庫には学院発足以来の種々様々の貴重な物品が数多く寄贈され、盗難を防ぐべく
堅固な扉壁(ぴへき)が施されたこの一室に集められているのだった。
その宝物庫の厚い鉄扉が開かれ、内部の壁面を掌でなぞっている女性が一人。その手には巧みに細工されて
一見してそうは見えないように杖が仕込まれている。
「なんて強固な『固定化』なんだ。私の『錬金』が殆ど効いていない……」
 『固定化』によって形質の変化を止めた物質には、『固定化』を上回る力で『錬金』をかけることで無効化できるのだが、
女性の『錬金』は宝物庫に如何ほどの変化も与えることが出来なかった。
女性は宝物庫の中をフラフラと歩き回っていたが、開け放たれた扉の向こうから階段を上ってくる足音が聞こえると、
不審な素振りを辞めて身につけたローブのたたずまいを直した。
足音は徐々に大きくなり、螺旋階段を抜けて扉の向こうに人影となって現れた。
穏やかな瞳をした、すこし額の広い男。
「ここにいましたか」
「何の御用でしょうか。ミスタ・コルベール」
「個人研究費用の一部を経費で落とせないものかと思いまして……どうでしょうか?ミス・ロングビル」
 困ったように頭をかいてごまかすコルベール。彼は優秀なメイジであり且つ、先見的な発想を持つ優れた研究者だが、
他の事柄については疎くあった。
 ミス・ロングビルと呼ばれた女性は、コルベールの提案に最も必要な意見を返して宝物庫から出た。
「オールド・オスマンへ領収書に使用目的を述べた書類を添付して提出なさるのでしたら、こちらで受け付けますわ。
……個人的には、望み薄かと思いますけれど」
 コルベールもそれくらいのことは分かっていたらしく、申し訳なさそうに笑った。
「……ところで、ミス・ロングビルは宝物庫で何を?」
「収蔵品の目録を作成しようと思いまして」
「それはそれは。仕事熱心なことで」
「いえいえ。……それにしても、宝物庫には随分と強力な『固定化』が掛けてあるのですね」
 それはもう、とコルベール。
「なんでも、数十年ごとにオールド・オスマン自らが数日の準備をして施すものだそうですから。
並の魔法では傷一つ、つかないでしょうな」
 しかし、とコルベールは言葉を切る。
「しかし、なんです?」
「それも想定されているのは通常の魔法だけですから。何か搦め手を使われて賊の侵入を許すようなことがあれば
収蔵品を荒らされる可能性がありますし。もう少し他の教師の方々にも、当直の厳守をしていただきたいものですなぁ」
 学院には教師生徒合わせて300人余りのメイジと、衛兵その他奉公の平民を合わせて1000人は住み込んでいる。
学院を囲む壁も強固な代物で、賊など入ってくるものかと当直をサボる教師が殆どなのだ。
 コルベールの言葉にミス・ロングビルは何かを拾うように目を細めた。
「通常の魔法……か…」
「何かおっしゃいましたか?」
「いいえ…何も」
 では失礼、とコルベールは来た階段を下りていった。
 それを見送ったミス・ロングビルは、にやりと不敵に笑って顔を歪ませた。








368 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:40:10 ID:QAzzwYkH
ルイズ達一行は馬と風竜に分乗してさしあたりなく学院に帰還した。タバサはキュルケを降ろして自室の窓から部屋に戻ったが、
他三人は馬を厩に返してから自らの足で階段を上る。
 過不足なく最適なお買い物ができたおかげで上機嫌なルイズ。ギュスターヴのお陰と思えば気持ちも軽い。
逆に、別に欲しくもない剣をやたらめったら高い値段で買わされ、さらに割賦払いがあるために
暫くの月日をカツカツに過さなければならないキュルケは足取りが非常に重たい。
恨めしそうにキュルケはギュスターヴとルイズを見る。
「本当にこれ、いらない?」
「いらないわよ」
「辞退しよう」
 にべもなく即答。一層かっくりとキュルケは肩を落とした。
「今日はもう寝るわ……」
 ふらふらとした足取りで部屋に入っていくキュルケであった。
 ルイズとギュスターヴも部屋に戻り、買い物荷物を整理した。ルイズは荷物を片付けてから再びドアを開ける。
「私は今から魔法の練習に行ってくるから」
「熱心だな。行ってらっしゃい」
 
 部屋に一人残されたギュスターヴ。腰に挿して持ってきたデルフを抜いてやる。
「おいおい相棒ー、会ったばっかりだってのにつれないじゃなねーか。もっと愛想よくしてくれよー」
 帰りの道中、デルフの余りの饒舌に疲れてきたギュスターヴは、鞘にデルフをきっちりと収めて黙らせていたのだ。
「そう言うなよデルフ。なに、話したい事があったらお前を砥ぎながら聞くよ」
 デルフを一旦置いて、小さな桶に水を汲む。買い物荷物や私物の中から雑多な布切れや独特の形状をした石を何個も取り出して、
桶の水に浸した。デルフは刃の根元が複雑に組み合わせてあり、刀身だけの状態に出来るようになっていなかった。
もしかしたら分解すると人格が消えてしまうのかもしれない。
水につけた石を、同じく水で濡らしたデルフの刀身に当てて、静かに滑らせた。
シュッ、シュッ、と刃物を研ぐ独特の音がルイズの部屋に響く。
うまいねぇ相棒、とデルフにも高評価だ。
「最初に『使い手』といったな。あれはどういう意味なんだ?」
 刃が研がれて汚れてくるとボロ布でふき取り、また水をつけて滑らせる。
「どういうって……んー、なんだっけ?」
「自分で言い出したんだろう」
「いやーそれがよ。俺様ってものすげー昔から剣なんてやってるからよ、あんまり昔の事だとはっきり覚えてないんだわ」
「そりゃ困ったな。あれのことと関係ありそうだったのに……」
 あれとはつまり、ワルキューレに剣を入れた時の、あの心もとないような手ごたえの違和感だった。
「ん…多分それ、関係あるぜ」
 陽に研いだ面を当てて研ぎ具合を確かめる。
「本当か?」
「おう。なんでか思い出せねーけど。お前さんの左手の刻印を見てると、そんな気がしてくる」
 デルフをひっくり返して反対側も、同じように研ぎこんでいく。
「俺様からも聞いていーか?相棒」
「なんだ?」
 研ぎ終わりに油紙でそっと刃を撫でると、油紙は自重でゆっくりと切れて落ちた。
「相棒って、生きてるよな?なんつーか、相棒からだけ、他の連中とかみたいな印象を感じねーんだ。こうやって握られているのに」
「……そうか」
 それはつまり自分には命の源たるアニマが通っていない、と言う事を指しているんだろう。
世界を流れる生命回帰の輪から弾かれた己が想起されるが、努めて明るくデルフを笑ってやった。
「勿論、俺は生きてるぞ。心臓だって動いてる」
「そうか、そりゃよかった。グールやゾンビが相棒だったら、俺様も寝覚めがわりー。俺、眠らないけど」
 デルフも鍔を鳴らしてカタカタと笑った。




369 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:42:11 ID:QAzzwYkH
学院長室のある塔を望む広場。陽が暮れ始め、既に斜陽深まりつつあった。
 日課となって久しい魔法練習に来たルイズは、広場に入るなり隅の邪魔にならない所に積み上げられた杭を拾いに進むと、
植え込まれた樹木の一つに人影が見えた。
「誰?」
 声をかけられ人影は激しく動揺してビクビクと動いている。なんてこない。見知らぬ顔ではなかった。
「…や、やぁ。ルイズ。決闘騒ぎの時は迷惑をかけたね」
「なんだ、ギーシュじゃないの……。…って、なんか、白くなったわね」
「HAHAHAHAHA!」
 笑い声の調子が外れていて気持ち悪い。
「……まぁ、いいわ。今から魔法の練習するから邪魔しないでね」
 なんだか決闘以来おかしくなっているギーシュを放っておき、拾った杭を突き立てて、ある程度距離をとり構える。
深く一度息を吸って、意識を込める。
「ファイアーボール!」
 杖を指し示すと同時に、杭の頭は爆発し弾け飛んだ。
 ここ数日、真剣度合いの違いが結果に影響を与えるということが、殆ど無いあたりに抜群の安定感がある。
今年度の横浜に欲しいくらいである。
「最近段々威力がコントロールできるようになっちゃったのが悲しいわね……」
 自嘲的な笑いとため息が絶えない。
 その後もルイズは何度も魔法を杭に向かって唱えた。構えを変えたり、呪文を変える等の試行錯誤を繰り返したが、
不思議なことにどれ程杭から距離をとってみても変わらず瞬間的に失敗の爆発は杭を吹き飛ばす。
 木陰からそんなルイズの風景を、ギーシュはすることも無くただただぼーっと眺めていた。
ふと、風景の端に何か黒いものがひらひらとはためく。
「何だあれは……」
 視線を外して黒いものを目で追っていく。黒いものの正体は学院長室の屋根に降り立つ何者かのローブが風で揺れているものだった。
 ギーシュがそれを認識した時、俄に地面が震え始める。なにか重いものを挟んで聞こえてくる地鳴りのような音の正体は、敷地を囲む
壁の向こう側から盛り上がる土の山だった。
 土の山が壁を超えたほどの大きさになると、それは次第に巨大な人型となって壁を跨いだ。塔の上の人影が、土の巨人の肩に乗り移る。
「ぞ、賊だー!」
 ギーシュが叫ぶ。それにルイズが振り返ったその時。
 現れた土巨人は、学院の塔の一つを、小さな馬車ほどはあるだろう巨大な拳で殴りつけた。それによって生じる衝撃と音たるや、
オーク鬼のげっぷとハンマーで硝子を割る音を合わせて百倍にしたような、強烈な激音である。
 当然学院中の人間はその音に驚いた。気の弱いものは一度聞いて失神し、耳のいい使い魔は泡を吹いて卒倒した。
「な、なんだあれは!」
「ゴーレムの上に人が居るぞ!」
「誰かあいつを止めろー!」
 色々な窓から顔を出して謎のゴーレムを指差しざわつく学院の人々。意を決して誰かがゴーレムに取り付こうと
『フライ』や『レビテーション』で近づこうとすると、ゴーレムはその巨大な腕を払って寄せ付けようとしない。
その動きは大きさゆえに緩慢だが、ほんのわずかにかわすだけでも腕の振りが起こす風が近寄るものを翻弄する。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:42:17 ID:Q39TjXZG
支援三段

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:43:06 ID:tLU78mNU
ギュスさま、精霊的に見れば死体なのか……支援。

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:44:24 ID:ob1VYGO8
塔支援塔支援塔

373 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:45:34 ID:QAzzwYkH
 
「わたしがやるわ!」
 見上げるほどのゴーレムを前に杖を握り締めるルイズ。
どっちにしたって失敗だけど、威力と距離のコントロールだけはうまくなったんだから!
「ファイアーボール!」
 ゴーレムの肩に乗る賊に向かって杖を振る。その爆発はゴーレムの胸辺りまで迫り、土砂で出来ているらしいその体を抉ったが、
ゴーレムの運動は止まらずに相変わらず塔の壁を叩いている。
「ルイズー!」
 異常を察知したギュスターヴが寮から飛び出して駆けつける。その後にはキュルケとタバサも着いてきている。
「何あれ?!」
「知らないわよ!でも賊が学院に入り込んだのよ?しかもこんな大胆に」
「あの塔には何がある」
 ギュスの声に真っ先にタバサが答えた。
「学院長室。でもこの時間には居ない。狙いは多分、宝物庫」
 宝物と賊、二つの言葉がルイズの中で繋がる。
「まさか、街で聞いた盗賊?!」
 
宝物庫のある塔を外側から巨大なゴーレムを用いて打撃する謎の盗賊。名を『土くれ』のフーケという。
フーケの犯行は慎重にして大胆。忍び込んだ屋敷は数知れず、特に汚職に塗れたような性悪貴族を相手にする時は、
家財の一切を土に還して退散するこだわりようだ。
そんなフーケがここ、トリステイン魔法学院の宝物を狙う時に考えた作戦が今、実りはじめている。
「さぁ、もっと近くによりな。あんたの爆発を、もっとこっちに打ち込めるように」
 フーケは堅牢な宝物庫を、内側からではなく外側から破ることを考えた。その為に壁をルイズの失敗魔法を利用して破壊しなければならない。
休みの日で気が緩んだ学院の隙を突いてゴーレムを形成、陽動を兼ねて塔を叩き、この時間には必ず広場に出ていたルイズの気を引く。
ルイズ以外のメイジが必要以上に近寄らないように細心の注意を払いつつ、ルイズがいた広場からはこれ見よがしに塔の壁を叩く。
ルイズの性格をあらかじめ抑えていたフーケは、この作戦の成功を半ば確信していた。
 
「ここはひとまず逃げましょ。あんなでかいゴーレム相手じゃ分が悪すぎるわ!」
 キュルケとタバサはゴーレムに悟られぬようにこの場を去ろうとした。ギュスターヴもそれに倣ったし、ルイズも倣うだろうとギュスターヴは思って
いた。
「嫌よ」
 だがルイズは独り毅然と賊のゴーレムを見据え、杖を構えて歩いていく。
「ルイズ。今はそんな余裕が無いんだ「いいから!」」
 ギュスターヴの静止を振り切って、ルイズはゴーレムに向かって走り寄っていった。
「ルイズ!」
 それを追いかけるギュスターヴ。緊急の事態だったためにデルフを部屋に置いてきてしまったのが痛い。
(近づいて、もっと強力な呪文に変えれば……!)
 ルイズが立ち止まった。ゴーレムとの距離は約10メイルほどもない。
ルイズの目はゴーレムの肩、黒いローブをなびかせる不審な賊を見据える。
「今度こそ!覚悟しなさい盗賊!フレイム・ボール!」
 勿論フーケはそんなルイズの様をほくそ笑みながら注意深く見ていたので、ルイズが杖を振ってその先が自分を向く瞬間、
ゴーレムの肩から後に飛んで『レビテーション』で静止する。
 直後、爆発。その衝撃はファイアボールの比ではなく、ゴーレムの首から上は見事に飛び散って、殆ど真下にいたようなルイズは
頭から土煙を被った。
「ゴッホ、ゲッホ…やったかしら?」
「大丈夫かルイズ!」
 一足遅れてギュスターヴはルイズの元にたどり着いた。ルイズは高揚した声でギュスターヴにまくし立てる。
「やったわ!やったわギュスターヴ!私の魔法は失敗で爆発しかしないけど、それでも人の役に立てるわ!」
「わかった、わかったよ。でもここは危険だ。ひとまず逃げるぞ。……!!」
 その時、残っていたゴーレムの首から下が音を立てて崩れ始める。足を構成する部分はそのまま自重に負けるように崩れていくが、
腕や肩の部分は完全に崩れず土の塊となって落下してくる。
 ギュスターヴはとっさにルイズを担ぎ上げて走る。やがて上半身がばったりと倒れ落ちるのに押しつぶされる寸前で建物の中に逃げ込んだ。
 
 ルイズがしとめたかに見えた爆発で、宝物庫へ続く穴が穿たれたのを確認したフーケ。
爆発の瞬間に後に飛んだことで、背中に負っていた壁に見事、ルイズの爆発を当てる事が出来た。後はそれをまぎれさせる為に
まずゴーレムの頭を元の土に戻し、ゴーレムの影になっている部分の壁に張り付いて、今度は残ったゴーレムの身体を一気に土に戻す。
勢い良く倒れた巨大なゴーレムは立ち上がるほどの土煙を作って、フーケを隠してくれる。
「ふふふ、ありがとうお嬢ちゃん。これで私の仕事が出来るわ」

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:46:13 ID:L/a+Qpab
>今年度の横浜に欲しいくらいである。
ちょ、中の人の本音が漏れてるw 支援

375 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:46:43 ID:QAzzwYkH
 

 
 巨大なゴーレムが倒れ崩れることで舞い上がった土煙は、丸々30分は地面に落ちず宙を留まり、ゴーレムの体だった土砂で
広場の一つが腰まで埋まった頃。
 ようやく事態を認識して駆けつけた教師達が宝物庫を空けた時、宝物庫内で展示されていた宝物の一つを納めていたケースから
物が抜き取られ、代わりに壁に大きくチョークで落書きされていた。


 『学院所有の秘宝 破壊の杖 確かに頂戴しました 土くれのフーケ』

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:46:47 ID:ob1VYGO8
支援クラッシュ LP-1

377 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/24(火) 21:49:19 ID:QAzzwYkH
投下終了。ちょっと駆け足になっちゃったかなぁ。でも原作的にこれ以上膨らみそうに無くて。すいません。
ギュス様って結構寂しがりなんだと思うんですよ。うん。
次回からフーケ捜索イベントですよ。
果たして破壊の杖はなんなのでしょうか?

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:49:22 ID:/B11GpEH
>362
Fw190のFシリーズが地上襲撃型だったな。
防弾装備の大幅な追加で確か360kgぐらい増えてたから、旋回時は
通常型と違ってかなり癖が出たろうな。
でもまぁ、それでも鈍足のJu87Gで空戦やるよりは随分マシだろう。

支援

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:51:25 ID:ob1VYGO8
投下乙!
破壊の杖…か、未解明と言う共通点でやっぱあれかな?

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:52:31 ID:L/a+Qpab
乙なんだぜー。


381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:53:35 ID:JC4KEWSe
パイナップルアーミーのジェド・ゴーシを呼ぶルイズたんはおらんのかね?

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:07:37 ID:5BpB/DqQ
鋼の人乙
帰ってきてからの唯一の楽しみだよ

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:15:36 ID:CSnXfyZR
>361
サンクス
やっぱ多少は原作知ってる方が楽しめる罠
とりあえずwiki見るわ

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:19:01 ID:tLU78mNU
>>383
あああー……一応将来プレイすることになるかもしれないときに備えて、だんじょんの由来と登場人物周りは見ないことをお勧めー

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:21:42 ID:Uw/edWug
>>381
ルイズよりも、軍に入ったばかりのギーシュやマリコルヌが徹底的にしごかれる鬼教官ぶりが浮かんでくる。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:29:32 ID:cXT/Bk8v
なで斬りこそ至高の技

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:31:36 ID:39RDqhhz
アニマがない=魂がない

ってわけじゃないはず・・・だよな?

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:32:06 ID:mvZHRtFq
>>385
マリコルヌがハートマン軍曹を召喚しましたとな?

「でかい声あげろ!この微笑みデブ!!」


389 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:35:46 ID:K0bqh+Bi
空気読めず、投下してもよろしいですかね!?

390 :Black Coat Mahora ◆jqB.C.MTuw :2008/06/24(火) 22:35:47 ID:ccOfx0HT
>>388

>微笑みデブ

 居崎麟太郎しか知らない。

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:35:59 ID:CSnXfyZR
>384
半分手遅れだ
由来は乗って無いぽ、だが登場人物は一通り見ちまったぜ フゥハハァー
もうねゲーム買いそうww

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:36:06 ID:ob1VYGO8
おk、支援

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:37:41 ID:vQWSEc2K
支援

394 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:38:07 ID:K0bqh+Bi
「ファウストさん・・・それにミス・ヴァリエール・・・。私を庇って・・こんな事に
申し訳ありません・・・」
「アンタが謝る事は無いわ。それより・・・どうするのよファウスト?」
「ハイィ?何がですかね?」

「決闘の事よ。ギーシュを適当に諌めて事を終えようと思っていたのに」
「そうなんですか?こりゃまた失礼しました!しかし、彼のような少年には一度オシオキをして
あげないとダメです。そう。大人として!!」
「アンタ武器も無いんでしょう?前に言ってたメス?とかいうの。そりゃあんたはすごい法力使いなのは知ってるけど
、お医者様なんだし、戦う手段はあるのかしら?」
「メスに関しては・・・無くともなんとかなるでしょう・・・。代用してもいいのですがネ。法力については多少は戦闘が出来る
位には嗜んでいますので心配ご無用!!」

 ファウストはルイズの様子を見ると、ニヤリとした。
「もしかして・・・心配してくれちゃったりします?」
「!?違うわよ!武器の代わりを探してきてあげようと思ってたのよ!!そのメスってのはどんな武器なの?」
「そうですねぇ・・・例えるなら槍って所ですかね?槍ねぇ・・・。まぁ良いわ。探して見る。それまで負けるんじゃ
無いわよ!!」

 ルイズはそういうと食堂の外へと走り去っていく。
 ファウストはシエスタへと話しかける。
「まぁ、そんな感じです。ここは私に任せておいて下さいヨ!」
「しかし・・・。分かりました。私に・・ファウストさんの戦いを見届けさせてください!!」
「分かりました。近くで応援をお願いしますネ。それでは行きましょうか?私に掴まって下さい」

 シエスタは傘を広げだしたファウストの行動に疑問を覚えたが、ほどなく彼の腕を掴んだ。
「それではっ。道案内お願いしますよぉ〜」
 彼はシエスタを抱きかかえるように空へと飛び上がると、彼女の耳元で告げた。
「ファウストさん!?メイジだったんですか!?」
「正確には違うのですが・・・・。同じようなモノです。ね、大丈夫そうでしょ?それで場所は・・・あちらですか?
ではしっかりと掴まってて下さいねぇ〜」

395 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:38:43 ID:K0bqh+Bi
 ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内「風」と「火」の搭の間にある。中庭で、日中もあまり日がささない場所にある
 決闘にはうってつけの場所だ。
 普段はあまり人が居ない場所なのだが、今回は何処からか噂を聞きつけたか、野次馬で溢れかえっていた。

 ギーシュは広場の中央。見渡しがよく何処からでも見える場所に一人薔薇を咥えて待っていた。
 一人の生徒が空を見上げて叫ぶ。

「何かふってくるぞ!?」

 上空から人型の物体が広場へと降りてくる。近づいてくるに連れ、それが彼の決闘の相手と、例のメイドだと分かる。


「秘密の・・・・ファウスト!」
「ようやく来たか!待ちくたびれたよ使い魔君。フライを使ってここまで来たという事は、君はメイジだったのだな。
だが、使い魔程度がこの僕を侮辱した罪は消えない!」

 ギーシュは、空から降りてきたファウストに対し驚いたが、怒りが驚きを上回っているのかそんな素振りは見せず
 ファウストへと声高らかに宣言した。

「さぁ!決闘を始めるとしよう!」

 ファウストは、シエスタを自分の後ろへ、下がらせるとギーシュの前へと進む。

「分かりました。さぁ、オペの始まりです!」


 HEVENN
     OR
       HELL


  LET’S! LOCK!!

「僕も君と同じくメイジだ。メイジ同士の戦いは先手必勝。攻めさせて頂く!ワルキューレっ!!!」

 ギーシュは、手にした薔薇の花を振った。花びらが一枚宙に舞うと、甲冑を来た女戦士の形をした人形が現れる。
「僕の名はギーシュ。青銅のギーシュ。その名の通り青銅を操る術を得意とする。君の相手はこの青銅の女神、ワルキューレが
勤めさせて頂く!!」

「フム・・。これがこの世界の魔法ですか・・・。召喚法?いえ、少し違うようですね。実に興味深い・・・」
「何をブツブツ呟いている!いけ!ワルキューレっ!!」


 ワルキューレがファウストへ向かい突進を行う。
 その勢いのまま、彼の顔へと拳を抉りこませた。

「あいやっ!」

 ファウストは呻いて、後ろへと吹き飛ぶ。
「なんだね。まだ終わりという訳ではあるまい?立て!君もメイジなのであろう!君の魔法を見せてみたまえ!このまま
終わってしまっては決闘とは呼べない!」

 このような呆気ない幕切れを彼は望んではいない。自分を侮辱した使い魔を、全力で叩き潰す。そうしないと彼の傷ついた
 プライドは癒されない。

「なかなかにイイ攻撃です!びんびんときましたよ〜。それではお言葉に甘えまして・・・出番ですよ!ちびファウストくん!」

 ほぼ無傷と思われるファウストはさっと立ち上がると、彼自身に酷似したモノを放り投げた。
「何!?杖も無しに魔法を使うだと・・?まさか先住魔法を使うとでも言うのか・・・?しかしそのような小さいゴーレムで
この僕のワルキューレと戦おう等と・・・力の差を教えてやろう!!」

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:38:52 ID:ob1VYGO8
支援

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:39:49 ID:jsY0fA4J
支援っす

398 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:39:57 ID:K0bqh+Bi
 ギーシュと相対するメイジが杖も無く魔法を使う。この事実にヴェストリの広場は震撼とする。
 だが、ギーシュは戦いの中にいる為、野次馬達ほど動揺せずに済んだ。
 ファウストの姿に酷似したゴーレムを叩き潰す為、自らのワルキューレへと命を下す。

「やれ!ワルキューレ!そのゴーレムと共に奴を 叩き潰すんだ!」

 
 所変わってここは学院長室。
 ミスタ・コルベールは、冷静に彼の調べた結果をオールド・オスマンへと説明する。
 ルイズが召喚した使い魔のルーン。それが伝説の使い魔、始祖ブリミルの使い魔である、ガンダールヴの
 ルーンと同じモノである事を。
「ではミスタ・コルベール・・・君はその使い魔の人間を、ガンダールヴであると・・・そう言いたいのじゃな?」
「はい。その通りですオールド・オスマン。このようなルーンは他に見たことがありません」
「確かにルーンは同じじゃ。しかし、それだけで決め付けるのも早計かもしれん」
「それはそうですが・・・」
 自分よりも冷静であるオールド・オスマンに諭され、言葉を繋げずにいると。
 コンッコンッ・・・とドアがノックされる音が響く。
「誰じゃ?」
 扉の向こうから、ミス・ロングビルの声が聞こえてきた。

「私です。オールド・オスマン」
「何のようじゃ?」
「ヴェストリの広場で、決闘している生徒がいるようです。教師も止めようとしたのですが
生徒たちに邪魔されているらしく、決闘は続いているようです」
「全く、暇な貴族ほど性質の悪い生き物はおらんな。で、誰が暴れておるんじゃ?」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」
「あのバカ息子か。血は争えんのう。どうせ女がらみじゃろ?。相手は誰じゃ?」
「それがミス・ヴァリエールの使い魔だという話です・・・」
 2人は顔を見合わせた。噂をすればなんとやら、先ほどの話の主たる人物が、急に話に出てきたからだ。
「教師たちからは、眠りの鐘を使用し決闘を止めるべきだ・・・と言った意見が出ている様です」
 オールド・オスマンの目が、鷹の様に鋭く光った。

「ふん。秘法を使ってまで止める様なモノでもあるまい。勝手にやらせておきなさい」
「分かりました」
 ミス・ロングビルが去っていく音が聞こえた。
「オールド・オスマン」
「うむ。偶然じゃが、いい機会じゃ。ミスタ・コルベール。先ほどの話の真相が分かるかもしれぬぞ?」
 オールド・オスマンが杖を振ると壁の鏡に、ヴェストリの広場の様子が映し出された。

 ギーシュは驚いていた。ワルキューレがファウストのゴーレムへとぶつかり合うと、ワルキューレは音を上げて
 崩れていった。

「何故だ!そんな小さいゴーレムに僕のワルキューレが力負けしたと言うのか!?」

 その小さきゴーレム、名をちびファウストと呼んでいたモノは、トコトコとギーシュの元へと近づいてくる。
「ひっ!?ワルキューレ!」
 手に持った薔薇を振り、ギーシュはさらに六体ものワルキューレを作り出す。

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:40:23 ID:wPrIVQjw
支援

400 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:40:23 ID:K0bqh+Bi
「物量戦というやつですか?それでは私も・・・皆さ〜ん!出番ですよ!」
 ファウストはさらに、ちびファウストを召喚した。そのままワルキューレの編隊へと皆で歩いていく。
 先ほどと同じくワルキューレは砕け散り、残されたギーシュへと近づく。

「そ、そんな馬鹿な・・・僕のワルキューレ達が全滅・・・?それも瞬殺だと・・・」
 考え込み、動きが止まっているギーシュの周りをちびファウスト達が囲み出した。
 そのまま彼へと組み付くと、両手、両足へと引っ付いた。

「何をする気だ!?離せ!離したまえ!」
 ギーシュは、手と足を振り解こうとしたがちびファウスト達はビクともしない。
 そんな彼の元へ、目の前の、紙袋を被った男は歩み寄ってくる。

「何って・・・ナニに決まっているじゃないデスかぁ・・・大丈夫。痛くしませんよ・・・?」
 怪しく目を輝かすファウストに、ギーシュは自分がどんな目にあってしまうか想像もつかない。
 軽く身を震わせる・・・。

 その時、決闘を見守る野次馬の列を掻き分けて一人の少女が彼らの元へ現れた。
「ファウスト!!武器を見つけてきたわよ!!受け取って!!」

 ファウストは、自らの主人から槍を受け取ると、状態を確かめる。
「(どうやら模造品のようですね・・・まぁこれで十分でしょう・・・。おや?何故だか体にビンビンと力が沸いてくる
気がしますねぇ・・・)ありがとう御座いますルイズさん。さすがは我が主・・・欲しいときに無い物を持ってきてくれるなんて
私たちの絆は思ったより深いですヨォ!!」

 突如現れたルイズに野次馬達はガヤガヤと話をしている。
「ゼロのルイズの奴・・・ギーシュは劣勢だってのに・・・鬼か奴は・・・?」
「どこからどう見てもあの使い魔の勝ちじゃない・・・そこに武器なんて・・・」
「よし!何一つ分からない!」
「ギーシュの奴・・・とんでも無いやつに戦いを挑んでしまったんだな・・・」

 自分の登場と共に場から変な雰囲気を感じる。皆、自分を畏敬の念で見ている気がする。
「な、何?何なのよ・・・」

 先ほど決闘場についたルイズは、ギーシュとファウストの決闘の状況を知らない。
 ファウストと別れた後、急いで武器庫へと走っていった。
 そこで槍を見つけると、ヴェストリの広場へと急ごうとしたのだが・・・。
 彼女の想像以上に槍は重く(正確には模造品なのだが)、引きずって運んできた
 おかげで意識も朦朧としていた。そんな状態なので当然ファウストに武器を渡す事しか
 確認していない。

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:40:28 ID:vQWSEc2K
もういっちょ支援

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:40:28 ID:ob1VYGO8
支援

403 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:40:47 ID:K0bqh+Bi
「そ〜れではギーシュさん!!オ・シ・オ・キ・タ〜イムのお時間ですよぉー」
「僕に何をする気なんだ!?僕を動けない状態にして・・・・」
「なーに。簡単なゲームですヨ!コレをみて下さい!」
 パチッとファウストが指を鳴らすと、目の前に四つの宝箱が現れた。

「ウフフ!この四つの宝箱には一つだけ当たりがあります。それを当てれば貴方には何もしませんよ〜」
「ほ、本当なのか・・・よし。分かった・・・少し時間をくれ・・・」
 ギーシュの額に汗が流れる。何せ、この中から当たりをひくことが出来れば、このいい知れぬ恐怖から
 解放されるのだ・・・。
 ギーシュは己の意識を集中させた・・・。

「さぁ・・・お時間が来ましたヨ・・・答えをどうぞ・・・・」
「・・・・・右から二番目の宝箱だ!!」


「・・・・・・・ザ〜ンネン!!それではイキますよ!!」

 叫ぶと共に目の前からファウストの姿が消える。
 次の瞬間彼のお尻から凄まじい衝撃が体中を走り抜けた!!

「!?モンモン、これには訳が!!」
 ギーシュは、断末魔の叫びをあげると、その意識を手放した・・・。

「ビバ私!オペ終了、成功デス!」
 彼はポーズを決めるとそう高らかに宣言した。
 
 広場を何とも言えない雰囲気と静寂が支配していた、暫くして周囲からはギーシュへと駆け寄る者、
 勝利者を祝う者、尻を押さえながら畏怖の視線を送る者達と、様々な者達の声に支配された。



 オールド・オスマンとミスタ・コルベールは、遠見の鏡で一部始終を見終えると、顔を見合わせた。
「オールド・オスマン」
「何じゃね?ミスタ」
「勝ちましたね・・・。武器を使わず」
「一応トドメは武器じゃったがの・・・そんな事より魔法を使っておったな・・・」
「えぇ。杖も用いずに・・・」
「結局分かったのは先住魔法の様なモノが使えるって事だけじゃのう」
「はい。ガンダールヴたる力は確認出来ませんでした」
「どちらにせよ。彼が我々の知らぬ力を持っていることには変わるまいて。アカデミーの連中が
 知ったらすぐさまやってくるじゃろうな」
 オールド・オスマンはコルベールへと告げる。

「ミスタ・コルベール。この件はわしが預かる。他言は無用じゃ」
「かしこまりました。私もこの件に関しては、外部に漏れぬ様、指示に従います」
「うむ。頼んだぞ」

404 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:41:13 ID:K0bqh+Bi
 野次馬達が去った後、そこに残っていたのはルイズ、シエスタ、ファウスト、意識を失ったギーシュ、
 モンモランシー、キュルケ、青い髪の少女達だけであった。

 意識を失っていたギーシュは、目を開けるとぼんやりと呟いた・・・。
「ぼ、僕は・・・・いったい・・・どうしたんだ・・・?」
 目を開けたギーシュにモンモランシーは声を気付くと、彼へと抱きつく。
「!?目が覚めたのねギーシュ!?良かった・・・」
「モンモランシー・・・どうしたんだい?僕に何かあったのかい?」
「覚えていないの?貴方、ルイズの使い魔と決闘を行って負けたんじゃない・・・。最後の一撃を受けて
意識を失ったのよ・・・」

 ギーシュはハッとすると、その事実を思い出し、その使い魔の方へと向き直る。
「そうだったね。思い出したよ。僕は負けたのだな。完膚無きまでにやられたんだね・・・。だが、
僕の体には傷一つ付いていないようだ・・・。心なしか体の調子も良くなっているようだが・・・」
「ギーシュさん。貴方最近食欲が無かったでしょう?それに寝つきも悪い」
「何故それを君が知っているのかね?」

「治療しておきましたヨ。保険証は入りません?」
「どうやってそんな事を・・・」

「ファウストはお医者様なのよ。それも飛び切りのね」
 説明役として板が付いてきたルイズは言う。
 アメリカの超人やイギリスの超人にも直に追いつくだろう。

「そうなのか・・・。決闘を行った僕の体の調子を良くしてどうする気だね?」
「医者は治すのが仕事ですよ。ギーシュさん」
「フフフ・・・これは勝てない訳だよ。使い魔君。よかったら君の名前を聞かせて頂けないかな?」
「ファウスト・・・と申します」
「ファウスト・・・か。お医者様なら先生と付けなきゃいけないかな?」

「お好きにどうぞ。ギーシュさん。さて、貴方の健康状態もよくなり、決闘には一応私が勝ちました・・・」
 ギーシュはキザッたらしくファウストへと手をやり、横にいるシエスタの前へと躍り出た。

「分かっているとも、ファウスト先生。メイド君、君の名前を聞かせて頂きたい」
 シエスタは自分へ話が振られた事に驚いたが、すぐにギーシュへと向き合い。
「シエスタと申します」
 と、告げた。

405 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:41:52 ID:K0bqh+Bi
「シエスタ。すまない。貴族である僕が、美しいレディーである君に対して無礼を働いてしまった。
許しては貰えないだろうか?」
 この言葉に周囲は驚く。プライドの塊の様な男、ギーシュが平民へと頭を下げたのだ。ムッとしたモンモランシーと
 謝られた張本人であるシエスタ以外のメンバーはその光景を見つめていた。

「はい。ギーシュ様。分かっていただければ結構ですわ」
「ありがとうシエスタ。君は本当に美しい。身も心もね。よく見れば、たわわに実った双丘も実に・・・
痛!痛いよモンモランシー!何をするのだね!?」
「何鼻の下伸ばしてるのよ!用件が済んだのならさっさといくわよ!!」
「へ?許してくれるのかねモンモランシー・・・」
「黙って行くわよ!」

 耳を引っ張られて強引に連れて行かれる。途中、サワヤカに叫んでいった。
「ファウスト先生ー!また調子が悪くなったらお願いするよー!それではみんな、僕はおいとまさせて貰うよ!
ハッハッハー・・・・」

「いっちゃったわね・・・」
「ええ、そうね。ところでミスタ・ファウスト。すごいわね。先住魔法を使えるお医者様なんて。
どう?ルイズの使い魔をやめて私に雇われてみないかしら?」

 この聞き捨てならない台詞にルイズはキュルケへと噛み付くように叫ぶ!
「ちょっとキュルケ!人の使い魔になんて事言うのよ!ファウストが私を捨てる訳ないじゃない!!」
「フフ・・・冗談よ。冗談。さて、ルイズをからかうのはここまでにして・・・タバサ、行きましょうか?」

 熱くなるルイズに比べ、楽しそうに笑ったキュルケは、近くにいる青い髪の女の子へと話しかけた。
 その女の子はキュルケの声に反応せずに、ファウストへと話しかけた。

「貴方・・・何者?」
「私ですか?ファウスト・・・と申し・・」
「それは知ってる」
「そうでしたか?何者?と聞かれても困るものがありますねぇ〜」
「あんな魔法見た事がない。それにそんなものを使う医者がいるとも」
「魔法?コレの事ですか?」
 手をタバサに差し出すと。ちびファウストくんを彼女へと差し出す。
「これ・・・かわいい」
 ちびファウストは頬を染め、タバサへと擦り寄る。

「ほう!貴女、タバサさんと申しましたか?このちびファウストくんの可愛さが分かるとはやりますね!
実にいいセンスですよ!この子も貴女を気に入った様ですし・・・どうです、暫く預かってみますか?」

「いいの?」
 表情という表情を感じられない少女だが、この時少し嬉しそうな顔をするのを彼は見逃さなかった。
 彼女の様子を見ていたキュルケも嬉しそうにしてそれを見ていた。

「・・・・ありがとう。ファウスト。先住魔法を使う医者・・・居てもいいと思う。
 以外に現金な娘のようだ。
 キュルケに視線を向けると、その視線の意味を理解したキュルケと共にその場を去ろうとした。
「医者・・・。先住魔法を使う・・・。もしかしたら・・・」

 人間の耳には聞き取れない様な声で呟く彼女の声だったが、ファウストの耳にはそれは届いていた。
 彼女の目の奥に言い知れぬ悲しみを感じていた。
「タバサさん。心の傷は自分自身にしか癒す事は出来ない。だが、助けが要る限りは助力を惜しみません」
「!?分かった。覚えておく・・・」
「タバサ?何のこと?」
「別に・・・」
「そう・・・なら良いわ行きましょうか?それじゃぁルイズ、ミスタ・ファウスト。御機嫌よう」
 そういうと、そのまま2人は去っていった。

 残されたルイズとファウストも自分たちの自室へと戻っていった。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:43:09 ID:ob1VYGO8
ファウスト先生なら… 先生ならきっと治してくれるはず…!

