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ネギま!の○○がデスノートを拾ったら:4冊目

1 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/08(日) 12:11:00 ID:???
ネギまキャラがデスノートを拾ったら?をお題に妄想するスレです。
小ネタ、SS、小説歓迎

過去スレ
ネギま!の○○がデスノートを拾ったら
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1179412754/
ネギま!の○○がデスノートを拾ったら2冊目
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1192008977/
ネギま!の○○がデスノートを拾ったら:3冊目
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1206004067/

まとめサイト http://64.xmbs.jp/ch.php?ID=negima&c_num=120646

前スレで連載してた暗黒史作者です。
投下しようと思ったら規制にドハマリするわ間一日で前スレ落ちるわ散々でした。
それでは、前スレより引き続き暗黒史Director’s cut
投下続行します。
改めて説明しますと、これは、過去作品「暗黒史」三部作と同じ世界で
そこでは描けなかった場面、裏側で起きていた事を描いていたものです。
終わりは見えていますが、投下はDCの最初の予告よりも多くなりそうです、すいません。

2 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/08(日) 12:12:16 ID:???
では、今回の投下、入ります。

前スレ>>78

<「暗黒史X」まとめ「50」、2スレ>>135あたり>
2010年5月10日。
刹那は、深夜の庭園で夕凪を鞘に納めていた。
「私は無駄足だったらしいな」
デザートイーグルをホルスターに納めた真名が言う。
その周辺は死屍累々の様相を呈している。
「仕事か?神の啓示でもあったのか?」
刹那が静かに言う。
「私が依頼人を明かすとでも思ったか?そう言うお前はどうしてここにいる?」
「今は亡きとは言え、我が主が大切にしていた人、危機とあらば駆け付けても不思議はあるまい」
「しかし、まだいるんだなこの手の馬鹿は」
「保育園の事件とそれに対する大量処刑と言うキラの報復、警告。
キャスターMPによる告発報道でカーニボー自体が激しく動揺、
カーニボーの壊滅は最早避けられない情勢。
だが、それはもう少し先の話になる。
既にトップクラスはカーニボーを見放し、
そうでなくてもキラを追って麻帆良に踏み込む事が命懸けだと痛感しているが、
裏社会でもはぐれ者の一発屋や破滅目前にやぶれかぶれの起死回生組と言った動機で
こうして動いている馬鹿は私の知る限りでも二桁のグループに上る」
刹那が掌を見ながら言った。
「こいつらがここでしようとしていた事を知った時、
今の飼い主は震え上がり大小便を漏らして新世界の神に土下座するのだろうな」
「どうせこんな連中を飼っている奴だ、他にもロクな事はしていないだろう」
刹那は冷たく切り捨てた。

3 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/08(日) 12:13:24 ID:???
「売れっ子先生は忙しい事だな」
煌々と明かりの灯る御殿の窓を眺め、真名が言う。
「どうした?亡き主への報恩だけではない、まだ負い目を背負っていると言う事か?」
「負い目など、消える筈がないだろう、すべき事をするしかない」
刹那は、静かに、遠くもない過去の事を思い返していた。

(回想)
早乙女ハルナは、マンションの一室にいた。
うじゃうじゃと信者がいた、調子に乗っていたあの頃にパーッと買ったこの部屋も、
そう遠くない日におさらばとなるだろう、あの頃掃いて捨てる程いた信者みたいに。
そう、その中には、実際この世からおさらばした者も決して少なくない、
あの頃の、その境界線上をふらふらと、辛うじてこの世に足を止めている自分の心そのまま、
その危うい心を映し出したペンの痕跡そのままに。
そう、もうそれでもいい。やるべき事はやったのだから。
あと何時間と言う単位、それで、自分の役割は終わる。終わりの始まり。
「いいネ」
ハッと振り返ると、そこに、見覚えのある女性が立っていた。
「ちゃお、りん?どうやって…」
赤いほっぺにドングリ眼、同い年の女性が悪戯っぽい笑みを浮かべ、
手にした紙片をめくっていた。
「それって…」
「心配ナイ、只のコピー。これを手に入れるぐらいの才覚はアル」
「そう…ちゃんと、もう準備は出来てるからさ」
「いいネ、実にイイ。実に楽しい」
「そうでしょう」
ハルナが笑みを浮かべる。
「うむ、素晴らしいクラスね」

4 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/08(日) 12:15:41 ID:???
>>3
「そうでしょう。ちょっと退場してもらうけどさ、ちゃーんと超りんの居場所もあるんだよ。
超りんの居場所、超りんのクラス、超りんの友達、超りんの、せん、せい…
だってそうでしょ?みんな、みんなみんな、ちゃんとあったでしょう?」
「うむ、ちゃんとあった、友達、先生、みなあそこに、私の前にあたものだ」
「だよね」
「実に楽しい、これは、いいものだ…
いいものを見せてもらた。そろそろおいとましよう」
「そう?お茶ぐらいしてったらいいのに」
「いや…客人は他にイル、まだ、もう少し顔を合わせる訳にはいかないものでネ」
悪戯っぽい笑みと共に、超は、かき消す様にハルナの前から姿を消した。
入れ替わる様に、音もなくドアが開いた。
「来てくれたんだ」
返答は無かった。
「お迎えに上がりました、早乙女さん」
「…みんなの所に、連れて行ってくれるの?…」

今回はここまでです。続きは折を見て。

5 :マロン名無しさん:2008/06/09(月) 03:19:54 ID:???
4じゃなくて3、5だろ

6 :マロン名無しさん:2008/06/09(月) 13:00:26 ID:???
まあでも復活オメ

7 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/09(月) 14:57:57 ID:???
>>5
不勉強だったとしか言い様が無い私のミスです、本当にすいませんでした。

では、このまま今回の投下、入ります。

>>4
刹那は、静かに首を横に振った。
「そう…それでも良かったんだけどね」
「その必要はありません」
「もう遅いって事?」
ハルナは、少し挑発的な目を向けた。
「全て、処置いたしました」
「まさか」
「本当です」
「本当、に?」
小さく頷く刹那を前に、ハルナは脱力した。
「出版、印刷関係はもちろん、あなたがバラ巻いたディスク、
あなたからの合図が途切れた時に
そのディスクのパスワードや原稿そのものをネット上に公表する様に手配していた関係者、
その他何重にも仕掛けられていたネット上、オフラインの公表の仕掛け、
魔法協会の総力を挙げて一晩でやらせていただきました。あなた自身を除いては」
「じゃあさ」
ハルナが疲れた口調で言った。
「もう、やっちゃってよ。永久に消しちゃってよ、私の存在諸共。
無くなっちゃったら、もう、生きてる意味なんかない。
生きてたら何回でもやるよ」

8 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/09(月) 14:59:07 ID:???
>>7
「その必要はありません。ご同行願います」
「嫌だと言ったら?」
「力ずくでも」
「見たんでしょ?私の最高傑作」
「ええ、読みました」
「面白かったでしょう。苦労したんだよー、
Lなんてさぁ、随分ヤバイ所まで手ぇ突っ込んで、やっと存在掴んだんだから。
異様に個性的な名探偵と脳みそ ネ申 の領域入った超絶イケメン殺人鬼、
頭脳的でオカルトな殺人兵器にキャラ立ちまくりの持ち主ってさ、
ツボだよツボ、腐れ要素満載、最高受けるよこれ」
「そうですね、よく出来た、面白い漫画でした」
「ありがとう。そっちも結構面白いんだけどさー、でも、やっぱり、やっぱりね…
スカしたサスペンスもいいけど、やっぱり、一回ぐらい楽しい学園生活、描きたい訳よ。
だから、描いた訳よ。楽しい学園生活って奴」
「読ませていただきました。面白い、楽しい学園生活、読ませて、いただきました」
「でしょ。ね。私と、私の大事な友達、大事な先生。
時々ちょっときつくても楽しい学園生活。ほんとは、そんなクラスだったんだから。
そんなクラス、そんなクラスがあったっていいでしょうっ!」
机を叩き、啜り泣くハルナを刹那はただ静かに見つめる事しか出来なかった。
「ほんとはさ、そんな、そんなみんなで楽しくバカやって、そんな、クラスだったんだから。
あったものを、勝手に消されたものを、ちゃんとあった事に、それだけなんだから」
「あなたには、楽になっていただきます。あの時、そうすべきだった様に」
うつむいたハルナが、小さく首を横に振った。
「そんなの…そんなの、私じゃない。
みんなの事、みんなの思い出を忘れる、そんなの、そんなの私じゃない…」
「あの事は、あなたにとって、ちょっと辛い過去の思い出、
それ以上でもそれ以下でもない、そう言う事になります、
皆さんの事、決して忘れる訳ではありません」
「同じだよっ!」
ハルナが顔を上げ、叩き付ける様に言った。