支援

407 :紙袋の使い魔:2008/06/24(火) 22:44:19 ID:K0bqh+Bi
以上です。

今日は休みだったのでもう一話書こうと
思ってたのですが。

気付いたら寝てました・・・。

それではまた・・・。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:45:27 ID:ob1VYGO8
乙ッス。

タバサママンは難しそうだが、ちぃ姉様は直せそうなキャラだな、ホント

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:46:00 ID:Q6yMeVUm
究極的には剣技とかより体術の方が強い
単独で万単位のダメージがたたき出せる唯一の技術系統

単独エッグ撃破の尤も手っ取り早い方法はジニーで断滅とカムイの連発だからな。
もっともギュス様をそこまで鍛える奴は普通いないと思うけど。俺はやったが。

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:47:50 ID:bVD1u1T+
紙袋被った不審人物に萌えるのは病気かな?
ともあれGJ!

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:56:30 ID:L/a+Qpab
乙したー。

>>410
安心しろ兄弟、俺もだ(w

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:03:52 ID:WcLC430h
ファウストの紙袋って13日の金曜日のジェイソンのパロディでいいんだよね?

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:05:42 ID:KtnIoG3N
GJですた。
ファウスト先生、本当にいい人だ

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:07:19 ID:39RDqhhz
サガフロ2は最終パーティだけだよな
鍛える価値があるっていうか鍛えなくちゃならないのは

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:08:50 ID:AxAjTRab
>>412
紙袋かぶった人だとエレファントマンじゃないのか?

416 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:11:15 ID:KtnIoG3N
そろそろ俺も投下予告。
紅い悪魔が出るぜ!

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:12:07 ID:qqPh1gLk
ルイズが姉、タバサが母を治してもらったらもれなく感謝感激雨あられがプレゼントされます。
特にタバサがどんな風に喜ぶかが見てみたい。

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:13:22 ID:WcLC430h
>>415
ジェイソンは初登場の二作目で紙袋を被りホッケーマスクはそれ以降
エレファントマンとどちらが早いかは知らないけど

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:14:34 ID:ZA/w/OUg
呪術関連はお手上げって言ってなかったっけ?>ファウスト

420 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:16:58 ID:KtnIoG3N
レコン・キスタ 外道の軍団
この国狙う黒い影 世界の平和を守るため

ゴー ゴー レッツゴー!!
輝くマシン

ライダージャンプ! ライダーキック!
仮面ライダー! 仮面ライダー!
ライダー! ライダー!!


「クノイチメイド嵐、けんざーん!!」

煌めく稲妻 燃えるハヤブサオー
行くぞ嵐 萌えろ嵐
嵐よ叫べー!

変身、変身、影写し
正義のメイド 空駆け見参!

嵐! 嵐! シエスタは嵐!
くノ一メイド嵐 けんざーん!!


第十一話「邪国への花嫁王女」

ある廃村の教会。
ジローとサブローとアンリエッタとレイが、内部を漁っていた。
アンリエッタは、ジローとお揃いのジーンズ生地の服を着ていた。
そして、レイが目当ての物を見つけた。
「……コレ、真鍮だよね?」
「真鍮だな」
「真鍮だ」
「真鍮ですね」
レイは、真鍮の装飾品を思いっきり壁に投げつけた。
装飾品は、衝撃で粉砕された。
「……フリージンガメルじゃ無いのかよ」

421 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:17:59 ID:KtnIoG3N
ことの始まりは、昨日。
ジローが王宮に戻った次の日であった。
ジローの部屋では、ジロー以外にサブローとレイもいた。
「俺の、もう一人の弟……」
「初めまして、ジロー兄い」
レイと初めて会ったジローは非常に感慨深げであった。
「まあ、仕方ないな。レイが造られたのは、あんたがこの世界に来てからだ」
「しかし、光明寺博士はどうしてお前を造り変えただけでなく、レイも造ったんだろう?」
「……聞かない方が良い」
「何か、あったんだな?」
「俺の口からはとても言う気になれん。光明寺に聞いてくれ」
「……無茶なことを言う」
そこに、ドアをノックする音が響いた。
「誰だ?」
「アニエスにございます」
「どうしたんだ?」
「妃殿下がお呼びです。至急、妃殿下の御部屋に」
マリアンヌの部屋。呼ばれたのはあくまでもジローだけであり、サブローとレイは部屋の外で懸命に聞き耳をたてていた。
「アンリエッタが、結婚!?」
「ええ。わが国とゲルマニアは、軍事同盟を結ぶ事となりましたが、その際に皇帝が締結の条件として、アンリエッタとの結婚を要求してきたのです」
「あの皇帝……!」
「我がトリステインは小国。大国であるゲルマニアの要求を跳ね除けることは出来ません」
「だけど、アンリエッタの意思は? アンリエッタはずっとルイズのことが……」
アンリエッタは不意に声を荒げて、ジローの発言を制した。
「兄上!」
「アンリエッタ、お前だって……」
「この国と民衆のためなら、自分一人の想いなど押し殺せます。第一、『ミツコ』さんの思いに応えなかった兄上が言えることではありません!」
「……」
ガックリとうな垂れるジローに、マリアンヌは優しく諭した。
「堪えるのです、ジロー。我が国だけでは、レコン・キスタの攻勢を押し退けることは出来ません」
「俺とサブローにレイ、それにワンセブンもいる。レコン・キスタぐらい……」
「敵が常に正攻法で来るとは限りません。策謀も使ってくるでしょう。いかにあなたが強くても、あなたの実弟たちが強くても、ワンセブンが強くても、向こうが頭を使って補うのは目に見えています」
「……義母さん、俺にはどうすることも出来ないのですか?」
「……」
「兄上、せめて私が嫁ぐまでの間、側にいてください……」
一方、廊下では。
「サブロー兄い、本当にどうすることも出来ないの?」
「……難しいな。出来るとしたら……、レイ、あの地図、すぐに持って来れるか?」
「この間裏通りで起きた火事で、焼け落ちた店の跡から俺が盗ってきた宝の地図のこと?」
「そうだ」
「……店の焼け具合が見事すぎて、二枚しか盗れなかったけど」
「かまわん。最後の思い出作りぐらい、それなりにスリリングでないとな」
数分後、再びマリアンヌの部屋。
「宝探しですか?」
「そうだ。兄妹の最後の思い出ぐらい、スリルが無いと味気ないからな」
「サブローさん、肝心の地図は?」
「レイが部屋まで取りに行ったんだが……」
急にドアが開いた。
「レイ、ノックぐらいしろ!」
「ゴメン、テファと王子様をはぐらかすのに時間かかっちゃて……。とりあえず、もって来たよ」
レイは、息を切らしながら二枚の地図をアンリエッタに手渡した。
「コレは……?」
「宝の地図。二枚しかないけど」
「どこで手に入れたんですか?」
「実はね……」
レイの説明に、サブロー以外の全員が呆れた。
かくして、ジローとアンリエッタの最後の思い出作りとして、宝探しが決行されることとなった。
期限は三日。
四日後には、アンリエッタはゲルマニアに行くこととなっている。

422 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:19:45 ID:KtnIoG3N
そして、冒頭に戻る。
「それにしても、この様な廃村があるとは……」
「ハルケギニアじゃよくある事だって、義父さんが言っていたな」
「貴族でありながら……」
領主の怠慢のせいで廃村になったこの村の実情を知り怒りに震えるアンリエッタとは対照的に、ジローは淡々と静かに怒りを燃やしていた。
「アンリエッタ、この村がある領地って、誰が治めているんだ?」
「確かこの地方は高等法院の……」
二人のことをとりあえず放って置いて、レイは二枚目の地図を広げた。
「次はタルブか。お宝は……霊馬(れいば)の柩(ひつぎ)か」
「柩?」
「実際に行ってみないと分からないね」

数時間後、タルブ村。
「ココか……」
「廃村ではないな」
フリージンガメルの時とは違って、ちゃんと住人がいる村であったため、レイとサブローは驚いていた。
「のどかでイイ村じゃないか」
村人たちの生き生きとした表情を遠目で見ていたジローは、きっぱり言い切った。
「兄上、どうします?」
「村人たちに聞いてみるか」
というわけで、ジローたちは『霊馬の柩』について、聞き込むことにした。
「あの、尋ねたいことがあるんですが」
「はい?」
ジローに声をかけられた女性は、振り向いて、固まった。
「王子様!?」
「シエスタじゃないか!」
数分後、シエスタの実家。
ジローはこの村に来た経緯を、シエスタはこの村にいる経緯を説明しあった。
「お休みをもらったのか」
「はい。それにしても、まさかあの柩を探しに来たとは……」
「知っているのか?」
「知っているも何も、あの柩は元々曽祖父の持ち物です」
「……詳しく、聞かせてくれないか?」
「……私の曽祖父は、ある日突然馬に乗って、この村に流れ着いたそうです。その馬は、白骨化していた上に全身に蒼い炎みたいなものをまとっていました」
シエスタの説明に、ジローだけでなくアンリエッタも、サブローとレイも思わず固まった。
「当時の村のみんなは当然気味悪がりましたが、曽祖父は地面に頭をこすり付けてまでみんなをなだめました。馬の方も不気味なだけでとても大人しかったから、曽祖父はそのままこの村に住み着いてしまいました」
「よく受け入れてもらえたな」
「私もそう思います。みんなは曽祖父が何者なのかを聞いたのですが、本人は「俺はこの『ハヤブサオー』と共に異世界から来た」の一点張りでした。ちなみにハヤブサオーは、曽祖父の馬の名前です」
「ハヤブサオー!?」
ジローは面食らった。
「なるほど、君のひいおじいさんは『化身忍者』だったのか」
「どうして『ケシンニンジャ』のことを!?」
「知り合いに、『ハンペン』という奴がいるんだが、彼から聞いたことがあるんだ。大昔、獣の能力を宿して、異形の姿と力を手に入れた忍者がいて、そいつらのことを『化身忍者』と呼んでいたそうだ」
「その通りです。曽祖父は、村のみんなに自分の素性や、この村に来た経緯を洗いざらい全部しゃべったそうです。ハヤブサオーと、実際に変身した曽祖父の姿を見た以上、みんなは信じるしかありませんでした」
シエスタは、少し複雑そうに続けた。
「結局、生真面目で温厚な曽祖父はすぐに村になじみ、ハヤブサオーも村の家畜たちと打ち解けました。何故かその内、曽祖父と同じ「二ホン人」たちが何人もこの村に流れ着くようになりました」
「一体何故?」
「本人たちも分からずじまいだったそうです。曽祖父が結婚する頃にはピタリと止んだそうですが……。小さい頃、曽祖父に聞いたんです。「どうしてケシンニンジャになれるの?」って」
「ハヤブサオーに選ばれたから、そう言ったんだな?」
「はい。曽祖父は、「ハヤブサオーは、俺の実家の家系の当主を選び、化身忍者にする役目を持っていた。俺が化身忍者になれるのも、ハヤブサオーに当主と認められたからだ」って言っていました」
「……ハヤブサオーは、俺やサブローにレイが元いた世界の元々ある一族が所有していた霊獣だった。何十年も昔の大地震で当時の当主ごと行方不明になっていたが、まさかこの世界に流れ着いていたとは」
「曽祖父も、「地震が収まって、その次に火にまかれたと思ったら、気がついたらハヤブサオーにまたがって砂漠を彷徨っていた」なんて言っていました」

423 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:22:36 ID:KtnIoG3N
霊馬の柩が納められている寺院の内部。
その寺院は、殆ど神社そのものであった。
ただ、光が入らないような造りになっていた。
「数年前に曽祖父や、当時を知る人たちがたてつづけに死んじゃったショックで、滅多なことではこの柩から出なくなって……」
シエスタの説明を聞きながら、ジローは霊馬の柩を開けた。
その中には、馬の遺骨が納まっていた。
そして、突如として骨から蒼い炎のようなものが吹き上がり、柩の中の骨が動き出した。
「コレが、ハヤブサオー……!」
“ソウ、俺ガはやぶさおーダ。オ前、コノ世界ノ者ドコロカ、人間デスラ無イナ?”
「良く分かったな」
この会話を聞いたシエスタは、度肝を抜かれた。
「王子様、ハヤブサオーの言っていることが分かるんですか!?」
「……一応、な」

その日の晩、村は大騒ぎだった。
この国の王女であるアンリエッタ一行が来たのだ、村長まで挨拶に来た。
心なしか、村人たちはアンリエッタの側にいるジローの姿を見て、非常に喜んでいるように見えた。
「みんな、嬉しそうだな」
「兄上が、私たちのところに帰ってきてくれたからですわ」
そんな二人の姿を、一人の青年がシャッターに収めた。
カメラのシャッターを切る音に反応した二人が振り向くと、青年は人懐っこそうな笑顔を見せた。
「失礼、二人の姿が余りにも絵になっていたもので」
「あなたは、一文字さん!」
「久しぶりだな、ジロー」
その青年、一文字隼人、地球びとは「仮面ライダー2号」とも呼ぶ。

424 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:23:57 ID:KtnIoG3N
一方、魔法学院の広場にいる、要塞ワンセブンの内部サロン。
ルイズが、見たことのない本を持っていたので、ロボターが尋ねた。
「ルイズちゃん、その本は?」
「これ? 「始祖の祈祷書」よ」
「これが、始祖の祈祷書かぁ……。何でルイズちゃんが持ってるの?」
「姫様から直々に預かったのよ。この国の王族の結婚式では、貴族の中から選ばれた巫女が詔(みことのり)を読み上げる慣わしなのよ」
「ふ〜ん。でもそれ、何にも書いてないよ」
「そうなのよ」
「不思議な本だよね〜。ん?」
ロボターは、ルイズが指につけている指輪に注目した。
「どうしたの?」
「その指輪、どうしたの?」
「これ? 始祖の祈祷書とセットで王家に伝わる秘宝で、「水のルビー」って言うのよ。姫様が「いっその事これも預かってください」って言ったから、応じることにしたの」
「水のルビー……」
ロボターは水のルビーをまじまじと見ていた。
そしてルイズが祈祷書のページに、ルビーをはめている方の手を置いた瞬間、祈祷書が光り、文字が現れた。
ルイズは夢中でそれを読み、自分の系統に気付き始めた。

零すなわちこれ『虚無』。
我は神が我に与えし零を『虚無の系統』と名づけん。
以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す。
初歩の初歩の初歩。
『エクスプロージョン』。

「私が、虚無!?」
「ルイズちゃん!?」
ルイズの素っ頓狂な声に、ロボターが驚いた。
「虚無。それがルイズちゃんの系統なのか」
ワンセブンがそう言った直後、シャルルが驚いたようにルイズを凝視した。
「まさか、この光景をまた見ることになるとはね」
「シャルル殿下、いたんですか!?」
「……君が詔を考えている間に来たんだよ」
「そういえば、さっき「この光景をまた見ることに」と……」
「地球に漂流する前の話だよ。僕は、兄さんが虚無の系統に目覚める一部始終に立ち会ったことがあるんだ」
「……!!」
「これなら、この間のジロー君とサブロー君の兄弟ゲンカを、他の生徒たちの使い魔たちまでもが止めようとしたのにも納得がいくね」
「どういうことですか?」
「君の系統が虚無であるということは、ワンセブン君が虚無の使い魔であることも意味している」
シャルルは普段は絶対に見せないような、厳しい表情を見せた。
「ワンセブンが……!」
「私はあらゆる獣を操る使い魔、「ヴィンダールヴ」だ」
「ワンセブン、あなたはそのことを知っていたの!?」
「……コルベール先生に教えられたが、口止めされていた」
「あのコッパゲめ!」
ワンセブンが「神の右手」であることを知ったシャルルは、どこか納得していた。
「なるほど、『笛』だったのか……。よくよく考えてみれば、その巨体じゃ笛以外に適合できないよな……」
「どういうことだ?」
「考えても見たまえ、君は『盾』の力無しでも、有り得ないほど強く、その巨体ゆえに人のようにそう簡単に武器を持つことは出来ない。『本』になっても、大きすぎてマジックアイテムが使えない。『四番目』に至っては、君の胸のマークとルーンの位置が被ってしまう」
「……『笛』以外にはなれなかった、ということか」
「そして、『笛』としての力も、その巨体に合わせて変形している可能性もあるな」
「想定したくはないな」
「現実なんだから受け入れないと」

425 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:25:25 ID:KtnIoG3N
時は過ぎ、アンリエッタが出発する当日。
アルビオン政府からの国賓を歓迎するために派遣された艦隊が壊滅したとの報告に、王宮は揺れた。
マザリーニが、特使の派遣を提案した直後、アルビオンの艦隊がラ・ロシェール近郊の草原地帯―タルブ村―に降下、占領行動に移ったとの報告が入った。
会議室の貴族たちが騒然とする中、アンリエッタは意を決して、会議室を出た。
マザリーニたちがそれに気付いたのは、約一分後である。
中庭にある謎の保管庫。
そこの扉を開け、アンリエッタは中にあるものを見た。
義兄のもう一つの姿を意識した意匠の鎧と、サイドマシーンを模したバイクであった。
「この鎧をまとい、この鉄の馬に乗る日が来るとは……」
装飾品も、ウエディングドレスも、パンツも脱ぎ、一糸まとわぬ姿になり、鎧を身に着けた。
「父上、私に力を……!!」
アカデミーが、キカイダーを参考にして開発した強化甲冑「エンゼルサタン」を身に着け、口元を黄色いマフラーで隠したアンリエッタは、「サイドマシーンMk-II」に乗った。
サイドマシーンMk-IIは、中庭を、王宮の門を、城門を抜け、タルブを目指して突っ走った。

タルブの村は、騒然となっていた。
アルビオンの戦艦から、次々と兵士たちが降りて、村目掛けて突き進んできた。
村人たちが付近の森や、霊馬の柩がある寺院へと避難する中、シエスタは呆然としていた。
「逃げないのか?」
そんなシエスタに、隼人が声をかけた。
「逃げてはいけない気がしたんです」
「そうか」
「ハヤトさんは逃げないんですか?」
「逃げる気はない。むしろ、全力で迎え撃つつもりだ」
「そうですか……」
シエスタの隣には、いつの間にかハヤブサオーがいた。
普段は、当の昔に腐ってなくなった皮と筋肉の代わりに、骨だけになったその体を覆っている鬼火と同じ色であるはずの眼の色が、怒りのあまり深紅になっていた。
“しえすた、俺タチモ行クゾ”
「そうね、行こう、ハヤブサオー」

426 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:27:11 ID:KtnIoG3N
竜が飛び、村に火の手が上がる中、アルビオンの兵士たちは我が物顔で草原を進んでいた。
兵士たちを引き連れていたのは、「ジョージ」から派遣された殺戮構成員、カッパマンであった。
「奪え! 燃やせ! 男と老いぼれどもは見せしめのために殺し、女子供は慰み者にしろ!!」
カッパマンの雄たけびに、下品極まる兵士たちは歓喜し、色めきたった。
そこに、サイドマシーンMk-IIが突撃し、カッパマンの眼前で停車した。
「貴様、誰だ?」
「人造人間、キカイダー……!!」
サイドマシーンMk-IIから降りて、義兄のもう一つの名を名乗り、アンリエッタは兄同様ワイクルーの舞を披露してから戦闘態勢に入った。
「行け!」
カッパマンの号令と共に兵士がアンリエッタに切りかかったが、その内の一人はアンリエッタのパンチで吹き飛ばされた。
「ダブルチョーップ!」
兵士の一人が、アンリエッタのダブルチョップで両肩を深く切り裂かれ、事切れた。
「デンジ・エーンド!!」
更にもう一人、今度はデンジ・エンドの直撃によって爆発した。
強化甲冑、エンゼルサタンを装着しているアンリエッタの前に、兵士たちは劣勢を強いられていたが、カッパマンは冷静だった。
「ウソはいけないなぁ、アンリエッタ王女殿下!」
カッパマンは両手の、とがった指でアンリエッタのマフラーを切り裂いた。
マフラーが切り裂かれ、完全に面が割れたアンリエッタを見て、兵士たちは騒然とした。
「キカイダーだと? 本物のキカイダーは、貴方が身にまとっている鎧より、更に醜い姿をしている!」
カッパマンは針のようにとがった口で、エンゼルサタンの肩アーマー部分を貫通した。
「ぐ……!」
肩に鋭いものが突き刺さった激痛にうめきながら、アンリエッタは言い返した。
「兄上は、兄上のあの姿は、人の心そのものを表したもの。断じて醜くなどありません……! 醜いのは、貴方の方です!」
「そこまで言うとはな……。王宮の貴族連中への見せしめだ、まずはこの王女を慰み者にしろ!!」
エンゼルサタンの胸アーマー部分を切り裂き、カッパマンは傭兵たちに命令した。
(兄上……)
兵士たちが我先にとアンリエッタに群がろうとした中、突如として銃声が響き、一人の兵士が蜂の巣にされた。
更に、三名ほどが蜂の巣にされた直後、ギターの音色が響いた。
「どこだ!?」
「どこにいる!?」
「あ! あそこだ!!」
一人の兵士が指差した方向に、カッパマンと残りの兵士たちが視線を合わせると、そこにはギターを弾くジローの姿があった。
「ほ、本物だと!?」
「犯罪ロボット派遣ギルド、ジョージの殺戮構成員カッパマン、妹へのこれ以上の狼藉は俺が許さん!!」
兵士たちが浮き足立った直後、ジローはチェンジした!
「チェンジ! スイッチ・オン! 1、2、3!!」
アンリエッタが人の心そのものを表したものと断じた、正義と悪の青と赤の左右非対称ボディーが宙を舞う。
「とぉー!」
きゅるるるる〜、フォッ、カシンッ!
「俺はジロー・トリステイン。またの名を、人造人間キカイダー!!」
アンリエッタの眼前にその背を見せ、キカイダーは啖呵を切った。
「兄上……」
「アンリエッタ……そこで大人しくしているんだ。兄である俺が、お前が守りたかったものをお前の代わりに守り抜く!」

427 :大使い魔17:2008/06/24(火) 23:28:27 ID:KtnIoG3N
そして、サイクロンに乗った隼人と、ハヤブサオーにまたがったシエスタがその場に駆けつけた。
「一文字さん、シエスタ!」
「俺たちも加勢するぜ、お二人さん」
“コノ馬鹿ドモハ、俺タチガ蹴散ラス”
「私も、戦います!」
そして、隼人とシエスタは、変身した。
「……変身っ!! とぉー!!」
「吹けよ、嵐! 嵐! 嵐ぃっ! 」
そこにいたのは、二人の異形の戦士だった。
片方はドクロにも見える仮面をかぶり、その手と足は深紅だった。
もう片方は、銀色の、二の腕まで届く長い手袋を着け、オーバーニーソックスを履き、忍者の服を模したようなメイド服を着て、鳥を表したかのようなドミノマスクをつけていた。
「き、貴様ら、何物だ!?」
カッパマンの動揺した声にこたえるように、片方は静かに、片方は叫ぶように答えた。
「正義。仮面ライダー2号」
「くノ一メイド嵐、けんざーん!!」
今度は、トランペットの音色が響き、終わったと思ったら次は口笛の音色が辺りに響いた。
「チェンジ、キカイダー……01!」
「変身、ストロンガー!」
異形の戦士が、更に二人増えた。
「「天が呼べば悪のいる所に必ず現れ、地が呼べば悪の行われる所に行き、人が呼べば悪の軍団を必ず討つ。
悪を倒せと俺たちを呼べば正義の力で何度でも蘇る。
聞け、悪の軍団レコン・キスタ! 俺たちは正義の戦士」」
「キカイダー01!!」
「仮面ライダーストロンガー!!」


チェインジ01!
聞こえてくる〜 正義の叫び〜
ダブルマシーンが 空飛ぶ轟音

見える〜(ゴーゴー) 見える〜(ゴーゴー)
光り集まる太陽電池の 01ボディ〜(イエ〜!)

オーオー01! 僕らの キカイダー01!!


「仮面ライダーストロンガー!!」

突っ走れ〜 異世界で〜
レコン・キスタを潰すため

守るぞ 平和を トリステインの
カーッと燃えるぜ 正義の心〜

見〜よ〜 必殺 電ショック
男の命を懸けてゆく

その名は その名は 
仮面ライダー スト〜ロ〜ンガァ〜!!

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:36:27 ID:8hvjCrnI
しえん

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:43:25 ID:zBD986Yg
この気持ち、正に乙だ!!!

430 :とある大使い魔17の代理人:2008/06/24(火) 23:43:42 ID:zjyegHN/
作者さんが規制に引っかかったそうですが、
以上で投下終了だそうです。


773 名前:大使い魔17[sage] 投稿日:2008/06/24(火) 23:43:02 ID:0JUf3ZBU
規制に引っ掛かって投下終了の部分だけ投稿できなくなりました。
代理お願いします

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:50:10 ID:Gj/iJeGT
17の方乙でした〜。
代理の方も乙。

しかしシエスタ、ついにお前もか。
もう石ノ森ワールド全開! って感じでぶっちぎってますね。
仮面ライダーまで出てきたし…。





本当に収拾つくのかな?(ボソ


432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:00:36 ID:Weks3KHd
提督の人まだかな・・・

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:02:54 ID:ieXLJI4M
ツンデレ美少女に引き止められてなければ、
今月末か来月初旬にでも、投下あるんじゃない?

434 :水の使い魔Splash☆Star:2008/06/25(水) 00:04:24 ID:WpOf9dDR
さてと、第16話ができましたので、15分から投下いいですか?

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:04:55 ID:2yc8IdY1
おけーい。
かもん、かも〜ん!

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:06:03 ID:taLwzCWM
なんか化け物みたいな投下ペースの人が多いな

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:09:15 ID:PMsQqG26
このスレの(ryは化け物か!

>>434さん支援〜

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:13:51 ID:3aHCqTYb
17の方乙!!
ニヤニヤが止まりませんね!!


そしてシタターレの方は支援!!

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:14:29 ID:/1MLOidD
>>434
お待ち申し上げております

440 :水の使い魔Splash☆Star 第16話(1/4):2008/06/25(水) 00:15:06 ID:WpOf9dDR
ラグドリアン湖の水面には、赤い月と青い月がまるで2つづつあるかのように鮮明に映っている。
遠くに見える城の中では、侵入者騒ぎで喧騒としている。
だが、ここからは遠くにぽつんと明かりが見えるだけ…。鳥の鳴く声がたまに聞こえる程度だ。

夜明け間近の暗闇の中、ミズ・シタターレは湖畔を歩いている。
水際まで来たところで、ウェールズ皇太子の亡骸を足元に置く。
小さな波が、皇太子にかけられたテーブルクロスを少しづつ濡らしてゆく。
シタターレはゆっくりと立ち上がると、『アンドバリ』の指輪を取り出し、指に通す。
その瞬間、ミズ・シタターレの額の文字が輝き、彼女の頭の中に様々なイメージが溢れる!

周囲で見ているものにとって、それはほんの一瞬の出来事だろう…。
しかし、彼女にとっては、とても長く思えた…。

その目が再び焦点を取ったとき、目の前の水面に、彼女と同じ姿をした『水の精霊』が立っていた。
「我が願いを、よく聞き届けてくれた。我が『遠い同胞』よ…。」
「あんたが言ってた、『同胞』って…、本当だったのね。」
目の前の『水の精霊』も、左の髪がないのに気づき、シタターレは小さく笑った。
「この『アンドバリ』の指輪も、『奇跡の雫』も、あんた自身も、わたくしも…本質的には同じ存在…か。」
「そう、我らと『単なるもの』では、存在が根底から違う。我らに決まった形はない。しかし我らは変らぬ。
 我らは、常に流れ、溜まり、降り注ぎ、長い長い時をたゆたえながら過ごす存在。」
『水の精霊』の話を聞きながら、シタターレは『アンドバリ』の指輪を抜き取った。
「ええ、なんとなくわかるわ。…多分、ダークフォールのみんなも、同じなんでしょうね…。
 さて、指輪を返すわよ。二度と人間なんかに盗られるんじゃないわよ。」
「約束しよう…。」
シタターレが『アンドバリ』の指輪を投げると、それは『水の精霊』の体内に消えた。
『水の精霊』はふるふると震え、何度か形を変えて、再びシタターレの姿になる。
「感謝する。我が『遠い同胞』よ…。」
「んじゃ、ついでと言っちゃなんだけど、この人も連れて行ってくれない。
 『二度と、人の手の届かないところに眠らせてくれ。』って、頼まれちゃったのよ。」

『水の精霊』が再びふるふると震えると、その姿を消した。
すると、波打ち際のウェールズの体が湖面を滑るように移動して、ゆっくりと水に運ばれ、沖へと沈んでいく。
水はどこまでも深く透明で…、沈んでゆくウェールズの亡骸がはっきりと見えた。
そして、ウェールズの姿が見えなくなった頃、朝日が湖面を七色に照らす。
それでも、ミズ・シタターレは湖畔に立ちすくんでいた。


…わたくしと、『水の精霊』が本質的に同じ存在…。
…じゃあ、わたくしを動かしている『滅びの力』ってなに…?
…わたくし達を生み出した、アクダイカーン様って何者なの…?

彼女の目には『アンドバリ』の指輪に操られたウェールズの姿が焼きついて離れなかった。



441 :水の使い魔Splash☆Star 第16話(2/4):2008/06/25(水) 00:15:48 ID:WpOf9dDR
「姫さま、これが今回の事件の顛末です。」
アンリエッタの部屋で、ルイズは事の真相を全て話していた。

「ルイズ、あなたにはつらい役目を押し付けてしまいましたね。」
「いえ、姫さま。わたしが望んだことですから…。」
「ワルド子爵の事は、あなたをかばって刺された。…としておいていいのですね。」
「はい。寛大なご処置をありがとうございます。」
「ワルド子爵は、若くしてグリフォン隊の隊長に任命され、部下の信も篤かったと聞きます。
 無用の混乱を避けるため、事の真相は隠しておいた方がいいでしょうね。
 でも、婚約者のあなたと逢っていて死んだとなれば、あなたにも余計な噂がついて回るかもしれません。」
「かまいません。…それで、ワルドの名誉が守られるのですから。」

アンリエッタの目をまっすぐ見つめるルイズに向かって、彼女は微笑んだ。
「本当に、強くなったわね、ルイズ…。
 あなたは、このラグドリアンの湖畔で過ごした頃からずっと変らないと思っていたけど…。
 あなたと、あなたの使い魔にはなんとお礼を言っていいやら。」
「もったいないお言葉、ありがとうございます。」
ふたりの間に、少しの沈黙が流れた…。

先に口を開いたのはアンリエッタだった。
「そうだ、ねえルイズ。いつか、ラ・ヴァリエールのお城で約束したわね。
 『好きな人ができたら、お互い告白する』って。
 もしかしたら、あなたにとっては…。」
「姫さま…、わたし、正直わからないんです。自分の気持ちが…。」
「そう…。」
アンリエッタは、先ほどのウェールズを思い返してうつむいた…。
また、その顔を見ることができるとは思ってなかった。その声を聞くことができるとは信じられなかった。
それは単純に嬉しい、でも、それ以上に哀しい。
目の前の少女も、そんな思いに苛まれているのだろうか。
「ごめんなさい、ルイズ。わたしったら…。」
「いえ、お気遣いいただき、光栄です。」

ルイズは深々と頭を下げると、もう一度アンリエッタの目を見つめた。
「ミズ・シタターレが戻り次第、魔法学院に帰ります。馬を2頭、お貸しいただけますか?」
「まだ、近くに賊が潜んでいるかもしれません。馬車と護衛を出しましょう。」
アンリエッタの言葉に、ルイズは笑って答えた。
「この城で、うちの使い魔に勝てる者は存在しませんわ!」



442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 00:16:07 ID:PMsQqG26
支援支援

443 :水の使い魔Splash☆Star 第16話(3/4):2008/06/25(水) 00:16:24 ID:WpOf9dDR
トリステイン魔法学院に帰る準備を整え、ルイズたちが厩まで馬を受け取りに行く途中、
彼女たちは3人の衛士に呼び止められた。

「ミス・ヴァリエール…申し訳ございません。
 我々は、ワルド隊長と共に警備についておりました。ちょうど、我らが席を外した間に…。
 ワルド隊長を守れなかったのは我々の責任です…。
 一生の不覚、本当に…、申し訳ございません。」
おそらくグリフォン隊の隊員であろう。中には、泣いている衛士すらいる。
ルイズが帰ると聞いて、どうしても謝罪をしたくて飛んできたのだろう。
おそらく、ワルド自身の命令で休憩を取っていたはずだ。だが、誰一人としてそれを口にしない。
ワルドはいい部下を持ったんだ…と、ルイズは嬉しくなった。

次の瞬間、ルイズは唇を噛んで衛士たちをにらみつけた。
「あなたたちは、ここで何をしているの?!」
…衛士達の声が止む…。
「あなた達の任務は、ここでわたしに謝ることではないわ!
 この会場にいる姫殿下をはじめとした要人、そして、来賓の方々が安心して会に参加できるように
 万全な体制で、この会場を守り抜くことよ!!
 まだ、賊が近くに潜んでいるかもしれない…。次の襲撃があるかもしれない…。
 それなのに、あなたたちがこんな所にいてどうするの!?
 この会場を無事に守り抜くことだけを考えなさい!!
 …きっと、ワルドだって、そう言うわ…。」

3人の衛士はルイズの姿をじっと見つめた。
小さな手を硬く握りしめて、小刻みに震えている…。
それを見て、3人は直立不動で敬礼する。

「申し訳ありませんでした。ミス・ヴァリエール!その言葉、肝に銘じます!!」

深々と礼をして去っていく彼らを見送り、シタターレはポツリといった。
「婚約者さん…、よっぽど、部下に慕われてたのね。」
ルイズは無言で頷いて、目の周りを拭くと、ふたたび歩き始めた。



444 :水の使い魔Splash☆Star 第16話(4/4):2008/06/25(水) 00:17:05 ID:WpOf9dDR
ルイズたちは、城を出て、ずっと馬を走らせた…。
お互いに、なにも喋らず、ずっと馬を走らせた…。
彼女たちがトリステイン魔法学院についた頃には、もう陽が傾きかけていた。
ふたりは馬を厩に預けると、食堂にもよらず、まっすぐに寮に向かった。

「ごめん…少しだけ、独りにしておいて…。」

部屋の前で、ルイズがぽつりと言った。
シタターレは、全く表情を変えずに口を開いた。
「悪かったわね…。婚約者さんの仇敵を逃がしちゃって。」
ルイズは扉の方を向いたまま首を振った…。

「あんな奴を相手にして、…あんたまで、いなくなったら…。
 わたし、どうすればいいのよ…。」

シタターレは何も答えない…。
ルイズが扉を開けて部屋に入った後も、彼女は、じっと立ち続けていた。



……その夜、ルイズは泣いたんだって……

……涙が枯れるまで、泣いたんだって……



445 :水の使い魔Splash☆Star 第16話:2008/06/25(水) 00:18:24 ID:WpOf9dDR
今回はここまでです。支援および感想ありがとうございました。

ラストのアレは、Splash☆Starじゃないけど勘弁という事でw


ここまでで第2部終了です。あとはラストまで一直線!!
…と思ったんですが、考えてみるとあと4・5話は書かなくてはいけない計算です。
本当に今月中に書ききれるのか?