9 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/09(月) 15:00:18 ID:???
>>8
「同じだよ…みんながいたから、みんなが大切な人達だったから、
だから、この痛みも苦しみも、だから私なんだよ…
分かるでしょ、ね、刹那さんも分かってるんでしょ?」
冷酷であろうとしている刹那の顔、その奥に隠されたもの、ハルナには見えていた。
「このかが…みんなが…それでずっと苦しんで来た刹那さん。
消せないでしょ、そんな痛み」
「…後悔しています…」
刹那が小さく言った。
「最初から、そうするべきだった。あなたの苦しみ、最初から、いや、知らない方が良かった。
しかし、私にはそれが出来なかった。だから、今まであなたを苦しめ続けて来た」
「感謝してる。この痛み、この痛みで私は、みんなと繋がって来れた」
「それは、私のエゴでした。私が、私の弱さ、自らの罪を消す事への後ろめたさ、
それだけでした」
ハルナは、小さく首を横に振る。
「ね、刹那さん。私たちのいた3‐Aはね、3‐Aは、楽しいクラス、
悲しいだけの思い出なんかじゃない」
「ええ、そうです。悲しいだけの思い出なんかじゃない。
あんな日々は、二度と訪れない…」
「私だけの夢じゃない、見たんでしょ?私の、麻帆良学園3‐A」
刹那は改めて頷く。
「いたでしょ、刹那さん」
刹那が、小さく頷いた。

10 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/09(月) 15:01:42 ID:???
>>9
「刹那さんも、あのクラスにいるんだよ。みんなと一緒に。
格好いい刹那さん、
クールにしてるけどちょっとお茶目で天然で時々突っ込まれてあわあわして、
本当は凄く優しくて、最高格好いい刹那さん」
「私は、そんなものではありません」
「私のキャラ見る目は確かだっての。そんな刹那さんがさ、
刹那さんとこのかと、アスナとネギ君。のどかゆえ吉私、
ゆーなもアキラも美空も、みんなみんな、あのクラスにいるんだよ、
あのクラスで、このかと、アスナとネギ君と、みんなと泣いて、笑って、いるんだよ」
「いいですね、そんな、クラス、あんなクラスで過ごす事が出来たら、夢みたいです…」
「夢だから、夢を売るために私はペンを握ったんだから。
それぐらいいいでしょ、刹那さんだって、あんなクラス。あんなクラスあって欲しいでしょ、
ね、刹那さんもさ、このかと、このかとアスナとネギ君と、私とみんなと楽しく、
楽しくってパワフルで、時々ちょっと青春の葛藤があってちょっと辛くても、
それでもとびっきり楽しいキラキラ輝いてる、
そんなクラス、そんなクラスがあったっていいでしょうっ!」
机を叩き、啜り泣くハルナを刹那はただ静かに見つめる事しか出来なかった。
「そんなクラス、あったっていいでしょう…
ほんとは、そんなクラスだったんだから。
ほんとはさ、そんな、そんなみんなで楽しくバカやって、そんな、クラスだったんだから。
あったものを、勝手に消されたものを、ちゃんとあった事に、それだけなんだから」
「夢の、麻帆良学園3‐Aは、早乙女さんの夢の中。
早乙女さんの夢の中に静かにあるべき、そんな思い出なんです。
私などには、もったいない…」
刹那は静かにハルナの後ろに立ち、首筋に打ち込んだ手刀を引っ込めた。

今回はここまでです。続きは折を見て。

11 :マロン名無しさん:2008/06/10(火) 02:47:29 ID:???
氏の書くロワ短編とかも見てみたいな

12 :マロン名無しさん:2008/06/10(火) 10:38:16 ID:???
乙華麗!

13 :マロン名無しさん:2008/06/10(火) 21:14:15 ID:???
>>11
またお前かw

14 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 00:28:53 ID:???
>>11
てか、こないだ投下してなかったか?
あんまし評判良くなかったけど

15 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 04:02:36 ID:???
>>14
毎日スレ覗いてるが見てないぞ

16 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 18:02:43 ID:???
名前変えてるんだよ
そんなにファンならわかれよw

17 :マロン名無しさん:2008/06/13(金) 23:06:59 ID:???
ほす

18 :マロン名無しさん:2008/06/14(土) 03:03:58 ID:???
>>16
分からない
教えて下さい

19 :マロン名無しさん:2008/06/14(土) 21:24:34 ID:???
>>18

ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1210519150/864

ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1210519150/873

20 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/15(日) 11:41:15 ID:???
少し間が空きましたが、今回の投下、入ります。

>>10

<「暗黒史The Last M」まとめ「上巻」、2スレ>>409あたり)
「はぁ…はあ、はぁ…」
うずくまり洋式便器に顔を向けていたのどかが、ようやく呼吸を整え唇を拭う。
レバーを引いて半ば消化された朝食の大半を下水に流したのどかは、
普段は飲まない様な洗面所の水道でうがいをする。
もうすぐめまいのする様な空腹に襲われる筈だ。憂鬱を覚えながら病院の廊下に出る。
「宮崎のどか」
「…エヴァンジェリン、さん…」
トイレから戻る途中ののどかに、茶々丸を従えたエヴァが声を掛ける。
「言っておかなければならない事がある。まあ、もう見当は付いていると思うがな」
のどかは、観念したかの様に長椅子に腰掛けた。
「身ごもっているな?」
「はい」
「ぼーやの子か?全く、貴様と言いぼーやと言い、いい子面してする事だけはしていた訳か?
…母は強いな」
今までに無い眼差しでキッと睨まれたエヴァは不敵な笑みを返していた。
「あ、ご、ごめんなさい。そうですよね…
でも、私が悪いんです。ネギせんせーが辛い時、そんな時に私が…
だからお願いします、ネギせんせーの事は悪く言わないで下さい」
「ふざけるな、悪名だろうが何だろうが、仮にも自分の子だ。
自分がやった事の責任から逃れる等と、貴様が惚れた男はそんな卑怯者だったのか?」
のどかは首を横に振った。

21 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/15(日) 11:42:20 ID:???
>>20
「私とて別に説教をしたい訳ではない。
ガキが盛ろうが孕もうが本来知った事ではない。
だが、伝えておかなければならない事はある」
エヴァの口元から薄笑いが消え、宣告を、逃れがたい確証を待つのどかは、
避けられ束ねられた前髪の下から真剣な眼差しを向けた。
「…覚悟は、出来ているらしいな。やはり、母は強しか…」

<「暗黒史X」まとめ「16」ー、1スレ>>681あたり)
保育園を訪れた月とウォレスことアイバー、それに千鶴と夕映が、
ガラステーブル越しに向かい合っていた。
テーブルには一葉の写真。
「これを撮影したのは修学旅行の時ですか」
「はい、そうです」
夕映が答えた。
「哀しい写真です」
月が改めて言った。
「朝倉和美は現在国際手配犯として行方不明。
神楽坂明日菜さん、桜咲刹那さんに至っては、
行方以前にこの学校にいたと言う事だけが辛うじて分かっていても、
そもそもどこから来て何者でどこに行ったのか、本当の所は分からない。
この写真を撮影して一年もしない内に、
ネギ先生は事故死近衛木乃香さんは自殺。死亡日に至っては同時でしたね。
そして、宮崎のどかさん、あなたの親友と伺いました」
夕映がこくりと頷いた。
「彼女も、翌年の三月に死亡した。
死因は心臓発作による病死。既往症無し。
これは一連の連続死亡事故の最初となった明石裕奈さんに酷似している。
しかも、出産直後だった」
「出産直後の不慮の死と伺いました」
千鶴が落ち着いた口調で言った。