446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:26:05 ID:xj5IIGU+
原作ではギャグが多かったシタターレさんがこんな物憂げになるとは…
悲しいシーンだが魅力があって凄くいい。

447 :作者の都合により名無しです:2008/06/25(水) 02:40:12 ID:q3AH2fRZ
>>199 :くろありー:2008/06/24(火) 02:07:03 ID:Yq4azC/E
さん。 いつもありがとう^^
続きが楽しみです! あの状況からの切り抜け方法が気になります
フ−ケ後も是非続編をお願いします^^!


448 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:46:21 ID:3Cpy9bPr
こんな時間に人がいるか分かりませんが
投下してもいいですかネ?

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 02:48:44 ID:ERCTd/F3
是非ともお願いします
支援!

450 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:49:36 ID:3Cpy9bPr
 決闘の日から一週間程の時間が流れた。
 
 ファウストの自室はルイズしか入らなかったが、人の出入りが多くなった。
 あの日以来、ギーシュは平民だからといって高慢な態度を取る事は無くなり、モンモランシー
 との中も好調であるらしい。ときおりファウストの下へ話をしにきたりしているようだ。
 シエスタ、マルトー、コックやメイド達は、自らの体を張ってシエスタを守ってくれたファウストを
 「我等が槍」、「紙袋の名医師」、「お茶目なお医者様」と呼び慕っている。
 キュルケは今まで以上にルイズをからかい、タバサはちびファウストくんと共に遊びに来ては彼に病の事に
 ついて話をしにきている。

 ルイズはと言うと・・・・。
 決闘以来、今まで自分に対して馬鹿にした態度を取っていた生徒たちが、畏敬の視線を浴びせてくるように
 なった事を疑問に感じていた。
 ファウストのおかげかしら?と自分に優位な考えで解釈していたが。

 今まで通り、ファウストと自身の魔法について意見を交わし、裏庭なんかで実験を繰り返す。
 そんな日々である。
 
 あっという間に一週間が立ち、虚無の曜日がやってくるのであった。

「ファウスト。今日は虚無の日よ。街へ買い物に行きましょう」
「虚無の日?お休みの日ですか?」
「ええそうよ。前に言ってたでしょ?武器が無いって。この前の決闘の時の槍ってニセモノだったんでしょ?
街でちゃんとした物を買ってあげるわ」
「別に武器が欲しい訳じゃないんですがねぇ・・・。まぁ、折角のご好意。断る訳には行けませんねー」

 その日も、普段どおり部屋にて勉強、そして練習を行うと思っていたファウストであったが、今日は違うようだ。
 この世界の町というものを見たことが無かったので、準備をし、ルイズへと着いていった。

「ルイズさん、街は遠いのですか?」
「そうね。馬に乗って三時間くらいね」
「案外かかりますねぇー。ルイズさん、詳しい場所は分かるのですか?」
「大丈夫よ。何故かしら?」
「それならコレを使って行きましょう」

451 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:50:16 ID:3Cpy9bPr
 鞄をガサゴソと漁ると、とても大きな扉が出てくる。
「何処○もどあ〜」
 少ししゃがれた声で高らかに言った。
 あの鞄の中身はどうなっているのであろうか?気になってしょうがない。
「・・・・それは何なのかしら?」
「コレを使えば知っている場所へすぐ着きますヨ。さぁルイズさん、場所を思い浮かべて下さい」
「気にしない気にしない。一休み一休み・・。気にしたら負けね。行きましょうか」

 考えるのを止めたルイズはファウストと共に、扉へと入っていった。




 その日もタバサは、朝早く起きて読書をしていた。庭の木の下でだ。
 隣にはちびファウストくんと彼女の使い魔である、シルフィードが遊んでいる。
「きゅいきゅい!ちびファウストくん!そこはダメなのね!」
 タバサは無言で杖の頭でシルフィードを叩いた。
「喋ってはダメ。だれが見ているか分からない」
「お姉さまのイジワル。だってちびファウストくんがシルフィの変なとこ舐めるのね」
「喉元を舐められただけ。そういうサービス発言はいらない」

 彼女の言っている意味が分からないシルフィードはそのままちびファウストくんとじゃれあっていた。
「そろそろ時間。ちびファウスト。あなたのご主人様の所へ行きましょう」
 彼女はお昼過ぎのこの時間、いつもファウストの元へと向かうのであった。
 自分が知らない未知の魔法について、そして医者だという彼に病についての質問をしている。

 頷いたちびファウストくんを引き連れ、彼女はファウストの元へと向かった。
「いってらっしゃいなのねー。お姉さ・・・痛っ・・・・」

 シルフィードに軽いエアハンマーでオシオキした後、ファウストの部屋の前に着いた。
 しかし、ノックをしたが反応が無い。彼女は一応断りの台詞を入れて部屋を開けた。

「・・・・誰もいない。ルイズも。虚無の曜日だから出掛けた・・・?」
 部屋の前で考えているとキュルケが自室から出て来たらしく話しかけてきた。

「どうしたのタバサ?何、今日もミスタ・ファウストへ質問タイム?熱心ねぇ。それで、部屋の前で何してるのかしら?」
「居ない。どこかに出掛けたらしい」
 彼女の台詞を聞いたちびファウストくんが服を引っ張っていた。

「・・・場所が分かるの?着いて来い?」
 こくこくと呟くちびファウスト君。
「すごいじゃないのタバサ!話が分かるの?」
「何となく」
「それで、行くのかしら?私も着いてっていいかしら?」
 こくりと頷くと、部屋の窓を開け、口笛を吹いた。
 窓枠によじ登り、そのまま外へと飛び降りた。
 何も知らない者が見たら頭を疑うであろうその行動にキュルケは全く動じず、自身もその身を
 空へと躍らせた。

452 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:51:14 ID:3Cpy9bPr
 ばっさばっさと力強く翼を羽ばたかせ、シルフィードは彼女等を受け止める。
「いつ見ても貴女のシルフィードは惚れ惚れするわねぇ」
 そう、タバサの使い魔、シルフィードは竜の幼生なのであった。
「どっち?」
 ちびファウストくんはその問いに、東の方へと指をさす。
「あっちは街のほうね。虚無の曜日だから街に買い物にでも出かけたのじゃないかしら?」
 
 キュルケの恐ろしいまでの推理にタバサは頷き、シルフィードを街の方へと急がせるのであった。


 扉から出ると、そこには街が広がっていた。
「ほんとーに何でもありねあんた・・・。驚かないって決めてたのに驚いちゃったわ。その内奇跡の一つでも
平然とおこしそうね・・・」
「ルイズさん・・・奇跡とは、待つものではないのです。日々の努力が奇跡へと繋げるのです。そして
奇跡を起こさなきゃいけないのが医者なんですよ。例え1%を切っている確率でも、我々医者は成功しなきゃいけない。
いえ、させるのです」
「これはお医者様とは何の関係無いでしょう!?ごまかそうとしたってそうはいかないんだから!」
「あひゃ!バレましたか!細かい事気にしてたらハゲちゃいますよぉ〜ルイズさん!」
 もう付き合ってられないとばかりに、ファウストへと背を向けると、街の奥へと歩いていった。

 途中、ファウストは何度も人とぶつかっていたが、その度に相手から何とも言えない声がしていた。
「ルイズさん。ここはスリが多いですねぇ〜」
「え!?あんたもしかしてスラレたの!?」
「そんな訳無いじゃないですかー。スロウとしてたのでぶつかって来た時に体を少し弄ってあげただけですよぉー」

 その日、町でスリをしていた連中は、変な被り物をしている貴族の連れから財布をスロウとしたが
 ことごとく失敗に終わった。その際、体に軽い違和感を感じ意識を失ったのだが、目が覚めると
 ニキビが治っていたり、水虫が治っていたり、体のありとあらゆる異常が治っていた。
 紙袋を被ったあの男は始祖の使いに違いない、そう信じ、あの男に救って貰ったこの体。悪さをすることは
 出来ぬと改心し、まっとうな職を探すのであった。

 その日以来、街での犯罪件数が激減したのであった。



 ルイズは目的の店の看板を見つけると嬉しそうに呟いた。
「あったわ。中に入りましょう」

 店の中は薄暗く、ランプの灯りが灯っていた。周りを見渡すと、甲冑や剣、大きな出刃包丁のような剣など
 様々な武器が置いてある。いかにも武器屋といった様子だ。
 店の奥でパイプを咥えていた50がらみの店主らしき男は、店に入って来た人物が貴族であると気付くと
 低い声で喋った。

「旦那。貴族の旦那。うちはまっとうな商売をしてますぜ。貴族様に目をつけられる様な事は一切合財して
おりませんや」
「違うわ。客よ」
「これはこれは!貴族様が剣を!こりゃおったまげた!」
「違うわ。私のを買いに来たのではないわ。ファウスト。入ってらっしゃいな」
 店主は黙ってその様子を見ていたが、入ってきた男に驚き声を出すことが出来なかった。
 なんせその男扉を狭そうにくぐったかと思うと部屋の中で立ち上がった。
 自分が見上げる程の大男。店主は自身の体格で見上げる程の男に出会うのは武器屋生活25年
 間の中で初めてである。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 02:51:15 ID:ERCTd/F3
支援支援

454 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:51:54 ID:3Cpy9bPr
「貴族様・・・こちらの方用の武器で御座いますか?」
「ええ。そうよ。私の使い魔のファウストよ。槍を探しに来たのだけども・・・」
 主人はいそいそと店の奥へと消えると、次々と槍を並べていった。

「貴族様、そちらの方にあうような武器になりますと当店にはこのくらいしか御座いません」
 そういうと店主は槍の説明をしていった。
「右から、かつて伝説の白い魔人が使ったと言われる「テックランサー」、何度倒されても決して諦めずに姫を救った
騎士アーサーの使ったと言われる槍、ナイトと呼ばれた騎士が使ったとされる全てを貫く「ミストルテイン」で御座います」

「どれも強そうな槍ねぇ・・・どれがオススメなのかしら?」
「どれもオススメで御座いますよお客様。これらの武器なら世間を騒が盗賊を見事撃退できますぜ」
「盗賊・・?」
「ええ。何でも土くれとか呼ばれているメイジの盗賊が、貴族のお宝を盗みまくってるらしいですぜ」
 ルイズは盗賊へはあまり興味は無かったが、見れば見るほど素晴らしい武器たちに目移りしてばかりである。

「どう?ファウスト。この中にあんたに使えそうな槍はあるかしら・・・?」
「う〜ん。私は別に凄い武器が欲しいって訳じゃないんですがねぇー。どれもこれも強い何かを感じるのですが」

 その時、乱雑に積み上げられた剣の中から、声がした。渋く、若本御大のような声が。
「何言ってるんだ?オメェ。武器屋に来て武器をいらないとはどういう要件でぇ」
 ルイズとファウストは、声のする方へ近づくがそこには人の影はない。

「何〜処見てんだいお前さんたち?俺ぁ、目の前に居るゼェ〜?」
 どうやら声は目の前の剣から発せられているらしい。
「面白いデスね。剣が喋るとわ!実に興味深い!あ・・・そういえば鍵も喋ってましたね・・・」
 ファウストがそういうと、店主は剣へと怒鳴りかけた。
「デル公!大事なお客様に変な事言うんじゃない!」
「お客様だぁ?そいつ武器を求めていないじゃないのさぁ〜!」

 剣と店主の間で険悪なムードが広がる。
 少し考えるとファウストは、間へと割って入った。
「まぁまぁ。抑えて下さいお二人さん。デル公さんあなた面白いですよぉー実にね」
「武器がいらねぇ奴に褒められても嬉しく無いッつーの!それに俺の名はデルフリンガーって名があらあなぁ!」
「それはすみません。私の名はファウスト。以後お見知りおきを・・・」
 剣は黙ると、じっとファウストを観察するように声一つ発しなかった。
 しばらくし、剣は小さな声で喋り始めた。

「こ〜いつはおでれぇたぁ!おめぇ使い手じゃないのさぁ〜」
「使い手・・・と申しますと?」

「自分の事も把握してないのかいぃ?まぁいい。俺を買いな。武器屋に来たって事は一応なりにもそれ相応の物
を探しに来たんだろう?損はさせないゼェ?」
 剣を手にし、沈黙していたファウストはルイズへと話しかけた。
「ルイズさん。私、このデルフリンガーくんでいいです」
「ちょっとファウスト。あんた槍がいいんじゃないの?」
「まぁそこの所は何とでもなりますヨ。それに面白いじゃありませんか。喋る武器・・・。デルフリンガーくん?」
「何だぁ?使い手」
「君を買いましょう。ただし、条件が一つあります」
「何でも聞いてやるぜぇ。こんな場所で朽ち果てていくくらいならどんな条件でも受け入れてやらあなぁ!」
「それは重畳。ではルイズさん。お願いします」
 ルイズは多少不満げな顔をしていたが、自分の使い魔のいう事を素直に信じる事にした。
 本人がこれでいいと言っているのだ。無理に止める事もないだろう。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 02:53:16 ID:vf3SpB4z
紙袋さんペースすごいな。しえん

456 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:53:21 ID:3Cpy9bPr
「あれ、おいくら?」
「あれなら百で結構でさぁ」
「あら安いわね。今日は家が買えるくらいのお金は持って来てたのに」
「あっても邪魔ばっかするんで、こちらとしてもいい厄介払いでさ。ちなみに先ほどの槍なら一本でお客様の
手持ち分程で御座いまさぁ」

 ルイズは財布から、金貨百枚を店主へと手渡すとファウストと共に店を出て行った。
 店を出ると、ファウストは喋る剣へと話しかける。

「それではデルフリンガーくん。先ほどの話、聞いていただきますよ?」
「おう!ど〜んと来いやぁ!男に二言は無いゼェ!」
「では、あなたを私の使いやすい様にイジらせて貰いますネ!」
「・・・・は?何の話をして・・・」
「それでは!オペ開始デス!」


 ルイズの目の前で嬉しそうなファウストと泣き叫ぶ剣の狂宴が始まった・・・。
 ルイズは何が行われているかをあまり見たくないので、耳を塞ぎながら
 後ろを向いてしゃがみこんだ。

「ちょ・・・何をぉ・・・あっ!そこはダメ!」
「大丈夫デス。すぐ済みます。ほら段々と・・・」
「そんな所までぇ・・・ダメだぁ・・・バカになるぅ!」

 剣が喘ぎだした・・・ルイズは今朝あまり御飯を食べてこなくて良かったと
 本気で思った。

「らめぇぇぇぇぇ!俺は・・・俺は・・・アッー!!」

 どうやらそのおぞましい何かが終わったようだ。
 ルイズはゆっくりと振り返る・・・。

「オペ完了デス。お疲れ様でしたデルフリンガーくん」

 めそめそと小さい声で呟く。
「ううっ・・・ブリミル・・・オレァ・・・汚されちまった・・・。6000年間生きてきたがこんな使い手
初めてだ・・・。ところでブリミルって誰っけか?」

「フフフ・・・あなたは生まれ変わったのですよデルフリンガーくん!そう!私の使う万能文化メス・・・
デルフちゃんとして!」

 デルフリンガーは既に剣では無かった・・・。この世界には存在しない武器(?)ファウストのメスとして
 生まれ変わったのだ。初めてみる形にルイズは興味を持つ。

457 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:53:52 ID:3Cpy9bPr
「へぇ・・・これがアンタが言ってたメスってやつなんだ?」
「そうですよ。あるときは手術時の最愛のパートナー・・・またあるときは私を守る武器・・・そしてオシオキ兵器」

 デルフリンガーを掲げながらうっとりとする。
「どうです?ルイズさん・・・いい輝きでしょう?フフフ・・・フフ・・」
 ファウストがいつにもなく怪しい。
「そ、それは良かったわね。目的の物も手に入った事だし帰るとしましょうか」
「・・・そうですね。何処で○どあ〜」


 それから程なくして街へと着いたタバサとキュルケであったが、目的の人物たちが既に帰った事を
 武器屋の店主から聞くと・・・。

「タバサ・・・私たちって・・・完全に・・・」
「それは言わない方がいい。自分たちが傷つくだけだから」
「そうね・・・・」

 彼女等は素直に学院へと帰っていった・・・。

458 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 02:55:21 ID:3Cpy9bPr
以上です。今回は短めですがご勘弁を。

それでは多分、また明日(すでに今日ですが)

お休みなさい。

明日も仕事が終わってからだから遅い時間に現れるとおもいますので・・・

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:02:41 ID:NhHEA5Vx
>大きな出刃包丁のような剣など

竜殺しの英雄が来てるのか?

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:06:10 ID:hP7lYoi2
やっぱり改造かああああああああ!
ちなみに予想したのは自分です。
何か申し訳ありませんでした・・・・・

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:10:36 ID:j2gT5hXi
投下ペースに戦慄を覚えながら乙
そしてデルフもいろいろと乙(;;

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:17:06 ID:wyNjGH0D
紙袋さん乙です

って「何処で○もどあ〜」は反則でしょww
しかしここまでチートだと面白すぎるな

463 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 03:18:10 ID:3Cpy9bPr
>>460

いえいえ
超能力や・・・(ポルナレフAA略

竜殺しの英雄が来てるのか?>秘密ですw
現状では一応ネタ振り程度です。

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:25:03 ID:LaXeeV0s
>大きな出刃包丁のような剣
卍解できるのかっw

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:41:57 ID:vf3SpB4z
フロウウェンの人今日は来ないのかなぁ

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 03:42:22 ID:/V7DyY8T
まさにデルフ陵辱だなw

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 04:13:01 ID:Y9Jp95Fp
>>テックランサー
ちょっwwwDボウイwww

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 06:17:50 ID:72dlMiaO
どんどんやる事スケールアップしていっとるwww
怪しいのに善人ってのも大概アレだが・・・・。
とにかく、投下乙!

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 07:21:48 ID:JtQPM7IJ
紙袋の方、乙です。
タイトルだけ見たとき、ペルソナ2のレオ様を思い浮かべてまいました。


470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 07:40:53 ID:ERCTd/F3
ワルドなら達也相手にニャルラトホテプ出してきても可笑しくないキャラしてるよね
どれも面白くて続きが気になる・・・

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 07:59:27 ID:7FVFWVgQ
元ネタ知らないんでブルックに置き換わっちまいますw

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 08:22:30 ID:2hVz6GrG
ファウスト医師には「今週のYAMABA」でワルドに止めを

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 08:26:37 ID:YqZBGNJA
>>471
俺なんか完全にちょっぷんだぜ

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 08:33:51 ID:430dvmKK
パワプロクン召喚

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 08:43:51 ID:eHFxGd+5
育成系からの召喚は難しいかな。
小ネタにあったけど、ときメモの主人公なんてパラメータが伸びる伸びる。サイト以上に怪物になるし。
日本一ソフトウェアのやりこみ系も難しいな。小ネタにあったディスガイアは召喚事故でレベル1でしたね。もしくは転生直後ならアリか。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/25(水) 08:51:24 ID:+LlQlkbE
 ※CM型投下予告です。(以前オリキャラに語らせる形をとっていいか聞きにきた者ですが、オリキャラを既存のキャラの年食ったVer.に変えました。)
―その青年は敗北した―
「やはり…私は…間違って……なかった…が………ま……」
―青年は人並みの幸せをも知らずに、その短い一生を終わらされてしまった―
―もう終わってしまった物語。蒸し返すのは無粋だろう―
―しかし、そんな禁句〈タブー〉を犯してでも私は彼を蘇らせる―

「あんた何者?」

BGM:ナイトメアで、『the WORLD』

―文字通りの第二の人生―
第一話挿入予定
「私が使い魔…ですか」
―たった一人の友人との決別―
第一話挿入予定
「…この人殺し。」

―学院長との取引―
第二話に挿入予定。
「無謀としか言い様が無いでしょうが、この計画は成功させたいのです」
「…それでお主は一体何を儂に差し出すつもりなのかね?」

―ガリア王とのチェス―
第八話ぐらいに挿入予定
「…余をここまで追い詰めたのはシャルル以来だ…が、ここで終わりだ…チェックメイト。」

―青髪の少女との冒険―
不明
「屍人鬼〈グール〉がこんなに大量に出るなんて聞いてないのですが!」
「わたしだって知らなかった!」

―喋るナイフの参戦―
不明
「あっはははは!…いいぜ!付き合ってやるよ!お前の計画って奴にな!」
―聖エイジス三十二世に喧嘩を売る青年―
不明
「…あなたのやっている事は、あのレコン・キスタと同じじゃないですか」
「違います。彼等は所詮、王様になりたがった烏合の衆…。」
「あなたの最終目標とどこが違うんです?馬鹿。」
ピキッ

―セクハラ―
不明
「シエスタさん。背中ばかりではなく、前も洗ってくれませんか」

―原作、時々オリジナルストーリー。
―ほのぼの――シリアス――ラブストーリー(?)―時々黒い――策――様々な事件―
―語られる彼の真実―

謎が謎呼ぶ物語!

漫画、DEATHNOTEよりLを召喚!

小ネタではありません!長編です!
 †ZERONOTE†
[0]ProLogue―プロローグ―
本日23:00より公開!
つまらなかったらごめんなさい。

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 08:58:38 ID:janV9hJ7
紙袋さん乙ー。
ちびファウストとシルフィ……もっとサービスを!

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:08:57 ID:DuXZQkX5
ギュス様乙!
フーケが爆発を意図的に利用する展開って珍しいな。
おマチさんにはどう出るか楽しみだ。

紙袋の人も乙!
メスってあの剣のサイズでメスの形状にになったのか
それとも普通の小さいサイズにされちまったんだろうか……w

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:33:48 ID:vf3SpB4z
>>476ばっち来いやー

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:35:48 ID:lr/9URdD
>>476
えーっと、ネタ?
それともマジ?
意外と普通に釣り?


本当にLで長編書けるなら凄いけど…ね。ヤン・ウェンリーに続く頭脳派キャラ
でもサイトが脳筋キャラだから、頭脳派で書くと、ほぼオリジナルストーリーになる

オリジナルストーリーで、しかも頭脳戦メインって、無茶苦茶難しいぞ

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:48:21 ID:janV9hJ7
そういやファウストの刺激的絶命剣って、手をぶち込むんだっけ、それとも……メスを……ズブブッっと……

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:51:09 ID:j+9X3Ki2
ファウスト先生に一撃貰えば、俺も長年の虚弱と体調不良から救われるのだろうか…

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:51:51 ID:/82f5v+n
下からいきますよといい恐ろしい医者だなファウスト先生
すっげぇいい人に見えるのに

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:54:08 ID:2hVz6GrG
正気に戻る前は殺人鬼だったけどな

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 09:56:14 ID:Oe5WVMLO
ファウスト先生のチートさといい人さに惚れた
次も楽しみにしてます!

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:00:25 ID:ERCTd/F3
>>476
似た所でひぐらしのなくデスノ ってのがあるがあれ位頑張らないとだめだぜ

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:06:50 ID:Pk0YKNR9
>>484
なに問題ない、狂気に陥る前は名医だったんだ。

>>480
サイトに限らず、登場キャラの半分ぐらいは脳みそつかってない
(というか、感情の赴くままに行動してる)気はするが。


488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:16:12 ID:HfbPglSY
>>480
メル欄が全角sageで書きなぐりを投下する、定期的に来る人かと思ったが。

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:17:48 ID:j+9X3Ki2
姉妹スレのifスレじゃ、もしもゼロ魔キャラがみんな最低限の判断力働かせてたらってだけで、
原作展開が尽く起こらない独自路線になってしまうと言われたぐらいだ。

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:30:07 ID:pzZPqB2M
>>476
神:その話は476には書けないであろう
476:神様、何故ですか?
神:そういう話は登場人物より作者の方が頭が良くなければ書けないからだ

とまぁ、彼のゆうきまさみも言っていたわけだが

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:36:41 ID:3mhvqn97
そう言えばガンダールヴって左手に槍だったっけ?ベルゼルガのパイルバンカーが合いそうな気がしない?
ワルドがシャドウフレアに搭乗、彼も含めたレコンキスタが実はロストテクノロジーに触れた融機人。
ジョセフはレグジオネータに乗ってハルケギニア騎士団計画を押し進めている、とか。

(馬鹿は整備や補給の事を全く考えていない)

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:46:41 ID:Pk0YKNR9
>>491
いや、槍(武器)が右手(利き手)、剣(デルフリンガー≒盾)が左手。

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 10:47:38 ID:YwkdbIUs
>>491
W-1軍団だったら無問題
整備も補給も増産も、挙句の果てにはパイロットの培養まで勝手にやる

つーか、機体自身が子供作ってパイロットごと増殖するATってなんじゃそりゃ


青の騎士はシャドウフレア編でやめとけば黒歴史にならずに済んだろうに・・・

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:06:22 ID:DVc7GBPk
>>493
あれはシャドウフレア以後はボトムズじゃないと割り切って楽しむ作品だろw
むしろ凶兵器ヴァンヴィール戦記とw

つかヴァンヴィールを召喚したら…
起動させた所でルイズ死ぬな 間違いなく


495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:15:15 ID:Kh7Lv9Hc
ファウスト>>ちょ、武器屋の店主何ちゅうモノ揃えトンのよ!?ww
竜殺し>>狂戦士の武器か、ファリスの猛女もその類なんでしょうか?

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:17:46 ID:JKVnE3zd
聖刻伝シリーズの操兵や狩猟機なんかは大丈夫そうかな?
鍛冶と魔道で作られている訳だから、鍛冶の部分は言わずもがな、魔道部分も
何かで代用できそうな気がするが…無理か?

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:20:34 ID:YwkdbIUs
>>494
で、コッパゲがそそのかされて初代ハルキゲニア皇帝になるわけか

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:25:45 ID:j+9X3Ki2
>>496
結局のと頃、話的に面白くなるのなら何だろうとおk
組み合わせ面白いな、でも話思い付かないなだとペケ。

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:27:47 ID:56t6+O7S
>496
操兵は制作のみならず修復にも専門家が必要なほどの代物らしい
筋肉筒とか聖刻石とかもさすがに練金できんだろ

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:33:58 ID:Ux137oHy
>>496
速攻で操兵のとお揃いの仮面を被った“大師”と呼ばれるルイズの事か!

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:34:40 ID:j+9X3Ki2
筋肉筒は食用肉の錬金が成功してることから可能性はあるとして
できちゃまずい聖刻石の方は錬金の必要性がないだろう。

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:36:05 ID:yc2PAtjd
>>499
まあ壊れたら直しようがないってのはゼロ戦やタイガー戦車も同じだし
燃料を必要としないだけマシともいえる

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:36:14 ID:8+DDxEeO
普通の狩猟機だとサイズ的にフーケ戦で蹴散らされそうな希ガスw

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:39:00 ID:8+DDxEeO
>>502
っ血液
ハゲ先生が練金しそうではあるけどw

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:39:05 ID:aJJMQr/e
ここは搭乗者無しのラインバレルが落ちてきてルイズが一度死んでしまう……
みたいな

身体能力うpしすぎて普通にメイジ殺しいける

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:43:14 ID:4JXujTKq
ただの石コロじゃないしね>聖刻石
形状と材質を同じにしただけではダメらしい。
昔PSでた操兵伝というゲームに聖刻石をはめる仮面の模型が付いてたけど造詣がキモかった。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:47:09 ID:56t6+O7S
>506
聖刻石の潰しっぷりが爽快なやつだっけ

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 12:00:25 ID:4JXujTKq
>>507そうそれ
下手すりゃボス戦中に石が死ぬんで入れ替えないと困る。
でも下手に入れ替えると今度は法則がかわってしまうんで困るという。

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 12:08:29 ID:JtQPM7IJ
デスノート召喚つうありそうでないネタ無かったかな、小ネタで見たような…
あれはドリムノート

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 12:47:58 ID:rB7I3R0n
あるキャラや物連れてくれば面白くなるってわけじゃねえぞ
そいつをどう書くかが重要なんだ
原作の才人だって元々平凡な高校生じゃねえか
凄い戦闘力とか特殊能力だけあっても、ゼロ魔と馴染なまきゃ意味ねえんだよ

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 12:54:55 ID:uy37DRZ4
付属として幽霊(霊体)が召喚されることは多いけど、幽霊が召喚されるのはサイヤしかないんだな。
サモンナイト3のファリエルとか召喚されないかな。護人のペナルティは
コントラクト・サーヴァントで解決すればいけないこともないだろうし、
ファリエルED後なら触れるからなにかと便利。
ただ、サモンナイト系は更新途絶が続いてるから長編で続くかが問題だ。

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 12:58:31 ID:7zyLVO70
>>511
おとボクの一子が召喚されてるYO

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 13:00:05 ID:LC3KTaNO
お前らの面白いは戦闘シーンでどれだけ強いかだから困る

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 13:00:16 ID:DVc7GBPk
>>511
一応東方プロジェクトの
プリズムリバー三姉妹も幽霊(本当は騒霊だが)扱いじゃね?

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 13:37:04 ID:j+9X3Ki2
>>513
一般的な身体能力さえあればチートルーンがどうにでもしてくれるんだから、
考えるべきは強さとか、どんな能力があるかとかじゃなくて、どう魅せるかだよな。
それさえ出来てれば戦闘自体避けても構わないわけだし。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 13:37:27 ID:janV9hJ7
>>平凡な高校生
原設計のサイトは発明少年だったそうな。逸れはそれで面白そうだったとも思うがね。
まあ、サイトは原設計版より今の平凡高校生の方が商業的には勝ちだったか。
最近は二次的な盛り上がりも考慮して展開する作品が多いよなぁ。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 13:51:04 ID:56t6+O7S
>516
ということはここの盛り上がりも出版された時点ですでに計画通りだったと

518 :サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2008/06/25(水) 13:52:57 ID:acSnFSYq
>>511
一応自分のアイリも死霊ですから幽霊の類ですよ。

話は変わりますが、3話は早ければ土曜の深夜にも投下できると思います。
あと、彼女のせいで出番が無くなってしまった彼に出番を与えるイイ方法を思いつきましたので、
もう少ししたら出てくると思います。

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 14:19:24 ID:yO3Z+vF9
ここはひとつ、アレだ
ワルドが「サモンサーヴァント」したらカトリ・イネ召喚してしまうとか

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 14:26:38 ID:2hVz6GrG
喚ばれるキャラが能力バトル系の作品からのほうが多いから戦闘に偏るのは仕方ないんじゃあないかなあ

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 14:28:49 ID:jPbIw6zZ
ガンダールヴのルーン自体はいい設定だと思うんだよ。
逆にいえばこれのおかげで、一般的な身体能力しかない人を無理なくクロスさせられると言えなくも無い。
結局他に何か力がなければ原作展開をなぞってしまうとしても、そのクロスさせた人なりの『味』が出せればいい作品にはなると思うんだよね。

と、ブレイブ・ストーリーのクロスで亘召喚を考え挫折した俺が言ってみる。

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 14:34:23 ID:j+9X3Ki2
別に戦闘が悪いわけじゃないさね。
ただ、戦闘面で元が優秀なの呼ぶとバランス崩壊云々って話になりやすいけど、
ルーンの存在で既に結果が保証されている以上、重視すべきはそこじゃないだろうと。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:04:51 ID:ee9x80gH
ここ一つ、六法全書こそ神!な法律家キャラを喚んでみよう(そんなの居るのか?)
コントラクトサーバントしようとしたルイズに、
それが「契約」であるなら契約内容の確認を、とか言い出して
書類に延々と判子捺させるようなの。

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:08:19 ID:7FVFWVgQ
世界がちがうのにそれは通用しないんじゃ・・・

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:10:49 ID:ee9x80gH
>>524
その辺はギャグ系小ネタで細かいことは抜きにして。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:15:36 ID:pXQD7Ft3
タクティカル・ジャッジメントか

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:15:58 ID:LC3KTaNO
能力バトル系って言っても剣の達人か魔法みたいなの使えるかぐらいじゃん
弓とか銃とかで狙撃とかトンファーで格闘とかは少ないよな
デルポは所詮『盾』なんだからもっと『槍』があってもいいような
やっぱ初期ルイズヘイトで魔法を使って鼻をへし折りたくなるのかな

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:20:31 ID:DLwUjsEg
ルイズ・キングダムのクロビスあたりはガンダ補正かかってもどうにもならないような希ガs…クロビスのルーン何だっけ?

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:22:47 ID:2hVz6GrG
>>523
逆転裁判の成歩堂

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:24:55 ID:jPbIw6zZ
>523
「契約」の二文字で、ナデシコのプロスさんを思い出してしまった俺はやっぱ古いんだろうな……。

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:29:17 ID:PXS6H14h
>>514
音で戦ったり、三人でガンダのルーンだったり結構面白かったな、それ

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:34:57 ID:JKKVBH+u
俺なんかルナルサーガのアンディ・クルツとか連想したぜ。

「ガヤンは法を作りたもう。法とは人と人との誓いなり。
 共に信じ、安らがんための定めなり。
 我等ガヤンに仕えし者、法を知らぬ者に法を説き、
 法を破るものに法を説き、人々に秩序と安寧をもたらさん」

ルイズよりもカリンさんと気が合いそうだよな、ガヤン信者の皆様。
アンディならソードブレイカーとデルフの二刀流でも戦ってくれるよ、多分。
あと「月が減った!?」と驚く珍しいキャラになるなw

533 :ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:38:28 ID:fBTgH8P0
三週間ぶりですが、何とか16話出来ました。50kこすとこだった。

五〇分くらいから投下します。

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:44:32 ID:j+9X3Ki2
魔王なのはさん キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:46:35 ID:DuXZQkX5
ホワイトなデビルさん支援

536 :ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:51:11 ID:fBTgH8P0
では投下開始します。今回なのはさん出番ほとんど無し。
ルイズとキュルケが頑張ってます。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:52:26 ID:72dlMiaO
ヒャッホーイ、魔王さんキター!!!