22 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/15(日) 11:43:36 ID:???
>>21
「既往症などが無かった事から、病院では警察に連絡、
司法解剖と病院独自の調査依頼を同時進行で行っています。
解剖CT組織検査血液検査結果は何れも白。事件性皆無の単なる心臓発作による突然死の急病死。
しかし、いくつか気になる事がある」
「何でしょう?」
月の言葉に夕映が問う。
「確かに、様々な資料、データからは事件性は読み解けない。
しかし、僕が当時の関係者やその周辺も含めて色々閲覧したり聞き込んだところでは、
妊娠後の経過は極めて順調だった。
通常の出産にも十分耐えられる状態でしたが、病院では迷わず帝王切開を最初から予定していた」
「15の女の子、それも双子ですよ」
千鶴は笑みすら浮かべて言った。
「確かに。しかし、病院側の対応はそんな生易しいものではなかった。
明らかに生死を懸けた体制だった」
「普通は生死を懸けないとでも仰りたいのですか?」
「失礼」
千鶴の静かな問いかけは、それだけでも月を圧倒した。

23 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/15(日) 11:44:50 ID:???
>>22
「しかし、僕の言いたい意味はご理解いただけると思います。
つまり、元々麻帆良大学病院は第一級の病院ですが、
宮崎のどかの出産は、残っているものではなく、僕がつなぎ合わせた情報で聞き込んだ限り、
明らかに超ハイリスク出産対応だった。
僕が掴んでいる事前の状態とこの対応は明らかに食い違っている、
こんな対応の必要性を予見出来る内容ではなかった。
にも関わらず、宮崎のどかは出産の直後、心臓発作で蘇生の甲斐無く命を落とした。
まるでこの事が起きる事を予見していたかの様な病院の対応と、
それをも超えた全くの突然死。これは余りにも異常です。
しかし、手術ビデオ等からも心臓発作への対処も又完璧だった事が立証され、
それ以外の死因も判明しなかった事から刑事事件としては立件されなかった。
その事自体もかなりおかしい。
遺族などが動く前に、病院は即座に警察に通報、司法解剖を求めると共に、
CTを初め外部機関への組織片や血液の鑑定依頼など、徹底し過ぎている」
「あの病院は事故の対応に関しては極めて公明正大で知られているです。
あなたが言う様に、万全の状況で原因不明の心臓発作で死亡、
先んじて徹底調査を求める事は考えられるです」
夕映が言った。
「結局、宮崎のどかさんの死亡については、
事前の検査結果も異常な程に綿密に残されていた事もあって、
不慮の病死として決着しました。前の年に同じクラスで発生したいくつかの死亡事件と同様に。
死亡した母親、しかし、子供は至って健康に生まれた。二卵性双生児、男と女の双子の赤ちゃん」
「ええ、そうです、とっても元気な赤ちゃんでした」
千鶴がにっこり笑って言った。
「まずお伺いします。父親はネギ先生ですね?」

今回はここまでです。続きは折を見て。

24 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/16(月) 02:19:09 ID:???
引き続き、今回の投下、入ります。

>>23
「はいそうです」
夕映が即答した。
「十歳で教師で父親…」
月が、嘆息と共にばりっと頭を掻く。
「一度だけの過ちでした。あの時、受け持ちの生徒がバタバタと亡くなり、
二人とも心身共に追い詰められていたのです」
夕映が言う。
「…十歳、小学生ですよね?」
「恐らく、お話ししてもご理解いただけないと思います。
只、私にのどかを責める事は出来ないです」
「いえ、子供と言う言葉ではくくれない、素晴らしい子供、神童と言ってもいい、
そう言う人物だった。それは捜査の結果からも理解しているつもりです」
月が言う。

25 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/16(月) 02:20:21 ID:???
>>24
「子供ですよ」
千鶴があっさりと言った。
「ネギ先生は、十歳の子供。
確かにずば抜けた才能を持っていました。それだけの努力もしていました。
でも、決して神の子なんかじゃない。
どんなに背伸びしても、まだまだ助けの必要な十歳の男の子でした」
「母親の死と共に生まれた元気な双子。しかし、生後間もなく離ればなれになった。
宮崎のどかの親類である日本の養父母と
ネギ・スプリングフィールドの血の繋がらない親族であるイギリスの養父母に。
イギリスに渡りイギリス国籍を得た後です。
しかし、その後の事がよく分からない。
イギリスに渡った後がまた、確かに存在する事は存在する、
しかし調べる事は出来ない。仮に調べたとしても真実が出て来るとは思えない」

夕映は、昨日の事の様に覚えている。
「この事態を収拾するためには、正真正銘の血族である姫様の力がどうしても必要なのです。
しかし、無理にとは言えません。本当に、こちらでの平穏な生活、それを捨ててもいいのですか?
改めてあなたとそのご学友と、短い間でしたが共に過ごして私は覚悟を決めました。
あなたが今まで通りそれを望むのであれば、私も…」
ドネットが言おうとする。正確には「姫様の存在」の筈だった。
「色々あったけど…ナギやガトウさんが命懸けで守ってくれた訳だけど、
聞いたら、思い出したらもう放っておけない。
ドネットさんや高畑先生、学園長先生やみんなにも迷惑掛けられない」
そう言う明日菜の腕の中で赤子が笑い、明日菜も微笑みを返す。

26 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/16(月) 02:21:27 ID:???
>>25
「それにさ、この子、この子もさ、
あっちでナギに、ネギに負けない立派な魔法使いに育てて見せる。那波さん…」
「大丈夫、こちらの夫婦も立派な方、きっと、きっといい養父母になる」
「那波さんが言うなら安心だ」
明日菜がへへっと笑い、千鶴がにこりと笑みを返す。
「…双子ちゃんだから言う訳じゃないけどさ、
立派な魔法使いを目指すのかこっちで平凡に暮らすのか、
ナギの事もネギの事も見てたから、どっちがいいのか正直分からない。
でも、ネギと本屋ちゃんの子、あの二人が見てる。
どっちの道を進んでも、どんな運命にも負けない強い子だって信じる」
「私もです。千鶴さんや私も出来るだけの事はするです。
と、言っても、まだ学生の身ですので大した事は出来ませんが…」
「うん、夕映ちゃんは夕映ちゃんでやる事あるんでしょ。
私も…私もさ、きっとやる事やって、それで、みんなの前に…」
「時間的に、そろそろ発たないと」
ドネットが言い、明日菜が手を振る。
「アスナさん」
明日菜が、振り返った。
「必ず、必ず見つけ出して、必ずアスナさんと共に!」
叫ぶ夕映に、明日菜はにこっと笑った。
その名残惜しそうな笑顔、決して忘れられない、あの爽やかな明日菜の笑顔が思い出せない、
それが、今生の別れ、夕映が見た明日菜の最後の笑顔。

今回はここまでです。続きは折を見て。

27 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/17(火) 01:25:44 ID:???
では、今回の投下、入ります。

>>26

<「暗黒史X」まとめ「34」、1スレ>>846あたり>
野ざらしに近いバラックの建ち並ぶ、荒涼たる景色。
フードの中に色違いの瞳を隠し、ローブ姿の少女が行く。
少女は、一つだけ灯りの漏れるバラックに足を踏み入れた。
中では、トサカが剣を研いでいる。
「よう、姫様」
「…私の命令、届いていなかったのですか?…」
フードを下ろしたアスナが言う。
「俺が、あんたの言う事、素直に聞いた事あったか?」
「そうだね…」
「ああ、あんたにゃ色々と、随分な事言いまくったからな。
別にあんたが悪いって訳でもないのによ」

28 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/17(火) 01:26:49 ID:???
>>27
「真っ先にそうなるべき立場、生まれでありながら私はのうのうと生きていました。
何を言われても当然の事です」
「そんなきれい事言える間はまだまだだけどな。
何言われても強気に見せて、陰じゃ随分泣いてたってのも聞かされた。
まあ、そのたんびにおふくろにはぶっ飛ばされ
周りからはシ○・ア○カだなんだって散々言われたけどよ。
けど…あんたが、姫様が、とっくに助かってる筈の姫様が最後の最後までこうしてる、
俺のせいじゃないかぐらいは考える訳だ」
「これは、私が決めた事、あんたなんかに決められたりしない」
「そうだな。じゃあ、これも俺が決めた事だ。
こうなりゃこっちも最後まで突っ張るしかないって訳だ」
「最後まで、逆らうと言うのね」
「ああ…ただ、最後の最後までバカだと思われたくないから一応言っておく。
あんたはいい女になっていい姫様になった、みんながあんたを尊敬してあんたに付いて行った」
アスナが、顔を曇らせる。
「今更そんな面見せんな、ムカ付くんだよ。
みんながあんたを尊敬してあんたに付いて行った、それは間違っちゃいない、
じゃないとバカ過ぎるだろ。そんぐらいは分かってるからよ。
そんなあんたとここまで一緒に思い切り暴れて来たんだ、悔いはねぇ」
「そうですか、では、明日は大丈夫ですね」
アスナは気丈な声で言った。
「ああ、」
「じゃあ、明日はあなたに大任を任せても大丈夫ですね」

29 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/17(火) 01:28:55 ID:???
>>28
「だーいじょうぶ!まーかして!」
ア○リカであれば即座に放送電波が途切れるポーズを決めたトサカが、
アスナの拳を腹に受けてぐらりとくずおれた。
「…あなたに、大任を命じます。親孝行を尽くす様にと言う、これ以上無い大任を…
来ていたんですね、ドネットさん」
ドネットは、アスナの背後に静かに立っていた。
「お手紙をお持ちしました」
「ありがとう」
ドネットから受け取った手紙を開き、可愛らしいホログラムにアスナの顔が綻ぶ。
「予断を排するためにも身元は伏せていますが、
養成学校入学当初からメキメキと頭角を現し、
今や参加を許されている初等部高学年をも圧倒する実力です。
寝る間も惜しみ修行、学問に励み、開発した三つの魔法技術が学会で大絶賛。
秘密保持のため仮の開発者として誰を代役に立てるか対応に苦慮している程です。
先天的に膨大な魔力と才能、何よりたゆまぬ努力。
行く行くはアリアドネー騎士団を背負って立つ千年に一人の逸材と言われ、
正直取り次いだ私も鼻が高い程の賞賛です。
付け加えると、そのルックスと実力、ストイックなまでの努力家、将来性、
何よりその分け隔て無き優しさにより、騎士団候補十歳未満クラスの異性は
本人とは全く無関係に日常的に修羅場を展開しているとの事です…姫様?」
顔を曇らせるアスナにドネットが声を掛ける。
「…きちんと…きちんと休んで、遊んで、無理にでもそうさせてって、
そう手配して下さい…」
「さすがですね。実は、高学年、中等部クラスの騎士団候補として、
既に初出動すら内々に計画されていたのですが、
審査に当たったカウンセラーからも同様の警告が出され、
それを延期し対応を協議している所です」
「そりゃあね、だって、あの子、そっくりなんだもん…」
アスナが、遠くに眼差しを向けた。

30 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/17(火) 01:30:03 ID:???
>>29
「申し訳ないと思っています。
バレたら只では済まないのに、ドネットさんずっと陰から私たちの力になってくれた」
「連邦政府に属する者として、あなたの帰国、それ以前から関わっていながら
この事態を防ぐ事が出来ず、また一人麻帆良学園3‐Aに辛い歴史が刻まれる。
あの時見送った人々に顔向けが出来ない。
あなたをここに連れて来たのは私、あの学園であの事件の後も平和に暮らしていた、
穏やかな人生を過ごす事が出来たあなたを。
あの時ほんの少女だったあなたに、私はその責任を果たせなかった。
この悔いは生涯忘れないでしょう」
涙こそ流さなくても、声の震えは隠せなかった。
「ドネットさんは精一杯やってくれた、あの子の事だって…
私も、精一杯やった、自分のやるべき事を、それだけの事。
私に悔いがあるとしたら、
それは、ネギの事も、あの子の事も、最後まで見守ってあげる事が出来なかった…
ドネットさん、お願いします」
アスナが鈴に束ねられた髪を垂らして深々と頭を下げた。
「必ず」
「有り難う。では、最後のお願いです」
アスナが足下を見た。
「彼の事をお願いします、力ずくでもなんでもオスティアに放り出して。
これ以上、お母さんを、誰のお母さんでも、泣かせるのは沢山です」
「承りました」
「ありがとう」

31 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/17(火) 01:31:09 ID:???
>>30
「それでは、そろそろ」
「色々、有り難うございました」
「…立場はどうあれ、
あなたは私が出会った中でも素晴らしい姫様であり、素晴らしい女性でした。
それだけは、この無力な私の言える真実です」
笑顔で手を振るアスナを背に、ドネットはバラックを出る。
学園での快活な笑顔を知るドネットにとって、痛い笑顔だった。
あの笑顔はもう二度と戻っては来ない。それを奪ったのが自分である事が突きつけられる。
アスナはバラックの中に戻り座り込んだ。
「…素晴らしい、訳がない…
私が、私が、私に付いて来た人みんな、こんなに大勢殺し、て、
逃げられない、絶対に逃げられない…逃げちゃ、いけない…
怖い…怖いよ…高畑先生…ナギ、ガトウさん…ネギ…
…ネギ、このか、みんな…会えないよね私…地獄に堕ちるんだよね…」

今回はここまでです。続きは折を見て。

32 :マロン名無しさん:2008/06/18(水) 23:03:14 ID:OV9lOtgr
トサカwwwww

33 :マロン名無しさん:2008/06/18(水) 23:42:15 ID:H3FfEHnp
やあ (´・ω・`) ようこそ
君の名をデスノートに書いたから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
死神の顔も三度までって言うしね、謝って許してくれと言っても許すつもりはない。

取り消す方法はただ一つ
↓このスレに行き
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1211904878/
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1208965100/

 *  、-'ヾ'''ヾ`"''','、、 ,            _____
  _-'"         `;ミ、         /:::::::::::::::::::::::::\〜
 _-"ミ;ノリ人ノノヘ/リ; `゛゛ ミ       /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\〜
 >ミ/         'γ、` ミ      |:::::::::::::;;;;;;|_|_|_|_|〜
 了| "~`、  "~"`   {,',; ;} 。     |;;;;;;;;;;ノ∪  \,) ,,/ ヽ〜
 "7 `⌒`   ⌒   }ミ:. {      |::( 6∪ ー─◎─◎ )〜 
  '|   /       レリ*       |ノ  (∵∴ ( o o)∴)〜  
+  i  (       }ィ'        |∪< ∵∵   3 ∵> ハァハァ
   `  ー---    /|` +        \       ⌒ ノ
    ヽ  ̄    / |__           \_____/
     `i、-- '´   |ソ:     
      ↑                    ↑
     キラ派                  L厨

と書くことなんだ。しかも書けば書く程効果アップ
じゃあ、他の注文を聞こうか。

34 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/19(木) 14:17:27 ID:???
では、今回の投下、入ります。

>>31

<「暗黒史The Last M」まとめ「中巻」と「下巻」の間、2スレ>>416以降あたり>
「あーあ、さすがに病み上がりの出品はきっつかったなー」
悲劇の年となった2003年、
京都旅行も終わり、残り僅かな夏休み、ハルナが寮の部屋で椅子に掛け背伸びをしていると、
ドアのインターホンが鳴った。
「はいはーい」
ハルナがドアを開けると、そこには刹那が立っていた。
「桜咲、さん?」
「今、よろしいでしょうか?」
「うん、いいけど」
刹那の思い詰めた様な表情に不審を覚えながら、ハルナは応じた。
「…宮崎さんは定期検診でしたか…」
「うん。まあ、色々大変だ」
応接セットのガラステーブルにジュースを置きながらハルナが言う。
「でも、珍しいね桜咲さんが私んトコなんて」
ハルナに言われても、刹那はじっと下を見ていた。
そして、ガバリと土下座をした。
「ち、ちょっ、どーしたのっ!?」
ハルナが止めても、刹那は床に額を擦り付けて動かない。

35 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/19(木) 14:18:30 ID:???
>>34
「ちょっと、ねえやめてよっ」
「あなたに、お話ししなければならない事があります」
「何?」
震える声で言う刹那にハルナの口調も真剣なものとなる。
「真相です」
「真相?真相?真相って、何?
もしかして、みんなが死んだ事とかのどかが妊娠した事とかそんな話?」
「その、真相です」
「分かった、桜咲さんが、それもこんな事で冗談言うって思えないし、聞く。
私だって心壊れそうに、いや、半分以上壊れてるか、それで病院出て来たばっか。
決着付けてくれるってんなら付けてよ」
刹那が顔を上げた。
「まず、一連の死亡事件が極めて異常な事である事を思い出していただきたい。
通常の科学の範疇では起こりえない事が実際に起きたと」
「で、何?まさか呪いだとか言い出さないよね?」
「そのぐらいの発想が必要になります」
「じゃあ何?ハッキリ言って、何言っても笑ったりしないから」
「ラン」
刹那が指先に火を灯す。
「私は、魔法使いです。ネギ先生もお嬢様も魔法使いでした。
そして、宮崎さんも明日菜さんも魔法使いです、いや、でした」
「魔法、使い」
「思い出して下さい、修学旅行でもあなたはかなり異常な世界のすぐ側にいた事を」
刹那が、ぴらりと二枚の紙人形を見せる。
「わあー」
それは、その場でチビ刹那とチビハルナに化けた。
簡単な印で、それは紙切れに戻る。