538 :ゼロと魔砲使い 第16話-01 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:52:37 ID:fBTgH8P0
第16話 王女

 幸いにしてルイズ達は、フリッグの舞踏会にぎりぎりで間に合うことが出来た。
 「ほら、なのは、急いで。このためにわざわざドレスも作ったんだから!」
 「お、お気持ちはうれしいですけど、私、こちらのそういうマナーは」
 「難しいこと考えなくてもいいの! 半分はそういうマナーを覚える場でもあるんだから」
 私服を見繕うための外出時、ちゃっかりドレスも発注していたルイズ。
 その時点ではとりあえず公爵家として恥にならないように、程度の気持ちでしかなかったが、お針子達が腕を振るってくれたこともあって、思わぬサプライズプレゼントになった。
 元々素材は悪くないなのは。ただ普段は仕事の方に頭が向いていて、身だしなみもどうしても最小限になりがちなところがある。それをメイド達がよってたかって磨き上げたものだからちょっとした麗人に化けてしまった。
 おかげでなのはは学院の教師陣にモテモテとなってしまった。前にも言ったが、この学院はその性質上、20代前半の女性の数が少ない。生徒達に誘いを掛けるわけには立場的にも年齢的にも行かない男性教師陣が、ミス・ロングビルとなのはに殺到したのである。
 なのはが名前もよく知らない男性教師と拙い踊りをしている脇では、ミスタ・コルベールがミス・ロングビル相手に感極まっていたりする。
 ルイズを誘う男も何人かおり、一応相手をしたものの、彼女の内心はくだらなさで一杯だった。
 なんというか、歪んだ優越感が丸見えなのである。自分は魔法の使えない(と思われている)ゼロで、それでいて身分は王族に次ぐ公爵。見た目だって胸はないと思うけど悪くはないはず。
 馬鹿な男が、そんな自分に対してどんな目を向けてくるかなど、丸わかりだ。
 ルイズは自分のことをそう冷静に分析する。そしてふと思う。なのはが自分の使い魔になってくれなかったら、こんな冷静ではいられなかっただろうと。
 自分を保ちきれず、今こうやって見苦しいとしか思えない誘いを掛ける男に対して、『光栄ですわ』などと言う空々しい笑みを浮かべて相手をするなんて出来なかったに違いない。
 今のルイズには、こんな手合いは軽蔑することすら馬鹿馬鹿しいとしか思えない。
 まだ召喚から一ヶ月も経たないうちに、ルイズのまわりにはいくつもの信じられない出来事があった。
 平民かと思った使い魔は実は異国のメイジ(しかも凄腕)で。
 自分の失敗魔法が実は単なる失敗とは別物だと看破して。
 念話とか、魔力だとか、今までにないものの見方を教えてもらって。
 その延長上で、タバサなんか魔法の複数同時使用が出来るようになっちゃって。
 取り逃がしたとはいえ、『土くれのフーケ』を撃退し、
 それどころかエルフにすら勝っちゃって。もっともよけいな敵を作っちゃったみたいだけど。
 ……ちょっと思い起こしただけでも無茶苦茶だ。

539 :ゼロと魔砲使い 第16話-02 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:53:20 ID:fBTgH8P0
 そしてそんな中、自分には余裕が出来た、とルイズは思う。
 キュルケのことが嫌えなくなってきた。からかわれるのも喧嘩になるのも相変わらずだけど、もう滅ぼすべき宿敵には見えない。そう、あれは『ライバル』というものなんだって判ってしまった。
 キュルケがツェルプストーとしてヴァリエールに勝ちたいというのは紛れもない本心だろう。だけれども、そのためには相手が強者じゃなきゃ意味がない。そのことが判るようになった。
 自分が自分を誇れないようでは、ツェルプストーにとっては倒す価値すらない存在でしかない。それはルイズにしても同じ事。ただキュルケは最初からその価値がある存在だっただけ。
 それに比べて、こうして自分を誘いに来る男達の低レベルな事といったらなんだ。
 本当にまともに相手をすることすら馬鹿馬鹿しい。
 こいつらは自分のことを、高嶺の花なのにそれでいて自分より劣るという、優越感をことのほか満たしてくれるアクセサリーとしか見ていない。
 身分はおまえの方が上でも、貴族としては僕の方がより優れているぞと言う、ちっぽけすぎるプライドを満たすための道具としてしか。
 敵と認識することすら憚られそうな小物だ。怒ることすらこいつらには勿体ない。
 ルイズは本気でそう考える。今のルイズには理解できる。
 相手に怒りを覚える理由は二つ。不倶戴天、どうしても抹殺しなければならない敵か、将来に期待すべき人物か、そのどちらかなのだと。
 怒ること、そして叱ることの裏には、相手に対する期待があったのだと。
 相手にする価値のない小物には、怒る気すら浮かばないのだと。
 それが判ってしまったルイズには、世の中が全く別物に見えるようになってしまった。しまっていた。
 そのことを今日、こうして舞踏会に出てみて、ルイズははっきりと自覚した。
 なのはを使い魔と為し、駆け抜けるように生きてきたこの一月、ルイズの周りにいたのはほとんどが『判っている人物』だった。だから自分のものの見方が変わっていたことに、ルイズは気がついていなかった。
 だがこうして、舞踏会という、今までの日常に近い場に接した時、その違いがまざまざとルイズの前に浮かび上がったのだ。
 それはルイズが、わずかな時間のうちに、『本当のプライド』というものがどんなものかを、きちんと理解していた証であった。

540 :ゼロと魔砲使い 第16話-03 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:54:35 ID:fBTgH8P0
 エルフの敵対宣言は気になったものの、こうして学院に帰還して日常生活が始まると、そんなことはまるで夢だったかのように思えてくる。
 ルイズ達は、再び昨日と変わらぬ今日を、そして明日を思う生活に没入していくかに思えた。
 些細な違いはある。
 夜の魔法練習もいつの間にか復活していた。ただ、その内容は大いに進化していた。
 タバサが魔法に対して、ある種の『悟り』を得たのが大きかった。いまタバサは、なのはと空中戦の練習をしている。もちろん、空戦能力を会得したタバサといえども、十年近い蓄積を持つなのはに及ぶべくもない。
 だがそれだけに、教わることは山ほどあった。
 もっとも残念なことに、タバサの精神力が続かなかった。スクエアクラスの土メイジが黄金を練金しようとしても、月に一度、ごく微量しか練金出来ないといわれている。つまり、スクエアになったといえ、大きな魔法を連発していると回復が追いつかなくなる。
 ましてやタバサの会得した自在空戦は、黄金の練金に比する高度なフライを使う。必要な精神力も半端ではない。
 そのためタバサは普段は魔法の使用を極端に節約するようになった。授業などでも無駄な魔法は一切使用せず、移動も出来るだけ歩くようにしている。
 気軽にフライで飛んでいるクラスメイトからは怪訝な目で見られるようになったが、いつしかその理由が、『ゼロのルイズにあわせている』になっていたのを知った時はさすがに苦笑していた。
 「いらない迷惑を掛ける」
 と頭を下げたタバサに対して、ルイズはむしろおもしろそうに笑っていた。
 「それはいい理由ね。気にしなくていいわ。むしろ遠慮無く利用していいわよ」
 そんなルイズとタバサの様子を見て、キュルケの顔もゆるむ。二人とも成長した、と年長者としての自分が喜びの声を上げる。
 ルイズはほんの一月の間に本当に強くなった。焦りと自虐でずたずたになっていた精神が、見違えるようにたくましくなっている。
 あれこそがツェルプストーにとっての宿敵、ヴァリエールなのだと、キュルケも心から思う。強く、魅力的だからこそ、勝ちたくなる。過去自分の先祖が、彼らの思い人を奪った気持ちが、キュルケにも理解出来た。
 最初は、あんな軟弱には勿体ないから、だと思っていたのだ。だがそんな程度のことに何故先祖が情熱を燃やしたのかが、いまいちキュルケには判らなかった。
 だがあれなら。あの見ているだけで眩しいヴァリエールなら。
 その思い人もまた、それにふさわしい輝きを放っていたに違いない。
 だからこそ奪いがいがある。自分がその上を行くことを示す証になる。
 確かに情熱を持って立つツェルプストーの所行にふさわしい、とキュルケにも理解できた。

541 :ゼロと魔砲使い 第16話-04 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:55:17 ID:fBTgH8P0
 そしてタバサ。
 友となっても、最後の壁を崩すには至っていなかった。時間さえあれば崩せた、ということはキュルケにも判る。
 だが、それを自分より先に崩したのはなのはだった。
 自分がなのはに負けたわけではない。むしろ偶然だろう。
 タバサに必要だったのは、『圧倒的な力』だったのだ。
 タバサを縛っていた壁を、自分は精神的なものだと思っていた。だが実際はむしろ物理的な要因だった。
 彼女を取り巻く環境が、彼女に心を開くことを許していなかったのだ。
 そしてなのはは、その圧倒的な力でタバサの壁を破砕した。力の名は『希望』。
 『力が足りない』というタバサを押さえていた最後の壁を、彼女はその桁違いの力で粉々にしてしまった。
 なのははエルフにすら勝ってしまう異界の魔導師である。その力そのものは求めても無意味だ。それは自分もタバサもきちんと理解している。だが問題はそこにあったのではない。
 そういう力が存在していた。それこそが鍵であった。
 力不足が悩みとなる時、最大の障害は『限界』である。
 自分がこれ以上強くなることは出来ないのではないか。
 相手にどうやっても勝てないのではないか。
 そういう思いは、たやすく絶望という名の終局に変化する。タバサは九分九厘そこにはまり込んでいた。たとえキュルケでも、そこからタバサを引っ張り出すことは出来ない。
 そこになのはが、『可能性』を提示した。まさに特効薬だった。
 なのはに指導者としての才があったことも幸いして、見事にタバサはそこから抜け出し、今彼女は一段階上の領域にたどり着いた。
 今の彼女には希望がある。自分の思っていた『限界』など、単なる思い込みに過ぎないことが判っている。
 それがタバサの封印を解いた。ぶっきらぼうで無表情なのは相変わらずだ。でも、今のタバサは微笑む時がある。ふくれる時がある。すねる時がある。
 友として最高に喜ばしいことだった。だが。
 (私もたどり着かないとね)
 キュルケは強く思う。タバサと友でいるためには、自分も彼女の領域にたどり着く必要がある、と。
 友とは対等なものだ。それはキュルケにとって何より大切な信念。貴族としての誇り。
 それ故今日もキュルケは、なのはに教えを請う。
 自分たちとは違った見方の出来る、異界の魔導師に。
 
 
 
 
 
 
 
 だが、現実というものは非情なものである。
 きっかけは、ある意味些細で、ある意味とてつもなく重いものだった。このまま続くと思っていた日常は、たやすく破壊されることになった。

542 :ゼロと魔砲使い 第16話-05 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:55:56 ID:fBTgH8P0
 「最強の系統とは何か判るかね?」
 前座を務めることになったのは、風の系統を担当する教師の不躾な言葉であった。
 「虚無ですか?」
 生徒達から上がった答えに、教壇に立っているミスタ・ギトーは不機嫌そうな返答をした。
 「現実での話だ。そうだな−−ミス・ツェルプストー」
 ギトーはキュルケを指名した。
 キュルケは自信を持って答える。
 「そんなモノは存在していませんわ」
 その答えにギトーは意外そうな顔をする。
 「何故そう思うのかね」
 「攻撃するだけなら最強なのは『火』でしょう」
 優雅とも言える態度のまま、キュルケは答える。
 「ですが火を以てしても燃やしきれない土もあれば、水によって消されることもあります。強さなど状況と個々の力量によっていかようにも変わるもの。単純に系統のみを比較する事など無意味ですわ」
 「ほほう、中々うがったものの見方だな」
 少し感心したようにギトーは答える。
 「だがあえて訂正しよう。最強を選ぶとすれば、それは『風』に他ならない」
 それを聞いてキュルケの眉がひそめられる。
 「たいそうな自信ですわね。証明できますの?」
 「出来るとも。試しに君の得意な魔法で私に掛かって来たまえ」
 あくまでも自信満々なギトーの様子に、キュルケの目がついと細まる。
 「判りました。これは決闘に準じると考えてよろしいでしょうか?」
 つまり怪我をさせても不問とする、ということだとギトーは受け取った。それは彼にとっても予想の範囲内であった。
 故に彼は答えた。
 「かまわんよ。遠慮無く来たまえ」
 その言葉を受けて、キュルケは立ち上がって席を立ち、他の生徒から離れたところで詠唱を開始した。

543 :ゼロと魔砲使い 第16話-06 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:57:59 ID:fBTgH8P0
 「あーあ、ギトー先生、かわいそうに」
 ルイズが心底から哀れむようにつぶやく。
 「勘違いしているのは明白」
 タバサもぼそりとつぶやく。
 「同感。まるで判ってない」
 ギーシュが頷けば、
 「私には判らないけど、そういうものなの?−−あ、なのは、ごめんなさい」
 モンモランシーが何故かこの場にいないなのはに謝っている。
 そのなのはは使い魔達のたまり場で、マルチタスクの練習をロビンを通じてモンモランシーに教授している最中だったりする。ギーシュも授業と並行してレイジングハート相手にワルキューレの模擬戦中。タバサもシルフィード相手にマルチタスクをより確実なものにしている。
 ちなみにまだ練習を始めたばかりのモンモランシーは思考を独立して保つのが難しく、つい混乱してしまう。
 一方キュルケは生徒達が邪魔にならないように位置を取ると、巨大な火球を練り上げた。杖が振るわれると同時に、直径一メイル近くにもなる火球は、真っ正面からギトーに襲いかかっていった。
 ギトーは慌てたそぶり一つ見せず、口中で詠唱すると同時に、真っ向から斬りつけるように杖を振るった。
 そのとたん烈風が巻き起こる。烈風は火球をあっさりとかき消し、その向こうにいたキュルケを−−
 キュルケはその場で地に伏していた。同時にギトーの手に痛みと熱さが走る。
 「うおっ!」
 その時すでに起き上がっていたキュルケが走り込んでくる。痛みと熱で思わず取り落とした杖が、あっという間にキュルケの手に収まっていた。
 その動きはギトーが杖を落とすことをあらかじめ読んでいなければ出来ない動きであった。
 「確かに風の魔法は強いようですけど」
 思わぬ事に顔を真っ赤にするギトーに対して、キュルケは優雅な表情のまま答える。
 「目の前の囮に気を取られて、本命に気がつかなければいくら強くても無意味ですわ。決闘に準ずる以上、私の勝ちですわね」
 キュルケは巨大火球を使ってギトーの視線を遮ると同時に、次の呪文を詠唱していた。火球の呪文は元々打ち出してしまえば維持する必要がない。
 唱えたのは実験中の改良型の火球。なのはのディバインシューターを見て影響された、誘導が出来る火球。
 元々火球の呪文はある程度誘導できる。その要素を強めたところ、かなり自在に誘導できるようになったものの、その間集中していなければならないことと、囮に使った巨大火球と同じ精神力を使って作れる火球が握り拳よりも小さいものでしかないのが問題だった。
 だが要は使いようである。キュルケには馬鹿正直に真正面から火球をぶつければ、ギトーの実力なら風で蹴散らすことぐらい読めていた。伊達にタバサと喧嘩したわけではない。
 今でもたまにタバサの訓練のために、なのはと共同で相手になっているのだ。実力ある風の使い手が火を吹き消せることくらい熟知している。
 だから火球を囮にした。ギトークラスの実力者なら、この位置取りなら火球に対抗すると同時に自分に対しても風をぶつけてくるはず。それを見越してあらかじめ伏せると同時に、誘導火球で相手の手の甲を狙った。
 火球がかき消された時、ギトーがこちらの意図に気づいていないのが見て取れた。タイミングを計り、彼の風が自分の上を通過するのを見計らって、相手の死角から誘導していた火球をぶつける。
 その計は見事にはまった。自分でも会心の出来だ。すかさず立ち上がり、彼の落とした杖をその手に収めるまでいけた。
 蹴飛ばして遠くにやる程度までしか考えていなかったのだが。
 
 思わぬ不覚にギトーの顔が歪み、授業の雰囲気が悪くなりかけたが、そこに時の氏神が現れた。
 カツラをはじめとして、まるで王宮に伺候するかの如く着飾ったコルベールが、突如教室に乱入してきたのだ。
 「えー、皆さんに緊急のお知らせです」
 そのおかげで、険悪な雰囲気があっさり消し飛んだ。
 「先ほど前触れの連絡がありました。恐れ多くも先の陛下の忘れ形見、アンリエッタ妃殿下が、我らがトリステイン魔法学院に行幸なされます。そのため、これよりお出迎えの準備に取りかかりますので、授業はすべて中止となります」
 教室内にざわめきが走った。
 「これは皆さんがどれだけ成長したかを王家に見せる貴重な機会です。指示に従い、礼儀正しい貴族としての態度を取ることを期待します。追って連絡がありますが、それまできちんと杖を磨いていてください」
 そういうとコルベールは、ギトーを引き連れて退出していった。

544 :ゼロと魔砲使い 第16話-07 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:58:45 ID:fBTgH8P0
 アンリエッタは憂鬱であった。
 馬車の外には、たくさんの民衆が自分たちの乗った馬車を見つめている。
 芳紀十七歳、薄いブルーの瞳とすっと通った鼻筋の美女は、そのかんばせに似合わない影を纏わせていた。
 細い指が、水晶の付いた杖を所在なげにいじっている。誰が見ても、明らかに深い悩みを抱えているのがありありと判った。
 「王族たるもの、あまりため息をつくものではござりませんぞ」
 隣の座席に座るのは、髪も髭も白い、やせているというよりむしろ筋張ったという方がふさわしい、初老の男であった。
 実は彼、まだ四十強で老人というには早い年齢である。だがその身に押し寄せる責務が、彼を明らかに十は老け込ませていた。
 身なりは灰色のローブに司祭帽。明らかに僧形である。
 名はマザリーニ。その姿の示すとおり、彼の身分は枢機卿であった。
 かつては次期教皇ともいわれた彼が何故トリステインで政務を執っているのかについては割愛する。実際問題として、彼がいなければトリステインの政務が崩壊することは王妃も妃殿下も十分承知している。
 だが、そのありがたさが感謝に直結するとは限らない。
 アンリエッタは自分の身の上を考えて、またため息をついた。
 自分は彼の進言によって、ゲルマニアに嫁がねばならない。
 それがトリステインのために必要ならば、それを拒むことは出来ない。
 マザリーニは語る。今隣国のアルビオンで起こっている『革命』は、このまま行けば始祖の時代からの王家であるテューダー王家を打ち倒すであろうと。
 もしそうなれば、次に彼らが狙うのは間違いなくこのトリステインであること。そうなった時、トリステインには立ち向かう術がないことを彼は力説した。
 そして出た結論が、アンリエッタとゲルマニア皇帝アルブレヒト三世との婚姻である。
 マザリーニ枢機卿は、有能でかつ現実家であった。ただ、少々現実が見えすぎていたのが彼の不幸であり、また民衆から人気がない原因でもあった。
 あまりにも現実の見えすぎていた彼には、自分の施策がトリステインという国にどんな影響を与えるかを見誤っていたのである。
 聖職者でありながら、始祖の持つ影響力を見損なっていたとも言える。
 別の歴史では、思わぬ幸運からその負の面を免れた彼。だがそれはこちらでもそうなるとは限らないのであった。
 「そういえばこれから行幸する魔法学院には、確か殿下の幼なじみが在籍しておりましたな」
 「ええ。ラ・ヴァリエール公爵家の三女にあたります」
 「今夜は魔法学院で一泊する予定です。旧交を温めるくらいはかまいませぬが、羽目は外さぬように」
 「判っていますわ」
 そういうとアンリエッタは、またため息をついた。
 「殿下……まあよいでしょう。ただくれぐれもご用心を。噂ではありますが、アルビオンの貴族どもが同盟を邪魔すべく動いているという話も耳にしております。油断召されぬように」
 「本当に噂なのですか?」
 その言葉の響きには妙に深いものがあった。
 「噂です」
 マザリーニはあっさりと切って捨てる。
 「繰り返しますがご用心を。つけ込まれる隙など作らぬように」
 「……判って、おりますわ」
 だが、その言葉はどうにも歯切れが悪かった。

545 :ゼロと魔砲使い 第16話-08 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 15:59:21 ID:fBTgH8P0
 「トリステイン王女、アンリエッタ妃殿下のおなーりー!」
 出迎えのため整列した教師生徒達の間を、マザリーニ枢機卿に介添えされたアンリエッタが歩いていく。
 列の後ろの方でそれを見ていたキュルケはその姿を見て言った。
 「確かに美人ね。でも私とはタイプが違うわ」
 「清楚さではあちらの圧勝、色気ではキュルケの勝ち」
 タバサも珍しく王女を見ている。実際キュルケも気になって小声でタバサに聞いた。
 「でもあなたがわざわざこういう席に出るなんて珍しいわね」
 「一国の王族の顔は覚えておく必要がある」
 返ってきたのは意外に冷徹な言葉であった。
 「何でまた」
 「なのははエルフに敵と見なされた」
 また言葉が飛ぶ。
 「エルフと関わった以上、その存在はいずれ王家を初めとした政治を巻き込むことになる」
 そこまでいわれてさすがにキュルケにもピンと来た。
 エルフがどう出るかは判らない。だがもしエルフが軍を率いてせめて来ようものなら、問題は王国規模になる。そうなった時、政府がどう出るかはなのはの生存にとって大きな問題となる。
 敵になるか、味方になるのか。それを考えたら、タバサにとってその関係者は無視できる人物ではないのだろう。
 「ルイズ、判ってるのかしら」
 「判っていなければ判らせるだけ。それが友達」
 「……言うようになったわね、タバサも」
 キュルケはちょっと複雑な気持ちになった。
 
 一方、ルイズは。
 「……ご主人様?」
 何故か妃殿下の周りにいる、近衛と思われる人物の方に視線が行っていた。なのはの声も耳に入っていない。
 視線の先にいた人物は、鷲の頭に獅子の体を持つ動物−−グリフォンに騎乗していた。立派な羽根飾りの付いた帽子の下に、まだ若いが整った口髭を生やしている、精悍な美男子の顔があった。
 有能で立派に見える貴族だった。なのはが頭に思い描く貴族の典型を示したら、ちょうど彼のようになるだろう。まさに絵に描いたような貴族であった。
 「あのお方は?」
 思い切って聞いてみたところ、少々意外な言葉が返ってきた。
 「彼はワルド子爵よ。しばらく会ってなかったけど……あたしの婚約者なの」
 なのはは思わず絶句していた。

546 :ゼロと魔砲使い 第16話-09 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:00:03 ID:fBTgH8P0
 その日の夕刻、夕食も終わり、いつもならもう少し後に魔法の自主練習を始めている頃。
 「ちょっと意外でした。ご主人様に婚約者がいたのは。年齢的にも身分的にもおかしいとは思いませんけど」
 「そう思うのも無理ないわよね。ゼロの私はそういう人達から見れば平民同然ですもの」
 なのははパソコンを立ち上げて、たまっていた報告書を打ち込んでいた。ルイズもなんだかんだで遅れてしまっていた座学の勉強中である。もっとも地道な努力を積んでいるルイズは、多少の遅れなどものともしない。基礎が出来ているので追いつくのも訳はないのだ。
 「ワルド様はね、私がまだずっと小さい頃……十年くらい前に親しくしていただいていた方なの。領地も隣だったし、私もまだゼロなんて言われてなかったから。親同士の約束で決まった婚約よ」
 「そうだったんですか」
 「ま、でも今の私の噂を聞いていたら、たぶん破棄されると思うけど」
 なのはは気がつかなかったが、以前のルイズからしたら考えられないような言葉だった。
 なのはにとっては、今のルイズが当たり前なのだ。傲慢でヒステリックだったルイズは、なのはとの出会いによって急速に癒されてしまっている。なのでなのはは今のルイズが本来のルイズだと思っていた。
 間違ってはいないが、他の人からすれば大きくずれている見方だった。
 と、そこにノックの音がした。
 こん、こん、こんこんこん。
 長く二回、そして短く三回。ずいぶん変わったノックだ。
 そのとたん、ルイズの顔が引き締まった。同時に少し驚きの表情が浮かんでいる。
 すっと立ち上がると、自分からドアに手を掛ける。
 なのはは少し驚いた。性格は穏やかになったとはいえ、ルイズは貴族である。貴族としての作法にはこだわる。
 自分が同室していて、扉の開け閉めを自らするなどと言うのは、彼女のポリシーからしてあり得ない。必ず『なのは、開けて』と自分に命ずるはずである。
 なのはがそう思っているうちに、いかにもわざとらしい怪しさに満ちた人物が室内に入ってきた。頭から大きな黒いフードを被り、マントで身を包んでいる。
 その隙間から妙に立派な杖がのぞいていた。その人物は小声で呪文を詠唱する。ルイズはそれを止めようとしていない。
 さっきの態度からしても、おそらくご主人様はこの人物を知っている。しかも対等か上位の身分。そう思ったなのはは、そのまま静観していた。
 唱えていたのはディティクトマジック、魔法探知の呪文だったようだ。彼女は呪文を詠唱し終えたとたん、何故かなのはの方に注目していた。
 フードを被ったまま、ルイズに小声で話しかける。
 「この方は? それにその傍らの剣は……」
 フードに隠れた視線が、なのはとベッド脇に置かれていたデルフリンガーの間を行ったり来たりしている。
 ルイズは微笑みながら答えた。
 「彼女は私の使い魔、なのはよ。脇の剣はデルフリンガー、自称六千年もののインテリジェンスソード」
 「まあ、あなた、人を使い魔にしたの?」
 驚きの声と共に、その人物はフードを取る。中から出てきたのは、ルイズには当然の、なのはにも予想が付いていた人物であった。
 「妃殿下!」
 「お久しぶりね、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ」
 臣下の礼を取ろうとしたルイズを、そうする前にアンリエッタは抱きしめていた。

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:00:09 ID:DRaHZGEm
支援いたす


548 :ゼロと魔砲使い 第16話-10 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:00:48 ID:fBTgH8P0
 感極まったのか、その後しばらく、まるで芝居のような大げさな言い回して旧交を温めていたルイズとアンリエッタ。さすがのなのはも少し引いていた。
 「ずいぶん大仰なのね……」
 「そんなもんなんじゃねえのか?」
 思わずデルフリンガーに愚痴をこぼすなのは。ただ、それでも聞くべく事は聞いていた。
 「なんか妃殿下、宮廷内に味方いないみたいね、あの言い方からすると」
 「まああの歳の娘っ子の言うことだ。話半分だとしても……味方、少なそうだな」
 デルフも思わず同意する。
 そんな中、話がちょっとうかつに聞いているわけには行かない領域に突入してきた。
 「ルイズ……私、ゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったの」
 「ゲルマニアに!」
 ルイズにとっても、あまりにも意外な事であった。
 「なんで姫様が」
 「同盟を結ぶためなのですが……」
 「同盟? 何でまたそんな?」
 ルイズの疑問に、アンリエッタは昨今の政治事情を説明した。
 「レコン・キスタ、ですか……」
 「ええ。それに対抗するためには、かの国との同盟がどうしても必要なの」
 「姫様……」
 「いいのよルイズ、私だって王族です。自由な婚姻が結べる身ではありません」
 「あの〜」
 と、そこに申し訳なさそうな横槍が入ってきた。
 「ん? どうしたの、なのは」
 「私は、そういう政治とかははっきり言って判らない方なんですけど……」
 言いにくそうにしながらも、なのはは何かに気がついたような表情を浮かべていた。
 なのはは自分で言うように、難しい政治的な取引とかは苦手な方である。これが得意だったのは親友二号にして元上司である。
 それでも、今の話の中にある重大な問題に気がつくくらいの政治知識は持っていた。
 学生と社会人の違いと言ってもよいかも知れない。なのはは20とはいえ、9才の頃から管理局がらみで社会に触れ、中学卒業後は本格的に社会に出ている。
 いろいろ苦労していたタバサやキュルケならともかく、ルイズにはまだ気がつけという方が難しかったかも知れない。
 「このお話、すごくまずいと思うんです」
 いきなり爆弾発言がなのはの口から飛び出した。

549 :ゼロと魔砲使い 第16話-11 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:02:16 ID:fBTgH8P0
 「どういうことなのは。私には気には食わないけど必要だとは思うんだけど」
 ルイズの疑問に、なのはは何故か答えず、アンリエッタに向けて質問を返してきた。
 「妃殿下、いくつか確認したいのですがよろしいでしょうか」
 「……はい、よろしいですわ」
 困惑しつつもアンリエッタは許可を出す。
 「まず、この結婚はマザリーニ枢機卿という方がゲルマニアに働きかけたものなのですね」
 「はい。その通りですわ」
 「次に、枢機卿は妃殿下から見てどのくらい信用できるお方なのですか?」
 「あの方がいなかったらこの国は崩壊しています」
 あまり好きではないのですけど、といいつつも、アンリエッタは枢機卿の政治能力に裏付けを与えた。
 「つまり実力、信頼性とも抜群なのですね?」
 「はい。貴族達からも庶民からも好かれる方ではありませんけれども、あの方に頼らなければトリステインの政治がまともに動かないのも事実なのです」
 アンリエッタの複雑きわまりない表情に、ルイズは枢機卿の人となりを想像し、なのはは何故か思いっきり深く考え込んでしまった。
 「どうしたのなのは」
 「……何かが引っかかっているんです。何か見落としているような気がして……」
 「見落とし?」
 「ええ。同盟のための政略結婚なんて言うのはよくある話ですから、別段変じゃないんですけど、トリステインの場合何かが……」
 「トリステインだと問題が?」
 ルイズも冷静に考えてみる。アンリエッタがゲルマニアに嫁ぐ事による問題はなんだろうか。
 家柄は釣り合っている。ガリアやアルビオンとは比ぶべくもないが、ゲルマニアの皇帝なら不足はない。ゲルマニアにしても成り上がりという陰口を払拭するには始祖由来の王家の血筋である姫との婚姻はプラスだろう。
 子供が出来れば、その子は始祖由来の王家の血を引くことになるのだから、もはや成り上がりではない……
 そこに思考が至った時、出し抜けにこの婚姻の問題点が見えた。
 「ああっ! そうよ、次世代よ!」

550 :ゼロと魔砲使い 第16話-12 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:02:48 ID:fBTgH8P0
 「次世代?」
 意味の判らなかったアンリエッタに、ルイズがたたみ込むように指摘する。
 「姫様はトリステイン唯一の跡継ぎじゃないですか。結婚したら、誰が女王様の後を継ぐんですか?」
 「そうですね……筆頭は私が産む子供のうち、長男以外でしょうか。長男はゲルマニアの皇帝を継ぐことになるはずですから」
 そう。常識的に考えればそうなる。ヴァリエール家も子供が姫三人で、うち一人は病弱で分家している。公爵も後継者問題ではいろいろあって頭の痛いことであろう。
 「じゃあトリステインの次期国王は、ゲルマニア皇帝の息子になってしまいます! それはつまり、トリステインがゲルマニアの下に付くっていうことじゃないですか!」
 気がついていなかったらしいアンリエッタに、ルイズが怒濤のようにツッコむ。
 「言われてみれば、そうですわね」
 「それどころじゃないかも知れませんよ」
 なのはもさすがに気がついたのか、議論に参加してくる。
 「一人目が生まれた時点で妃殿下を亡き者にしてしまえば、その子供はトリステインとゲルマニア、双方の国を継ぐ大義名分を得られます。ですよね?」
 容赦ないツッコミに、ルイズもアンリエッタも固まってしまった。
 「皇帝陛下、そんな非道な真似を……」
 「むしろ積極的にやりそうです」
 ルイズの口は辛辣だった。
 「ゲルマニアの皇帝は、乱立する小国を力と策謀で強引にまとめ上げた人物だとか。ならそのくらいはやりかねません」
 「そういう人なんですか」
 なのはもそれを聞いてちょっと眉をしかめる。
 そのまま少し考えこんでいたが、少ししてはっと気がついたように言った。
 「でも、こうして私たちに思いつけるようなこと、その枢機卿さんは思い至らなかったのでしょうか」
 鋭い指摘にアンリエッタもルイズもまた絶句してしまった。
 「た、確かに……」
 「マザリーニ枢機卿なら、当然思い至るはずですわ」
 アンリエッタは、彼の人となりを脳裏に浮かべつつ、なのはの指摘を力強く肯定した。
 「ということは、卿はその危険を冒してでも、私の婚姻をまとめる必要がある、と見たのでしょうね」
 「姫様……」
 さすがにルイズの声にも同情の響きが混じる。
 「あれ、でも、まだ何かが……」
 一方なのはは、まだこれで終わっていない、と思っていた。
 こっち方面は今ひとつ苦手なため、具体的な言葉がどうしても出てこない。だが、情報化社会と実務経験で培った状況判断力が、まだ問題が残っている、と警告を発していた。
 一言で言えば、すっきりしないのだった。なのはの感覚では、こういうややこしい問題が解決すると、視線が通るというか、視界が開けるというか、とにかくすっきりと全体像が見えるのである。
 過去の大事件の時も、理屈ではなく直感で動いて道を切り開いたなのはらしい感覚と言えよう。
 と、その時。
 「よう、皆様方」
 「ん? どうしたのデル君」
 デルフリンガーが珍しく割り込んできた。思わず言葉が止まり、視線が彼に集中する。
 彼は声を落として言った。
 「なんかさっきから、扉の向こうで誰かが盗み聞きしてるみたいなんだが、いいのか?」
 言葉と同時になのはが動き、ドアを引く。
 「わっ」「きゃっ」「……っ」
 扉の外から、ギーシュ、キュルケ、タバサの三人がなだれ込んできた。
 「そういえばそろそろいつもの時間だったわね」
 ルイズがため息と共にそういった。

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:03:22 ID:DRaHZGEm
しえん

552 :ゼロと魔砲使い 第16話-13 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:03:26 ID:fBTgH8P0
 出直そうか、といったギーシュに対し、アンリエッタは「お友達なら紹介してほしい」と言ったので、なし崩し的にルイズの部屋はサロンと化してしまった。
 ルイズにとって意外だったのは、タバサが本名を名乗ったことだった。
 「タバサ。一応、シャルロット・エレーヌ・オルレアンという名前もあるけど、今は使っていない」
 アンリエッタとて一国の姫、その名の意味するところは直ちに理解した。
 「ではあなたはガリアの」
 「その身分は不名誉印で剥奪されている」
 「……ごめんなさい」
 この時点でこの件に関しては沈黙が保たれることになった。
 一方キュルケはあきれ顔だ。
 「あなたのところの枢機卿、腕利きだって言う評判だったけど、どうにも頭が回りすぎる人みたいね」
 「どういうこと?」
 疑問に思うルイズに、キュルケは渋い表情で応えた。
 「頭がよすぎて馬鹿の考えが判らない典型よ。実のところ、あなたたちの話はほとんど丸聞こえだったんだけど」
 顔を赤くするルイズとアンリエッタ、ついでになのは。
 ちなみになのはは、さっさと彼らの気配に気がつかなければならなかったという反省からである。
 「ルイズの推理は、結構いい点をついてるわ。そこが判るようになっただけでも、あなた、トリステインではかなりましな貴族と言えるわね。あたしに言わせれば、こっちの貴族、大半が平和ぼけで使い物にならないわ」
 「よく判るわね」
 ルイズのツッコミに、キュルケは艶然とした笑みを浮かべて言った。
 「あたしがここの貴族の坊ちゃん達何人と寝たと思うの? 趣味は趣味として、ちゃんとそういう実用もあるわ」
 さすがのルイズも反論するより先に血が上った。アンリエッタも、なのはも、ギーシュすら真っ赤っかだ。よく見るとタバサもほんのり赤かったりする。
 「まあ別にあたしはトリステインの実情を探りに来た訳じゃないけど、寝物語で聞いてるだけで嫌でも判っちゃうわよ。こいつらは結婚に値しないって」
 男達が聞いたら絶望するような台詞をさらりと吐く。
 「ま、一つ言えることは、マザリーニだっけ? その枢機卿のがんばりは、間違いなくトリステインを滅ぼすわね」
 「ど、どういうことですか!」
 アンリエッタの顔が、一転して赤から青に変わっていた。

553 :ゼロと魔砲使い 第16話-14 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:04:12 ID:fBTgH8P0
 何故かルイズの部屋は、サロン変じてキュルケの政治講座になっていた。
 「あたしから言わせてもらえば、枢機卿の施策は正しいわ。周辺の現状は今聞かせてもらったけど、アルビオンがそんなことになっているのなら、彼の打った手は適切よ。ただ、一つだけ明白な誤算があるわ」
 「誤算、ですか?」
 質問するアンリエッタにキュルケが答える。
 「あなたを質にした事よ」
 キュルケは断言する。
 「うちの皇帝、知っての通り成り上がりだから、始祖の血脈を継ぐトリステイン王族の血を入れるのは悲願に近いわ。この同盟、もともとゲルマニアの方が支出が大きいから、こうでもしなければ成り立たないのでしょうけど」
 国力比を考慮すれば、名目は同盟でも実態は軍事援助だ。この手の取引は、互いの出すものが釣り合わねば成り立たない。
 だが国土だけでも十倍以上の大国であるゲルマニアに提供できるものなど、小国のトリステインには大してない。かろうじて釣り合ったのが『始祖の血』だったというわけである。
 「だから妃殿下、あなたに男の兄弟がいて、そちらがトリステインの世継ぎとなっているのならなんの問題もありませんでしたわ。第一姫を嫁がせるというのなら、ゲルマニア側にしても充分面目が立ちます」
 ルイズ達もこの説明に頷いた。
 「ですが、妃殿下が同時に世継ぎの姫となると、この話は一転してきな臭くなりますわ。ゲルマニア側には先ほどルイズ達と話し合われていた問題が生じますし、それにトリステイン側にも」
 「ゲルマニアに国を売った、と見なされるのね」
 ルイズが指摘する。キュルケはいったん頷きつつも首を横に振るという、器用な態度で答えた。
 「単純な馬鹿はそう取るわ。枢機卿だってそのくらいは読んでるでしょ。問題はもう少し頭のいい馬鹿よ」
 「頭のいい馬鹿?」
 「ええ。こういう事の推移をきちんと理解できる実力の持ち主ね。枢機卿のこの行動を奥まで読み切ると、こういう結論が出るのよ−−トリステインはいずれにせよ滅びる、っていうね」
 アンリエッタがふらりと倒れた。
 「姫様、姫様!」
 幸いルイズが声を掛けて揺すると、アンリエッタはすぐに目を覚ました。立ちくらみみたいなものだったようだ。
 「ミス・キュルケ。それはいったい……」
 何とか立ち上がったアンリエッタが、キュルケにすがるように聞く。キュルケの答えは、そんな彼女をさらなる絶望にたたき落とすようなものであった。
 「同盟しなければアルビオンに力ずくで滅ぼされる。すれば結果としてゲルマニアに乗っ取られる。ここまではいいですね」
 青い顔をしつつも頷くアンリエッタ、そしてルイズ達。
 「そして枢機卿は姫を差し出しての同盟を選択した。これはおそらく最善手よ。トリステインは乗っ取られることになるかも知れないけど、国民に対する被害は間違いなく最小になるわ」
 その言葉にはっとなるアンリエッタ。その視点は彼女にはないものであった。
 「同盟を結ばなければおそらくこの国は戦火に焼かれるでしょうからね。皇帝は成り上がりだけに、臣民をないがしろにしたら国が立たないことを知っているわ。そういう意味ではトリステインは守られる。枢機卿もそう読んだでしょうね」
 でも、とキュルケは続ける。
 「この選択はある人物にとっては最悪のものとなるわ……トリステインの貴族達にとってはね」
 そういうキュルケは、美女と言うより、むしろ死神か悪魔のようであった。
 「この同盟はトリステイン貴族の誇りを横っ面から張り飛ばすに等しいわ。自分たちが役立たずと言われたに等しい。さらに目端の利くものからすれば枢機卿の動きは、自分たちがこのままでは滅亡することを示唆している」
 「い、言われてみれば……」
 ルイズの額からも冷や汗がたれる。
 戦えば戦死、乗っ取られたら冷や飯食いは目に見えている。マザリーニの実力を知るものからすれば、このまま座していれば身の破滅だと手に取るように判る。
 「で、貴族達が生き残ろうとしたら、方法は一つよ。判る?」
 ルイズ達にはさっぱりだった。だが、ただ一人それに気がついた人物がいた。
 「レコン・キスタに与して国を売り、自分たちの保身を図る、ですね……」
 下を向いたまま、なのはが最終宣告を口にした。
 「正解」
 それにキュルケがとどめを刺した。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:05:18 ID:DRaHZGEm
しぇん

555 :ゼロと魔砲使い 第16話-15 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:05:40 ID:fBTgH8P0
 「な、なによそれ! 貴族の誇りはどこへ行ったの!」
 ルイズは激昂した。
 「国を、民を、王を守る、貴族の誇りはどうしたのよ! そんなんで貴族を名乗るなんて、私が許さないわ!」
 「ルイズ、あなたの志は立派だけど、現実はそうとは限らないわよ」
 「現実は非情」
 タバサもキュルケに合わせてツッコミを入れる。
 「ぼ……僕は絶対にレコン・キスタなんかに付かないぞ!」
 今まで圧倒されて無言だったギーシュも、力強い声を上げた。
 「姫様、私はなにがあっても姫様の味方です!」
 「ぼ、僕も!」
 ルイズと共に、何か感極まった様子でアンリエッタに忠誠を誓っていた。
 「ありがとう、ルイズ……それに、ギーシュさん、ですか?」
 「はいっ! ギーシュ・ド・グラモン。父はグラモン元帥です」
 「まあ、あの。ギーシュ、あなたの忠誠、確かに受け取りました」
 姫に声を掛けられ、ギーシュはなかば悶絶していた。
 そんな様子を見て、キュルケはすっと立ち上がった。
 「何か随分と長居をしてしまったみたいですわね。つもる話もあるでしょうから、私はこれでおいとましますわ」
 タバサも立ち上がる。それを見てギーシュも、女性の部屋に長居するのはまずいと思ったのか、同じように立ち上がった。
 
 
 
 三人が部屋を辞した後、ルイズは深くため息をついた。
 「姫様……ツェルプストーの戯れ言など、あまり気にしない方が……」
 「いえ、むしろありがたかったですわ。わたくしでは、そこまで深い見方は出来ませんでしたから。それに、はっきりと判りました。最近の宮廷に流れている、不穏な空気の意味が……」
 「ひ、姫様、それって……」
 「その方向で動いている方達が一杯いそうですわ……下手をすれば大半が。このままにしておいたら、我が国でも『革命』が起きるかも知れませんわね……」
 「じょ、じょーだんじゃありません! すくなくともヴァリエールは姫様の味方です!」
 「ありがとう、ルイズ」
 それは打ちのめされていたアンリエッタが浮かべた、心からの笑みであった。
 が、それが再び曇る。
 「ですが、今の話を聞いた後では、ますますまずいことになりそうです」
 「……何か?」
 アンリエッタの様子に、ルイズは思わずそう声を掛けていた。
 「実は……これは枢機卿も知らないことなのですが」
 そう前置きして、アンリエッタは語りはじめた。
 「実はわたくしには心に決めた方がおります。ですが、それ自体は少し置いておきます。恋と結婚は別ですから」
 ルイズは思わず生唾を飲み込んでいた。婚約者はいても、こういう男と女の『心のふれあい』的な告白話を聞くのは初めてだ。キュルケ相手だともっとただれたものになってしまって、雰囲気も何も無かったりする。
 「相手はアルビオンの皇太子、ウェールズ殿下です。彼とのことを話すと長くなってしまいますので飛ばしますが、私は彼に手紙を送っているのです」
 「手紙?」
 「はい。恋文ですが……実はわたくし、その中で、彼に対する愛を始祖に誓ってしまっているのです」

556 :ゼロと魔砲使い 第16話-16 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:06:22 ID:fBTgH8P0
 その瞬間、ルイズの目がでんぐり返った。端で聞いていたなのはが何事かと思ったくらいだ。
 「ひ、姫様、それって、ものすごくまずくありません?」
 「ええ……もしこれが露見したら、同盟の話もなくなるでしょう」
 「当然です。というかなんでさっさと公表しなかったんですか? 受け取ったのでしょう、殿下は」
 「お互い立場がありましたから……」
 盛り上がっている二人だが、さっぱり訳が判らなくなっていたなのはが思わず割って入った。
 「あの……申し訳ないですけど、それってどういう問題があるんですか?」
 「あ、ごめんなさい、なのは」
 ルイズが謝罪の言葉を口にした。アンリエッタの目が少し見開かれたのは秘密だ。
 「始祖に対して愛を誓うっていうのは、実質結婚の宣誓に等しいのよ」
 「もちろん、一方的な宣誓は無効です。相手が受け入れたならば、ということですが」
 それを聞いてなのはも納得した。政略結婚する人物が既婚者では話にならない。
 そしてアンリエッタが話を続ける。
 「当時はいずれ、と思っていたのですが、こうなってしまうとあの手紙が災いの種になってしまうのです。今手紙は王子の手元。もしこのまま王子が破れ、手紙がレコン・キスタの手に渡ったら……」
 「同盟、間違いなく破棄ですね」
 アンリエッタの嘆きに、ルイズも頷く。
 一方なのはは疑問顔だ。
 「あの、ご主人様」
 「どうしたの、なのは」
 「その……殿下が賢いお方なら、そんな状況になったら、そんな危険物、さっさと焼き捨てるなりなんなりするのでは」
 ところがその瞬間ルイズが激怒した。
 「なのは! なんて罰当たりなことをいうの! 始祖の名を書いた手紙を焼くなんて出来るわけないじゃない!」
 「そ、そうですか……」
 なのはは、始祖信仰が意外に深いことを今初めて実感していた。
 「でも、姫様。それなら使者を送るなりなんなり……」
 「それが問題なんです」
 アンリエッタの顔がますます曇った。
 「初めは枢機卿に相談することも考えました。彼なら使者を立て、手紙を取り返してくれるでしょう。ですが……私はどうしても信じ切れませんでした。あの手紙は私に対する切り札にもなります」
 「姫さん味方少なそうだもんな……あたた」
 デルフリンガーがよけいなツッコミを入れてルイズに蹴られていた。
 「使者が手紙を取り返してくれても、この事実が知られただけで私に対する脅迫材料になりますわ。枢機卿にも完全に頭が上がらなくなってしまいます……それを考えると、相談は出来ませんでした」
 「ましてや、キュルケのいうことがあたっていたら……」
 アンリエッタに同情しつつルイズも考える。もしレコン・キスタに与するものにこの使命を振ってしまったら、敵に塩どころではなく国を差し出しているようなものだ。
 「本当に危ないところでしたわ。枢機卿はその点においては信頼できますけど、実際に任に当たる人物がと考えたら……」
 自分を抱きかかえるようにして、アンリエッタは身震いした。
 そんなアンリエッタを、思い詰めたような目で見つめるルイズ。と、その目に突然光が宿った。
 「そうですわ姫様! 私がいます!」
 「ルイズ?」
 「手紙奪還の任務、このわたくしにお任せください」
 「いいの?」
 「はい。少なくとも私なら、絶対に姫様の秘密を「ご主人様」
 熱狂するルイズの声を遮ったのは、対称的に冷え冷えとした使い魔の言葉であった。

557 :ゼロと魔砲使い 第16話-17 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:07:02 ID:fBTgH8P0
 「……なのは?」
 ルイズはなのはの怒りにとまどっていた。彼女なら、任せておいてください、というと思っていたのだ。
 「ご主人様は、自分がなにをしようとしているのか、判っているのですか?」
 その声の冷え付き具合に、ルイズはますます混乱した。
 「今までの話からすると、アルビオンは内乱……つまり戦争状態なのですよね。そういう時、劣勢の側に侵入するというのが、どういうことなのか判っているのですか?」
 「え、え、え?」
 「ご主人様は戦場に出たことがありますか?」
 「な、ないわよ……」
 「妃殿下」
 今度は矛先がアンリエッタに向かう。
 「ルイズにこの任務を依頼するということが、どういうことなのか判っているのですか?」
 「? どういうことですか?」
 アンリエッタはまるで判っていないようであった。なのはの声に意識せずに気迫がこもる。
 「この任務を託すということは、相手を戦場のまっただ中に放り込むということです。つまりかなりの確率で『死ね』というに等しいということです」
 その瞬間、何故かアンリエッタはひどく驚いた様子でなのはに問い返してきた。
 「そ、そんなに危険なのですか?」
 「へ?」
 これにはなのはの方がとまどった。いくら何でもそれは……ないだろうと考えた時点で、なのはは自分の過ちに気がついた。
 なのはは情報化時代の生まれだ。ついでに命がけの戦いも経験している。死にかけたこともあった。
 だかここはハルケギニア。魔法の力で文明はそれなりに進んでいるものの、情報流通の概念はないに等しい。戦争のことだって、テレビや映画、記録映像などを見ているなのはとは違う。
 この地にはテレビも写真もない。目の前で見ない限り、戦争がどんなものかなど、判るはずもないのだ。そうでない限り、せいぜいが小説や詩人、あるいは体験者の語りで聞ける程度のものでしかない。
 そしてトリステインは、聞く限り戦争にも内乱にも巻き込まれていない、きわめて平和な国家だ。故郷日本に匹敵する平和な地だ。こういうのどかな地で情報流通がなければ、戦争の危険など判るはずもない。
 彼女の立場からすれば勉強不足なのかも知れないが、この地でそれを知れという事自体が無謀に近いことだったのだ。
 そのことに思い至り、なのはは一度頭を下げた。
 「失礼いたしました。妃殿下のお立場ではそれを知ることなど出来なかったと」
 「ええ……あなたの態度からすると、たいそう危険だったのでしょうね」
 アンリエッタも思うところがあったのが、素直にそれを認めた。
 「ルイズ。ごめんなさい。無理を言っていたみたいね」
 「姫様、言い出したのは私の方です」
 ルイズは謝ろうとするアンリエッタを止めた。そしてなのはの方を向く。
 「なのは、あなたがそこまでいう以上、本当に危険で、命がけなのね」
 「はい」
 きっぱりと答えるなのは。
 「なら問うわ。この件を放置して、馬鹿な貴族がレコン・キスタに走ったりしたら、どれだけの民が苦しむことになるの」
 「そ、それは……」
 なのはには答えられなかった。
 「がはははは、姐さんの負けだな、こりゃ」
 デルフリンガーにも笑われてしまった。ルイズは今こそ、とばかりに畳み掛ける。
 「あなたは言ったわね。貴族が後ろを見せてはいけないのは、その背後に守るべき民がいる時だけだって。今はその時ではないの?」
 なのはは白旗を揚げた。
 「……判りました。高町なのは、ご主人様のため、誠心誠意その身をお守りいたします」

558 :ゼロと魔砲使い 第16話-18 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:08:10 ID:fBTgH8P0
 「ありがとうルイズ。引き受けてくれるのね?」
 「命に代えてでも」
 「駄目よ。必ず、生きて帰ってきて。私はお友達の葬儀になど出たくありませんから」
 「……はい」
 そしてアンリエッタは、ルイズの机に座ると、立ててあった羽根ペンを手に言った。
 「ルイズ、申し訳ないけど羊皮紙はあるかしら」
 「あ、はい。そこの引き出しに入っています」
 なのははそれを見て、正式な文書には紙があっても羊皮紙を使うのかと思う。一方アンリエッタは、さらさらと羊皮紙に文字を書き連ねていた。
 その手がいったん止まる。ルイズが怪訝に思っていると、アンリエッタは小声で始祖に対する祈りのようなものをつぶやいた後、再び手を動かした。
 書き終えたそれを丸めると、杖を手に呪文を唱える。と、手紙には蝋で封印がなされていた。表面には花押と思われるものも刻まれている。
 「これを、殿下に渡してください。後」
 彼女ははめていた指輪を抜き取り、ルイズに手渡す。
 「これは母からいただいた『水のルビー』です。せめてものお守りに。お金が足りなければ売り払って資金にしてください」
 「う、売れるわけないじゃないですか! 水のルビーはトリステインの至宝ですよ!」
 「そんなにすごいものなのですか?」
 なのはが疑問に思って近づいたその時、思わぬ異変が起きた。
 なのはの胸に下がるレイジングハート。それとルイズが手にしていた水のルビーとの間に、虹色の光が生まれたのだ。
 その瞬間、アンリエッタの目がまん丸になった。
 「まさか……ルビーの間に架かる虹は王家の石の証……風はアルビオンに、土はガリアに……だとするとそれは、失われた火のルビーでは」
 「どどどどういうことなの、なのは!」
 「わ、私にだってさっぱり」
 少なくともアンリエッタの言う『火のルビー』でないのは確かだ。
 そしてその疑問に答えたのは。
 “マスター、これはルビーではありません。デバイスのコアユニットです”
 当のレイジングハートであった。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:08:27 ID:DRaHZGEm
しえん

560 :ゼロと魔砲使い 第16話-19 ◆IFd1NGILwA :2008/06/25(水) 16:08:48 ID:fBTgH8P0
 アンリエッタは突然聞こえた声に混乱し、なだめるのに少しの間があった。何とかレイジングハートが火のルビーでないことには納得したが、そのため黙っていたなのはの事情をかなり説明することになってしまった。
 「はあ、つまり水のルビーは、別のものと一対で特殊なマジックアイテムになると」
 「はい。私たちのところでは、ストレージデバイス、と呼ばれていた魔法の補助具です」
 レイジングハートが反応したのは、デバイスの光通信であった。魔力切れの状態でも使える、モニター用の通信ユニットである。それを通じてレイジングハートは、水のルビーと言われていたコアユニットの情報を限定的に受け取っていた。
 「でもなのは、私たちにはあなたの世界の魔法は使えないのよね」
 「はい。ですので本来の意味でのデバイスとして使ったのではないと思うのですが」
 “気になるのはこのユニットが、ルイズ、あなたに同調していると言うことです”
 このユニットは、きわめて珍しいタイプのデバイスのコアであった。タイプはストレージデバイスなのだが、その『ストレージ』の部分が外部接続型なのである。
 外付けのハードディスクのようなもので、ストレージを交換することにより記録されている魔法を自在に差し替えられるようなのだ。
 普通個別に調整されるデバイスでは、こういうシステムは採用されていない。
 しかも不思議なことに、このコアユニットは、ルイズに対してマスターの認証をしているふしがあった。
 (レイジングハート、もしかして、これ)
 (“はい、ルイズの魔法特性と、何か関係があるかも知れません”)
 ここのところの事件で、この世界と次元世界との間に繋がりを感じていたなのはは、もう少しこの件を突っ込んでみることにした。
 「妃殿下、お聞きしたいのですが」
 「なんでしょうか」
 「王家の方に、このルビーと対になって、あるいは同じくらいの歴史を持つものが何か伝わっていないでしょうか」
 それを聞いてアンリエッタは即座に答えた。
 「それに匹敵するものと言ったら、『始祖の祈祷書』くらいですね」
 そういって簡単に祈祷書の説明をするアンリエッタ。
 「ただ、今は婚姻準備の関係で、手元を離れているのですわ」
 「残念です」
 なのはは残念そうに答えた。始祖の祈祷書はその名と裏腹に全巻白紙であるという。むしろそこが怪しかった。
 (マスターがデバイスとして接続すれば読める、位はありそうね)
 (“その可能性は高いかと”)
 「いずれにせよルイズ」
 アンリエッタがまとめるように言った。
 「無事に戻れたら、一度あなたに祈祷書を見せてあげますわ。そちらの使い魔さんの要望通り」
 「判りました」
 「で、あなたたちだけでいいのね? 一人ぐらいなら、何とかなると思うのだけど」
 ルイズはその心配を押しとどめるように言った。
 「私は以前姉とアルビオンを旅したことがあります」
 「私も一人案内人に心当たりがあります。あ、妃殿下、よろしければそのための書類を付くっていただきたいのですが」
 勤め人なので許可無く連れ出せない、というとアンリエッタは快く了承し、すぐに書状をしたためた。
 「ではなるべく早いうちに」
 「お願いしますね」
 そう言い交わして、アンリエッタはルイズの部屋を退出した。
 その直後。
 「なのは、案内人ってひょっとして」
 「はい。ご想像の通りかと」

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:10:57 ID:DRaHZGEm
しえん

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:13:26 ID:TyBzfxdH
支援

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:19:09 ID:72dlMiaO
あれあれ?さるさん入った?

564 :ゼロと魔砲使い 第16話-20 代理:2008/06/25(水) 16:19:12 ID:DRaHZGEm
 ルイズの部屋を出たアンリエッタは、思わずつまずきかけた。ドアの外にいた大きなトカゲに足を引っかけたのだ。
 「あら、誰の使い魔さんか知らないけど、駄目よ、こんなところを歩いていたら」
 大トカゲは、しっぽにともった炎を揺らしながら謝るかのように頭を下げた。
 
 
 
 
 
 
 
 そして翌朝、厩舎にて。
 「なんであたしが……」
 「ごめんなさい。表だけじゃ心配だったの」
 「まあいいけどね。借りもあるし。ただあたしは王家の人間には顔を知られている。あまりおおっぴらにしないでくれよ」
 「逆に言えば王家の方の顔を知っていると言うことでしょう? 私、王子様の顔判りませんから」
 「はいはい」
 「ちょっと、行くわよ〜」
 ルイズが馬の上から話しかけてくる。何故か荷物もこちらに積んでいる。
 その理由は簡単なことだった。
 もう一頭の馬には使い魔のなのはと、案内人として雇われた、ミス・ロングビルが乗っていた。
 「しかし馬に乗れなかったとはね」
 「地元では馬なんか使いませんでしたから」
 波乱を孕みつつ、二頭の馬が学院を出発した。
 そしてその背後では……
 
 
 
 「タバサ、出たわよ」
 「了解」
 「あんなおもしろそうなこと、見逃す手はないわね」
 「あくまでも影からの方がいい」
 なにやら怪しげな事を企んでいる一行がいた。
 「だからヴェルダンデも」
 「馬の方を追いかけさせなさい」


565 :ゼロと魔砲使い 第16話-21 代理:2008/06/25(水) 16:22:21 ID:DRaHZGEm
以上、終了です。さるさんに引っかかりました。


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昼だからかかなりの量がんばれたみたいだけど、>>2によると8.5kくらいでボーダーらしいのでこの量は危険かもしれない。
いずれにしても乙です。
いよいよアルビオン行きですな…次回も楽しみにしてます。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:24:05 ID:72dlMiaO
「規制されてやがる!長すぎたんだ!!!」 なぁんちゃって。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:24:46 ID:IQrLq+09
乙であります
ワルド出番減って涙目かw

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:25:21 ID:Pk0YKNR9
>>532
七つの月は別に常に全部が空にあるわけじゃないからなぁ。
輪の月(これは必ず空にある)がないから異常事態には気づくだろうけど。
仮に月の信者だとしたらルイズはなんだろうと思ったが……
アルリアナ(気まぐれと忘却)かなぁ。
案外ガヤンで「私が決めたことがルールよ!」とか言いそうな感じでもあるが。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:46:01 ID:j+9X3Ki2
面白かったなぁ!
少し突っ込んだ政治的な話も珍しいけど、いつにない視点が惹き込まれたよ。
魔砲の人は魔王様だけじゃないね。GJGJ!!

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:50:44 ID:zfTXSjd/
GJ
アンアンはビッチと言ってしまえばすむところを、不自然にならないよう説明してるな

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:53:43 ID:CbSUduVO
魔砲の人乙。
すばらしい。
一瞬、内乱防止にもうゲルマニアとの婚姻による同盟はやめましょうって話になるかと思った。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:55:01 ID:3mhvqn97
切れ者キュルケの読みが冴え渡っていますな。武器はお色気だけではないと。

祖国とトリステインが戦になるような事になったら、彼女はどちらにつくんだろう?理をとるか、情か?

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:55:26 ID:4gXi0bxq
ビッチは腐れ脳味噌って意味じゃないぞ

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:55:50 ID:ieXLJI4M
たまにはビッチじゃないアンアンも有りじゃね?

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:58:45 ID:4gXi0bxq
だったら女キャラ召喚するかウェールズ生き残らせないとな

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:59:12 ID:WN+OS3K5
スイーツって言ったほうが正しいかもな

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:00:42 ID:4gXi0bxq
意味もわからずビッチ連呼してる奴もスイーツ(笑)って笑えないなw

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:01:02 ID:j+9X3Ki2
>>570
そこも読んでて上手いなと思った。

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:04:08 ID:4gXi0bxq
>522
強いとバランスがどうこうって言う奴は、キャラを書けない無能ってだけだ
逆に弱ければ面白いなんてこともない
強さなんてのはそのキャラの特徴の一つにすぎないわけで

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:10:01 ID:WnbS6hR2
>>568
そこは銀の月信仰でヤドカリエビルイズ爆誕で
方向性によってはスライムルイズかもしれないが

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:15:38 ID:Pk0YKNR9
>>580
意固地に自分の考えを曲げないってことなら信念のサリカもありかとか
思ってたけど、そっち方向行くか(苦笑
キュルケは爬虫人を召喚して、タバサは翼人の肉球がぷにぷにですね。


582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:20:01 ID:j+9X3Ki2
>>579
まあ、そんな議論を始めて盛り上がるのは書き手じゃなくて外野なんだけどな。
書く能力がないって点では間違ってないがw

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:07:28 ID:2hVz6GrG
俺も書きたいなあ
とりあえずSSを書くにあたって基本的なこととか注意するべきことが分かるようなハウツー本の類ってある?
冲ちんあたりがそういう本を出してた気がしたけど

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:11:01 ID:BS53Toun
>>582
サイトより遥かに強くて経験豊富なのに結局原作通りに苦戦するのとかなw
相手をサクッと殺っちまっても普段から日常描写に力入れてれば誤魔化しは効くだろうに…

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:12:32 ID:zfTXSjd/
>>583

>>8

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:12:50 ID:wyNjGH0D
>>583
>>8

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:13:11 ID:pXQD7Ft3
>>583
そういうのは作家チャットで聞くがよい。

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:14:10 ID:BS53Toun
>>583
原作通りだとイレギュラー(二次創作)である意味がないって所に気をつけるだけで良いんじゃね?
ヘイトさえしなきゃ好き勝手にやって構わんと思うよ

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:17:07 ID:8zb33xTj
>>583
http://bunnsyou.fc2web.com/kihonn2.html#a
こことかどうだい?

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:23:03 ID:2hVz6GrG
>>585-586
あまり参考にならないんだが
>>589
ありがと

後は冲方式ストーリー創作塾ってのがあるから買ってみるか

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:27:14 ID:AZG+2yMG
まあ記号的に習うのも手だけど、たかがネットSS
自分の良く読む本とゼロ魔とクロス元を物を書くことを頭の片隅において良く読めば大丈夫だと思うよ

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:30:35 ID:DVc7GBPk
>>590
やる夫が小説家になるようですに出てきた
カードによるシナリオの組み方訓練は
まともな訓練だ

実際試してみたら半端じゃなく難しい

一日10パターン考えられたら
凄いと思うぜ

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:36:06 ID:zfTXSjd/
>>590
レベル高すぎて参考にならないのか、それとも低すぎて参考にならないのか
自分に合いそうもなくて参考にならないのか
ちょっと気になる

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:38:18 ID:BS53Toun
まあ何にせよ好きにすると良いさ結局上達の一番の近道は経験だからね
男は度胸!
何でもためしてみるのさ
きっといい気持ちだぜ

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:39:19 ID:2hVz6GrG
>>593
自分に合わない
ただ単にやる夫のAAや語尾の〜おが嫌いなだけかもしれないけど

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:41:16 ID:3mhvqn97
どうせただなんだから金返せなんて言われないし。

半年以上続きが書けなくて済みませんごめんなさい。

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 18:50:39 ID:7FVFWVgQ
聖上のお帰りはまだか!

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:05:15 ID:j+9X3Ki2
ハクオロさんに急に会いたくなった。

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:10:54 ID:CbSUduVO
突発的に、カトレアが聖上の子供を産んで逝った最後というのを想像した

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:13:06 ID:aES3iAk8
そろそろ微熱さんも戻ってきてほしいな〜

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:36:28 ID:Y9Jp95Fp
ワイルドの人もうこないかなぁ。

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:03:59 ID:mdIfsTfO
サイヤの人はまだかな…

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:11:20 ID:gJT15WLV
ルイズ「一発あれば十分だ」

604 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:29:52 ID:qg9j5Qq7
十分後から投下します。

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:31:05 ID:r3sULw/b
V3支援

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:32:55 ID:IEwYJ7Bb
ウェールズVSクロムウェルwithワルド支援

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:33:19 ID:DRaHZGEm
風見支援

608 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:41:37 ID:qg9j5Qq7
.
「大政奉還、そして新政府への参加、か……」
 ウェールズはぬるくなった紅茶を一口飲むと、
「考える時間はくれないのか?」
 そう言った。
 クロムウェルは、そんな皇太子に微笑んだ。
「勿論ここで即答せよとは申しませんよ殿下。それほど簡単な話をしているつもりは、私にもありません。状況が許す限り、あなたには深く考えて頂きたい。ただし――」
「ただし?」
「殿下には、私のこの言葉に対して、確たる回答を返す義務がある。……それは承知して頂きたい」
 真摯な瞳でそう言い切ったクロムウェルを前に、ウェールズは溜め息をついた。
「……たいしたものだな大司教。噂で聞く君とは、まるで別人のようだよ」
 その愚痴にも似た呟きに、黒衣の大司教は、苦笑して何も答えなかった。

(それはまったく同感だよ、皇太子殿下)
 ワルドは顎ヒゲをなでながら、胸中にそう呟かざるを得なかった。


『レコン・キスタ』首領オリヴァー・クロムウェル。

 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドの知る、彼という人間は、わずかばかりの小才を鼻にかけて傲慢に振舞う、恥知らずな策謀家というに過ぎなかった。
 そしてその見解は、おそらくクロムウェルを知るすべての者が等しく抱いていたはずだ。
 恥知らずであるがゆえに常識に囚われない。かつて聖職者であったからこそ神の禁忌を信じない。貴族の出自でないからこそ体面にも誇りにもにこだわらない。
 そんな彼ならばこそ、目的のためにはどんな卑劣な手段も平然と使う、タブーの向こう側にいる人間であることも周知の事実だ。逆に言えば、メイジでさえないクロムウェルが、まがりなりにも貴族たちを束ねる事が出来たのは、彼がそういう人間であったればこそだ。
 トリステイン貴族であるワルドは、アルビオンの諸侯たちが、クロムウェルを自派のトップに担ぎ上げた理由と課程を知らない。――だが、ただそれだけの男では、革命勢力の首魁に成り上がることなど出来はしないことも確かなはずだった。

 ワルドは知っていた。
 本当か嘘かは分からないが、貴族派の有力諸侯たちが彼を担ぎ上げたのは、その厚顔無恥な行動力もさることながら、クロムウェルが死者すら蘇生させる伝説の系統“虚無”の担い手であるからこそだ、という噂があることを。
 無論、メイジでさえない男が伝説の系統の使い手であるなど、どう考えても在り得ない話である。だがそれでも、その噂が組織上層部における彼の指導力を水増ししていることも確かであった。
 
(――違う!!)

 だが、今この瞬間ワルドは、クロムウェルという人間に対して自分が抱いていた見解が、完全に誤っていたことを認めざるを得なかった。
 この首領は、自分の能力の限界を知っている。
 一国を転覆する勢力の頂点に座していながら、その現状に甘んじる事無く、組織の運営・発展に必要な要因を模索する事こそが、トップである自分の最重要課題であるということを知っている。
 そして、そのためならば、自らの地位への執着さえ、組織の将来を危ぶむ結果になる事を知っている。

 そして、もしウェールズが『レコン・キスタ』の指揮を執るようになれば、組織に参加する全ての者たちが各個の思惑を捨て、一つにまとまることができるだろう。
 それは、ウェールズの指導力の問題だけではない。
 彼は、『レコン・キスタ』が打倒した、テューダー王家の嫡子なのだ。
 どのような大義があったとしても、六千年の忠義を裏切り、王国を滅ぼした罪の意識は容易に消えるものではない。ハルケギニアの全貴族が自分たちを、叛徒・逆賊・簒奪者の汚名を以って呼んでいるという屈辱と不名誉は、それこそ拭えるものではない。
 だが、当の王家の人間が自ら王政に幕を引き、政権を禅譲するというのであれば、そこに流血革命の無残さはない。いわんやその本人が、自分たちの勢力に参加し、指導者の立場に立つというなら、なおの事だ。
 それはつまり、王家自らが、王権を打倒した“革命”の大義と理念を認めた、と解釈できる事態なのだから。


609 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:43:18 ID:qg9j5Qq7
.
――だが、そこまでは分かっていても、実際にその選択をウェールズに持ちかける器量がクロムウェルにあるとは、ワルドも思ってもいなかった。
 組織の発展のためにトップの座を退く。しかも地位を譲る相手は、部下でも同志でもない。ほんの数時間前まで実際に戦火を交えた敵の領袖なのだ。

 ワルドはむしろ信じたくなかった。
 だが、ここにいる男は、まぎれもなく本物だ。
 俊才で名高いウェールズを向こうに回して一歩も引かぬ、その堂々とした態度。己の名を捨て、組織の実と国家の発展を選ぶ、その発想。そして行動力。もはや彼の眼光に、日頃の蛇のような冷たい輝きは、一分たりとも宿ってはいない。
(ならば、この男の日頃の行動は何だったのだ? あの卑しい目付きや、人を不快にする物腰や、目的のためには手段を問わぬやり口は?)

――擬態、だったとでもいうのか……!!