36 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/19(木) 14:19:45 ID:???
>>35
「うん、分かった。取りあえずそう言う事があるってのは。続けて」
「そして、今回の一連の死亡事件、これは私たちの魔法の範疇すら超えている、
デスノートの仕業です」
「デス、ノート?」
「文字通り死のノート。死神が使う小道具です。
このノートに名前を書かれた人間は死ぬ。
正確には、書いた人間が思い浮かべた顔の通りの名前を書けば、死にます」
「ノートに名前を書いたら、死ぬ?」
きょとんと尋ねるハルナを前に刹那が頷いた。
刹那は、懐紙と矢立を取り出し、さらさらと「早乙女ハルナ」と書き付けた。
「これがデスノートならば、あなたは程なく死んでいます。そう言うノートです」
「そう言うノート、って、そんな簡単に、死ぬの?」
「死にます。だからデスノート。一定のルールの範囲であれば
ノートに記入する事で死ぬ時間や状態すら指定する事が出来ます。
だから、あれだけの死者が、何の痕跡も残す事なく…」
「誰?誰が、誰がそんな事、誰がみんなをそんな、
死神、死神がそんな事したって言いたい訳?」
「いいえ、やったのは人間です。
葛葉刀子先生。彼女も魔法使いでした。
そして、魔法使い同士の詰まらない勢力争いの手先となって、
巨大な魔力と家柄を持つ木乃香お嬢様とネギ先生、
有力な魔法使いの子供である明石さん美空さん、そして真相に近づき過ぎた大河内さんを、
殺めた」
「全然、分からない」
ハルナがぽかんとした口調で言う。
「…まだ、何か隠してる?」
黙ってストローでジュースを飲む刹那にハルナが言う。

37 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/19(木) 14:20:53 ID:???
>>36
「ねえ、それだけじゃないんでしょ?何か、もっと言いたい事、
言わなきゃいけない事あるんでしょ?」
ハルナが問いを重ねる。
「ちゃんと言って、刹那さん、聞くから、聞くからちゃんと言って、
もう、除け者なんて、何も分からないでなんて嫌だから」
「分かりました」
ふうーっと息を吐いて刹那が言った。
「デスノートには、宮崎さんの名前も書かれています」
「…のどかの?それって何?のどかも、死ぬって事?」
飲み込めないまま言うハルナの前で、再び刹那が土下座した。
「分からないよそんなのっ!ちゃんと、ちゃんと言ってよっ!!」
「宮崎さんはネギ先生の従者、魔法使いとしての仮のパートナーでした。
その能力は、人の心を読む事。
そのため、犯人の事を知ってしまい、口封じのためにデスノートに名前を書かれてしまった」
「おかしいよ、デスノートに名前書かれたら死ぬんでしょ?
のどか、のどか生きてるよ」
ハルナが笑い声を上げて言った。
「デスノートには色々とルールがあります。
まず、デスノートに名前を書かれた人間は死ぬ。
これは、先ほど言った名前と顔が一致している限り、一度書き込まれたものは絶対原則です。
デスノートは、名前を書かれた人間以外の死を直接招く様な死に方をさせる事は出来ない。
他の死を招く様であれば名前を書かれたものが第三者の死を招かない状況下で心臓麻痺となる。
こう言うルールもあります」
「…赤ちゃん…」
口をつぐんだ刹那の前で、少し考えていたハルナが言った。
「のどかが死んだら赤ちゃんも死ぬ、
だからのどかはデスノートに名前を書かれても死ななかった…
なあんだ、そうだったんだ…
…ちょっと待って…」
刹那が顔を背けた。

38 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/19(木) 14:22:00 ID:???
>>37
「じゃあ何?
赤ちゃんが生まれたら、のどかが死んでも赤ちゃんが死なない状況になれば、
そしたらのどか、のどかは死ぬって、そう言いたいの?」
「恐らくは」
ハルナが、カクンと脱力した。
「そんな…そんなのって…
何?じゃあ私、私あそこで、あそこで死んだって思って、やっぱり生きてて、
私、ぬか喜び、それでこれから、赤ちゃんが生まれるの、のどかが死ぬの、
黙って見てるしかない、そう言う事?アハ、アハハハハ…」
「申し訳ございませんっ!!」
「何で刹那さんが謝ってんのよっ!?」
「私が、宮崎さんを殺しました」

今回はここまでです。続きは折を見て。

39 :マロン名無しさん:2008/06/19(木) 19:29:55 ID:???
ほぉー。そういう事だったか。


40 :マロン名無しさん:2008/06/20(金) 20:00:22 ID:???
はやいけど保守

41 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/22(日) 12:15:31 ID:???
では、今回の投下、入ります。

>>38
「?何?桜咲さん、何言ってるの?」
刹那のハッキリとした言葉にも、ハルナは聞き返した。
「葛葉刀子先生は、私の剣の師でした。
その葛葉刀子先生と共に不審な死亡事件の警備に当たる。
そのために、そのために私は、私の知っている仲間の能力、それを葛葉刀子先生に提供した。
もちろん、宮崎さんの能力も。
それが、信頼する相手と少しでも確実な警備をするために、
知っている事は話しておいた方がいいと、取り返しの付かない間違いでした。
デスノートがあれば武力の面では圧倒的。
その中で唯一と言っていい程恐ろしいのは心を読む宮崎さんの能力。
だから、彼女は宮崎さんを監視し、ついに、秘密が知れたと知った時、決行した…
私が、私の油断、私の人の見る目の無さが宮崎さんを、赤子の母親、
早乙女さんの親友みんなにとって大切な人を、死に追いやって、しまいました」
「そうなんだ…」
ハルナが虚ろな声で言い、刹那は額を床に擦り付ける。
「そうなんだ…桜咲さん…刹那さん、大切な人に裏切られたんだ」
刹那が、ハッとして顔を上げた。
「その事、誰か知ってる人いるの?」
「アスナさんも綾瀬さんも、恐らく知っています。
だから、アスナさんたちが刀子先生の身柄を確保しようとした時、
私は楓に誘われて朝のウオーキングに出かけていた。
虫の報せで抜け出して現場に駆け付けましたが、間一髪、宮崎さんの身が危うい所でした。
刀子先生はデスノートを持っていた上に実力派の魔法使い。
その刀子先生を確保しようとしたにも関わらず、私はおろか、
楓と言う即戦力まで割いて私を切り離そうとした。
そこまでして私の事を警戒していた、信用されてなかった。他に考えられません」

42 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/22(日) 12:16:36 ID:???
>>41
「ねえ、刹那さん、私、絶対許さないよ」
虚ろな表情で言うハルナを前に、刹那は又顔を伏せる。
「これ言って刹那さん、切腹する気なんでしょあの時みたいに?
私、そんなの絶対許さないから、
勝手に楽になんかなったら、絶対許さないから、それだけ覚えといて」
顔を上げた刹那が見たハルナの顔には、力が戻っていた。
「刹那さんが、のどかの事助けてくれたんだ」
「そんなものではありません。こうも残酷な方法で宮崎さんの命を奪ったのは私。
皆もその事は知っている。なのに、責める事もしない、何も言わない」
「それは、刹那さんの責任じゃないって分かってるからでしょ?
やっぱりさ、刹那さんだって辛いの分かるし、なかなかその状況、かける言葉出て来ないよ」
「分かっています…
分かっています。皆さんがそう言う人達なのだと言う事は。
しかし、今の私には、この宙ぶらりんの今の私には、その優しさが一番…」
「うぷっ!」
刹那の顔が、柔らかいものに埋もれた。
「刹那さんよりはちょっとした付き合いだけどさ、私、このかの友達だった、
親友でいられたって信じてる、信じたい。
このか守れなくて、助けられなくて、刹那さんがどんだけ苦しんでるか、
分からないとでも思う?
私の目の黒い内はさ、このかが一番悲しむ事、
そんな事、このかが一番大事にしてた人に絶対させられない訳よ。
大体、これ以上3‐Aが寂しくなるなんて耐えられる筈ない、
刹那さん、私まで殺す気なの?」
床に、ボタボタと二人の涙が留まる事なくしたたり落ちた。

43 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/22(日) 12:17:44 ID:???
>>42