 そう考えれば、色々と辻褄の合う点が、多々ある。
 貴族という存在は、みな一様にプライドが高い。
 たとえ大司教の地位まで上った神官といえど、そして自らの首領として担ぎ上げた者といえど、――メイジでさえない男が、その有能さを十二分に主張して貴族を顎でこき使えば、そこに軋轢がうまれないわけがない。
 むしろ、油断ならぬ男と警戒されつつも、その人格を白眼視されているくらいの方が、組織の運営には好都合であろう。ならば、クロムウェルが今ウェールズに見せている政治家としての識見も、おそらく彼が隠し持った“顔”の一つに過ぎないのだろう。
 人の姿は一面ではない。その在り様は状況によって変化して然るべきだ。そして人材としての人間の価値は、その素顔にはない。あるとすればそれは、その場その場の状況に応じて、何枚の“顔”を使い分けられるかという点に尽きる。ワルドなればこそ、それが分かる。
 なぜなら彼もまた、トリステイン魔法衛士隊長と『レコン・キスタ』幹部という、複数の“顔”を使い分けて生きる人間だからだ。
 だが、その“顔”一枚一枚に、これほどまでの中身を持たせることが出来るなら、自分が考えているよりもクロムウェルという男の『底』が深いのは間違いない。ならば――

(認めてやるよクロムウェル。お前は確かに単なる神輿などではなかった。お前は、率いるべくして貴族どもを率い、六千年の王朝を打倒した男なのだということを、な)

 ワルドは杖を握る手に力を込めた。
 そして、ウェールズに聞こえぬように、呪文の詠唱を開始する。クロムウェルの指令どおり、眼前の王子の返答如何によっては、その背を貫くために。
 先程まで胸中に渦巻いていた葛藤は、もはやない。
 この皇太子が『レコン・キスタ』を、あくまで拒むなら、ここで消えてもらうまでだ。
 クロムウェルという男の器が、いま自分が再確認した通りであるならば、ここでワルドがウェールズの存在にこだわる理由は全くない。ウェールズがおらずとも、クロムウェルは彼なりの方法論で『レコン・キスタ』と共和政運動を盛り上げてゆく事だろう。
(さあウェールズ、今度はお前の番だ。お前の器量を、俺に見せてみろ!)
 ワルドがそう思った、まさにそのときだった。

「――ああ、話は変わるが子爵。君の婚約者は承知しているのかな?」

 ウェールズがこちらを振り返りもせず、いきなり発した言葉に、ワルドは瞬間、きょとんとなった。
 すでに詠唱は完了している。
 いつでも不意打ちを仕掛ける準備が出来ているからこそ、その“標的”から突然かけられた言葉は、ワルドの心胆を混乱させたのだ。が、懸命に心を落ち着かせ、彼は顔が引きつりそうになるのを懸命にこらえる。
「……何が、でございますか殿下?」
 だが、そんなワルドの心中を知ってか知らずか、ウェールズはこともなげに笑う。
「決まっているだろう、子爵」


「君が祖国を裏切って『レコン・キスタ』に参加している事実を、だよ」


 ワルドの心臓は凍りついた。


610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:45:19 ID:DRaHZGEm
かっこいいクロムウェル支援

611 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:45:53 ID:qg9j5Qq7
bbbbbbbbbbbbb

「きゅいきゅいっ、すごいのねっ!! 竜の背に乗るのが、こんなに気持ちがいいなんてシルフィ知らなかったのねっ!!」
 その背に巨乳を押しつけながら、感極まった声を上げるシルフィード。
 だが、いまの才人にとっては、そんな胸の感触すら集中をかき乱す存在に過ぎない。
 宙空の双月や、いまだ燃え尽きぬ地上の業火のおかげで、アルビオン上空は闇夜とは言いがたい状態ではあったが、実際、目を皿のようにしてルイズを捜す彼からすれば、背中の美女は結構うっとうしかった。
「自分で飛ぶのと乗るのとじゃ、こんなに違うなんて、お姉さまは教えてくれなかったのねっ! こんなのずるい、ずる過ぎるのねっ!!」
「ああもう、うるせえなっ! なにがズルイってんだよ!?」
「だってお姉さまは、シルフィに乗るたびに、こんなに心地いい風を感じていたなんて、そんなの不公平なのねっ。気持ちいい風はシルフィだって感じたいのねっ!!」
 そう言いながら背中でハシャギ回るシルフィード。
「おいっ、やめろ、暴れるなよっ!? 危ないってばっ!!」
 叫びながらも、鞍から振り落とされないように、才人はあぶみに置いた両足に懸命に力を込め、竜の首を挟み込む。
「だっ、だいたい、お前はタバサを乗せるのが仕事だろう? そのお前が乗る側に回っちまったら、竜がもう一匹必要になってくるじゃねえか? それとも、アレだ――お前の親戚から、ヒマな竜でも連れて来るかっ!?」

 そう言った瞬間、シルフィードの声は消えた。背中で騒ぐ気配も消えた。
 だが――。

「いだだだっだぁぁぁッッッッ!!」

 がぶり、と音がせんばかりの勢いでシルフィードが、背後から才人の耳朶に噛みついたのだ。だが、この状態で彼女に抵抗するすべは今の才人にはない。ここは上空ウン百メートルの雲の上なのだ。下手に落ちれば海面に叩きつけられて、確実にペシャンコだ。
 さすがに、このシルフィードの反応は、才人の予想の斜め上を行き過ぎていた。
「きゅいきゅいっ!! サイトったら意地悪なのねっ!! お父様やお母様がどこにいるかなんて、今のシルフィには分からないのねっ!! ふえええぇぇぇんんっっっっ!!」
 
 そうなのだ。
 使い魔として召喚されたのは自分だけではない。
 このシルフィードもまた、別れを告げる暇もなく、自分の家族から突然引き離され、いまの境遇に身を置くしかない者たちの一人なのだ。
 才人は唇を噛みしめる。
 かつてタバサが言っていた。このシルフィードは、齢百歳を経た韻竜ではあるが、その寿命に換算すれば、肉体・精神ともに、まだまだ幼生と呼ぶしかない存在なのだと。
 つまり彼女は、同じく召喚された身であっても、自分のように、親の存在を邪魔臭がって暮らしていた高校生とは根本的に違う。里心がつけば泣いて暴れるの子供なのだ。

(里心、か……)
 才人の脳裡に、一瞬、口うるさいが優しかった母親の姿や、寡黙ではあったが頼りになった父親の姿が、懐かしさと共に浮かび上がる。
 その映像は、耳に走る激痛とは別に、才人の胸に疼くような痛みを走らせ、口から一つの問いを紡がせていた。

「シルフィ、帰りたいか……?」
 
 はっとしたように、シルフィードは歯に込めた力を抜き、やがて彼の耳から唇を離した。
 才人は感じた。
 彼女が自分の背中に額を押し付け、静かに首を横に振ったのを。
「寂しくないのか」
「……シルフィには、お姉さまがいるのね……だから、寂しくないのね……」
「帰りたくないのか」
「……帰りたいけど……でも、お姉さまを、一人にはしておけないのね。シルフィが帰っちゃったら、お姉さまが一人ぼっちになっちゃうのね。それに多分……シルフィもお姉さまがいない方が寂しいのね……」
「……そうか」

 そうだ。
 その通りだ。
 分かっていたはずだ。
 アイツを一人にはしておけない。
 才人の脳裡に浮かぶ映像は、いつの間にか両親から、別のものに差し代わっていた。
『ゼロ』と呼ばれ、罵られ、嘲笑われ、小さな肩を震わせながらも、頑なな目付きで、何かに抵抗するように虚空を睨みつけている、アイツ。
――帰りたくないと言えば、それはさすがに嘘だ。
 でも、今はせめて、アイツの傍にいてやりたい。おれに何が出来るかは分からないが。


612 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:48:56 ID:qg9j5Qq7
.
「やっぱりサイトも、おうちに帰りたいの?」
「そりゃあそうさ……でも」
「でも?」
「帰るのは、何も今でなくてもいい」
 才人は肩越しに背後に手を伸ばし、シルフィードの青い髪を、そっと撫でた。
「だから今はせめて、あの寂しがり屋の御主人様とやらのために全力を尽くすか。お互いにな?」

 さらさらの青髪から手を離し、才人は振り返る。
 シルフィードの顔は……朱に染まっていた。
「きゅい〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!」
「おわっ!?」
 いきなり人外の腕力で背後から抱き締められ、才人の肋骨が悲鳴をあげる。
「きゅいきゅいっっ!! やっぱり、やっぱりサイトはカッコイイのねっ!!」
「わがっだ! わがっだがら! ルイズを捜すの手伝えって!! な!?」
「はいなのねっ!!」
 さっき泣いた韻竜が、もう元気に笑っていた。


lllllllllllllllllll

「殿下……いったい何を仰られているのか、私には分かりかねますが」
 そう答えた声が震えなかった事を、ワルドは少し始祖に感謝した。こんな台詞一つで動揺して、尻尾を出すような己なら、クロムウェルやウェールズを向こうに回して、到底この先、世界を手中に収める事など出来はしないだろう。
 そう言い聞かせながら、震える心胆を懸命に落ち着かせる。
 だが、ウェールズの表情は変わらない。
「そうか。なら――」
 彼は、クロムウェルを振り向くと、
「大司教、私に指導者の地位を譲るとまで言った君が、いまさら、組織に関わる情報に嘘を交えるなどという事はあるまいな?」
 だが、その言葉を聞いて、黒衣の大司教の口元に浮かんだのは、久々の蛇の笑いだった。
「そのお言葉は、殿下が私の考えに賛同して下さったと解釈して、宜しいのですかな?」

 クロムウェルに呼応して、ウェールズも亀裂のような笑みを浮かべる……などというような事はなかった。それどころか、クロムウェルのその台詞に驚きの色を浮かべたのは、むしろ話を振ったウェールズの方であった。
「……おいおい、らしくないな大司教。今のは、その迂闊な言葉が意味することを、本当に理解した上での発言なのかね?」
 ウェールズが戸惑うのも無理はない。その台詞は、やはりワルド子爵が『レコン・キスタ』の一員であると教えているようなものなのだから。
 彼自身、ワルドの正体にどれほどの確信があったかは知らないが、敵の首領自らが、それをアッサリ認めてしまうなどと誰が思うだろう? ウェールズはむしろワルドに同情するような視線さえ向ける。
「でっ、殿下っ!? ですから私は違うと――」
 思わず声を荒げるワルド。だが、クロムウェルの態度は変わらない。


「いかにも、このワルド子爵は『レコン・キスタ』の息がかかりし者にございます」


 ワルドは、もはや口を開けたまま、声を上げることさえ出来なかった。
 何故!? 何故ここへ来て、暴露ッッッ!?
 どういうつもりなのだ!? 俺に、ウェールズを殺させたいのではなかったのか!?
――だが、眼前の首領は、平然と言葉を続ける。

「ワルド子爵だけではございませんよ。殿下も御承知の通り、我が『レコン・キスタ』は国境を越えて貴族の連帯を呼びかける組織でございますからな。ゲルマニアにも、ロマリアにも、ガリアにも、多くの同志が存在いたします」
 ワルドは唖然とした。この期に及んでクロムウェルは、ウェールズの言葉を逆手に取って、『レコン・キスタ』の潜在戦力をアピールする気なのか!?
「無論、トリステインに根付きし同志も、子爵一人にとどまりません。我々がその気になれば、アルビオンと同じことを、いつどこの国でも始める事が出来るのですよ」

「なるほど。『レコン・キスタ』の基盤は、もはや磐石であるということか」
「ええ。――なれど、これ以上の機密は、さすがにお教えできません。無論、殿下が『レコン・キスタ』に参加して頂けると言うなら話は別でございますが」
 ウェールズは、その言葉には苦笑する。
「道理だな。――だが大司教、機密も何も、もし私が君の要求を蹴った場合、この部屋から、はたして生きて退出させてもらえるのかな?」
 そう言ったウェールズの視線は、あきらかにワルドを向いていた。


613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:51:40 ID:LC3KTaNO


614 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:52:18 ID:qg9j5Qq7
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(気付いているのか……俺の殺気を……!!)

 ワルドは、かつてフーケに、嘘が下手だと指摘されたことを思い出していた。
 ウェールズがいつから自分に目をつけていたのかは分からない。だがおそらく、停戦交渉を始める前から、自分を怪しんでいたとは考えにくい。もしニューカッスルにいた頃から眼を付けられていたとするなら、一軍の将として、いくら何でも無防備すぎる。
 それとも――、
(泳がされていた、というのか……!? どうせ、大した事はできまいと、タカを括られ、見逃されていたということか……!?)
 だが、ワルドがそう思った瞬間、ウェールズは静かに口を開いていた。

「そうではないよ」

 一瞬、ワルドは、ウェールズが発したその言葉の意味が分からなかった。
 誰に対しての、何に対しての否定の言葉なのか。
 しかしウェールズは、そんなワルドの瞬時の疑問に答えるかのように、さらに言葉を付け足した。
「ニューカッスルで、君が私を見ていたように、私も君のことを見ていた。だから、君という貴族がどういう人間なのか、私なりに了解しているつもりだ」
「……」
「だからこそ、私の背を任せたのだ。『レコン・キスタ』のワルド子爵に、ではない。トリステイン魔法衛士隊長のワルド子爵に、でもない。胸中に抱く理想はともかく、あるがままの君という人間は、信ずるに価する。――そう思ったからだ」

 その言葉が本気であったかどうかは分からない。
 だが、そう言ったウェールズの瞳には、一分の曇りも後ろめたさも見えない、誠実な光が宿っていた。少なくともワルドには、そう見えた。
 だが、その真っ直ぐすぎる視線は、むしろワルドの心を波立たせた。
 信じたからだと言えば聞こえはいい。だがそれでも、間諜と疑ってなお自分を警戒すらしない野放図さは、ウェールズの器量というよりはやはり、ただ無視された――歯牙にもかけられなかった――としか解釈の仕様がないではないか。
 だとすれば、この舐められ方は尋常ではない。
 努力と才能によって、王宮のエリートたる魔法衛士の隊長職にまで上り詰めたワルドにとって、ここまで徹底的に甘く見られ、虚仮のように扱われた経験は、生まれてこのかた一度たりとも無いことであった。


――見くびりおって、この、若造がッッッ……!!


 屈辱が理性を凌駕した瞬間、ワルドの手は杖にかかっていた。
 もう詠唱は済ませてある。
 杖に精神力を込めるだけで、このサーベル状の杖は、容易く眼前の貴公子の胸板を貫くはずだ。
 トリステイン王宮魔法衛士隊長として磨き抜かれた動きは、文字通り目にも止まらぬ速度で――。


「無駄だよ、子爵」


 ワルドの杖は止まっていた。
 ウェールズの左胸。心臓の位置。
 その青白く光る杖は、――しかし、眼前の皇太子の胸元から、それこそ紙一重の位置で止まっていた。スクウェアクラスの魔力を込められ、岩をも貫くはずのその“光の魔剣”は、ウェールズの服にケシ粒ほどの僅瑕さえ残さなかった。
 ウェールズはワルドの目を見たまま微動だにしていない。
「……ワっ、ワルド、子爵……!?」
 さすがのクロムウェルも、事の成り行きが読めずに、呆然としている。

 ワルドが杖を止めたのだ。自らの意思で。――いや、そこにワルド自身の意思が働いていたかどうかも、かなり怪しい。何故なら杖を寸前で停止させた事実に、ワルド本人こそが一番驚いていたからだ。
(なっ……なんで……ッッッ!?)
 理由はない。反射だ。
 殺気を剥き出してなお、まったく一分の動揺すら見せぬウェールズの眼光。そして、その冷静な声音に、ワルドの肉体が自身の意思に反し、勝手に杖を停止させてしまったのだ。――そうとしか表現しようがない。

「無駄、とは……?」

 かすれた声で、かろうじてワルドが尋ねる。
 ウェールズは引きつった顔で杖を突きつけるスクウェアメイジに、こともなげに言う。
「お前が俺を殺すはずがないからだよ、ワルド」


615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:53:14 ID:dkQUNvdo
支援

616 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:54:50 ID:qg9j5Qq7
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 ウェールズは自分の事を『私』でも『僕』でもなく『俺』と言い、そしてワルドを、これまでのように爵位ではなく、その名で呼んだ。これがどういう事を意味するのか。
 少なくともアルビオンで、『俺』という一人称を使うウェールズを見た者は、誰もいまい。
 ワルドの心中がいかに混乱していても、さすがにその意味に気付かぬほど彼はバカではない。
 だが、それでもワルドは抵抗するように叫ぶ。
「何を言っているっ!? 俺はいま、貴様を殺そうとしたんだぞッッ!!」
「だが、結局お前は、そうしなかっただろう?」
 その言葉に、ワルドは絶句した。

 殺すべき標的の言葉に動揺し、その心臓を貫くはずだった杖を止め、そしていま、標的の真摯な視線に晒されて口を開く事さえ出来ない自分……。
 分かっている。
 本当は、ワルドにも分かっているのだ。ニューカッスルにいた頃から。
 この男は、自分を甘く見てなどいない。
 それどころか、自分は、この貴公子の人物に惹かれつつある。
 クロムウェルの器量を再確認する事で、一時はそういう自分を忘れ、ウェールズの価値を否定する事はできた。だが、忘れていたといっても忘却の彼方へ沈んだわけではない。その思いは、何かきっかけがあればすぐに浮上する。

 王女アンリエッタにも、宰相マザリーニにも、大后マリアンヌにも、いや先代のトリステイン王にさえも、ワルドは自らの身命を捧げる価値があるとは、実は一度も思った事などない。
 彼らは、ただ国権の象徴というだけの存在。ワルドにとって祖国の王家など、それ以上でものでは在り得ない。何故なら彼らはワルドから見れば、『レコン・キスタ』が提唱するところの“無能なる王家”以外の何者でもなかったのだから。
 だが、このウェールズは違う。
 ワルドは、生涯初めて『この男の子分になってもいい』と思える対象を発見したのだ。
 クロムウェルが、彼を担ごうとするのも納得のいく話だ。この男の才能はともかく、そのカリスマはまさしく天性のものであろう。だが――、
(認めろと、いうのか……!!)
 男が男を認めるとき、そこには並々ならぬ苦痛と自身への無力感を覚える場合がある。ウェールズの魅力に、半ば心を奪われかけている自分を認めるには、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドの気位は高すぎた。

「……ワルド……くん……?」
 クロムウェルが恐る恐る口を開く。
 いまの二人のやりとりを目にして、すっかり毒気を抜かれてしまったのだろう。そして、ウェールズは椅子から立ち上がると、硬い視線をクロムウェルに向けた。
「大司教、『イーグル』号の全乗員と地上の兵、そして我が父ジェームズの命を保障せよ」
「そっ、それでは……ッッッ!?」
 クロムウェルが弾かれたようにウェールズを見上げる。
 貴族派の首領が出した要求に、王党派の指導者が条件を突きつけた。即ち、この事態の意味するところは一つ。



「『レコン・キスタ』に参加しよう。――ただし首座には就かぬ。あくまで君の補佐役に回らせてもらう。それで異存はないな?」



「ウッ、ウェールズ殿下……!」
 クロムウェルはもはや、完全にウェールズに呑まれていた。その表情に、先程までこの場を支配していた政治家の“顔”は、痕跡すら見出せない。
「ワルド」
 振り返ったウェールズを、しかしワルドは茫然と見返す。
「本気なのかウェールズ……本気でお前は……!?」
 だが、ウェールズの言葉は、ワルドとは対照的に迷いはなかった。
「やる以上は全力を出させてもらう。王制ではやれなかった政治も、やれなかった戦も、ここでならやれそうだしな。それに何より――」
 ウェールズは、そこで言葉を切ってにやりと笑った。
「親父の尻拭いは、もう飽きたのだよ」
「ウェールズ……」
 
「ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド! 今日より俺の背中は貴様に任せよう。反論は一切認めぬ!!」
「一命を賭して!!」
 もはや、ためらいは無かった。
 ワルドは跪いていた。捧げるように杖を置き、帽子を脱ぎ、目を伏せていた。
 あたかも父祖の王にそうするように。


617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:55:20 ID:k0R3W85x
プラマイゼロ!?

むしろマーイ!!

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:57:33 ID:IEwYJ7Bb
支援……!

619 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:57:48 ID:qg9j5Qq7
#############

 その戦列艦が怪しいと思った根拠は、正直に言うと皆無に等しい。
 だが、編隊から次々に離脱していく艦の中でも、何故か才人は、その一隻にフネから目が離せなかった。
 そして、そのフネが突如発砲するに及んで、彼の疑念は確信に変わった。
 フネの位置からしても、その砲撃が『イーグル』号を狙ったものでない事は歴然だ。ならば、ヤツラは何を撃っている?
「きゅいきゅいっ!! サイトっ、あれ見てっ!!」
 シルフィードが空中を指し示す。例の艦の延長射線上――そこに一隻の小型艇が浮かんでいた。

「――ルイズ……!!」

 才人には見えた。
 その小船に、特徴的なピンクブロンドの少女が乗りこんでいるのを。
(冗談じゃねえ……!!)
 やっとの事で発見した、その少女。
 だが彼女は今、戦艦の放つ艦砲射撃に晒され、いつ直撃弾を喰らって、木っ端微塵になるか知れない状態だ。
(冗談じゃねえ……ッッッッッ!!)
 才人は手綱を打った。
「急げっ!! ここまで来て、死なせてたまるかっ!!」
 彼らの騎乗する巨大な風竜は、ぎゅい、と一声鳴くと、翼をはためかせ、一直線に才人の意識する方角へ飛行し始める。

「相棒いけねえ! 進路を変えろ!!」
 才人の背から耳元に声が響く。
 巨大なバストを押し付け、しがみ付いているシルフィードではない。
 その金属的な声の所有者は、彼の佩剣。知恵持つ刃デルフリンガー。
 だが、今の才人にその叫びを理解する余裕は無い。
「バカ野郎、悠長な事言ってる場合かっ! とっととアイツを助けなきゃ、死んじまうじゃねえか!!」
「だめだっ!! あの貴族の嬢ちゃんなら大丈夫だ!! このまま進めば、むしろ俺たちの方が危ねえんだよっ!!」
「わけの分からん事を言ってるんじゃねえっ!!」
 自らの背に怒鳴り返す才人。そう言っている間にも彼が御する風竜は、矢のような速度で宙を突っ切り、例の艦の上空へと差し掛かっていた。
「だから……とにかくヤバイんだよっ!! このまま行けば、俺たちまで“虚無”の巻き添えになっちまう――って、だから、聞けってんだよヒラガサイトッッ!!」
 だが、少年の意識には、その声はもはや届かない。
 彼の脳中にあったのは、もはや確実にそれと分かる少女の顔――。


「ルイズゥゥゥゥゥッッッ!!!」


 そのときだった。
 彼の騎乗する風竜。その直下にあった戦列艦が、大爆発を起こしたのは。

 才人は知らなかった。
 少年と剣と韻竜を乗せたドラゴン。それは先程まで『イーグル』号に攻撃を仕掛けていた貴族派に属する竜騎士のものであったことを。
 その禍々しい獣の陰影が、小型艇で脱出を図っていた彼らの目にどう映っていたのかを。
 才人は不幸にも知らなかった。

「きゅいッッッ……!?」
 突如巻き起こった大爆発の衝撃波は、直上にいた巨大な風竜の腹部をやすやすと切り裂き、その背の鞍にいた彼らは、あっさり空中に放り出される。
 だが、才人が恐怖を覚える暇は無かった。彼の意識は、爆光の白い闇に包み込まれ、すでにして、肉体から弾き飛ばされていたのだから。


 偉大なる始祖ブリミルが行使したという伝説の系統“虚無”はこの日、復活した。
 だが、その担い手と使い魔は、浮遊大陸に於いて、互いに求め合いながらも、ついに出会うことは無かった。



620 :もう一人の『左手』(その31) ◆utAARsQ0ec :2008/06/25(水) 20:59:45 ID:qg9j5Qq7
今回はここまでです。

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:01:29 ID:DuXZQkX5
なんという激動の真っ只中!GJ!!
しかし、こんなところで切るなんて……くやしいビクンビクン

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:02:08 ID:gjtM1zPx
なんつー場所できりやがるwwwww

623 :不破刃:2008/06/25(水) 21:02:40 ID:3mhvqn97
乙。
すごい漢だ!

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:03:37 ID:OZmjAaVA
乙!
なんという新展開!

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:04:38 ID:IEwYJ7Bb
風見の人GJそして乙。あと鬼だあなたは(w
あんなシーンで切られたら
次回が気になってしかたないではないですか。
さておき、風雲急を告げるアルビオンの群像劇、
どう転がって行くのか楽しみにしています。

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:06:54 ID:janV9hJ7
きゅいきゅい(-人-)ナムナム

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:14:45 ID:r3sULw/b
GJ
なんかゼロ魔本編よりもワルドのキャラが生き生きしてるなw


628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:28:36 ID:P4vELXlJ
遅レスだが貴族の従者(?)=金持ってそうとはいえ、
ファウスト先生の懐に手を出せるってどんだけ勇者が集ってるんだよ、トリステインw
俺なら十万貰えると言われてもあの見た目だけで全力で辞退するぞww

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:30:10 ID:j+9X3Ki2
このままだとウェールズvsルイズの図式になるのだろうか。
どのキャラのパートも息もつかせぬ名展開でたまらない。エクセレント!

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:33:09 ID:k0R3W85x
破壊の杖を盗まれた時に 王宮に知らせると戦争好きの貴族が云々つってるけど

レコンキスタの艦隊がやってくるのに何も対策してなかった所を見ると
トリステインの貴族は戦争好きで無能?
しねばいいのに

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:33:55 ID:/82f5v+n
>>628
いやほら、スリってのは相手に気付かれないようにやるもんですし

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:37:26 ID:WvsbHMQg
小規模な紛争くらいならバッチコーイだが大国同士の戦争は勘弁なって感じじゃね

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:38:30 ID:LaXeeV0s
勝ち戦しかしたく無いんだろw

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:40:38 ID:janV9hJ7
ファウストの懐って、普通の人間の頭くらいあるよな?
人ごみでも超目立つわwww
街歩いてたら3メートル近い長身痩せぎすの男の懐から、ふいよふいよ財布が飛び出していくのかよw

まあ白衣の腰ポケットかズボンの尻ポケット狙ったんだろう、と解釈しておく。

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:42:11 ID:j+9X3Ki2
>>631
むしろファウスト先生に手を出すのは、相手に気付かないままやるスリ。

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:45:45 ID:zseJ23ii
スリつながりでマリオネット師から九頭竜召喚とかいう電波を受信したが
あんな古いマイナー漫画誰が知ってるんだとか思った今日この頃

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:47:13 ID:LftiFm+L
レクター博士に手を出したスリはサクッと殺られたな

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:50:22 ID:3mhvqn97
スリといえば墓文字さぶはどうだろう?刺激に飢えているみたいだから条件次第で使い魔やってくれそうだけど。

そういえば勝利メッセージで梅喧がファウストの紙袋を取ろうとしていたけど、どうなったんだ?

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:54:06 ID:k0R3W85x
虚無の使い手出現の一方→
トリステインのアホ貴族連中「エルフに勝てる!たぶん!」→
調子こいて傭兵集めた貴族を抑えられず、レコンキスタの侵略を招いてしまったアホ王女→
ゲルマニアから見捨てられて、アンアン王位を捨ててアルビオンに亡命→
トリステイン・アルビオン連合王国樹立→
ゲルマニア皇帝「もう王妃でいいや」→
トリステイン・ゲルマニア帝国樹立→
ジョゼフ「・・・やべえ、想定外ですた」→
教皇「虚無の使い手が揃ったので!いざ鎌倉!」→
ビダーシャル「ジョゼフよぉ吐いた唾飲まんとけよぉのぉ?」→
サイト「あの指輪を奪ってルイズをこましたる!」
クロムウェル「なんだこいつ、うわやめろはなせなにをすr サイト愛してるぅ!」
サイト「キモッ!こいつキモッ!」

という展開を予想した

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:54:21 ID:Bm6DfEcG
風見の人GJでした!

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:55:04 ID:JtQPM7IJ
V3乙です!
V3とは人の名では無い改造人間の名さ
俺達はみんなV3の改造人間なのさ
四人の風見志郎が今日も大活躍…あれ?

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:59:18 ID:dhiTskG2
やべぇ、こんなかっこいいクロムウェル斬新すぎてキめぇw

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:00:08 ID:JtQPM7IJ
>ゲルマニア皇帝「もう王妃でいいや」

年齢的にはアルブレヒト×マリアンヌ
でいいと思うけどなあ
マリアンヌがいくつくらいか知らんが、オスマンみたいに百年単位で生きているメイジもいるんだから、ある程度年いってても出産可能とか?
マリアンヌ再婚で生んだ子が次期ゲルマニア皇帝に
これで提督の人や魔砲の人の問題も解決…

いややっぱ若い方がええんだろうけど

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:02:51 ID:GCdBhMm6
ID:k0R3W85xがキモいなあ

645 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:06:47 ID:CBIdIMrP
気が付いたら完成している。いつもそんな感じだったり。
投下してもいいかな?あと最後にちょっとした質問をします。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:08:31 ID:DRaHZGEm
投下したまへ

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:09:26 ID:AFdqGi6r
うーむ、このスレの生命力にはいつもながら感心するなあ。
それで、今現在2日〜1月くらいのペースで連載続けてるのはいくつぐらいあるかな。
鋼の、マジシャン、水の、紙袋、提督……
7、8は確実に超えてるな。

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:09:38 ID:LftiFm+L
マリアンヌがマリコルヌと紛らわしくてしかたないから困る

支援

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:11:29 ID:NJ1EWLEW
真理アンヌと申したか。

支援

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:12:21 ID:aAf7aLp7
>>626
ここできゅいきゅいを同行させたタバサの判断が功を奏したな
しかしルイズと再会した時は才人は記憶を失っていて、彼を甲斐甲斐しく世話をしていた
シルフィードとの間に愛が目覚め……という昼メロ的な展開を期待したいw

651 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:12:43 ID:CBIdIMrP
それでは投下するよー


652 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 22:13:50 ID:3Cpy9bPr
少しお邪魔致します。

>>634
ファウスト先生の歩きや行動はゲームを元に考えております。
なので、足をまげて腰をまげて・・・そこそこな身長に・・・って事でご勘弁をw

>>638
梅喧が勝つ→ファウストの紙袋を外す→うぉ!まぶしっ!って感じでは?

653 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:15:04 ID:CBIdIMrP
 せっかくの虚無の曜日が暮れてとっぷり。
トリステイン魔法学院内にある大会議室はオールド・オスマンを首座に座らせて教師という教師が集まり、非常に重たい空気を作っていた。
陽も落ちかけた頃に突如として現れたゴーレムが宝物庫を破壊し、収蔵されていた無二のマジックアイテム『破壊の杖』が
盗賊『土くれのフーケ』によって盗み出されてしまった。
その慎重にして大胆な犯行に学院の管理者たる教師たち一同は責任の所在と今後の対策について、
議論とは名ばかりの自己保身や責難に明け暮れた。
「当直のものは何をしていたのだ!」
「衛兵など当てにならぬ!今後はこのようなことが無いよう国軍に警護をまかせるべきではないか」
「当直を行っていなかったミセス・シュヴルーズには損失の弁償を…」
「そんな!私だけじゃなく他の方々も満足に当直なんてなさっていなかったでしょう!」
「国軍を安易に学院内に留まらせるのは学院の自主性の放棄じゃないか?!」
 まさに議会踊って進まず。このような状態が3時間は続いていた。
 好々爺の姿勢を崩さずそのやり取りを見守っていたオールド・オスマンであったが、さしもの業を煮やし取り乱す教師たちを一喝する。
「静まらぬか。皆の者」
 半ば立ち上がりながらも喧々と口角泡を吹いて立ち回っていた教師達は、齢300とも称されるこの老メイジの放った覇気に当てられて
喉を詰まらせた。
「ここにおるほぼ全員が学院に賊が入り込むとは考えていなかった。無論、宝物庫の壁には強固に固定化を仕込んでおったが、所詮人の技。
事実盗賊めにまんまと破られて『破壊の杖』を持っていかれた。
詰まる所、今回の責任は学院の管理者たる我々全員にあると、わしは思うが如何かねミスタ・ギトー」
「お、おっしゃるとおりに……」
 一際激しく責任者を探すべくなじっていたギトーは名指しされて鼻白んだ。
 オスマンは咳払い一つ、いくつか空いた席が置かれて座っているコルベールに聞く。
「で、賊を直接目撃したものはおるのかね」
「はい。こちらに集まってもらってます」
 コルベールは平素と変わらぬ態度で――ただし、その顔は幾分か険しい――会議室の隣に繋がるドアを叩き、中の者を呼び寄せた。
 開けられたドアから入ってくるルイズ、ギュス、キュルケ、タバサ。
本来はギーシュも広場に居たため目撃していたはずなのだが、ゴーレム倒壊による負傷のため現在は医療室へ運ばれている。
 
 ただし、勤務医の報告によると、ギーシュ・ド・グラモンは土砂崩落に巻き込まれた負傷に付随して、一種の欠乏症からくる
健康障害も患っていたことをここに記しておく。
 
 閑話休題。オスマンは立ち並ぶ四人に対して暖かい目で迎えた。
「ふむ。詳しく話してくれるかの?」
 一礼して一歩進み出るルイズ。他方ギュスターヴにも教師達の視線が集まってくるが、それは学院の会議室という厳かな場所に許可を与えたとはいえ平民が入り込んできている、という事への不快さを露にしたものだった。
「私はあの時、広場で魔法の練習をしていました。偶然広場に居たギーシュが塔の上に人影が見えたと言って、その後地鳴りが起こって
壁の向こうから大きな土のゴーレムが入ってきました。私はそれを撃退できないものかと遠くから魔法を打ちましたが、何度目かに命中して
ゴーレムが崩れました。落ちてくる土から逃げる為に建物の中に一度はいり、土煙が収まってから外に出た時には、土の山だけで
賊が居なくなっていました」
「賊の特徴は覚えておるかの」
「黒いローブを身に着けていましたが、顔はおろか男か女かも分かりません……」
 杖を振って賊を追い払うことに夢中で賊の顔形が頭から無かった事を心深くからわびるルイズに、あくまでも教師として
優しさと厳かさの混じった声で語りかけるオスマン。
「よいよい。生徒でありながら勇敢に杖振るったことを褒めてやろう。しかし一歩間違えば命の危険もあったのじゃ。そのことを忘れぬように」
 はい、とルイズ。オスマンは教師達へ向きなおし、彼らに問う。
「さて。手がかりらしいものが何も残されておらぬ。どうするべきかのぅ」
「王宮に報告するべきではないでしょうか」
 当直であったために最も非難を浴びていたミセス・シュヴルーズが積極的に手を上げる。
「ならぬ。先ほど言ったように今回の責任は我々全員にあるのじゃ。この件で王宮の官吏どもから非難と処罰があれば、我々は
責任を取らされて職を辞し、学院の管理運営は最悪アカデミーの傘下に吸収される、という事もありうるじゃろう。
そのような事があってはならぬ。ゆえに我々だけでフーケを捕縛、ないし『破壊の杖』を奪還せねばならぬのじゃ」


654 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:16:18 ID:CBIdIMrP
 アカデミーとは学院と同じく国が置いた王立の機関の一つであるが、その目的は学術的な意味での魔法に関する研究である。
ただし学院とは違い、積極的な宮廷や地方貴族らからの寄付や義捐などを募り、内部の党派閥の激しい機関であることが知られている。
そのような連中に次代の貴族を育てる学院の運営を任せられない、ましてや不祥事をきっかけにしてなど。
 オスマンの言葉に色を無くす、シュヴルーズ始め教師達。ことは己の職の安否にすら繋がるものと恐々とし始める。
ただなお、首座のオスマンは冷静にこの大事な会議の場に欠席する秘書の存在を気に掛けた。
「そういえば、ミス・ロングビルの姿がおらぬのう」
「どこに行ったのでしょうか。自室にはご在宅ではありませんでした」
 明確に答えることが出来ないコルベールはそう言うしかない。
 そこに勢い良く会議室の両開きの扉をと開け放って飛び込んできた人影があった。そこに室内の全員が視線を集める。
「遅れました!申し訳ありません皆さん」
「ミス・ロングビル!大変ですぞ!賊が侵入して宝物庫を荒らしていきましたぞ!」
「存じておりますわ。私、真っ先に宝物庫を確認して賊の後をつけるべく調査して参りましたの」
 息を切らせ汗ばみ、額に髪が張り付いていたミス・ロングビルは、コルベールの言葉に答えながらたたずまいを直してオスマンの元に寄った。
「仕事が速くて助かるのぅ……」
「で、結果は?」
 ミス・ロングビルは懐からなにやらメモ書きのようなものを取り出してそれを読み上げる。
「近在の農家などに聞き込みをしてみましたところ、ここから馬で4時間ほどの場所にある廃屋に、近頃見知らぬ人の出入りがあるとのこと。
ゴーレムの侵入した方角とも合わせて、おそらくそこがフーケと名乗る賊の棲家ではないかと思われます」
「上出来じゃ、ミス・ロングビル」
 報告に満足したオスマンは再度教師陣に目を移し立ち上がった。
「さて諸君。再度言うがこの件は我らだけで解決せねばならぬ。故に今からフーケ捜索の有志を募る。我こそはと思うものは杖を上げよ」
 
 オスマンの言の後、無言の時間が流れた。オスマンは大きく咳払いをしてもう一度教師達をみたが、教師達は互いに見合わせるだけで
何もする事が無い。そうして四半刻がゆっくりと流れた。
 流石のオスマンも苛立ってくる。
「ええい、この中にフーケを捕らえようというものはおらんのか?貴族の威信にかけて汚名を雪ごうというものは」
 ぐ…と杖を握る腕を震わせる教師一同。相手は巨大なゴーレムを作り出せるほどの優秀なメイジあることは明白。
しかも今から賊の住処を荒らしに行くというのだ。よっぽど自分に自信のあるものでなければ杖を上げることは出来ない。
 オスマンはコルベールを見た。目を伏せ、ただじっとしている。汗一つ、震え一つ見せないその姿をオスマンは無念そうに眺めていた。