「ただ今ーハルナー」
「お帰り、のどか。どうだった?」
「うん、順調だって。お腹すいたー」
「三人分食べまくりだねー、ついこないだまでゲーゲー死にそうにしてたのに」
「五月さんのお陰かな?」
「それをちゃーんとマスターして再現してるのは誰なのかなー?」
「ありがと、ハルナ…ハルナ?」
のどかは、きゅっと抱き締められた。
「ハルナ、ハルナ?」
「聞いた、刹那さんに。のどか、知ってたの?」
ハッとしたのどかは、頬に落ちた熱い滴を前に小さく頷いた。
「ごめん…私、ハルナに…」
「ごめん、気が付いてあげられなくって、
只でさえさ、体だけでも大変で学校でも家からも死ぬ思いしてるのに、
のどかそんな…そんな、一人でそんな怖い思いしてたなんて、私、何にも知らなくて…」
のどかは小さく首を横に振る。
「怖かったよね、のどか…」
ついに、のどかは声を上げて泣き崩れた。
「決まった訳じゃないよね、ね。
これから、これからなんだから、そんな、ね。
もう決めたんだから、のどか決めたんだから、私なんかよりずっと強いんだから。
死神なんか、デスノートなんかに負けない、絶対に、負けない。
だから、元気な赤ちゃん産んでさ、元気なお母さんになろうよ、ねっ!」

44 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/22(日) 12:18:54 ID:???
>>43

<「暗黒史X」まとめ「50」、2スレ>>135あたり>
2010年5月10日。
ハルナは、御殿の自室の一つで、大量の蝋燭に火を付けた
「誕生日おめでと。
私、何か大切な事忘れてる。でも、なーんにも思い出せない」
ごろんとベッドに転がったハルナは、蝋燭の中心を見る。
オレンジ色の炎の中には、今は亡き親友、
彼女が命を懸けて愛した、可愛らしく凛々しい先生。
そして、大勢の友達。大切な思い出を形に留める一葉の写真。
「のどか」
「せんせーっ!印刷所止まって応接室で三社編集バトロワ始まってまーすっ!」
「オッケーッ、一晩でやってくれますよーっ!」
ハルナがガバリと立ち上がる。
ハルナは、修学旅行の最終日、ナギの別荘で撮影した幸せと希望に溢れた集合写真に
ちょっぴり苦い笑顔を向け、蝋燭を消して駆け出した。

「窓が開いているな、洋楽か」
御殿の庭で、刹那が呟く。
「snowか、いい曲だ」
「そうだな」
「分かるのか、お前に?」
真名が、ふっと笑みを浮かべる。
「別に雅楽ばかりを聴いている訳ではない」
「今度カラオケにでも招待しようか?」
「考えておこう、お前の今の飼い主の事が片付いたらな」

今回はここまでです。続きは折を見て。

45 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/24(火) 13:57:46 ID:???
では、今回の投下、入ります。

>>44

<「暗黒史X」まとめ「75」、2スレ>>347あたり>
「おいっしー♪」
「そやろ、どんどん焼けるでぇ」
大阪で一仕事終えた夜、小太郎の案内で生野区にある小さな焼肉屋を訪れていた愛衣は、
その店内の雰囲気に最初はちょっときょろきょろしていたが、
カウンター席で焼けた所を口にするや上機嫌になっていた。
「おいしー♪お肉もとろけそうだけど、他もみんな、コリコリトロトロォ」
「おお、あっちゃこっちゃ旨く食わせてくれるでこの店」
「あんちゃん」
上機嫌で二人の食事が進む中、店のオヤジが小太郎に声を掛ける。
荒っぽい仕事をしていた小太郎の昔からの馴染みだった。
「いい雰囲気やな、こいつでいっちょ力付けてくか?」
「おお、くれくれ」
小太郎が、渡された刺身に旨そうに取りかかる。
「あれー、コタローさんいいなー」
ごくごくと生中を傾けていた愛衣が言う。
「ん?食うか?」
「食べて見るかお嬢さん」
ちょっと毛色の変わった所に連れて来られたらしいお嬢さんに、オヤジもニヤッと笑って言う。
「はい、あ、お代わり下さい」
愛衣は、刺身とジョッキを受け取ると生中の肴にパクパクと口に運び始めた。

46 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/24(火) 13:58:54 ID:???
>>45
「あー、それ…」
「ええ、留学中にドイツ人の友人にご馳走になった事が。
ホーデンってお刺身でもいけるんですねー♪
…あれぇー、もしかしてびっくりするとか思いましたぁ?
キャハハハ、もーっ、だからお子ちゃまはぁーっ」
「いいイトはん連れて来たなぁー」
ぐびぐびと生中で舌を洗う愛衣を前にオヤジが笑う。
「ああー、もう、イザてなったら俺より腹ぁ据わてるて」
「お代わりぃー」
「お、おいおい、大丈夫か?」
「あれー、コタローさん妬いてますー?
駄目ですよー、まだお子ちゃまなんですからコタローさんが飲んだら私が捕まっちゃいますぅ♪
これ食べて呑まないなんて嘘ですよー、ねぇ」
愛衣ににっこり笑われて、オヤジがカラカラ笑ってビールを出す。
「この美味しさでこのお値段でー、これはとーぜんビールでしょー♪
お子ちゃまはジュースで我慢してなちゃあーい」
「あちゃー、やっぱ店間違ったか俺…」

「おいおい、しっかりせぇや」
「だーいじょーぶですってぇ、わたしぃ、おねーさんなんですからー」
「うわー、酔っ払いー?」
「男の子まだ高校生ぐらいじゃない?ひっどーい」
「でも、男の方ちょっといくない?」
「どうもー」
「おいおい…」
くすくす笑う観衆に愛衣がケラケラ笑って手を振り、
小太郎は盛大に嘆息しながら愛衣を背負って歩く。

47 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/24(火) 14:00:23 ID:???
>>46
「ったく…お前、実は実戦経験少ないやろ、酒飲みの」
「らーいじょうぶれすらいじょうぶー、ほらー、進め進めぇコタロー進めぇ」
「あ、分かった分かったたたた耳引っ張るなっ!
ったく、人間変わる、な…」
「うにゃー」
小太郎の背中で、愛衣がぎゅっと抱き付き、
愛衣の両脚も小太郎の前に回されてその体をぎゅっと抱き締めていた。
「コタローさーん」
「何や?」
「わたしぃ、コタローさんの事、だーいすきれぇーっすっ」
「お、おい、何言うて…」
「わたしぃ、コタローさんの事だぁーいすきぃ、那波さんにもぉ、誰にもぉ、
ぜぇーったいわたしたっくぅ、ありっませぇーんっっっZZZZZ…」
「おおーっ」
「クスクスクスクス」
「ヒューヒュー」

「うにゃ?」
目を覚ました愛衣が、周囲をきょろきょろと見回す。
ビジネスホテルのシングルのベッドに、靴だけ脱いで転がっていたらしい。
「ん、んー」
愛衣は身を起こして頭を振る。小太郎と楽しく夕食を食べていた記憶があるのだが、
そこから先がぷっつり切れてる。
「んー、飲み過ぎたぁ、コタローさん、呆れちゃったかなぁ…」
本当は、自分を奮い立たせてちょっと勢いを付けたいだけだった。
一杯引っかけるぐらいでないととても無理そうだったから。
だが、これでは逆効果と言うかこのままでは任務遂行不能と言うか…
ぶんぶんと頭を振った愛衣は、腕時計を見てパンと掌で両頬を張る。
立ち上がり、ユニットバスに向かいシャワーの支度をした。

48 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/24(火) 14:01:59 ID:???
>>47

日付も変わろうかと言う頃合いに、小太郎はドアのノックに反応した。
「私です」
「何や?」
小首を傾げながら、小太郎はドアを開ける。
「夜遅くごめんなさい、ちょっと、よろしいですか?」
愛衣が改まってぺこりと頭を下げた。
「ああ」
愛衣は、もう一度頭を下げて部屋に入る。
「…風呂入ってたんか?…」
「何か、飲み過ぎたみたいで、すいませんでした」
ふわっと匂う洗い髪に小太郎が言い、愛衣が改めて頭を下げるが、
日付の変わり目にバスローブで部屋に現れたと言う意味は余りよく分かっていない様だった。

訂正です。>>46の最後、
愛衣を背負って歩く→愛衣を背負って歩道を歩く
とします、すいません。

今回はここまでです。続きは折を見て。

49 :マロン名無しさん:2008/06/26(木) 03:33:09 ID:???
保守

50 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/27(金) 14:02:29 ID:???
では、今回の投下、入ります。

>>48
「大阪に行く前に、込み入った話があると言ってましたよね」
「ああ、そう言やそやったな」
「話、付けに来ました」
「何や?」
小太郎は真面目な口調で聞き返すが、
端から聞けばこのやり取りは喧嘩の売り買いにしか見えない。
愛衣は、両腕を広げ、深呼吸をした。
そして、小太郎の前に立ち、その目を見据える。
“…な、何ガン飛ばしてんや?…俺、又なんかやらかしたか?…”
何気に手綱を握られる機会の少なくない小太郎は内心ドギマギしていた。
「小太郎さん」
「はいっ」
「小太郎さん、私は、あなたの事が好きです。付き合って下さい」
「………」
深々と頭を下げた愛衣がしっかりとした目つきで顔を上げるまで、
小太郎は呆然と、ひたすら呆然と突っ立っていた。
その事に気が付いた小太郎が愛衣を見る。
真っ直ぐな目を真っ直ぐ見る。それが、この二人には相応しかった。
「…ちょっと、座ろうか…」
「はい」
さすがに疲れたのか、愛衣も素直に応じて、二人は並んでベッドに掛けた。
「あー、ゲフンゲフン、真面目に応えなあかんな」
「お願いします」
言うだけ言って、沈黙に恥ずかしさがこみ上げたのかうつむいていた愛衣が言った。

51 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/27(金) 14:03:36 ID:???
>>50
「あー、なんつーか、俺は、お前の事好きや、いや、ちょっと待てな。
見た目もいい女やと思うてるし、まー、ちょい経験不足やったけどそれでも凄腕やし
イザとなったら惚れ惚れするぐらい腹据わってて、そいで、まあ、優しい。
一緒に仕事してても頼りになるし楽しい。
そうやって、お前と一緒にやっていけたら、
そう思わんでもないでもないでもないでもないでもないでも(以下略)」
愛衣は、途切れるまで黙って聞いていた。
「…けど、駄目や…」
「どうして、ですか?」
「お前は魔法使いとして才能も実力もある、マギステル・マギだって目指せる、
今の仕事してるお前、生き生きしてる。好きなんやろ、そうやって魔法使いしてるの。
協会でもずっと上目指せる筈や。
けど、上は頭固いからな、西の半妖とあんまり仲ようしてると、
痛くも無い腹探られるの知ってるやろ?」
「首になる訳じゃありません。変に出世して現場に出られない方が嫌かも知れないし」
「仮に、仮にその、結婚、までいったとしてや…」
「私はそのつもりです」
「ああ、やろな、お前は真面目な奴や、尻も重い…いや、そう言う意味やない怒るな。
で、そうなったとして、その、ああ分かるやろ?
お前狗の子産む覚悟あるんか?お前がいいとしてもや、産まれた子の事考えて…」
「現実的な解決策の一つとして、魔法世界への移住も考えています」
「あっちにか」
「はい。ご存じの通り、あちらはこちら程亜人への風当たりは強くはありません。
でも、私は麻帆良で暮らしたいです」
「麻帆良でか」
「はい。完璧ではないとしても、優しい街です。
私と小太郎さんが育った麻帆良で、私も、小太郎さんと私と小太郎さんの子供と、
あの優しい街の一部になって優しい人になりたい。それが私の願いです。
その願いの道を、一緒に歩いてくれませんか小太郎さん?」

52 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/27(金) 14:04:45 ID:???
>>51
「あー、ちょっと待て」
頭を抱えた小太郎がぐしゃぐしゃ髪の毛をかき回す。
「嬉しい、ホンマ嬉しい、お前みたいにいい女にそこまで言われてホンマめっちゃ嬉しい。
けどな、俺、決めてた、俺みたいな半端モンのガキ増やして泣かしたないって決めてた。
ずっとそう思ってたけど、お前となら出来そうな気がしないでもないでもないでも(以下略)…
そんな気持ちになるなんて思わんかったから、だから、どう返事していいか分からへん」
「小太郎さんが心のどこかで苦しんでたの、少しは、分かっていたつもりです。
私には分からないかも知れない。でも、少しでも一緒に…
私は、あなたの事を、愛しています、だから」
気弱な顔でチラと上を見た小太郎の前で、愛衣はむしろ堂々としていた。
「嬉しいって、気持ち、だけでも…」
「?」
愛衣のうわずった声に、小太郎がチラッとその顔を見る。
「…今夜は…ここに泊まるつもりで来ました」
「泊まるて、つまり、あれか」
「はい。そのつもりで準備もして来ました」
こっくり頷いた愛衣が言う。
「準備て…」
「お泊まりセットも、ドラッグストアの周辺で五時間ほど徘徊して職務質問もされましたが…
思い出で終わったとしても、小太郎さんなら、その時だけでも真実だと、思います。
…女から言われるの、嫌ですか?」
「いや、嫌やない、ちゅうか、そのあれや、
今まで何遍も組んで来てあれや、お前ずんずんいい女になるやんけ、
そんなんと一緒にいて、そんな風に考えんでもないでもないでもないでもないでも(以下略)」
押し倒された愛衣が目を開くと、小太郎がじっと愛衣を見ていた。

今回はここまでです。続きは折を見て。

53 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/28(土) 19:31:40 ID:???
引き続き、今回の投下、入ります。

>>52
「焼肉、美味しかったですね小太郎さん」
洗い髪の香りを漂わせ、愛衣がにっこり笑うと、ふっと笑った小太郎は静かに離れた。
「小太郎、さん?」
「悪い」
そっぽを向いた小太郎が言う。
「悪い、今夜はその、帰ってくれんか。ちゃんと、返事、するさかい」
「分かりました。有り難うございます」
「ああ、すまんな、その、半端で。お前の度胸、よう分かったから」
「なんか、女の子褒めてるみたいじゃないですよ。じゃ」
愛衣は、にっこり笑いかけて玄関に向かった。

再び小太郎がベッドにドサッと座ったのは、鍵とチェーンを厳重に確認し、
ユニットバスで小一時間過ごした後だった。
そうして、小太郎は再び頭を抱える。
「どないしよ…」
取りあえず、誰かに相談するとして、愛衣の事を知っている人物…
ブンブンと頭を振って輝く金髪を頭から追い払う。無駄な血は流したくない、
と、言うか、この内容の場合、小太郎もまだ命は惜しい。
ふと、携帯電話を見た小太郎がメールボックスを開く。

「チェックアウト?」
「はい、チェックアウトされました」
翌朝、と、言うか、正確には同じ日の朝にフロントから部屋に戻った愛衣は
ベッドに座りたった今震動した携帯を開く。
「悪いけど先に行く、後の書類は任せてええやろ、逃げる訳やないからな、ですか…」
メールを読んだ愛衣が、どさりとベッドに身を横たえた。
「面倒くさいって思われたかな…」

54 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/28(土) 19:32:48 ID:???
>>53
むくりと身を起こした愛衣が、じっと携帯を睨む。
小太郎があえて告げなかったと言う点から、これ以上本人を深追いするのは気が引ける。
しかし、何か胸騒ぎがする。
魔法協会に電話しようとしたが、さすがにそれはやめた。
愛衣の今のランクなら、
多少のごまかしをすれば協会を通じて小太郎の携帯電話の居所を調べる事も可能だ。
だが、そう言うズル自体が好きではない上に、それがお姉様の耳に入った場合、
ズルのお仕置きと言う以前に自分が仕事で同行した小太郎の居場所を秘かに調べたと言う時点で
とんでもない誤解を招きかねない、その時は血を見る事になる。
呪文を唱えた愛衣は、テーブルに水晶玉を置き、タロットを切り始めた。

「相変わらずいい食べっぷりねー」
その夜、ビアレストランで神戸牛とソーセージのメニューに格闘する小太郎を前に円が言う。
「そう言うくぎみー姉ちゃんこそ、相変わらずやな。いい飲みっぷりやし」
「アハハハ、くぎみー言うな」
円が生中片手にカラカラ笑う。
「ありがとーねー、わざわざライブ来てくれてさー」
「いや、たまたま近く来てたから」
「…でも、なーんか悩みでもあったかな青少年…」
「ん?いや、別に…」
「隠すな隠すな、柄にもなく悩んじゃってるからバレバレだっての」
「それ、俺がアホっぽい言う事か?」
「あったりー、生中お代わりー♪」
「そうだよな…」
「ん?」
「俺、アホやからなぁ…難しい事分からへんさかい」
「ほらー、お姉さんに話してみ話してみ」
「いや、それは」
「はーなーしーなーさーい…」
円が、ドンとジョッキを置いた。