655 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:17:09 ID:CBIdIMrP
 
やがて上げられた杖がまず一つ。それは教師達からではない。
「ミス・ヴァリエール!」
「行かせてくださいミセス・シュヴルーズ」
 会議室の隅に立ったまま待機していたルイズはじめ四人。一歩進み出てルイズは制止しようとするシュヴルーズに応えた。
「貴方は生徒ではないですか。ここは我々教師達に任せておくのです」
「そうは言っても、だれも杖を上げないではないですか」
 たじろぐシュヴルーズ。そのとおりだ。現に止めるシュヴルーズ自身、杖を上げなかったのだ。ルイズを止めておける資格が無い。
 そのやり取りを見ていた後の二人も杖を掲げた。
「ミス・ツェルプストー!それにミス・タバサも!」
「ヴァリエールには負けていられませんもの。でもタバサ、貴方はいいの?」
 キュルケは脇に立つ友人に目を向けた。タバサは一旦掲げた杖を少しおろし、ルイズに、そしてキュルケに向けて一言。
「心配」
 言葉少ない友人の気持ちに心を暖めるキュルケだった。
 そんなやり取りをじっと見ていたオスマンは、ふむ、と一言言って教師達へ話した。
「では、彼女ら3名を捜索隊として遣わす」
「オールド・オスマン!」
「それとも君がいくかね?ミセス・シュヴルーズ」
「ぃ……いえ、私は…」
「彼女らは一度賊を見ておる。それにミス・タバサはシュバリエの称号を持つ優秀なメイジじゃし、ミス・ツェルプストーもゲルマニアの
高名なメイジの家系として優秀なトライアングルメイジじゃ」
 シュバリエとは国が貴族へ与える爵位の一つだが、領地を与えられぬ無領地爵位でありながら、実戦能力等の実力によって
与えられるものであり、優秀なメイジの証でもある。
しかし、とオスマンは言葉切ってルイズを見る。
「ミス・ヴァリエール。本当に捜索隊に志願するかの」
「……はい!」
 ルイズの目ははっきりと開かれオスマンを見ている。その態度に満足したオスマンは、
「うむ。では明朝未明より捜索隊として君達に外出許可を出す」
「「「「杖に賭けて」」」
「ミス・ロングビルには道案内をたのむぞ」
 声をかけられたミス・ロングビルは心穏やかにそれを了承した。
「了解しました」
 誰にも分からぬほどに笑いながら。




656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:18:03 ID:dkQUNvdo
支援

657 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:18:16 ID:CBIdIMrP
明朝、捜索隊として集められた一同は、用意された馬車に乗り込み、朝の澄んだ空気の中、出発した。
道中は森まで街道を行き、途中から徒歩による探索になるという。
「ミス・ロングビル。手綱など御者に持たせればよろしいのに」
 案内人のミス・ロングビルは自ら馬車の手綱を取る事を願い出て、二頭引きの馬車を操っている。
「いいのです。私は貴族の名を捨てたものですから」
「よろしければ、事情を教えてもらえます?」
 沈黙が二人に流れる。ロングビルは少しだけ、表情を曇らせたが、努めて空気を汚さぬように振舞った。
「……とある事情で廃名されまして。家族を養わなければなりませんので街に出て働いていたのですが、そこをオールドオスマンに
秘書として雇ってもらいましたの」
 興味津々に聞いていたキュルケのシャツが何者かに引かれている。キュルケが振り向くと、小柄な友人が首を振って言った。
「野暮」
「それもそうね。ごめんなさいな、ミス」
「いいえ。慣れていますので…」
 その言葉にほんの少し憂いを残す。
 
 一方、馬車の別一角。ルイズは無理矢理同行させたギュスターヴの愚痴を叩き伏せるのに夢中だった。
「何も自分から厄介を拾いにいくこともないだろうに」
「何言ってるのよ。学院に賊が入ったのよ。これを放置するのは貴族の名折れよ」
「いつの時代も貴族ってやつぁ、大変だーな嬢ちゃん」
 研ぎ終わったデルフがギュスターヴの腰に指されている。短剣とつりあうように左右に指された剣はギュスターヴの心象に
一応の安心感を与えていたのだが、この場においては多方向からの言葉に対応しなければいけない分、不利である。
「しかしだなぁ。何で俺まで引き連れるかね」
「ギュスターヴ。あんたは私の使い魔なんだから。腕に覚えがあるんでしょ?手伝って当然でしょ」
「当然って言われてもなぁ…」
「ま、いいじゃねーか。俺様は賛成だぜ。相棒の腕が早く見てーからな」
「……昨日みたいにでかいゴーレム出されたらあんまり出番もないんじゃないかなぁ……」
「ぶつくさ言わないの!使い魔だと分かってるなら主人の助手くらい承諾しなさい」
「そうだぜ相棒。もう馬車は出てるんだから嫌嫌言ってもしょうがねーぜ」
 サラウンドで会話をするのは非常に面倒である。朝早くから馬車に揺られてそんなことをするのは気が削がれていく。
「分かったよ…」
 うんざりしながらも渋々と首を縦に振るギュスターヴなのだった。
 
 
馬車が進んで3時間半。街道を外れた森の手前で馬車を止め、そこから徒歩で森に入って奥、ほんの少しだけ開かれた場所に
あばら家が見える。
「農家からの聞き込みでは、おそらくここと思われます」
 森の茂みの中、わずかにうねって身体を隠しておけるところに集まった5人。
「で、中はどうやって確かめるの?中に賊が居れば外におびきだす囮になってもらわなくちゃいけないけど」
 キュルケは作戦を立てた。まず一人ないし二人で小屋に近づき、中にいれば陽動して外に出して挟撃する。
居なければ小屋の中で待ち伏せて賊の帰りを待つ、というものだ。
 それを聞いたタバサは杖でルイズを指し示す。
「行くべき」
「私?」
 そう、と答える。
「一番最初に杖をあげた。私もついて行く」
 その言葉にキュルケが不思議そうにタバサを見た。
(自分から他人に近づいていくタバサって珍しいわね)
「引き受けたわ。見てなさい」
 ルイズはタバサをつれて茂みを遠回りして廃屋に近づいていく。
 残された三人は、周囲に賊が張り付いていないかを探す。
「ミス。つかぬ事をお聞きしますが、属性とクラスをお教えいただけます?」
「土のラインです。……!」
「なにか?」
 ロングビルが何かに反応した。
「何か人影のようなものが見えましたわ。ちょっと見てきます」

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:18:45 ID:yE2QqOIu
支援

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:19:10 ID:dkQUNvdo
支援

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:20:49 ID:TyBzfxdH
支援支援

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:20:54 ID:z4en0kdY
もう一人の『左手』今回は凄いですね。これぞ虚々実々、何が本当で何が嘘なのか判らない。
どれが「真」でどれが「偽」なのか、まるで見当もつかない。
クロムウェルの実像は何なのか。彼の背後にジョセフはいるのかいないのか。少なくとも単なる
傀儡ではなさそうですが、それが鍵を握りそうな気が……。

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:22:06 ID:dkQUNvdo
一行目が空行なのはマズイよ
全角スペース入れて 支援

663 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:22:24 ID:CBIdIMrP
 険しい顔でロングビルが森の奥へ入って行き、木々の陰に見えなくなった。
 キュルケはふと、自分がギュスターヴと二人きりになれたのを好機に話しかけて、自分への興味を持ってもらえないだろうか、と思い始めた。
「ミスタ・ギュスは今回の事件どう思われて?」
「…なぜ俺に聞く?」
 ギュスターヴは腕を組んで木に寄りかかって聞いている。
「この捜索隊にあまり乗り気じゃなさそうだったみたいだし」
「そうだな…もし、俺が賊だったら。こんな中途半端な距離にある廃屋に潜んだりしない。
夜を通して移動して国境を越える。そうすれば追っ手はひとまずこないからな」
(あら、結構口が辛いわね。でも年の割に若々しい感じで素敵)
 キュルケは暗に自分の立てた作戦の不備を突かれているのだが、本質的に賊捜索に真剣なわけではないから気にしないことにした。
むしろ、このあばら家を探し出したロングビルの情報元があやしいかも、なんて思い始めた。
「では、この情報はガセ?」
「そうとも言えない。……そうだな。例えば賊が何らかの事情で現場から余り離れることが出来ないとか、或いは……」
「或いは?」
「…何か目的を持ってここに潜み、捜索隊を待ち伏せるとかな」
 
 
 あばら家に徐々に近づいていくルイズとタバサ。ルイズは足元に罠があるかも、と観察しながら歩いていたが、
よく見ると自分達のほかに、あばら家の周りには真新しい足跡がいくつかついている。
「ボロボロの小屋なのに人の使ったような跡があるわね。賊が使っていたに間違いなさそうね……」
 そっとあばら家の外壁に張り付いて窓からそっと中を覗く。中は薄暗いが人の気配はない。
 タバサが近づいて、杖先でゆっくりドアを開ける。古い蝶番が軋みを上げて動き、仄かな日光があばら家の中へ入るが、やはり中に人が居ない。
 慎重に慎重を重ねて覗き、人が居ない事を再度確認して中に入ったルイズとタバサ。あばら家の中にも新しい足跡は残されていた。
ほかには腐りかけの藁や農具のようなものが置かれていて、その中に比較的綺麗な布で包まれて立てかけられているものがあった。
 ルイズはそれを手にとって開いてみる。中には不可思議な装飾の施された、杖。
「これが『破壊の杖』?普通の杖に見えるけど……」
 
 次の瞬間、あばら家の外から轟音が聞こえる。地鳴りのような振動があばら家の弱りきった土台越しに足元を震わせる。
「何?なんなの?!」
「ここは危険。脱出する」
 飛び出そうと二人は出入り口に駆け寄ろうとした寸前、出入り口に土の塊がぶつかる。土の塊は砕けて出口を塞いでしまった。
「ゴーレム!」
 ルイズの叫びが中に響く。



664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:22:40 ID:DuXZQkX5
おっと、仕事が速いなぁ、支援!

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:23:12 ID:dkQUNvdo
支援

666 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:23:43 ID:CBIdIMrP
外で待っていた二人には静かな時間が流れている。ミス・ロングビルは人影を探しに行ったきりで戻ってこない。
 もしかしたら迷ってるのかしら、などと考えていたキュルケは、あばら家の更に奥の森からごごご…と音を上げて
持ち上がっていく土の山が見えたとき、緊張に身体をこわばらせた。
やがてそれは草木交じりの身体をした巨大なゴーレムに変形し、小屋を見下ろしている。
 ギュスターヴは腰の剣に手をかけ、キュルケも杖を構えた。
「昨日のと同じゴーレム?!」
「多分な。二人を小屋から脱出させるぞ」
 小屋に駆け寄る二人、しかしわずかに遅く、ゴーレムの拳があばら家に落ちる。落ちた拳は切り離されて土砂の塊となって
あばら家の出口を塞いでしまった。
「タバサ!ルイズ!」
 叫ぶキュルケ。ギュスターヴはキュルケの脇に立ちデルフを右手で抜いた。
「ゴーレムをひきつけるぞ!」
 鞘から抜かれたデルフリンガーは、握りにも新しい布が巻かれ、丁寧に研ぎ澄まされた刀身が日光を受けてきらりと光る。
「俺様の出番だな。期待してるぜ相棒!」
 袈裟斬り気味に振りかぶってゴーレムに飛び掛るギュスターヴ、キュルケも杖をゴーレムに向けて唱える。
「フレイムボール!」
「『かぶと割り』!」
 ファイアボールよりも巨大な火球が発射してゴーレムの胸に当たり、露出していた樹木の枝が焼けて落ちる。
ギュスターヴの剣戟が腹に当たって衝撃が土を抉るように削り落とした。二人の攻撃で大きく一歩半、ゴーレムはよろめいた。
その振動は気を抜けば足首を痺れさせて立てなくさせる。
 ガッシャン、と小屋から窓の割れる音が二人を振り返させる。背に背負ったあばら家の窓を割って這い出してきたタバサとルイズ。
その手にはしっかりと『破壊の杖』が握られている。
「ふひー」
「ルイズ!」
「『破壊の杖』を見つけたわ!あとはフーケだけよ」
 そのやり取りを見逃さない。ゴーレムの拳が降ってくる。ギュスターヴは急いでゴーレムの足元から逃れた。
「ギュスターヴ!」
「ここは危険だ。一度引くぞ」
 口笛を吹くタバサ。森の上空に青い軌道を残して飛ぶするシルフィードがゴーレムを中心に何度も旋回し、ゴーレムの動きを阻んだ。
 鬱陶しそうに両拳を振り回すが、シルフィードの動きについていけないゴーレム。
「今の内」
「逃げるわよルイズ。『破壊の杖』は回収できたんだから長居する必要は無いわ」
 あばら家を背に森の中へ逃げ込もうとするキュルケとタバサ。少なくとも盗まれたものが手元に戻ってきた以上、危険であれば
それ以上する必要は無い、というのは正常な判断に思われて、ギュスターヴはそれに倣う。しかし、
「ルイズ?」
「私は引かないわ」
 ルイズは逆だった。注意が上に向けられているゴーレムをじっと見る。
「私は貴族よ。賊を恐れて逃げ出すなんて出来ないわ」
「駄目だルイズ。見るんだ。ゴーレムの上に賊が乗っていない。フーケは森に潜んでゴーレムを動かしてるんだろう。
ゴーレムを倒しても賊が見つからないんじゃ意味が無い」
 きゅいーっ!と上空のシルフィードが悲鳴を上げる。巡航速度以上のスピードで狭い空間を飛び回るのは飛行に長けた風竜でも限界がある。
「そうよルイズ。第一まともに魔法が使えない貴方じゃゴーレムの足止めも出来ないわよ
「黙りなさい!」」
 吼えるルイズ。
「貴族とは、魔法を使えるものを言うんじゃないわ。敵に背中を向けないものを貴族というのよ!」
 ルイズの目にはゴーレムしか写っていない。ゴーレムに走り寄りながら杖を向けた。
「ルイズー!」
「見てなさい!フレイムボール!」
 キュルケの制止を振り切って詠唱、やはり爆発。ゴーレムの胸が爆発の衝撃で抉れ飛ぶ。
しかしこれがゴーレムの注意をシルフィードから足元へ移させてしまった。
「もう一度!フレイムボール!」
 なおも詠唱、爆発。ゴーレムのわき腹が吹き飛ぶが、痛みを感じないゴーレムにとって身体を支える程度の強度があれば問題は無い。
ゆっくりと片足を上げてゴーレムがルイズの頭上に迫る。
「フレイムボール!フレイムボール!フレイムボール!」
 遮二無二連発するルイズだが、ゴーレムの体がいくら傷つけられても、落ちてくる足が止まることはない。
「ルーイズ!」
 キュルケの悲壮な叫びが森に響く。降ろされたゴーレムの足がルイズの居た場所を踏み潰していた。

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:25:05 ID:dkQUNvdo
支援

668 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:25:37 ID:CBIdIMrP

「無茶はしてもらいたくないな。ルイズ」
「はぇ…」
 ルイズはその時、ギュスターヴの片腕に抱かれて意識を朦朧とさせていた。
 ギュスターヴはとっさに駆け出し、ゴーレムの足が落ちる寸前、ルイズを捕まえて脱出したのだ。
抜き身のデルフリンガーが『左手』に握られて、右腕にしっかりとルイズを抱きしめている。
 左手の甲に刻まれたルーンが、仄かに光っている。
「おお、思い出したぜ相棒!」
「何?」
「…ちょ、ちょっと、ギュスターヴ!さっさと私を降ろしてよ!」
「ああ、ちょっと待ってろ」
 ひとまず抱き上げたルイズを降ろす。
「で、何だって?デルフ」
「思い出したぜ相棒。お前さんは『ガンダールヴ』だ」
「「『ガンダールヴ』?」」
 ルイズとギュスターヴ両方の質問の声が重なる。
「あらゆる武器を使うことができる伝説の使い魔ってやつよ。心を奮わせて俺を握りな。体から力を引き出してやれるぜ」
 試しにギュスターヴはぐっと強くデルフを握り、呼吸を変えて神経を集中させると、ルーンが一層の輝きを増す。
「ルーンが光ってる……」
「嬢ちゃん、ここは相棒に任せて下がりな。使い魔が賊を倒せたら主人の手柄になるんじゃねーの?……それでいいだろ、相棒」
「仕方が無いな…下がってろ、ルイズ」
「ギュスターヴ……。…ごめんなさい」
 再度シルフィードで撹乱されていたゴーレムは、シルフィードがあばら家の前に下りると首らしき部分を下に向ける。こちらを見ているようだった。
「タバサ。皆を乗せて森を出るんだ」
「貴方は?」
「少しばかり時間を稼ぐ」
「ギュスターヴ!……ちゃんと帰ってきなさいよ」
 無言で頷くと、シルフィードは飛び上がって馬車を留めた場所に向かって飛んでいった。



669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:26:33 ID:dkQUNvdo
支援

670 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:26:39 ID:CBIdIMrP
「さて相棒。どうするかね?こんなでかいゴーレムを」
 ゴーレムは足を落とす、腕を落とす。それを『ガンダールヴ』の力を試すように動き回りかわしていく。
「とりあえずルイズ達が安全な位置まで移動できる時間を稼ぐぞ。タバサの使い魔が飛んで馬車の準備が出来るまでだ。その後は」
「後は」
「……あれを壊す。覚悟しろデルフ。折れるんじゃないぞ」
「まかせときな」
 ギュスターヴは、このとき初めて左手でデルフを構えた。ゴーレムは足元のギュスターヴを認識して拳を落とそうと踏み込むが、
ギュスターヴは自分から踏み込んで、ほぼゴーレムの真下に立つ。
 袈裟に構えて腰を落とす。両足から両脚、膝、腰、背筋から腕、そして手首にかけてに神経を集中させる。
「『ベアクラッシュ』!!」
 一声。高く飛び上がったギュスターヴの一撃が、ゴーレムの肩に叩きつけられた。炸裂音にも似た衝撃がゴーレムの右肩を走る。
ギュスターヴの剣技の中で一、二を争う剛剣は、『ガンダールヴ』の力も合わさって深々とゴーレムの身体を進み、深く入った亀裂が
右腕を支えきれなくなって折れる。落ちる右腕を確認してからゴーレムの身体に食い込むデルフを抜いて、ゴーレムの体の上を走る。
飛び上がるようにジャンプし、デルフをゴーレムの胴体に振り込んだ。
「『天地二段』!」
 削撃音を響かせてゴーレムが切り裂かれていく。地面に達した瞬間にデルフを水平に払うと、ゴーレムの足首が切れ飛んで、
衝撃で仰向けにゴーレムは倒れた。倒れることで森が揺れて、驚いた鳥達が一斉に飛び立っていく。
「まだだぜ相棒。ゴーレムは再生できる。操ってるメイジが居る限りな」
「その通りよ。とはいえ只の平民が私のゴーレムをここまで壊せるなんてね」
背後から声かけられたギュスターヴ。声の主はミス・ロングビルだったが、彼女はギュスターヴの背中にナイフを突きつけている。
「ミス・ロングビル。何を」
「その名前はちょっと違うねぇ。私の名は、『土くれのフーケ』さ」
 握っていた剣を降ろすギュスターヴ。振り向くことも出来ず、ただ背中からの声に耳を傾けた。
ギュスターヴは抑揚の無い声で話しかけた。
「近くに居るだろうとは思っていたが、賊の正体が貴方だったとはな」
「主人を逃がすために一人で戦うなんて立派だねぇ。でもここまでさ。アースハンド!」
 地面から延びる土の腕がギュスの足を絡め取る。
「何!?」
 次に崩されたゴーレムが盛り上がって山になる。そして先ほどより小さいゴーレム――それでも、3メイルはある――が2体、形成されて
ギュスターヴの前に立った。
「そこで暫く遊んでな。私はあの嬢ちゃんたちから『破壊の杖』をもらってくるから」
フーケは悠々と森を出て行く。足を止められて追うことが出来ないギュスターヴは、拳を突き出してくる2体のゴーレムをデルフでいなすしかない。
「どうするんだよ相棒。このままじゃやばいぜ」
「少し時間が掛かるが始末は出来る。あとはそれまで、ルイズたちが無茶をしないでくれていれば……」
 



671 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:27:39 ID:CBIdIMrP
シルフィードが森を抜けて馬車を止めた場所で降りた時、丁度ミス・ロングビルが森から飛び出してルイズたちの視界に入った。
「ミス・ロングビル!ご無事ですか?」
「はい。ゴーレムが見えたので一度森を脱出しようと思いまして。……その手のものが『破壊の杖』ですね」
「はい」
 ルイズは手にしっかりと『破壊の杖』の包みを握っていた。
「改めさせていただきたいので、こちらへ……」
 破壊の杖を持ってルイズはロングビルに近寄った。ルイズがロングビルの手に届いた瞬間、羽交い絞めにするように押さえつけられたルイズの首に、ロングビルの手に
握られたナイフの刃が当てられる。
「ミス・ロングビル?!」
「大人しくしな!じゃないとこいつの首が落ちるよ!」
 粗野な言葉遣いと目の前に出来事に動くことが出来ない。
「あなたが賊……土くれのフーケだったのね」
「そうさ」
 ルイズが苦しげにロングビル……土くれのフーケに言った。フーケはひたひたとナイフを当てながらけらけらと笑って話す。
「頑丈な宝物庫の壁を壊してくれて例を言うよおちびさん。でもね、せっかく手に入れた『破壊の杖』なんだけど、使い方がさっぱり分からなくてね。
どう見てもただの杖なのに振っても何をしても反応が無い。だから人の来ないこの森まで捜索隊をおびき出して襲えば、
『破壊の杖』を使うやつがいるんじゃないかと思ったんだけど…どうやら、無駄だったみたいね」
「わたしをどうするつもり?」
「ひとまず私が馬車で逃げるまで大人しく捕まってな。後で馬車から降ろしてやるよ」
 フーケの顔が嗤っている。あの穏やかで美しかったロングビルの豹変にルイズをはじめ三人は戦慄した。
「嘘よ。薄汚い賊が離しなさい。キュルケ、構わないで私ごとフーケを打ちなさい!」
「そんなことできるわけないでしょ!」
「賊に捕まって好きにされる方が屈辱よ。早く打ちなさい」
 ルイズが盾になってキュルケの魔法はフーケに届かない。そのことにキュルケは歯噛みしていたが、タバサはなぜか視線が少しずれて森を見ていた。
「麗しい友情ってところかい?まぁいいさ。そこで私が逃げるのを大人しく見守ってておくれよ」
 フーケはルイズを引きずりながら馬車に向かって移動する。タバサがじわりと詰め寄ろうとすると、ルイズを引き寄せてナイフを首に当てなおす。
「動くんじゃないよ!本当にこいつを殺すよ」
「タバサ、やめて。ルイズが死んじゃう!」
 キュルケは何も出来ずに叫ぶ。しかしタバサの目は冷静だ。静かに声を出す。
「大丈夫。彼がいる」
「彼?」
 キュルケの脳裏にいまだ森から出てこない平民の使い魔が浮かぶ。フーケはそれを見越していたのだろう。可笑しくてたまらないとばかりにニヤニヤしている。
「あの平民の使い魔だったら、今頃森の中で私のゴーレムと殴り合いをしているよ。暫くは動けないはずさ」
「それはどうかな?」
 背後に背負った森から何度か聞き覚えのある声が聞こえて、不意にフーケは返事をしてしまった。
「え?」
 振り返った瞬間に視界に入り込んだものは、突進するギュスターヴ。手にはデルフリンガーではなく手製の短剣を握っている。
ギュスターヴは短剣を立てず、寝かせてフーケに当てて体勢を崩した。
「あうっ!」
 それを逃さず倒れたフーケに剣先を突きつける。ルイズがフーケの腕から逃げてギュスターヴの背中に隠れた。
「『追突剣』……もう逃げられないぞ、フーケ」
 ギュスターヴの空いた手にはフーケの杖が握られている。『追突剣』の際にフーケの懐から奪い取ったのだ。
フーケは起き上がってナイフを構えたが、背後に杖を構えたキュルケとタバサが間合いを詰めると、やがてナイフを捨てて両手を挙げた。

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:27:43 ID:dkQUNvdo
支援

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:28:21 ID:dkQUNvdo
支援

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:28:47 ID:DuXZQkX5
うーむ、剣技色々マスターしてらっしゃるな〜

675 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:29:59 ID:CBIdIMrP
投下終了。ゴーレム戦は難しいよ……。
ではちょいと質問。フーケ編が終わったらまた幕間っぽいものを書くつもりなんだけど、それは本当は「ライブラリ」って項目で独立して出しているんだ。
(イメージとしてはSIRENのアレね)
で、それがいやだったら幕間として書く(っていうかもう出来てる)けど、どうしようか。
れっつてれごんぐ。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:30:23 ID:u2m9NtWn
>>674
ギュス様49歳ぐらいの時に操作できて、その時結構技覚えてたような記憶がある

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:33:42 ID:j+9X3Ki2
>>675
幕間の代わりにライブラリと書いておくでおk
個人的には時系列順に並んでくれた方が後で見たとき分かりやすい。

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:34:00 ID:dkQUNvdo
>>675
構いませぬ。投下して下さいまし

あ、後投下乙!

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:37:07 ID:A3n7KxBF
この早さでこの質はありえん
アンタ、エルフ以上の化け物だよGJ

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:38:19 ID:Kh7Lv9Hc
魔砲使い>>乙です
(ほお。こちらの御主人様は随分と賢い御様子で)
↑第一感想ですw

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:38:43 ID:k0R3W85x
ドラゴンズレアから・・・

「ドラゴンも殺せない、扉も開けられない」
きゅいきゅい
「糞!ドアで死んだよ!」

「どこの世界にドアに触って死ぬ奴が居るんだ!」
「ハア”−−−−−−−−−−−−−」
「さっさと前に進めこの馬鹿!」

「吐くのやたら早いなこいつ」
きゅいきゅい
「俺がしゃがんでると頭出してこねぇ」
きゅいきゅい
「おいあいつどうやって倒すんだよ!」

682 :鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/25(水) 22:41:02 ID:CBIdIMrP
>>677-679
ありがとうございます。
一応アップ順は年代別不動で、まとめ更新のほうでは更新される方に一応任せようかと思います。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:49:05 ID:RIqaVBWQ
ファウスト先生は3m近い長身だが、バトル時は癶(癶;゚;u゚)癶 カサカサと這ってるよな。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:56:31 ID:YS1kw1z1
>>636
むじなやセイルとかもありかもしれない。
特殊技能は何も持ってないけど。

685 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:01:10 ID:+LlQlkbE
来ました。ちなみに今日Lチェンジザワールドの発売日にちなんで23:00にしました。

686 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:04:24 ID:+LlQlkbE
†ZERONOTE†
[0]ProLogue
―プロローグ―

《警告!:この物語は、なるべく原作に沿って書いていますが(どちらとも)、
殺人事件編の時またはその他諸々等でやむを得ず、物語を円滑に進める為にオリキャラ及びオリ設定+オリジナルストーリー等が存在します。興味がない、不愉快もしくは誹謗等しか思いつかない方はスルーをお願いします。
くれぐれも『スルー』でお願いします。
御了承下さい。了解して下さった方は本編をどうぞ↓》

…彼の話をするとなると、どうしてもあるノート、そしてそのノートが引き起こした事件も語らなければならない。

……デスノート。
“そのノートに名前を書かれた人間は死ぬ”死神のノート。

簡潔に説明すると、『地球』という世界である幼稚な人間がそのデスノートを手にし、稚拙極まりない理由で犯罪者を何十万人と殺す事件が起きた。
これが俗に“キラ事件”と呼ばれる物だ。
事件を解決すべく、世界一と名高い名探偵、『L』が調査に乗り出す。
キラとLの攻防は熾烈を極め……ついに決着がついた。

『L』の敗北という、最悪な形で。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:05:08 ID:qglcEnsD
>>684
一帆は特殊能力もってないが、カメならどないだ?
あるいはかえでなら、三層ハニカム構造の強化甲羅を蹴破るパワーがあるぞ。

688 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:05:25 ID:+LlQlkbE
『………夜神、月…』

薄れていく意識の中、死神のように嘲笑う青年に抱かれて、彼は真実を知った。

夜神月の肩を握り締めている自分の手から、少しづつ力が抜けていく。

『やはり…私は…間違って…………なかった…が……ま……』

しかしながら彼は、

その真実を誰にも伝える事は出来ずに、失意のうちに目を閉じた。

…これが、地球と呼ばれる世界で猟奇的な殺人者達と戦い続けてきた、世界一と呼ばれし名探偵の最後。


……………L。


その溢れんばかりの才能と功績を鑑みても、あまりにも早過ぎる、理不尽な死を迎えてしまった世紀の名探偵。
公式の記録で残ってるだけで三千五百を超える難事件を解決し、刑務所に押し込んだ犯罪者の数はその三倍を超える。
1個人でありながら、世界中の捜査機関を自由自在に動かす事が出来るだけの圧倒的権力を持ち、ありとあらゆる称賛の称号を惜しみ無く冠され、それでいて人前には決して姿を現さない

孤高にして至高の名探偵。

そんなかの名探偵の葬式は機密を保持する為に、彼がやり遂げた偉業にふさわしいとは言えない数人ばかりが出席したなんとも寂しい物に

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:05:43 ID:GwjvZmQP
頼むからちゃんと論理的に他の可能性を否定した上での推理を開陳してくださいね

690 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:06:05 ID:+LlQlkbE
なった。
…彼は今も日本のどこかの町外れにある墓の中で、安らかに眠っている筈である。


…………が。


実は彼の遺体はもう、その墓の中にはない。
…彼が日本とやらで死んでからもう約11年たったのだけど、別に遺体が墓泥棒か何かに盗まれた訳では無いし、自然に還ったって訳でも無い。
彼の体は今、日本からみれば果てしなく遠い異界の地にある。

…このハルケギニアだ。

やあ、いらっしゃい。初めまして。ミセス・ウ゛ァリエール。

ああ、そこのソファーに座ってくれ。
えっと…まずお礼を言わせてもらうよ。
先日の『第2次キラ事件』解決の御協力、感謝する。随分多大な犠牲を払ってしまった…。
でも、あなたの力を借りたとはいえ解決する事が出来た。ありがとうございました。
…悪いね。この地下室しか、使ってない部屋がないんだ。コンクリだらけで気が滅入るかもしれないがそこは我慢してくれ。
ん?ああ。ありがと、リュシー。
遠慮せず食べてくれ。リュシー特製のパンケーキだ。美味しいよ?
はい、君の分のコーヒー。
ん?ああ、失礼。何故君を呼んだかだったね。
実は、また一つ頼みたい事があるんだ

691 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:07:19 ID:+LlQlkbE
。……そんな露骨に嫌な顔せんでも…まぁいいや。とりあえずさっきの話の続きを聞いてくれ。
…そうだよ。君がこの部屋に入って来た時にし始めた話の続きだよ。
…彼がこっちに来てからのハルケギニア公式記録に残ってるLに関する記録〈データ〉では、
L(初代):年齢、性別、容姿その他一切が不明。
約四千五百を超える難事件を解決し、各国の監獄に押込んだ犯罪者の数はその三倍を超える。
昔、ガリア王国と呼ばれた国に新王国や、いくつかのL直属の機関を設立し、
1個人でありながら世界中の捜査機関、魔法衛士隊、各王家、政府機関等を自由自在に動かす事が出来るだけの圧倒的権力を持ち、ありとあらゆる称賛の称号を惜しみ無く冠され、それでいて人前には決して姿を現さない

史上最強の名探偵。

尚、2代目Lが掴んでいる情報では、初代Lが何度か指揮を執ったもよう。
記録では『アルビオン王家の大逆転』、『神聖アルビオン共和国軍撲滅戦争』、『ガリア大戦争』等がある。かの有名な『世界の終焉〈ワールドエンド〉事件』時にも、Lの働きによって解決に導かれた。

がしかし、


後に大罪を犯した為に、
現在のトリステイン国初代

692 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:07:57 ID:+LlQlkbE
大統領、アンリエッタ・ド・トリステインによりギロチン処刑を執行された犯罪者。(その際顔等は隠されていた。)とある。

そう。ミセス・ウ゛ァリエール、あなたも御存じの通り今現在彼は犯罪者としてトリステイン共和国にある犯罪者共同墓地で眠っているという事になってる。
僕はこれがどうしても、納得できない。
どこがかって?
犯罪者のくだりだ!彼は誰よりも犯罪者を憎んでいた!そんな彼が“やってもいない”罪のせいで…
とにかく、この記録は間違ってる!彼はそんな人間ではなかったッ!
僕は知ってる!これは大嘘だッ!
何故なら僕は!
彼の仲間とも呼べる人達から!
本人から、
『L』の真実を聞いたんだから!
僕は真実〈この事〉を世の中に伝えたい!いや、伝えなきゃいけない!
そうでなきゃLが浮かばれない!

でも。

君もご存じの通り、僕はあの事件を解決する為に使った策でもうすぐ死ぬ。正確に言えば残り、20d:23h:54m:37s後に心臓麻痺で。
それなのに僕はこの部屋から出る事は出来ない上に、手紙やら何やらにして人に伝える事すらも出来ない。
でも、どんな理由があろうとも、僕が死ねば初代Lの真

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:08:03 ID:2hVz6GrG
>>689
一晩でやってくれましたで即解決さ

694 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:08:45 ID:+LlQlkbE
実は永久に闇の中だ。
真実を知ってる奴は僕の他にもう一人いるけど、あいつは協力してはくれないだろう。
…だから今ここにいる君にしか頼めないんだ。

どうか、僕の代わりに世界中に伝えて欲しい。

え?『何故昨日いた他の人間じゃなくて、私が?』かって?
…それは、あの中の人間で一番信頼性が高いという点と、君の“最初の使い魔こそが”、初代Lだったという点を考慮したからだ。
ああ。そうだよ。ほんとの話だ。
だから君には、彼の真実を聞く権利と義務がある。…ありきたりな言い回しで申し訳ないがそういう事だ。
僕はあの偉大な彼の人生を、なるべく正確に誰かに伝えたい。未来の人達に遺したい。
…嫌だなんて言わないでよ。ひょっとしたらこの話を終える前に僕は死ぬかもしれないけど、それでもやれる事は…やっときたいんだ。
信じてくれ。
これから僕が話す話は全部本当の事だし、実際にこの世界〈ハルケギニア〉で起こった事だ。
僕自身も入念に調査して全て裏は取ってある。
え?僕が誰かって?
…ああ。ごめんごめん。まだ名乗ってなかったか。
僕が誰か判らなきゃ、信憑性が無いもんな。まぁ名乗っても君は知らないだろうけ

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:09:10 ID:GCdBhMm6
よぐわがんね
帰れ

696 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:09:16 ID:+LlQlkbE
ど。

…僕の名前はジム。今から約10年前、ティファニア姉ちゃんが切り盛りしていた孤児院に在籍していた一人。
今の肩書きは…二代目Lつった方が通りがいいかな?
本名:James=Lawliet〈ジェームズ=ローライト〉。
ジムは通称名。一時期は2代目L候補の一人として、“J”とも呼ばれていた。
…苗字がついたのは名探偵Lの養子になったから。ちなみに年齢は今年で17になる。
そして、この物語のナレーター兼ナビゲーター、ストーリーテラーを務める。
え?僕の義母は誰かって?…クスッ。それはこの物語が終わった時に教えるよ。
だって、一気に教えちゃうとつまんないだろ?
…じゃあ、僕とゲームをしよう。このヒントから言える、“僕の義母が誰か”推理してみてよ♪もしある程度推理できたら、話の合間にヒントあげるから。
テストヒント。僕の本名。
……………。え?全然わからないって?
プッ。ダサッ。
痛ッ。ごめんなさい!わかった。すいませんでした!説明するから殴らんといて!
…いいかい?僕の本名、ジェームズ=ローライトを見てわかるように、母さんの苗字も『ローライト』という事になる。イコール嫁に来たって

697 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:10:39 ID:+LlQlkbE
事。
そこから何がわかるか。…わかりやすく言うなら、王家みたいに簡単に苗字が変えられないような人間ではありえないという事だ。
では何故ありえないのか。例えば、仮に王が権力で無理矢理結婚を決めたとしよう。でも、世間に顔や本名を出さないような人間、しかも平民だったら国民が納得するだろうか。否!断じて否である!もしそんなのを認めれば国の沽券に関わる。
大顰蹙を買って国外追放されたって文句は言えない。普通なら子供にそんな苦労をさせようとは思わないだろう。
それと、もう一つ。駆け落ちの可能性だけど、少し頭を捻ればすぐにわかる事だ。もしそんな事をすれば国がエライ事になるのはどんなウ゛ァカでも理解出来る。
さすがにそこまで自分勝手で無責任な人間がいる訳ない。…まぁ、ある女王の事は別にして。
以上の事から、“国の要人ではない”というヒント。
まぁ、そんな事は状況次第で幾らでも変わるからこのヒントだけでは使えない情報なんだけど。
このヒントからだけなら、大体これ位読み取れるという事。
…まぁ、何が言いたいかって言うと、これ位は分からないとこれからのヒントがとけないよ?て事だ。
それから……おっと。ちょっと喋

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:10:44 ID:GwjvZmQP
せめて文体ぐらい整えてから投下してください、雰囲気台無しです
内容についてはあえてノーコメント

699 :†ZERONOTE†:2008/06/25(水) 23:11:16 ID:+LlQlkbE
り過ぎたか。もう五分たっちゃった。
…時間が無い。途中で質問や邪魔するのは無しにしてくれ。約束してくれよ?メモ帳の準備はいいかい?

ゴホン。

じゃあ、今日はハルケギニア一の名探偵、『L』の伝説が始まったその光り輝く瞬間に…

時計の針を調整しよう!

〜終〜


700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:14:46 ID:BueXfyRP
え〜と、あれだ。
内容はどうでもいいや。
半年ROMれ。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:15:11 ID:GCdBhMm6
一行感想:理想郷へどうぞ

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:15:37 ID:dkQUNvdo
容量の無駄にしかならんかったな
あと40kbか

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:17:03 ID:qFKE8EDx
これは酷い

世の中に出す前に、チラシの裏に100回書いて練習してからの方がよろしいかと

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:19:25 ID:2hVz6GrG
こうやって揉まれて人は強くなるんですね

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:19:34 ID:JyuAR83g
内容云々以前に
最低でも1つ文は1つのレスの中に収めるべきだと思う
すごく読みにくい

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:21:26 ID:GwjvZmQP
揉まれるってレベルじゃないと思う
書く前にケータイ小説以外の小説を読めとしか

707 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/06/25(水) 23:22:32 ID:+LlQlkbE
お目汚し、申し訳ありませんでした。
第一話からLだそうと思ってましたが…
ちなみに舞台は召喚されてから11年後の未来の世界です。一応。

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:23:09 ID:BueXfyRP
>>707
とりあえずちゃんとsageろ。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:24:06 ID:GwjvZmQP
現在のゼロ魔世界と関係ないならスレ違いです、自分のブログを作ってそちらでどうぞ

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:24:23 ID:h9InvNlt
設定とかはどうでもいいから、最低限文章としての基本を学んでくれ

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:28:12 ID:SmKMiqJF
釣りじゃなかったのか…

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:28:53 ID:j2gT5hXi
そして他の作品を貶めるアンチとして生まれ変わる訳ですね、分かります

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:29:02 ID:+eRYxsQn
>>699
おもしろいッッス!
早く続きがよみたいです><
早くギーシュとちちデカを酷い目に合わせて下さい。

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:29:26 ID:BhTVjzZD
このスレもあと40KBか。
このスレ中に投下したかったけど、こりゃ無理だな。

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:30:23 ID:no9gtF7c
最初に警告文を出した時点で駄目だろ。
オリキャラ、ストーリーはともかく、設定は原作準拠が基本。
「スルー」ってことは、否定的な意見には聞く耳持たないってことか?

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:31:38 ID:DRaHZGEm
一応次スレは480kbからってことになってるけどどうしたもんかね

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:31:49 ID:GCdBhMm6
いしいひさいち作品からいろんなキャラを召喚してみたいなあ
バイトくんとか広岡先生とか広沢とか

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:33:30 ID:SmKMiqJF
sageずに長文連投するんだから荒らしだな

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:33:32 ID:YS1kw1z1
えーと、質問。
これと、『ゼロと帝国』で甲乙つけるとしたら
どちらに軍配が上がるんでしょうか?
それとも、その前に勝負になるんでしょうか?



>>687
カメとかえでのコンビでもいいかもしれない。
あと、ヌクの発明品とか……
あのメンバーで一押ししたいのはおりんさんだが、
一帆と同じく特殊技能が無いからなあ。

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:34:22 ID:UqRX9U4a
?がついてる時点で地雷


721 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/06/25(水) 23:35:11 ID:+LlQlkbE
貴重な御意見有り難うございます。
今後の糧にして行きたいと思います。
尚、ついでに一つお聞きしたいのですが、第零話をなかった事にしていたただいて新たに第一話書くのは無しですか?

後、スレ違いな物書いてすいませんでした。

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:36:03 ID:GCdBhMm6
いぬかみっの香りがしてきたぞよ

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:36:26 ID:78l8F5OH
とりあえずルーブ・ゴールドバーグ・マシンとソプラノリコーダーを召喚してみるテスト

724 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/06/25(水) 23:37:31 ID:+LlQlkbE
後否定的な意見も勿論聞きます。

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:38:00 ID:Ghk4lhR0
全角でsageって時点で嵐だな

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:38:16 ID:YJOiV+DM
企業戦士YAMAZAKIから山崎でも……
あ、メンテがかなり重要で壊れやすいから修理も頻繁にしなきゃならんしあの世界じゃ無理だ
それ以外なら申し分ないのに

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:38:35 ID:mtuPeocq
無しです

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:38:49 ID:Utj9CBAG
1:内容云々以前にレスごとに文章がきちんと収まってない時点でアレ。
2:多分にスレチな内容。

話自体を否定する気はないけど(というか、俺は興味がある)、
ここじゃない投稿サイトの方がいいと思う。

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:41:23 ID:JyuAR83g
>>719
このSSは長編らしいから、その辺の話はもう少し進んでからの方がいいと思う

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:41:33 ID:r3sULw/b
ルイ・サイファー召喚を見てみたいが話にならないかな?
エルフだろうが何だろうが瞬殺だしなぁ・・・

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:42:13 ID:qFKE8EDx
>>719
丙丁付けがたい

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:43:10 ID:QvZNXvWW
>>721
君は小説を書くことよりも読むことから始めよう
投下するのは小説を理解するまでダメだよ
結構時間を費やすけど、途中で投げ出してはいけないよ
己の無能さを知ったらまた投下しなよ

まじめに書く気があるのならね…

それと全角sageはやめなよ
それって荒らしと変わらないよ…

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:46:39 ID:2hVz6GrG
鋼を読むとやっぱりおっさんと少女の組み合わせっていいよね
てことであやかしあやしから13歳少女にお前がいないとガチで告白した39歳のユキアツ
アヤガミをどうするかって問題があるけど

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:46:55 ID:dhiTskG2
とりあえず総評として
『半万年ROMってろ』
でOK?

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:47:55 ID:sHjfSRLX
>>730
強いキャラが常にバトルするとは限らんぜよ。
世の中には人修羅を召喚してる人もいるわけだし。
材料よりも料理の仕方が問題さね。
まぁ、それが難しいからみんな苦労するワケだけどね。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:50:10 ID:4TfX0wvh
そういやアクマの人修羅は未だに闘ってないのがある意味すごいな

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:50:19 ID:GCdBhMm6
閣下召喚したらルイズがマガタマを飲まされるんじゃね
そしてトリステイン全土がボルテクス界に

738 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 23:51:38 ID:3Cpy9bPr
昨日(今日の3時ごろですが)一話投下って予告したん
ですけども・・・。明日朝が早いので、完成しそうにないです・・・。

申し訳なかとです・・・。

鋼の作者様のスピードが実に羨ましいです・・・。

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:54:04 ID:DRaHZGEm
いや、十分早いというかむしろ早すぎなペースだと思うお…

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:54:24 ID:YbABJzSj
鋼の人様へ
654の四半刻は長すぎな気がしますが……?
四半刻=15分
やはり手を挙げるのに待つ時間は長くて5〜6分程度の気がします


741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:54:59 ID:GCdBhMm6
貴方も十二分に早いですよ
というかここのところ職人の投下速度が速すぎるぜ
岸辺露伴でもいるのか?

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:55:49 ID:gJT15WLV
むしろ小林多喜二

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:55:58 ID:CPP0V/+1
「すべてがFになる」の真賀田四季は召喚されたかな?

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:56:21 ID:+eRYxsQn
推敲ぐらいしようぜ

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:56:37 ID:FDHjuFlY
>>738
別に早ければいいと言う訳でもない。
周りに振り回されず、自分のペースでゆっくりやった方がいい物が出来ると思う。
書いた後に推敲とか重ねたりしてればそれなりに時間がかかるのは当然だし。

そもそも、投下が早い場合って書く速度が早いのではなく、あらかじめ書き溜めてたのを
小出しにしている場合があるから。


746 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/06/25(水) 23:57:51 ID:+LlQlkbE
有り難うございました。頑張ります。

747 :紙袋の使い魔:2008/06/25(水) 23:58:26 ID:3Cpy9bPr
励ましのお言葉ありがとう御座います。

皆さんの思いを妄想力へと換えて頑張ります。

それでは、また。失礼します。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:00:10 ID:2jqcz1ZN
成田良悟なんて超速筆だそうだがな
バッカーノを20日で書いたとか

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:00:36 ID:DthNzBA3
>>740
一刻は二時間だから四半刻は30分。

750 :鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/26(木) 00:01:51 ID:CBIdIMrP
>>740
おー引っかかる人がやっぱり…
あれはなんていうか、おかしいんだけどそのままにしたんですよ(いいわけ臭い
というのは言うとおり7,8分以下のほうが自然なんですけど、じゃあそれをどう書くか、で。
そのまま6,7分と書くのは色気が無い。じゃあ八半刻と書く?んじゃ今度は頃が悪い。
だから四半刻になってしまったんです。

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:03:27 ID:G+Q7i+uJ
今日はやけに更新されてるな、みなさん乙です

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:03:46 ID:fnbMRjLs
なんという十六半刻

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:04:56 ID:uwjXyghi
>>737
メインキャラ同士で殺し合い・・・あんま見たくないな。
しかも、メイジといえど悪魔に太刀打ちできなさそう。

魔界→現世  悪魔現世に合わせる為弱体(それでも強かった)
ボルテクスは魔界にしちゃうから100%のちからで襲ってきちゃうんだよね・・・

それ考えると、マガタマすげー

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:05:28 ID:JfCU+kCd
まぁ四半期とは言うが八半期とは言わんしな…
こういった場合に使えるなにか趣のある表現と言うとなんだろう…?

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:06:11 ID:aDUODms3
黒田洋介は一日でアニメの脚本を丸々一話書いたことがあるそうな
後は早いといえば井上敏樹か

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:06:40 ID:OODYKkMl
むしろ四暗刻。

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:07:09 ID:fM8d/kVo
井上さんを馬鹿にしてはいかんのであーる!

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:08:02 ID:s8UmdkeL
ハービー・ハンコック

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:09:32 ID:erwYYnNm
メガテンのLOW・NEWTRAL・CHAOSの3すくみがゼロ魔世界に当てはまりそうなそうでないような…

スティーブンと名乗る男から召喚の原理を説明した内容の手紙が届いて
手持ちの材料で召喚デバイスを作るコッパゲとかいいかも

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:12:40 ID:zqnGu+Jv
初SSです。
文才の無さは自覚しておりますが、自己満足ながら書いていきたいと思います。
ご感想、ご指摘、ご批判、死刑宣告、何でもお願いします。


761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:13:35 ID:attSeKms
操り人形操って、離れたところの財布をすれる……

vsギーシュ
あっと言う間に杖をすられて終わり

vsフーケ
そもそも、論理の矛盾をつかれて、その場で御用

そんな気がするな……

762 :ゼロの使い魔神?(ゼロ魔×コードギアス):2008/06/26(木) 00:14:17 ID:zqnGu+Jv
黒の騎士団を先鋒とした日本人一斉蜂起事件、ブラックリベリオン――それはゼロの死亡という形で終焉を迎えた。
だが実際にはゼロ、その正体たるルルーシュは生きていた、いやブリタニア皇帝によって生かされていたのである。
彼の契約主、C.C.を誘き寄せる餌として・・・

そして皇帝直属の機関、機密情報局。
そこでは皇帝に記憶を書き換えられ、ただの一人の生徒としてアッシュフォード学園に戻されたルルーシュの監視が始まろうとしていた。

「皇帝陛下の命のより今、ルルーシュ・ランペルージュの監視を開始する。」
「「「はっ!!」」」

「・・・隊長」
「む、どうした?」

「対象が・・・消えました」

「・・・は?」




「あんた誰?」

(――声が聞こえる。見るとそこには見慣れぬ少女がいる。
俺はロロと二人で校舎へと向かっていたはずだ。ならこの女は何だ?ロロが女になったとでも言うのか?有り得ない。そもそもここはどこだ?
学園ではない。こんな場所は見たことが「ちょっと聞いてるの?」ない。それに何故俺は倒れこんでいる?
歩いていたぞ俺は。目にも留まらぬ速さの投げ技でも受けたのか?誰が?ロロか?ロロがやったのか?しかし当の本人がいな

「聞きなさーーーーーーい!!」

はっとした。
そうだ、この女に聞けばいいのだ。
何だったか。名前だ。確か名前を聞かれていた。)

「あぁすいません。僕はルルーシュ・ランペルージ。アッシュフォード学園の学生です。あなたは?」

「聞いてたんならすぐに答えなさいよ・・・ 私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。
というか、あっしゅふぉーど学園って何?ここはトリステイン魔法学校よ。」

(魔法?何を言って・・・いや、魔法か。
魔法というものが存在するのならばこの現状を説明することが可能かもしれない)

「ルイズが平民の使い魔を召喚したぞー!」

(ルイズと同じ格好をした男が叫んでいる。発言から察するに平民の使い魔とは俺のことだろう。
とすると俺はこの女に使い魔として召喚された・・・ふっ、我ながらふざけた考えだ)

「ちょ、ちょっと失敗しただけよ」

「それっていつものことじゃないか!」
「さすがはゼロのルイズ!」

(ゼロ・・・か。ブリタニアに逆らった―あんな愚かな奴の名を充てられるとは、哀れな「ご主人様」だ。
・・・世界を変えることなど出来はしまい)

ルルーシュは彼らの発言一言一句に耳を傾けていた。
現状の把握にはそれが必要だった。

「ミスタ・コルベール!」



763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:14:29 ID:6erESX0h
なんでも早ければ良いというものではないと思うんだが…

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:14:30 ID:OiIimfxK
本スレじゃなくて、避難所のほうがよかったんじゃないかなって気がする

765 :ゼロの使い魔神?(ゼロ魔×コードギアス):2008/06/26(木) 00:15:13 ID:zqnGu+Jv
そう叫んでルイズは彼女がコルベールと呼ぶ男と話し始めた。
召喚をやり直したいといったルイズに対し、召喚は神聖なもの、進級のために必要なものだとコルベールが反対している。

(やはり魔法の存在を当然としている。
魔法・・・いや確信するにはまだ早い。他にも可能性は・・・)

そう考えつつもルルーシュの立てた確率分布には一つ際立つものがある。
そしてそれは確実に増加し続けているのである。

するとルイズは渋々了解した様子で戻ってきた。

「あんた感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて普通は一生ないんだからね。」

(こんなこと・・・何をする気だ。
男との会話からして俺に危害を加えることはないはずだ。ここは待って状況を・・・

―――んっ!)


ルイズは呪文のようなものを唱えた後、ルルーシュに口づけをした。
そしてルルーシュはこの突然の行為に呆然としていたが

「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ!」

(左手に痛み・・・っ!この痛みは明らかに現実のもの・・・夢などではない・・・)

左手を押さえ悶えつつも、ルルーシュは一つの可能性の消滅を実感していた。

「使い魔のルーンが刻まれているだけよ」

淡々とルイズは言う。
対しルルーシュは彼女を睨み付けるので精一杯といった様子である。

「はぁ・・・はぁ・・・」

しばらくするとルルーシュは落ち着く。
だが実際に落ち着いていたのは体だけで、頭では激しい自問自答が為されていた。

「ほぉ、珍しいルーンだな」

コルベールという男が言う。
そしてその言葉はますますルルーシュを混乱させていく。

「では皆教室に戻ろうか」そういってコルベールは・・・飛んで行った。
何の機械を使うこともなく。

それにつられて他の生徒も・・・飛んでいく。
ルイズに何か言っている様だがもはやルルーシュの耳には入らない。

(・・・認めざるを得ないのか。魔法の存在を・・・)

ルルーシュは落胆した様子で座り込んでいる。
今そこはルイズとルルーシュを残すのみである。



こうしてルルーシュの、使い魔としての新しい日常は始まった。


魔神が目覚めるその日まで・・・

766 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/06/26(木) 00:15:36 ID:/nFWYJvE
鋼の人
カップのお茶が冷めるほどの時間とかといった表現はどうでしょう。
  (たしか、ルナルの表現で、約5分だったと思う)

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:18:02 ID:bqZaorIK
>>750
>>766
江戸時代には
「線香が燃え尽きるまで」「茶が冷めるまで」
という表現があったそうです。
この辺に準えると、
「カップのお茶が冷めるほどの時間」
というのは確かによさげですね。

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:18:38 ID:2jqcz1ZN
古代中国では、一日を48等分ないし96等分したのを「刻」というらしい(ほぼ30分と15分)
十二支に配分した刻は漢代に出来たもので「辰刻」というそうな

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:18:51 ID:bqZaorIK
そしてsage忘れスマンorz

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:24:49 ID:IBcL9gkb
>ルイ・サイファー召喚を見てみたいが話にならないかな?
エンゼルハートのルイなら見てみたいが

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:28:15 ID:OiIimfxK
>>760
大丈夫だと思うけど、勘違いすると悪いから一応言っとく

>>764>>686へのレスね

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:29:47 ID:dwTZLIgI
>>760
理想郷からの転載ですか

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:29:58 ID:lD13/861
>771
避難所でも実質オリキャラ物はお断り

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:30:49 ID:2jqcz1ZN
コトワリを開くなら

ルイズ:ヨスガ
タバサ:シジマ
アンアン:ムスビ

とかかな?

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:35:47 ID:cR7DgfqF
>>765
どっかで見たと思ったら理想郷だったでござる、の巻

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:35:58 ID:JfCU+kCd
>>823
流石にそれはあんまりだお…
元店員としては涙なくしては語れないお…

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:36:24 ID:JfCU+kCd
すまん誤爆した…

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:39:41 ID:2jqcz1ZN
意外?にもまとめに別のルルーシュ召喚ものが(これはこれでアレだが)
ttp://www35.atwiki.jp/anozero/pages/4212.html

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:43:47 ID:DRyAUlF0
>>775
理想郷で同じタイトルの見たな、と思ってスルーしたがやっぱりそうだったか。

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:47:09 ID:Xy7+ephs
転載したのが本人だったら理想郷に削除依頼物だな


別人?論外ですよ?

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:54:22 ID:s8UmdkeL
いくらなんでも別人によるアラシじゃねぇか

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:55:56 ID:JfCU+kCd
まぁこのタイミングだからその可能性が濃厚かな。

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:56:14 ID:lD13/861
ID:+LlQlkbE=ID:zqnGu+Jvとか適当に言ってみるテスト

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:58:06 ID:OODYKkMl
どっちにしてもwikiには登録しない方がいいという事か。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:58:15 ID:QZ0xogH+
ID:+LlQlkbEと一緒にしたらID:zqnGu+Jvがかわいそうだよ

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:01:35 ID:JfCU+kCd
その点は心配しなくても誰も登録しないと思う。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:05:33 ID:2jqcz1ZN
現在478kb、そろそろ次スレの時期という世界か…
どーせまたテンプレ荒らしが来る悪寒の世界だが

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:10:15 ID:9Rv74+We
荒らしの中で

789 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/26(木) 01:11:06 ID:dkfoaikW
輝いて

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:11:59 ID:PJUKtjEd
>>767
シチューがさめない距離、というのを思い出したが関係ない。

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:14:46 ID:FPdoCO0Z
ちょっくら次スレ立ててくるわ〜

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:16:08 ID:QZ0xogH+
投稿したいなぁと思って妄想しているネタは大体がスレ住民がついてける気が全くしないマイナー作品というジレンマ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:17:36 ID:PJUKtjEd
>>792
そう思ってると、存外知ってる人が多くてびっくり、というのがお約束。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:18:28 ID:kHLUNPGh
>>792
そう思っているのは、本人だけかもしれんぞ。
このスレの住人、テリトリーがむちゃくちゃ広いからw

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:19:29 ID:QZ0xogH+
>>793
マジでー? ちなみに主にTRPGリプレイのネタとか書きたい

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:20:40 ID:owrGZCBQ
>>795
卓ゲ住人、やたら多いぞ?

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:21:53 ID:PJUKtjEd
まあ、実際のところ、誰もネタを知らんでも、書いてみて面白ければ正義。

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:21:59 ID:FPdoCO0Z
次スレね〜

http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1214410855/

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:23:43 ID:DRyAUlF0
>>795
ソードワールドとのクロススレは一時期卓ゲ総合にしちまおうという話が出てたくらいだぞw

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:24:01 ID:QZ0xogH+
>>797
確かに、面白ければ正義か

あとはマンネリ化されている召喚からフーケ辺りをどうするか・・・・・・

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:26:22 ID:4oiFIZ/G
大半のはフーケ倒して終わってるからな

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:27:24 ID:et+xK2Wu
>>795
このスレに今までにソードワールド、ナイトウィザード、ダブルクロス、アリアンロッド、迷宮キングダム、最近ではゲヘナが投下されてる。

なに書くの? りゅうたまかそれともガープス系?

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:29:10 ID:FPdoCO0Z
D&D

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:29:20 ID:OiIimfxK
>>714
まだ起きてるのなら、次スレに投稿してはどうだろう?

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:30:29 ID:QZ0xogH+
>>802
まとめwiki見てきたら確かに結構あるのね しかしなんか未完とか一発ネタが多い罠
ダブルクロスとか考えてたけど、まだ未投下っぽいアルシャードガイアで頑張ってみようと思う

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:31:48 ID:W9p95+zu
フーケは美人で良い身体してるし、個人的には仲間に加えるのを推奨するぜ。

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:35:50 ID:2jqcz1ZN
小ネタならルーンクエストもな

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:39:30 ID:AM+V1g6q
>>795
TORGは?
(馬鹿は絶版TRPGの名を出してきた)

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:42:23 ID:QZ0xogH+
>>808
素で分かんなかったからググってきたけどやっぱり知らないぜ畜生w
絶版RPGでいうなら、パラノイアネタとかもやりてぇ てかなんかみんなしっかりレスしてくれてありがとう

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:42:32 ID:y5hFLBlB
ここでGURPS妖魔夜行ですよ

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:44:00 ID:JfCU+kCd
wikiみても原作知ってるのほとんどないよ。
でもゼロ魔SS好きでwiki眺めてる人なら原作知らなくてもたいていさわりくらいは読むと思うよ。
俺がそうなんだが。
最初は原作知ってて長く続いてるやつが読んでくけど、読むものなくなったら原作知らなくても読んでみる。
ゲームブックなるものの存在すら知らんかったけどソーサリー・ゼロは楽しめたし。
特に最近だと黒蟻は毎回楽しみだ。

逆に知ってるけど読まないやつとかあるな。タイトルで避けちゃったり。
どんな原作にしろ書き手によるから偏見はよくないんだけどなー。
フロウウェンとかナツカシスwと思って興味なかったけど読んでみたら面白かったし…

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:44:02 ID:aolv2B3J
>>743
されてないとは思うけど、あんなんどうすんだよw

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:49:38 ID:JfCU+kCd
あ、間違えてる。
×長く続いてるやつが読んでくけど
○長く続いてるやつから読んでくけど

使い終わったスレだとどうでもいい訂正をしやすくて助かるぜ…

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:03:32 ID:OoyG+/ax
>>811
そもそもゼロ魔自体読んだ事がない俺みたいな奴も居ますよw

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:09:43 ID:JfCU+kCd
>>814
奇遇だな。実は俺もなんだ…

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:12:13 ID:23KyvOl4
俺はなんでか3巻まで読んでから1年放置だ

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:12:50 ID:OiIimfxK
実はオレも…

で、興味があったからとりあえず一巻だけ買ってみた



まぁ、読むのは一緒に買ったやつを読み終わってからになるけど

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:13:21 ID:et+xK2Wu
全巻持ってるけど1,2巻を流し読みした程度なんだなこれが

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:14:32 ID:QT6IHP22
>>814-818
異端どもが!

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:14:41 ID:QZ0xogH+
このスレ見てから買い始めた俺がいる

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:17:53 ID:JfCU+kCd
原作知らないとキャラのイメージが沸かないのが難点だな。
主要キャラは知ってるし興味あるキャラはぐぐるで調べるけど、ワルドとかいまだに脳内でイメージした姿のまま…
いつか原作とかアニメ見て全然違ったらショックを受けるかもしれん。

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:19:50 ID:orFXR6dp
>>821
アニメや原作挿絵の方が間違ってると考えれば良いと思うよ
イザベラ様とか

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:19:56 ID:aKHghlJE
>>809
端的にいえば色んなジャンルの異世界が展開している地球を冒険して元に戻す>TORG
英国はファンタジー世界、フランスはサイバーパンク+中世神権政治、エジプトはアメリカンコミック+マッドサイエンス……てな感じ。
ファンタジー魔法使いがサイバーパンクな銃を撃ってもいい(いろいろ不利になるけど)。

ゼロ魔的にはジョセフがダークネスデバイスを手に入れてハイロードになって地球に攻めてくる、かな?
それに地球人平賀才人が巻き込まれていくとか。

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:25:36 ID:23KyvOl4
ワルドのロンゲに髭の長身って実にサザンロック
http://www.markmcgee.com/images/album_covers/the_best_of_gregg_allman_front-cover_500x480.jpg

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:28:18 ID:KpAGlELw
>>808
TORGか……ルイズの召喚の影響で異世界と繋がっちゃったハルケギニアってのは妄想するな。
異世界の侵略者に一丸となって戦う虚無の担い手とか男前なアンアンとか、
仮面のヒーローコルベールとかサイボーグニンジャVS妖怪メイジとか、
オローシュな吸血鬼を退治したりカナワの艦隊爆破作戦を挫くタバサとか。

似たような路線で、足洗い邸ネタでルイズの召喚と同時に大召喚がおこって、
騒がしすぎる世界になったハルケギニアとかも妄想したな。
万魔学園化する魔法学園に悪魔先生。鋼鉄メイド隊の一員と化すシエスタ。
修行により音声変換券を身につけたルイズ、もちろん先代はカリン様。
神鉄の如意機で自在に変形する「魁刀乱魔」デルフリンガー。
復活したブリミル率いる「中央」で傀儡を演じるアンリエッタ。
新たな世界を創るべく「大いなる意志」の部品となった「耳の鬼」ビダーシャル、とか。

しかしトーグのルールブック失くしたし、みなぎ作品は絵が無いとダメだろーしなぁ……

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:36:52 ID:JfCU+kCd
>>824
これがワルドか…なるほど。
わかったよありがとう!

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:38:10 ID:Qos/KsiF
>>824
なんか挿絵とかじゃ?って感じだったが
実写だとなるほどって思えるな

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:42:47 ID:i47Po2Wi
TORGって…地球をハルケギニアにすりかえるとか?
4人の虚無の使い手が4人のハイロードを呼び出すなんて事になったら…。
ハイロードが支配している地域は各々の支配世界になっていくから貴族連中
涙目じゃ済まなくなるぞ。

例として日本を支配しているニッポンテックの世界になったら、魔法の使用が
かなり制限される=矛盾が発生して最悪その世界の思考に考え方が移行する。


829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:43:04 ID:tZDvNuAl
この顔でヘタレマザコンってのが笑える

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:45:04 ID:nyPXMZ7I
>>824
これがワルドか。
たしかにこれならロンゲヒゲでも違和感ねぇな。
しかしマザコンか……

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:48:40 ID:OoyG+/ax
でも原作読んでなくても楽しめるってのは凄いな
ルイズとか読んでてああこりゃ人気出るのもわかるわって思うしな
ゼロの提督とか両方原作読んでないのに楽しめるしw

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:50:25 ID:aKHghlJE
>>828
それはいろいろ危険なんで>>823のように侵略者側コズムにした方がよろしいかと。
ハルケギニアの人々がどんどんやってくるんだけど、実はそれは侵略レルム安定化を目論むハイロードジョセフの陰謀だとか。
レルムを展開させる場所は……オーストラリアかアフリカ南部かな?

「コナン」を書いていたR・E・ハワードもマザコンだったらしい。
母が死んだショックの余り自分も後を追って自殺している。

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:58:47 ID:lRgp02Ur
TORGサークルでコミケで本売りする私が通りますよ……

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 05:53:22 ID:/Cu/fPAD
サガフロ2繋がりできますた。鋼の人乙
やはりサガ世界からギュスを呼んだ以上
ギュスだけでは盛り上がりに欠けると思うのですよ

以下チラ裏個人的に導入してほしいリスト。
・オーバーツにクヴェル登場
・アニマ使える人を登場
(ストーリー的に違和感なく出せる人はリッチあたりをティファニアに召還させるとか)
・敵サイドにはやっぱりエッグ。別世界にもう1個あったという設定で。

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 06:30:01 ID:4WOhdFkV
>>787
今更だが奇妙スレに帰ろうか

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:21:07 ID:/PtGGINN
>>831
どっちかだけでも読めよ・・・

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:45:44 ID:bqZaorIK
原作は1巻を読んで続きを読むのを諦めた俺が通りますよ。
確かにこのスレ、「いやこれ誰もわからんだろ」なネタにも
一人や二人は食いついてくるからなぁ。

きちんと原作を読んでれば刹那零召喚とかやってみたかったが、
それ以前にそっちの原作本が行方不明な罠。
この前本棚整理した時処分しちまったかorz

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:52:37 ID:FdfLJBi1
俺はここと奇妙スレのゼロ魔SSから全巻買いに走りましたよ。
原作ゼロ魔は、軽い味わいのスナック菓子的やめられない止まらない感が売りだと思う。
グレード高いお料理期待して味わうと、肩すかしで読む気なくすかも知れないが。

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:56:03 ID:kgQtKZGt
>>834
理想郷にでもいってらっしゃい。

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 08:03:51 ID:/PtGGINN
>>838
 ラノベはお手軽感がうりだからなぁ

 そのスナック菓子くらいくっとけよ、という話だが

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 08:15:24 ID:Q2AfK3k9
読むだけなら原作知らなくても問題ないだろう。
書こうと思えば必須だけど。

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 08:22:59 ID:FdfLJBi1
読み手に徹する分には知らなくても問題ないよな。面白みは減るかも知れないが。
書いたり、書かないまでも何か意見言うとかの場合は読まなきゃダメだけど。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 08:35:52 ID:Su8YZtST
>>824
ロンゲに髭と言われてキャプテン・ジャック・スパロウが連想された俺

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 09:09:31 ID:xPmat+FT
>>840
手軽といっても場合によっちゃ1000ページ超えてるものも…
あれを菓子にたとえるなら何だろうな?

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 09:15:12 ID:m/3l0jT2
>>844
その量のハッピーターンなら食える
その量のピザポテトは途中でうんざりする

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 09:24:20 ID:KpAGlELw
コンビニで売ってるおせんべいじゃね?
こう、スナック菓子より歯ごたえと腹持ちがある的意味で。

847 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/26(木) 10:09:51 ID:dkfoaikW
短いから先に書いちゃおうかなぁと思ってさらさら書いていたらこのスレもあとちょっとで容量一杯か…
消えかけのスレにぱぱっと投下して希少価値を上げよう!とか思ったのに。

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:08:24 ID:TBwT0ymF
ゆりえさま召喚

「ええ?わたし神様呼んじゃったの?」
「そいつぁ凄いわ!すぐさま神殿作ってお賽銭で一儲けよ!
 で、あなた何出来るの?何も出来ない?神様業ナメんなぁ!」
「・・・・・・落ち着け」

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:43:15 ID:VyOqxXo+
500KBならワンピースからルフィ、キッド、ロー、ゾロ、キラー、白熊召喚

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:55:42 ID:et2pZSTg
神様よぶならオヤシロさまを…
…ルイズがすぐに首を掻き毟りそうだな…

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:20:29 ID:FdfLJBi1
あれは神様呼ぶというか端から見てると伝染病

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:20:33 ID:7wpz+SUe
そろそろアレ来ないのかな?
ホラなぎ払えーってやつ

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:25:36 ID:WExlp9oU
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりってあと5kかよ!!  <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:37:24 ID:NjPCt1xg
うめうめ

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:43:35 ID:dzoVbViD
ハッピーターンうめぇwwwww

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:55:14 ID:rlJCmCY9
まりもっこり召喚。

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:56:34 ID:TBwT0ymF
スナック菓子ならおさつスナック最高

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:58:39 ID:rlJCmCY9
袋菓子なら原点回帰でかっぱえびせん。
たまに食うと、「おや、いつの間にか空っぽ」に。

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:03:01 ID:dzoVbViD
くまのプー太郎からロジャー召喚

ルイズ「一体なんなのかしらこのツボは…」サスリサスリ
ロジャー「(カパッ)アイアイサー!」
ルイズ「な、なんか出てきた!?」パッ
ロジャー(パタン)
ルイズ「(;゚Д゚)……??」

その後契約するけど常にさすってないといけないから結局役立たず

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:03:40 ID:rlJCmCY9
餓狼伝説より、ギース・ハワード召喚。

「ギィィィィィーーーーース!」
「ボガァァァァァァァドォォォォォォォーーーーー!」
 遂に、テリー・ボガードの拳がギース・ハワードを捉えた。
 堪らず、蹈鞴を踏むギース。バルコニーのガラスに手をついて踏みとどまる。
しかし、それは致命的な隙だった。
 面を上げた彼の眼前には、テリー・ボガードの「氣」を纏って燃える拳が恐るべき勢いで迫っていたのだ。
「終わりだ!ギース!バーン・ナックル!」
 砕け散るガラス。
 そして外へと投げ出されるギースの体。
 
 サウスタウンで最も高い建造物、通称ギースタワー。
 その屋上ペントハウスから、ギースはまっ逆さまに落下していった。

 百数十メートルもの落下に、通常の人間は耐えられない。落下の途中で意識を失ってしまうと言う。
 しかし、鍛えられたギースの心身は、たたきつけられる空気の壁にも、迫り来る地表への恐怖にも耐えることが出来た。出来てしまった。

 輝く街の灯はまるで宝石の海のよう。
 ほんの数秒前まで自分の手にあった宝石たちはぐんぐんと迫りくる。そして、数秒後にはその灯の下で、自分は無残な屍をさらすのだろう。
 そう考えると、なぜか笑みがこぼれる。

 らしくもない感傷だ、と彼は目を閉じた。

 だから、地表に叩きつけられる寸前、彼と地表の間に、輝く銀盤が突然生み出されたことに、彼は気付くことはなかった。












 そして、次の瞬間、ギースはハルケギニアの大地に激突して肉片になった。

 彼を召喚した少女は全身に血や肉やその他もろもろを浴びて心に深い傷を負ったがそれは余談である。

FIN.

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:11:41 ID:oVrHFEqX
埋め埋め うめーたーてー まいにちまいにち埋立地に行く

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:17:30 ID:dzoVbViD
マザー2からゲップー召喚




ハルケギニアがゲロまみれでござるの巻

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:18:43 ID:oVrHFEqX
500KBならS線上のテナからアルン召喚。

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:19:11 ID:wwc3sy4v
500kbならベルファレス召喚。

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:21:16 ID:dzoVbViD
500kbならハルケギニアがハッテン場に

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:21:35 ID:Vfrq5aEc
500だったら、続きを書こう・・・

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:21:41 ID:YVtW1qyk
500KBなら魔想志津香召喚。

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:21:48 ID:5stOUiTA
500kbなら火の鳥が

869 :864:2008/06/26(木) 14:23:01 ID:wwc3sy4v
間違えた……
改めて、500kbならべアルファレス召喚

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:23:20 ID:XER1c2IG
500kだったら召喚された黒人ロック歌手と一緒にルイズがジョイフルジョイフルを歌う。

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:23:25 ID:7lNyazR0
500kだったら聖石さんのSS復活希望

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:24:09 ID:YVtW1qyk
500KBなら宇宙おてつだい召喚。

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:26:19 ID:Vfrq5aEc
>>870
読みたいw

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:28:22 ID:nvgkU/jl
500Kだったら萌え石油召喚

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:28:26 ID:BApbCUt8
500kbなら蓬莱学園召喚。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:36:11 ID:prwn2xOd
500kbなら藤枝梅安召喚

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:37:56 ID:2lrylh/M
500なら日曜に続き投下

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:40:42 ID:WR1rjsZz
埋めよう

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:49:19 ID:aDUODms3
んだんだ

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:50:40 ID:7lNyazR0
漫画版モンスターコレクション(作画:伊藤 勢)より
碧鱗の王をタバサが召喚!


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