55 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/28(土) 19:33:54 ID:???
>>54

「そっかー、あの娘勝負かけてきたかー」
「なんだよなー」
ぐびぐびとビールを飲み干す円の前で、白状させられた小太郎が言う。
「ホンマ、勝負かけて来たからなあいつ。イザとなったら女の方が腹据わってるわ」
「だよねー。あの娘じゃあさぁ、
本人どう言ってもやっちゃったら最後責任とんなきゃまずいみたいに思っちゃうよねー」
「ヒソヒソヒソヒソ…」
「お、おいおい、円ねーちゃん」
「なーに、照れてんのこのこのっ、このモテ男幸せ者っ」
「ハハハ…」
「まぁ、いい方法はないではないんだけどぉ」
「ん、何や?」
「簡単に食い付いて来ない。ま、取りあえず食べよ食べよ、今夜は久々の再会を祝してさ」

今回はここまでです。続きは折を見て。

56 :マロン名無しさん:2008/06/28(土) 22:42:40 ID:???
乙でございます
クギミーがこのまま引き下がるとは思えない!!
きっと何か仕掛けてくるはずw

57 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/06/30(月) 01:18:07 ID:???
少しになりますが、今回の投下、入ります。

>>55

「おいおい、しっかりせぇや」
「だーいじょーぶだってぇ、わたしぃ、おねーさんなんだからぁー」
「あ、分かった分かった」
「うわー、酔っ払いー?」
「男の子まだ高校生ぐらいじゃない?ひっどーい」
「でも、男の方ちょっといくない?」
「どうもー」
「おいおい…」
くすくす笑う観衆に円がケラケラ笑って手を振り、
小太郎は盛大に嘆息しながら円を背負って歩く。
「ったく…くぎみー姉ちゃん、実は実戦経験少ないやろ、酒飲みの」
「くぎみー言うなー。らーいじょうぶらいじょうぶー、ほらー、進め進めぇコタロー進めぇ」
「あ、分かった分かったたたただから耳引っ張るなてっ!
ったく…」
何が悲しくて二夜連続でメストラを背負って歩いているのかと、
小太郎の盛大な嘆息がピタッと止まった。
「うにゃー」
小太郎の背中で、円がぎゅっと抱き付き、
円の両脚も小太郎の前に回されてその体をぎゅっと抱き締めていた。
“…いや、いいかも…
いいかもやない、俺は硬派俺は硬派俺は硬派…”
小太郎がブンブン頭を振って前に進む。

58 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/06/30(月) 01:19:17 ID:???
>>57

「で、別に部屋取ったの?」
神戸市内のホテルのファミリールームで、桜子が言った。
「そ、別に部屋取ったの」
テーブルの前に座った浴衣姿の美砂が、ずずっとお茶をすすって言った。
「それって、その…」
かああっと赤くなる亜子の前で、美砂の目かキランと光った。
“…頑張んなよ円、頑張って…当たって砕けて来い、骨は拾ってやる…”

今回はここまでです。続きは折を見て。

59 :マロン名無しさん:2008/06/30(月) 03:53:47 ID:???
多分これを書いている人の名前を書くのでは?
http://www.uploda.org/uporg1514197.jpg

60 :暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2008/07/01(火) 14:02:18 ID:???
では、今回の投下、入ります。

>>58

「うにゃー」
「ったく、勘弁してや」
円から辛うじて聞き出して、ビジネスホテルのシングルの部屋で
円の体をベッドの上に横たえた小太郎が嘆息した。
「コータローくーん」
「んー?」
小太郎が振り返ると、ベッドに座ってジャケットを脱ぎ捨てた円が、
黒いタンクトップの脇からしゅるしゅるとブラを抜き取りぽーんと投げ捨てている所だった。
「い、いい加減帰るで俺」
「お水ー冷蔵庫のー」
吠えた円が、背中からベッドに倒れ込む。
「ったく…ほら」
小太郎がミネラル・ウォーターを持って来ると、
短いタンクトップにほつれたホットパンツと言う楽な姿で上半身大の字になっていた円が、
むくりと起きあがって喉を鳴らして水を飲む。
「はーい、コタローくーんここに座るー」
剥き出しの右腕で唇を拭った円が、ベッドの自分の隣をバンバンと叩いて言った。
「おいおい」
「まだ、話終わってないよコタロー君。言ったでしょ、いい方法があるって」
「?」
小太郎が、円の隣にちょこんと座った。
「で、何や酔っ払い、いい方法て?」
言うが早いか、円は、ぐいっと小太郎の肩を抱いて引き寄せた。
「お、おいおいっ」
小太郎が慌てて視線を横に向けると、円はにこにこと笑って話を始めた。

61 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/07/01(火) 14:03:24 ID:???
>>60
「おっきくなったねー、コタロー君。
最初会った時なんてこーんなおチビさんだったのにさー、もう恋の季節かぁー。
ネギ君もねー、ホントだったら今頃、思い切りイケメン紳士になってたんだろーねー」
「ああ、あいつ、あっちこっちで女とつるんで、信じられんわホンマ」
小太郎が言うと、円はふふっと笑みを浮かべた。
「コタロー君もいい男だよー」
「ついでみたいな褒めんなや」
「妬かない妬かない」
「誰がっ…」
「うーん、つまりー、彼女から直球ストレートで来られて、
自分がどうしていいかどうしたいかよく分からない。そーゆー相談だったよねー」
真面目な口調になった円に、小太郎はそっぽを向いて答えた。
「あ、ああ」
「じゃあさー、私と試して見るー?」
「は?」
「いやだからー、これからー、
かるーい気持ちでここでおねーさんとイイコトしてみないって言ってるの」
「はい?」
「これでもけーけんほーふなギョーカイ人よー、
男の子の一人や二人けーけんちの内のほほのほー」
「飲み過ぎやで円ねーちゃん」
「そー、飲み過ぎちゃったー、飲み過ぎちゃったまんまー、ぱーっとお持ち帰りでいいでしょー、
コタロー君ならかっこいいしー、試しにそーゆーのけーけんしてからでもさー」
「どわっ!」
悲鳴と共に、小太郎の頭は円の小脇に抱えられた。
「うらうらうらーっ、
だーかーらー、おねーさまがー、手取り足取り一から十まで教えてあげるっつってんのー。
イザって時ベッドん上で向かい合って
二人揃ってアタフタオロオロガクガクブルブルって大変だよー。どうすんのこの色男、んー?」

62 :暗黒史DC(ネタバレ):2008/07/01(火) 14:04:36 ID:???
>>61
「…悪い、円ねーちゃん…」
ゆっくりと抜け出しながら小太郎が小さく言う。
「…もう、気持ち決まってるんでしょ、それじゃあそうすればいいでしょ、小太郎君らしくさ」
「ああ、有り難うな」
「んじゃ、お礼代わりに指導料でも貰っとくかな?」
「何や?金か?飯おごってもろたし…」
皆まで言わず、ちゅっと唇を吸われた小太郎が目をぱちくりさせる。
気が付いた時には、目の前に相変わらずにこにこ笑った円が座っている。
「んじゃ、頑張って」
「ああ、色々有り難うな」
ヒラヒラと手を振る円と分かれ、小太郎が廊下から部屋の玄関ドアを閉じる
「…悪い、円姉ちゃん…」

小太郎が去った部屋で、円は、ドサッとベッドに横たわって大きく息を吐いた。
「…いたっ…あのバカ…」

「コタローくーんっ!」
「ん?」
ホテルの入口で振り返ると、円が息せき切って駆け付けていた。
「これ、落としたでしょ」
「あ、ああ、悪い、最近のちっこいからなー」
円から携帯を受け取り、小太郎が頭を掻く。
そして、二人顔を見合わせ、笑う。
「じゃ、頑張って♪」
「おう」
ヒラヒラと手を振る円に、小太郎が手を挙げてその場を去る。
その少し先の角では、白い火柱が上がっていた。

今回はここまでです。続きは折を見て。

63 :マロン名無しさん:2008/07/03(木) 02:19:41 ID:zw0LCPiC
このスレよくわからん

64 :マロン名無しさん:2008/07/04(金) 19:26:27 ID:???
保守

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